形状プロフアイル測定装置およびそれを用いた半導体デバイスの製造方法 技術分野
本発明は、 短波長光源を用いた形状プロフアイノレ測定装置に関し、 特に、 短波 長光源を用いたスキヤテロメトリィ ( scatterometry ) 装置およびそれを用いた半 導体デバイスの製造方法に適用して有効な技術に関する。
明 背景技術 田
本発明者が検討したところによれば、 半導体デバイスの製造では、 半導体ゥェ ハ上に導電膜または絶縁膜を成膜する成膜工程と、 この膜上に感光剤であるレジ ストを塗布、 レチクル上の回路パターンをレジストに露光、 現像した後、 残存す るレジストをマスクとして膜をエッチングすることによって半導体ウェハ上に回 路パターンを形成するリソグラフイエ程を各層で繰り返すことによって行われて いる。
ここで、 本発明の参考技術として、 リソグラフイエ程の中で感光剤にパターン を焼き付ける露光工程を図 6により説明する。 レチクル 6には回路パターン 6 1 が描かれており、 これらは露光光 6 0 0 1により、 露光レンズ 7を介して半導体 ウエノ、 3の感光剤上に転写される。 転写された回路パターンが寸法規格どおりで きている力をチェックするため、 通常、 S E M ( Scanning Electron Microscope ) で寸法検査が行われている。 検査は、 転写回路パターン 3 5 1を直接計測する場 合と、 チップ領域 3 5 0の外側に存在する転写テストパターン 3 5 2を計測する 場合がある。 測定した寸法の大小により、 一般的には露光装置の露光量で補正を 行っている。 この露光量補正の自動化に関しては、 例えば非特許文献 1 (インプ レメンテーシヨン ォブ 了 クローズド^^ーブ シーディ アンド ォーパレ ィ コントローラ フォー サブ 0 . 2 5 μ πι ノ ターニング( Implementation of a Ciosed-loop CD and Overlay Controller for sub 0.25 |im Patterning ), S P I E V o 1 . 3 3 3 2 , 1 9 9 8, p p 4 6.1— 4 7 0 ) に記載されている。
一方で、 寸法の変動の原因としては、 露光装置の露光量変動以外にフォーカス ずれがあげられる。 露光量だけでなく、 フォーカスの補正も行う方法が、 例えば 特許文献 1 (特開 2 0 0 1 _ 1 4 3 9 8 2号公報) に開示されている。 これは、 予め S EMの波形変化を露光量、 フォーカスずれと関連付けることにより、 S E Mの波形から直接、 露光量およびフォーカスの捕正量を求める方法である。
また、 最近、 転写回路パターンの断面プロファイルを光学的に測定するスキヤ テロメトリイという方法が、 例えば非特許文献 2 (スぺキユラ スぺタトロスコ ープ スキヤテロメ トリイ イン ディユーブイ リソグラフィ ( Specular Spectroscopic Scatterometry in DUV Lithography ), S P I E V o l . 3 6 7 7 , 1 9 9 9 , p p l 5 9 - 1 6 8 ) に開示されている。 ここで、 スキヤテロメトリ ィ計測装置の構成を図 7により説明する。 図 7は分光型のスキヤテロメトリィ計 測装置である。 白色光源 1 1 1 0から出射した白色光 1 1 1 1を基板 3 3上の繰 り返しパターン 3 1に照射、 正反射光を回折格子 4 0 0で分光し、 センサ 5 0 0 で分光波形を検出する。
次に、 上記の計測装置で得られた分光波形の処理方法を図 8により説明する。 分光波形 8 0 0は、 シグネチヤ (signature ) と呼ばれ、 図 7の計測装置で得られ た信号の場合、 波長に対する光強度変化の信号となる。 シグネチヤは繰り返しパ ターン 3 1の断面プロファイルによって変化する。 そこで、 前もって様々な断面 プロファイルに対するシグネチヤを波動光学シミュレーシヨンによって求めてお き、 これらをライブラリとして蓄えておく。 例えば、 繰り返しパターン 3 1のボ トム線幅 L、膜厚 D、テーパ角ひに応じて断面プロファイルを矩形でモデル化し、 シグネチヤのシミュレーションを行う。 分光波形 8 0 0とシグネチヤのライブラ リの比較を行い、 一致したシグネチヤを与える断面プロファイル、 すなわち線幅 L l、 膜厚 D l、 テーパ角ひ 1が計測値となる。
