JP2017204489A - 電池容器、及びフィルム包装電池 - Google Patents

電池容器、及びフィルム包装電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2017204489A
JP2017204489A JP2017163665A JP2017163665A JP2017204489A JP 2017204489 A JP2017204489 A JP 2017204489A JP 2017163665 A JP2017163665 A JP 2017163665A JP 2017163665 A JP2017163665 A JP 2017163665A JP 2017204489 A JP2017204489 A JP 2017204489A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
container
laminated film
welded
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017163665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6537198B2 (ja
Inventor
宏和 飯塚
Hirokazu Iizuka
宏和 飯塚
康宏 金田
Yasuhiro Kaneda
康宏 金田
鈴木 潤
Jun Suzuki
潤 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimori Kogyo Co Ltd filed Critical Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority to JP2017163665A priority Critical patent/JP6537198B2/ja
Publication of JP2017204489A publication Critical patent/JP2017204489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6537198B2 publication Critical patent/JP6537198B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Abstract

【課題】電池容器、及びフィルム包装電池の提供。
【解決手段】金属箔の一方の面に溶着層を有し、前記金属箔の他方の面に保護層を有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器であって、前記溶着層を前記容器本体の内面側にしてなり、前記容器本体の周壁は、前記容器本体底部から折り線で折られて立ち上がる4つの壁面が溶着されて連結してなり、前記4つの壁面のうち、少なくとも対向する一対の前記壁面に樹脂成型体が溶着されてなることを特徴とする電池容器、及びフィルム包装電池。
【選択図】図2

Description

本発明は電池容器、及びフィルム包装電池に関する。
従来、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ等の電池素子(電解質を含む全ての充電・発電要素)を収容する電池容器として、優れた耐水蒸気透過性を有する金属製容器が多用されている。しかし、金属容器は重く、嵩張り、包装工程も複雑で生産性に欠ける。特に、容器本体と蓋体との溶接は多くの工数を必要とし、量産性の観点からも問題がある。また、電気自動車用のリチウム電池等は、車載する数が多いので、容器は軽くコンパクトであることが望まれている。
これらの要望に対して、基材層、アルミニウムなどの金属箔、シーラント層から構成される積層体を袋状にしたパウチタイプ、又は前記積層体をプレス成型して凹部を形成し、該凹部にリチウムイオン電池本体を収納するエンボスタイプ(「絞り加工タイプ」ともいう。)等のフィルム包装電池が開発されている(例えば特許文献1〜2)。
絞り加工タイプの電池容器は、多少厚い電池素子でも収容でき、電池素子の充填包装が容易であること、容積効率(電池容器の全体積に対する容積の比)が高く、軽量化しやすく、コストが低い、といったメリットがある。
特開2002−216713号公報 特開2010−262932号公報
しかしながら、絞り加工タイプの電池容器は、特許文献1,2に記載されるように、スリップ剤や流動パラフィン層等を用いると、金型と包材の表面の滑りがよくなるので、深く絞り加工できる。しかし、絞り性を上げても、金属箔を三次元形状に絞るので、絞り深さには限界があり、絞り成型容器の深さとしては10mm程度が上限であった。そのため、大容量の厚い電池素子を収容することができないという課題があった。
また、隅部が特に強く引き伸ばされるので、金属箔が薄くなったり、金属箔に多数のピンホールが発生したりする。金属箔の薄い部分やピンホールから水分が浸入すると、電解液と反応し、フッ酸等が生成する。このため、電極部材の溶着部等が劣化し、電解液が漏洩するといった問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、絞り加工タイプの電池容器と同様に、軽量で、容積効率が高く、大容量の厚い電池素子も容易に収容可能とするために電池素子の充填包装が容易で、任意の厚さに設計可能な電池容器、それを用いたフィルム包装電池及び製造効率の高い電池容器の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、以下の電池容器を提供する。
(1)金属箔の一方の面に溶着層を有し、前記金属箔の他方の面に保護層を有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器であって、前記溶着層を前記容器本体の内面側にしてなり、前記容器本体の周壁は、前記容器本体の底部から折り線で折られて立ち上がる4つの壁面が溶着されて連結してなり、前記4つの壁面のうち、少なくとも対向する一対の前記壁面に樹脂成型体が溶着されてなることを特徴とする電池容器。
(2)前記樹脂成型体は、板体であり、前記板体の一方の側面が、前記蓋材との溶着面となることを特徴とする(1)の電池容器。
(3)前記板体の両端に、前記壁面が溶着される端壁補強板を有することを特徴とする(2)の電池容器。
(4)前記樹脂成型体が枠体であり、前記枠体の天面が、前記蓋材との溶着面となり、前記枠体の外周表面と、前記4つの壁面とが溶着されてなることを特徴とする(1)の電池容器。
本発明は、以下の電池容器の製造方法を提供する。
