JP2003066195A - 多層膜除去加工装置、多層膜反射鏡、その製造方法、軟x線光学系及び露光装置 - Google Patents

多層膜除去加工装置、多層膜反射鏡、その製造方法、軟x線光学系及び露光装置

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JP2003066195A
JP2003066195A JP2001255983A JP2001255983A JP2003066195A JP 2003066195 A JP2003066195 A JP 2003066195A JP 2001255983 A JP2001255983 A JP 2001255983A JP 2001255983 A JP2001255983 A JP 2001255983A JP 2003066195 A JP2003066195 A JP 2003066195A
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Noriaki Kamitaka
典明 神高
Masaki Yamamoto
正樹 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱的な安定を必要とすることなく、多層膜の
除去加工時の加工量を精度良く計測できる多層膜除去加
工装置、多層膜反射鏡、その製造方法、軟X線光学系及
び露光装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係る多層膜除去加工装置は、屈
折率の異なる少なくとも二種類以上の物質を交互に所定
の周期長で積層してなる多層膜を基板上に成膜した多層
膜反射鏡11に対し、前記多層膜の一部を除去すること
により、多層膜反射鏡11の反射波面の位相を補正する
多層膜除去加工装置であって、前記多層膜の一部を除去
する除去装置と、除去した物質を分析する分析装置14
と、を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスな
どの製造に用いられる多層膜除去加工装置、多層膜反射
鏡、その製造方法、軟X線光学系及び露光装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路素子の微細化の進
展に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解
像力を向上させるために、従来の紫外線に代わって、こ
れより波長の短い11〜14nm程度の波長を有する軟
X線を使用した投影リソグラフィ技術が開発されている
(例えば、D.Tichenor,et al, SPIE 2437(1995)292参
照)。この技術は、最近ではEUV(Extreme Ultra Vio
let:極紫外線)リソグラフィとも呼ばれているが、その
内容は同一である(以下、EUVリソグラフィと呼
ぶ)。EUVリソグラフィは、従来の光リソグラフィ
(波長190nm程度以上)では実現不可能な70nm
以下の解像力を有する将来のリソグラフィ技術として期
待されている。
【0003】この波長域では物質の屈折率が1に非常に
近いので、屈折や反射を利用した従来の光学素子は使用
できない。屈折率が1よりも僅かに小さいことによる全
反射を利用した斜入射ミラーや、界面での微弱な反射光
の位相を合わせて多数重畳させて、全体として高い反射
率を得る多層膜反射鏡(多層膜ミラー)などが使用され
る。13.4nm付近の波長域では、モリブデン(M
o)層とシリコン(Si)層を交互に積層したMo/S
i多層膜を用いると直入射で67.5%の反射率を得る
ことが出来、波長11.3nm付近の波長域では、Mo
層とベリリウム(Be)層を交互に積層したMo/Be
多層膜を用いると直入射で70.2%の反射率を得るこ
とができる(例えば、C.Montcalm, Proc. SPIE, Vol. 3
331(1998)P.42参照)。
【0004】EUVリソグラフィ装置は、主として軟X
線光源、照明光学系、マスクステージ、投影結像光学系
(投影光学系)、ウエハステージ等により構成される。
軟X線光源には、レーザープラズマ光源、放電プラズマ
光源や放射光などが使用される。照明光学系は、反射面
に斜め方向から入射した軟X線を反射させる斜入射ミラ
ー、反射面が多層膜により形成される多層膜ミラー及び
所定の波長の軟X線のみを透過させるフィルター等によ
り構成され、マスク上を所望の波長の軟X線で照明す
る。なお、軟X線の波長域では透明な物質は存在しない
ので、マスクには従来の透過型のマスクではなく反射型
のマスクが使用される。
【0005】マスク上に形成された回路パターンは、複
数の多層膜ミラー等で構成された投影結像光学系によ
り、レジストが塗布されたウエハ(感光性基板)上に結
像して該レジストに転写される。なお、軟X線は大気に
吸収されて減衰するため、その光路は全て所定の真空度
(例えば、1×10-5Torr以下)に維持されてい
る。
【0006】投影結像光学系は複数の多層膜ミラーによ
り構成される。多層膜ミラーの反射率は100%ではな
いので、光量の損失を抑えるためにミラーの枚数は出来
るだけ少なくすることが好ましい。これまでに、4枚の
多層膜ミラーからなる光学系(例えば、T. Jewell and
K. Thompson, USP 5,315,629、 T, Jewell, USP 5,063,
586参照)や、6枚の多層膜ミラーからなる光学系(例
えば、D. Williamson,特開平9-211332、USP 5,815,310
参照)などが報告されている。
【0007】光束が一方向に進行する屈折光学系とは異
なり、反射光学系では光学系の中で光束が往復すること
になるので、ミラーによる光束のけられを避けるという
制限のために、開口数(NA)を大きくすることが難し
い。4枚光学系ではNAを0.15程度までにしか出来
ないが、6枚光学系では更にNAの大きい光学系の設計
が可能になる。マスクステージとウエハステージが投影
