JP6537198B2 - 電池容器、及びフィルム包装電池 - Google Patents
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Description
これらの要望に対して、基材層、アルミニウムなどの金属箔、シーラント層から構成される積層体を袋状にしたパウチタイプ、又は前記積層体をプレス成型して凹部を形成し、該凹部にリチウムイオン電池本体を収納するエンボスタイプ(「絞り加工タイプ」ともいう。)等のフィルム包装電池が開発されている(例えば特許文献1〜2)。
絞り加工タイプの電池容器は、多少厚い電池素子でも収容でき、電池素子の充填包装が容易であること、容積効率(電池容器の全体積に対する容積の比)が高く、軽量化しやすく、コストが低い、といったメリットがある。
また、隅部が特に強く引き伸ばされるので、金属箔が薄くなったり、金属箔に多数のピンホールが発生したりする。金属箔の薄い部分やピンホールから水分が浸入すると、電解液と反応し、フッ酸等が生成する。このため、電極部材の溶着部等が劣化し、電解液が漏洩するといった問題があった。
(1)金属箔の一方の面に溶着層を有し、前記金属箔の他方の面に保護層を有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器であって、前記溶着層を前記容器本体の内面側にしてなり、前記容器本体の周壁は、前記容器本体の底部から折り線で折られて立ち上がる4つの壁面が、天面が前記蓋材との溶着面となる樹脂成型体に溶着されて連結してなり、前記4つの壁面のうち、少なくとも対向する一対の前記壁面のそれぞれの前記溶着層に、前記樹脂成型体の表面が溶着されてなることを特徴とする電池容器。
(2)前記樹脂成型体は、板体であり、前記板体の一方の側面が、前記蓋材との溶着面となることを特徴とする(1)の電池容器。
(3)前記板体の両端に、前記壁面が溶着される端壁補強板を有することを特徴とする(2)の電池容器。
(4)前記樹脂成型体が枠体であり、前記枠体の天面が、前記蓋材との溶着面となり、前記枠体の外周表面と、前記4つの壁面とが溶着されてなることを特徴とする(1)の電池容器。
(5)金属箔と溶着層とを有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器の製造方法であって、前記溶着層を上側として配置された長尺の前記積層フィルムの両側辺の溶着層に、分断されて複数の樹脂成型体となる長尺の樹脂板を溶着する樹脂板溶着工程と、長尺の前記積層フィルムの両側辺において、前記樹脂板が複数の前記樹脂成型体として残り、かつ隣接する前記樹脂成型体同士の間において、隣接する前記樹脂成型体同士の対向する二つの面に溶着される長さより長い前記積層フィルムが残るように、前記樹脂板と前記積層フィルムを切欠いて前記樹脂成型体を切り出す板体切り出し工程と、前記樹脂成型体が残された前記積層フィルムを、両辺の前記樹脂成型体が対向するように直線からなる折り線で折り曲げて立ち上げ、前記樹脂成型体の下端に接する前記積層フィルムを前記樹脂成型体に溶着して、側壁を形成する側壁形成工程と、前記積層フィルムの切欠きが存在する部分を、前記樹脂成型体の両端の根本から、直線からなる折り線で折り曲げて立ち上げ、前記樹脂成型体の両端に接する前記積層フィルムを前記樹脂成型体に溶着して、対向した端壁を形成する工程と、を有することを特徴とする電池容器の製造方法。
(6)金属箔と溶着層とを有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器の製造方法であって、前記溶着層を上側として配置された長尺の前記積層フィルムの両側辺において、複数の前記容器本体の底部となる部分同士の間に、隣接する樹脂成型体同士の対向する二つの面に溶着される部分の長さより長い前記積層フィルムが残るように、前記樹脂成型体の主面の幅で切欠いて、前記容器本体の前記底部となる部分から前記樹脂成型体に溶着される前記積層フィルムの側縁が複数の自由端として外方に広がるように切欠きを設けるフィルム切欠き工程と、前記積層フィルムの前記容器本体の前記底部の四隅となる部分に前記樹脂成型体の外周面の角を一致させて配置し、前記樹脂成型体を前記積層フィルムの溶着層に溶着する樹脂成型体溶着工程と、前記積層フィルムの切欠きが存在する部分と自由端とを前記樹脂成型体の根本から、直線からなる折り線で折り曲げて立ち上げ、それぞれ前記樹脂成型体に重ねて溶着し、前記容器本体の周壁を形成する工程と、を有することを特徴とする電池容器の製造方法。