(5)金属箔と溶着層とを有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器の製造方法であって、前記溶着層を上側として配置された長尺の前記積層フィルムの両側辺の溶着層に、分断されて複数の樹脂成型体となる長尺の樹脂板を溶着する樹脂板溶着工程と、長尺の前記積層フィルムの両側辺において、前記樹脂板が複数の前記樹脂成型体として残り、かつ隣接する前記樹脂成型体同士の間において、隣接する前記樹脂成型体同士の対向する二つの面に溶着される長さより長い前記積層フィルムが残るように、前記樹脂板と前記積層フィルムを切欠いて前記樹脂成型体を切り出す板体切り出し工程と、前記樹脂成型体が残された前記積層フィルムを、両辺の前記樹脂成型体が対向するように直線からなる折り線で折り曲げて立ち上げ、前記樹脂成型体の下端に接する前記積層フィルムを前記樹脂成型体に溶着して、側壁を形成する側壁形成工程と、前記積層フィルムの切欠きが存在する部分を、前記樹脂成型体の両端の根本から、直線からなる折り線で折り曲げて立ち上げ、前記樹脂成型体の両端に接する前記積層フィルムを前記樹脂成型体に溶着して、対向した端壁を形成する工程と、を有することを特徴とする電池容器の製造方法。
(6)金属箔と溶着層とを有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器の製造方法であって、前記溶着層を上側として配置された長尺の前記積層フィルムの両側辺において、複数の前記容器本体の底部となる部分同士の間に、隣接する樹脂成型体同士の対向する二つの面に溶着される部分の長さより長い前記積層フィルムが残るように、前記樹脂成型体の主面の幅で切欠いて、前記容器本体の前記底部となる部分から前記樹脂成型体に溶着される前記積層フィルムの側縁が複数の自由端として外方に広がるように切欠きを設けるフィルム切欠き工程と、前記積層フィルムの前記容器本体の前記底部の四隅となる部分に前記樹脂成型体の外周面の角を一致させて配置し、前記樹脂成型体を前記積層フィルムの溶着層に溶着する樹脂成型体溶着工程と、前記積層フィルムの切欠きが存在する部分と自由端とを前記樹脂成型体の根本から、直線からなる折り線で折り曲げて立ち上げ、それぞれ前記樹脂成型体に重ねて溶着し、前記容器本体の周壁を形成する工程と、を有することを特徴とする電池容器の製造方法。
本発明は、以下のフィルム包装電池を提供する。
(7)(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の電池容器を用いたフィルム包装電池であって、容器本体に電池素子を収納し、蓋材で封止したことを特徴とするフィルム包装電池。
本発明の電池容器及びフィルム包装電池によれば、絞り加工タイプの電池容器と同様に、電池容器本体の底部と周壁が薄い金属箔を含む積層フィルムで構成されるので、電池容器のバリア性が高く、軽量で、容積効率が高い。しかも、絞り加工タイプの電池容器と異なり、周壁が樹脂成型体で連結されているので、保形性に優れる。また、金属箔を含む積層フィルムを折り線で折り曲げるだけで、三次元形状に絞らないので、金属箔が薄くても、金属箔に亀裂や多数のピンホールが発生したりすることがない。これにより、電池容器本体の深さを自由に設計できるので、容量の大きい厚い電池素子も容易に収納が可能である。また、今まで厚みを下げると絞り加工タイプの容器に使用できなかった絞り加工性の低い金属箔や伸びが小さいため絞り加工に適さない金属箔を用いた積層フィルムも自由に使用できる。
さらに、樹脂成型体が蓋材溶着面を有するので、フィルム包装電池の少なくとも対向する二辺は、蓋材を樹脂成型体に溶着して封止できる。これにより、蓋材の溶着部が電池容器の外方に延出しないので、電池がコンパクトになり、複数の電池を集積して用いる場合に、集積体の体積を小さくすることができる。また、複数の電池の保管時や集積時の取扱性にも優れる。
本発明の電池容器及びフィルム包装電池の製造方法によれば、長尺の積層フィルムを用いて、複数の電池容器本体を形成する。これにより、ロール、ボビン巻きやカセ巻きに巻き取られた積層フィルムや樹脂成型体が溶着された積層フィルムを、巻き戻しながら、電池容器やフィルム包装電池を連続的に製造できるので、生産効率が高い。
第1形態例の電池容器を示す図である。(a)は斜視図、(b)は図1(a)のA−Aにおける断面図、(c)は図1(a)のB−Bにおける断面図である。 第1形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池を示す斜視図である。 第1形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 第1形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 第1形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第1形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第1形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 図7に示す長尺の積層フィルムを説明するための平面図である。 長尺の積層フィルムを用いた第1形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第1形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いて製造された第1形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いて製造された第1形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池の製造工程の一部を示す斜視図である。 第2形態例の電池容器を示す図である。(a)は斜視図、(b)は図13(a)のC−Cにおける断面図である。 第2形態例に用いる樹脂成型体の別の一例を示す断面図である。 第2形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 第2形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第2形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第2形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いて製造された第2形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池の製造工程の一部を示す斜視図である。 第3形態例の電池容器を説明する図である。(a)は本形態例の電池容器を示す斜視図、(b)は本形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池を示す斜視図である。 第3形態例の電池容器の製造工程の一部を示す図である。(a)は樹脂板を積層フィルムに溶着した様子を示す斜視図、(b)は樹脂板を切断して樹脂成型体とした様子を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第3形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第3形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第3形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いて製造された第3形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池の製造工程の一部を示す斜視図である。 第4形態例の電池容器を示す図である。(a)は 本形態例の電池容器を示す斜視図、(b)は本形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池を示す斜視図である。 第4形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第4形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いた第4形態例の電池容器の製造工程の一部を示す斜視図である。 長尺の積層フィルムを用いて製造された第4形態例の電池容器を用いたフィルム包装電池の製造工程の一部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1形態例>
