JP2003064004A - 核塩素化芳香族炭化水素化合物の製造方法 - Google Patents

核塩素化芳香族炭化水素化合物の製造方法

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JP2003064004A JP2001257486A JP2001257486A JP2003064004A JP 2003064004 A JP2003064004 A JP 2003064004A JP 2001257486 A JP2001257486 A JP 2001257486A JP 2001257486 A JP2001257486 A JP 2001257486A JP 2003064004 A JP2003064004 A JP 2003064004A
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Masatoshi Kamata
正利 鎌田
Tomotake Asawa
智丈 浅輪
Hiroshi Aito
広 合戸
Shotaro Matsuoka
昌太郎 松岡
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化アルミニウムを触媒として用いる芳香族
炭化水素化合物の核塩素化反応において、その触媒添加
操作に由来する問題点を解決し、これによって核塩素化
芳香族炭化水素化合物を工業的に容易に製造することが
できる核塩素化芳香族炭化水素化合物の製造方法を提供
する。 【解決手段】 触媒の存在下に塩素化剤により芳香族炭
化水素化合物を核塩素化して核塩素化芳香族炭化水素化
合物を製造する方法において、触媒として、塩化アルミ
ニウムと芳香族炭化水素化合物と塩化水素とを反応させ
て得られた液状触媒を用いる核塩素化芳香族炭化水素化
合物の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医薬、農薬、ポ
リマ原料等の各種の有機合成化学物質を製造する際の原
料として有用な核塩素化芳香族炭化水素化合物の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化アルミニウム等のルイス酸触媒の存
在下に塩素化剤により芳香族炭化水素化合物を核塩素化
して核塩素化芳香族炭化水素化合物を製造する方法に関
しては、文献、特許等で広く知られている。ルイス酸触
媒が粉末等の固体である場合、この反応系への供給方法
として、回分反応では予め反応槽に仕込むことができる
が、連続反応の場合には、定量的かつ連続的に添加する
方法が一般的ではなく、これを実施するためには、何ら
かの粉体供給装置を用いることが必要になる。
【0003】しかるに、ルイス酸触媒、特に塩化アルミ
ニウムは、水に対する反応性が著しく高く、このために
空気中の水分を吸収する吸湿性を有し、しかも、水と反
応するとその活性が失われる原因となるので、この塩化
アルミニウムを原料液中に添加して反応系に供給する際
には、水分が入らないように行うことが必須となる。と
ころが、この塩化アルミニウムを、水分が入らないよう
に、かつ、定められた一定量を計量して、原料液中に添
加する操作は、塩化アルミニウムが固体であって吸湿性
を有することから非常に困難な操作であり、更に、この
操作が実生産レベルにスケールアップされると、更に難
しい単位操作となる。
【0004】しかも、塩化アルミニウムは、一般に、核
塩素化芳香族炭化水素化合物に対する溶解度が極めて低
く、このために芳香族炭化水素化合物を核塩素化し、得ら
れた核塩素化芳香族炭化水素化合物を更に核塩素化する
場合には、反応系に供給した塩化アルミニウムが溶解す
る前に反応槽の底部に沈降して固着し、反応系に過剰量
の塩化アルミニウムを供給する必要があるほか、反応槽
底部に固着した塩化アルミニウムを定期的に除去する作
業が必要になる等、反応槽のメンテナンスにも手間のか
かる多大な作業を要するという問題がある。
【0005】また、この塩化アルミニウムの吸湿性を考
慮し、塩化アルミニウムを予め比較的粒径の大きい粒子
状に製剤して使用することも行われているが、粒径を大
きくするとそれだけ比表面積が小さくなり、特に核塩素