この方法は、 感光剤の反応により電子線照射中に線幅が変化する懸念のある S EMと比べて、 スキヤテロメトリイは光による計測であるので、 有利である。 ま た、 大気中で計測可能であり、 S EMのように真空引きに時間を取られることも ないので、 高速測定が可能である。
また、 スキヤテロメトリイは、 上述のように回路パターン断面プロファイルを
測定 る上で S EMと比べてメリットがあるが、 大量の波形を予め算出する必要 があるため、 高速な光学シミュレーションが必要となる。 このため、 例えば非特 許文献 3 (ディフラクション アナリシス ォブ ディエレクトリック サーフ ェイスレリーフ グレーアイング ( Diffraction Analysis of Dielectric Surface-relief Gratings ), J . Op t. S o c . Am., Vo l . 72, No. 10, 1982) に開示されているリゴラス カップルド ウェーブ アナリシス (RCWA : Rigorous Coupled Wave Analysis ) と呼ばれる計算手法が採用されている。これは、 パターン断面を複数の矩形層で近似し、 それぞれの矩形層を無限に続く同一ピッ チおよびデューティの回折格子とみなし、 矩形層間の境界条件を合わせることに より波動方程式の級数解の係数を決定する方法である。 波動方程式の別の解法で ある有限要素法等と比較すると、 極めて高速に波形算出が行える。 発明の開示
ところで、 半導体デバイスの製造では、 半導体の回路パターンは、 微細化の一 途をたどり、 現在では 100 nmをきる線幅の領域に達している。 スキヤテロメ トリイで微細な線幅が精度良く計測できるかは、 上述の分光波形の感度が微細な ,锒幅変化に対して感度があるかにかかつている。
ここで、 図 9に示す繰り返しパターンの線幅変ィ匕に対する分光波形の感度につ いて考える。 シリコン基板 301の上に 100 nm厚の反射防止膜 302を塗布 し、 この上に厚さ 400 nmのレジストの繰り返しパターン 303が形成されて いる。 このパターンに対して、 上述のリゴラス カップルド ウェーブ アナリ シスで計算した分光波形を図 10に示す。 線幅 100nmから 90 n mへの変化 に対しては、 波長 350 nm以下の領域で两者に対応する波形の乖離が大きい。 すなわち、 350 nm以下の短波長領域で線幅変ィ匕に対する感度が大きいことが 分かる。
現在の通常のスキヤテロメトリイ装置では、 光源としてキセノンランプが用い られているため、 350 nm以下の短波長領域では光強度が著しく低下する。 こ れに対して、 波長 190から 250 nmの領域で強度を持つ重水素ランプが短波 長光源として知られている。 この重水素ランプを光源とした分光波形計測装置は、
例えば、 コンドウ (N.Kondo)他、 フィルム シックネス メジャーメント ォブ ゥノレトラシン フイノレム ユージング ライト ォブ ユーブイ ウェーブレン ス ( Film thickness measurement oi ultrathin film using light of UV wavelength ), S P I E V o l . 1 6 7 3 , p p 3 9 5 - 3 9 6 , に記載されている。
ここで、 この装置の構成を図 1 1を用いて説明する。 重水素ランプ 1 0 0より 射出された光は、 楕円ミラー 1 0 1と折り曲げミラー 1 0 2を介して一旦、 視野 絞り 1 0 3に集光された後、 ハーフミラー 1 0 4を介して反射型対物レンズ 2 0 によって半導体ウェハ 3上に集光される。 反射型対物レンズ 2 0は笠状の凹面鏡 2 0 1と凸面鏡 2 0 2で構成され、 シュワルツチルド ( Schwartzchild ) 型と呼ば れている。
半導体ウェハ 3を出射した反射光は、 反射型対物レンズ 2 0により絞り 1 0 5 上で集光される。 絞り 1 0 5は、 半導体ウェハ 3上の膜内でデフォーカスした光 を遮光する働きがある。 絞り 1 0 5を出射した光は、 結像作用のあるホログラフ ィックグレーティング 4 0により分光され、 分光波形が C C Dセンサなどの 1次 元撮像素子 5 0によって計測される。 反射型対物レンズ 2 0を用いる理由は、 重 水素ランプ 1 0 0の波長域ではガラス材料が合成石英、 C a F 2に限られており、 異なる材料の組み合わせで実現してきた色収差補正が不可能なためである。 色収 差補正ができないと、半導体ウェハ上の特定ボイントへの光の収差が困難となる。 このように、 反射型対物レンズ 2 0を用いる場合は、 照明光は半導体ウェハ 3 に対して垂直ではなく、 斜めに入射し、 斜めに反射された成分を検出することに なる。 このことは、 図 1 1の装置をパターンの無い対象の膜厚測定に用いる場合 には問題ないが、 繰り返しパターンの形状を測定するスキヤテロメトリイ装置と して用いる場合は問題となる。
