JP2005047082A - インクジェット記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】塗工液に軟凝集性がなく、インクジェット印刷において画像再現性に優れ、且つ印刷時の搬送性に優れる、顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたマットタイプインクジェット記録シートの提供。
【解決手段】この課題は、ノニオン性ウレタン樹脂バインダーを顔料100重量部に対して5〜40重量部含有し、且つ該シートの記録面同士のJIS P 8147(水平条件)で規定される動摩擦係数が0.60以下且つ動摩擦係数のR(振れ幅)が0.08以下であることによって解決される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗工後の記録層表面に平滑性が保証され、優れた画像再現性を持ち、且つ印刷時における搬送性に優れたインクジェット記録シートの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューター技術やデジタルカメラの飛躍的な進歩とその低価格化によってデジタル画像の取り扱いが極めて容易になり、それに伴って高性能なパーソナルプリンターが開発されて広く普及しており、銀塩写真並みのフルカラー印刷を手軽に行うことが可能になった。現在、パーソナルプリンターとして最も普及しているのはインクジェットプリンターであり、インクジェット方式の利点としては、多色化が容易なこと、高速印刷が可能であること、非接触型で低騒音であること、装置が小型で安価なことが挙げられる。
【0003】
インクジェット方式の画像形成システムは、以下の通りである。すなわち、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の各色のインクを、サーマル方式やピエゾ方式等によってノズルから微小な液滴として吐出し、記録媒体上に画像を形成せしめる。
【0004】
インクジェット記録用媒体に要求される特性としては、インク吸収容量が大きくインク吸収速度が速いこと、発色が鮮やかで均一であること、滲みが少なく解像度が高いこと等が挙げられる。
【0005】
上記の適性を得るため、インクジェット記録用紙においては、平均粒子径数μm〜10数μm程度の合成非晶質シリカを主成分とした、数μm〜数十μmの厚さのインク吸収層を基材上に形成させることで、より大きなインク吸収容量と鮮やかな発色性を実現した、いわゆるインクジェット専用紙が主流となっている。
【0006】
しかし、上記のようにμmオーダーの粒子径を持つ合成非晶質シリカを用いたインクジェット記録用紙は、記録層の表面の摩擦係数が大きく、プリンターに給紙される際に重送トラブルを発生しやすい。
【0007】
このインクジェット記録用紙における搬送性を解決する方法としては、記録面の反対面に適当量の滑剤を塗工してシートの表面と裏面の間の摩擦係数を下げる方法が従来提案されており、滑剤の種類としては、高級脂肪酸塩(特許文献1参照)、あるいはポリエチレンエマルジョン(特許文献2参照)が挙げられる。
【0008】
また、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を用いた紙において、摩擦係数が低すぎて紙がスリップし給排紙が出来なくなるという搬送トラブルを防ぐために、紙の表面にロジンエステルエマルジョンを塗布して静摩擦係数を一定以上の値に保つ方法も提案されており、類似技術として挙げられる。(特許文献3参照)
【0009】
また、バックコート層を設けて搬送性を改良する方法の一例として、インク受理層に粒子径10〜40nmのコロイダルシリカを含有せしめ、バックコート層にはガラス転移温度(Tg)が4〜30℃のラテックスを含有せしめることにより、記録シートとプリンターのピックアップロール、及び記録シートの表面と裏面の静摩擦係数をコントロールする方法も提案されている。(特許文献4参照)
【0010】
しかしながら、これらの方法はいずれも記録層の反対面(裏面)を摩擦係数のコントロール層とする方法であるため両面を記録層にすることが出来ない。
【0011】
また、裏面処理をしたシートのみを重ねてプリンターにセットしてある場合は裏面による摩擦係数制御は有効だが、裏面処理をしていないシートと混在している場合には全く効果を発揮しないという問題がある。
【0012】
インクジェット記録層表面の摩擦係数をコントロールする方法としては、記録層に特定の粒子径を有する有機球状粒子を含有せしめる方法が提案されている。
(特許文献5参照)
しかしながら、有機球状粒子は多孔質ではないためインクジェットインクの吸収性を有さず、大きな効果を得ようとして添加量を増やすほどインクジェット適性が悪化する上、塗工層からの脱落が問題となる恐れがある。
【0013】
