JP2003063129A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2003063129A
JP2003063129A JP2001254070A JP2001254070A JP2003063129A JP 2003063129 A JP2003063129 A JP 2003063129A JP 2001254070 A JP2001254070 A JP 2001254070A JP 2001254070 A JP2001254070 A JP 2001254070A JP 2003063129 A JP2003063129 A JP 2003063129A
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JP
Japan
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fine particles
recording paper
inorganic fine
emulsion
silicone emulsion
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JP2001254070A
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English (en)
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Kimie Tachibana
喜美江 立花
Manabu Kaneko
学 金子
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高光沢性、高インク吸収性であって、更にひ
び割れ等の無い柔軟性を備えたインクジェット記録用紙
を提供する。 【解決手段】 少なくとも無機微粒子と、該無機微粒子
と反応し得る基又は水素結合し得る基を有するシリコン
エマルジョンを含む空隙層であって、無機微粒子の質量
がシリコンエマルジョンの質量に対して2〜10倍であ
るインク受容層を、非吸水性支持体上に有することを特
徴とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用紙に関し、詳しくは、高光沢性、高インク吸収性であ
って、更にひび割れ等の無い柔軟性を備えたインクジェ
ット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録材料は、急速
にその画質向上が図られ、写真画質に迫りつつある。特
に、写真画質に匹敵する画質をインクジェット記録で達
成するために、インクジェット記録用紙(以下、「記録
用紙」ともいう)の改良も進んできている。そのひとつ
として、高平滑性の支持体上に微小な空隙を含むインク
受容層を有する空隙型の記録用紙は、高い光沢を有し、
鮮やかな発色を示し、インク吸収性及び乾燥性に優れて
いることから、最も写真画質に近いものになってきてい
る。特に、非吸水性支持体を使用した場合は、吸水性支
持体にみられるようなプリント後のコックリング(いわ
ゆる「しわ」)の発生が無く、高平滑な表面を維持でき
るため、より高品位な画像を得ることができる。
【0003】しかし、このように高性能を達成しつつあ
るインクジェット記録材料の応用分野は広がり、記録用
紙としても様々な用途に用いられることが期待されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、これまでと異なる用途、あるい
は、より手軽または過酷な取り扱いに耐えるインクジェ
ット記録用紙を提供するものであって、本発明の目的
は、高光沢性、高インク吸収性であって、更にひび割れ
等の無い柔軟性を備えたインクジェット記録用紙を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成により達成される。
【0006】1.少なくとも無機微粒子と、該無機微粒
子と反応し得る基又は水素結合し得る基を有するシリコ
ンエマルジョンを含む空隙層であって、前記無機微粒子
の質量が前記シリコンエマルジョンの質量に対して2〜
10倍であるインク受容層を、非吸水性支持体上に有す
ることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0007】2.少なくとも無機微粒子、シリコンエマ
ルジョン及び親水性バインダーを含み、全固形分付量が
15〜45g/m2である空隙層であって、前記親水性
バインダーの質量が前記シリコンエマルジョンの質量の
0.04倍以上2倍以下であるインク受容層を、非吸水
性支持体上に有することを特徴とするインクジェット記
録用紙。
【0008】3.前記無機微粒子が、合成非晶質シリカ
であることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェ
ット記録用紙。
【0009】4.前記シリコンエマルジョンが、合成非
晶質シリカが有するシラノール基と反応し得る基又は、
水素結合し得る基を有することを特徴とする前記3記載
のインクジェット記録用紙。
【0010】5.前記無機微粒子が、平均粒径が15〜
150nmの合成非晶質シリカであることを特徴とする
前記1〜4のいずれか1項記載のインクジェット記録用
紙。
【0011】6.前記無機微粒子が、平均粒径が15〜
150nmの合成非晶質シリカであって、かつ前記シリ
コンエマルジョンが、アミノ変性シリコンエマルジョ
ン、エポキシ変性シリコンエマルジョンまたはヒドロキ
シアリール基を有するアルコール変性シリコンエマルジ
ョンであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項
記載のインクジェット記録用紙。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、非吸水性支持体上に空隙型インク受容層を有するも
のであり、高光沢性、高インク吸収性を達成し、かつひ
び割れ等の無い柔軟性を備えたインクジェット記録用紙
を提供するものである。従来、空隙型インク受容層の構
成として代表的なものは、無機微粒子と少量の親水性バ
インダーからなる水性塗工液を用い、親水性バインダー
の架橋によって塗膜を形成するものであったが、本発明
は従来とまったく異なる発想の下、無機微粒子と結合し
得る基等を有するシリコンエマルジョンが、バインダー
としての役割を担うことによって塗膜を形成するもので
あり、また更に、該シリコンエマルジョンを用いること
によって塗膜に柔軟性を付与することができるものであ
る。
【0013】本発明の請求項1の発明のインクジェット
記録用紙は、少なくとも無機微粒子と、該無機微粒子と
反応し得る基又は水素結合し得る基を有するシリコンエ
マルジョンを含む空隙層であるインク受容層を、非吸水
性支持体上に有することを特徴の一つとするものであ
り、一方、本発明の請求項2の発明のインクジェット記
録用紙は、少なくとも無機微粒子、シリコンエマルジョ