このことを、 図 1 2と図 1 3を用いて説明する。 図 1 2は、 繰り返しパターン 3 1の方向 Xに対する照明光の入射方向の関係を示す。 X Z平面内での Zに対す る傾きを 0、 Zを回転軸に X軸から Y軸側への角度を φとする。 反射型対物レン ズ 2 0が NA 0 . 2相当の開口率を持つとして、 傾き 0は AR C S I N ( 0 . 2 ) より、 1 1 . 5 3 7度とし、 φ 0度、 4 5度、 9 0度での分光波形を図 1 3に示 す。 対象とする繰り返しパターン 3 1は図 9のパターンと同じである。
これにより、 φの変化、 すなわち反射型対物レンズ 2 0で集光された光の、 繰 り返しパターンの方向に対する半導体ウェハ平面内での入射角変ィヒにより、 分光 波形が大きく変わる。 従って、 シミュレーション分光波形のデータベースである ライブラリとの対応が取れなくなる。 一方、 反射型対物レンズ 2 0ではなく、 通 常の屈折型レンズを用いることができれば、 垂直入射が実現でき、 この問題はク リアできるが、 色収差のため集光が出来なくなる問題が生じる。
そこで、 本発明の目的は、 反射型対物レンズを用いる場合の斜入射の問題と、 反射型対物レンズを用いる場合の色収差の問題を解決するスキヤテロメトリィ装 置を与えることで、 短波長で微細パターンの高精度な測定を実現できる形状プロ ファイル測定装置を提供することにある。 本発明の新規な特徴は、 本明細書の記 述ぉよび添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、 代表的なものの概要を説明すれば、 以下 のとおりである。
すなわち、 本発明は、 実測した分光波形とシミュレーション波形の照合により 形状プロフアイル計測を行う形状プロファイル測定装置において、 結像系として 1枚の凹面鏡と 1枚の凸面鏡を用い、 凹面鏡に対して物体側 (半導体ウェハ側) と像側 (撮像素子側) が同じ側となる光学系、 すなわち反射型対物レンズとして オフナー型を用いることを特徴とする。 これにより、 従来の膜厚測定装置で用い られていたシュワルツチルド型光学系を用いる場合に生じる、 繰り返しパターン に対して入射方向を限定できないという問題は解消し、 垂直照明、 垂直検出がで き、 簡単な構成で短波長光源を用いたプロファイル形状測定が実現でき、 結^:と して微細パタ一ンに対する高精度な測定が可能となる。
一方で、 従来のシュワルツチルド型の構成を取りながら、 凹面鏡の反射面を直 径方向に対向する 2箇所に限定する。 すなわち、 結像系として 1枚の凸面鏡と 2 枚凹面鏡を用い、 凹面鏡に対して物体側と像側が反対側となる光学系を構成する ことにより、 入射方向を繰り返しパターンに対して限定でき、 シミュレーション 波形との照合が可能となるので、 結果として短波長光源を用いたプロファイル形 状測定が実現できる。
また、 ハード構成はシュワルツチルド型を一切変更することなく、 シミュレ一
シヨン側で複数の斜入射波形から実測波形を模した波形を合成する。 すなわち、 シュワルツチルド型光学系の測定対象繰り返しパターンへの入射方向毎の複数の 分光波形のシミュレーション結果から求められた分光波形と実測した分光波形の 照合を取ることにより、 実波形との照合が可能となり、 短波長光源を用いたプロ フアイル形状測定が実現できる。
さらに、 屈折型レンズにより結像系を構成する場合も、 色収差起因で発生する 各波長毎のぼけ関数を予め求めておき、 これを用いてシミュレーシヨン波形を実 波形を模した波形に変換する。 すなわち、 屈折型光学系と、 この屈折型光学系で 発生する波長毎の色収差起因ぼけ関数を記憶する手段と、 この関数を用いてシミ ユレーシヨン波形を変換した波形と実測した分光波形の照合を取る手段とを有す ることにより、 実波形との照合が可能となり、 短波長光源を用いたプロファイル 形状測定が実現できる。 .
