JP2003063015A - インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法

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JP2003063015A
JP2003063015A JP2001254138A JP2001254138A JP2003063015A JP 2003063015 A JP2003063015 A JP 2003063015A JP 2001254138 A JP2001254138 A JP 2001254138A JP 2001254138 A JP2001254138 A JP 2001254138A JP 2003063015 A JP2003063015 A JP 2003063015A
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plate
orifice
pressure chamber
head substrate
ink
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JP2001254138A
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Isao Suzuki
伊左雄 鈴木
Masashi Shimozato
正志 下里
Takashi Harakawa
崇 原川
Jun Sugiyama
旬 杉山
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価なレーザ加工設備でインクジェットプリ
ンタヘッドにテーパ付オリフィスを形成するとともにオ
リフィスのインク吐出性能の低下を防止する。 【解決手段】 プレート接着工程後に、圧力室2側から
プレート4にレーザビームを照射してプレート4を貫通
するテーパ付オリフィス3をプレート4に形成する。こ
のレーザ孔明け加工は、一般的なレンズにより孔明け加
工を行なうことができる。また、プレート接着工程にお
いて、プレート4をヘッド基板1の一方の面に接着剤A
によって積層接着する際に、接着剤Aがプレート4とヘ
ッド基板1との接合部からはみ出した場合にも、オリフ
ィス形成工程においてレーザビームによりプレート4の
テーパ付オリフィス3形成部位にある接着剤Aが除去さ
れるので、テーパ付オリフィス3内に接着剤Aが侵入す
ることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写
機、ファクス等に使用されるインクジェットプリンタヘ
ッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開昭63−247051号公
報等をはじめ、圧電材料のシェアモード(せん断モー
ド)を利用したインクジェットプリンタヘッドが従来よ
り提案されている。このようなインクジェットプリンタ
ヘッドでは、圧力室のインクをオリフィスへ送ってオリ
フィスからインクを吐出している。このオリフィスをイ
ンクジェットプリンタヘッドに設ける方法として、オリ
フィスが形成されたプレートを圧力室の開放された前端
に接着する方法が開示されている。
【0003】しかしながら、オリフィスが形成されたプ
レートを接着する方法では、接着時に接着剤がオリフィ
スに流入しインク吐出性能が悪くなるという問題が生じ
ることがある。
【0004】この問題を解決する為に、圧力室の開放さ
れた前端にまずプレートを接着し、その後、圧力室と反
対側からプレートにオリフィスを形成する方法が特開平
03−169559号公報に開示されている。
【0005】また、オリフィスには、インクの吐出にお
けるインク小滴の速さと方向安定性を向上させる為に、
インク流入側からインク吐出側に向かうにつれてオリフ
ィスの円周長を減らし吐出側に向かうにつれオリフィス
断面が細くなるテーパを付けることが望ましい(以降、
このようなテーパを付けられたオリフィスをテーパ付オ
リフィスという)。テーパ付オリフィスは、プレートに
例えば一般的なレーザ孔明け加工技術により形成される
が普通である。一般的なレーザ孔明け加工技術では、レ
ーザビームの照射方向に進むに従い細くなるテーパをオ
リフィスに付与することができる。
【0006】しかし、このような一般的なレーザ孔明け
