JP2003063230A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003063230A
JP2003063230A JP2001260984A JP2001260984A JP2003063230A JP 2003063230 A JP2003063230 A JP 2003063230A JP 2001260984 A JP2001260984 A JP 2001260984A JP 2001260984 A JP2001260984 A JP 2001260984A JP 2003063230 A JP2003063230 A JP 2003063230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユニットケース30内に、エバポレータ33
とヒータコア34とを略水平に上下配置してなる一体型
エアコンにおいて、ベンチレータ81,82やデフロス
タ85から吹き出す空気の温度を木目細かく調整できる
ようにする。 【解決手段】 ヒータコア34を収容する加熱室42の
下壁部に、該加熱室42へ空気を流すために設けられか
つエアミックスダンパ36により開度が調整される流入
口43とは別に、補助流入口開閉ダンパ37により開度
が調整される補助流入口44を設け、この補助流入口開
閉ダンパ37とエアミックスダンパ36とにより、エバ
ポレータ33を通過した空気のうちバイパス通路38内
へ流入させる空気と加熱室42内へ流入させる空気との
流量割合を調整するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置に
関し、特にユニットケース内に、冷却用熱交換器と加熱
用熱交換器とを略水平に上下配置してなる一体型エアコ
ンと称されるものの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の一体型エアコンは、例
えば特開平10−244820号公報に示されているよ
うに、自動車の車室内前部に設けたインストルメントパ
ネル内に配設されたユニットケースを備えており、この
ユニットケースの下部には、送風機により送風された空
気を該ユニットケース内に導入するための導入口が開口
されている。このユニットケース内には、上記導入口よ
りも上側に位置する冷却用熱交換器としてのエバポレー
タと、このエバポレータの上側に位置する加熱用熱交換
器としてのヒータコアとが配設されている。また、上記
ユニットケース内において上記ヒータコアの車両後方に
は、エバポレータを通過した空気を、ヒータコアをバイ
パスさせて流すバイパス通路が設けられており、このバ
イパス通路へ流す空気と上記ヒータコアへ流す空気との
流量割合が、エアミックスダンパにより調整されるよう
になっている。
【0003】そして、自動車の乗員により設定される吹
出モードがベントモードであるときには、上記バイパス
通路を流れる空気(冷却空気)を単独で、又はこの冷却
空気に上記ヒータコアを通過した空気(加熱空気)を合
流させて、ユニットケースの上端部の車両後部に設けた
ベント導出口よりベンチレータへ導出させる。一方、上
記吹出モードがデフロスタモード(ヒートモード)であ
るときには、加熱空気を単独で、又は加熱空気を冷却空
気と合流させて、上記ベント導出口の車両前側に設けた
デフロスタ導出口よりデフロスタ(サイドドアのウイン
ドガラスの曇りを防止するためのデミスタを含む)に導
出させる。したがって、ベンチレータやデフロスタから
吹き出す空気の温度は、冷却空気と加熱空気との混合割
合、つまり上記エアミックスダンパによる上記流量割合
の調整で決まることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものでは、1つのエアミックスダンパによりバイパ
ス通路へ流す空気とヒータコアへ流す空気との流量割合
を調整するので、ベンチレータやデフロスタから吹き出
す空気の温度を木目細かく調整することが困難であると
いう問題がある。すなわち、ヒータコアへ流れた空気
は、ヒータコアによる通気抵抗の影響を大きく受ける一
方、バイパス通路へ流れた空気は、通気抵抗の影響を殆
ど受けないので、エバポレータを通過した空気はバイパ
ス通路へ流れ易く、このため、エアミックスダンパの作
動に応じた適切な量の空気がヒータコアへ流れ難く、微
妙な温度調整が困難となる。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記のような一体型エ
アコンにおいて、ベンチレータやデフロスタから吹き出
す空気の温度を木目細かく調整できるようにすることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、加熱用熱交換器を収容する加熱室
の下壁部に、該加熱室へ空気を流すために設けられかつ
エアミックスダンパにより開度が調整される流入口とは
別に、補助流入口開閉ダンパにより開度が調整される補
助流入口を設け、この補助流入口開閉ダンパとエアミッ
クスダンパとにより、冷却用熱交換器を通過した空気の
うちバイパス通路内へ流入させる空気と加熱室内へ流入
させる空気との流量割合を調整するようにした。
【0007】具体的には、請求項1の発明では、自動車
の車室内に設けたインストルメントパネル内の車幅方向
中央部に配設されたユニットケースと、上記ユニットケ
ースに開口され、該ユニットケース内に、送風機により
送風された空気を導入するための導入口と、上記ユニッ
トケース内において上記導入口よりも上側に配設され、
該導入口から導入された空気を通過させて冷却する冷却
用熱交換器と、上記ユニットケース内において上記冷却
用熱交換器の上側に配設され、該冷却用熱交換器を通過
した空気を通過させて加熱する加熱用熱交換器と、上記
ユニットケース内において上記加熱用熱交換器の車両後
方に設けられ、上記冷却用熱交換器を通過した空気を、
該加熱用熱交換器をバイパスさせて流すバイパス通路
と、上記加熱用熱交換器を収容しかつ下壁部に上記冷却
用熱交換器を通過した空気を流入させるための流入口が
