JP2003065282A - ターボ分子ポンプ - Google Patents

ターボ分子ポンプ

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JP2003065282A
JP2003065282A JP2001251717A JP2001251717A JP2003065282A JP 2003065282 A JP2003065282 A JP 2003065282A JP 2001251717 A JP2001251717 A JP 2001251717A JP 2001251717 A JP2001251717 A JP 2001251717A JP 2003065282 A JP2003065282 A JP 2003065282A
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rotor
pump
casing
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turbo molecular
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Application number
JP2001251717A
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English (en)
Inventor
Shingo Tsutsui
慎吾 筒井
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D19/00Axial-flow pumps
    • F04D19/02Multi-stage pumps
    • F04D19/04Multi-stage pumps specially adapted to the production of a high vacuum, e.g. molecular pumps
    • F04D19/042Turbomolecular vacuum pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/40Casings; Connections of working fluid
    • F04D29/52Casings; Connections of working fluid for axial pumps
    • F04D29/522Casings; Connections of working fluid for axial pumps especially adapted for elastic fluid pumps

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Non-Positive Displacement Air Blowers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプケーシングの変形を防止でき、装置に
伝達される衝撃力を低減することができるターボ分子ポ
ンプの提供。 【解決手段】 円筒形状の内側ケーシング14を、ター
ボ分子ポンプ部TPのスペーサリング9とポンプケーシ
ング1との間に設けた。万一、高速回転時にロータ4が
破損した場合には、ロータ破壊時の衝撃力は内側ケーシ
ング14が塑性変形することにより吸収される。その結
果、装置7に伝達される衝撃力を低減することができ
る。さらに、ポンプケーシング1の内周面と内側ケーシ
ング14の外周面との隙間寸法Gをロータ破片衝突によ
る内側ケーシング14の径方向変形量よりも大きくした
ことにより、ポンプケーシング1の変形を防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置や
分析装置の真空排気装置として用いられるターボ分子ポ
ンプに関する。
【0002】
【従来の技術】ターボ分子ポンプでは、複数段の回転翼
が形成されたロータと複数段の固定翼とがポンプケーシ
ング内に設けられている。これらの回転翼および固定翼
は交互に配設されており、ロータを高速回転することに
より気体をポンプ背圧側に排気することができる。各固
定翼の軸方向間隔は、スペーサリングによって所定値に
保たれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高速回転す
るロータが万一破壊した場合には、ロータは分裂してロ
ータ径方向に飛散し、スペーサリングに衝突する。上述
したように、スペーサリングは固定翼の間隔を保持する
ために設けられたものであり、ポンプ重量軽減という要
請から、なるべく肉厚を薄くして軽量に作られている。
そのため、ロータ破壊の衝撃力に対して強度不足であ
り、実質上はポンプケーシングで衝撃力を受け止めるよ
うな設計が成されている。すなわち、ポンプケーシング
の肉厚は、ロータ破壊が起こっても変形しないような充
分な厚さに設定されることが多い。
【0004】しかしながら、ポンプケーシングを頑丈に
すると衝撃力がポンプケーシングで吸収されず、ポンプ
が取り付けられた装置に直に伝達されることになる。そ
の結果、装置がダメージを受けてしまうという問題があ
った。また、ポンプケーシングが変形して衝撃力を吸収
するような設計の場合、変形したポンプケーシングがポ
ンプ周辺の装置と干渉するという問題があった。
【0005】本発明の目的は、万一ロータ破壊が起こっ
た場合でも、ポンプケーシングの変形を防止できるとと
もに、装置に伝達される衝撃力を低減することができる
ターボ分子ポンプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明の実施の形態を示す
図1および図7に対応付けて説明する。 (1)図1に対応付けて説明すると、請求項1の発明
は、複数段の回転翼2が形成されたロータ4と複数段の
固定翼5とをポンプケーシング1内に備え、ロータ4を
回転させて気体を排気するターボ分子ポンプに適用さ
れ、ロータ破損時のロータ破片衝突による圧力Pに対し
て外径と内径との比kが次式を満足するような円筒状ケ
ーシング14を、ポンプケーシング1とロータ4との間
に設け、ポンプケーシング1の内周面と円筒状ケーシン
グ14の外周面との隙間寸法Gを、ロータ破片衝突によ
る円筒状ケーシング14の径方向変形量よりも大きくし
たことにより上述の目的を達成する。
【数3】P>(σ/2)・(k−1)/k ただし、σは内側ケーシング1の降伏応力である。 (2)図7に対応付けて説明すると、請求項2の発明
は、複数段の回転翼2が形成されたロータ4と、複数段
の固定翼5と、複数段の固定翼5を位置決めするスペー
サリング30とをポンプケーシング1内に備え、ロータ
4を回転させて気体を排気するターボ分子ポンプに適用
され、スペーサリング30の外径と内径との比kを、ロ
ータ破損時のロータ破片衝突による圧力Pに対して次式
を満足するように設定し、かつ、スペーサリング30の
外周面とポンプケーシング1の内周面との隙間寸法G
を、ロータ破片衝突によるスペーサリング30の径方向
変形量よりも大きくしたことにより上述の目的を達成す
る。
【数4】P>(σ/2)・(k−1)/k ただし、σはスペーサリング30の降伏応力である。
【0007】なお、上記課題を解決するための手段の項
では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態
の図を用いたが、これにより本発明が発明の実施の形態
に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を説明する。 −第1の実施の形態− 図1はターボ分子ポンプの断面図であり、ターボ分子ポ
ンプの要部を示したものである。図1に示すターボ分子
ポンプは複合型ターボ分子ポンプであり、ターボ分子ポ
ンプ部TPとドラッグポンプ部DPとから成る。ポンプ
ケーシング1内には、複数段の回転翼2およびドラッグ
ポンプ回転部3が形成されたロータ4と、複数段の固定
翼5と、ドラッグポンプ固定部6とを備えている。
【0009】複数段ある回転翼2のそれぞれは複数のタ
ービン翼を有しており、それらはロータ軸を囲むように
等間隔で設けられている。一方、固定翼5の場合も、1
段当たりに複数のタービン翼を有しており、それらはロ
ータ4の周囲に等間隔で配設されている。各固定翼5は
スペーサリング9と交互に積層され、固定翼5の軸方向
間隔はスペーサリング9により所定値に保持されてい
る。各回転翼2は、所定間隔に保持された固定翼5の間
を回転する。
【0010】複数段の回転翼2と複数段の固定翼5とで
ターボ分子ポンプ部TPが構成され、ドラッグポンプ回