図1に示す本形態例の電池容器10は、電池素子5が収納されて図2に示す本形態例のフィルム包装電池20となる。本形態例のフィルム包装電池20は、二次電池や電気二重層キャパシタ等である。
本形態例のフィルム包装電池20は、電池容器10の内側に、正極板と、負極板と、セパレータと、電解液とを有する電池素子5が収納されている。なお、電池素子5は、電解質を含む全ての充電・発電に必要な要素を全て含むものである。
本形態例のフィルム包装電池20は、正負の電極板に電気的に接続された正極リードと負極リードが電池容器10から互いに反対の方向へ突出している。リードは、電極板に取り付けられて電気的に接続される。
セパレータとしては、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂から作られた多孔フィルム、不織布や織布など、電解液を含浸することができるシート状の部材が用いられる。
図1(a)〜(c)に示す電池容器10は、金属箔と溶着層とを有する積層フィルム1からなる容器本体4を有する。電池容器10は、容器本体4の対向する一対の側面の溶着層に樹脂成型体2が溶着されている。電池容器10は、平面視矩形に形成された底部41と、この底部41の端縁から立ち上がる一対の端壁42、42及び側壁43、43と、側壁43に溶着された板状の樹脂成型体2と、端壁42の端部から外方に延出するリード挟持部44とを有する。
図2に示すフィルム包装電池20は、電池容器10に電池素子5が収納されて、蓋材3で密閉される。蓋材3は、容器本体4の開口部において、樹脂成型体2の蓋材溶着面とリード挟持部44に溶着されている。リード挟持部44と蓋材3にリードが挟まれている。
容器本体4の周壁は、端壁42、42と側壁43、43が直線からなる折り線で折られて四角い底部41から立ち上がり、樹脂成型体2の端部で連結して形成されている。容器本体4は、底部41から周壁が立ち上がる部分が屈曲部を有しない直線からなる折り線で折られた積層フィルム1で形成されているので、金属箔を三次元形状に絞る必要がない。 そのため、容器本体4の深さに制限はなく、隅部が特に強く引き伸ばされて金属箔が薄くなり、金属箔に亀裂や多数のピンホールが発生したりすることもない。
容器本体4を形成する積層フィルム1は、金属箔と最内層に熱可塑性樹脂からなる溶着層が積層された積層フィルムである。
本形態例においては、積層フィルム1は、片面のみに溶着層を有する。積層フィルム1は、溶着層が容器本体4の最内層となる。
本形態例に用いる積層フィルム1は、金属箔の溶着層とは反対の側に樹脂からなる保護層が積層されている。
保護層は、金属箔が水分や電解液により腐食したり、金属箔が他の物品と接触して損傷したりすることを防止する。保護層は、溶着層に比べて融点が高い熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂によって形成されることが好ましい。
積層フィルム1の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンナフタレートなどのポリエステルあるいは6ナイロンや66ナイロンなどのポリアミドなどの樹脂によって形成された保護層と、ステンレススチールやアルミニウムなどの金属箔と、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンによって形成された溶着層とを積層したものを挙げることができる。
保護層は、二軸延伸されていると耐熱性と強度が高くなるので好ましく、複数層が積層されていてもよい。
各層の積層には、ドライラミネート、押出ラミネートや熱圧着ラミネート等の公知の方法を採用できる。
積層フィルム1の金属箔は、積層フィルム1に酸素や水蒸気などの気体遮断性を付与するバリア層として機能する。金属箔としては、例えば、アルミ箔、アルミ合金箔、ステンレス箔、鉄箔、銅箔や鉛箔を挙げることができる。
これらのうち、比重が小さく、展延性(延びやすさ)および熱伝導性に優れることから、アルミ箔やアルミ合金箔が好ましい。熱伝導性に優れると、電池素子が発熱した場合の放熱性が向上する。アルミ箔の厚さは、バリア性の確保や加工適性その他を考慮すると、6μm〜200μmの範囲であることが好ましい。アルミ箔の厚さが6μmに満たないと、ピンホールの発生が多くなり、バリア性が低下することがある。
また、ステンレス箔は、アルミ箔に比べて熱伝導性に劣るが、引っ張り強度と耐食性が高い。耐食性が高い金属箔は、容器本体4における金属箔より内側の溶着層が損傷して電池容器10内部に充填された電解液が接触しても腐食しにくく、気体遮断性を維持できる点で好ましい。ステンレス箔を用いる場合は、耐食性に優れるSUS304やSUS316などのオーステナイトが好ましく、特にSUS316が好ましい。ステンレス箔の厚さは、10μm〜150μmの範囲とすることが好ましい。ステンレス箔の厚さが10μmに満たないと、ピンホールの発生が多くなり、バリア性が低下する。また、ステンレス箔の厚さが150μmを超えると、剛性が高くて加工しにくい。
積層フィルム1の溶着層に用いる樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖線状ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボン酸変性ポリエチレン等のポリエチレン(PE)系樹脂やプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、カルボン酸変性ポリプロピレン等のポリプロピレン(PP)系樹脂、などのポリオレフィンを挙げることができる。
図2に示すように、本形態例においては、蓋材3として、積層フィルム1と同じ積層構成の別の部材を用いている。蓋材3は、積層フィルム1と一体になっていて、その一部が折り畳まれたものであってもよい。
蓋材3が積層フィルム1と一体になっていると、積層フィルム1が折られる容器本体4の天面の稜線が積層フィルム1で覆われるので、樹脂成型体2が薄い板状であっても、バリア性の低下が小さいので好ましい。なお、積層フィルム1が折られる容器本体4の天面の稜線に対向する稜線も積層フィルム1で覆われることが好ましい。この場合は、積層フィルム1の幅を広くし、積層フィルム1の外面にも溶着層を設けて、はみ出した蓋材3を容器本体4の側壁43の外面に溶着して固定することが好ましい。