形成された加熱室と、上記バイパス通路の入口開口と上
記加熱室下壁部の流入口との開度を調整することで、上
記冷却用熱交換器を通過した空気のうち上記バイパス通
路内へ流入させる空気と上記加熱室内へ流入させる空気
との流量割合を調整するエアミックスダンパと、上記バ
イパス通路内に設けられ、上記加熱用熱交換器を通過し
かつ該バイパス通路と加熱室との間の壁部に設けた開口
部よりバイパス通路内に流入した空気が、バイパス通路
を流れる空気と合流する合流部と、上記ユニットケース
の上端部に開口され、上記バイパス通路の合流部の空気
をベンチレータに導出させるためのベント導出口と、上
記ユニットケースの上端部に開口され、上記バイパス通
路の合流部の空気をデフロスタに導出させるためのデフ
ロスタ導出口とを備えた車両用空調装置を対象とする。
【0008】そして、上記加熱室の下壁部に形成され、
上記冷却用熱交換器を通過した空気を上記流入口ととも
に該加熱室内に流入させるための補助流入口と、上記補
助流入口の開度を調整する補助流入口開閉ダンパとを備
え、上記補助流入口開閉ダンパは、上記エアミックスダ
ンパとともに、上記冷却用熱交換器を通過した空気のう
ち上記バイパス通路内へ流入させる空気と上記加熱室内
へ流入させる空気との流量割合を調整するように構成さ
れているものとする。
【0009】上記の構成により、冷却用熱交換器を通過
した空気の加熱室への流入面積が補助流入口の分だけ増
大するので、加熱用熱交換器による通気抵抗が大きくて
も、流入口又は補助流入口の開度に応じた適切な量の空
気を加熱室内に確実に流入させることができる。この結
果、エアミックスダンパと補助流入口開閉ダンパとによ
り、バイパス通路内へ流入させる空気と加熱室内へ流入
させる空気との流量割合を木目細かく調整することがで
き、ベンチレータやデフロスタから吹き出す空気の微妙
な温度調整が容易となる。
【0010】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、補助流入口開閉ダンパは、エアミックスダンパに
よる加熱室下壁部の流入口の開度が所定値以下であると
きには、補助流入口を閉じる一方、上記開度が上記所定
値よりも大きいときには、該開度が大きくなるに連れ
て、補助流入口の開度を大きくするように構成されてい
るものとする。
【0011】すなわち、乗員による設定温度が比較的低
いときに、補助流入口が開放状態にあると、空気が補助
流入口から加熱室へ比較的多く流入する可能性があり、
低温設定時の微妙な温度制御が困難になる。しかし、こ
の発明では、エアミックスダンパによる加熱室下壁部の
流入口の開度が所定値以下であるときのように、乗員に
よる設定温度が比較的低いときには、補助流入口を閉じ
るので、低温設定時であっても微妙な温度制御が容易と
なる。また、上記開度が所定値よりも大きいときには、
該開度が大きくなるに連れて、補助流入口の開度を大き
くするので、ベンチレータやデフロスタから吹き出す実
際の空気の温度を、乗員による設定温度の変化に連れて
リニアに変化させるようにすることができる。
【0012】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明において、冷却用熱交換器は、該冷却用熱交換器の車
両後側が車両前側よりも上側に位置するように斜めに配
置されているものとする。
【0013】このことで、冷却用熱交換器と加熱用熱交
換器との間における車両前側部分に、補助流入口開閉ダ
ンパの配設スペースを確保することができ、補助流入口
の開口面積をかなり大きくすることができる。
【0014】請求項4の発明では、請求項1〜3のいず
れか1つの発明において、エアミックスダンパに、該エ
アミックスダンパが加熱室下壁部の流入口を閉じている
ときに、バイパス通路と加熱室との間の壁部の開口部を
覆う開口閉塞部が設けられているものとする。
【0015】すなわち、吹出モードがベントモードであ
って乗員による設定温度が最小値であるときには、冷却
用熱交換器を通過した空気が全てバイパス通路を流れる
ようになされる(流入口及び補助流入口が閉じられる)
が、このとき、加熱室内において加熱用熱交換器上側に
残留した空気が加熱用熱交換器により熱せられており、
バイパス通路と加熱室との間の壁部の開口部が開放状態
になっていては、上記熱せられた空気がその開口部より
バイパス通路内に流入し、ベンチレータから吹き出す空
気の温度を最小値に維持することができなくなる。しか
し、この発明では、エアミックスダンパが加熱室下壁部
の流入口を閉じているときには、開口閉塞部が開口部を
覆うので、上記熱せられた空気のバイパス通路への流入
を抑制することができる。
【0016】請求項5の発明では、請求項1〜3のいず
れか1つの発明において、バイパス通路内において該バ
イパス通路と加熱室との間の壁部の開口部に対向する部
分に、バイパス通路内を流れる空気の一部を上記開口部
へ導く案内部材が配設されているものとする。
【0017】このことにより、バイパス通路内を流れる
空気の一部が案内部材により開口部へ導かれるので、乗
員による設定温度が最小値であるときに、上記開口部へ
導かれた空気の動圧により、加熱室内において加熱用熱
交換器上側に残留して熱せられた空気が開口部よりバイ
パス通路内に流入するのを抑制することができる。よっ
て、請求項4の発明と同様の作用効果が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜図6は、本発明の実施形態に
係る車両用空調装置1(以下、空調装置1という)を示
し、この空調装置1は、自動車の車室内前部に設けたイ
ンストルメントパネル2内に配設されている。この自動
車は、運転席及び助手席がそれぞれ車両右側及び左側に
設けられた、いわゆる右ハンドル車であり、自動車前部
のエンジンルームと車室の前側とはダッシュパネルPに
よって仕切られている。
【0019】上記空調装置1は、空気を送風する送風ユ
ニット3と、この送風ユニット3から送風された空気を
導入して温度調節する空調ユニット4と、この空調ユニ
ット4に、送風ユニット3から送風された空気を送るた
めの中間ダクト5とからなっている。