転部3とドラッグポンプ固定部6とでドラッグポンプ部
DPが構成される。ドラッグポンプ回転部3およびドラ
ッグポンプ固定部6の対向面のいずれか一方には、ねじ
溝等が形成されている。ポンプケーシング1の吸気口フ
ランジ1aは、真空排気すべきチャンバー7にボルト8
等により固定される。
【0011】ロータ4は軸受10により回転自在に支持
されており、モータ11により高速回転される。軸受1
0にはメカニカルベアリングや磁気軸受け等が用いられ
る。ターボ分子ポンプのベース部12には排気ポート1
3が設けられており、この排気ポート13にはターボ分
子ポンプの補助ポンプ(不図示)が接続される。補助ポ
ンプには、油回転ポンプやドライポンプなどが使用され
る。ロータ4がモータ11により高速回転されると、チ
ャンバ7内の気体は矢印Rのようにベース部12側へと
排気される。ベース部12側に排気された気体は、排気
ポート13に接続された補助ポンプによりポンプ外へと
排気される。
【0012】ターボ分子ポンプ部TPに対応した位置の
スペーサリング9とポンプケーシング1との間には、円
筒形状の内側ケーシング14が設けられている。内側ケ
ーシング14とポンプケーシング1との間にはギャップ
Gが設けられている。内側ケーシング14はロータ4が
破壊したときの衝撃力を吸収するものであり、内側ケー
シング14がギャップGの範囲内で塑性変形することに
よりエネルギーが吸収される。その結果、ポンプケーシ
ング1を介したチャンバ7への衝撃や、ポンプケーシン
グ1の変形によるポンプ周囲に設けられた装置との干渉
を防止することができる。
【0013】次いで、内側ケーシング14の厚さTの算
出方法について説明する。厚さTを算出する際には、次
のように2段階に分けて考える。 (1)破損したロータ4が内側ケーシング14におよぼす
衝撃力を算出する。 (2)算出された衝撃力と内側ケーシング14が塑性変形
する条件とから厚さTを算出する。
【0014】《衝撃力の算出》衝撃力計算に関して、本
実施の形態では以下のことを仮定する。 (1)ロータ4は均一の粒状に破壊される。 (2)運動量保存則に基づいて衝撃力を導出する。 ここでは、計算を簡単にするために、ロータ4を複数の
ブロックに分けて衝撃力を計算し、最後にそれらの和を
取ることにする。図2はロータ4の断面図である。図1
に示した内側ケーシング14はターボ分子ポンプ部TP
の周囲を囲むように設けられており、以下では、ロータ
4のターボ分子ポンプ部TPに関して衝撃力を計算す
る。
【0015】図1では詳細を示さなかったが、図2に示
すようにロータ4はロータシャフト20にボルト締結や
圧入により固定されている。このロータシャフト20に
モータ回転子が設けられる。衝撃力を計算する際には、
ロータ4のターボ分子ポンプ部TPをそれぞれ回転翼2
が1段ずつ含まれるように複数のブロックに分割する。
図2に示すロータ4ではターボ分子ポンプ部TPに回転
翼2が5段あるので、5つのブロックに分割する。
【0016】さらに、各ブロック毎に、斜線を施したロ
ータ円筒部21と回転翼2とに分けて計算をする。実際
には、各ブロックのロータ円筒部21は単純な円筒形状
ではなく複雑な形状をしているので、各ロータ円筒部2
1を更に複数の円筒形状部分に分割して考える。計算手
順としては、分割されたそれぞれに関して内側ケーシン
グ14に与える衝撃力を計算し、計算された衝撃力の和
を取ることによりターボ分子ポンプ部TP全体の衝撃力
を算出する。
【0017】(a)一つのロータ片が内側ケーシングに
与える衝撃力の計算 上記(1)の条件に示したように、ロータ4は遠心破壊
により多数のロータ片に分割され、それらのロータ片が
内側ケーシングに衝突すると考えるので、まずロータ片
一つに関して衝撃力を計算する。図3は、内側ケーシン
グ14の横断面の一部およびロータ片23を示す図であ
る。図3のロータ片23は、半径方向,半径rの円周方
向および回転軸方向(図示表裏方向)に対して単位長さ
を有する微小片である。
【0018】ロータ破壊時に半径r,回転角度θ=0の
位置にあったロータ片23は、破壊後は接線方向(図示
上方)に進行する。ロータ片23の質量をm,破壊時の
ロータ4の角速度をωとすると、ロータ片23の速さは
rωとなる。ロータ片23が内側ケーシング14に与え
る衝撃力fは、ロータ片23と内側ケーシング14と