シリカ100重量部に対して、バインダーとしてカチオン性ポリビニルアルコール、ノニオン性アクリル系エマルジョンおよび弱カチオン性ウレタン系エマルジョンをそれぞれ8〜12重量部使用するマット調インクジェット記録用紙の製造方法が開示されている。(特許文献6参照)。
しかしながらこの方法の場合には、表面にSiOHイオンを持ち、表面がアニオン性状を示すシリカにカチオン性であるカチオン性ポリビニルアルコールおよび弱カチオン性ウレタン系エマルジョンを使用することから、塗工液の調製時に軟凝集が生じ、塗工後の記録層表面の平滑性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0014】
【特許文献1】特開平8−337050号公報(第1−6頁)
【特許文献2】特開平10−278414号公報(第1−3頁)
【特許文献3】特開平9−11610号公報(第1−5頁)
【特許文献4】特開平6−278357号公報(第1−4頁)
【特許文献5】特開2002−292997号公報(第1−3頁)
【特許文献6】特開2002−2101号公報(第1−4頁)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、塗工後の記録層表面に平滑性が保証され、優れた画像再現性を持ち、且つ印刷時の搬送性に優れたインクジェット用紙は未だ存在しない。本発明は、塗工後の記録層表面に平滑性が保証され、インクジェット印刷において画像再現性に優れ、且つ印刷時の搬送性に優れるインクジェット用紙を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討の結果、インクジェット記録層の構成成分の一つであるバインダーの組成が、記録層表面の摩擦係数の重要な支配要素であることを見出し、本発明に至った。すなわち、マットタイプのインクジェット記録シートの記録層において、ノニオン性ウレタン樹脂バインダーを顔料100重量部に対して5〜35重量部含有し、該シートの記録面同士のJIS P 8147(水平条件)に規定される動摩擦係数を0.60以下且つ動摩擦係数のR(振れ幅)を0.08以下とすることで、塗工後の記録層表面に平滑性が保証され、高い画像再現性を保持しつつ印刷時の搬送性も優れたインクジェット記録シートを得ることに成功した。
該ポリウレタン樹脂バインダーの含有量が5重量部より少ない場合、動摩擦係数及び動摩擦係数のRの低下が小さく、搬送性の改善効果が不十分である。また、該ポリウレタン樹脂バインダーが5重量部以上含有されていても、他の条件、例えば記録層の組成や表面の平滑性などにより動摩擦係数が0.60を超える場合、または動摩擦係数のRが0.08を超える場合には、搬送性改善効果が不十分である。
なお、本発明における動摩擦係数のR(振れ幅)とは、振動の変動量のことであり、変動量の1/2の値ではない。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明においては、上記ウレタン樹脂バインダーの含有量を上記顔料100重量部に対して10〜35重量部とし、該シートの記録面同士のJIS P 8147(水平条件)に規定される動摩擦係数を0.55以下且つ動摩擦係数のRを0.05以下とすることが、より良好な搬送性を得るために望ましい。
【0018】
記録層に含有されるバインダー成分の総量は、顔料100重量部に対して30〜80重量部の範囲であることが望ましい。30重量部より少ない場合は塗工層強度が弱く、断裁時や印刷時の紙粉の発生によりプリンター内部を汚すし、80重量部より多い場合にはインク吸収性の低下が顕著になり鮮明な画像品位が得られない。また、バインダー総量に占める該ウレタン樹脂バインダーの比率が10〜50重量%であることが望ましく、10重量%より少ない場合は動摩擦係数及び動摩擦係数のRの低下効果が小さくなり、50重量%より多い場合には塗工層強度の低下を招く。
【0019】
本発明におけるウレタン樹脂バインダーは、ノニオン性である。記録層を形成する塗工液には、多く場合、表面性状がアニオン性である無機顔料とカチオン性である染料固着剤等が添加されるために、イオン性を持つバインダーは塗工液の調製時に軟凝集を起こしやすく、塗工後の記録層表面の平滑性に悪影響を与える場合がある。本発明ではノニオン製ウレタン樹脂バインダーを使用するのでその心配がない。
【0020】
塗工量が5g/mより少ない場合には、インクジェット印刷において、インク吸収容量の不足によりインクの溢れ、滲み、発色ムラ等を生じる。塗工量が25g/mより多い場合には記録層強度が低下し、また過剰なインク吸収容量により印字部のドット径が小さくなりすぎるために発色濃度の低下を招く。
【0021】