【0020】上記空調ユニット4は、上記インストルメ
ントパネル2内の車幅方向略中央部に配置されている一
方、上記送風ユニット3は、空調ユニット4に対して車
両左側へ離間して助手席の前方に配置されている。ま
た、送風ユニット3の下端は、空調ユニット4の下端よ
りも上方に位置付けられていて、助手席乗員の足元スペ
ースを広く確保するようにしている。
【0021】上記送風ユニット3は、その車幅方向の略
中央部において車幅方向に2つに分割されたケーシング
6を備えており、それらはファスナ等を用いて一体化さ
れている。このケーシング6の上側約半分は、この送風
ユニット3へ空気を取り入れるための空気取入部7とさ
れている一方、残りの部分は、その取り入れた空気を上
記空調ユニット4へ送風するための送風部8とされてい
る。
【0022】上記空気取入部7の上部には、車室外の空
気を取り入れるための外気取入口10と、車室内の空気
を取り入れるための内気取入口11とが形成されてお
り、これら両取入口10,11のうちいずれか一方は、
上記ケーシング6の右側壁部に配設されたアクチュエー
タ15によって作動する内外気切換ダンパ12により閉
状態とされる一方、他方は開状態とされるようになって
いる。すなわち、内外気切換ダンパ12により外気取入
口10が全開状態とされると内気取入口11が全閉状態
となって、車室外の空気のみを取り入れる外気取入モー
ドとなる一方、外気取入口10が全閉状態とされると内
気取入口11が全開状態となって、車室内の空気のみを
取り入れる内気循環モードとなる。尚、上記内気取入口
11には格子状のグリル13が取り付けられている。
【0023】一方、上記空気取入部7の下部には、上記
外気取入口10又は内気取入口11より取り入れた空気
を濾過するためのフィルタ20が配設されたフィルタ配
設部21が設けられており、このフィルタ配設部21の
車両後方側には開口が形成されていて、この開口からフ
ィルタ20の交換が行えるようになっている。このフィ
ルタ配設部21の下方には、上記送風部8が設けられて
いて、この送風部8の内方には、送風機としての遠心式
多翼ファン23が、その回転軸を上下方向に向けて配設
されており、さらにこのファン23の下方には、該ファ
ン23を駆動するためのファン駆動モータ24が配設さ
れている。
【0024】上記送風部8におけるケーシング6の右側
壁部には、上記中間ダクト5の左端部が接続されてい
る。この中間ダクト5は、その左端部から空調ユニット
4の下端側へ向かって斜め下方へ延びるように形成され
ており、その右端部は、上記空調ユニット4のユニット
ケース30の下端部に開口されかつ該ユニットケース3
0内に空気を導入するための導入口25に接続されてい
る。上記中間ダクト5は、車両前後方向に長い略矩形状
の断面を有しており、その上壁には、上記ファン駆動モ
ータ24の回転数を制御するための制御回路26が配設
されている。
【0025】上記空調ユニット4は、全体として上下方
向に長く、上記送風ユニット3のケーシング6よりも大
型の矩形箱状に形成されたユニットケース30を備えて
いる。このユニットケース30は、底壁部31とこの底
壁部31よりも上側の本体部32とに分割され、さら
に、この本体部32は、上記送風ユニット3と同様に、
その車幅方向の略中央部において車幅方向に2分割され
ていて、運転席側部32aと助手席側部32bとからな
っている。これら運転席側部32aと助手席側部32b
とは、ユニットケース30外側に突出した状態で設けら
れた複数の締結部30aで互いにねじにより締結されて
いる。これら複数の締結部30aのうちの1つ(2つ以
上であってもよい)は、後述のセンタベント導出口50
とデフロスタ導出口52との間に位置している。
【0026】上記ユニットケース30内における上記導
入口25よりも上側位置には、該導入口25からユニッ
トケース30内に導入された空気を通過させて冷却する
冷却用熱交換器としてのエバポレータ33が配設されて
いる。また、ユニットケース30内における上記エバポ
レータ33の上側には、該エバポレータ33を通過した
空気を通過させて加熱する加熱用熱交換器としてのヒー
タコア34が配設されており、上記送風ユニット3から
送風されて導入口25からユニットケース30内に導入
された空気は、該ユニットケース30内で下端部から上
方へ向かって流れることになる。
【0027】上記エバポレータ33は、図示は省略する
が、例えばアルミニウム等の金属薄板から形成されたチ
ューブを同じ方向に延びるように多数積層して、隣り合
うチューブの間に、同じく金属薄板から形成された波形
のフィンを介在させたものである。このエバポレータ3
3のチューブ内には、低温の冷媒が循環しており、この
冷媒によって、該エバポレータ33を通過する空気が冷
却されるようになっている。また、このエバポレータ3
3には、チューブの両端側にそれぞれ該チューブと連通
するタンクが設けられていて、その一方のタンクはチュ
ーブの積層方向の中央部分に配設された仕切板によって
流入タンク部と流出タンク部とに区画されている。この
流入タンク部に流入した冷媒は、この流入タンク部に接
続された上流側チューブを介して他方のタンクの一側に
流れ、その後、この他方のタンクの他側に流れた冷媒
は、下流側チューブを介して上記一方のタンクの流出タ
ンク部に流れるようになっている。これら流入タンク部
及び流出タンク部には、それぞれクーラパイプが接続さ
れていて、この各クーラパイプはユニットケース30に
おける左側壁部からユニットケース30外方へ延出した
後、車両前方へ延びるように形成されている。
【0028】また、上記エバポレータ33は、チューブ
の延びる方向が車両前後方向と略一致しかつ該エバポレ
ータ33の車両後側が車両前側よりも上側に位置するよ
うに斜めに配設されている。これは、エバポレータ33
に発生した凝縮水を車両前方のドレン部35(後述)へ
流れるようにするためと、エバポレータ33とヒータコ
ア34との間における車両前側部分に、後述の補助流入
口開閉ダンパ37の配設スペースを確保するためであ
る。尚、ユニットケース30内に導入された空気は全て