本形態例においては、蓋材3が積層フィルム1と同じ幅の別の部材になっている。この場合は、容器本体4の天面の稜線が蓋材3で覆われないが、樹脂成型体2の厚みにより、通常、バリア性の低下は小さい。
容器本体4の天面の稜線を蓋材3で覆う場合は、蓋材3の幅を容器本体4の幅よりも広くして、樹脂成型体2の上端面を全部覆うように溶着することが好ましい。これにより、樹脂成型体2が薄い板状であっても、バリア性の低下が小さいので好ましい。この場合は、積層フィルム1の外面にも溶着層を設けて、はみ出した蓋材3を容器本体4の側壁43の外面に溶着して固定することが好ましい。
蓋材3の積層構成が積層フィルム1と異なる場合は、金属箔と溶着層とを有する積層フィルムであることが好ましい。但し、金属箔に近いバリア性を有する厚い樹脂板を用いる場合は、金属箔を有しなくてもよい。
蓋材3が金属箔と溶着層とを有する積層フィルムである場合は、積層フィルム1と同様な保護層が積層されたものが好ましい。
本形態例の電池容器10は、図1(a)、(c)に示すように、容器本体4の両側の側壁43、43の内面に、側壁43と同じ長さの蓋材溶着面を有する樹脂成型体2、2が互いに対向して溶着されている。樹脂成型体2の幅は、側壁43と同じである。
本形態例においては、樹脂成型体2は、容器本体4の底部41側の下端面と開口部側の蓋材溶着面となる上端面と長さ方向の両端に側端面を有する板状に形成されている(以下、「樹脂成型体2」を「板体2」ということがある)。
板体2は、主面が側壁43に溶着され、長さ方向の端面である側端面が端壁42に溶着され、下端面が底部41に溶着されている。板体2の上端面は、蓋材3との溶着面となる。板体2は、これらの溶着面を有していれば、板状でなくともよい。例えば、板体2の中央部がくり抜かれた枠体であってもよいし、二本または三本以上の橋梁の橋脚と床盤のような橋渡し形状であってもよい。
なお、本明細書において、「主面」とは、複数の面の内、最も広い面を意味する。
樹脂成型体2を形成する樹脂としては、積層フィルム1の溶着層と溶着可能な樹脂を用いることができる。この樹脂は、積層フィルム1の溶着層の樹脂と同じものを用いることが好ましいが、積層フィルム1の溶着層と溶着できれば異なるものを用いても良い。
樹脂成型体2の厚さは、2〜5mmであることが好ましい。樹脂成型体2の厚さが2mm以上であると、端壁42や蓋材3との溶着強度に優れる。また、端壁42と側壁43との連結部が積層フィルム1で覆われていなくても、板体2の厚みによりバリア性の低下が小さい。樹脂成型体2の厚さが5mm以上であっても、溶着強度やバリア性のさらなる向上は望めず、電池容器10の容積効率が低下する。
本形態例においては、図1(a)に示す容器本体4の端壁42は、樹脂板で補強されておらず、実質的に積層フィルム1からなる。但し、端壁42の両端は、板体2の側端面に溶着されている。これにより、容器本体4の端壁42が側壁43に近接した状態で板体2の側端に固定されて連結し、本体容器4の周壁が形成される。また、板体2の側端によりの端壁42の保形性が強化される。
容器本体4の端壁42と側壁43は、近接した状態で連結されるが、連結部の稜線は、板体2の厚みによりバリア性の低下が小さい。
容器本体4のリード挟持部44は、積層フィルム1が端壁42の上端で水平に折り曲げられて、容器本体4の外方に延出されている。
図2に示すように、蓋材3が板体2の上端面である蓋材溶着面と容器本体4のリード挟持部44とに溶着されて、リードを挟持すると共に、容器本体4の開口部を塞いでいる。
本発明の電池容器10の製造方法の一例として、独立した容器本体4の例を図3〜図5を参照して説明する。
まず、図3に示すように、容器本体4の側壁43となる積層フィルム1の両側辺の溶着層に、板体2と同じ幅と厚さの樹脂板21を溶着する。溶着に際しては、樹脂板21と積層フィルム1との両側縁を一致させる。
本形態例においては、樹脂板21を積層フィルム1の側辺全体にわたって溶着しているが、板体2となる長さを確保できれば、側辺の一部に溶着してもよい。また、板体2として溶着すべき部分は、上端の蓋材溶着面と両側端面が固定されればよいので、板体2の主面の全面でもよいし、周縁のみでもよい。
樹脂板21の溶着に際しては、超音波シールやヒートシール等の公知の方法で、積層フィルム1側から溶着することが好ましい。あるいは、積層フィルム1を金型に入れ、その両側辺の溶着層に樹脂板21を射出成型してもよい。また、積層フィルム1を製造する際、金属箔が積層されたフィルムに溶着層と樹脂板21を異形押出して積層してもよい。 さらには、樹脂板21を用いることなく、板体2を射出成型で直接形成し、積層フィルム1に金型内で側壁43、43となる部分に溶着してもよい。この場合は、底部41となる部分を残して積層フィルム1の4隅を切断し、端壁42、42およびリード挟持部44、44となる部分と側壁43、43となる部分が自由端として残るような十文字形状に形成しておくことが好ましい。なお、板体2を溶着してから、積層フィルム1の4隅を切断することもできる。
なお、本明細書において、「自由端」とは、自由に動くことができる端部を意味する。
本形態例においては、図4に示すように、積層フィルム1の四隅を樹脂板21の主面の幅で積層フィルム1を切欠いて、樹脂板21から板体2を切り出す。板体2の主面の寸法が容器本体4の側壁43の寸法と一致するように樹脂板21から切り出すことにより、樹脂板21が板体2となる。従って、板体2の側端面は、この時の切断面によって形成される。
樹脂板21と積層フィルム1の側辺とを切欠く方法としては、打抜き金型を用いて樹脂板21と積層フィルム1の側辺とを一括して打ち抜く方法やレーザー光線を用いた切断等を採用できる。
打抜き金型を用いた打ち抜きは、樹脂板21の切り出しを、簡易な装置で、短時間で行える点で好適である。
図4に示すように、樹脂板21と積層フィルム1の側辺とを一括して切断すると、積層フィルム1には、板体2が溶着された部分と板体2が存在しない二枚の自由端とが残る。これらの自由端は、端壁42とリード挟持部44となる部分である。
そして、図5に示すように、積層フィルム1に溶着された板体2を積層フィルム1の上に立つように折り曲げて、積層フィルム1側から板体2の下端面と積層フィルム1を溶着して固定する。
次に、積層フィルム1の二枚の自由端を前記樹脂成型体2の根本から折り曲げて、板体2、2のそれぞれの両側端面に密着させ、積層フィルム1側から溶着する。これにより、容器本体4の端壁42と側壁43が近接して板体2に固定され、容器本体4の壁面が連結されて周壁が完成する。
そして、端壁42から延出する自由端を、外側に水平に折り曲げてリード挟持部44を形成すると、図1(a)、(b)に示す本形態例の電池容器10が得られる。
なお、リード挟持部44の形成は、端壁42の形成と同時に行なってもよい。
得られた電池容器10に電池素子5を入れ、開口部に蓋材3を載置し、電池容器10の板体2の上端面とリード挟持部44との両方に蓋材3を溶着する。この様にして、蓋材3とリード挟持部44とでリードを挟持すると共に、電池容器10の開口部を塞ぐと、図2に示す本形態例のフィルム包装電池20が得られる。
なお、本形態例の電池容器10およびフィルム包装電池20は、長尺の積層フィルム1を用いて効率よく製造することが可能である。以下、その製造方法の一例を図6〜図12を参照して説明する。