本願において開示される発明のうち、 代表的なものによって得られる効果を簡 単に説明すれば、 以下のとおりである。
( 1 ) オフナー型の反射光学系を用いることにより、 重水素ランプ等の短波長 光源を用いたスキヤテロメトリイ装置において、 垂直成分の反射光を検出するこ とが可能となるため、簡単な構成で短波長のスキヤテロメトリィ装置が実現でき、 微細パターンの高精度形状測定が可能となる。
( 2 ) シュワルツチルド型反射対物の凹面鏡の反射部を、 測定対象の繰り返し パターンに対して一方向となるように構成することにより、 スキヤテロメトリイ 装置において、 一方向のシミュレーション結果との照合が実現でき、 微細パター ンの高精度形状測定が可能となる。
( 3 ) シュワルツチルド型反射対物を用いた場合の斜入射光の平面内での角度 を円周上に加算することにより、 シミュレーション波形を実測波形に近づけるこ とができ、 微細パターンの高精度形状測定が可能となる。
( 4 ) 屈折型対物レンズで生じる色収差起因のぼけを各波長毎に予め求めてお くことにより、 シミュレーション波形を色収差でぼけた状態の分光波形に変換す ることができ、 実測波形とシミュレーション波形の照合が可能となるため、 微細 パターンの高精度形状測定が可能となる。
図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の第 1の実施の形態である短波長光源を用いた形状プロフアイ ル測定装置を示す構成図である。
図 2は、 本発明の第 2の実施の形態である短波長光源を用いた形状プロフアイ ル測定装置を示す構成図である。
図 3は、 本発明の第 3の実施の形態である短波長光源を用いた形状プロフアイ ル測定装置を示す構成図である。
図 4は、 本発明の第 4の実施の形態である短波長光源を用いた形状プロフアイ ル測定装置を示す構成図である。
図 5は、 本発明の第 1〜第 4の実施の形態である形状プロファイル測定装置を 用いた半導体デバイスの製造方法を示すフ口一図である。
図 6は、 本発明の参考技術として、 露光工程を説明するための図である。 図 7は、 本発明の参考技術として、 スキヤテロメトリイ装置を説明するための 図である。
図 8は、 本発明の参考技術として、 スキヤテロメトリイの原理を説明するため の図である。
図 9は、 本発明の参考技術として、 シミュレーションの対象とする繰り返しパ ターンを説明するための図である。
図 1 0は、 本発明の参考技術として、 線幅 1 0 0 n mおよび 9 0 n mの分光波 形のシミュレーション結果を説明するための図である。
図 1 1は、 本発明の参考技術として、 シュワルツチルド型反射対物レンズを用 いた従来の膜厚測定装置を説明するための図である。
図 1 2は、 本発明の参考技術として、 繰り返しパターンの方向と照明光入射方 向の関係を説明するための図である。
図 1 3は、 本発明の参考技術として、 照明光入射方向の違いによる分光波形の 違いを説明するための図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。 なお、 実施の形 態を説明するための全図において、 同一の機能を有する部材には原則として同一 の符号を付し、 その繰り返しの説明は省略する。
まず、 図 1により、 本発明の第 1の実施の形態である短波長光源を用いた形状 プロファイル測定装置の構成および動作の一例を説明する。 図 1は、 第 1の実施 の形態である短波長光源を用いた形状プロフアイル測定装置を示す構成図である。 第 1の実施の形態の形状プロファイル測定装置は、 オフナー型の反射光学系を 用いたスキヤテロメトリィ装置からなり、 重水素ランプ 1 0、 楕円ミラー 1 1、 折り曲げミラー 1 2、 視野絞り 1 3、 ハーフミラー 1 4、 折り曲げミラー 1 5、 絞り 1 6、 凹面鏡 2 1、 凸面鏡 2 2、 ホログラフィックグレーティング 4 1、 1 次元撮像素子 5 1などからなる光学系と、 処理系 8 1、 シミュレーション分光波 形ライブラリ 8 2、 形状データ記憶手段 8 3、 計算エンジン 8 4などからなる分 光波形処理系とで構成される。
この形状プロファイル測定装置において、 重水素ランプ 1 0を出射した光は、 楕円ミラー 1 1により折り曲げミラー 1 2を介して視野絞り 1 3上に集光される。 視野絞り 1 3は、 半導体ウェハ 3上に照射される光の範囲を、 半導体ウェハ 3上 の繰り返しパターンの領域に限定する作用を持つ。視野絞り 1 3を出射した光は、 ハーフミラ一 1 4により反射され、 凹面鏡 2 1、 凸面鏡 2 2、 凹面鏡 2 1により 半導体ウェハ 3上の繰り返しパターン上に結像される。 凹面鏡 2 1と凸面鏡 2 2 はオフナー型の反射光学系を構成し、 凹面鏡 2 1に対して半導体ウェハ 3側と 1 次元撮像素子 5 1側が同じ側となっている。