(7)(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の電池容器を用いたフィルム包装電池であって、容器本体に電池素子を収納し、蓋材で封止したことを特徴とするフィルム包装電池。
さらに、樹脂成型体が蓋材溶着面を有するので、フィルム包装電池の少なくとも対向する二辺は、蓋材を樹脂成型体に溶着して封止できる。これにより、蓋材の溶着部が電池容器の外方に延出しないので、電池がコンパクトになり、複数の電池を集積して用いる場合に、集積体の体積を小さくすることができる。また、複数の電池の保管時や集積時の取扱性にも優れる。
本発明の電池容器及びフィルム包装電池の製造方法によれば、長尺の積層フィルムを用いて、複数の電池容器本体を形成する。これにより、ロール、ボビン巻きやカセ巻きに巻き取られた積層フィルムや樹脂成型体が溶着された積層フィルムを、巻き戻しながら、電池容器やフィルム包装電池を連続的に製造できるので、生産効率が高い。
<第1形態例>
図1に示す本形態例の電池容器10は、電池素子5が収納されて図2に示す本形態例のフィルム包装電池20となる。本形態例のフィルム包装電池20は、二次電池や電気二重層キャパシタ等である。
本形態例のフィルム包装電池20は、正負の電極板に電気的に接続された正極リードと負極リードが電池容器10から互いに反対の方向へ突出している。リードは、電極板に取り付けられて電気的に接続される。
セパレータとしては、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂から作られた多孔フィルム、不織布や織布など、電解液を含浸することができるシート状の部材が用いられる。
図2に示すフィルム包装電池20は、電池容器10に電池素子5が収納されて、蓋材3で密閉される。蓋材3は、容器本体4の開口部において、樹脂成型体2の蓋材溶着面とリード挟持部44に溶着されている。リード挟持部44と蓋材3にリードが挟まれている。
本形態例においては、積層フィルム1は、片面のみに溶着層を有する。積層フィルム1は、溶着層が容器本体4の最内層となる。
本形態例に用いる積層フィルム1は、金属箔の溶着層とは反対の側に樹脂からなる保護層が積層されている。
保護層は、金属箔が水分や電解液により腐食したり、金属箔が他の物品と接触して損傷したりすることを防止する。保護層は、溶着層に比べて融点が高い熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂によって形成されることが好ましい。
保護層は、二軸延伸されていると耐熱性と強度が高くなるので好ましく、複数層が積層されていてもよい。
各層の積層には、ドライラミネート、押出ラミネートや熱圧着ラミネート等の公知の方法を採用できる。
これらのうち、比重が小さく、展延性(延びやすさ)および熱伝導性に優れることから、アルミ箔やアルミ合金箔が好ましい。熱伝導性に優れると、電池素子が発熱した場合の放熱性が向上する。アルミ箔の厚さは、バリア性の確保や加工適性その他を考慮すると、6μm〜200μmの範囲であることが好ましい。アルミ箔の厚さが6μmに満たないと、ピンホールの発生が多くなり、バリア性が低下することがある。
蓋材3が積層フィルム1と一体になっていると、積層フィルム1が折られる容器本体4の天面の稜線が積層フィルム1で覆われるので、樹脂成型体2が薄い板状であっても、バリア性の低下が小さいので好ましい。なお、積層フィルム1が折られる容器本体4の天面の稜線に対向する稜線も積層フィルム1で覆われることが好ましい。この場合は、積層フィルム1の幅を広くし、積層フィルム1の外面にも溶着層を設けて、はみ出した蓋材3を容器本体4の側壁43の外面に溶着して固定することが好ましい。
容器本体4の天面の稜線を蓋材3で覆う場合は、蓋材3の幅を容器本体4の幅よりも広くして、樹脂成型体2の上端面を全部覆うように溶着することが好ましい。これにより、樹脂成型体2が薄い板状であっても、バリア性の低下が小さいので好ましい。この場合は、積層フィルム1の外面にも溶着層を設けて、はみ出した蓋材3を容器本体4の側壁43の外面に溶着して固定することが好ましい。
蓋材3が金属箔と溶着層とを有する積層フィルムである場合は、積層フィルム1と同様な保護層が積層されたものが好ましい。
本形態例においては、樹脂成型体2は、容器本体4の底部41側の下端面と開口部側の蓋材溶着面となる上端面と長さ方向の両端に側端面を有する板状に形成されている(以下、「樹脂成型体2」を「板体2」ということがある)。