ン及び親水性バインダーを含むインク受容層を、非吸水
性支持体上に有することを特徴の一つとする。
【0014】本発明の中でも好ましい態様は、少なくと
も無機微粒子と、当該無機微粒子と反応し得る基、又は
水素結合し得る基を有するシリコンエマルジョンを含
み、全固形分付量が15〜45g/m2である空隙層で
あって、無機微粒子の質量が当該シリコンエマルジョン
の質量に対して2〜10倍存在するインク受容層を、非
吸水性支持体上に有することを特徴とするインクジェッ
ト記録用紙であり、これにより高光沢性、ひび割れ等の
無い柔軟性を備えた上、更に高インク吸収性を達成した
ものである。
【0015】高光沢性を備えたインクジェット記録用紙
を提供するために、表面が高平滑であって、インク溶媒
等で平滑性を損なうことのない非吸水性支持体(例え
ば、樹脂被覆紙や樹脂フィルムなど)を用いることが好
ましい。このような非吸水性支持体上にインク受容層を
設けた記録用紙の場合は、支持体自身がインク溶媒等を
吸収しないため、受理したインク組成物(着色剤、溶媒
その他)はすべてインク受容層に吸収されなければなら
ない。本発明のインクジェット記録用紙は、近年の高速
記録の要請に応えるべく、高インク吸収性を備えたもの
である。
【0016】空隙構造を有するインク受容層を備えたイ
ンクジェット記録用紙は、高インク吸収性を達成するこ
とができるが、比較的脆弱であり特に乾燥雰囲気下で記
録用紙を丸めたり、折り曲げたりすると、インク受容層
にひび割れが生じ易いという新たな課題が発生してくる
ことが本発明者の研究により判明したが、本発明のイン
クジェット記録用紙は、このような新たな課題を解決し
得たものである。
【0017】本発明の請求項1の発明のインクジェット
記録用紙は、少なくとも無機微粒子と、該無機微粒子と
反応し得る基又は水素結合し得る基を有するシリコンエ
マルジョンを含む空隙層であって、前記無機微粒子の質
量が前記シリコンエマルジョンの質量に対して2〜10
倍であるインク受容層を、非吸水性支持体上に有するこ
とを特徴とする。
【0018】即ち、本発明の請求項1の発明における空
隙層は、本発明の請求項1の発明に係る無機微粒子と反
応し得る基又は水素結合し得る基を有するシリコンエマ
ルジョンと無機微粒子とを主たる固形分として形成する
空隙構造を有する層であって、充分なインク吸収性を示
すことができる空隙構造を形成するために、該シリコン
エマルジョンの2〜10倍質量の無機微粒子を使用する
が、好ましくは3〜8倍である。2倍質量以上であれば
十分なインクを吸収することができる空隙構造を形成す
ることができる。また、10倍質量以下であれば膜が脆
弱なものになるおそれが少ない。
【0019】また、空隙層の全固形分付量が15〜45
g/m2であることが好ましい。高インク吸収性を達成
すべく空隙容量を確保するためには、比較的厚膜の空隙
層を備えることが好ましいが、厚くなるほど被膜は脆弱
になる傾向にあり、特にインク受容層における全固形分
付量が15g/m2以上、更には20g/m2以上の場合
に脆弱性という課題が従来顕著に発生し問題であった
が、この点、本発明により本発明の効果が顕著に発揮で
き、柔軟な被膜を有する記録用紙を得ることができて、
全固形分付量45g/m2以下の空隙層を有する記録用
紙の作製が容易に実現できる。特に42g/m2以下の
場合に、顕著に本発明の効果を発揮でき、膜が脆弱なも
のになるおそれが少ない。
【0020】本発明の請求項1の発明に用いられ、ま
た、本発明の請求項2の発明に好ましく用いられる無機
微粒子と反応し得る基又は水素結合し得る基を有するシ
リコンエマルジョンとは、シロキサン骨格を有するポリ
ジメチルシロキサンとして知られているシリコンオイル
を水中に安定に分散させたエマルジョン、あるいはジメ
チルシロキサンモノマーを乳化重合させて得られるもの
であって、無機微粒子と反応し得る基、又は水素結合し
得る基を有することによって被膜の強靭性を備え、かつ
柔軟性を備えることができるシリコンエマルジョンであ
る。
【0021】該シリコンエマルジョンとしては、ポリエ
ーテル変性シリコンエマルジョン、アルコール変性シリ
コンエマルジョン、アミノ変性シリコンエマルジョン、
エポキシ変性シリコンエマルジョン、フェノール変性シ
リコンエマルジョン、及びカルボキシ変性シリコンエマ
ルジョン等が挙げられる。
【0022】ポリエーテル変性シリコンエマルジョンと
しては、シリコンが両末端あるいは側鎖に有するメチル
基の一部の代わりに、ポリエチレンオキシド基やポリプ
ロピレンオキシド基などのポリエーテル基をシリコンの
両末端あるいは側鎖に導入したものであり、ポリエーテ
ル基の末端が水酸基であるものが好ましいが、末端が低
級アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)
で置換されているものののエマルジョン等が挙げられ
る。具体的には例えば、東レ・ダウ・コーニング・シリ
コーン株式会社製(商品名)SH3771、SH840
0等のシリコンオイルを乳化させたものが挙げられる。
【0023】アルコール変性シリコンエマルジョンとし
ては、シリコンが有するメチル基の一部が、末端に水酸
基を有する基で置換されたもののエマルジョンが挙げら
れ、ポリエーテル変性シリコンのポリエーテル鎖末端に
−OH基を有するもののエマルジョン、ポリエーテル基
を含まないアルコール変性シリコンのエマルジョン(例
えば、ヒドロキシアリール基を有するアルコール変性シ
リコンエマルジョン)等が挙げられ、具体的には例え
ば、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製
(商品名)SM8706等が挙げられる。
【0024】アミノ変性シリコンエマルジョンとして
は、ジメチルシリコン骨格の両末端あるいは側鎖にアミ
ノ基を導入したシリコンのエマルジョン等が挙げられ、
アミノ基としてはメチル基、エチル基のような低級アル
キル基で置換されたものも含み、好ましくは1級アミン
及び3級アミンが挙げられる。具体的には例えば、東レ
・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製(商品名)
SM8702、BY22−812、BY22−816等
が挙げられる。
【0025】エポキシ変性シリコンエマルジョンとして
は、ジメチルシリコン骨格の両末端あるいは側鎖にエポ
キシ基を導入したシリコンのエマルジョン等が挙げら
れ、具体的には例えば、東レ・ダウ・コーニング・シリ
コーン株式会社製(商品名)BY16−855D、SF
8411、BY16−839等のシリコンオイルを乳化
させたものが挙げられる。
【0026】その他に、東レ・ダウ・コーニング・シリ
コーン株式会社製(商品名)BY16−752(シリコ
ンオイル)を乳化させたようなフェノール変性シリコン
エマルジョンや、同BY22−820(シリコンオイ
ル)を乳化させたようなカルボキシ変性シリコンエマル
ジョンも本発明に用いることができる。
【0027】上述した中で、特に好ましいものは、アミ
ノ変性シリコンエマルジョン、エポキシ変性シリコンエ