オフナー型の反射光学系は、 例えば、 ルドルフ キングスレイク ( Rudolf Kingslake ), レンズ デザィン ファンダメンタルズ( Lens Design Fundamentals ) , ァカデミック プレス ( Academic Press Inc. ) , 1 9 7 8 , p p 3 2 1— 3 2 2、 に記載されている。 オフナー型は、 垂直入射および反射成分の検出が可能である という点で、 垂直成分が検出できな ヽ前述のシュワルツチルド型に比べてスキヤ テロメトリイ装置には有利である。 また、 構成上、 高 NA化が困難だが、 スキヤ テロメトリイ応用の場合は垂直入反射成分が取れれば良いので、 NA 0 . 0 8程 度の結像光学系で十分である。 反射光学系であるので、 屈折型のように色収差は
発生せず、 重水素ランプ 1 0から発した波長 1 9 0〜2 5 0 n m程度の範囲の光 をぼけることなく、 半導体ゥェハ 3上の繰り返しパターンに結像させることがで さる。
そして、 半導体ウェハ 3上の繰り返しパターンで反射した光は、 凹面鏡 2 1、 凸面鏡 2 2、 凹面鏡 2 1により、 ハーフミラー 1 4および折り曲げミラー 1 5を 介して、 絞り 1 6上に結像される。 絞り 1 6は、 繰り返しパターン表面以外から の反射光であるデフォーカス成分や迷光をカツトする働きがある。 絞り 1 6を発 した光は、 結像作用のあるホログラフィックグレーテイング 4 1により 1次元撮 像素子 5 1上に分光波形として結像される。 その後の分光波形の処理は、 従来の スキヤテロメトリイ装置と同じ手順で処理される。
すなわち、 分光波形の処理系 8 1は、 シミュレーション分光波形ライブラリ 8 2中の分光波形と 1次元撮像素子 5 1により検出された分光波形を照合し、 一致 した波形を見つけ、 シミュレーションの断面プロファイルデータ (線幅、 膜厚、 テーパ角等) を検出した分光波形に対応した形状データとして、 形状データ記憶 手段 8 3に記憶する。 各形状プロファイルに対応した分光波形は、 前述のリゴラ ス カップルド ウエーブ アナリシス (R CWA) を用い、 計算エンジン 8 4 によって予め計算され、シミュレーション分光波形ライブラリ 8 2に記憶される。 なお、 シミュレーシヨン分光波形ライブラリ 8 2を持たず、 計測した分光波形に 合わせてシミュレーションを逐次行っても良い。
以上により、 第 1の実施の形態の形状プロファイル測定装置によれば、 オフナ 一型の反射光学系を用いることにより、 重水素ランプ 1 0などの短波長光源を用 いたスキヤテロメトリイ装置において、 垂直成分の反射光を検出することができ る。 この結果、 簡単な構成で短波長のスキヤテロメトリイ装置が実現でき、 微細 パターンの形状測定を高精度で行うことができる。
次に、 図 2により、 第 2の実施の形態である短波長光源を用いた形状プロファ ィル測定装置の構成および動作の一例を説明する。 図 2は、 第 2の実施の形態で ある短波長光源を用いた形状プロファイル測定装置を示す構成図である。
前述 (発明が解決しょうとする課題) において、 スキヤテロメトリイ装置にシ ュワルツチルド型の反射対物レンズを用いる場合の不都合を述べたが、 斜め入射
成分を繰り返しパターンの繰り返し方向に対して一方向に絞ることが解決策とな る。 そこで、 本発明の第 2の実施の形態 2では、 シュワルツチルド型反射光学系 の入射方向を一方向に限定している。
すなわち、 第 2の実施の形態の形状プロファイル測定装置は、 シュワルツチル ド型反射光学系の入射方向を一方向に限定したスキヤテロメトリイ装置力 らなり、 光源 1、 ハーフミラー 1 4 0、 凸面鏡 2 3、 凹面鏡 2 4, 2 5、 絞り 1 6◦、 ホ ログラフィックグレーティング 4 2、 1次元撮像素子 5 2などからなる光学系と、 制御処理系 8 1 0、 シミュレーション分光波形ライブラリ 8 2 0、 形状データ記 憶手段 8 3 0、計算エンジン 8 4 0などからなる分光波形処理系とで構成される。 この形状プロファイル測定装置において、 光源 1を射出した光は、 ハーフミラ 一 1 4 0で反射され、凸面鏡 2 3に入射し、凹面鏡 2 4, 2 5によって反射され、 半導体ウェハ 3上の繰り返しパターン 3 1上に集光される。 