本発明のインクジェット記録層に用いられる顔料としては、非晶質シリカ、非晶質アルミナ、カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、珪酸リチウム、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マイカ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、擬ベーマイト、ハイドロキシアパタイト、層間化合物等の無機顔料や、アクリル/メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の単独重合体またはそれらを構成するモノマーを含む共重合体からなる球状あるいは不定形の有機顔料を用いることができる。以上のような顔料の中でも、優れたインクジェット適性を得るためには合成非晶質シリカや合成非晶質アルミナ等が好ましい。それらの製造法については限定されない。また、これらの顔料にカップリング剤や有機物による表面改質や、金属イオン交換法、気相蒸着法や液相析出法による表面処理など、多元的な機能性を付与させるための表面処理を施してもかまわない。また、要求される品質を得るためにこれらの顔料を2種類以上組み合わせて使用してもかまわない。
【0022】
本発明のインクジェット記録層には、ウレタン樹脂バインダーを顔料100重量部に対して5重量部以上、好ましくは10重量部以上含有することが必要であり、イオン性はノニオン性である。本発明におけるウレタン樹脂バインダーとは、イソシアネート基を有する成分と、ポリエーテルあるいはポリエステルに類するポリオール成分が反応してなる、ウレタン結合を有する樹脂の水系ディスパージョンあるいはエマルションを指す。この製法としてはブロックイソシアネート法、プリポリマー法、自己乳化法、転相乳化法等が挙げられるが、本発明においては限定されない。また重合度、Tg(ガラス転移温度)、MFT(最低造膜温度)等についても、記録層に所望の物性を与える目的において限定されない。
【0023】
本発明のインクジェット記録層には、ウレタン樹脂バインダーの他に、以下のようなバインダーを用いることが出来る。例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、でんぷん、変性でんぷん、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カゼイン、ゼラチン、テルペン等の水溶性バインダーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビスクロロメチルオキサシクロブタン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリ−p−キシリレン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体等のエマルジョン型バインダーを例示することができる。これらのバインダーの重合度やケン化度、Tg、MFTは限定されない。また、これらの分子鎖中に架橋性の官能基を付加しても構わない。
【0024】
本発明のインクジェット記録層は、インクジェットインクの定着性と発色性を向上させるために、カチオン性高分子を主成分とするインク定着剤を含有することが好ましい。これらの種類と添加量については本発明では限定されない。
【0025】
記録層に用いる塗工液には、必要に応じて分散剤、消泡剤、pH調整剤、湿潤剤、保水剤、増粘剤、架橋剤、離型剤、防腐剤、柔軟剤、ワックス、導電防止剤、帯電防止剤、サイズ剤、耐水化剤、可塑剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色染料、還元剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、脱臭剤等を適宜選定して添加することができる。また例えばシリカスラリーに含有させる、あるいはバインダーに含有させる等、これらを添加する場所、方法については限定されない。
【0026】
記録層は、このようにして調製された塗工液を一般の塗工機、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、リップコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ダイコーター、チャンブレックスコーターなどによってオフマシンあるいはオンマシンで、片面あたりの乾燥塗工量が5〜25g/mとなるように単層あるいは多層で、片面あるいは両面を塗工する。
【0027】
記録層の支持体としては、酸性または中性の上質紙や中質紙及び板紙、レジンコート紙、樹脂フィルム、不織布等が挙げられ、本発明では限定されないが、インクジェットインクの吸収性、平滑性、カラーの塗工適性を具備したものを使用することが好ましい。
【0028】
塗工後の乾燥方式としては熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥等が挙げられるが、本発明においては特に限定されるものではない。
【0029】