このエバポレータ33を通過するようになっている。
【0029】上記エバポレータ33による空気の冷却時
に、該エバポレータ33に発生した凝縮水は、ユニット
ケース30の底壁部31に設けられたドレン部35を介
して車外へ排出されるようになっている。このドレン部
35は、ユニットケース30底壁部31の車両前端側に
おける車両左側の部分に、該底壁部31と一体に形成さ
れたドレン通路を備えていて、このドレン通路の上流端
はユニットケース30内に臨んで開口し、そこからユニ
ットケース30の左側壁部よりも車両左側へ突出するよ
うに延びており、ドレン通路の下流側の部分は車両前方
へ延びている。
【0030】上記ヒータコア34は、上記エバポレータ
33と同様に、積層されたチューブ及びフィンからな
り、該チューブ内にはエンジンの冷却水が循環してお
り、ヒータコア34を通過する空気が加熱されるように
なっている。このヒータコア34にも、上記エバポレー
タ33の各クーラパイプと同様に、エンジン冷却水を流
入及び流出させる各ヒータパイプが設けられており、こ
の各ヒータパイプは、ユニットケース30の左側壁部か
ら外方へ延出した後、車両前方へ延びるように形成され
ている。
【0031】上記ユニットケース30内における上記ヒ
ータコア34の車両後側の側方には、上記エバポレータ
33を通過した空気を、ヒータコア34をバイパスさせ
て流すバイパス通路38が設けられている。このバイパ
ス通路38は、ヒータコア34と略同じ高さ位置に設け
た入口開口48からユニットケース30上壁部(上端
部)まで略上下方向に延びるように設けられている。
【0032】上記ヒータコア34は、ユニットケース3
0内に区画形成された加熱室42内に収容されており、
この加熱室42の下壁部はエバポレータ33とヒータコ
ア34との間に位置している。そして、この加熱室42
の下壁部における車両後部には、エバポレータ33を通
過した空気を加熱室42内に流入させるための流入口4
3が、上記バイパス通路38の入口開口48と対向する
ように形成されている。また、加熱室42の下壁部にお
ける車両前部には、エバポレータ33を通過した空気を
上記流入口43とともに加熱室42内に流入させるため
の補助流入口44が形成されている。
【0033】上記バイパス通路38の入口開口48と加
熱室42下壁部の流入口43との間には、該入口開口4
8と流入口43との開度を調整するエアミックスダンパ
36が設けられている。このエアミックスダンパ36
は、ユニットケース30の左側壁部に配設したアクチュ
エータ45と該アクチュエータ45により作動する作動
機構46とによって、車幅方向に延びる軸回りに、上記
入口開口48を全閉状態とする位置(流入口43を全開
状態とする位置)と、入口開口48を全開状態とする位
置(流入口43を全閉状態とする位置)との間を相互に
回動するようになっている。
【0034】また、上記加熱室42下壁部の補助流入口
44の下側近傍には、該補助流入口44の開度を調整す
る補助流入口開閉ダンパ37が設けられている。この補
助流入口開閉ダンパ37は、上記作動機構46によって
上記エアミックスダンパ36の回動に連動して、車幅方
向に延びる軸回りに、補助流入口44を全開状態とする
位置と全閉状態とする位置との間を相互に回動するよう
になっていて、エアミックスダンパ36による流入口4
3の開度が所定値以下であるときには、補助流入口44
を閉じる一方、流入口43の開度が上記所定値よりも大
きいときには、該開度が大きくなるに連れて、補助流入
口44の開度を大きくするように構成されている。
【0035】上記作動機構46は、具体的には、図7に
示すように(尚、図7では、エアミックスダンパ36が
流入口43を全閉状態とする位置にありかつ補助流入口
開閉ダンパ37が補助流入口44を全閉状態とする位置
にある)、上記エアミックスダンパ36と同心の軸X1
回りに該エアミックスダンパ36とともに回動可能でか
つ先端部に長孔101aが形成された第1レバー101
と、車幅方向に延びる軸X2回りに回動可能でかつ上記
第1レバー101の長孔101aに嵌合するピン102
aが設けられた第2レバー102と、上記第1レバー1
01と同じ軸X1回りに回動可能で第1レバー101の
回動により同じ方向に回動する第3レバー103と、上
記補助流入口開閉ダンパ37と同心の軸X4回りに該補
助流入口開閉ダンパ37とともに回動可能でかつ先端部
に長孔104aが形成された第4レバー104と、車幅
方向に延びる軸X5回りに回動可能でかつ先端部に上記
第4レバー104の長孔104aに嵌合するピン105
aが設けられた第5レバー105と、上記第3レバー1
03の先端部と上記第5レバー105における軸X5及
びピン105a間の中間部分とを連結する連結棒106
とを有している。
【0036】上記第2レバー102がアクチュエータ4
5により軸X2回りに図7で時計回り方向に回動する
と、第1レバー101が軸X1回りに反時計回り方向に
回動する。このことで、エアミックスダンパ36が反時
計回り方向に回動して流入口43の開度が大きくなる。
また、上記第1レバー101の回動により上記第3レバ
ー103が軸X1回りに反時計回り方向に回動する。こ
の第3レバー103の回動により第5レバー105が連
結棒106を介して軸X5回りに反時計回り方向に回動
する。このとき、第4レバー104の長孔104aのレ
バー先端部側部分は、第5レバー105の先端部のピン
105aの回動軌跡と略同じ形状をなしており、第4レ
バー104は、第5レバー105が回動しても直ぐには
回動しない。そして、第5レバー105が所定量(流入
口43の開度の所定値に対応する量)だけ回動すると、
ピン105aが長孔104aのレバー基端側部分に当接
し、このことで、第4レバー104は第5レバー105
の回動に連動して軸X4回りに時計回り方向に回動す
る。これにより、補助流入口開閉ダンパ37が時計回り
方向に回動して補助流入口44の開度が大きくなる。
【0037】一方、エアミックスダンパ36がバイパス
通路38の入口開口48を全閉状態とする位置にありか
つ補助流入口開閉ダンパ37が補助流入口44を全開状
態とする位置にあるときに、第2レバー102がアクチ