マルジョン、及びヒドロキシアリール基を有するアルコ
ール変性シリコンエマルジョンである。
【0028】本発明において用いられる無機微粒子とし
ては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサ
イト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダル
シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができ
る。
【0029】上記無機微粒子は、1次粒子のままでバイ
ンダー中に均一に分散された状態で用いることも、ま
た、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された
状態で使用することもできるが、後者がより好ましい。
【0030】上記無機微粒子の形状は本発明では特に制
約を受けず、球状、棒状、針状、平板状、数珠状の物で
あってもよい。
【0031】本発明においては、無機微粒子と少量の有
機物(低分子化合物でも、高分子化合物でもよい)とか
らなる複合粒子でも、実質的には無機微粒子とみなす。
この場合も乾燥被膜中に観察される最高次粒子の粒径を
もってその無機微粒子の粒径とする。この場合の無機微
粒子と少量の有機高分子による複合粒子における有機高
分子/無機微粒子の質量比は概ね1/100〜1/4で
ある。
【0032】本発明においては、特に、微細な空隙が形
成できる観点から、シリカが好ましく、特に合成非晶質
シリカが好ましい。特に平均粒径が15〜150nmの
合成非晶質シリカが好ましい。平均粒径が15nm以上
であれば高インク吸収性であり、また、150nm以下
であれば高光沢性の点で好ましい。このようなシリカと
しては例えば、気相法により合成されたシリカ、コロイ
ダルシリカが特に好ましいが、最も好ましいのは気相法
により合成されたシリカである。
【0033】従って、本発明で用いるシリコンエマルジ
ョンとしては、この合成非晶質シリカが有するシラノー
ル基と反応し得る基、又は水素結合し得る基を有するこ
とが好ましい。
【0034】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあ
るいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、10
0個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数
平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影
面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものであ
る。
【0035】無機微粒子の使用量は記録用紙1m2当た
り3〜30gが好ましく、より好ましくは5〜25gで
ある。
【0036】無機微粒子の添加量に従いインク吸収容量
も増加するが、ひび割れ等が悪化しやすいため、空隙率
のコントロールにより容量を増加させる方法が好まし
い。好ましい空隙率は40〜75%である。空隙率は選
択する無機微粒子、バインダーの種類によって、あるい
はそれらの混合比によって、またはその他の添加剤の量
によって調節することができる。
【0037】ここでいう空隙率とは、空隙層の体積に対
する空隙の総体積の比率であり、その層の構成物の総体
積と層の厚さから計算で求められる。また空隙の総体積
は、ブリストー測定による飽和転移量、吸水量測定など
によって簡易に求められる。
【0038】上記のような好ましい空隙率の被膜を形成
する手段のひとつとしては、無機微粒子の使用量を、無
機微粒子以外の固形分に対して1.5〜12倍、好まし
くは3〜8倍にすることが、高インク吸収性を実現し、
かつ柔軟な被膜を得ることができるという点において特
に好ましい。
【0039】次に、本発明の請求項2の発明について説
明する。本発明の請求項2の発明のインクジェット記録
用紙は、少なくとも無機微粒子、シリコンエマルジョン
及び親水性バインダーを含み、全固形分付量が15〜4
5g/m2である空隙層であって、前記親水性バインダ
ーの質量が前記シリコンエマルジョンの質量の0.04
倍以上2倍以下であるインク受容層を、非吸水性支持体
上に有することを特徴とする。
【0040】本発明の請求項2の発明のインクジェット
記録用紙は、少なくとも無機微粒子、シリコンエマルジ
ョン及び親水性バインダーを含み、全固形分付量が15
〜45g/m2である空隙層を有する。
【0041】空隙層の全固形分付量が15g/m2未満
では高インク吸収性を達成すべき空隙容量を確保するこ
とが困難になることがある。また、45g/m2を越え
ると膜が脆弱なものになることがある。
【0042】無機微粒子と親水性バインダーを使用して
空隙構造を形成しようとした場合、従来、全固形分付量
が15g/m2以上のときにひび割れ等の膜の脆弱性と
いう課題が発生し、これを解決する必要があった。この
点、同付量が20g/m2以上のときでも、シリコンエ
マルジョンをも用いる本発明の請求項2の発明の構成に
よると、より顕著に本発明の効果を奏し得て好ましい。
また、同付量が45g/m2以下であれば本発明の請求
項2の発明の構成によって柔軟な被膜を備えたインクジ
ェット記録用紙を提供することができる。
【0043】本発明の請求項2の発明におけるインク受
容層は、シリコンエマルジョンと親水性バインダーによ
って無機微粒子同士を結着させて空隙構造を形成するも
のであるが、本発明の目的のひとつである柔軟な被膜を
実現するためには、親水性バインダーが多すぎないほう
が好ましく、親水性バインダーの質量が前記シリコンエ
マルジョンの質量の0.04倍以上2倍以下であること
が必要である。2倍以下であれば、インク吸収層におけ
るシリコンエマルジョンによる膜の柔軟化機能が十分に
発揮できる。また、本発明の課題を解決するという点か
らは、用いる親水性バインダーの質量はシリコンエマル
ジョンの質量に対して少ないほうが好ましいが、インク
ジェット記録用紙作製用の塗布液の取り扱い性などの点
からすると、親水性バインダーの質量のシリコンエマル
ジョンの質量に対する比の下限は0.04であることが
好ましい。
【0044】本発明の請求項2の発明において用いられ
るシリコンエマルジョンとしては、本発明の請求項1の
発明において用いられる無機微粒子と反応し得る基、又
は水素結合し得る基を有するシリコンエマルジョンの他
に、このような基を含まないシリコンエマルジョンであ
ってもよい。
【0045】本発明の請求項1の発明では無機微粒子同
士をつなぎとめるバインダーとしての役割をもシリコン
エマルジョンが果たすことを期待されるのに対し、本発
明の請求項2の発明では、共存する親水性バインダーに
よって無機微粒子同士をつなぐ機能が期待できるため、
シリコンエマルジョンがそのような機能を持つことが必
須ではないが、被膜に柔軟性を付与する機能をもつシリ
コンエマルジョンも使用することができる。
【0046】本発明の請求項2の発明において用いられ
るシリコンエマルジョンとしては、本発明の請求項1の