光源 1は、 前記図 1 に示す重水素ランプ 1 0、 楕円ミラー 1 1および視野絞り 1 3で構成される。 ま た、 面鏡 2 4, 2 5および凸面鏡 2 3はシュワルツチルド型の反射結像光学系 を構成し、 凹面鏡 2 4, 2 5に対して半導体ウェハ 3側と 1次元撮像素子 5 2側 が反対側となっており、 光源 1内の視野絞り 1 3の像を半導体ウェハ 3上に結像 する。 この例では、 入射方向を限定するため、 凹面鏡 2 4, 2 5に分割している 力、 二点鎖線で示す一体化された凹面の一部 (凹面鏡 2 4, 2 5に相当する部分) だけにアルミニウム等の反射コーティングを施しても良い。
そして、 半導体ウェハ 3で反射した光は、 凹面鏡 2 4, 2 5および凸面鏡 2 3 によってハーフミラー 1 4 0を介し、 絞り 1 6 0に集光される。 絞り 1 6 0は、 繰り返しパターン 3 1の表面以外からの、 デフォーカス光や迷光をカツトする働 きがある。 絞り 1 6 0を発した光は、 結像作用のあるホログラフィックグレーテ イング 4 2により 1次元撮像素子 5 2上に分光波形として結像される。 分光波形 の処理は、 前記第 1の実施の形態のスキヤテロメトリイ装置と同じ手順で処理さ れる。
すなわち、 分光波形の制御処理系 8 1 0は、 シミュレーション分光波形ライプ ラリ 8 2 0中の分光波形と 1次元撮像素子 5 2により検出された分光波形を照合 し、一致した波形を見つけ、シミュレーションの断面プロファイルデータ (線幅、
膜厚、 テーパ角等) を検出した分光波形に対応した形状データとして、 形状デー タ記憶手段 8 3 0に記憶する。 各形状プロファイルに対応した分光波形は、 上述 の R CWAを用い、 計算エンジン 8 4 0によって予め計算され、 シミュレーショ ン分光波形ライプラリ 8 2 0に記憶される。
なお、 シミュレーション分光波形ライブラリ 8 2 0を持たず、 計測した分光波 形に合わせてシミュレーションを逐次行っても良い。 また、 繰り返しパターン 3 1への半導体ゥヱハ面内での入射角は、 ゥェハ回転ステージ 3 0 0を制御処理系 8 1 0が回転させることによって変更できる。 このため、 対象とする形状プロフ' アイルに敏感で感度の良い入射角を設定することにより、 精度の高いプロフアイ ル測定を行うことができる。
以上により、 第 2の実施の形態の形状プロファイル測定装置によれば、 シュヮ ルッチルド型反射対物の凹面鏡 2 4, 2 5の反射部を、 測定対象の繰り返しパタ ーンに対して一方向となるように構成することにより、 スキヤテロメトリイ装置 において、 一方向のシミュレーション結果との照合が実現できる。 この結果、 微 細パタ一ンの形状測定を高精度で行うことができる。
次に、 図 3により、 第 3の実施の形態である短波長光源を用いた形状プロファ ィル測定装置の構成および動作の一例を説明する。 図 3は、 第 3の実施の形態で ある短波長光源を用いた形状プロファイル測定装置を示す構成図である。
第 3の実施の形態においては、 測定装置自体の構成は、 前述した図 1 1により 説明した従来例のシュワルツチルド型の膜厚測定装置と全く同じものを用いてい る。
すなわち、 第 3の実施の形態の形状プロフアイル測定装置は、 シュワルツチル ド型反射光学系の分光波形にシミュレーション結果を合わせるスキヤテロメトリ ィ装置からなり、 重水素ランプ 1 0 0、 楕円ミラー 1 0 1、 折り曲げミラー 1 0 2、 視野絞り 1 0 3、 ハーフミラー 1 0 4、 反射型対物レンズ 2 0 (凹面鏡 2 0 1、 凸面鏡 2 0 2 )、 絞り 1 0 5、 ホログラフィックグレーティング 4 0、 1次元 撮像素子 5 0などからなる光学系と、 処理系 8 1 1、 シミュレーション分光波形 ライブラリ 8 2 1、 形状データ記憶手段 8 3 1、 計算エンジン 8 4 1などからな る分光波形処理系とで構成される。
この形状プロファイル測定装置において、 反射型対物レンズ 2 0では、 繰り返 しパターンに対し、 半導体ウェハ 3の法線を回転軸にした面内 3 6 0度の方向か ら光が入射し、 反射される。 従って、 1次元撮像素子 5 0で検出される分光波形 は、 面内 3 6 0度方向の全ての分光波形が加算されたものとなる。 実際には、 繰 り返しパターンと装置の対称性より、 分光波形は 0度から 9 0度で変化する。 0 度から 9 0度の範囲で、 どの程度の角度ピッチで分光波形を計算し、 加算すれば 良いかは、 予め角度ピッチを振って計算してみることにより、 対象パターンに応 じて最適なピッチが得られる。