ュエータ45により軸X2回りに時計回り方向に回動す
ると、第1レバー101、第3〜第5レバー103〜1
05が上記とは反対方向にそれぞれ回動する。そして、
先ず補助流入口開閉ダンパ37が補助流入口44を全閉
状態とし、その後にエアミックスダンパ36が流入口4
3を全閉状態とする。
【0038】上記のようにエアミックスダンパ36と補
助流入口開閉ダンパ37とを回動させることにより上記
入口開口48及び流入口43並びに補助流入口44の各
開度を調整することで、エバポレータ33を通過した空
気のうちバイパス通路38内へ流入させる空気と加熱室
42内へ流入させる空気との流量割合が調整されるよう
に構成されている。ここで、乗員による設定温度とエア
ミックスダンパ36及び補助流入口開閉ダンパ37の作
動角度との関係の一例を図8に示す(尚、図8における
ダンパ作動角度は、エアミックスダンパ36については
バイパス通路38の入口開口48を全閉状態とする位置
にあるときを0とし、補助流入口開閉ダンパ37につい
ては補助流入口44を全開状態とする位置にあるときを
0としている)。
【0039】上記バイパス通路38内のユニットケース
30上壁部近傍には、ヒータコア34を通過しかつ該バ
イパス通路38と加熱室42との間の壁部に設けた第1
開口部39より流入した空気が、バイパス通路38を流
れる空気と合流する合流部38aが設けられている。こ
のバイパス通路38の合流部38aの略真上におけるユ
ニットケース30上壁部には、該合流部38aと連通し
かつ合流部38aの空気を、インストルメントパネル2
の車幅方向略中央部及び左右両端部にそれぞれ設けたセ
ンタベンチレータ81及びサイドベンチレータ82にそ
れぞれ導出させるためのセンタベント導出口50及びサ
イドベント導出口51が開口されている。すなわち、ユ
ニットケース30上壁部における車両後部において車両
後側に向かって下側に傾斜した部分の略中央部にセンタ
ベント導出口50が、その左右両側に2つのサイドベン
ト導出口51がそれぞれ形成されている。尚、センタベ
ント導出口50の車幅方向略中央部には、ユニットケー
ス30の本体部32における運転席側部32aと助手席
側部32bとの合わせ部が位置している。
【0040】上記センタベント導出口50は、インスト
ルメントパネル2内に設けたセンタベントダクト(図示
せず)により上記センタベンチレータ81と接続され、
上記各サイドベント導出口51は、同じくインストルメ
ントパネル2内に設けたサイドベントダクト(図示せ
ず)により上記各サイドベンチレータ51とそれぞれ接
続されており、これら各ベンチレータ81,82から、
バイパス通路38の合流部38aの空気が乗員の上半身
へ向けて吹き出すようになっている。
【0041】上記ユニットケース30内における上記加
熱室42の上側には、デフロスタ導出室88が設けら
れ、このデフロスタ導出室88とバイパス通路38との
間の壁部には、上記バイパス通路38の合流部38aの
空気をデフロスタ導出室88に導入するための第2開口
部40が設けられている。このデフロスタ導出室88上
側の車両前側寄りの位置におけるユニットケース30上
壁部には、デフロスタ導出室88に流入した空気(つま
りバイパス通路38の合流部38aの空気)をデフロス
タ85(インストルメントパネル2上面の左右両端部に
設けたデミスタ85aを含む)に導出させるためのデフ
ロスタ導出口52が形成されている。すなわち、ユニッ
トケース30上壁部において上記センタベント導出口5
0及びサイドベント導出口51に対して車両前側に離れ
た状態でデフロスタ導出口52が車幅方向略全体に亘っ
て形成されている。尚、デフロスタ導出口52の車幅方
向略中央部には、ユニットケース30の本体部32にお
ける運転席側部32aと助手席側部32bとの合わせ部
が位置している。
【0042】上記デフロスタ導出口52は、インストル
メントパネル2内に設けたデフロスタダクト(図示せ
ず)によりデフロスタ85(デミスタ85a)と接続さ
れており、このデフロスタ85(デミスタ85a)か
ら、上記デフロスタ導出室88の空気がフロントウイン
ドやサイドドアのウインドガラスの内面に向かって吹き
出すようになっている。
【0043】上記ユニットケース30内における上記デ
フロスタ導出室88の車両前側には、フット導出室91
が形成され、このフット導出室91とデフロスタ導出室
88との間の壁部には、デフロスタ導出室88の空気を
フット導出室91に流入させるための第3開口部92が
形成されている。そして、上記ユニットケース30の左
側壁部及び右側壁部における上部の車両前端部には、上
記フット導出室91の空気を運転席及び助手席の各乗員
の足元に導出させるための左右フット導出口53がそれ
ぞれ形成されている。すなわち、これら左右フット導出
口53には、各々、ユニットケース30の左側壁部及び
右側壁部に沿って下方へ延びる左右フットダクト56,
57が接続され、これら両フットダクト56,57は、
運転席及び助手席の各乗員の足元でそれぞれ開口してお
り、その各開口(右側のフットダクト57については2
つの開口55)から、上記フット導出室91の空気が各
乗員の足元に向かって吹き出すように構成されている。
【0044】また、上記右側(運転席側)のフットダク
ト57は、後席まで延びる不図示のダクトと接続される
2つの接続部58と連通しており、フット導出室91の
空気は後席乗員の足元にも吹き出すようになっている。
【0045】上記ユニットケース30内における上記セ
ンタベント導出口50及びサイドベント導出口51の近
傍には、自動車の乗員により設定される吹出モードに応
じてセンタベント導出口50及びサイドベント導出口5
1を同時に開閉する1つの第1吹出方向切替ダンパ60
が設けられている。この第1吹出方向切替ダンパ60
は、車幅方向に延びる軸回りに、センタベント導出口5
0及びサイドベント導出口51を全閉状態とする位置と
全開状態にする位置との間を相互に回動するようになっ
ている。尚、第1吹出方向切替ダンパ60は、センタベ
ント導出口50及びサイドベント導出口51を全開状態
とする位置にあるときには、バイパス通路38とデフロ