発明において用いられる無機微粒子と反応し得る基又は
水素結合し得る基を有するシリコンエマルジョンの他
に、このような基を有さないシリコンエマルジョン(例
えば、シロキサン骨格を有するポリジメチルシロキサン
として知られているシリコンオイルを水中に安定に分散
させたエマルジョン、あるいはジメチルシロキサンモノ
マーを乳化重合させて得られるもの等)を使用すること
ができる。
【0047】特に、無機微粒子と反応し得る基、又は水
素結合し得る基を有するシリコンエマルジョンを用いる
と、親水性バインダーの含有量を減らしても強靭な被膜
が得られ、かつ該シリコンエマルジョンを使用して、よ
り柔軟な被膜を実現できるという点において好ましい。
【0048】本発明の請求項2の発明において用いられ
るシリコンエマルジョンとして、特に好ましいものとし
て、アミノ変性シリコンエマルジョン、エポキシ変性シ
リコンエマルジョン、ヒドロキシアリール基を有するア
ルコール変性シリコンエマルジョンが挙げられる。
【0049】本発明の請求項2の発明において用いられ
る親水性バインダーとしては、ゼラチン(アルカリ処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、アミノ基をフェニルイソシ
アネートや無水フタル酸等で封鎖した誘導体ゼラチンな
ど)、ポリビニルアルコール(平均重合度が300〜4
500、ケン化度70〜100%が好ましい)、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシル
エチルセルロース、カゼイン、アルギン酸等が挙げら
れ、2種以上を併用することもできる。これらのうち、
好ましい親水性バインダーはポリビニルアルコールであ
る。
【0050】ポリビニルアルコールは酢酸ビニルを加水
分解して得られ、本発明では平均重合度が300〜45
00のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が10
00〜4000のものが好ましく用いられる。
【0051】またケン化度は70〜100%のものが好
ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0052】このポリビニルアルコールには、ポリ酢酸
ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコ
ールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコ
ールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルア
ルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0053】ポリビニルアルコールは重合度や変性の種
類違いなど2種類以上を併用することもできる。
【0054】親水性バインダーとしてポリビニルアルコ
ールを使用する場合には、これに適した架橋剤を使用す
ることが造膜性を向上させるためには適している。ポリ
ビニルアルコールと併用するのに好ましいものとしては
硼酸又は硼砂などが挙げられるが、硼酸又は硼砂を用い
ると被膜が脆弱になる傾向があるが、本発明は硼酸又は
硼砂を使用した場合に特に顕著にその効果を発揮するこ
とができる。
【0055】本発明において用いられる非吸水性支持体
としては、プラスチック樹脂フィルム支持体、あるいは
紙の両面をプラスチック樹脂フィルムで被覆した支持体
が挙げられる。プラスチック樹脂フィルム支持体として
は、例えば、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、セルローストリアセ
テートフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれら
の積層したフィルム支持体等が挙げられる。これらのプ
ラスチック樹脂フィルムは、透明又は半透明なものも使
用できる。
【0056】本発明において特に好ましい支持体は、紙
の両面をプラスチック樹脂で被覆した支持体であり、最
も好ましいのは紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆し
た支持体である。
【0057】以下、本発明で特に好ましい支持体である
紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体につい
て説明する。
【0058】本発明の支持体に用いられる紙は、木材パ
ルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポ
リプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエ
ステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプと
してはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LD
P、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いること
ができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBS
P、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
ただし、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜7
0%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パ
ルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用い
られ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプ
も有用である。
【0059】紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキル
ケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タル
ク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリル
アミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増
白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加するこ
とができる。
【0060】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後
の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッ
シュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ま