の衝突時間をtとすると運動量保存側から式(1)で与
えられる。ロータ片23と内側ケーシング14との衝突
点の角度をθとすると、衝撃力fの半径方向の分力f
r0は式(2)で計算される。内側ケーシング14の内
面の半径をRとすると、衝突点の角度θは式(3)によ
り算出される。
【数5】mrω=ft …(1) fr0=f・sinθ =(mrω/t)sinθ …(2) θ=cos−1(r/R) …(3)
【0019】(b)ロータ円筒部21の衝撃力の計算 式(2)で算出したロータ片23は、図4の破線で示し
た周長さ2πrの部分の単位長さに相当するので、周長
さ2πrに拡張した衝撃力fr1は、式(4)により与
えられる。これは、半径rで回転軸方向および半径方向
の厚さが単位長さのリング状部分に関する衝撃力に相当
する。
【数6】fr1=2πr・fr0 =(2πmrω/t)sinθ …(4)
【0020】さらに、式(3)に関してロータ円筒部2
1の内側半径Rinから外側半径R outまでの和を取
ると、回転軸方向の厚さが単位長さで図4の斜線を施し
た部分24に関する衝撃力fr2が求められる。この衝
撃力fr2は式(5)で与えられる。
【数7】
【0021】また、注目しているブロックのロータ円筒
部21の回転軸方向厚さをRとすると、このロータ円
筒部21の衝撃力は式(6)により算出される。なお、
ロータ片23と内側ケーシング14との衝突角度θは式
(3)により計算されるので、ロータ片23が半径R
in〜Routのどの位置にあったかによりθはそれぞ
れ異なる。例えば、半径Rinの位置のロータ片23は
角度θin=cos−1(Rin/R)となり、半径R
outの位置のロータ片はθout=cos−1(R
out/R)となる。
【数8】
【0022】ロータ4のターボ分子ポンプ部TPはN個
のブロックに分割されているので、それらを合わせたロ
ータ円筒部21全体について式(6)を適用すると、ロ
ータ円筒部21全体に関する衝撃力fr4が次式(7)
により算出される。R,R in,Routはブロック
毎に異なるのでそれぞれR(N),Rin(N),Rou
(N)と記す。
【数9】
【0023】(c)回転翼2の衝撃力の算出 次に、図5を参照して回転翼2の衝撃力を算出する。回
転翼2は複数のタービン翼を有しており、図5に示すよ
うに1つのタービン翼の幅(回転方向の長さ)をW
半径方向の長さをWとする。この場合、ロータ円筒部
21の計算における周長さ2πrを幅Wで置き換え、
=Rout−Rinと考えれば、ロータ円筒部21
の計算と同様にして衝撃力が算出できる。すなわち、式
(2)にWを乗じた式(8)によりfr1対応するf
r1’が算出される。
【数10】fr1’=W・fr0 =(mrωW/t)sinθ …(8) ただし、θ=cos−1(r/R)である。
【0024】式(8)を半径方向に拡張すると、衝撃力
r2に対応するfr2’が式(9)により算出され
る。
【数11】
【0025】さらに、式(9)を回転翼2の回転軸方向
の厚みW方向に拡張すると、回転翼2の一つによる衝
撃力fr3’が式(10)により算出される。
【数12】
【0026】回転翼2に含まれるタービン翼の数をSと
すると、1ブロックに関する回転翼2の衝撃力は、式
(10)をS倍したものになる。各ブロックの回転翼2
の衝撃力の和fr4’は次式(11)のように表され
る。その場合、W,W,S,RinおよびRout
は、それぞれブロック毎に異なるのでW(N),W
(N),S(N),Rin(N)およびRout(N)のように表
される。
【数13】
【0027】(d)ターボ分子ポンプ部TP全体の衝撃
力 ロータ4のターボ分子ポンプ部TP全体が内側ケーシン
グ14に与える衝撃力は、上述したロータ円筒部21の
衝撃力fr4と回転翼2の衝撃力fr4’との和にな
り、その和fr5は次式(12)のように表される。
【数14】
【0028】《内側ケーシング14の厚さTの算出》図
1に示したように内側ケーシング14の内側にはスペー
サリング9が設けられているので、厳密には衝撃力はス
ペーサリング9と内側ケーシング14とにより吸収され
る。しかし、従来のターボ分子ポンプではスペーサリン
グ9は固定翼5の間隔を所定値に位置決めするために設
けられていて、ロータ破壊を考慮して設計されることは
なかった。すなわち、ロータ破壊の衝撃力はポンプケー
シング1で受けるような設計になっていた。そこで、本
