JP2003066259A - 波長多重伝送用低非線形光ファイバ - Google Patents

波長多重伝送用低非線形光ファイバ

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JP2003066259A
JP2003066259A JP2001260049A JP2001260049A JP2003066259A JP 2003066259 A JP2003066259 A JP 2003066259A JP 2001260049 A JP2001260049 A JP 2001260049A JP 2001260049 A JP2001260049 A JP 2001260049A JP 2003066259 A JP2003066259 A JP 2003066259A
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refractive index
core
center core
division multiplexing
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JP2001260049A
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Kengo Kotani
賢吾 小谷
Taichi Oka
太一 岡
Hideki Shimane
英樹 島根
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 WDM伝送において伝送容量、伝送距離の制
限要因となる非線形効果抑制するために、光ファイバの
実効断面積を大きくし、光ファイバ内の信号光パワー密
度を低下させた波長多重伝送用低非線形光ファイバを提
供することにある。 【解決手段】 センタコア1の外周に、センタコア1よ
りも屈折率が小さいサイドコア2が形成され、サイドコ
ア2の外周に、センタコア1よりも屈折率が小さくサイ
ドコア2よりも屈折率が大きいクラッド3が形成された
W型の屈折率分布構造を備え、実効断面積が110μm
2 から160μm2 であり、クラッド3に対するセンタ
コア1の比屈折率差Δn1 を0.19%以上且つ0.
25%以下の範囲としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの実効
断面積とクラッドに対するセンタコアの比屈折率差とを
工夫して非線形効果の抑制を図った波長多重伝送用低非
線形光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネット等の急速な普及に
伴い情報容量が増大し、情報の伝送媒体に対する大容量
化の要求が高まってきている。大容量化に対応する技術
の中で最も有望視されているのが波長多重(WDM:Wa
velength Division Multiplexing)伝送方式である。W
DM方式は、1本の光ファイバで複数の信号光を伝送で
きるので、伝送容量を一気に100倍程度増大させるこ
とが可能である。そこで、大陸間を結ぶ光海底ケーブル
システムのような長距離大容量伝送路へ導入が進められ
ており、実用化段階を迎えている。
【0003】WDM技術が急速に立ち上がってきた技術
的背景の一つに、光増幅技術の向上が挙げられる。光増
幅技術の一つであるエルビウムドープ光ファイバ増幅器
(EDFA:Erbium-doped Fiber Amplifier)は、減衰
した波長1.55μm帯の光を1000倍程度まで増幅
することができるので、中継器などに組み込まれて光フ
ァイバ伝送路での損失を補償する働きをする。
【0004】EDFAが組み込まれていない中継器で
は、光増幅と同時に、光を電気信号に変換(O/E変
換)し、さらに同期再生、波形修正後、再び電気信号を
光に変換(E/O変換)して光ファイバ中に戻す処理を
行っている。
【0005】一方、EDFA内中継器では、光のまま増
幅できるので、E/O、O/E変換や再生/修正処理が
ない。そのため、理屈の上では、信号光パルス幅を狭く
すればいくらでも高速化が可能であり、伝送速度制限が
ない伝送システムの構築が可能になっている。
【0006】EDFAを用いた太平洋横断光海底ケーブ
ルシステム(例えばTPC−5CN、China−US