加工技術でインクジェットプリンタヘッドにテーパ付オ
リフィスを設ける場合には、まず、プレートにテーパ付
オリフィスを形成した後に、そのプレートを圧力室の開
放された前端に接着することにより行われる。これは、
プレートを圧力室の前端に接着した後に圧力室側からの
レーザビーム照射が圧力室を形成する後壁のためにでき
ないためであるが、この場合、上述したオリフィスへの
接着剤流入問題が生じてしまう。
【0007】この問題を解決する為に、圧力室の開放さ
れた前端にまずプレートを接着し、その後、圧力室と反
対側からプレートにレーザビームを照射してテーパ付オ
リフィスを形成する方法が、特表平6−510958号
公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法を実行する場合には、レーザビームの方向を変える複
数の反射板が必要であったり、また、一般的なレンズよ
り高価な広角度の光を集めるレンズ(高NAレンズ)な
どの特別なレンズを必要とするために加工設備が高価な
ものとなってしまう。
【0009】本発明の目的は、安価なレーザ加工設備で
インクジェットプリンタヘッドにテーパ付オリフィスを
形成することである。
【0010】本発明の別の目的は、オリフィスのインク
吐出性能の低下を防止することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインクジ
ェットプリンタヘッドの発明は、予め分極された圧電部
材により少なくとも一部が形成されたヘッド基板と、前
記ヘッド基板に形成されてそのヘッド基板の板厚方向に
貫通し、側壁の少なくとも一部が前記圧電部材からなる
複数の圧力室と、前記圧力室の側壁に形成された複数の
内部電極と、前記圧力室に連通する複数のオリフィスを
有して前記ヘッド基板の一方の面に積層接着されたプレ
ートと、前記プレート側では前記ヘッド基板に対向する
面にのみ付着して前記プレートと前記ヘッド基板とを接
着している接着剤と、前記圧力室にインクを供給するイ
ンク供給部を有し前記ヘッド基板の前記プレートが接着
されている面と反対の面に接合されたカバーと、を具備
する。
【0012】したがって、オリフィス内に接着剤は存在
していないので、オリフィスから吐出されるインクの流
れが接着剤によって阻害されることがない。
【0013】ここで、請求項1記載のインクジェットプ
リンタヘッドにおいて、前記ヘッド基板は、予め分極さ
れた2枚の圧電部材と少なくとも1枚の非圧電部材とが
板幅方向に接合され形成されてもよい(請求項2)。
【0014】ここで、請求項1又は2記載のインクジェ
ットプリンタヘッドにおいて、前記オリフィスは、前記
圧力室から遠ざかるに従い細くなる形状であってもよい
(請求項3)。
【0015】請求項4記載のインクジェットプリンタヘ
ッドの製造方法の発明は、予め分極された圧電部材を有
する基材の一方の面に、側壁の少なくとも一部が前記圧
電部材からなる複数の溝を形成する溝形成工程と、前記
溝の前記側壁に内部電極を形成する内部電極形成工程
と、前記基材に閉塞部材を接合してブロック材を形成す
ることにより前記溝の開放面を閉塞し圧力室を形成する
圧力室形成工程と、前記基材と前記閉塞部材との接合面
に対して直交する方向に前記ブロック材をスライスする
ことにより前記基材に形成した前記圧力室を有するヘッ
ド基板を形成するスライス工程と、前記圧力室の一端を
塞ぐプレートを前記ヘッド基板の一方の面に接着剤によ
って積層接着するプレート接着工程と、前記プレート接
着工程後、前記圧力室側から前記プレートにレーザビー
ムを照射して、前記プレートを貫通するオリフィスを前
記プレートに形成するオリフィス形成工程と、前記ヘッ
ド基板の前記圧力室にインクを供給するインク供給部を
有するカバーを前記ヘッド基板の前記プレートが接着さ
れている面と反対の面に接合するカバー接合工程と、よ
りなる。
【0016】したがって、プレート接着工程において、
プレートをヘッド基板の一方の面に接着剤によって積層
接着する際に、例えば接着剤がプレートとヘッド基板と
の接合部からはみ出した場合にも、プレート接着工程後
のオリフィス形成工程において、圧力室側からプレート
にレーザビームを照射してプレートを貫通するオリフィ
スをプレートに形成する際にレーザビームによりプレー
トのオリフィス形成部位にある接着剤が除去されるの
で、オリフィス内に接着剤が侵入することがなく、オリ