計算エンジン 8 4 1は、 入射角の最適なピッチで複数の分光波形を計算してお き、 シミュレーション分光波形ライブラリ 8 2 1では、 それらの平均波形をデー タベース化しておく。 処理系 8 1 1は、 検出した分光波形とシミュレーション分 光波形ライブラリ 8 2 1中の分光波形を比較し、 対応する形状プロファイルデー タを計測データ記憶手段 8 3 1に記憶する。 なお、 シミュレーション分光波形ラ イブラリ 8 2 1を持たず、 計測した分光波形に合わせてシミュレーシヨンを逐次 行っても良い。
以上により、 第 3の実施の形態の形状プロファイル測定装置によれば、 シュヮ ルツチルド型反射対物を用レヽた場合の斜入射光の平面内での角度を円周上に加算 することにより、 シミュレーション波形を実測波形に近づけることができる。 こ の結果、 微細パターンの形状測定を高精度で行うことができる。
次に、 図 4により、 第 4の実施の形態である短波長光源を用いた形状プロファ ィル測定装置の構成および動作の一例を説明する。 図 4は、 第 4の実施の形態で ある短波長光源を用いた形状プロファイル測定装置を示す構成図である。
第 4の実施の形態では、 屈折型対物レンズで発生する色収差起因のぼけ関数を 波長毎に求めておき、 理想状態で計算したシミュレーション波形を色収差のある 状態の波形に変換することにより実測波形のライブラリを作成し、 照合を取るこ とにより、 精度の高い形状プロファイルが得られるようにするものである。
すなわち、 第 4の実施の形態の形状プロファイル測定装置は、 屈折型結像系の 色収差を考慮したシミュレーシヨンによりライブラリを作成するスキヤテロメト リイ装置からなり、 重水素ランプ 1 0 0 0、 楕円ミラー 1 0 0 1、 折り曲げミラ
— 1002、 視野絞り 1003、 ハーフミラー 1004、 コンデンサレンズ 20 01、 屈折型対物レンズ 2002、 結像レンズ 2003、 ホログラフィックダレ ーティング 43、 1次元撮像素子 53などからなる光学系と、 処理系 812、 シ ミュレーション分光波形ライブラリ 8420、 形状データ記憶手段 832、 計算 エンジン 842、 色収差関数データベース 852などからなる分光波形処理系と で構成される。
この形状プロファイル測定装置において、重水素ランプ 1000を発した光は、 楕円ミラー 1001によって視野絞り 1003上に集光される。 視野絞り 100 3を射出した光はハーフミラー 1004を介して、 コンデンサレンズ 2001お よび屈折型対物レンズ 2002により半導体ウェハ 3上の繰り返しパターン上に 照明される。 半導体ウェハ 3からの反射光は、 ハーフミラー 1◦ 04を介して屈 折型対物レンズ 2002および結像レンズ 2003によって一旦、 結像される。 屈折型対物レンズ 2002および結像レンズ 2003の色収差により、 波長によ つて結像位置が異なる。
例えば、 波長 1の場合は点 Aに結像され、 ホログラフィックグレーティング 43によって 1次元撮像素子 53上に結像される力 波長え 2の場合は点 Bに結 像され、 1次元撮像素子 53上ではデフォーカスした状態で撮像される。 色収差 関数データベース 852には、 例えば、 波長 λ 1, λ 2, λ 3の色収差起因のぼ け関数 F 1 (λ), F 2 (λ), F 3 (λ) が記憶されている。 色収差起因のぼけ 関数は各波長を中心波長とした強度分布であり、 設計データの光線追跡や、 屈折 型対物レンズ 2002および結像レンズ 2003と波長フィルタを用いた実験に より求めることができる。
色収差起因のぼけ関数は、 例えば 1 nmおきにデータベース化される。 計算ェ ンジン 842は、 RCWAで計算された理想状態の分光波形を、 色収差関数デー タベース 852の色収差起因のぼけ関数を用いて式(1)により実波形に変換し、 ライブラリ化する。
I' U) = {F 1 (λ) +F 2 (λ) +F3 U) +〜}
• E ( · I (λ) (式 1) この式 (1) において、 λは波長、 I (λ) は RCWAで計算された理想状態
の分光波形、 E ( λ ) は半導体ウェハ 3上での照明光の分光分布であり、 Ε ( λ ) は実験により求められる。 処理系 8 1 2は、 実波形に変換されたデータベースの シミュレーション分光波形ライブラリ 8 4 2 0と検出された分光波形を照合し、 対象パターンの形状プロファイルデータを形状データ記憶手段 8 3 2に記憶する。 なお、 シミュレーション分光波形ライブラリ 8 4 2 0を持たず、 計測した分光波 形に合わせてシミュレーションを逐次行っても良い。