しい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが
好ましい。
【0061】紙の坪量は50〜250gが好ましく、特
に、70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜21
0μmが好ましい。
【0062】紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.
7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的
である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定さ
れる条件で20〜200gが好ましい。
【0063】紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよ
く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと
同様のサイズ剤を使用できる。
【0064】紙のpHは、JIS P 8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9で
あることが好ましい。
【0065】次に、この紙の両面を被覆するポリオレフ
ィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリ
オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、
プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類
が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0066】以下、特に好ましいポリエチレンについて
説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、
主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/また
は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のL
LDPEやポリプロピレン等も一部使用することができ
る。
【0067】特に、塗布層側のポリオレフィン層は、ル
チルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加
し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸
化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20
%、好ましくは2〜15%である。
【0068】ポリオレフィン層中には白地の調整を行う
ための耐熱性の高い着色顔料や蛍光増白剤を添加するこ
とができる。
【0069】着色顔料としては、例えば、群青、紺青、
コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブル
ー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブル
ー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
【0070】蛍光増白剤としては、例えば、ジアルキル
アミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビス
メチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナ
フタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベン
ズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙
げられる。
【0071】紙の表裏のポリエチレンの使用量は、イン
ク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化
でのカールを最適化するように選択されるが、一般には
ポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μ
m、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏の
ポリエチレンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙
の厚み等により変化するカールを調整する様に設定され
るのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率
は、厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0072】更に、上記ポリエチレンで被覆紙支持体
は、以下(1)〜(7)の特性を有していることが好ま
しい。
【0073】(1)引っ張り強さは、JIS P 81
13で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、
横方向が9.8〜196Nであることが好ましい。
【0074】(2)引き裂き強度は、JIS P 81
16で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94
N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい。
【0075】(3)圧縮弾性率は、9.8kN/cm2
が好ましい。 (4)不透明度は、JIS P 8138に規定された
方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が
好ましい。
【0076】(5)白さは、JIS Z 8727で規
定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−
3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい。
【0077】(6)クラーク剛直度は、記録用紙の搬送
方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100で
ある支持体が好ましい。
【0078】(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜
10%が好ましい。 (8)インク受容層を設ける光沢度(75度鏡面光沢
度)は10〜90%が好ましい。
【0079】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
尚、実施例中で「%」は特に断りの無い限り質量%を示
す。
【0080】実施例1 純水150mlにノニオン性アクリルポリマー型分散剤
(固形分40%、東亜合成製、商品名SD−10)1.