実施の形態においても、ロータ破壊の衝撃力は全て内側
ケーシング14にかかるとして厚さTの算出を行う。
【0029】ロータ破壊により生じた多数のロータ片2
3は内側ケーシング14の内側表面全体に衝突するの
で、衝撃力fr5を内側ケーシング14の内側表面積A
で割った圧力P(=fr5/A)が内側ケーシング14
に内圧として印加されるとみなす。そして、トレスカの
降伏条件(Tresca yield condition)に内圧Pを適用す
ることにより、内側ケーシング14の厚さTを算出す
る。
【0030】トレスカの降伏条件は式(13)のように
表される。式(13)において、P は内側ケーシング
14が降伏する内圧、σは内側ケーシング14に用い
られている材料の降伏応力、aおよびbは内側ケーシン
グ14の外半径および内半径であり、k=a/bであ
る。すなわち、P(=fr5/A)の大きさがP>P
となった場合に、内側ケーシング14が塑性変形する。
【数15】 P=(σ/2)・(k−1)/k …(13)
【0031】図6の曲線は、式(13)で表されるP
を(k,P)座標上に描いたものである。P=P
満たすときのkをk1とすれば、内側ケーシング14が
塑性変形するためには、内側ケーシング14の外半径a
および内半径bは式(14)の条件を満たすように設定
しなければならない。a=b+Tであるから、式(1
4)を厚さTで表すと式(15)のようになる。
【数16】1<(a/b)<k1 …(14) 0<T<(k1−1)b …(15)
【0032】なお、変形した内側ケーシング14がポン
プケーシング1に干渉しないようにするためには、内側
ケーシング14と外側のポンプケーシング1とのギャッ
プ寸法Gを、厚さTの内側ケーシング14の塑性変形量
よりも大きく設定すれば良い。内側ケーシング14の塑
性変形量は、ロータ片23の運動エネルギー、内側ケー
シング14の厚さTおよび材質に依存しており、内側ケ
ーシング14の厚さTを薄くするにつれて寸法Gは大き
くなる。この寸法Gは計算により推定しても良いし、実
験的に測定しても良い。
【0033】第1の実施の形態のターボ分子ポンプで
は、ロータ破壊時の衝撃力が内側ケーシング14の塑性
変形により吸収され、装置への衝撃を低減することがで
きる。また、変形した内側ケーシング14がポンプケー
シング1に干渉しないのでポンプケーシング1の変形を
防止することができ、ポンプ周辺装置との干渉を防止す
ることができる。さらに、ポンプケーシング1の強度は
ポンプ重量に耐えられる程度の厚さがあれば良く、ロー
タ破壊にも充分耐えられるようなケーシング厚さに設定
されていた従来のターボ分子ポンプに比べて、ポンプ重
量の低減を図ることができる。
【0034】上述した第1の実施の形態では、複合型の
ターボ分子ポンプを例に説明したが、全翼タイプのター
ボ分子ポンプにも同様に適用することができる。また、
上述した衝撃力の計算式や塑性変形の条件式は算出方法
の一例を述べたものであり、種々の計算方法が適用可能
である。
【0035】−第2の実施の形態− 図7は本発明によるターボ分子ポンプの第2の実施の形
態を示す図である。図7は図1と同様の断面図であり、
同一部分には同一符号を付した。上述した第1の実施の
形態では、ロータ破壊時の衝撃力を吸収する内側ケーシ
ング14をポンプケーシング1内に設けたが、第2の実
施の形態では固定翼5をスペーサリング30に内側ケー
シング14と同様の機能を付加するようにした。内側ケ
ーシング14と同様に、スペーサリング30の厚さを
T、スペーサリング30とポンプケーシング1とのギャ
ップ寸法をGとする。その他の部分は図1に示したター
ボ分子ポンプと同様の構成である。
【0036】スペーサリング30による衝撃力吸収を算
出する際には、第1の実施の形態と同様に、ロータ4の
ターボ分子ポンプ部TPの部分について衝撃力を計算す
る。そのため、衝撃力に関する計算は上述した式(1)
〜(12)と全く同一である。また、第1の実施の形態
で使用した、符号a,b,σをスペーサリング30の
外半径,内半径およびスペーサリング30を構成する材
料の降伏応力と置き換えることにより、式(13)〜
(15)も同様に成り立つ。
【0037】その結果、第2の実施の形態のターボ分子
ポンプでは、ロータ破壊時の衝撃力がスペーサリング3
0の塑性変形により吸収され、装置への衝撃を低減する