フィスから吐出されるインクの流れが接着剤によって阻
害されることがない。
【0017】ここで、請求項4記載のインクジェットプ
リンタヘッドの製造方法において、前記オリフィス形成
工程は、前記オリフィス形成中に前記レーザビームを徐
々に弱くすることにより前記オリフィスを前記圧力室か
ら遠ざかるに従い細くなるように形成してもよい(請求
項5)。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1ない
し図11に基づいて説明する。まず、図1及び図2を参
照してインクジェットプリンタヘッドHの構成について
説明する。図1は、インクジェットプリンタヘッドHの
縦断側面図、図2は、インクジェットプリンタヘッドH
の斜視図である。
【0019】インクジェットプリンタヘッドHは、扁平
薄板状のヘッド基板1と、このヘッド基板1に形成され
た圧力室2の前端に連通するテーパ付のオリフィス3
(以降、テーパ付オリフィス3という)が複数形成され
てヘッド基板1の扁平な前面に積層接着されたプレート
4と、圧力室2にインクを供給するインク供給部5を有
してヘッド基板1の後面に接合されたカバー6とを有す
る。このカバー6は、扁平な容器状に形成され、内部に
各圧力室2に連通された共通インク室7が形成されてい
る。
【0020】ヘッド基板1は、予め分極された2枚の圧
電部材8,9と1枚の非圧電部材10とを板幅方向に接
合することにより形成されている。圧力室2は、2枚の
圧電部材8,9の接合面に跨るように形成されてそれら
の圧電部材8,9の板厚方向に貫通されている。圧電部
材8,9は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電
材料を用いて形成されている。非圧電部材10は、圧電
性の無い材料により形成されている。そして、圧電部材
8,9は、上下方向の分極方向が相反するように接合さ
れていて、後述する内部電極に電圧を印加すると圧力室
2の側壁がくの字状に変形するため、テーパ付オリフィ
ス3からインクが吐出される。
【0021】テーパ付オリフィス3は、プレート4の後
面(圧力室2側の面)に形成されたインク流入口11か
ら、プレート4の前面に形成されインク流入口11より
小さいインク吐出口12に到るように形成されている。
このテーパ付オリフィス3は、インク流入口11からイ
ンク吐出口12に向かうにつれて円周長を減らしインク
吐出口12に向かうに従い細くなる形状に形成されてい
る。即ち、テーパ付オリフィス3は、圧力室2から遠ざ
かるに従い細くなる形状である。これにより、インクの
吐出におけるインク小滴の速さと方向安定性を向上させ
ることが可能となる。
【0022】インクジェットプリンタヘッドHの細部の
構成については、図3ないし図11を参照して製造工程
順に説明する。
【0023】まず、図3(a)(b)に示すように、平
坦板状の圧電部材80,90を分極方向が相反するよう
に(換言すれば同極同士が重なるように)接合する。接
合は接着剤(図示せず)により行う。接合された圧電部
材80,90は、基材を構成する。
【0024】次に、図4に示すように、一方の圧電部材
90の表面から他方の圧電部材80に達する深さの溝1
3を複数平行に形成する(溝形成工程)。これらの溝1
3は、ICウェハーの切断等に用いられているダイシン
グソーのダイヤモンドホイール等により互いに平行に研
削される。これら溝13の両側には、溝13を形成する
側壁14が形成される。溝13のサイズは、インクジェ
ットプリンタヘッドHの仕様などにより異なるが、例え
ば溝の深さが0.2〜1mm、幅が20〜200μm程
度となる。なお、圧電部材90の厚さは溝13の深さの
略半分の厚さであるが、もっと厚いものを用いて後で研
磨等でにより厚さを定めてもよい。圧電部材80の厚さ
は、カバー6の接合等を考慮して設計する。
【0025】次に、溝13の内面(側壁14の壁面)
に、内部電極15となる金属膜を形成する(内部電極形
成工程)。この例では無電解ニッケルメッキ法によりニ
ッケル膜を形成した上に、電解金メッキ法により金膜を
形成する。側壁14の上の金属膜は不要であるので、予
めマスキングしてメッキするか、メッキ後に研磨等で切
除してもよい。また、メッキ法によらずとも、スパッタ
法、蒸着法等、周知の技術で内部電極を形成してもよ
い。但しこの場合、溝13の底付近まで電極膜を形成す
る必要があるので、溝13の深さや幅に応じて、適宜な