化芳香族炭化水素化合物に対する溶解速度が著しく低下
し、その結果として反応開始直後の反応率が顕著に低く
なり、目的の組成に達するまでの反応時間が長くなると
いう別の問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、このような塩化アルミニウムを触媒として用いる芳
香族炭化水素化合物の核塩素化反応において、上述した
問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、塩化アルミニ
ウムと芳香族炭化水素化合物と塩化水素とを反応させて
得られた液状触媒(米国特許第1,477,058号明細書、英
国特許第1,488,296号明細書)が、驚くべきことには、
芳香族炭化水素化合物の核塩素化反応において、固体状
塩化アルミニウムと同様のルイス酸触媒として機能し、
しかも、固体状塩化アルミニウムとは異なって吸湿性が
顕著に低下し、たとえ実生産レベルにスケールアップさ
れても、反応系に水分が入らない状態で一定量の塩化ア
ルミニウムを添加する触媒添加操作由来の問題が解消さ
れることを見出し、本発明を完成した。
【0007】従って、本発明の目的は、塩化アルミニウム
を触媒として用いる芳香族炭化水素化合物の核塩素化反
応において、その触媒添加操作に由来する問題点を解決
し、これによって核塩素化芳香族炭化水素化合物を工業
的に容易に製造することができる核塩素化芳香族炭化水
素化合物の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、触
媒の存在下に塩素化剤により芳香族炭化水素化合物を核
塩素化して核塩素化芳香族炭化水素化合物を製造する方
法において、触媒として、塩化アルミニウムと芳香族炭
化水素化合物と塩化水素とを反応させて得られた液状触
媒を用いることを特徴とする核塩素化芳香族炭化水素化
合物の製造方法である。
【0009】本発明において、核塩素化反応の対象とな
る芳香族炭化水素化合物としては、下記一般式(1)
【化3】 (但し、式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の低級ア
ルキル基を示し、nは1〜3の整数であり、nが2又は
3である場合において置換基Rは互いに同じであっても
異なっていてもよい)で表わされるアルキルベンゼン化
合物を挙げることができ、具体的には、例えばトルエン、
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、
キシレン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン等が
挙げられ、好ましくは、トルエン、エチルベンゼン、又
はキシレンである。
【0010】また、本発明において、核塩素化反応の対
象となる芳香族炭化水素化合物としては、下記一般式
(2)
【化4】 (但し、式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の低級ア
ルキル基を示し、nは1〜3の整数であり、nが2又は
3である場合において置換基Rは互いに同じであっても
異なっていてもよい)で表わされるモノクロロアルキル
ベンゼン化合物を挙げることができ、具体的には、例え
ばクロルトルエン、クロルエチルベンゼン、クロルプロ
ピルベンゼン、クロルブチルベンゼン、クロルキシレ
ン、クロルジエチルベンゼン、クロルトリメチルベンゼ
ン等が挙げられ、好ましくは、クロルトルエン、クロル
エチルベンゼン、又はクロルキシレンである。
【0011】更に、上記一般式(2)で表わされるモノ
クロルアルキルベンゼン化合物については、アルキルベ
ンゼン化合物をルイス酸触媒の存在下に塩素化剤で核塩
素化して得られた未精製の反応生成物であってもよく、
更にはこの核塩素化反応の反応混合物そのものであって
もよい。すなわち、この場合には、アルキルベンゼン化
合物を核塩素化して得られた未精製の反応生成物又は反
応混合物をそのまま次の核塩素化反応の反応原料として
用いるものであり、特に芳香族炭化水素化合物をジ核塩
素化して目的のジ核塩素化芳香族炭化水素化合物を工業
的に製造するのに好適な方法である。