なお、本明細書において、「主面」とは、複数の面の内、最も広い面を意味する。
樹脂成型体2の厚さは、2〜5mmであることが好ましい。樹脂成型体2の厚さが2mm以上であると、端壁42や蓋材3との溶着強度に優れる。また、端壁42と側壁43との連結部が積層フィルム1で覆われていなくても、板体2の厚みによりバリア性の低下が小さい。樹脂成型体2の厚さが5mm以上であっても、溶着強度やバリア性のさらなる向上は望めず、電池容器10の容積効率が低下する。
容器本体4の端壁42と側壁43は、近接した状態で連結されるが、連結部の稜線は、板体2の厚みによりバリア性の低下が小さい。
図2に示すように、蓋材3が板体2の上端面である蓋材溶着面と容器本体4のリード挟持部44とに溶着されて、リードを挟持すると共に、容器本体4の開口部を塞いでいる。
まず、図3に示すように、容器本体4の側壁43となる積層フィルム1の両側辺の溶着層に、板体2と同じ幅と厚さの樹脂板21を溶着する。溶着に際しては、樹脂板21と積層フィルム1との両側縁を一致させる。
本形態例においては、樹脂板21を積層フィルム1の側辺全体にわたって溶着しているが、板体2となる長さを確保できれば、側辺の一部に溶着してもよい。また、板体2として溶着すべき部分は、上端の蓋材溶着面と両側端面が固定されればよいので、板体2の主面の全面でもよいし、周縁のみでもよい。
なお、本明細書において、「自由端」とは、自由に動くことができる端部を意味する。
樹脂板21と積層フィルム1の側辺とを切欠く方法としては、打抜き金型を用いて樹脂板21と積層フィルム1の側辺とを一括して打ち抜く方法やレーザー光線を用いた切断等を採用できる。
打抜き金型を用いた打ち抜きは、樹脂板21の切り出しを、簡易な装置で、短時間で行える点で好適である。
そして、図5に示すように、積層フィルム1に溶着された板体2を積層フィルム1の上に立つように折り曲げて、積層フィルム1側から板体2の下端面と積層フィルム1を溶着して固定する。
そして、端壁42から延出する自由端を、外側に水平に折り曲げてリード挟持部44を形成すると、図1(a)、(b)に示す本形態例の電池容器10が得られる。
なお、リード挟持部44の形成は、端壁42の形成と同時に行なってもよい。
本形態例の電池容器10の製造方法は、樹脂板溶着工程、板体切り出し工程、側壁形成工程および壁面連結工程を有する。これらの工程は、概ね、独立した容器本体4の製造方法と同じである。以下、個々の工程について異なる点のみを説明する。
図6に示すように、長尺の積層フィルム1の両側辺の溶着層に、複数の板体2となる長尺の樹脂板21を溶着する。長尺の積層フィルム1は、リードが露出するための開口が設けられている。開口を設ける方法としては、打抜き金型を用いて打ち抜く方法やレーザー光線を用いた切断等を採用できる。
長尺の樹脂板21の溶着方法は、独立した容器本体4の製造方法における積層フィルム1と樹脂板21との溶着方法と同様である。
長尺の積層フィルム1に開口を設ける場合は、長尺の樹脂板21を溶着した後でもよいが、最初に長尺の積層フィルム1に開口を設けると作業性がよいので好ましい。
図7に示すように、独立した容器本体4の製造方法と同様に、長尺の樹脂板21を溶着した長尺の積層フィルム1から複数の板体2を切り出す。切り出すに際し、図8に示すように、隣接する板体2間の積層フィルム1のみからなる部分が開口を有する連結部とリード挟持部44、44および端壁22、22となる部分からなるように切り出す。
従って、隣接する板体2間の積層フィルム1は、板体2の隣接する二つの切断面(側端面)に溶着される長さより、連結部と二つのリード挟持部44の分だけ長い。
また、板体2の側端面同士を結ぶ二点鎖線1bは、容器本体4の底部41となる部分と端壁22となる部分の境界線である。この境界線1bは、積層フィルム1を板体2に溶着して、端壁22を形成する際に、谷折りされる。
また、この境界線1bと切断予定線1a、1aとの間にある二点鎖線1cは、容器本体4の端壁22となる部分とリード挟持部44となる部分の境界線である。この境界線1cは、端壁22を形成する際に、山折りされる。
なお、図6〜図12には、連続した二つの電池容器10が形成される例が図示されているが、通常は、三つ以上の電池容器10が形成される。
図9に示すように、独立した容器本体4の製造方法と同様に、切り出した複数の板体2が積層フィルム1の上に立つように積層フィルム1を折り曲げ、複数の板体2のそれぞれの下端面と積層フィルム1とを溶着して固定すると、複数の側壁43が形成される。