本形態例の電池容器10の製造方法は、樹脂板溶着工程、板体切り出し工程、側壁形成工程および壁面連結工程を有する。これらの工程は、概ね、独立した容器本体4の製造方法と同じである。以下、個々の工程について異なる点のみを説明する。
<樹脂板溶着工程>
図6に示すように、長尺の積層フィルム1の両側辺の溶着層に、複数の板体2となる長尺の樹脂板21を溶着する。長尺の積層フィルム1は、リードが露出するための開口が設けられている。開口を設ける方法としては、打抜き金型を用いて打ち抜く方法やレーザー光線を用いた切断等を採用できる。
長尺の樹脂板21の溶着方法は、独立した容器本体4の製造方法における積層フィルム1と樹脂板21との溶着方法と同様である。
長尺の積層フィルム1の開口は、後述する壁面連結工程で得られる容器本体4の帯を、そのままフィルム包装電池20の製造方法に適用するためのものである。容器本体4の帯から、独立した容器本体4を複数切り出してフィルム包装電池20を製造する場合は、開口はなくともよい。
長尺の積層フィルム1に開口を設ける場合は、長尺の樹脂板21を溶着した後でもよいが、最初に長尺の積層フィルム1に開口を設けると作業性がよいので好ましい。
<板体切り出し工程>
図7に示すように、独立した容器本体4の製造方法と同様に、長尺の樹脂板21を溶着した長尺の積層フィルム1から複数の板体2を切り出す。切り出すに際し、図8に示すように、隣接する板体2間の積層フィルム1のみからなる部分が開口を有する連結部とリード挟持部44、44および端壁22、22となる部分からなるように切り出す。
従って、隣接する板体2間の積層フィルム1は、板体2の隣接する二つの切断面(側端面)に溶着される長さより、連結部と二つのリード挟持部44の分だけ長い。
図8について説明すると、積層フィルム1の開口の端縁から外方に延びる二本の二点鎖線1a、1aは、連結部を切断除去するための仮想の切断予定線である。この切断予定線1a、1aは、完成した容器本体4またはフィルム包装電池20が複数連結された帯を、二組の切断予定線1a、1aに挟まれる連結部を切断除去して分断する。二組の切断予定線1a、1aの幅は、連結部を切断除去できれば、開口の幅より狭くてもよい。
また、板体2の側端面同士を結ぶ二点鎖線1bは、容器本体4の底部41となる部分と端壁22となる部分の境界線である。この境界線1bは、積層フィルム1を板体2に溶着して、端壁22を形成する際に、谷折りされる。
また、この境界線1bと切断予定線1a、1aとの間にある二点鎖線1cは、容器本体4の端壁22となる部分とリード挟持部44となる部分の境界線である。この境界線1cは、端壁22を形成する際に、山折りされる。
なお、図6〜図12には、連続した二つの電池容器10が形成される例が図示されているが、通常は、三つ以上の電池容器10が形成される。
<側壁形成工程>
図9に示すように、独立した容器本体4の製造方法と同様に、切り出した複数の板体2が積層フィルム1の上に立つように積層フィルム1を折り曲げ、複数の板体2のそれぞれの下端面と積層フィルム1とを溶着して固定すると、複数の側壁43が形成される。
<壁面連結工程(端壁を形成する工程)>
板体2が溶着された側壁43同士間の積層フィルム1の端壁42となる部分を、図8に示した二点鎖線に沿って、垂直に谷折りし、水平に山折りして、連結部と二つのリード挟持部44となる部分を水平に持ち上げて板体2の側端面に密着させる。
そして、独立した容器本体4の製造方法と同様に、積層フィルム1を板体2の側端面に溶着して固定すると、図10に示す複数の容器本体4が連結部で連結された電池容器10の帯が得られる。
得られた容器本体4の帯の連結部を切断除去して分断すると、図1に示す本形態例の電池容器10が得られる。
得られた電池容器10の帯は、分断せずに電池容器10として用いることもできる。
次に、電池容器10の帯を分断せずに電池容器10として用いるフィルム包装電池20の製造方法について説明する。
本形態例のフィルム包装電池20の製造方法は、本発明の電池容器10の製造方法に電池素子収納工程と封止工程を付加したものである。以下、電池素子収納工程と封止工程について説明する。
<電池素子収納工程>
本形態例のフィルム包装電池20の製造方法は、まず、図11に示すように、電池容器10の帯のそれぞれの電池容器10に電池素子5を収納する。
電池素子5の収納に際しては、電池容器10から互いに反対の方向へ突出する正極リードと負極リードのそれぞれの端部が連結部の開口内に位置するように収納する。
<封止工程>
本形態例においては、複数の蓋材3が連結した長尺の蓋材3を用いる。この蓋材3は、電池容器10の帯の連結部と同様に、開口を備える連結部を有する。開口の大きさは、電池容器10の帯の連結部と異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。なお、独立した複数の蓋材3を用いることもできる。
本形態例において用いる長尺の蓋材3の連結部は、容器本体4の帯の連結部と幅と長さが同じで、同一形状の開口が同一の間隔で形成されている。なお、通常は帯同士の長さは一致していなくてもよい。
電池素子5が収納された電池容器10の帯の開口と長尺の蓋材3の開口とが一致するように蓋材3を重ね、蓋材3側から、それぞれの容器本体4の板体2の上端面とリード挟持部44との両方にそれぞれの蓋材3を溶着する。この様にして、それぞれの蓋材3とそれぞれの電池容器10のリード挟持部44との間にリードを挟持すると共に、それぞれの電池容器10の開口部を塞ぐと、図12に示すフィルム包装電池20の帯が得られる。
得られたフィルム包装電池20の帯の連結部を切断除去すると、図2に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、得られたフィルム包装電池20の帯は、そのまま完成品としてもよい。
<第2形態例>
図13に示すように、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点は、板体2の下端面の長さが上端面の長さに比べて短く形成されている点のみである。本形態例においては、板体2の側端面は上端面に対して鋭角に傾斜しているので、第1形態例に比べて、端壁42の底面41やリード挟持部44対する屈曲角度が小さい。そのため、本形態例の電池容器10は、積層フィルム1や蓋材3にバリア層として剛性の高いステンレス箔を用いる場合に好適である。また、容器本体4の開口部が底部41に比べて広いので、電池素子5収納する際に作業性がよい。
以下、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点のみを説明する。
本形態例の電池容器10で用いる板体2の両側端面は、上端面に対して鋭角に傾斜して形成されている。図13に示された板体2の主面は、台形であるが、例えば、図14に示すように、板体2の側端面が上端面側から下端面側に行くにしたがって傾斜角が90度に近くなるように湾曲していてもよい。あるいは逆に、図13に示す板体2において、下端面から上端面側に行くにしたがって傾斜角が90度に近くなるように湾曲していてもよい。
特に、図14に示す板体2を用いた場合は、蓋材3をリード挟持部44に溶着する際に、板体2の上端面と側端面とで形成される鋭角な先端の稜線を容易に溶融できるので、蓋材3を気密に密閉できる。