【0012】本発明方法で用いられる触媒は、塩化アル
ミニウムと芳香族炭化水素化合物と塩化水素とを反応さ
せて得られた液状触媒であり、この液状触媒を調製する
ために使用する液状触媒調製用の芳香族炭化水素化合物
としては、それが液体であって塩化アルミニウムと塩化
水素との錯体に対して溶解性を有するものであればよ
く、特に制限されるものではないが、好ましくは核塩素化
反応の反応原料である芳香族炭化水素化合物がアルキル
ベンゼン化合物である場合には、このアルキルベンゼン
化合物と同じ化合物であるのがよい。
【0013】また、核塩素化反応の反応原料である芳香
族炭化水素化合物がモノクロルアルキルベンゼン化合物
である場合には、液状触媒調製用の芳香族炭化水素化合
物としては、このモノクロルアルキルベンゼン化合物に
対して核塩素置換基の無い対応するアルキルベンゼン化
合物を用いるのがよく、例えば、核塩素化反応の反応原
料であるモノクロルアルキルベンゼン化合物がクロルト
ルエン、クロルエチルベンゼン、又はクロルキシレンで
ある場合には、液状触媒調製用のアルキルベンゼン化合
物がそれぞれ対応するトルエン、エチルベンゼン、又は
キシレンであるのがよい。
【0014】このように、核塩素化反応の反応原料であ
る芳香族炭化水素化合物と液状触媒調製用の芳香族炭化
水素化合物とを対応させておくことにより、液状触媒由
来の芳香族炭化水素化合物あるいはその核塩素化物が核
塩素化反応の生成物である核塩素化芳香族化合物の不純
物となることがなく、核塩素化反応終了後の分離精製が
容易になる。
【0015】本発明において、核塩素化反応に用いられ
る塩素化剤としては、この種の反応に用いられる単体の
塩素、スルフリルクロリド、t−ブチルハイポクロリド
等を挙げることができるが、好ましくは単体の塩素を使
用するのがよく、その際に、塩素はそのまま反応系に添
加しても、また、窒素のような不活性ガスで希釈して反
応系に添加してもよい。
【0016】上記塩化アルミニウムと、芳香族炭化水素
化合物と、塩化水素とを反応させて液状触媒を調製する
方法については、特に制限はなく、例えば、芳香族炭化水
素化合物に塩化アルミニウムを加えて得られた懸濁液に
塩化水素を吹込むことによって容易に調製することがで
きる。そして、この液状触媒を調製する際における塩化
アルミニウム、芳香族炭化水素及び塩化水素の使用量
は、それぞれを反応させて全体が液状となる量であれば
特に制限はないが、芳香族炭化水素1モルに対して、塩
化アルミニウムが0.014〜0.5モル、好ましくは
0.1〜0.4モルであり、また、塩化水素が0.1〜
10モル、好ましくは0.15〜1モルであるのがよ
い。
【0017】本発明において、反応系で液状触媒を用い
る方法については、この液状触媒をそのまま、若しく
は、核塩素化反応に不活性な溶媒で希釈して反応系に添
加すればよく、具体的には、核塩素化反応の反応系に直接
添加しても、また、この核塩素化反応に添加される反応
原料の芳香族炭化水素化合物中に予め添加して反応系に
導入してもよい。ここで、核塩素化反応に不活性な溶媒
としては、具体的には、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、テトラクロルエタン等が挙げられる。
また、反応原料が芳香族炭化水素化合物の場合には、反
応系内で塩化アルミニウムと塩化水素とを混合させて液
状触媒を生成したところに塩素化剤を加えても、何ら支
障はない。更に、反応の途中で添加しても、何ら問題は
ない。
【0018】本発明の液状触媒を用いる芳香族炭化水素
化合物の核塩素化反応の反応条件については、反応温度
が通常0〜250℃、好ましくは0〜100℃であり、
より好ましくは0〜50℃であり、また、反応圧力は常
圧、加圧、減圧のいずれの条件でもよいが、通常は常圧
で行うのがよく、更に、反応は気相で行っても液相で行
ってもよいが、通常は液相で行うのがよい。また、反応
は無溶媒で行ってもよいが、核塩素化反応に不活性な溶
媒を用いて行ってもよい。核塩素化反応に不活性な溶媒
としては、具体的には、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、テトラクロルエタン等が挙げられる。