等)は既に実用化されており、WDM技術を用いて10
0Gbit/sという大容量伝送を実現している。
【0007】従来の光ファイバとして、例えば、ノンゼ
ロ分散シフト光ファイバがあり、近年の光海底ケーブル
システムに使用されている。ノンゼロ分散シフト光ファ
イバは、光ファイバの零分散波長である1.3μmを、
伝送損失が最小となる波長1.55μm近辺にシフトさ
せて波長分散を補償するものであり、その実効断面積
(Aeff)は55μm2 程度である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題 】しかしながら、大容
量化のために、WDM伝送の波長多重数を増加させる
と、光ファイバに入る信号パワーが大きくなるので、光
ファイバの実効断面積(Aeff)が55μm2 程度で
ある従来のノンゼロ分散シフト光ファイバでは、光ファ
イバ内の信号光パワー密度が大きくなる。そのため、非
線形現象が発生するという問題がある。例えば、四光波
混合によるノイズの増大と信号光の減少を引き起こすこ
とが報告されている。
【0009】そこで、本発明の目的は、WDM伝送にお
いて伝送容量、伝送距離の制限要因となる非線形効果抑
制するために、光ファイバの実効断面積を大きくし、光
ファイバ内の信号光パワー密度を低下させた波長多重伝
送用低非線形光ファイバを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために創案されたものであり、請求項1の発明は、
センタコアの外周に、センタコアよりも屈折率が小さい
サイドコアが形成され、サイドコアの外周に、センタコ
アよりも屈折率が小さくサイドコアよりも屈折率が大き
いクラッドが形成されたW型の屈折率分布構造を備え、
実効断面積が110μm2 から160μm2 であり、ク
ラッドに対するセンタコアの比屈折率差を0.19%以
上且つ0.25%以下の範囲とした波長多重伝送用低非
線形光ファイバである。
【0011】請求項2の発明は、上記センタコアは、純
粋石英に酸化ゲルマニウムが添加されて形成され、上記
サイドコアは、純粋石英にフッ素が添加されて形成され
る請求項1記載の波長多重伝送用低非線形光ファイバで
ある。
【0012】請求項3の発明は、上記クラッドは、純粋
石英または塩素が添加された石英からなる請求項1また
は2記載の波長多重伝送用低非線形光ファイバである。
【0013】請求項4の発明は、センタコアの外周に、
センタコアよりも屈折率が小さいサイドコアが形成さ
れ、サイドコアの外周に、センタコアよりも屈折率が小
さくサイドコアよりも屈折率が大きいクラッドが形成さ
れたW型の屈折率分布構造を備え、実効断面積が110
μm2 から145μm2 であり、クラッドに対するセン
タコアの比屈折率差を0.225%以上且つ0.275
%以下の範囲とした波長多重伝送用低非線形光ファイバ
である。
【0014】請求項5の発明は、上記センタコアは、純
粋石英に酸化ゲルマニウムが添加されて形成され、上記
サイドコアは、純粋石英にフッ素が添加されて形成され
る請求項4記載の波長多重伝送用低非線形光ファイバで
ある。
【0015】請求項6の発明は、上記クラッドは、純粋
石英または塩素が添加された石英からなる請求項4また
は5記載の波長多重伝送用低非線形光ファイバである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施の形態を
添付図面にしたがって説明する。
【0017】図1は、本発明の好適実施の形態である波
長多重伝送用低非線形光ファイバの屈折率分布を示す図
である。
【0018】図1に示すように、本発明に係る波長多重
伝送用低非線形光ファイバは、主として、大陸間を結ぶ
光海底ケーブルシステムのような長距離大容量伝送路に
用いられるものであり、特に、波長多重(WDM)伝送
方式が導入される長距離大容量伝送路に使用されるもの
である。
【0019】波長多重伝送用低非線形光ファイバは、W
型の屈折率分布構造のプロファイルを備えている。すな
わち、中心に形成されるセンタコア1の外周に、センタ
コア1よりも屈折率が小さいサイドコア2が形成され、
サイドコア2の外周に、センタコア1よりも屈折率が小
さくサイドコア2よりも屈折率が大きいクラッド3が形
成された3層構造である。サイドコア半径r2 は、セン