方法を選択する必要がある。また、圧電材料80,90
は熱により劣化するので、使用する材料に応じて、成膜
時にかかる温度は制限される。
【0026】次に、図5及び図6に示すように、溝13
の開放面を塞ぐように非圧電性の閉塞部材100を基材
である圧電部材90に接着により接合しブロック材16
を形成する(圧力室形成工程)。このとき、溝13の両
端部は塞がない。閉塞部材100の材料は後述するスラ
イス加工や、配線電極の形成を考慮して選択するとよ
い。本実施の形態では閉塞部材100の材料として快削
性セラミックスを用いた。スライス加工を重視すると圧
電部材を用いることも有効であるが、分極する必要は無
い。
【0027】次に、ブロック材16を図6に示す点線に
沿ってスライスする(スライス工程)。このスライス加
工は、ダイヤモンドカッターや、バンドソー、ワイヤー
ソー等周知の技術により行う。このスライスによりブロ
ック材16から複数枚のヘッド基板1が形成される。
【0028】図7は、スライスされた1枚のヘッド基板
1を示すものである。このヘッド基板1の圧電部材8,
9は、図6における圧電部材80,90をスライスした
薄板のチップであり、非圧電部材10は、図6における
閉塞部材100をスライスした薄板のチップである、こ
れらにより、扁平薄板状のヘッド基板1が形成される。
この状態では、一面が開放されていたコの字形の溝13
は周面が閉塞された圧力室2となる。この圧力室2は、
ヘッド基板1の板厚方向に貫通されることになる。ヘッ
ド基板1の厚さ、すなわち圧力室2の長さは、ブロック
材16をスライスする厚さであり、本実施の形態では
0.5〜30mm程度である。そして圧力室2の内面に
は2枚の圧電部材8,9が跨る両側壁14の表面に内部
電極15が形成されている。なお、スライス面には、プ
レート4やカバー6が接着されるので、厚めにスライス
して、研磨やラッピング等で面仕上げを兼ねて厚さを出
してもよい。
【0029】次に、図7に示すように、ヘッド基板1の
一面に複数の配線電極17を形成する(配線電極形成工
程)。配線電極17は前述した内部電極15と導通する
必要があるので、電極となる膜が圧力室2に回りこむ金
属膜形成方法がよい。ここではスパッタ法によりアルミ
膜を形成する。このとき、内部電極15の場合と同様
に、予めマスキングするか、成膜後に必要部分をマスキ
ングしてエッチングにより除去する等、周知の方法でパ
ターニングする。
【0030】次に、図8に示すように、プレート4を、
配線電極17が形成されていないヘッド基板1の面に積
層し接着剤Aにより接着し圧力室2の一端を塞ぐ(プレ
ート接着工程)。具体的には、接着剤Aをプレート4と
ヘッド基板1との接合部に塗布し、その後、圧力室2の
一端を塞ぐようにプレート4をヘッド基板1に積層し接
着する。このとき、図9に示すように、接着剤Aがプレ
ート4とヘッド基板1との接合部以外のプレート4の後
面などにはみ出すことがあってもよい。さらには、接着
剤Aを塗布する際にプレート4とヘッド基板1との接合
部以外のプレート4の後面に塗布しても問題ない。ここ
で、プレート4は、レーザ孔明け加工性が良好のもので
あればよく、本実施の形態では、エキシマレーザ加工性
が良好な高分子樹脂フィルムを使用している。
【0031】プレート接着工程後、図10に示すよう
に、プレート4の圧力室2側からプレート4に対してレ
ーザビームを照射して、複数のテーパ付オリフィス3を
プレート4に形成する(オリフィス形成工程)。この
際、圧力室2の後端が扁平薄板状のヘッド基板1の後面
に開口しているので、プレート4のテーパ付オリフィス
3の孔明け位置と圧力室2の側壁14との位置関係を容
易に認識できるので、テーパ付オリフィス3の位置精度
が向上する。ここで、本実施の形態では、レーザとして
エキシマレーザを用いている。
【0032】このとき、プレート接着工程においてプレ
ート4とヘッド基板1との接合部からはみ出した状態の
接着剤A及びプレート4とヘッド基板1との接合部以外
のプレート4の後面に塗布された接着剤ごとレーザ孔明
け加工を行なうことにより、レーザビームは、接着剤A
及びプレート4を貫きプレート4にテーパ付オリフィス
3を形成する。
【0033】このとき、レーザビームを制御することに
よりテーパ付オリフィス3をプレート4の後面から前面
に向かうにつれてその円周長を減らしプレート4の前面
に向かうに従い細くなるように、即ち、圧力室2から遠
