JP2003063914A - 害虫誘引性駆除剤 - Google Patents
害虫誘引性駆除剤Info
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Abstract
害虫誘引性駆除剤において、その成形性を改善し、しか
も害虫の喫食性や誘引性を低下させず、むしろ確実に害
虫の喫食性およびそれに伴う誘引性を向上させる害虫誘
引性駆除剤を得ることである。 【解決手段】 殺虫成分を含有すると共に、蚕の蛹の乾
燥粉末を0.1〜14重量%含有し、かつ成形・喫食性
助剤としてグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコールまたはプロピレングリコールなどの多
価アルコールを添加した害虫誘引性駆除剤とする。成形
・喫食性助剤は、水溶性、もしくは吸湿性が適度にあっ
て経時的に蒸発し難い液体または固体であり、害虫誘引
性に適した甘味があるから、適当な剤型に効率よく成形
できると共に、製剤施用時に長時間放置しても乾燥した
り硬化したりせず、害虫誘引性が経時的に安定して持続
する害虫誘引性駆除剤になる。
Description
リ、ハエなどの害虫を誘引して駆除するための害虫誘引
性駆除剤に関する。
される誘引剤として知られている。このような蚕の蛹
は、近年、養蚕産業の他に昆虫のクチクラからキチンを
調製する等の生産システムの構築に伴い、廃棄物として
幼虫の死骸が多量回収できる機会が多くなったことか
ら、その有効利用の開発が求められている。
質を主成分とし、多くの雑食性昆虫に対する誘引性も高
いため、本願の発明者らも蚕の蛹の乾燥粉末を昆虫の誘
引剤として害虫駆除剤に配合する可能性を研究した。
粉末を昆虫の誘引剤として害虫駆除剤に配合すると、粉
末状駆除剤をペレットや顆粒状にする成形性が悪くな
り、その改善のためにデンプンや小麦粉などの成形助剤
を必要とする。
などの成形助剤を配合して製剤された害虫駆除剤は、硬
くなって害虫の嗜好性が低下し、その結果、喫食性が低
下するので、所期した駆除効果が得られないという問題
が生じる。
点を解決して、蚕の蛹の乾燥粉末を含有し、成形性の不
良な害虫誘引性駆除剤において、その成形性を改善し、
しかも害虫の喫食性や誘引性を低下させず、むしろ確実
に害虫の喫食性およびそれに伴う誘引性を向上させる害
虫誘引性駆除剤を得ることである。
めに、害虫誘引性駆除剤に係る発明は、殺虫成分を含有
すると共に、蚕の蛹の乾燥粉末を0.1〜14重量%含
有し、かつ成形・喫食性助剤として多価アルコールを添
加したことを特徴とする害虫誘引性駆除剤としたのであ
る。
の乾燥粉末を所定量配合すると共に、吸湿性のある粘調
な多価アルコールを成形性および喫食性の向上を目的と
する助剤として添加したので、害虫誘引性駆除剤が多く
の害虫にとって喫食しやすい適当な軟らかさに調整され
たものになると共に、押出成形、注型成形または打錠な
どによって適当な剤型に効率よく成形できるものにな
る。
蒸気圧50mPa/20℃以下の多価アルコールである上
記構成の害虫誘引性駆除剤は、多価アルコールの特性、
すなわち水溶性、もしくは吸湿性が適度にあって経時的
に蒸発し難い液体または固体であり、害虫誘引性に適し
た甘味があるという特性を共有するものであるから、製
剤施用時に長時間放置しても乾燥したり硬化したりせ
ず、害虫誘引性が経時的に安定して持続するものにな
る。
に成形・喫食性助剤が、グリセリン、ジエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコ
ールから選ばれる一種以上の多価アルコールであるもの
は、吸湿性のある粘ちょうな液体であるから、上述の作
用効果がより確実に奏される。
は、特に限定されるものでなく、以下のような周知の殺
虫剤を使用できる。 (1)有機リン系:フェニトロチオン、フェンチオン等の
マイクロカプセル剤 (2)カーバメイト系:カルバリル、プロポクスル、フェ
ノブカルブ、エチオフェンカルブ等、及びこれらのマイ
クロカプセル剤 (3)ピレスロイド系:フェノトリン、シフェノトリン、
イミプロトリン、トラロメスリン、デルタメスリン、シ
ハロトリン、シフルトリン、テフルトリン等、及びこれ
らのマイクロカプセル剤 (4)オキサゾール系:エトキサゾール等 (5)ネオニコチノイド系:イミダクロプリド、アセタミ
プロド、ニテンピラム等 (6)ピリジンアゾメチン系:ピメトロジン等 (7)ベンゾイルウレア系:ルフェヌロン等 (8)ピロール系:クロルフェナピル等 (9)ピラゾール系:フィプロニル、テブフェンピラド、
フェンピロキシメート等 (10)ネオニコチノイド系:チアメトプリド、チアメトキ
サン等 (11)昆虫成長制御剤:シロマジン、フェノブカルブ、ヘ
キサフルムロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、
ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブプロフェジ
ン、ピリプロキシフェン等 (12)その他の殺虫剤:エマメクチン安息香酸、アバメク
チン、ミルベメクチン、イベルメクチン、ホウ酸、硼砂
等
にカイコの種類を限定したものではなく、昆虫誘引性の
あるカイコの蛹であればよい。また、乾燥粉末は、粉末
の粒径を特に限定せず、10〜1000μm程度の粒径
を目安にして、適宜にミルその他の粉砕機で粉末化した
もので良い。
除剤への配合量は、0.1〜14重量%である。なぜな