ことができる。また、ギャップ寸法Gがスペーサリング
30の変形量よりも大きく設定されているので、変形し
たスペーサリング30がポンプケーシング1に干渉する
ことが無い。そのため、ロータ破壊によるポンプケーシ
ング1の変形を防止することができ、ポンプ周辺装置と
の干渉を防止することができる。さらに、スペーサリン
グ30に固定翼位置決め固定の機能と衝撃吸収の機能と
を兼用させたことにより、コスト増を抑えることができ
る。
【0038】[変形例]図8は、図7に示したターボ分
子ポンプの変形例を示す図である。図8のターボ分子ポ
ンプでは、ドラッグポンプ固定部60の外周側に肉抜き
部61を形成した。その結果、ロータ破壊時にドラッグ
ポンプ固定部60が塑性変形し、ドラッグポンプ回転部
3の衝撃力が吸収される。なお、ドラッグポンプ固定部
60の厚さT1やギャップ寸法G1は、上述した第1の
実施の形態と同様にして算出すれば良い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ロータ破壊時の衝撃力は円筒状ケーシングやスペーサリ
ングが塑性変形することにより吸収され、ターボ分子ポ
ンプが取り付けられた装置への衝撃力の伝達を低減する
ことができる。また、円筒状ケーシングおよびスペーサ
リングの外周面とポンプケーシングの内周面との隙間
は、円筒状ケーシングおよびスペーサリングの径方向変
形量より大きく設定されているので、塑性変形した円筒
状ケーシングおよびスペーサリングがポンプケーシング
に干渉することがなく、ポンプケーシングの変形を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図であり、タ
ーボ分子ポンプの断面図である。
【図2】ロータ4の断面図である。
【図3】内側ケーシング14の横断面の一部およびロー
タ片23を示す図である。
【図4】ロータ円筒部21および内側ケーシング14の
横断面の一部を示す図である。
【図5】内側ケーシング14の横断面の一部および回転
翼2を示す図である。
【図6】Pの曲線を示す図である。
【図7】本発明によるターボ分子ポンプの第2の実施の
形態を示す図であり、ターボ分子ポンプの断面図であ
る。
【図8】図7に示したターボ分子ポンプの変形例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング 2 回転翼 3 ドラッグポンプ回転部 4 ロータ 5 固定翼 6,60 ドラッグポンプ固定部 9,30 スペーサリング 14 内側ケーシング TP ターボ分子ポンプ部 DP ドラッグポンプ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数段の回転翼が形成されたロータと複
    数段の固定翼とをポンプケーシング内に備え、前記ロー
    タを回転させて気体を排気するターボ分子ポンプにおい
    て、 ロータ破損時のロータ破片衝突による圧力Pに対して外
    径と内径との比kが次式を満足するような円筒状ケーシ
    ングを、前記ポンプケーシングと前記ロータとの間に設
    け、前記ポンプケーシングの内周面と前記円筒状ケーシ
    ングの外周面との隙間寸法を、前記ロータ破片衝突によ
    る前記円筒状ケーシングの径方向変形量よりも大きくし
    たことを特徴とするターボ分子ポンプ。 【数1】P>(σ/2)・(k−1)/k ただし、σは内側ケーシングの降伏応力である。
  2. 【請求項2】 複数段の回転翼が形成されたロータと、
    複数段の固定翼と、前記複数段の固定翼を位置決めする
    スペーサリングとをポンプケーシング内に備え、前記ロ
    ータを回転させて気体を排気するターボ分子ポンプにお
    いて、前記スペーサリングの外径と内径との比kを、ロ
    ータ破損時のロータ破片衝突による圧力Pに対して次式
    を満足するように設定し、かつ、前記スペーサリングの
    外周面と前記ポンプケーシングの内周面との隙間寸法
    を、前記ロータ破片衝突による前記スペーサリングの径
    方向変形量よりも大きくしたことを特徴とするターボ分
    子ポンプ。 【数2】P>(σ/2)・(k−1)/k ただし、σはスペーサリングの降伏応力である。
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