結像光学系の両側に配置できるように、ミラーの枚数は
通常は偶数になっている。
【0008】このような投影結像光学系は、限られた面
数で光学系の収差を補正しなければならないので、各ミ
ラーには非球面形状が適用され、また、所定の像高の近
傍でのみ収差の補正されたリングフィールド光学系にな
っている。マスク上のパターン全体をウエハ上に転写す
るためには、マスクステージとウエハステージとを、光
学系の倍率分だけ異なる速度でスキャンさせながら露光
を行う。
【0009】上記のような露光装置の投影結像光学系
は、いわゆる回折限界の光学系であり、波面収差を充分
に小さくしておかないと設計通りの性能を得ることは出
来ない。回折限界の光学系における波面収差の許容値の
目安としては、Marechalによる二乗平均値(RMS)で
使用波長の1/14以内という基準がある(M. Born an
d E. Wolf, Principles of Optics, 4th edition, Perg
amon Press 1970, p.469参照)。これはStrehl強度(収
差のある光学系と無収差光学系との間の点像強度の最大
値の比)が80%以上になるための条件である。実際の
露光装置の投影結像光学系は、これよりも更に低い収差
になるように製造されている。
【0010】現在、盛んに研究開発が行われているEU
Vリソグラフィ技術においては、露光波長は主として1
3nmあるいは11nm付近の波長が使われている。光
学系の波面収差(WFE)に対して、個々のミラーに許
容される形状誤差(FE)は次式で与えられる。 (数式1) FE=WFE/2/n1/2(RMS)
【0011】nは光学系を構成するミラーの数であり、
更に2で割るのは、反射光学系では入射光と反射光の両
方がそれぞれ形状誤差の影響を受けるので、波面収差に
は形状誤差の2倍の誤差が乗るからである。結局、回折
限界の光学系において、個々のミラーに許容される形状
誤差(FE)は、波長λとミラーの枚数nに対して次式
で与えられる。 (数式2) FE=λ/28/n1/2(RMS)
【0012】この値は、波長13nmでは4枚のミラー
で構成された光学系の場合0.23nmRMSとなり、
6枚のミラーで構成された光学系の場合0.19nmR
MSとなる。
【0013】しかしながら、このような高精度の非球面
形状ミラーを製造することは非常に困難であり、EUV
リソグラフィがなかなか実用化できない第一の原因とな
っている。現在までに達成されている非球面の加工精度
は0.4〜0.5nmRMSの程度であり(C. Gwyn, E
xtreme Ultraviolet Lithography White Paper, EUVLL
C, 1998, p17参照)、EUVリソグラフィを実現するた
めには非球面の加工技術および計測技術の大幅な向上が
必要とされている。
【0014】最近、山本によって多層膜ミラーの表面を
一層ずつ削り取ることによって、実質的にサブnmの形
状誤差を補正することのできる画期的な技術が報告され
た(M. Yamamoto, 7th International Conference on S
ynchrotron Radiation Instrumentation, Berlin Germa
ny, August 21-25, 2000, POS2-189)。図7をもって、
その原理を説明する。
【0015】図7(a)に示すように、A,B二種類の
物質を一定の周期長dで交互に積層した多層膜の表面か
ら、図7(b)に示すように一層対を除去する場合を考
える。図7(a)で、多層膜表面に対して垂直方向に進
行する光線に対する、厚さdの多層膜一層対の光路長
は、OP=nAA+nBBで与えられる。ここでdA
Bは各層の厚さを表し、dA+dB=dである。nA,n
Bは物質A,Bそれぞれの屈折率である。
【0016】図7(b)で、最表面の多層膜一層対を除
去した厚さdの部分の光路長は、OP’=ndで与えら
れる。nは真空の屈折率を表し、n=1である。多層膜
の最上層を除去することによって、そこを通過する光線
が進む光学的距離が変化することになる。これは、実質
的にその変化分だけ面形状を修正したことと光学的に等
価である。
【0017】光路長の変化(即ち、面形状の変化)は、
Δ=OP’−OPで与えられる。軟X線の波長域では、
物質の屈折率が1に近いので、Δは小さな量となり、本
方法により精密な面形状の補正が可能になる。具体例と
して、波長13.4nmでMo/Si多層膜を用いた場
合を示す。直入射で使用するために、d=6.8nm、
Mo=2.3nm、dSi=4.5nmとする。この波長
での屈折率は、nMo=0.92、nSi=0.998であ
る。これらの数値を用いて光路長の変化を計算すると、
OP=6.6nm、OP’=6.8nm、Δ=0.2n
mとなる。厚さ6.8nmの層を除去する加工によっ
て、0.2nm相当の面形状の補正を行うことが出来
る。
【0018】なお、Mo/Si多層膜の場合、Si層の
屈折率は1に近いので、光路長の変化は主としてMo層
の有無によるものであり、Si層の有無には殆ど依存し
ない。従って、多層膜の層を除去する際に、Si層の厚
さを正確に制御する必要は無い。この例ではSi層の厚
さは4.5nmであり、この層の途中で加工が停止すれ
ば良い。即ち、数nmの精度の加工を施すことによって
0.2nm単位の面形状補正を行うことができる。
【0019】実際には、多層膜成膜を行った後に反射波
面を測定し、その結果に基づいて部分的な多層膜の除去
加工量を決定し、実際の加工を行う。
【0020】なお、多層膜の反射率は積層数とともに増
加して一定の層数を越えると飽和して一定になる。予め
反射率が飽和するのに充分な層数を積層しておけば、表
面から多層膜の一部を除去しても反射率の変化は生じな
い。一般的に多層膜は内部応力を有しており、多層膜を
基板に成膜又は除去すると内部応力によって基板形状が
変化する可能性がある。そこで、単位積層構造をMo/
Si等からMo/Ru/Mo/Si等として内部応力を
小さくしておけば、多層膜を基板に成膜又は除去した際