ら、上記所定範囲未満の少量では、蛾や蝶類の幼虫やそ
の蛹などを食用とする捕虫性害虫に対する喫食性および
誘引性がなく、14重量%を超えて配合してもそれ以上
に喫食・誘引性が有意に高まらず、却って殺虫有効成分
やその他の成分を増量することになり、効果的でないか
らである。
性、もしくは吸湿性が適度にあって経時的に蒸発し難い
液体または固体であり、害虫誘引性に適した甘味がある
という特性を有するものであり、例えばグリセリン、ジ
グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコールなどが挙げら
れる。これらは、吸湿性のある蒸気圧50mPa/20℃
以下の多価アルコールである。
ン、または2価のアルコールであるジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールもしくはプロピレングリコ
ールは、適度に吸湿性のある粘ちょうな液体であるか
ら、上述の作用効果がより確実に奏される。
糖類、その他の動物性蛋白質、植物性蛋白質、植物油、
動物油等を添加しても良い。
その他の成分として、成形助剤(澱粉、小麦粉等)、結
合剤(カルボキシメチルセルロース、グアーガム等)、
誤食防止剤(トウガラシ末、安息香酸デナトニウム
等)、防腐剤(チアベンダゾール、パラオキシ安息香酸
ブチル等)を用いることも好ましいことである。
合で実施例1の原料を均一に混合し、打錠機を用いて直
径2cmの錠剤を得た。
2の原料を均一に混合して50℃に加温し、100gの
ゲル剤を得た。
3の原料を均一に混合し、加圧成形機を用いて直径3c
mの固形剤を得た。
4の原料を均一に混合して水(4重量%)を加えて練
り、造粒機にて造粒した後70℃にて乾燥して嵩比重
0.85の顆粒剤を得た。
5の原料を均一に混合し、溶解して100gの懸濁剤を
得た。
6の原料を均一に混合すると共に、水(3重量%)を加
えて練り、造粒機にて造粒した後70℃にて乾燥して嵩
比重0.5の顆粒剤を得た。
配合割合で均一に混合し、打錠機を用いて直径2cmの
錠剤を得た。
2の原料を均一に混合し、加圧成形機を用いて直径3c
mの固形剤を得た。
3の原料を均一に混合すると共に、水(4重量%)を加
えて練り、造粒機にて造粒した後70℃にて乾燥して嵩
比重0.5の顆粒剤を得た。
4の原料を均一に混合し、打錠機を用いて直径2cmの
錠剤を得た。
5の原料を均一に混合して50℃に加温し、100gの
ゲル剤を得た。
較例の誘引喫食性を調べるため、下記の試験1〜4を行
ないこれらの結果を表3〜6に示した。
1:1)を放った試験容器(直径30cm、深さ15c
m)内に実施例1、比較例1及び4を並置し、5分、1
0分、20分、30分の時間の経過毎に各サンプルに誘
引喫食される虫数を数えた。繰り返し2回実施した結果
を表3に示した。
喫食性助剤が過少であるかまたは配合されていないもの
は、明らかに喫食性が弱く、実施例1からも明らかなよ
うにチャバネゴキブリは明らかに実施例1を喫食した。
1:1)を放った試験容器(直径30cm、深さ15c
m)内に実施例2、比較例5を並置し、5分、10分、
20分、30分の時間の経過毎に各サンプルに誘引喫食
される虫数を数え、これを繰り返し2回調べ、その結果
を表4に示した。
喫食性助剤であるグリセリンを過剰量配合した比較例5
は、喫食量が少なく、同じグリセリンを適量配合した実
施例2は、良好な喫食量であった。
り口付近に円状に並べて実施例3(固形剤)および比較
例2(ゲル剤)を交互に3個ずつ設置し、時間経過毎に
各駆除剤に誘引喫食されるアリの合計数を調べ、これを
繰り返し2回実施し、その結果を表5に示した。
ロシワアリは実施例3をよく喫食することが確認でき、
一方、成形・喫食性助剤を何も含まない比較例2の駆除
剤は喫食量が少なかった。
虫50匹(雌雄1:1)を放ち、実施例6および比較例
3の各3gをペトリ皿に入れて並置し、時間経過毎に各
ベイトに誘引喫食される虫数を数え、これを繰り返し2
回実施し、その結果を表6に示した。
エは実施例6をよく喫食することが確認でき、一方、蛹
粉も成形・喫食性助剤も含まない比較例3の駆除剤は喫
食量が少なかった。
成分を含有すると共に、蚕の蛹の乾燥粉末を所定量含有
し、かつ多価アルコールを添加した害虫誘引性駆除剤と
したので、このような製剤の成形性が改善され、しかも
害虫の喫食性や誘引性を低下させず、むしろ確実に害虫
の喫食性およびそれに伴う誘引性を向上させる害虫誘引
性駆除剤になるという利点がある。
蒸気圧50mPa/20℃以下の多価アルコールである上
記構成の害虫誘引性駆除剤は、施用時に長時間放置して
も乾燥したり硬化したりせず、害虫誘引性が経時的に安
定して持続するものになる。
に成形・喫食性助剤が、グリセリン、ジエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコ
ールから選ばれる一種以上の多価アルコールであるもの
は、上述の効果がより確実に奏される。
は、特に限定されるものでなく、以下のような周知の殺虫
剤を使用できる。 (1)有機リン系:フェニトロチオン、フェンチオン等の
マイクロカプセル剤 (2)カーバメイト系:カルバリル、プロポクスル、フェ
ノブカルブ、エチオフェンカルブ等、及びこれらのマイ
クロカプセル剤 (3)ピレスロイド系:フェノトリン、シフェノトリン、
イミプロトリン、トラロメスリン、デルタメスリン、シ
ハロトリン、シフルトリン、テフルトリン等、及びこれ