タコア半径r1 よりも大きくなるようにしており、クラ
ッド半径は、サイドコア半径r2 よりも大きくなるよう
にしている。
【0020】この波長多重伝送用低非線形光ファイバ
は、実効断面積が110μm2 から160μm2 であ
り、クラッド3に対するセンタコア1の比屈折率差Δn
1 を0.19%以上且つ0.25%以下の範囲としてい
る。クラッド3に対するサイドコア2の比屈折率差Δn
2 は、負の値であり、−0.1%以上としている。セン
タコア半径r1 は、約5.92μmから約7.13μm
である。クラッド3に対するサイドコア2の比屈折率差
Δn2 を−0.1%以上としたのは、後述するように、
VAD法による製造方法において、純粋石英にフッ素を
ドープして下げることのできる限界は−0.1%だから
である。
【0021】本発明に係る波長多重伝送用低非線形光フ
ァイバは、コア半径r1 が約5.91μmから約7.1
3μmと小さいので、言い換えれば、低非線形単一モー
ド光ファイバであると言える。
【0022】センタコア1は、純シリカ(SiO2 :純
粋石英)に屈折率を高めるゲルマニウム(Ge)をドー
プした層(GeO2 −SiO2 )によって形成されてい
る。サイドコア2は、純シリカ(純粋石英)に屈折率を
低下させるフッ素(F)をドープした層(F−SiO
2 )によって形成されている。クラッド3は、純シリカ
または塩素が添加された石英によって形成されている。
【0023】図2は、好適実施の形態におけるセンタコ
アの比屈折率差と曲げ損失の関係を、カットオフ波長
1.4μmにおいて、横軸をセンタコアの比屈折率差
(%)にとり、縦軸を曲げ径20mm時の曲げ損失(d
B/m)にとってシミュレーション計算した結果を示し
た図である。
【0024】図2に示すように、φ20mmの曲げ径に
対する曲げ損失の値が少なくとも30dB/m以下とな
るのは、実効断面積(Aeff)が180μm2 よりも
小さい領域であり、比屈折率差は0.175%以上の領
域であるが、製造条件のばらつきを考えると、センタコ
アの比屈折率差に0.01%の余裕を見て、センタコア
の比屈折率差を0.185%以上にするのがよい。
【0025】また、実効断面積が110μm2 の光ファ
イバのカットオフ波長が少なくとも1.40μm以下と
なる比屈折率差は0.282%以下のときであるが、製
造条件のばらつきを考えると、センタコアの比屈折率差
に0.01%程度の余裕を見て、センタコアの比屈折率
差を0.27%以下にするのがよい。
【0026】本実施の形態ではこの点に着目し、上述し
た光海底ケーブルシステムに用いられる光ファイバにお
いて、曲げ損失、カットオフ波長を満たし、実効断面積
が110μm2 以上で180μm2 以下、光ファイバの
センタコアの比屈折率差が0.185%以上0.27%
以下としたことを特徴とする。
【0027】ここで、φ20mmに対する曲げ損失が3
0dB/m以下となるようにしたのは、上述した光海底
ケーブルシステムに、本実施の形態の波長多重伝送用低
非線形光ファイバを用いる際、曲げ損失が30dB/m
以下であると曲げ損失による伝送損失が実用上問題ない
ためである。また、カットオフ波長を1.40μm以下
としたのは、これ以上の波長ではWDM実用信号波長領
域である、Sバンド帯、Cバンド帯、Lバンド帯を超え
てしまい伝送路として使用が不可能となるためである。
【0028】次に、波長多重伝送用低非線形光ファイバ
の製造方法を説明する。
【0029】図3は、本実施の形態における波長多重伝
送用低非線形光ファイバの製造方法の一例を示す概略図
である。図3に示した製造方法は、VAD法(Vapor Ph
aseAxial Deposition:気相軸付け法)による製造方法
である。
【0030】図3に示すように、石英などからなるター
ゲット棒30は、回転引き上げ装置31につり下げられ
ており、一定速度で回転しながら上方Uへ引き上げられ
ている。ターゲット棒30の下部には、コア用バーナ3
2,33,34,35が配置されている。コア用バーナ
32は、バーナからの炎がターゲット棒30の外周面に
接触するようになっている。コア用バーナ33は、コア
用バーナ32よりやや上方で、ターゲット棒30の外周
面からやや離れた位置に配置されている。コア用バーナ
34,35も同様にして配置されている。