の基板形状の変化を低減できる。
【0021】多層膜の除去加工の手法としては、レンズ
の研磨で一般的に行われているように、研磨剤を含んだ
研磨液を研磨面に供給しながら、研磨する部分に比較的
小さなスポンジ状の柔らかな部材を押し当て、除去しよ
うとする部分のみをわずかずつ研磨・除去する方法があ
る。また、他の方法としては、真空に排気した真空容器
内で狭い領域に絞ったイオンビームを照射することによ
り部分的な除去加工を行う手法等がある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】前述した山本らの提案
した反射波面の制御法は非常に有効であるが、多層膜の
除去量を正確に制御する必要がある。除去加工に求めら
れる精度は、求められる波面形状の精度に比べると緩や
かであるが、それでも除去加工には数nmの精度での制
御が必要となる。一般に高精度での反射面形状の測定は
干渉計を用いて行われるが、nmオーダーの形状測定を
行うためには、測定環境を十分に制御する必要がある。
特に被検物の温度は重要で、加工前と加工後で形状を比
較する場合には、同じ温度での測定は必須である。
【0023】また、多層膜の除去加工により反射波面の
修正を行う場合、どの程度除去が行われたかを確認しな
がら加工を行うことが望ましい。しかし、研磨液を用い
て研磨や、真空中でのイオンビームによる加工は、熱的
な平衡状態とは大きくかけ離れた状態で行われるため、
干渉計による精密な計測を多層膜の除去加工工程にすば
やくフィードバックすることは困難であった。このよう
な事情から、多層膜の除去加工時の加工量を必要な精度
で評価可能であり、しかも、干渉計による測定ほど熱的
な安定を必要としない評価方法が求められていた。
【0024】本発明は上記のような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、熱的な安定を必要とする
ことなく、多層膜の除去加工時の加工量を精度良く計測
できる多層膜除去加工装置、多層膜反射鏡、その製造方
法、軟X線光学系及び露光装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る多層膜除去加工装置は、屈折率の異な
る少なくとも二種類以上の物質を交互に所定の周期長で
積層してなる多層膜を基板上に成膜した多層膜反射鏡に
対し、前記多層膜の一部を除去することにより、多層膜
反射鏡の反射波面の位相を補正する多層膜除去加工装置
であって、前記多層膜の一部を除去する除去装置と、除
去した物質を分析する分析装置と、を具備することを特
徴とする。
【0026】上記多層膜除去加工装置によれば、除去装
置により多層膜の一部を除去加工しているときに、除去
された物質を分析装置により分析することで、該物質の
材質を知ることができる。これにより、熱的な安定を必
要とすることなく、多層膜の除去加工時の加工量を精度
良く計測できる。
【0027】また、本発明に係る多層膜除去加工装置に
おいて、前記除去装置は、真空容器内に配置されたイオ
ン源から発するイオンビームを前記多層膜に照射するこ
とによって該多層膜の一部を除去する装置であり、前記
分析装置は、前記除去装置によって除去した物質の質量
を分析する質量分析装置であることも可能である。これ
により、真空容器中で多層膜の除去加工をイオンビーム
照射によって行いながら、同時に除去物質の質量分析を
行うことができ、どの層まで加工が進んだかをモニター
しながら除去加工を進めることができる。
【0028】また、本発明に係る多層膜除去加工装置に
おいて、屈折率の異なる少なくとも二種類以上の物質を
交互に所定の周期長で積層してなる多層膜を基板上に成
膜した多層膜反射鏡に対し、前記多層膜の一部を除去す
ることにより、多層膜反射鏡の反射波面の位相を補正す
る多層膜除去加工装置であって、前記多層膜の一部を除
去する除去装置と、この除去装置で除去した後の多層膜
表面の物質の種類を分析する分析装置と、を具備するこ
とを特徴とする。
【0029】また、本発明に係る多層膜除去加工装置に
おいて、前記分析装置は、多層膜表面の物質の種類を分
析することにより多層膜表面の物質の面分布を測定する
ものであることも可能である。これにより、多層膜の除
去加工によって最上層に生じた物質分布を知ることがで
き、この分布から各位置での多層膜の除去量を知ること
が可能となる。表面に露出した物質の種類を分析するの
で、多層膜が熱的平衡状態に達する必要はなく、測定結
果を短時間のうちに装置にフィードバックでき、加工を
短時間で終了することができる。
【0030】また、本発明に係る多層膜除去加工装置に
おいて、前記除去装置は、真空容器内に配置されたイオ
ン源から発するイオンビームを前記多層膜に照射するこ
とによって該多層膜の一部を除去する装置であり、前記
分析装置は、多層膜表面の物質の種類を光電子分光によ
り分析する光電子分光分析装置又はオージェ電子分光分
析装置であることも可能である。これにより、除去加工
を施した多層膜表面を光電子分光分析あるいはオージェ
電子分光分析によって分析し、最上層に露出している物
質の分布を知ることができ、この分布からどの部分でど
の程度除去加工が行われたかを確認することができる。
また、これらの分析は熱的平衡状態で行う必要はないの
で、除去加工後直ちに行うことができ、測定結果を短時
間のうちに装置にフィードバックでき、加工を短時間で
終了することができる。
【0031】また、本発明に係る多層膜除去加工装置に
おいて、前記除去装置は、真空容器内に配置されたイオ
ン源から発するイオンビームを前記多層膜に照射するこ
とによって該多層膜の一部を除去する装置であり、前記
分析装置は、多層膜表面に形成された膜の状態を測定す
るエリプソメータであることも可能である。
【0032】上記多層膜除去加工装置によれば、エリプ
ソメータにより多層膜表面の多層構造の変化の様子を知
ることができる。加工が行われていない部分では最上層
が均一な厚さのある物質の層であるが、除去加工がなさ
れた部分では、ある物質の層あるいは他の物質の層であ