2mlと硼砂0.7gとを溶解し、水酸化ナトリウムで
pH11に調整した。
【0081】ここに1次粒子の平均粒径が約12nmの
シリカ(トクヤマ製、商品名QS−20)の25%水分
散液400gを添加し、高速ホモジナイザーで分散し
た。
【0082】次に、この分散液中に、アルコール変性シ
リコンエマルジョン(東レ・ダウ・コーニング・シリコ
ーン株式会社製;商品名SM8706;有効成分30
%)を71ml添加した後、全体の液体積が1000m
lになるように純水を加えて半透明の塗布液を得た。こ
のとき塗布液のpHは7.3であった。
【0083】このようにして得られた塗布液を、坪量1
70g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆した紙
支持体(厚さ260μm、記録面側のポリエチレン層中
に6質量%のアナターゼ型二酸化チタン含有)上の記録
面側に湿潤膜厚が180μmになるように塗布し、8℃
雰囲気下で10秒間冷却した後、30℃の風で60秒
間、50℃の風で60秒間、70℃の風で60秒間乾燥
した後、25℃、相対湿度50%で調湿してインクジェ
ット記録用紙101を得た。尚、記録用紙101ではア
ルコール変性シリコンエマルジョン(東レ・ダウ・コー
ニング・シリコーン株式会社製;商品名SM8706)
の有効成分の付量は3.6g/m2である。
【0084】記録用紙101の作製において使用したア
ルコール変性シリコンエマルジョンに代えて、アミノ変
性シリコンエマルジョン(東レ・ダウ・コーニング・シ
リコーン株式会社製;商品名BY22−816)を付量
3.6g/m2になるように使用した以外は、記録用紙
101の作製と同じにして記録用紙102を作製した。
【0085】記録用紙101の作製において使用したア
ルコール変性シリコンエマルジョンの付量3.6g/m
2に代えて表1に示す付量になる量を使用する以外は記
録用紙101の作製と同じにして記録用紙103〜10
7を作製した。
【0086】記録用紙101の作製において使用したア
ルコール変性シリコンエマルジョン(付量3.6g/m
2)に代えてポリビニルアルコール(クラレ製:PVA
235)を付量3.6g/m2になるように使用した以
外は記録用紙101の作製と同じにして記録用紙108
を作製した。
【0087】記録用紙101の作製において使用したア
ルコール変性シリコンエマルジョン(付量3.6g/m
2)に代えてポリビニルアルコール(クラレ製;PVA
235)を付量2.6g/m2になるように使用した以
外は記録用紙101の作製と同じにして記録用紙109
を作製した。
【0088】記録用紙101の作製において使用した
シリカ(トクヤマ製、商品名QS−20)の25%水分
散液400gに代えて、同水分散液232gを添加する
ことと、アルコール変性シリコンエマルジョン(東レ
・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製;商品名S
M8706)を付量3.6g/m2に代えて1.5g/
2になるように添加すること以外は、記録用紙101
の作製と同じにして記録用紙110を作製した。
【0089】記録用紙101の作製において使用した
シリカ(トクヤマ製、商品名QS−20)の25%水分
散液400gに代えて、同じ水分散液764gを添加す
ることと、アルコール変性シリコンエマルジョン(東
レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製;商品名
SM8706)の付量3.6g/m2に代えて11.4
g/m2になるように添加すること以外は、記録用紙1
01の作製と同じにして記録用紙111を作製した。 《評価方法》 〈インク吸収性〉各インクジェット記録用紙にセイコー
エプソン社製インクジェットプリンターPM800Cで
緑のべた印字を行い、印字直後の印字部分を指でこすっ
て画像の乱れを目視評価した。インク吸収性の評価は以
下の5段階で行った。
【0090】 5;指でこすってもまったく画像の乱れがない 4;指でこすると僅かに画像が乱れる 3;やや画像がこすれて汚れるが、実用上問題は無い 2;画像がこすれて汚れてしまい、実用するには問題有
り 1;画像がこすれて汚れてしまい、実用不可 〈柔軟性〉各インクジェット記録用紙を27℃、相対湿