ざかるに従い細くなるように形成する。ここで、テーパ
付オリフィス3のプレート4後面側がインク流入口11
とされ、プレート4前面側がインク吐出口12とされ
る。
【0034】さらに、このとき、プレート4のオリフィ
ス形成部位にある接着剤Aがレーザビームにより除去さ
れるので、テーパ付オリフィス3内に接着剤Aが侵入す
ることがない。よって、テーパ付オリフィス3内に接着
剤Aは存在しない。即ち、接着剤Aは、プレート4の後
面にのみ存在する状態となる。
【0035】ここで、このようなレーザビーム照射方向
に進むに従い細くなるテーパ付オリフィス3を形成する
レーザ孔明け加工技術については周知の技術であるので
詳しい説明は省略するが、概略的にはテーパ付オリフィ
ス3形成中にレーザビームを徐々に弱くすることにより
行われる。このレーザ孔明け加工は、レーザビーム照射
方向と逆方向に進むに従い細くなるテーパ付オリフィス
3を形成するのに必要とされるレーザビームの方向を変
える複数の反射板や一般的なレンズより高価な高NAレ
ンズなどの特別なレンズなどを必要とせず、一般的なレ
ンズにより孔明け加工をすることができる。
【0036】なお、配線電極17と、外部の駆動電圧発
生手段とを繋ぐ方法によっては、配線電極17が形成さ
れた面にプレート4を接着してもよい。
【0037】次に、図11に示すように、インク供給部
5、共通インク室7(図1参照)を有するカバー6を、
ヘッド基板1のプレート4とは反対の面に接合する(カ
バー接合工程)。このとき、共通インク室7と圧力室2
とが整合するように位置合わせして接着する。カバー6
は、樹脂成形、金属成形、金属の切削加工等、周知の方
法で作成すればよいが、材質は使用するインクに対する
耐性があることを考慮する。また、接着に熱が必要な場
合には、カバー6の寸法形状にもよるが、そり防止のた
めに熱膨張率も考慮するとよい。なお、カバー6のイン
ク供給部5に、インクタンク(図示せず)からのインク
を受け入れる接続管18(図2参照)を接続してもよ
い。
【0038】このような構成において、配線電極17を
通じて所望の圧力室2の内部電極15に電圧を印加する
と、その圧力室2の両側壁14の変形動作により、圧力
室2内のインクがインク流入口11よりテーパ付オリフ
ィス3へ送られテーパ付オリフィス3を通過してインク
吐出口12から吐出される。このとき、テーパ付オリフ
ィス3内に接着剤Aは存在していないことにより、テー
パ付オリフィス3から吐出されるインクの流れが接着剤
Aにより阻害されることがないので、テーパ付オリフィ
ス3のインク吐出性能の低下が防止される。
【0039】また、圧力室2側からテーパ付オリフィス
3を形成するので、レーザビームの方向を変える複数の
反射板や一般的なレンズより高価な高NAレンズなどの
特別なレンズなどを必要とせず、一般的なレンズにより
孔明け加工を行なうことができるので、安価なレーザ加
工設備でテーパ付オリフィス3を形成することができ
る。
【0040】なお、前述の製造方法においては、溝形成
工程の直ぐ後に内部電極15を形成したが、ブロック材
16をスライスしてヘッド基板1を作成した時点で内部
電極15を成膜してもよい。この方法は、ヘッド基板1
の厚みが薄い、即ち、圧力室2の長さが短い場合に有効
である。
【0041】次に、図示しないが、変形例について説明
する。前記実施の形態では、2枚の圧電部材8,9を接
合したが、この例は、2枚の圧電部材8,9のどちらか
一方に代えて非圧電材部材を用いた例である。この場
合、ヘッド基板1及びインクジェットプリンタヘッドH
全体の構成及び製造方法は前記実施の形態とまったく同
様である。違う点は、圧力室2の側壁14の全高さのう
ちの半分、すなわち、圧電部材により形成されている領
域の側壁14が電圧印加により駆動され、残る半分はそ
の動きに引きずられて変形し、前述した実施の形態とほ
ぼ同様な動きをする。但し、変形が小さいので前述した
実施の形態より印加電圧が高くなる。しかしながら、比
較的高価な圧電材料を1枚しか使用しないので、コスト
ダウンが期待できる。
【0042】次に、別の変形例について説明する。この
例は、前記実施の形態における2枚の圧電部材8,9の
うちの1枚を用いて圧力室2を形成し、その圧力室2の
側壁14の全高さの略半分の高さの領域に内部電極15
を形成したものである。この場合、先の変形例と同様に
圧力室2の側壁14の半分が、電圧印加により駆動さ