り、最上層の厚さも一定ではない。除去量が連続的に変
化している領域をエリプソメータにより測定すると、そ
の信号強度は振動し、その振動の回数を除去加工の行わ
れていない領域から数えることで最上層に露出している
層がある物質の層か他の物質の層であるかを知ることが
できる。さらに、この測定を多層膜面全体で行えば、そ
の分布を知ることができ、その分布からどの部分でどの
程度の除去加工が行われたかを確認することができる。
また、この測定は熱的平衡状態で行う必要はないので、
除去加工後直ちに行うことができ、測定結果を短時間の
うちに装置にフィードバックでき、加工を短時間で終了
することができる。
【0033】また、本発明に係る多層膜除去加工装置に
おいて、前記除去装置は、真空容器内に配置されたイオ
ン源から発するイオンビームを前記多層膜に照射するこ
とによって該多層膜の一部を除去する装置であり、前記
分析装置は、赤外、可視又は紫外領域の光に対する反射
率の差を用いて多層膜表面の物質分布を検出するもので
あることも可能である。
【0034】上記多層膜除去加工装置によれば、最上層
がある物質の層であるときと他の物質の層であるときに
生ずる赤外、可視又は紫外反射率の差を検出することが
できるので、多層膜表面にどちらの層が露出しているか
を知ることができ、その分布からどの部分でどの程度除
去加工が行われたかを確認することができる。また、こ
の測定は熱的平衡状態で行う必要はないので、除去加工
後直ちに行うことができ、測定結果を短時間のうちに装
置にフィードバックでき、加工を短時間で終了すること
ができる。
【0035】本発明に係る多層膜反射鏡の製造方法は、
屈折率の異なる少なくとも二種類以上の物質を交互に所
定の周期長で積層してなる多層膜を基板上に成膜した多
層膜反射鏡に対し、前記多層膜の一部を除去することに
より、多層膜反射鏡の反射波面の位相を補正した多層膜
反射鏡の製造方法において、前記多層膜の一部を除去し
ながら、この除去された物質を分析することにより、所
望の除去量の加工を行うことを特徴とする。
【0036】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法において、前記多層膜の一部の除去は、真空容器内に
配置されたイオン源から発するイオンビームを前記多層
膜に照射することによって行うものであり、前記物質の
分析は、該物質の質量を分析することにより行うもので
あることも可能である。
【0037】本発明に係る多層膜反射鏡の製造方法は、
屈折率の異なる少なくとも二種類以上の物質を交互に所
定の周期長で積層してなる多層膜を基板上に成膜した多
層膜反射鏡に対し、前記多層膜の一部を除去することに
より、多層膜反射鏡の反射波面の位相を補正した多層膜
反射鏡の製造方法において、前記多層膜の一部を除去し
た後の多層膜表面の物質の種類を分析することにより、
所望の除去量の加工を行うことを特徴とする。
【0038】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法において、前記多層膜の一部の除去は、真空容器内に
配置されたイオン源から発するイオンビームを前記多層
膜に照射することによって行うものであり、前記物質の
種類の分析は、光電子分光又はオージェ電子分光により
行うものであることも可能である。
【0039】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法において、前記多層膜の一部の除去は、真空容器内に
配置されたイオン源から発するイオンビームを前記多層
膜に照射することによって行うものであり、前記物質の
種類の分析は、エリプソメータにより行うものであるこ
とも可能である。
【0040】また、本発明に係る多層膜反射鏡の製造方
法において、前記多層膜の一部の除去は、真空容器内に
配置されたイオン源から発するイオンビームを前記多層
膜に照射することによって行うものであり、前記物質の
種類の分析は、赤外、可視又は紫外領域の光に対する反
射率の差を用いて行うものであることも可能である。
【0041】本発明に係る多層膜反射鏡は、基板と、こ
の基板上に形成され、屈折率の異なる少なくとも二種類
以上の物質を交互に所定の周期長で積層してなる多層膜
と、前記多層膜の反射波面の位相を補正するために、前
記多層膜の一部が除去された除去部と、を具備し、前記
除去部は、多層膜の一部を除去しながら、この除去され
た物質を分析することにより、所望の除去量の加工を行
って形成されていることを特徴とする。
【0042】本発明に係る多層膜反射鏡は、基板と、こ
の基板上に形成され、屈折率の異なる少なくとも二種類
以上の物質を交互に所定の周期長で積層してなる多層膜
と、前記多層膜の反射波面の位相を補正するために、前
記多層膜の一部が除去された除去部と、を具備し、前記
除去部は、多層膜の一部を除去した後の多層膜表面の物
質を分析することにより、所望の除去量の加工を行って
形成されていることを特徴とする。
【0043】本発明に係る軟X線光学系は、前記多層膜
反射鏡を用いて構成されたことを特徴とする。
【0044】本発明に係る露光装置は、軟X線を発生さ
せる軟X線光源と、この軟X線光源からの軟X線をマス
クに導く照明光学系と、前記マスクからの軟X線を感光
性基板に導く投影光学系とを有し、前記マスクのパター
ンを感光性基板へ転写する露光装置において、前記照明
光学系、前記マスク及び前記投影光学系のうちの少なく
とも一つに前記多層膜反射鏡を有することを特徴とす
る。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明に係る第1
の実施の形態による多層膜除去加工装置を示す概略図で
ある。図2(a)は、図1に示す多層膜除去加工装置を
用いて除去加工した多層膜であって最表面に露出したモ
リブデンとシリコンの分布を示す平面図であり、図2
(b)は、図2(a)に示す2b−2b線に沿った断面
図である。
【0046】図1に示すように、多層膜除去加工装置は