【0031】コア用バーナ32では、屈折率を上げるド
ーパント材(四塩化ゲルマニウム)を含んだガラス微粒
子が生成され、ターゲット棒30の下端に堆積して円柱
状のセンターコアスート36が形成される。コア用バー
ナ33では、ドーパント材が含まれないガラス微粒子が
生成されてセンターコアスート36の外周に堆積すると
共に、センターコアスート36が焼き締められる。コア
用バーナ34,35では、屈折率を下げるドーパント材
(四フッ化ケイ素)を含んだガラス微粒子が生成され、
焼き締められたセンターコアスート36の周囲に付着
し、堆積コアスート母材37が形成される。
【0032】図3で説明したVAD法による製造方法に
基づき、本実施の形態における波長多重伝送用低非線形
光ファイバの製造手順を詳述する。
【0033】コア用バーナ32に、四塩化ケイ素0.9
g/min、四塩化ゲルマニウムを48cc/minで
添加させ、ガラス微粒子を堆積させてターゲット棒30
にセンターコアスート36を形成させた。コア用バーナ
33に、四塩化ケイ素0.5g/minで添加させ、セ
ンターコアスート36の外周にガラス微粒子を堆積させ
ると共に、センターコアスート36を焼き締めた。コア
用バーナ34には、四塩化ケイ素4.0g/min、四
フッ化ケイ素を30cc/minで添加し、コア用バー
ナ35には、四塩化ケイ素12.0g/min、四フッ
化ケイ素を70cc/minで添加しながら、焼き締め
られたセンターコアスート36にガラスの微粒子を堆積
させて堆積コアスート母材37を形成した。
【0034】このときの堆積コアスート母材37の寸法
は、長さが1200mm、コアスート全体の外径φcが
128mmであった。
【0035】次に、得られた堆積コアスート母材37を
電気炉にて、温度=900℃、He=20l/min、
Cl2 =100cc/min、送り速度=3mm/mi
nで脱水処理を行った。さらに、温度=1500℃、H
e=20l/min、Cl2=100cc/min、送
り速度=2mm/minで透明ガラス化を行ってガラス
母材を形成した。
【0036】以上によって得られたガラス母材を所定の
径に延伸し、VAD法により外付け、所望の石英クラッ
ド層を形成し、その後電気炉で透明ガラス化を行った。
ガラス化母材を延伸し、直径φpが60mm、長さが1
500mmのプリフォームを得た。その後、得られたプ
リフォームを通常の線引き手法によりファイバ化する
と、長さ220kmの波長多重伝送用低非線形光ファイ
バが完成する。
【0037】製造した光ファイバのコア半径r1 は6.
70μm、サイドコア半径r2 は23.4μmであっ
た。
【0038】得られた光ファイバの特性は、センタコア
の比屈折率差0.211%、サイドコアの比屈折率差−
0.05%、波長1.55μmにおいて、伝送損失0.
198dB/km、分散21.45ps/nm/km、
実効断面積141μm2 、カットオフ波長1.45μ
m、波長分散の傾き0.061ps/nm2 (波長1.
55μmと1.56μmの分散値から求めた)であり、
低非線形を実現する大有効断面積を持ち、且つ低損失な
光ファイバが得られた。
【0039】このように、本実施の形態における波長多
重伝送用低非線形光ファイバは、φ20mmに対する曲
げ損失が30dB/m以下となるようにして光ファイバ
をケーブル化する条件を満たし、しかも、カットオフ波
長が1.40μm以下となるようにしている。
【0040】すなわち、光ファイバの実効断面積を11
0μm2 から160μm2 と大きくして光ファイバ内の
信号光パワー密度を低下させ、クラッドに対するセンタ
コアの比屈折率差を0.19%以上且つ0.25%以下
の範囲としているので、WDM伝送において波長多重数
を増加させても、非線形効果を抑制することができる。
これにより、タイト構造ケーブル化が可能となる。
【0041】次に、本実施の形態における波長多重伝送
用低非線形光ファイバを用いた光ケーブルの一例を説明
する。
【0042】図4は、本実施の形態が適用された樹脂充
填型タイト構造ケーブルの断面模式図である。
【0043】図4に示すように、樹脂充填型タイト構造
ケーブル40は、上述したプリフォームを通常の線引き
手法によりファイバ化した後に引き続き、中心に抗張力
体であるキングワイヤ41を配置し、本実施の形態にお
ける8本の光ファイバ42a〜hがキングワイヤ41を