れ、残る半分はその動きに引きずられて変形し、前述し
た実施の形態とほぼ同様な動きをする。また、印加電圧
も同様に高い。比較的高価な圧電材料を1枚しか使用し
ないことに加え、ヘッド基板を構成する部品数も少なく
することができるので、よりコストダウンが期待でき
る。この場合には、スライス工程前の溝加工工程の後
に、圧電部材の表面と直交する直線に対して傾斜する方
向から蒸着法により金属膜を形成するとよい。
【0043】以上の変形例を含めて、ヘッド基板を構成
する材料の組み合わせを変えることにより、従来より知
られているシェアモードヘッドの種々の形態に対応する
ことができる。
【0044】なお、本実施の形態では、オリフィスとし
てテーパ付オリフィス3を例に説明したが、オリフィス
の形状はこれに限るものではなく、例えば、断面一定の
円筒形オリフィスであってもよい。この場合には、勿
論、インク流入口11とインク吐出口12とは同じ大き
さとなる。
【0045】
【発明の効果】請求項1ないし3記載のインクジェット
プリンタヘッドの発明によれば、オリフィス内に接着剤
は存在していないことにより、オリフィスから吐出され
るインクの流れが接着剤によって阻害されることがない
ので、オリフィスのインク吐出性能の低下を防止するこ
とができる。
【0046】請求項4記載のインクジェットプリンタヘ
ッドの製造方法の発明によれば、プレート接着工程にお
いて、プレートをヘッド基板の一方の面に接着剤によっ
て積層接着する際に、例えば接着剤がプレートとヘッド
基板との接合部からはみ出した場合にも、プレート接着
工程後のオリフィス形成工程において、圧力室側からプ
レートにレーザビームを照射してプレートを貫通するオ
リフィスをプレートに形成する際にレーザビームにより
プレートのオリフィス形成部位にある接着剤が除去され
るので、オリフィス内に接着剤が侵入することがなく、
オリフィスから吐出されるインクの流れが接着剤によっ
て阻害されることがないので、オリフィスのインク吐出
性能の低下を防止することができる。
【0047】請求項5記載のインクジェットプリンタヘ
ッドの製造方法の発明によれば、圧力室側からプレート
にレーザビームを照射してそのレーザビームを徐々に弱
くすることによりオリフィスを前記圧力室から遠ざかる
に従い細くなるように形成するので、レーザビーム照射
方向と逆方向に進むに従い細くなるオリフィスを形成す
るのに必要とされる例えばレーザビームの方向を変える
複数の反射板や一般的なレンズより高価な高NAレンズ
などの特別なレンズなどを必要とせず、一般的なレンズ
により孔明け加工を行なうことができるので、安価なレ
ーザ加工設備で圧力室から遠ざかるに従い細くなるオリ
フィスを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態におけるインクジェット
プリンタヘッドの縦断側面図である。
【図2】インクジェットプリンタヘッドの斜視図であ
る。
【図3】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を示
すもので、ヘッド基板を構成する圧電部材を接合する状
態を示す斜視図である。
【図4】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を示
すもので、(a)は溝形成工程及び内面電極形成工程の
状態を示す斜視図、(b)は溝形成工程の状態を示す一
部拡大の正面図である。
【図5】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を示
すもので、圧力室形成工程の状態を示す斜視図である。
【図6】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を示
すもので、スライス工程の状態を示す斜視図である。
【図7】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を示
すもので、配線電極形成工程の状態を示す斜視図であ
る。
【図8】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を示
すもので、プレート接着工程の状態を示す斜視図であ
る。
【図9】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を示
すもので、プレート接着工程の状態を示す一部拡大の水