真空容器(図示せず)を有し、この真空容器内には、表
面に多層膜を成膜した凹面多層膜基板(多層膜反射鏡)
11を載置するステージ45が配置されている。多層膜
基板11の表面には図2に示す多層膜23が成膜されて
いる。この多層膜はモリブデン(Mo)21とシリコン
(Si)22を交互に積層したMo/Si多層膜23で
あり、最上層はシリコン22である。真空容器内にはイ
オン源12が配置されており、このイオン源12はステ
ージ45に正対するように位置している。イオン源12
からイオンビーム13を多層膜に照射することで多層膜
の除去加工を行う。また、真空容器内には原子の質量を
分析する質量分析装置14が配置されており、この質量
分析装置14はイオンビームの照射により除去された物
質の質量を分析するものである。
【0047】次に、上記多層膜除去加工装置を用いて多
層膜を除去する方法について説明する。図1に示す多層
膜反射鏡11は、EUVリソグラフィ用投影光学系を構
成する多層膜反射鏡のうちの1枚であり、多層膜成膜後
に一度投影光学系として組み立てて調整がなされ、露光
波長である波長13.5nmを用いた干渉計において光
学系全体としての波面収差が測定される。この波面収差
を改善するために、この多層膜反射鏡11における反射
波面をどのように修正すればよいかが計算され、その修
正波面を得るために多層膜を鏡上のどの位置でどれだけ
除去すればよいかの計算がなされる。
【0048】多層膜反射鏡11については、反射波面の
測定がなされており、収差の小さい反射波面を得るため
には、Aの位置で多層膜2層分のモリブデン21の除去
を行う必要がある。
【0049】ステージ45は、多層膜を除去すべき位置
にイオンビーム13が照射されるように制御される。即
ち、多層膜除去加工装置において、多層膜反射鏡11を
除去加工が必要な位置Aにイオンビームが照射されるよ
うに配置する。この状態で多層膜にイオンビーム13が
照射されると、多層膜を構成する物質が除去され、除去
された物質は質量分析装置14によってその質量分析が
行われる。
【0050】イオンビーム照射によって、図2に示すよ
うにまず最初に最上層のシリコン層22が除去され、質
量分析装置ではシリコンが検出される。シリコン層22
の厚さを越えて加工が進むとモリブデン層21が露出
し、モリブデンが除去され始めるため、質量分析装置で
はモリブデンが検出され始める。このように加工を続け
ると、多層膜23の各層に除去加工が及ぶ毎に質量分析
装置ではシリコン22とモリブデン21が交互に検出さ
れる。
【0051】ただし、図2(b)に示すように、加工部
分の側面には、貫通したシリコン層22やモリブデン層
21の断面が存在し、その側面にもイオンビームが照射
されるため、最上層シリコンの除去の時を除くとモリブ
デンのみ或いはシリコンのみの信号が質量分析装置から
得られることはない。モリブデンとシリコンの信号強度
はお互いに逆位相で入れ替わりながら変化し、加工が進
むにしたがって2つのピークのコントラストは徐々に低
下していく。
【0052】EUV投影光学系の波面収差向上を目的と
した多層膜除去加工では、モリブデン層が何層除去され
たかが重要である。上記加工は、質量分析装置のモリブ
デンの信号が2回目の極大を得て、シリコンの信号が極
大を迎えるまでに終了する。このとき、図2に示す除去
加工領域24の中央部で除去が最も進み、最上層から数
えて3層目のシリコン層にまで到達している。よって、
モリブデン層は2層除去されており、所望の除去量で加
工を行うことができる。
【0053】上記第1の実施の形態によれば、多層膜除
去加工装置に質量分析装置14を配置しているため、多
層膜の除去加工中にリアルタイムで加工している層をフ
ィードバックすることができ、加工量をモニターでき、
どの程度除去が行われたかを確認しながら加工を行うこ
とが可能となる。従って、何層除去されたかが重要な多
層膜中のモリブデン層を所定の層数だけ除去加工するこ
とができるので、高い精度での波面補正を達成できる。
これにより、光学系の波面収差を低減して結像特性を向
上することができる。また、干渉計による形状計測のよ
うに基板本体が熱的に安定な状態に達する必要がないの
で、加工中の熱に影響されることなく、短時間で所望量
の加工を完了することができる。
【0054】図3は、本発明に係る第2の実施の形態に
よる多層膜除去加工装置を概略的に示す構成図であり、
図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分につい
てのみ説明する。
【0055】図3に示す多層膜除去加工装置は単色X線
照明装置54と光電子分析装置56を備えている。単色
X線照明装置54と光電子分析装置56は、多層膜の除
去加工を行った後に表面に露出した物質がモリブデンで
あるかシリコンであるかの分析を行うものである。つま
り、単色X線照明装置54から多層膜の表面にX線を照
射し、その照射された部分からの光電子を光電子分析装
置56によって分析することで、多層膜表面の物質を判
定する。このようにして除去加工領域を内部に含む領域
の2次元マッピングを行う。これにより、図2(a)に
示したような表面に露出した物質の2次元分布を得るこ
とができる。この2次元分布から、どの部分が何層目ま
で除去加工が進んでいるかを知ることができる。
【0056】ただし、図2のような単純な加工形状でな
い場合には、分布だけからでは隣の領域に対して凹なの
か凸なのかが判断できない場合もある。しかし、本実施
の形態のようにイオンビーム13を照射する位置と時間
を制御しながら加工を行う場合は、どの位置が最も多層
膜除去が進んでいるかを予想できるので、除去量の分布
を全領域で充分に把握することが可能となる。
【0057】上記多層膜除去加工装置を用いて多層膜を
除去し、多層膜の表面に露出している物質を分析する場
合、多層膜の一部の除去加工を行った後に多層膜の表面
の分析を行っても良いし、多層膜の除去加工を行いなが
ら多層膜の表面の分析を行うことも可能である。
【0058】上記第2の実施の形態によれば、多層膜除