板体2が溶着された側壁43同士間の積層フィルム1の端壁42となる部分を、図8に示した二点鎖線に沿って、垂直に谷折りし、水平に山折りして、連結部と二つのリード挟持部44となる部分を水平に持ち上げて板体2の側端面に密着させる。
そして、独立した容器本体4の製造方法と同様に、積層フィルム1を板体2の側端面に溶着して固定すると、図10に示す複数の容器本体4が連結部で連結された電池容器10の帯が得られる。
得られた容器本体4の帯の連結部を切断除去して分断すると、図1に示す本形態例の電池容器10が得られる。
得られた電池容器10の帯は、分断せずに電池容器10として用いることもできる。
本形態例のフィルム包装電池20の製造方法は、本発明の電池容器10の製造方法に電池素子収納工程と封止工程を付加したものである。以下、電池素子収納工程と封止工程について説明する。
本形態例のフィルム包装電池20の製造方法は、まず、図11に示すように、電池容器10の帯のそれぞれの電池容器10に電池素子5を収納する。
電池素子5の収納に際しては、電池容器10から互いに反対の方向へ突出する正極リードと負極リードのそれぞれの端部が連結部の開口内に位置するように収納する。
本形態例においては、複数の蓋材3が連結した長尺の蓋材3を用いる。この蓋材3は、電池容器10の帯の連結部と同様に、開口を備える連結部を有する。開口の大きさは、電池容器10の帯の連結部と異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。なお、独立した複数の蓋材3を用いることもできる。
本形態例において用いる長尺の蓋材3の連結部は、容器本体4の帯の連結部と幅と長さが同じで、同一形状の開口が同一の間隔で形成されている。なお、通常は帯同士の長さは一致していなくてもよい。
得られたフィルム包装電池20の帯の連結部を切断除去すると、図2に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、得られたフィルム包装電池20の帯は、そのまま完成品としてもよい。
図13に示すように、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点は、板体2の下端面の長さが上端面の長さに比べて短く形成されている点のみである。本形態例においては、板体2の側端面は上端面に対して鋭角に傾斜しているので、第1形態例に比べて、端壁42の底面41やリード挟持部44対する屈曲角度が小さい。そのため、本形態例の電池容器10は、積層フィルム1や蓋材3にバリア層として剛性の高いステンレス箔を用いる場合に好適である。また、容器本体4の開口部が底部41に比べて広いので、電池素子5収納する際に作業性がよい。
以下、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点のみを説明する。
特に、図14に示す板体2を用いた場合は、蓋材3をリード挟持部44に溶着する際に、板体2の上端面と側端面とで形成される鋭角な先端の稜線を容易に溶融できるので、蓋材3を気密に密閉できる。
図15に示すように、本形態例の電池容器10は、板体2の下端面の長さが上端面の長さに比べて短くなるように、積層フィルム1に溶着した樹脂板21から板体2を切り出すこと以外は、第1形態例と同様にして、作製することができる。
なお、板体2、2は、必ずしも、板体2の両側端面が鋭角に形成される必要はなく、それぞれ対向する側端面の一方が上端面に対して鋭角に傾斜し、他方が第1形態例のように垂直に形成されていてもよい。
なお、本形態例の電池容器10およびフィルム包装電池20も、長尺の積層フィルム1を用いて効率よく製造することが可能である。その製造方法の一例としては、第1形態例の板体切り出し工程において、図17に示す下端面の長さが上端面の長さに比べて短い板体2を切り出すように変更すれば、図18に示す複数の電池容器10が連結部で連結された電池容器10の帯が得られる。
得られた電池容器10の帯の連結部を切断除去して分断すると、本形態例の電池容器10が得られる。
そして、電池容器10の帯を分断せずに電池容器10として用い、第1形態例の電池素子収納工程および封止工程と同様にして、図19に示すフィルム包装電池20の帯が得られる。
得られたフィルム包装電池20の帯の連結部を切断除去すると、図16に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、得られたフィルム包装電池20の帯は、そのまま完成品としてもよい。