平断面図である。
【図10】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を
示すもので、オリフィス形成工程の状態を示す一部拡大
の水平断面図である。
【図11】インクジェットプリンタヘッドの製造過程を
示すもので、カバー接合工程の状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ヘッド基板 2 圧力室 3 オリフィス(テーパ付オリフィス) 4 プレート 5 インク供給部 6 カバー 8,9 圧電部材 10 非圧電部材 13 溝 14 側壁 15 内部電極 16 ブロック材 80,90 基材、圧電部材 100 閉塞部材 A 接着剤 H インクジェットプリンタヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原川 崇 静岡県三島市南町6番78号 東芝テック株 式会社三島事業所内 (72)発明者 杉山 旬 静岡県三島市南町6番78号 東芝テック株 式会社三島事業所内 Fターム(参考) 2C057 AF93 AG45 AP12 AP13 AP23 AP25 BA05 BA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め分極された圧電部材により少なくと
    も一部が形成されたヘッド基板と、 前記ヘッド基板に形成されてそのヘッド基板の板厚方向
    に貫通し、側壁の少なくとも一部が前記圧電部材からな
    る複数の圧力室と、 前記圧力室の側壁に形成された複数の内部電極と、 前記圧力室に連通する複数のオリフィスを有して前記ヘ
    ッド基板の一方の面に積層接着されたプレートと、 前記プレート側では前記ヘッド基板に対向する面にのみ
    付着して前記プレートと前記ヘッド基板とを接着してい
    る接着剤と、 前記圧力室にインクを供給するインク供給部を有し前記
    ヘッド基板の前記プレートが接着されている面と反対の
    面に接合されたカバーと、を具備するインクジェットプ
    リンタヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ヘッド基板は、予め分極された2枚
    の圧電部材と少なくとも1枚の非圧電部材とが板幅方向
    に接合され形成された請求項1記載のインクジェットプ
    リンタヘッド。
  3. 【請求項3】 前記オリフィスは、前記圧力室から遠ざ
    かるに従い細くなる形状である請求項1又は2記載のイ
    ンクジェットプリンタヘッド。
  4. 【請求項4】 予め分極された圧電部材を有する基材の
    一方の面に、側壁の少なくとも一部が前記圧電部材から
    なる複数の溝を形成する溝形成工程と、 前記溝の前記側壁に内部電極を形成する内部電極形成工
    程と、 前記基材に閉塞部材を接合してブロック材を形成するこ
    とにより前記溝の開放面を閉塞し圧力室を形成する圧力
    室形成工程と、 前記基材と前記閉塞部材との接合面に対して直交する方
    向に前記ブロック材をスライスすることにより前記基材
    に形成した前記圧力室を有するヘッド基板を形成するス
    ライス工程と、 前記圧力室の一端を塞ぐプレートを前記ヘッド基板の一
    方の面に接着剤によって積層接着するプレート接着工程
    と、 前記プレート接着工程後、前記圧力室側から前記プレー
    トにレーザビームを照射して、前記プレートを貫通する
    オリフィスを前記プレートに形成するオリフィス形成工
    程と、 前記ヘッド基板の前記圧力室にインクを供給するインク
    供給部を有するカバーを前記ヘッド基板の前記プレート
    が接着されている面と反対の面に接合するカバー接合工
    程と、よりなるインクジェットプリンタヘッドの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記オリフィス形成工程は、前記オリフ
    ィス形成中に前記レーザビームを徐々に弱くすることに
    より前記オリフィスを前記圧力室から遠ざかるに従い細
    くなるように形成する請求項4記載のインクジェットプ
    リンタヘッドの製造方法。
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