度22%で20時間調湿した後、直径がそれぞれ10m
m、20mm、30mm、40mmの円筒状のステンレ
ス棒に巻きつけ、インク吸収層のひび割れが生じる棒の
直径を調べた。当該値が小さいものほどインク吸収層は
柔軟であり、20mm以下のものは実用上問題無いが、
30mmのものは乾燥した室内等で記録面が割れる可能
性があり、40mmでは実用上問題があるレベルであ
る。柔軟性の評価は以下の5段階で行った。
【0091】 5;10mmでもひび割れが発生しない 4;10mmでひび割れの発生が始まる 3;20mmでひび割れの発生が始まる 2;30mmでひび割れの発生が始まる 1;40mmでひび割れの発生が始まる 結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】シリコンEm1:SM8706(東レ・ダ
ウ・コーニング・シリコーン株式会社製のアルコール変
性シリコンエマルジョン) シリコンEm:BY22−816(東レ・ダウ・コーニ
ング・シリコーン株式会社製のアミノ変性シリコンエマ
ルジョン) 表1から明らかなように、アルコール変性シリコンエマ
ルジョンを使用した記録用紙101も、アミノ変性シリ
コンエマルジョンを使用した記録用紙102も、インク
吸収性及び柔軟性は良好であって、本発明の効果を奏す
る。
【0094】また、記録用紙103、104及び105
のように、シリカ/シリコンエマルジョンの質量比が2
〜10の範囲であるとインク吸収性及び柔軟性ともに良
好である。特に、同比が小さい記録用紙106に対して
本発明の記録用紙103はインク吸収性が良好である。
また、同比が大きい記録用紙107に対して本発明の記
録用紙105は柔軟性が良好である。
【0095】ポリビニルアルコールを使用した記録用紙
108及び109よりも、本発明に係るシリコンエマル
ジョンを使用した記録用紙102及び104はインク吸
収性及び柔軟性ともに良好である。
【0096】尚、インク受容層の固形分付量が少なめの
記録用紙110や固形分付量が多めの記録用紙111よ
りも記録用紙101〜105のほうがインク吸収性及び
柔軟性を良好にすることが容易である。
【0097】実施例2 純水150mlにノニオン性アクリルポリマー型分散剤
(固形分40%、東亜合成製、商品名SD−10)1.
2mlと硼砂0.7gとを溶解し、水酸化ナトリウムで
pH11に調整した。
【0098】ここに1次粒子の平均粒径が約12nmの
シリカ(トクヤマ製、商品名QS−20)の25%水分
散液400gを添加し、高速ホモジナイザーで分散し
た。
【0099】次に、この分散液中に、アルコール変性シ
リコンエマルジョン(東レ・ダウ・コーニング・シリコ
ーン株式会社製;商品名SM8706)の有効成分30
%のものを67ml添加し、更にポリビニルアルコール
(クラレ製:PVA235)の7%水溶液16mlを添
加した後、全体の液体積が1000mlになるように純
水を加えて半透明の塗布液を得た。このとき塗布液のp
Hは7.3であった。
【0100】このようにして得られた塗布液を、坪量1
70g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆した紙
支持体(厚さ260μm、記録面側のポリエチレン層中
に6質量%のアナターゼ型二酸化チタン含有)上の記録
面側に湿潤膜厚が180μmになるように塗布し、8℃
雰囲気下で10秒間冷却した後、30℃の風で60秒
間、50℃の風で60秒間、70℃の風で60秒間乾燥
した後、25℃、相対湿度50%で調湿してインクジェ
ット記録用紙201を得た。
【0101】記録用紙201の作製において、アルコ
ール変性シリコンエマルジョンを有効成分付量が表2に
示した値になるように添加したこと、及びポリビニル
アルコールを固形分付量が表2に示した値になるように
して添加したこと以外は記録用紙201の作製と同じに
して記録用紙202〜208を作製した。
【0102】記録用紙201〜208はいずれも、シリ
カのバインダー(ポリビニルアルコールとシリコンエマ
ルジョンの和)に対する質量比は5であり、シリカの付
量は18.0g/m2であり、バインダーの付量は3.
6g/m2であり、インク受容層の固形分付量は21.