所定間隔隔てて取り囲むように、これらキングワイヤ4
1と光ファイバ42a〜hを、ハイトレル樹脂43で押
出し被覆してチューブ状のユニットとしたものである。
【0044】本実施の形態における光ファイバ42a〜
hは、耐応力特性を考慮しているため、樹脂充填型タイ
ト構造ケーブル40のようにケーブル化しても損失増加
がなく、総合歩留まりが向上するという利点がある。
【0045】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。
【0046】第2の実施の形態における波長多重伝送用
低非線形光ファイバは、図1で説明した好適実施の形態
の光ファイバとほぼ同じ構成であり、耐応力特性に優
れ、テープ化も可能な低非線形光ファイバとするべく、
実効断面積とセンタコア1の比屈折率差Δn1 を工夫し
たものである。
【0047】具体的には、実効断面積が110μm2
ら145μm2 であり、クラッド3に対するセンタコア
1の比屈折率差Δn1 を0.225%以上且つ0.27
5%以下の範囲としている。クラッド3に対するサイド
コア2の比屈折率差Δn2 は、負の値であり、−0.1
%以上としている。センタコア半径r1 は、約5.92
μmから約6.79μmである。
【0048】図5は、第2の実施の形態におけるセンタ
コアの比屈折率差と曲げ損失の関係を、カットオフ波長
1.4μmにおいて、横軸をセンタコアの比屈折率差
(%)にとり、縦軸を曲げ径20mm時の曲げ損失(d
B/m)にとってシミュレーション計算した結果を示し
た図である。
【0049】図5に示すように、φ20mmの曲げ径に
対する曲げ損失の値が10dB/m以下となるのは、実
効断面積(Aeff)が145μm2 よりも小さい領域
であり、比屈折率差は0.216%である。製造条件の
バラツキを考えると、センタコアの比屈折率差に約0.
01%の余裕をみて、センタコアの比屈折率差を0.2
25%以上にするのがよい。
【0050】また、実効断面積が110μm2 の光ファ
イバにおいて、φ20mmの曲げ径に対する曲げ損失の
値が10dB/m以下であり、カットオフ波長が1.4
0μm以下となるのは、比屈折率差が0.285%のと
きである。製造条件のバラツキを考えると、センタコア
の比屈折率差に0.01%の余裕をみて、センタコアの
比屈折率差を0.275%以下にするのがよい。
【0051】第2の実施の形態ではこの点に着目し、テ
ープファイバ化を行う実効断面積拡大ファイバにおい
て、曲げ損失、カットオフ波長を満たし、実効断面積が
110μm2 以上で145μm2 以下、光ファイバのセ
ンタコアの比屈折率差が0.225%以上0.275%
以下としたことを特徴とする。
【0052】ここで、φ20mmに対する曲げ損失が1
0dB/m以下となるようにしたのは、テープファイバ
化を行った際、曲げ損失が10dB/m以下であると曲
げ損失による伝送損失が実用上問題ないためである。ま
た、カットオフ波長1.4μm以下としたのは、これ以
上の波長ではWDM実用信号波長領域である、Sバンド
帯、Cバンド帯、Lバンド帯を超えてしまい伝送路とし
て使用が不可能となるためである。
【0053】第2の実施の形態における波長多重伝送用
低非線形光ファイバも、図3で説明したVAD法による
製造方法で同様にして製造される。
【0054】このように、第2の実施の形態における波
長多重伝送用低非線形光ファイバは、φ20mmに対す
る曲げ損失が10dB/m以下となるようにして光ファ
イバをテープ化する条件を満たし、しかも、カットオフ
波長が1.40μm以下となるようにしている。
【0055】すなわち、光ファイバの実効断面積を11
0μm2 から145μm2 と大きくして光ファイバ内の
信号光パワー密度を低下させ、クラッドに対するセンタ
コアの比屈折率差を0.225%以上且つ0.275%
以下の範囲としているので、WDM伝送において波長多
重数を増加させても、非線形効果を抑制することができ
る。これにより、耐応力特性に優れ、テープ化が可能と
なる。
【0056】次に、第2の実施の形態における波長多重
伝送用低非線形光ファイバを用いたテープ光ファイバの
一例を説明する。
【0057】図6は、第2の実施の形態が適用されたテ
ープ光ファイバの断面図である。
【0058】図6に示すように、テープ光ファイバ60