去加工装置に単色X線照明装置54及び光電子分析装置
56を配置しているため、多層膜の除去加工後又は除去
加工中に多層膜の表面に露出している物質を分析するこ
とができる。これにより、多層膜の最表面の物質分布を
知ることができる。この分布から各位置での多層膜の除
去量を知ることが可能となる。従って、高い精度での波
面補正を達成できる。これにより、光学系の波面収差を
低減して結像特性を向上することができる。また、多層
膜の表面に露出した物質の種類を分析するので、分析時
に基板が熱的平衡状態で行う必要はなく、多層膜の除去
加工後直ちに分析を行うことができる。従って、測定結
果を短時間のうちに除去加工装置にフィードバックする
ことができ、除去加工を短時間で終了することができ
る。
【0059】尚、上記第2の実施の形態では、多層膜の
最表面の物質がモリブデンであるかシリコンであるかを
光電子分光による光電子分析装置によって分析している
が、分析方法はこれに限るものではなく、オージェ電子
分光分析装置によって分析することも可能である。
【0060】図4は、本発明に係る第3の実施の形態に
よる多層膜除去加工装置を概略的に示す構成図であり、
図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分につい
てのみ説明する。
【0061】図4に示す多層膜除去加工装置はエリプソ
メータ64a,64bを有し、イオンビーム13による
除去加工中にエリプソメータによって加工領域を測定し
ている。エリプソメータ64a,64bは、多層膜表面
に光を照射して、その反射光の偏光状態を計測すること
で表面に形成された膜の状態を測定する装置である。光
源には白色光を分光器で単色化した光、あるいはレーザ
ー光等を用いる。光源から発した光学素子等で偏向さ
せ、偏向光を多層膜表面に照射する。多層膜で反射した
光はその屈折率や膜厚、あるいはその構造によって偏向
の変わり方が異なるので、エリプソメータで測定するこ
とにより、多層膜の表面付近における構造の変化を感度
良く検出することができる。加工の工程でシリコン層と
モリブデン層が1層対除去されると、多層膜の表面部分
の構造は除去前の状態と同じ状態になるため、加工を続
けると、エリプソメータから得られる信号は振動を繰り
返す。この振動の回数を計測することで、イオンビーム
加工中にどれだけの層数が除去されたかを知ることがで
きる。
【0062】上記多層膜除去加工装置を用いて多層膜を
除去し、多層膜の表面付近における構造の変化をエリプ
ソメータで検出する場合、多層膜の一部の除去加工を行
った後にエリプソメータで検出しても良いし、多層膜の
除去加工を行いながらエリプソメータで検出することも
可能である。
【0063】上記第3の実施の形態によれば、エリプソ
メータ64a,64bにより多層膜の表面付近における
構造の変化を検出することができる。これにより、多層
膜の除去量を知ることができるので、多層膜を精度良く
除去加工できる。従って、高い精度での波面補正を達成
でき、光学系の波面収差を低減して結像特性を向上する
ことができる。また、エリプソメータによる分析では、
分析時に基板が熱的平衡状態で行う必要はなく、多層膜
の除去加工後直ちに分析を行うことができる。従って、
測定結果を短時間のうちに除去加工装置にフィードバッ
クすることができ、除去加工を短時間で終了することが
できる。
【0064】図5は、本発明に係る第4の実施の形態に
よる多層膜除去加工装置を概略的に示す構成図であり、
図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分につい
てのみ説明する。
【0065】図5に示す多層膜除去加工装置は、基板表
面を撮像できるCCDカメラ74を有している。Mo/
Si多層膜を除去加工することによりモリブデン層が最
上層に露出する領域とシリコン層が露出する領域が生ず
るが、これらの領域の赤外・可視・紫外領域の光に対す
る反射率には差が生じる。例えば可視光の場合、モリブ
デン層が露出した部分ではシリコン層が露出した部分よ
りも反射率が高く、明るく見える。これを利用してCC
Dカメラ74で基板表面の可視像を撮影することによ
り、どの領域でどちらの層が露出しているかを調べるこ
とができる。このようにして多層膜の表面の物質分布を
検出することで、各領域の除去加工量を知ることができ
る。
【0066】上記第4の実施の形態によれば、多層膜除
去加工装置にCCDカメラ74を配置しているため、除
去加工中に多層膜の表面の各領域の除去加工量を知るこ
とができる。これにより、多層膜を精度良く除去加工す
ることができるので、高い精度での波面補正を達成でき
る。従って、光学系の波面収差を低減して結像特性を向
上することができる。また、分析時に基板が熱的平衡状
態で行う必要はなく、多層膜の除去加工後直ちに分析を
行うことができる。従って、測定結果を短時間のうちに
除去加工装置にフィードバックすることができ、除去加
工を短時間で終了することができる。
【0067】尚、上記第4の実施の形態では、多層膜の
除去加工をイオンビーム13の照射によって行っている
が、多層膜の除去加工の方法はこれに限られるものでは
なく、他の除去加工の方法を用いることも可能であり、
例えば研磨液を用いた多層膜表面の研磨によって除去加
工を行うことも可能である。この場合、加工は真空容器
中ではなく大気雰囲気中で行われるが、CCDカメラに
よる基板表面の可視光像撮影は問題なく行うことが可能
である。
【0068】また、上記第4の実施の形態では、CCD
カメラにより基板表面の可視光像を撮影して多層膜の表
面の物質分布を検出しているが、赤外・可視・紫外領域
の光に対する反射率の差を用いて多層膜表面の物質分布
を検出するものであれば、CCDカメラ以外の手段によ
って多層膜表面の物質分布を検出することも可能であ
る。
【0069】図6は、本発明に係る第1〜第4の実施の
形態により高い精度での波面補正を行った多層膜反射鏡
を備えたX線露光装置の一例を示す構成図である。
【0070】X線露光装置は、主に軟X線光源S、コン