図20に示すように、本形態例が第1形態例と異なる点は、板体2が両側端面に、電池容器10としたときに、それぞれ内方に延びる端壁補強板2h、2hを備える点のみである。本形態例においては、板体2の側端面が端壁補強板2h、2hにより端壁42が補強されるので、電池容器10の保形性が高い。
以下、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点のみを説明する。
板体2を切り出す場合は、図21(a)に示すように、第1形態例の板体2の積層フィルム1に溶着されない主面において端壁補強板2hが立ち上がる樹脂板21を用いて、図21(b)に示すように、端壁補強板2hの外面と同一面となる位置から外方の樹脂板21を切断除去すること以外は、第1形態例の電池容器10と同様にして切り出すことができる。
図20(b)に示すように、端壁補強板2hの上端面は、板体2の上端面と共に蓋材3に溶着される。
第1形態例と同様に、本形態例の電池容器10の容器本体4に電池素子5を収納し、蓋材3を溶着すると、図20(b)に示す本形態例のフィルム包装電池20が完成する。
その製造方法の一例としては、第1形態例の樹脂板溶着工程において、図23に示す複数の板体2となる図22の長尺の樹脂板21を用いて、長尺の積層フィルム1の溶着層に溶着する。図22に示すように、この長尺の樹脂板21は、第1形態例の樹脂板21の積層フィルム1に溶着されない主面において、複数の端壁補強板2hが立ち上がっている。
得られた電池容器10の帯の連結部を切断除去して分断すると、図20(a)に示す本形態例の電池容器10が得られる。
そして、電池容器10の帯を分断せずに電池容器10として用い、第1形態例の電池素子収納工程および封止工程と同様にして、図25に示すフィルム包装電池20の帯が得られる。
得られたフィルム包装電池20の帯の連結部を切断除去すると、図20(b)に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、得られたフィルム包装電池20の帯は、そのまま完成品としてもよい。
図26に示すように、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点は、樹脂成型体2が四角い枠体である点のみである(以下、「樹脂成型体2」を「枠体2」ということがある)。本形態例においては、枠体2により容器本体4の周壁全体が補強されるので、容器本体4の保形性が高い。
また、本形態例の電池容器10は、枠体2と蓋材3だけでもリードを挟持することができるので、リード挟持部44を省略することができる。この場合、リードを電池容器10の任意の辺に挟持させることができる。
以下、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点のみを説明する。
本形態例における枠体2は、第1形態例における板体2に比べて形状が複雑なので、射出成型で作製することが好ましい。あるいは、筒状に押出成型して長手方向を切断して作製してもよい。
次に、図27に示すように、積層フィルム1の4隅を切断し、積層フィルム1を十文字形状に形成する。4隅の切断は、底部41となる部分を中心に、端壁42、42およびリード挟持部44、44となる部分と側壁43、43となる部分が自由端として外方に広がる十文字形状に残す。
なお、枠体2を溶着してから、積層フィルム1の4隅を切断することもできる。
枠体2の下端面を底部41に溶着するに際して、枠体2を直接射出成型で形成し、その時に金型内で積層フィルム1の溶着層に溶着してもよい。
枠体2を積層フィルム1の溶着層に溶着するに際して、枠体2を直接射出成型で形成し、金型内で枠体2の下端面と外周面を積層フィルム1の溶着層に溶着してもよい。
本形態例の電池容器10に電池素子5を収納し、第1形態例と同様に蓋材3を溶着すると、図26(b)に示す本形態例のフィルム包装電池20が完成する。
本形態例の電池容器10の製造方法は、樹脂板溶着工程、板体切り出し工程、側壁形成工程および壁面連結工程を有する。これらの工程は、概ね、独立した容器本体4の製造方法と同じである。以下、個々の工程について異なる点のみを説明する。
まず、長尺の積層フィルム1に、第1形態例と同様にリードが露出するための開口を設ける。そして、積層フィルム1のみを切り出すこと以外は、第1形態例の板体切り出し工程と同様にして、独立した電池容器10を作製する場合と同様な十文字形状の積層フィルムが開口を有する連結部で複数連結した積層フィルム1を作製する。