図13に示すように、本形態例の電池容器10は、板体2の下端面の長さが上端面の長さに比べて短い。
図15に示すように、本形態例の電池容器10は、板体2の下端面の長さが上端面の長さに比べて短くなるように、積層フィルム1に溶着した樹脂板21から板体2を切り出すこと以外は、第1形態例と同様にして、作製することができる。
なお、板体2、2は、必ずしも、板体2の両側端面が鋭角に形成される必要はなく、それぞれ対向する側端面の一方が上端面に対して鋭角に傾斜し、他方が第1形態例のように垂直に形成されていてもよい。
本形態例の電池容器10に電池素子5を収納し、第1形態例と同様に蓋材3を溶着すると、図16に示す本形態例のフィルム包装電池20が完成する。
なお、本形態例の電池容器10およびフィルム包装電池20も、長尺の積層フィルム1を用いて効率よく製造することが可能である。その製造方法の一例としては、第1形態例の板体切り出し工程において、図17に示す下端面の長さが上端面の長さに比べて短い板体2を切り出すように変更すれば、図18に示す複数の電池容器10が連結部で連結された電池容器10の帯が得られる。
得られた電池容器10の帯の連結部を切断除去して分断すると、本形態例の電池容器10が得られる。
本形態例においても、得られた電池容器10の帯は、分断せずに電池容器10として用いることもできる。
そして、電池容器10の帯を分断せずに電池容器10として用い、第1形態例の電池素子収納工程および封止工程と同様にして、図19に示すフィルム包装電池20の帯が得られる。
得られたフィルム包装電池20の帯の連結部を切断除去すると、図16に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、得られたフィルム包装電池20の帯は、そのまま完成品としてもよい。
<第3形態例>
図20に示すように、本形態例が第1形態例と異なる点は、板体2が両側端面に、電池容器10としたときに、それぞれ内方に延びる端壁補強板2h、2hを備える点のみである。本形態例においては、板体2の側端面が端壁補強板2h、2hにより端壁42が補強されるので、電池容器10の保形性が高い。
以下、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点のみを説明する。
図20(a)に示すように、本形態例の電池容器10は、板体2の両側端面に端壁補強板2h、2hを備え、板体2の主面が容器本体4の側壁43の溶着層に溶着されている。板体2の側端面である端壁補強板2hの主面は、容器本体4の端壁42の溶着層に溶着されている。板体2の端壁補強板2hの下端面は、容器本体4の底面41の溶着層に溶着されている。板体2の端壁補強板2hの上端面は、蓋材3の溶着層に溶着される。
本形態例の独立した電池容器10を作製するに際して、本形態例における板体2は、第1形態例における板体2に比べて形状が複雑なので、射出成型で形成することが好ましい。射出成型した板体2の端壁補強板2hの主面と下端面は、第1形態例における板体2の側端面と下端面と同様にして積層フィルム1に溶着することができる。
板体2の主面を積層フィルム1の両側辺の溶着層に溶着するに際して、板体2を直接射出成型で形成し、金型内で溶着してもよい。この場合は、積層フィルム1の4隅を予め切断して、端壁42、42およびリード挟持部44、44となる部分と側壁43、43となる部分が自由端として残る十文字形状に形成しておくことが好ましい。なお、板体2を溶着してから、積層フィルム1の4隅を切断することもできる。
本形態例の電池容器10は、第1形態例と同様に、容器本体4の板体2を板体2となる樹脂板21から切り出して製造してもよい。
板体2を切り出す場合は、図21(a)に示すように、第1形態例の板体2の積層フィルム1に溶着されない主面において端壁補強板2hが立ち上がる樹脂板21を用いて、図21(b)に示すように、端壁補強板2hの外面と同一面となる位置から外方の樹脂板21を切断除去すること以外は、第1形態例の電池容器10と同様にして切り出すことができる。
切り出した板体2の端壁補強板2hの主面や下端面は、それぞれ第1形態例における板体2の側端面や下端面と同様にして積層フィルム1に溶着することができる。
図20(b)に示すように、端壁補強板2hの上端面は、板体2の上端面と共に蓋材3に溶着される。
第1形態例と同様に、本形態例の電池容器10の容器本体4に電池素子5を収納し、蓋材3を溶着すると、図20(b)に示す本形態例のフィルム包装電池20が完成する。
なお、本形態例の電池容器10およびフィルム包装電池20も、長尺の積層フィルム1を用いて効率よく製造することが可能である。
その製造方法の一例としては、第1形態例の樹脂板溶着工程において、図23に示す複数の板体2となる図22の長尺の樹脂板21を用いて、長尺の積層フィルム1の溶着層に溶着する。図22に示すように、この長尺の樹脂板21は、第1形態例の樹脂板21の積層フィルム1に溶着されない主面において、複数の端壁補強板2hが立ち上がっている。
そして、第1形態例における板体切り出し工程と同様にして、図23に示す複数の板体2が溶着された長尺の積層フィルム1を作製し、図24に示すように、壁面連結工程において、積層フィルム1の幅方向の両端を複数の板体2の端壁補強板2hの主面に溶着して固定すると、複数の容器本体4が連結部で連結された電池容器10の帯が得られる。
得られた電池容器10の帯の連結部を切断除去して分断すると、図20(a)に示す本形態例の電池容器10が得られる。
本形態例においても、得られた電池容器10の帯は、分断せずに電池容器10として用いることもできる。
そして、電池容器10の帯を分断せずに電池容器10として用い、第1形態例の電池素子収納工程および封止工程と同様にして、図25に示すフィルム包装電池20の帯が得られる。
得られたフィルム包装電池20の帯の連結部を切断除去すると、図20(b)に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、得られたフィルム包装電池20の帯は、そのまま完成品としてもよい。
<第4形態例>
図26に示すように、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点は、樹脂成型体2が四角い枠体である点のみである(以下、「樹脂成型体2」を「枠体2」ということがある)。本形態例においては、枠体2により容器本体4の周壁全体が補強されるので、容器本体4の保形性が高い。
また、本形態例の電池容器10は、枠体2と蓋材3だけでもリードを挟持することができるので、リード挟持部44を省略することができる。この場合、リードを電池容器10の任意の辺に挟持させることができる。
以下、本形態例の電池容器10が第1形態例の電池容器10と異なる点のみを説明する。
図26(a)に示すように、本形態例の電池容器10は、枠体2の外周面が容器本体4の側壁43、43と端壁42、42の溶着層に溶着されている。枠体2の下端面は、容器本体4の底部41に溶着されている。図26(b)に示すように、枠体2の上端面は、蓋材3に溶着される。
本形態例における枠体2は、第1形態例における板体2に比べて形状が複雑なので、射出成型で作製することが好ましい。あるいは、筒状に押出成型して長手方向を切断して作製してもよい。