スタ導出室88との間の壁部の第2開口部40を全閉状
態とするようになっている。
【0046】上記ユニットケース30内における上記デ
フロスタ導出口52の近傍には、上記吹出モードに応じ
てデフロスタ導出口52を開閉する第2吹出方向切替ダ
ンパ61が設けられている。この第2吹出方向切替ダン
パ61は、車幅方向に延びる軸回りに、デフロスタ導出
口52を全閉状態とする位置と全開状態にする位置との
間を相互に回動するようになっている。尚、第2吹出方
向切替ダンパ61は、デフロスタ導出口52を全開状態
とする位置にあるときには、上記デフロスタ導出室88
とフット導出室91との間の壁部の第3開口部92を全
閉状態とするようになっている。
【0047】上記第1及び第2吹出方向切替ダンパ6
0,61は、ユニットケース30の左側壁部に配設した
アクチュエータ63と該アクチュエータ63により作動
する作動機構62とによって回動するようになってい
て、ベントモード、デフロスタモード、フットモード等
の吹出モードに応じて、センタベント導出口50、サイ
ドベント導出口51、デフロスタ導出口52及び第3開
口部92の各開閉状態を切り替えるようになっている。
【0048】上記エアミックスダンパ36には、該エア
ミックスダンパ36が加熱室42下壁部の流入口43を
全閉状態としているときに、バイパス通路38と加熱室
42との間の壁部の第1開口部39を覆う開口閉塞部3
6aが設けられている。この開口閉塞部36aは、吹出
モードがベントモードであって乗員による設定温度が最
小値であるときに、加熱室42内においてヒータコア3
4上側に残留してヒータコア34により熱せられた空気
が第1開口部39よりバイパス通路38内に流入するの
を抑制するものである。
【0049】上記送風ユニット3の送風部8の左右両側
には、自動車への取付部として、それぞれ一対のケース
一体型ブラケット部68が設けられ、上記フィルタ配設
部21の右側には、車両右側に向かって斜め上方に突出
するケース一体型ブラケット部69が設けられている。
一方、空調ユニット4の取付部は、上記ドレン部35に
一体形成されたフランジ70と、ユニットケース30上
部の左右両側にそれぞれ設けられた一対のフランジ71
とからなる。
【0050】上記送風ユニット3及び空調ユニット4の
各フランジ68〜71には貫通孔がそれぞれ形成されて
いる一方、上記ダッシュパネルPには、その各貫通孔の
位置に対応するように、スタッドボルトが取り付けられ
ている。また、このダッシュパネルPには、上記エバポ
レータ33及びヒータコア34のクーラパイプ及びヒー
タパイプと、ドレン部35のドレン通路の配設位置に対
応して貫通孔が形成されている。そして、送風ユニット
3及び空調ユニット4を、その各フランジ68〜71に
おける貫通孔にスタッドボルトを挿通させてダッシュパ
ネルPに位置決めすると、上記クーラパイプ及びヒータ
パイプはダッシュパネルPの貫通孔からエンジンルーム
に臨むようになる。この状態で、上記スタッドボルトに
ナットを螺合させることによって送風ユニット3及び空
調ユニット4がダッシュパネルPに対して固定され、ま
た、上記各パイプにはエンジンルーム内の配管が接続さ
れて、ドレン部35のドレン通路には排水パイプが接続
される。
【0051】次に、上記空調ユニット4における空気の
流れを説明すると、先ず、送風ユニット3のファン23
により送風された空気は、中間ダクト5を経て導入口2
5よりユニットケース30内に導入される。
【0052】続いて、上記ユニットケース30内に導入
された空気は、導入後直ぐに上向きに流れてエバポレー
タ33を通過し、このときエバポレータ33により冷却
される。そして、加熱室42下壁部の流入口43及び補
助流入口44並びにバイパス通路38の入口開口48が
全て開放状態にあれば、エバポレータ33を通過した空
気(冷却空気)の一部が該流入口43及び補助流入口4
4から加熱室42内へ流入する一方、その残りの空気は
バイパス通路38の入口開口48からバイパス通路38
内へ流入して上昇する。このバイパス通路38内へ流入
する空気と上記加熱室42内へ流入する空気との流量割
合は、エアミックスダンパ36によるバイパス通路38
の入口開口48と加熱室42下壁部の流入口43との開
度調整と、補助流入口開閉ダンパ37による補助流入口
44の開度調整とにより決まる。
【0053】上記加熱室42内へ流入した空気は上昇し
てヒータコア34を通過し、このときヒータコア34に
より加熱され、この加熱された空気(加熱空気)が、バ
イパス通路38と加熱室42との間の壁部に設けた第1
開口部39よりバイパス通路38の合流部38aに流入
して、上記バイパス通路38内を流れる冷却空気と合流
する。そして、吹出モードがデフロスタモードやフット
モードであるときのようにセンタベント導出口50及び
サイドベント導出口51が第1吹出方向切替ダンパ60
により全閉状態とされているときには、上記合流部38
aに流入した加熱空気が、上記バイパス通路38内を流
れる冷却空気と合流し、この合流部38aで加熱空気と
冷却空気とがミックスされて、バイパス通路38とデフ
ロスタ導出室88との間の壁部に設けた第2開口部40
を通ってデフロスタ導出室88に導入される。このデフ
ロスタ導出室88に導入された空気は、吹出モードに応
じてデフロスタ導出口52からデフロスタ85(デミス
タ85a)に導出されるか、又は、第3開口部92から
フット導出室91に流入された後、フット導出口53か
ら左右フットダクト56,57を介して運転席及び助手
席並びに後席の各乗員の足元に導出される。
【0054】一方、吹出モードがベントモードであると
きのようにセンタベント導出口50及びサイドベント導
出口51が開放状態にあるときには、上記バイパス通路
38の合流部38aに流入した加熱空気は、冷却空気と
合流して、センタベント導出口50及びサイドベント導
出口51からセンタベンチレータ81及びサイドベンチ
レータ82へそれぞれ導出される。
【0055】そして、吹出モードがベントモードであっ
て乗員による設定温度が最小値であるときには、加熱室
42下壁部の流入口43及び補助流入口44は全閉状態