更に、反応方式についても特に制限はなく、例えば、回
分式、半回分式あるいは連続式のいずれでもよいが、本
発明方法は反応を連続式で行う場合に特に効果的であ
る。
【0019】また、本発明において、液状触媒を調製す
るのに用いる塩化水素については、核塩素化反応で発生
する副生塩化水素の一部を利用することもできる。更
に、反応終了後、反応混合物から目的の核塩素化芳香族
炭化水素化合物を単離する方法は任意であり、蒸留、晶
析等の常法によって単離し精製することができる。
【0020】本発明の方法は、核塩素化反応において塩
化アルミニウム触媒を反応系に正確に供給できるので、
特に触媒の使用量に厳密性が要求される場合に好適であ
り、例えば、多くの用途に使用されて重要な化合物である
2,6-ジクロロアルキル芳香族炭化水素化合物を製造する
際に、先ずアルキル芳香族炭化水素化合物を塩化第二
錫、塩化チタン等の他のルイス酸触媒で核塩素化して組
成調製を行い、引き続いて得られた反応混合物に本発明
の液状触媒の一定量を添加してジ核塩素化することによ
り、得られるジ核塩素化異性体混合物中の2,6-異性体の
生成割合を増加させることができ、この2,6-ジクロロア
ルキル芳香族炭化水素化合物を工業的に有利に製造する
ことが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例に基づい
て、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0022】実施例1 〔液状触媒の調製〕攪拌機、ガス吹込管、及び還流冷却
管を備えた容量300mlの4つ口フラスコ中にトルエ
ン200.9g(2.18モル)を仕込み、室温下に攪拌し
ながら塩化水素ガスを30分間吹き込んだ後、塩化アル
ミニウム89.42g(0.671モル;和光純薬特級)を
一度に投入し、更に、室温下に攪拌しながらトルエン層
が消失して反応系が均一な液状になるまで塩化水素ガス
を吹き込んだ。
【0023】反応系への塩化水素ガスの吹込み時間は9
0分であり、この間に反応系に導入された塩化水素の量
は13.18g(0.361モル)であり、また、得られた
液状触媒(液状AlCl3;重量:303.5g、密度:1.05g/
cm3 (22℃))のトルエン/塩化アルミニウム/塩化水素
のモル比は6:2:1であった。
【0024】〔トルエンの核塩素化反応〕攪拌機、ガス
吹込管、及び還流冷却管を備えた容量300mlの反応
容器中にトルエン(TOL)184.3g(2.00モル)と
先に調製した液状触媒3.18g(塩化アルミニウム0.
94g相当:原料トルエンに対して0.5重量%)とを仕込
み、反応温度50℃で塩素を1.56g/分(0.022モ
ル/分)の流量で吹き込みながら3時間反応を行った。
【0025】得られた反応生成物の組成をガスクロマト
グラフィー(島津製作所社製GC-1700、カラム:J & W D
B-201)により調べた結果、トルエンの転化率が99.7
mol%、クロルトルエンの生成率が33.1mol%、ジクロ
ルトルエンの生成率が56.7mol%であり、また、ジク
ロルトルエンの各異性体の選択率は2,6-体が22.6mo
l%、2,5-体が26.3mol%、2,4-体が31.6mol%、2,
3-体が11.9mol%、3,4-体が7.6mol%であり、塩素
反応率が100.0mol%であった。また、反応終了後、
反応容器の底部に塩化アルミニウムの堆積は認められな
かった。
【0026】この実施例1の核塩素化反応の結果(反応
原料の種類、使用触媒の種類と使用量(対反応原料)、
反応終了時の塩素化度、反応原料の転化率、モノクロル
トルエン(MCT)の選択率、ジクロルトルエン(DCT)の
異性体比率、塩素反応率、及び触媒の堆積・固着の有
無)を表1に示す。
【0027】比較例1 実施例1で用いた液状触媒に代えて固体状の塩化アルミ
ニウム0.92g(固体AlCl3;トルエンに対して0.50
重量%)を用いた以外は、上記実施例1と同様にしてト
ルエンの核塩素化反応を行った。上記実施例1と同様
に、この比較例1の核塩素化反応の結果を表1に示す。
【0028】実施例2 反応原料としてオルソクロロトルエン(OCT)253.