以上により、 第 4の実施の形態の形状プロファイル測定装置によれば、 屈折型 対物レンズ 2 0 0 2で生じる色収差起因のぼけを各波長毎に予め求めておくこと により、 シミュレーション波形を色収差でぼけた状態の分光波形に変換すること ができる。この結果、実測波形とシミュレーシヨン波形の照合が可能となるため、 微細パターンの形状測定を高精度で行うことができる。
次に、 図 5により、 前述した第 1〜第 4の実施の形態である形状プロファイル 測定装置を用いた半導体デバイスの製造方法の一例を説明する。 図 5は、 形状プ 口フアイル測定装置を用いた半導体デバイスの製造方法を示すフ口一図である。 半導体デパイスの製造においては、 例えば、 半導体単結晶のインゴットのスラ イス、 研磨などの工程にて半導体ウェハを準備するとともに (ステップ S l )、 予 め、 製品回路パターンとテストパターンの露光量およびフォーカスの最適値との 差 ΔΑ、 Δ Βの測定 (ステップ S 2 0 )、 およびテストパターンの断面形状もしく は断面形状と関連のある信号波形を露光量およびフォーカスの最適値に対する偏 差と関連付けてライブラリに記憶する処理 (ステップ S 3 0 )、 を行っておく。 この半導体ウェハに薄膜などを形成した後 (ステップ S 2 )、 平坦化処理を行い (ステップ S 3 )、 その後、 レジスト塗布 (ステップ S 4 )、 露光装置による露光 処理 (ステップ S 5 )、 現像処理 (ステップ S 6 ) を行う。
ここで、 本実施の形態では、 現像された半導体ウェハ上のテストパターンの信 号波形を、 スキヤテロメトリイによる形状プロファイル測定装置にて測定し (ス テツプ S 7 )、測定結果とステップ S 3 0で構築されているライブラリの信号波形 とを照合して、 テストパターンに関する露光量およびフォーカスの最適値からの 偏差 ΔΑ 1;、 厶 B tを得る (ズテツプ S 8 )。
さらに、 ステップ S 8で得られたテストパターンの偏差 ΔΑ t、 Δ Β 1:を、 ス
テツプ S 2 0で既知の ΔΑ、 Δ Βを用いて補正し、 製品パターンに関する露光量 およびフォーカスの最適値からの偏差 ΔΑ ρ、 Δ Β ρを得て、 この偏差を露光ェ 程補正情報としてステップ S 5の露光工程にフィードパックし、 以降の露光工程 に反映させる (ステップ S 9 )。
その後、 レジストをマスクとするエッチングによる製品パターン形成およびレ ジスト除去を行い (ステップ S 1 0 )、 ウェハプロセスが完了力、否かを判定し (ス テツプ S 1 1 )、 未完了の場合にはステップ S 2以降を反復する。
ウェハプロセスが完了の場合には、 ウェハプローブなどのウェハレベルでの各 半導体チップの機能試験による良品選別を行い (ステップ S 1 2 )、 その後、 半導 体ウェハのダイシングにて半導体チップを個別に分離し (ステップ S 1 3 )、 良品 の半導体チップのみに対して封止などのパッケージングを行い(ステップ S 1 4) . さらにバーンインテストなどの出荷前検査を行い (ステップ S 1 5 )、 良品の半導 体デバイスのみを出荷する (ステップ S 1 6 )。
以上のように、 本実施の形態の場合には、 ステップ S 2〜S 1 0のリソグラフ ィにおけるステップ S 5の露光工程での露光条件の最適値からの変動を、 スキヤ テロメトリイによるテストパターンの実測、 さらには製品パターンへの補正にて、 露光量およびフォーカス毎に個別に検出して、 以降の露光処理にフィードパック されるので、 露光量およびフォーカスなどの露光条件が、 常に最適値に近い範囲 で維持されることになり、 半導体デバイスの歩留まり向上を実現できる。
なお、 本実施の形態の形状プロファイル測定装置による計測結果は、 露光工程 に限らず、 成膜工程、 平坦化工程、 レジスト塗布工程、 現像工程、 エッチングェ 程などの各工程などにも適用でき、 これらの各工程における処理条件にフィード パックすることで、 より一層、 半導体デバイスの歩留まり向上が可能となる。 産業上の利用可能性
以上のように、 本発明は、 短波長光源を用いた形状プロファイル測定装置に関 し、 特に、 短波長光源を用いたスキヤテロメトリイ ( scatterometry ) 装置および それを用いた半導体デバイスの製造方法に広くて適用可能である。