とされてエバポレータ33を通過した空気が全てバイパ
ス通路38を流れることになるが、このとき、エアミッ
クスダンパ36に設けた開口閉塞部36aが、バイパス
通路38と加熱室42との間の壁部の第1開口部39を
覆うので、加熱室42内においてヒータコア34上側に
残留してヒータコア34により熱せられた空気が第1開
口部39よりバイパス通路38内に流入し難くなる。一
方、この開口閉塞部36aは、エアミックスダンパ36
が流入口43を開放する方向に回動するに連れて加熱室
42側に移動し、このことで、加熱室42内の空気が第
1開口部39からバイパス通路38へ流入し易くなる。
【0056】したがって、上記実施形態では、加熱室4
2の下壁部に、該加熱室42へ空気を流すために設けら
れかつエアミックスダンパ36により開度が調整される
流入口43とは別に、補助流入口開閉ダンパ37により
開度が調整される補助流入口44が設けられ、この補助
流入口開閉ダンパ37とエアミックスダンパ36とによ
り、エバポレータ33を通過した空気のうちバイパス通
路38内へ流入させる空気と加熱室42内へ流入させる
空気との流量割合を調整するように構成されているの
で、エバポレータ33を通過した空気の加熱室42への
流入面積が補助流入口44の分だけ増大し、これによ
り、ヒータコア34による通気抵抗が大きくても、流入
口43又は補助流入口44の開度に応じた適切な量の空
気を加熱室42内に確実に流入させることができる。こ
の結果、エアミックスダンパ36と補助流入口開閉ダン
パ37とにより、バイパス通路38内へ流入させる空気
と加熱室42内へ流入させる空気との流量割合を木目細
かく調整することができ、センタベンチレータ81、サ
イドベンチレータ82、デフロスタ85等から吹き出す
空気の微妙な温度調整が容易となる。
【0057】また、補助流入口開閉ダンパ37が、エア
ミックスダンパ36による加熱室42下壁部の流入口4
3の開度が所定値以下であるときには、補助流入口44
を閉じる(補助流入口44の開度を0にする)一方、上
記開度が上記所定値よりも大きいときには、該開度が大
きくなるに連れて、補助流入口44の開度を大きくする
ように構成されているので、特に低温設定時おいて微妙
な温度制御が容易となるとともに、センタベンチレータ
81、サイドベンチレータ82、デフロスタ85等から
吹き出す実際の空気の温度を、乗員による設定温度の変
化に連れてリニアに変化させるようにすることができ
る。
【0058】ここで、実際に実験した結果を図9及び図
10に示す(図9は吹出モードがデフロスタモードであ
るときを示し、図10はベントモードであるときを示
す)。すなわち、上記のようにエアミックスダンパ36
による加熱室42下壁部の流入口43の開度が所定値以
下であるときに補助流入口44を閉じるようにしたもの
(実施例1)と、流入口43の開度が0になったときに
丁度補助流入口44の開度が0になるようにしたもの
(実施例2)とを用意し、乗員による設定温度の変化に
より、センタベンチレータ81から吹き出す実際の温度
がどのようになるかを調べた。この結果、実施例1のも
のの方が、低温設定時にリニアリティが良好であること
が判る。これは、乗員による設定温度が比較的低いとき
に、補助流入口44が開放状態にあると、空気が補助流
入口44から加熱室42へ比較的多く流入して温度が高
くなる傾向にあるからである。但し、実施例2のもので
あっても、補助流入口44がなくて1つのエアミックス
ダンパ36によりバイパス通路38内へ流入させる空気
と加熱室42内へ流入させる空気との流量割合を調整す
るものに比べれば、リニアリティはかなり良好である。
【0059】さらに、上記実施形態では、エアミックス
ダンパ36に、該エアミックスダンパ36が加熱室42
下壁部の流入口43を閉じているときに、バイパス通路
38と加熱室42との間の壁部の第1開口部39を覆う
開口閉塞部36aが設けられているので、吹出モードが
ベントモードであって乗員による設定温度が最小値であ
るときに、加熱室42内においてヒータコア34上側に
残留してヒータコア34により熱せられた空気が第1開
口部39よりバイパス通路38内に流入し難くなり、セ
ンタベンチレータ81及びサイドベンチレータ82から
吹き出す空気の温度を出来る限り低い値に維持すること
ができる。
【0060】尚、上記実施形態では、エアミックスダン
パ36に、該エアミックスダンパ36が加熱室42下壁
部の流入口43を閉じているときに、バイパス通路38
と加熱室42との間の壁部の第1開口部39を覆う開口
閉塞部36aを設けたが、エアミックスダンパ36にこ
のような開口閉塞部36aを設ける代わりに、例えば図
11に示すように、バイパス通路38内において第1開
口部39に対向する部分に、バイパス通路38内を流れ
る空気の一部をその第1開口部39へ導く案内部材11
0を配設するようにしてもよい。こうすれば、乗員によ
る設定温度が最小値であるときに、第1開口部39へ導
かれた空気の動圧により、熱せられた空気が第1開口部
39よりバイパス通路38内に流入するのを抑制するこ
とができ、上記のように開口閉塞部36aを設ける場合
と同様の作用効果が得られる。
【0061】また、上記実施形態では、空調装置1を右
ハンドル車に搭載したが、左ハンドル車に搭載するよう
にしてもよい。この場合、空調装置1は上記実施形態の
ものと左右がほぼ逆の関係になるように構成すればよ
い。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用空
調装置によると、加熱室の下壁部に、該加熱室へ空気を
流すために設けられかつエアミックスダンパにより開度
が調整される流入口とは別に、補助流入口開閉ダンパに
より開度が調整される補助流入口を設け、この補助流入
口開閉ダンパが、エアミックスダンパとともに、バイパ
ス通路内へ流入させる空気と加熱室内へ流入させる空気
との流量割合を調整するように構成したので、その流量
割合を木目細かく調整することができ、ベンチレータや
デフロスタから吹き出す空気の微妙な温度調整を容易に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用空調装置を示す