本形態例の独立した容器本体4を作製する一例としては、まず、枠体2を射出成型で作製する。枠体2は、平面から見た外周が容器本体4の底部41と一致するように作製する。
次に、図27に示すように、積層フィルム1の4隅を切断し、積層フィルム1を十文字形状に形成する。4隅の切断は、底部41となる部分を中心に、端壁42、42およびリード挟持部44、44となる部分と側壁43、43となる部分が自由端として外方に広がる十文字形状に残す。
なお、枠体2を溶着してから、積層フィルム1の4隅を切断することもできる。
作製した枠体2を十文字形状に切断した積層フィルム1の溶着層に重ねて、枠体2の下端面を容器本体4の底部41に積層フィルム1側から溶着する。枠体2を重ねるに際し、容器本体4の底部41となる部分の境界に枠体2の外周を一致させる。
枠体2の下端面を底部41に溶着するに際して、枠体2を直接射出成型で形成し、その時に金型内で積層フィルム1の溶着層に溶着してもよい。
そして、積層フィルム1の自由端を枠体2の根本から折り曲げて、端壁42、42となる部分と側壁43、43となる部分を枠体2の外周面に密着させ、枠体2の外周面を積層フィルム1の溶着層に積層フィルム1側から溶着すると、図26(a)に示す本形態例の電池容器10が完成する。
枠体2を積層フィルム1の溶着層に溶着するに際して、枠体2を直接射出成型で形成し、金型内で枠体2の下端面と外周面を積層フィルム1の溶着層に溶着してもよい。
本形態例の電池容器10に電池素子5を収納し、第1形態例と同様に蓋材3を溶着すると、図26(b)に示す本形態例のフィルム包装電池20が完成する。
なお、本形態例の電池容器10およびフィルム包装電池20も、長尺の積層フィルム1を用いて効率よく製造することが可能である。以下、その製造方法の一例を図28〜図30を参照して説明する。
本形態例の電池容器10の製造方法は、樹脂板溶着工程、板体切り出し工程、側壁形成工程および壁面連結工程を有する。これらの工程は、概ね、独立した容器本体4の製造方法と同じである。以下、個々の工程について異なる点のみを説明する。
<フィルム切欠き工程>
まず、長尺の積層フィルム1に、第1形態例と同様にリードが露出するための開口を設ける。そして、積層フィルム1のみを切り出すこと以外は、第1形態例の板体切り出し工程と同様にして、独立した電池容器10を作製する場合と同様な十文字形状の積層フィルムが開口を有する連結部で複数連結した積層フィルム1を作製する。
この積層フィルム1は、図28に示すように、長尺の積層フィルム1の両側辺において、複数の容器本体4の底部41となる部分同士の間に、隣接する枠体2、2同士の対向する二つの面に溶着される部分の長さより長い積層フィルム1が残るように、枠体2の主面である外周面の幅で切欠く。その結果、複数の容器本体4の底部41となる部分から、枠体2に溶着されて側壁43、43となる積層フィルム1の側縁が複数の自由端として外方に広がっている。
<樹脂成型体溶着工程>
複数の枠体2を射出成型し、独立した電池容器10を作製する場合と同様に、積層フィルム1の容器本体4の底部41の四隅となる部分に枠体2の外周面の角を一致させて配置し、枠体2を長尺の積層フィルム1の底部41となる部分の溶着層に溶着して、図28に示す複数の枠体2が溶着された長尺の積層フィルム1を作製する。
<壁面連結工程(周壁を形成する工程)>
枠体2が溶着された長尺の積層フィルム1の切欠きが存在する部分と複数の自由端とを、枠体2の根本から折り曲げて立ち上げ、それぞれ枠体2の外周面に密着させ、枠体2の外周面を積層フィルム1の溶着層に積層フィルム1側から溶着して端壁42、42と側壁43、43を形成する。
そして、第1形態例の壁面連結工程と同様に、積層フィルム1の端壁42となる部分を、垂直に谷折りし、水平に山折りして、連結部と二つのリード挟持部44となる部分を水平に持ち上げて板体2の側端面に溶着して固定すると、複数の電池容器10が連結部で連結された電池容器10の帯が得られる。
得られた電池容器10の帯の連結部を切断除去して分断すると、図26(a)に示す本形態例の電池容器10が得られる。
本形態例においても、得られた電池容器10の帯は、分断せずに電池容器10として用いることもできる。
そして、電池容器10の帯を分断せずに電池容器10として用い、第1形態例の電池素子収納工程および封止工程と同様にして、フィルム包装電池20の帯が得られる。
得られたフィルム包装電池20の帯の連結部を切断除去すると、図26(b)に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、得られたフィルム包装電池20の帯は、そのまま完成品としてもよい。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して説明したが、本発明は、これらの形態例に限定されることなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、電池容器10としたとき、板体2が両側端面に、それぞれ内方に延びる端壁補強板2h、2hを備える第3形態例において、予め射出成型した一対の板体2の端壁補強板2hの先端同士を対向するように配置して用いると、中間部が欠落した四角い枠体形状になるので、枠体からなる樹脂成型体2を用いる第4形態例と同様にして、電池容器10およびフィルム包装電池20を長尺の積層フィルム1を用いて効率よく作製できる。
また同様に、板体2が両側端面に端壁補強板2h、2hを有しない第1および第2形態例においても、予め射出成型した一対の板体2同士を二の字状に対向するように配置して用いることで、第4形態例の場合と同様にして、電池容器10およびフィルム包装電池20を長尺の積層フィルム1を用いて効率よく製造できる。
また、第4形態例の電池容器10およびフィルム包装電池20において、枠体2に代えて、平面視、一辺に切欠きが存在したり、一辺が欠落したりしている枠体を用いることも可能である。この場合は、切欠きが存在したり、欠落したりしている辺をリード挟持部44側に配置することが好ましい。
また、板体2の下端面の長さが上端面の長さに比べて短く形成されている板体2を用いる第2形態例において、対向する板体2の端部同士間に樹脂板を介在させて、枠体形状としてもよい。
さらに、正負の電極が互いに反対方向に延出する態様を示したが、正負の電極が一つの辺から同じ方向に延出するようにしてもよい。
1…積層フィルム、2…樹脂成型体(板体、枠体)、21…樹脂板、3…蓋材、4…容器本体、41…(容器本体の)底部、42…(容器本体の)端壁、43…(容器本体の)側壁、44…(容器本体の)リード挟持部、5…電池素子、10…電池容器、20…フィルム包装電池。

Claims (5)

  1. 金属箔の一方の面に溶着層を有し、前記金属箔の他方の面に保護層を有する積層フィルムから形成された容器本体と、蓋材とを有する電池容器であって、
    前記溶着層を前記容器本体の内面側にしてなり、
    前記容器本体の周壁は、前記容器本体の底部から折り線で折られて立ち上がる4つの壁面が溶着されて連結してなり、
    前記4つの壁面のうち、少なくとも対向する一対の前記壁面に樹脂成型体が溶着されてなることを特徴とする電池容器。