この積層フィルム1は、図28に示すように、長尺の積層フィルム1の両側辺において、複数の容器本体4の底部41となる部分同士の間に、隣接する枠体2、2同士の対向する二つの面に溶着される部分の長さより長い積層フィルム1が残るように、枠体2の主面である外周面の幅で切欠く。その結果、複数の容器本体4の底部41となる部分から、枠体2に溶着されて側壁43、43となる積層フィルム1の側縁が複数の自由端として外方に広がっている。
複数の枠体2を射出成型し、独立した電池容器10を作製する場合と同様に、積層フィルム1の容器本体4の底部41の四隅となる部分に枠体2の外周面の角を一致させて配置し、枠体2を長尺の積層フィルム1の底部41となる部分の溶着層に溶着して、図28に示す複数の枠体2が溶着された長尺の積層フィルム1を作製する。
枠体2が溶着された長尺の積層フィルム1の切欠きが存在する部分と複数の自由端とを、枠体2の根本から折り曲げて立ち上げ、それぞれ枠体2の外周面に密着させ、枠体2の外周面を積層フィルム1の溶着層に積層フィルム1側から溶着して端壁42、42と側壁43、43を形成する。
そして、第1形態例の壁面連結工程と同様に、積層フィルム1の端壁42となる部分を、垂直に谷折りし、水平に山折りして、連結部と二つのリード挟持部44となる部分を水平に持ち上げて板体2の側端面に溶着して固定すると、複数の電池容器10が連結部で連結された電池容器10の帯が得られる。
得られた電池容器10の帯の連結部を切断除去して分断すると、図26(a)に示す本形態例の電池容器10が得られる。
そして、電池容器10の帯を分断せずに電池容器10として用い、第1形態例の電池素子収納工程および封止工程と同様にして、フィルム包装電池20の帯が得られる。
得られたフィルム包装電池20の帯の連結部を切断除去すると、図26(b)に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、得られたフィルム包装電池20の帯は、そのまま完成品としてもよい。
例えば、電池容器10としたとき、板体2が両側端面に、それぞれ内方に延びる端壁補強板2h、2hを備える第3形態例において、予め射出成型した一対の板体2の端壁補強板2hの先端同士を対向するように配置して用いると、中間部が欠落した四角い枠体形状になるので、枠体からなる樹脂成型体2を用いる第4形態例と同様にして、電池容器10およびフィルム包装電池20を長尺の積層フィルム1を用いて効率よく作製できる。
また同様に、板体2が両側端面に端壁補強板2h、2hを有しない第1および第2形態例においても、予め射出成型した一対の板体2同士を二の字状に対向するように配置して用いることで、第4形態例の場合と同様にして、電池容器10およびフィルム包装電池20を長尺の積層フィルム1を用いて効率よく製造できる。
また、板体2の下端面の長さが上端面の長さに比べて短く形成されている板体2を用いる第2形態例において、対向する板体2の端部同士間に樹脂板を介在させて、枠体形状としてもよい。
さらに、正負の電極が互いに反対方向に延出する態様を示したが、正負の電極が一つの辺から同じ方向に延出するようにしてもよい。
Claims (5)
- 金属箔の一方の面に溶着層を有し、前記金属箔の他方の面に保護層を有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器であって、
前記溶着層を前記容器本体の内面側にしてなり、
前記容器本体の周壁は、前記容器本体の底部から折り線で折られて立ち上がる4つの壁面が、天面が前記蓋材との溶着面となる樹脂成型体に溶着されて連結してなり、
前記4つの壁面のうち、少なくとも対向する一対の前記壁面のそれぞれの前記溶着層に、前記樹脂成型体の表面が溶着されてなることを特徴とする電池容器。 - 前記樹脂成型体は、板体であり、前記板体の一方の側面が、前記蓋材との溶着面となることを特徴とする請求項1に記載の電池容器。
- 前記板体の両端に、前記壁面が溶着される端壁補強板を有することを特徴とする請求項2に記載の電池容器。
- 前記樹脂成型体が枠体であり、前記枠体の天面が、前記蓋材との溶着面となり、前記枠体の外周表面と、前記4つの壁面とが溶着されてなることを特徴とする請求項1に記載の電池容器。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電池容器を用いたフィルム包装電池であって、
容器本体に電池素子を収納し、蓋材で封止したことを特徴とするフィルム包装電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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