6g/m2であった。
【0103】次に、下記のようにして記録用紙209を
作製した。純水150mlにノニオン性アクリルポリマ
ー型分散剤(固形分40%、東亜合成製、商品名SD−
10)1.2mlと硼砂0.7gとを溶解し、水酸化ナ
トリウムでpH11に調整した。
【0104】ここに1次粒子の平均粒径が約12nmの
シリカ(トクヤマ製、商品名QS−20)の25%水分
散液160gを添加し、高速ホモジナイザーで分散し
た。
【0105】次に、この分散液中に、アルコール変性シ
リコンエマルジョン(東レ・ダウ・コーニング・シリコ
ーン株式会社製;商品名SM8706;有効成分30
%)を44ml添加し、更にポリビニルアルコール(ク
ラレ製:PVA235)の7%水溶液96mlを添加し
た後、全体の液体積が1000mlになるように純水を
加えて半透明の塗布液を得た。このとき塗布液のpHは
7.3であった。
【0106】このようにして得られた塗布液を、坪量1
70g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆した紙
支持体(厚さ260μm、記録面側のポリエチレン層中
に6質量%のアナターゼ型二酸化チタン含有)上の記録
面側に湿潤膜厚が180μmになるように塗布し、8℃
雰囲気下で10秒間冷却した後、30℃の風で60秒
間、50℃の風で60秒間、70℃の風で60秒間乾燥
した後、25℃、相対湿度50%で調湿してインクジェ
ット記録用紙209を得た。
【0107】次に、記録用紙209の作製において使用
したシリカ(トクヤマ製、商品名QS−20)の25%
水分散液160gに代えて320gを使用すること以外
は、記録用紙209の作製と同じにして記録用紙210
を作製した。
【0108】また、記録用紙209の作製において使用
したシリカ(トクヤマ製、商品名QS−20)の25%
水分散液160gに代えて567gを使用すること以外
は、記録用紙209の作製と同じにして記録用紙211
を作製した。
【0109】記録用紙201の作製において、シリカ
(トクヤマ製、商品名QS−20)の25%水分散液4
00gに代えて、同水分散液289g(付量13.0g
/m 2)を使用すること、アルコール変性シリコンエ
マルジョン(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式
会社製;商品名SM8706;有効成分30%)付量
3.4g/m2に代えて同付量4.3g/m2になるよう
に使用すること、ポリビニルアルコール(クラレ製;
PVA235)付量0.2g/m2に代えて同付量4.
3g/m2になるように使用すること、以外は記録用紙
201の作製と同じにして記録用紙212を作製した。
【0110】また、記録用紙212の作製におけるシ
リカ、アルコール変性シリコンエマルジョン、ポリ
ビニルアルコールの付量が、表2に示す値になるように
其々を使用して記録用紙212の作製と同じくして記録
用紙213〜218を作製した。
【0111】作製した記録用紙について実施例1と同様
にしてインク吸収性、柔軟性を評価した。
【0112】結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】 PVA:PVA235(親水性バインダー) シリカ:QS−20、平均粒径が約12nm Si−Em:SM8706(アルコール変性シリコンエ
マルジョン) 表2から明らかなように、全固形分付量が本発明の範囲
にあり、ポリビニルアルコールの質量(付量)がシリコ
ンエマルジョンの質量(付量)の2倍以下である記録用
紙(本発明の請求項2記載の発明の構成)はインク吸収
性及び柔軟性が共に良好であることわかる。
【0115】また、本発明の記録用紙はいずれも、ポリ
ビニルアルコールの質量がシリコンエマルジョンの質量
の2倍を超えるような記録用紙208よりも柔軟性に優
れていることがわかった。
【0116】更に、全固形分付量が本発明の範囲外にあ
る記録用紙209よりも本発明の記録用紙はいずれもイ
ンク吸収性が良好であることがわかった。
【0117】
【発明の効果】本発明により、高光沢性、高インク吸収
性であって、更にひび割れ等の無い柔軟性を備えたイン
クジェット記録用紙を提供できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも無機微粒子と、該無機微粒子
    と反応し得る基又は水素結合し得る基を有するシリコン
    エマルジョンを含む空隙層であって、前記無機微粒子の
    質量が前記シリコンエマルジョンの質量に対して2〜1
    0倍であるインク受容層を、非吸水性支持体上に有する
    ことを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 少なくとも無機微粒子、シリコンエマル
    ジョン及び親水性バインダーを含み、全固形分付量が1
    5〜45g/m2である空隙層であって、前記親水性バ
    インダーの質量が前記シリコンエマルジョンの質量の
    0.04倍以上2倍以下であるインク受容層を、非吸水
    性支持体上に有することを特徴とするインクジェット記
    録用紙。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子が、合成非晶質シリカで
    あることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェ
    ット記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記シリコンエマルジョンが、合成非晶
    質シリカが有するシラノール基と反応し得る基又は、水
    素結合し得る基を有することを特徴とする請求項3記載
    のインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】 前記無機微粒子が、平均粒径が15〜1
    50nmの合成非晶質シリカであることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット記録用
    紙。
  6. 【請求項6】 前記無機微粒子が、平均粒径が15〜1
    50nmの合成非晶質シリカであって、かつ前記シリコ
    ンエマルジョンが、アミノ変性シリコンエマルジョン、
    エポキシ変性シリコンエマルジョンまたはヒドロキシア
    リール基を有するアルコール変性シリコンエマルジョン
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記
    載のインクジェット記録用紙。
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