  2. 前記樹脂成型体は、板体であり、前記板体の一方の側面が、前記蓋材との溶着面となることを特徴とする請求項1に記載の電池容器。
  3. 前記板体の両端に、前記壁面が溶着される端壁補強板を有することを特徴とする請求項2に記載の電池容器。
  4. 前記樹脂成型体が枠体であり、前記枠体の天面が、前記蓋材との溶着面となり、前記枠体の外周表面と、前記4つの壁面とが溶着されてなることを特徴とする請求項1に記載の電池容器。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電池容器を用いたフィルム包装電池であって、
    容器本体に電池素子を収納し、蓋材で封止したことを特徴とするフィルム包装電池。
JP2017163665A 2017-08-28 2017-08-28 電池容器、及びフィルム包装電池 Active JP6537198B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017163665A JP6537198B2 (ja) 2017-08-28 2017-08-28 電池容器、及びフィルム包装電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017163665A JP6537198B2 (ja) 2017-08-28 2017-08-28 電池容器、及びフィルム包装電池

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014113440A Division JP6203123B2 (ja) 2014-05-30 2014-05-30 電池容器及びその製造方法、フィルム包装電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017204489A true JP2017204489A (ja) 2017-11-16
JP6537198B2 JP6537198B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=60322407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017163665A Active JP6537198B2 (ja) 2017-08-28 2017-08-28 電池容器、及びフィルム包装電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6537198B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019139275A1 (en) * 2018-01-11 2019-07-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Battery and electronic device having the same

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045378A (ja) * 2001-08-02 2003-02-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 電力貯蔵デバイス
JP2011175847A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Tdk Corp 電気化学デバイス用外装体及び電気化学デバイス
JP2015228319A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 藤森工業株式会社 電池容器、フィルム包装電池及びそれらの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045378A (ja) * 2001-08-02 2003-02-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 電力貯蔵デバイス
JP2011175847A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Tdk Corp 電気化学デバイス用外装体及び電気化学デバイス
JP2015228319A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 藤森工業株式会社 電池容器、フィルム包装電池及びそれらの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019139275A1 (en) * 2018-01-11 2019-07-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Battery and electronic device having the same
CN111542959A (zh) * 2018-01-11 2020-08-14 三星电子株式会社 电池和具有该电池的电子装置
US11133546B2 (en) 2018-01-11 2021-09-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Battery and electronic device having the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP6537198B2 (ja) 2019-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101908922B1 (ko) 전지 용기, 필름 포장 전지
JP6986184B1 (ja) 蓄電デバイス、及び、蓄電デバイスの製造方法
KR101264430B1 (ko) 이차전지의 파우치
KR102087614B1 (ko) 전지 용기, 필름 포장 전지 및 이들의 제조 방법
JP2018530892A (ja) バッテリセル用のディープフォーマットパウチ
JP4655554B2 (ja) 蓄電モジュール及びその製造方法
JP6537198B2 (ja) 電池容器、及びフィルム包装電池
JP5758267B2 (ja) 封止部材、封止部材の製造方法および蓄電装置用容器
JP6930673B2 (ja) 蓄電デバイス、電動自動車及び蓄電デバイスの製造方法
JP6415007B2 (ja) 電池容器、及びフィルム包装電池
JP7428079B2 (ja) 蓄電デバイス、蓄電デバイス用外装部材、蓄電デバイス集合体、電動自動車及び蓄電デバイスの製造方法
KR102364469B1 (ko) 두께의 편차가 있는 전지케이스용 라미네이트 시트 및 이를 이용하여 제조된 파우치형 전지케이스
KR20140124153A (ko) 봉지 부재, 봉지 부재의 제조 방법 및 축전 장치용 용기

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6537198

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250