斜視図である。
【図2】車両用空調装置を図1とは別の方向から見た斜
視図である。
【図3】車両用空調装置を車両後方側から見た図であ
る。
【図4】インストルメントパネルを示す斜視図である。
【図5】車両用空調装置の概略を示す図3相当図であ
る。
【図6】車両用空調装置の空調ユニットの縦断面図であ
る。
【図7】エアミックスダンパ及び補助流入口開閉ダンパ
の作動機構を示す図である。
【図8】乗員による設定温度とエアミックスダンパ及び
補助流入口開閉ダンパの各作動角度との関係を示すグラ
フである。
【図9】デフロスタモードにおいて乗員による設定温度
とセンタベンチレータから吹き出す実際の温度との関係
を示すグラフである。
【図10】ベントモードにおいて乗員による設定温度と
センタベンチレータから吹き出す実際の温度との関係を
示すグラフである。
【図11】バイパス通路内に案内部材を設ける場合の変
形例を示す図6相当図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 2 インストルメントパネル 23 遠心式多翼ファン(送風機) 25 導入口 30 ユニットケース 33 エバポレータ(冷却用熱交換器) 34 ヒータコア(加熱用熱交換器) 36 エアミックスダンパ 36a 開口閉塞部 37 補助流入口開閉ダンパ 38 バイパス通路 38a 合流部 39 第1開口部 42 加熱室 43 流入口 44 補助流入口 48 入口開口 50 センタベント導出口 51 サイドベント導出口 52 デフロスタ導出口 81 センタベンチレータ 82 サイドベンチレータ 85 デフロスタ 110 案内部材
フロントページの続き (72)発明者 瀬戸内 直人 広島県東広島市吉川工業団地3番11号 株 式会社日本クライメイトシステムズ内 Fターム(参考) 3L011 BA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の車室内に設けたインストルメン
    トパネル内の車幅方向中央部に配設されたユニットケー
    スと、 上記ユニットケースに開口され、該ユニットケース内
    に、送風機により送風された空気を導入するための導入
    口と、 上記ユニットケース内において上記導入口よりも上側に
    配設され、該導入口から導入された空気を通過させて冷
    却する冷却用熱交換器と、 上記ユニットケース内において上記冷却用熱交換器の上
    側に配設され、該冷却用熱交換器を通過した空気を通過
    させて加熱する加熱用熱交換器と、 上記ユニットケース内において上記加熱用熱交換器の車
    両後方に設けられ、上記冷却用熱交換器を通過した空気
    を、該加熱用熱交換器をバイパスさせて流すバイパス通
    路と、 上記加熱用熱交換器を収容しかつ下壁部に上記冷却用熱
    交換器を通過した空気を流入させるための流入口が形成
    された加熱室と、 上記バイパス通路の入口開口と上記加熱室下壁部の流入
    口との開度を調整することで、上記冷却用熱交換器を通
    過した空気のうち上記バイパス通路内へ流入させる空気
    と上記加熱室内へ流入させる空気との流量割合を調整す
    るエアミックスダンパと、 上記バイパス通路内に設けられ、上記加熱用熱交換器を
    通過しかつ該バイパス通路と加熱室との間の壁部に設け
    た開口部よりバイパス通路内に流入した空気が、バイパ
    ス通路を流れる空気と合流する合流部と、 上記ユニットケースの上端部に開口され、上記バイパス
    通路の合流部の空気をベンチレータに導出させるための
    ベント導出口と、 上記ユニットケースの上端部に開口され、上記バイパス
    通路の合流部の空気をデフロスタに導出させるためのデ
    フロスタ導出口とを備えた車両用空調装置であって、 上記加熱室の下壁部に形成され、上記冷却用熱交換器を
    通過した空気を上記流入口とともに該加熱室内に流入さ
    せるための補助流入口と、 上記補助流入口の開度を調整する補助流入口開閉ダンパ
    とを備え、 上記補助流入口開閉ダンパは、上記エアミックスダンパ
    とともに、上記冷却用熱交換器を通過した空気のうち上
    記バイパス通路内へ流入させる空気と上記加熱室内へ流
    入させる空気との流量割合を調整するように構成されて
    いることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用空調装置におい
    て、 補助流入口開閉ダンパは、エアミックスダンパによる加
    熱室下壁部の流入口の開度が所定値以下であるときに
    は、補助流入口を閉じる一方、上記開度が上記所定値よ
    りも大きいときには、該開度が大きくなるに連れて、補
    助流入口の開度を大きくするように構成されていること
    を特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の車両用空調装置に
    おいて、 冷却用熱交換器は、該冷却用熱交換器の車両後側が車両
    前側よりも上側に位置するように斜めに配置されている
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車
    両用空調装置において、 エアミックスダンパに、該エアミックスダンパが加熱室
    下壁部の流入口を閉じているときに、バイパス通路と加
    熱室との間の壁部の開口部を覆う開口閉塞部が設けられ
    ていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車
    両用空調装置において、 バイパス通路内において該バイパス通路と加熱室との間
    の壁部の開口部に対向する部分に、バイパス通路内を流
    れる空気の一部を上記開口部へ導く案内部材が配設され
    ていることを特徴とする車両用空調装置。
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