デンサC、照明光学系、マスクMのステージ(図示せ
ず)、投影光学系、ウエハWのステージ(図示せず)な
どにより構成されている。軟X線光源Sには、プラズマ
励起用のレーザーLからなるレーザープラズマ光源の他
に放電プラズマ光源や放射光などが使用される。照明光
学系(IR1、IR2、IR3およびIR4等)は、反
射面に斜め方向から入射した軟X線を反射させる斜入射
ミラー、反射面が多層膜により形成される多層膜ミラ
ー、および所定の波長の軟X線のみを透過させるフィル
ター等により構成されている。この照明光学系によって
フォトマスクM上を所望の波長の軟X線で照明する。
【0071】軟X線の波長域では透明な物質は存在しな
いので、マスクMには従来の透過型のマスクではなく反
射型のマスクが使用される。投影結像光学系は複数の多
層膜ミラー(PR1、PR2、PR3およびPR4)等
により構成されている。マスクM上に形成された回路パ
ターンは、投影結像光学系によりレジストが塗布された
ウエハW上に結像して該レジストに転写される。なお、
軟X線は大気に吸収されて減衰するため、その光路は全
て所定の真空度(例えば、1×10-5Torr以下)に
維持されている。
【0072】前記照明光学系、前記マスクM及び前記投
影光学系のうちの少なくとも一つに第1〜第4の実施の
形態の多層膜反射鏡を有する。
【0073】尚、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々変更して実施することが可能である。例えば、
露光装置の軟X線光学系に前記多層膜反射鏡を適用して
いるが、軟X線光学系は露光装置に限定されるものでは
なく、他の軟X線光学系に多層膜反射鏡を適用すること
も可能である。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、除
去装置により多層膜の一部を除去加工しているときに、
除去された物質を分析装置により分析することで、該物
質の材質を知ることができる。したがって、熱的な安定
を必要とすることなく、多層膜の除去加工時の加工量を
精度良く計測できる多層膜除去加工装置、多層膜反射
鏡、その製造方法、軟X線光学系及び露光装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態による多層膜除
去加工装置を示す概略図である。
【図2】(a)は、図1に示す多層膜除去加工装置を用
いて除去加工した多層膜であって最表面に露出したモリ
ブデンとシリコンの分布を示す平面図であり、(b)
は、(a)に示す2b−2b線に沿った断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態による多層膜除
去加工装置を概略的に示す構成図である。
【図4】本発明に係る第3の実施の形態による多層膜除
去加工装置を概略的に示す構成図である。
【図5】本発明に係る第4の実施の形態による多層膜除
去加工装置を概略的に示す構成図である。
【図6】本発明に係る第1〜第4の実施の形態により高
い精度での波面補正を行った多層膜反射鏡を備えたX線
露光装置の一例を示す構成図である。
【図7】(a),(b)は、多層膜除去による反射波面
の制御を説明する断面図である。
【符号の説明】
11…凹面多層膜基板(多層膜反射鏡) 12…イオン
源 13…イオンビーム 14…質量分
析装置 21…モリブデン(Mo) 22…シリコ
ン(Si) 23…多層膜 24…除去加
工領域 45…ステージ 54…単色X
線照明装置 56…光電子分析装置 64a,64
b…エリプソメータ 74…CCDカメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/20 502 G03F 7/20 502 G21K 5/02 G21K 5/02 X H01L 21/027 H01L 21/30 531A Fターム(参考) 2G001 AA01 BA08 BA09 CA03 GA01 GA06 GA13 KA01 RA04 RA08 2H042 DA08 DA12 2H087 KA21 TA02 TA06 2H097 AA03 AB09 CA06 CA13 LA10 5F046 GA03 GB01 GC03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率の異なる少なくとも二種類以上の
    物質を交互に所定の周期長で積層してなる多層膜を基板
    上に成膜した多層膜反射鏡に対し、前記多層膜の一部を
    除去することにより、多層膜反射鏡の反射波面の位相を
    補正する多層膜除去加工装置であって、 前記多層膜の一部を除去する除去装置と、 除去した物質を分析する分析装置と、 を具備することを特徴とする多層膜除去加工装置。
  2. 【請求項2】 前記除去装置は、真空容器内に配置され
    たイオン源から発するイオンビームを前記多層膜に照射
    することによって該多層膜の一部を除去する装置であ
    り、前記分析装置は、前記除去装置によって除去した物
    質の質量を分析する質量分析装置であることを特徴とす
    る請求項1に記載の多層膜除去加工装置。
  3. 【請求項3】 屈折率の異なる少なくとも二種類以上の
    物質を交互に所定の周期長で積層してなる多層膜を基板
    上に成膜した多層膜反射鏡に対し、前記多層膜の一部を
    除去することにより、多層膜反射鏡の反射波面の位相を
    補正する多層膜除去加工装置であって、 前記多層膜の一部を除去する除去装置と、 この除去装置で除去した後の多層膜表面の物質の種類を
    分析する分析装置と、を具備することを特徴とする多層
    膜除去加工装置。
  4. 【請求項4】 前記分析装置は、多層膜表面の物質の種
    類を分析することにより多層膜表面の物質の面分布を測
    定するものであることを特徴とする請求項3に記載の多
    層膜除去加工装置。
  5. 【請求項5】 前記除去装置は、真空容器内に配置され