は、上述したプリフォームを通常の線引き手法によりフ
ァイバ化した後に引き続き、第2の実施の形態における
4本の光ファイバ61a〜dの外周を1次被覆62a〜
dでそれぞれ被覆し、1次被覆62a〜dが施された4
本の光ファイバ61a〜dを並列に並べ、その外周をテ
ープ被覆63で被覆してテープ状としたものである。
【0059】第2の実施の形態における光ファイバ61
a〜dは、耐応力特性を考慮しているため、テープ光フ
ァイバ60のようにテープ化しても損失増加がなく、総
合歩留まりが向上するという利点がある。
【0060】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明によれば次のごとき優れた効果を発揮する。
【0061】(1)光ファイバをケーブル化またはテー
プ化する条件のもと、非線形効果を抑制した実効断面積
拡大ファイバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態である波長多重伝送用
低非線形光ファイバの屈折率分布を示す図である。
【図2】本発明の好適実施の形態におけるセンタコアの
比屈折率差と曲げ損失の関係を示す図である。
【図3】波長多重伝送用低非線形光ファイバの製造方法
の一例を示す概略図である。
【図4】本発明が適用された光ファイバケーブルの断面
図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるセンタコア
の比屈折率差と曲げ損失の関係を示す図である。
【図6】本発明が適用されたテープ光ファイバの断面図
である。
【符号の説明】
1 センタコア 2 サイドコア 3 クラッド Δn1 クラッドに対するセンタコアの比屈折率差 Δn2 クラッドに対するサイドコアの比屈折率差 r1 センタコア半径 r2 サイドコア半径
フロントページの続き (72)発明者 島根 英樹 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 Fターム(参考) 2H050 AA01 AB03Z AB05X AB10X AC14 AC38 AD01 AD16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センタコアの外周に、センタコアよりも
    屈折率が小さいサイドコアが形成され、サイドコアの外
    周に、センタコアよりも屈折率が小さくサイドコアより
    も屈折率が大きいクラッドが形成されたW型の屈折率分
    布構造を備え、実効断面積が110μm2 から160μ
    2 であり、クラッドに対するセンタコアの比屈折率差
    を0.19%以上且つ0.25%以下の範囲としたこと
    特徴とする波長多重伝送用低非線形光ファイバ。
  2. 【請求項2】 上記センタコアは、純粋石英に酸化ゲル
    マニウムが添加されて形成され、上記サイドコアは、純
    粋石英にフッ素が添加されて形成される請求項1記載の
    波長多重伝送用低非線形光ファイバ。
  3. 【請求項3】 上記クラッドは、純粋石英または塩素が
    添加された石英からなる請求項1または2記載の波長多
    重伝送用低非線形光ファイバ。
  4. 【請求項4】 センタコアの外周に、センタコアよりも
    屈折率が小さいサイドコアが形成され、サイドコアの外
    周に、センタコアよりも屈折率が小さくサイドコアより
    も屈折率が大きいクラッドが形成されたW型の屈折率分
    布構造を備え、実効断面積が110μm2 から145μ
    2 であり、クラッドに対するセンタコアの比屈折率差
    を0.225%以上且つ0.275%以下の範囲とした
    ことを特徴とする波長多重伝送用低非線形光ファイバ。
  5. 【請求項5】 上記センタコアは、純粋石英に酸化ゲル
    マニウムが添加されて形成され、上記サイドコアは、純
    粋石英にフッ素が添加されて形成される請求項4記載の
    波長多重伝送用低非線形光ファイバ。
  6. 【請求項6】 上記クラッドは、純粋石英または塩素が
    添加された石英からなる請求項4または5記載の波長多
    重伝送用低非線形光ファイバ。
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