らのマイクロカプセル剤 (4)オキサゾール系:エトキサゾール等 (5)ネオニコチノイド系:イミダクロプリド、アセタミ
プロド、ニテンピラム等 (6)ピリジンアゾメチン系:ピメトロジン等 (7)ピロール系:クロルフェナピル等 (8)ピラゾール系:フィプロニル、テブフェンピラド、
フェンピロキシメート等 (9)ネオニコチノイド系:チアメトプリド、チアメトキ
サン等 (10)昆虫成長制御剤:シロマジン、フェノブカルブ、ヘ
キサフルムロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、
ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ルフェヌロ
ン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン等 (11)その他の殺虫剤:エマメクチン安息香酸、アバメク
チン、ミルベメクチン、イベルメクチン、ホウ酸、硼砂
等
Claims (3)
- 【請求項1】 殺虫成分を含有すると共に、蚕の蛹の乾
燥粉末を0.1〜14重量%含有し、かつ成形・喫食性
助剤として多価アルコールを添加したことを特徴とする
害虫誘引性駆除剤。 - 【請求項2】 成形・喫食性助剤が、吸湿性のある蒸気
圧50mPa/20℃以下の多価アルコールである請求項
1記載の害虫誘引性駆除剤。 - 【請求項3】 成形・喫食性助剤が、グリセリン、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコールおよびプロ
ピレングリコールから選ばれる一種以上の多価アルコー
ルである請求項1記載の害虫誘引性駆除剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001259461A JP4938940B2 (ja) | 2001-08-29 | 2001-08-29 | 害虫誘引性駆除剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001259461A JP4938940B2 (ja) | 2001-08-29 | 2001-08-29 | 害虫誘引性駆除剤 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003063914A true JP2003063914A (ja) | 2003-03-05 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011001335A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Fumakilla Ltd | 動物用忌避剤、組成物及び害虫駆除用ベイト剤 |
JP2018002596A (ja) * | 2016-06-27 | 2018-01-11 | 住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社 | ベイト剤並びに誘引殺虫方法 |
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---|---|---|---|---|
JPH02169505A (ja) * | 1988-12-21 | 1990-06-29 | Syst Maintenance:Kk | ゴキブリ駆除剤 |
JPH02233604A (ja) * | 1989-03-06 | 1990-09-17 | Syst Maintenance:Kk | ゴキブリ駆除剤 |
JPH09131154A (ja) * | 1995-11-13 | 1997-05-20 | Osaka Seiyaku:Kk | 蟻防除用容器 |
JPH11292705A (ja) * | 1998-04-10 | 1999-10-26 | Sumitomo Chem Co Ltd | 害虫駆除用毒餌剤 |
JP2000228938A (ja) * | 1999-02-10 | 2000-08-22 | Osaka Seiyaku:Kk | ペースト状昆虫誘引毒餌剤 |
-
2001
- 2001-08-29 JP JP2001259461A patent/JP4938940B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11292705A (ja) * | 1998-04-10 | 1999-10-26 | Sumitomo Chem Co Ltd | 害虫駆除用毒餌剤 |
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Cited By (2)
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JP2011001335A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Fumakilla Ltd | 動物用忌避剤、組成物及び害虫駆除用ベイト剤 |
JP2018002596A (ja) * | 2016-06-27 | 2018-01-11 | 住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社 | ベイト剤並びに誘引殺虫方法 |
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