2g(2.00モル)を使用し、実施例1で得られた液状触
媒0.85g(液状AlCl3;塩化アルミニウム0.25g相
当:原料オルソクロロトルエンに対して0.10重量%)を
仕込み、反応温度50℃で塩素を1.56g/分(0.02
2モル/分)の流量で吹き込みながら2.5時間反応を
行った。上記実施例1と同様に、この実施例2の核塩素
化反応の結果を表1に示す。
【0029】比較例2 実施例2で用いた液状触媒の代わりに平均粒径600μ
mの塩化アルミニウム0.25g(固体AlCl3;オルソ
クロロトルエンに対して0.10重量%)を用いた以外は、
上記実施例2と同様にしてオルソクロロトルエンの核塩
素化反応を行った。上記実施例1と同様に、この比較例
2の核塩素化反応の結果を表1に示す。
【0030】比較例3 実施例2で用いた液状触媒の代わりに平均粒径1400
μmの塩化アルミニウム0.25g(固体AlCl3;オル
ソクロロトルエンに対して0.10重量%)を用いた以外
は、上記実施例2と同様にしてオルソクロロトルエンの
核塩素化反応を行った。上記実施例1と同様に、この比
較例3の核塩素化反応の結果を表1に示す。
【0031】実施例3 反応原料としてトルエン(TOL)184.3g(2.00モ
ル)を用い、塩化第二錫0.94g(固体SnCl4;原料
トルエンに対して0.5重量%)を仕込み、反応温度50
℃で塩素を1.56g/分(0.022モル/分)の流量で
吹き込み、この吹込み時間が1.5時間の時点で上記実
施例1で得られた液状触媒3.18g(液状AlCl3;塩
化アルミニウム0.94g相当:原料トルエンに対して0.5
重量%)を添加し、更に1.5時間反応を行った。上記
実施例1と同様に、この実施例3の核塩素化反応の結果
を表1に示す。
【0032】比較例4 液状触媒に代えて平均粒径1400μmの塩化アルミニ
ウム0.94g(固体AlCl3;トルエンに対して0.50重
量%)を用いた以外は、上記実施例4と同様に反応を行
った。上記実施例1と同様に、この実施例4の核塩素化
反応の結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、塩化アルミニウムを触
媒として用いる芳香族炭化水素化合物の核塩素化反応に
おいて、その触媒添加操作に由来する種々の問題点を解
決することができ、これによって核塩素化芳香族炭化水
素化合物を工業的に容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅輪 智丈 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地、日本軽 金属株式会社蒲原製造所内 (72)発明者 合戸 広 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地、日本軽 金属株式会社蒲原製造所内 (72)発明者 松岡 昌太郎 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1、東 レ株式会社名古屋事業場内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC30 BA09 BA37 BA66 BA67 BE53 4H039 CA52 CD10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下に塩素化剤により芳香族炭
    化水素化合物を核塩素化して核塩素化芳香族炭化水素化
    合物を製造する方法において、触媒として、塩化アルミ
    ニウムと芳香族炭化水素化合物と塩化水素とを反応させ
    て得られた液状触媒を用いることを特徴とする核塩素化
    芳香族炭化水素化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 芳香族炭化水素化合物が、下記一般式
    (1) 【化1】 (但し、式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の低級ア
    ルキル基を示し、nは1〜3の整数であり、nが2又は
    3である場合において置換基Rは互いに同じであっても
    異なっていてもよい)で表わされるアルキルベンゼン化
    合物である請求項1に記載の核塩素化芳香族炭化水素化
    合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルキルベンゼン化合物が、トルエン、
    エチルベンゼン、又はキシレンである請求項1又は2に
    記載の核塩素化芳香族炭化水素化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 芳香族炭化水素化合物が、下記一般式
    (2) 【化2】 (但し、式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の低級ア
    ルキル基を示し、nは1〜3の整数であり、nが2又は
    3である場合において置換基Rは互いに同じであっても
    異なっていてもよい)で表わされるモノクロルアルキル
    ベンゼン化合物である請求項1に記載の核塩素化芳香族
    炭化水素化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 モノクロルアルキルベンゼン化合物が、
    アルキルベンゼン化合物をルイス酸触媒の存在下に塩素
    化剤で核塩素化して得られた反応混合物中の反応生成物
    である請求項4に記載の核塩素化芳香族炭化水素化合物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 液状触媒調製用の芳香族炭化水素化合物
    が、核塩素化反応の反応原料であるモノクロルアルキル
    ベンゼン化合物に対して核塩素置換基の無い対応するア
    ルキルベンゼン化合物である請求項4又は5に記載の核
    塩素化芳香族炭化水素化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 核塩素化反応の反応原料であるモノクロ
    ルアルキルベンゼン化合物がクロルトルエンであり、液
    状触媒調製用のアルキルベンゼン化合物がトルエンであ
    る請求項6に記載の核塩素化芳香族炭化水素化合物の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 核塩素化反応の反応原料であるモノクロ
    ルアルキルベンゼン化合物がクロルエチルベンゼンであ
    り、液状触媒調製用のアルキルベンゼン化合物がエチル
    ベンゼンである請求項6に記載の核塩素化芳香族炭化水
    素化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 核塩素化反応の反応原料であるモノクロ
    ルアルキルベンゼン化合物がクロルキシレンであり、液
    状触媒調製用のアルキルベンゼン化合物がキシレンであ
    る請求項6に記載の核塩素化芳香族炭化水素化合物の製
    造方法。
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