    たイオン源から発するイオンビームを前記多層膜に照射
    することによって該多層膜の一部を除去する装置であ
    り、前記分析装置は、多層膜表面の物質の種類を光電子
    分光により分析する光電子分光分析装置又はオージェ電
    子分光分析装置であることを特徴とする請求項3又は4
    に記載の多層膜除去加工装置。
  6. 【請求項6】 前記除去装置は、真空容器内に配置され
    たイオン源から発するイオンビームを前記多層膜に照射
    することによって該多層膜の一部を除去する装置であ
    り、前記分析装置は、多層膜表面に形成された膜の状態
    を測定するエリプソメータであることを特徴とする請求
    項3又は4に記載の多層膜除去加工装置。
  7. 【請求項7】 前記除去装置は、真空容器内に配置され
    たイオン源から発するイオンビームを前記多層膜に照射
    することによって該多層膜の一部を除去する装置であ
    り、前記分析装置は、赤外、可視又は紫外領域の光に対
    する反射率の差を用いて多層膜表面の物質分布を検出す
    るものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の
    多層膜除去加工装置。
  8. 【請求項8】 屈折率の異なる少なくとも二種類以上の
    物質を交互に所定の周期長で積層してなる多層膜を基板
    上に成膜した多層膜反射鏡に対し、前記多層膜の一部を
    除去することにより、多層膜反射鏡の反射波面の位相を
    補正した多層膜反射鏡の製造方法において、 前記多層膜の一部を除去しながら、この除去された物質
    を分析することにより、所望の除去量の加工を行うこと
    を特徴とする多層膜反射鏡の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記多層膜の一部の除去は、真空容器内
    に配置されたイオン源から発するイオンビームを前記多
    層膜に照射することによって行うものであり、前記物質
    の分析は、該物質の質量を分析することにより行うもの
    であることを特徴とする請求項8に記載の多層膜反射鏡
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 屈折率の異なる少なくとも二種類以上
    の物質を交互に所定の周期長で積層してなる多層膜を基
    板上に成膜した多層膜反射鏡に対し、前記多層膜の一部
    を除去することにより、多層膜反射鏡の反射波面の位相
    を補正した多層膜反射鏡の製造方法において、 前記多層膜の一部を除去した後の多層膜表面の物質の種
    類を分析することにより、所望の除去量の加工を行うこ
    とを特徴とする多層膜反射鏡の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記多層膜の一部の除去は、真空容器
    内に配置されたイオン源から発するイオンビームを前記
    多層膜に照射することによって行うものであり、前記物
    質の種類の分析は、光電子分光又はオージェ電子分光に
    より行うものであることを特徴とする請求項10に記載
    の多層膜反射鏡の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記多層膜の一部の除去は、真空容器
    内に配置されたイオン源から発するイオンビームを前記
    多層膜に照射することによって行うものであり、前記物
    質の種類の分析は、エリプソメータにより行うものであ
    ることを特徴とする請求項10に記載の多層膜反射鏡の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記多層膜の一部の除去は、真空容器
    内に配置されたイオン源から発するイオンビームを前記
    多層膜に照射することによって行うものであり、前記物
    質の種類の分析は、赤外、可視又は紫外領域の光に対す
    る反射率の差を用いて行うものであることを特徴とする
    請求項10に記載の多層膜反射鏡の製造方法。
  14. 【請求項14】 基板と、この基板上に形成され、屈折
    率の異なる少なくとも二種類以上の物質を交互に所定の
    周期長で積層してなる多層膜と、 前記多層膜の反射波面の位相を補正するために、前記多
    層膜の一部が除去された除去部と、 を具備し、 前記除去部は、多層膜の一部を除去しながら、この除去
    された物質を分析することにより、所望の除去量の加工
    を行って形成されていることを特徴とする多層膜反射
    鏡。
  15. 【請求項15】 基板と、 この基板上に形成され、屈折率の異なる少なくとも二種
    類以上の物質を交互に所定の周期長で積層してなる多層
    膜と、 前記多層膜の反射波面の位相を補正するために、前記多
    層膜の一部が除去された除去部と、 を具備し、 前記除去部は、多層膜の一部を除去した後の多層膜表面
    の物質を分析することにより、所望の除去量の加工を行
    って形成されていることを特徴とする多層膜反射鏡。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15に記載の多層膜反
    射鏡を用いて構成されたことを特徴とする軟X線光学
    系。
  17. 【請求項17】 軟X線を発生させる軟X線光源と、こ
    の軟X線光源からの軟X線をマスクに導く照明光学系
    と、前記マスクからの軟X線を感光性基板に導く投影光
    学系とを有し、前記マスクのパターンを感光性基板へ転
    写する露光装置において、 前記照明光学系、前記マスク及び前記投影光学系のうち
    の少なくとも一つに請求項14又は15に記載の多層膜
    反射鏡を有することを特徴とする露光装置。
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