また、記録層表面の平滑性を制御する目的で、必要に応じてキャレンダー処理を行っても良い。キャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダー等が挙げられるが、この方式は特に限定されない。
【0030】
記録層表面に、別の機能を付与する加工を行ってもよい。例えば表面にインク定着剤をオーバーコートすることや、風合いを持たせるためにエンボス加工を行うこと等も、表面の摩擦特性を損なわない限りは、本発明において限定されない。また片面のみに記録層を設ける場合には、記録層の裏面に機能性の加工、例えば帯電防止加工、滑り性付与、樹脂ラミネート等を行っても構わない。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は特に断らない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0032】
実施例1:
<原紙の作成> LBKP100部(CSF=500ml)のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉1.0部、軽質炭酸カルシウム5.0部、中性ロジンサイズ剤0.25部を添加し調製した紙料を長網式抄紙機で抄紙し、坪量180g/mの原紙を得た。
<記録層用塗工液の調製> 平均粒径7μmの合成非晶質シリカ(商品名:サイロジェットP407、グレースデビソン社製)50部と平均粒径6μmの合成非晶質シリカ(商品名:74x6500、グレースデビソン社製)50部に、水とpH調整剤として酢酸0.2部を添加し、カウレス分散機で24%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール15部(商品名:PVA−117、クラレ社製)とポリウレタン樹脂バインダー20部(商品名:パスコールJK−830N、明成化学工業社製)及びポリエチレン酢酸ビニル(EVA)バインダー15部(商品名;スミカフレックス450、住友化学社製)及びインク定着剤15部(商品名;SR1001、住友化学社製)を添加・攪拌し、さらに水を添加し、固形分濃度が20%の塗工液を得た。この塗工液は軟凝集がない。
<記録層の形成> 上記の原紙の片面に、得られた塗工液を片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗工し、エアドライヤーで熱風乾燥した。さらに、ソフトカレンダーを用いて線圧30kg/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行った。
【0033】
実施例2:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを10部とし、EVAバインダーを25部とした以外は実施例1に準ずる。この塗工液は軟凝集がない。
【0034】
実施例3:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを5部とし、EVAバインダーを30部とした以外は実施例1に準ずる。この塗工液は軟凝集がない。
【0035】
実施例4:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを25部とし、EVAバインダーを10部とした以外は実施例1に準ずる。この塗工液は軟凝集がない。
【0036】
実施例5:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを20部とし、EVAバインダーの替わりにアクリル樹脂バインダー15部(商品名:パスコールJK−700、明成化学社製)を使用した以外は実施例1に準ずる。この塗工液は軟凝集がない。
【0037】
実施例6:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを20部とし、EVAバインダーの替わりにスチレン・アクリル樹脂バインダー15部(商品名:パスコールJK−712、明成化学社製)を使用した以外は実施例1に準ずる。この塗工液は軟凝集がない。
【0038】
実施例7:
片面乾燥塗工量を25g/mとした以外は実施例1に準ずる。
【0039】
実施例8:
片面乾燥塗工量を5g/mとした以外は実施例1に準ずる。
【0040】
実施例9:
原紙の両面に記録層を設けたこと以外は、実施例1に準ずる。
【0041】
実施例10:
原紙の両面に記録層を設けたこと以外は、実施例2に準ずる。
【0042】
実施例11:
原紙の両面に記録層を設けたこと以外は、実施例3に準ずる。
【0043】
実施例12:
原紙の両面に記録層を設けたこと以外は、実施例4に準ずる。
【0044】
比較例1:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを3部とし、EVAバインダーを32部とした以外は実施例1に準ずる。
【0045】
比較例2:
記録層にウレタン樹脂バインダーを使用せず、EVAバインダーを35部とした以外は実施例1に準ずる。
【0046】
比較例3:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを35部とし、EVAバインダーを使用しなかった以外は実施例1に準ずる。
【0047】
比較例4:
記録層にウレタン樹脂バインダーを使用せず、アクリル樹脂バインダーを20部、EVAバインダーを15部とした以外は実施例1に準ずる。
【0048】
比較例5:
記録層にウレタン樹脂バインダー使用せず、スチレン・アクリル樹脂バインダーを20部、EVAバインダーを15部とした以外は実施例1に準ずる。
【0049】
比較例6:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを20部とし、EVAバインダーを50部とした以外は実施例1に準ずる。
【0050】
比較例7:
記録層に用いるウレタン樹脂バインダーを5部とし、EVAバインダーを50部とした以外は実施例1に準ずる。
【0051】
比較例8:
記録層に用いるポリビニルアルコールを7.5部とし、ウレタン樹脂バインダーを10部とし、EVAバインダーを7.5部とした以外は実施例1に準ずる。
【0052】
比較例9:
記録層に滑り剤(商品名:SNコート950、サンノプコ社製)を2.5部添加した以外は比較例2に準ずる。
【0053】
比較例10:
記録層に滑り剤(商品名:SNコート950、サンノプコ社製)を5.0部添加した以外は比較例2に準ずる。
【0054】
比較例11:
片面乾燥塗工量を30g/mとした以外は実施例1に準ずる。
【0055】
比較例12:
片面乾燥塗工量を3g/mとした以外は実施例1に準ずる。
【0056】
以上の実施例及び比較例において得られたインクジェット記録シートについて、表1に記録層の摩擦係数と搬送性試験及びインクジェット印刷適性の評価結果を示す。
【0057】
<評価方法>
得られたインクジェット記録シートは、23℃−50%RHの恒温恒湿室で24時間調湿後、同環境下でそれぞれ下記の方法により、評価を行った。
【0058】
<記録層表面の摩擦係数>
得られた記録シートの記録面同士の摩擦係数を、ストログラフ(商品名:STROGRAPH−R2、東洋精機社製)を用いてJIS P 8147(水平条件)に準じて測定した。
【0059】
<搬送性試験>
得られた記録シートを100mm×148mmの大きさに断裁し、市販のフルカラーインクジェットプリンター(商品名:PM−900C、セイコーエプソン社製)を用いて、連続20枚×5回の計100枚、記録層側に印刷を行い、搬送不良(重送・紙詰まり等)の発生頻度を測定した。
【0060】
<インクジェット印刷適性>
市販のフルカラーインクジェットプリンター(商品名:PM−900C、セイコーエプソン社製)を用いて写真画像を印刷し、画像細部の潰れや境界部の滲み、発色の鮮やかさ、インク吸収速度を目視観察してインクジェット印刷適性を評価した。
【0061】
<塗工層強度>
RI印刷試験機(商品名:R−3、明製作所社製)を使用し、タックインク(商品名:SMXタックバリュー20、東洋インキ社製)を0.4ml用いて60rpmで3回刷り、印刷ロールへの塗工層の転移の程度を目視評価した。
【0062】
以上の物性の評価は、下記要領によって記述することにした。
◎…優れている、○…良い(実用レベル)、△…やや劣る(実用下限レベル)、×…劣る(実用に適さない)
【0063】
【表1】
Figure 2005047082
【0064】
【発明の効果】
本発明により、塗工液に軟凝集性がなく、インクジェット印刷において画像再現性に優れ、且つ印刷時の搬送性に優れるインクジェット記録シートを得ることが出来た。

Claims (3)

  1. 支持体上の少なくとも片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたマットタイプインクジェット記録シートにおいて、ノニオン性ウレタン樹脂バインダーを顔料100重量部に対して5〜40重量部含有し、且つ該シートの記録面同士のJIS P 8147(水平条件)で規定される動摩擦係数が0.60以下且つ動摩擦係数のR(振れ幅)が0.08以下であることを特徴とする、インクジェット記録シート。
  2. 記録層に含有されるバインダー成分の総量が顔料100重量部に対して30〜80重量部であり、バインダー総量に占める該ウレタン樹脂バインダーの比率が10〜50重量%であることを特徴とする、請求項1記載のインクジェット記録シート。
  3. 乾燥塗工量が5〜25g/mであることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一つに記載のインクジェット記録シート。
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