JP3381480B2 - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JP3381480B2 JP25616995A JP25616995A JP3381480B2 JP 3381480 B2 JP3381480 B2 JP 3381480B2 JP 25616995 A JP25616995 A JP 25616995A JP 25616995 A JP25616995 A JP 25616995A JP 3381480 B2 JP3381480 B2 JP 3381480B2
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宣裕 近藤
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術分野】本発明は、インクジェットヘッド及
びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のインクジェットヘッドには、例え
ば図4に示すように、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)
系の圧電性セラミック材料からなる流路基板aの上面
に、複数本(図示では8本)のインク流路b…が、一定
間隔で平行に設けられている。インク流路bの形状は、
前面に開口し、一定の深さで一定の長さだけ後方へ向か
い、後端部は底面が湾曲して次第に浅くなり、やがて流
路が無くなっている。インク流路bの対向する両側壁に
は、ほぼ半分の深さだけの駆動電界印加用の電極c…が
形成してあり、両側壁の電極c,cは後端部に至って連
続し、流路基板aの上面を後方へ向かって電極接続部d
…となって延伸している。 【0003】流路基板aの上面には、カバープレートe
が接合してある。カバープレートの中央部には窓孔fが
開設してある。この窓孔によって、インク流路bの後端
部が窓孔fを介して開放状態になっている。この窓孔f
内に、図示しないが、インク流路b上にインクを供給す
る共通インク室を有するマニホールド部材が配設され
る。電極接続部d…はカバープレートeの後端部から露
出している。 【0004】流路基板a及びカバープレートeの前端面
に、ノズルプレートgが接合される。このノズルプレー
トgには各インク流路b…に対向するノズルh…が開口
してある。カバープレートe及びノズルプレートgは、
通常ポリエチレン,ポリスチレン,ポリサルフォン等の
合成樹脂製のものである。 【0005】各電極接続部d…は、FPCやリジット基
板iの対応する電極jにワイヤkを用いてワイヤボンデ
ィングにて接続され、駆動制御用ドライバへ導通してい
る。電極cに駆動電界が印加されると、側壁に剪断モー
ド等のアレイ方向に平行な変形を引き起こし、インク流
路bの容積を減少させ内部のインクの圧力を高めてノズ
ルhからインク滴を射出させる。 【0006】この様なインクジェットヘッドを製造する
際には、流路基板aの上面に流路基板の一方の端面に開
口するインク流路bを切削し、インク流路bの対向する
側壁に電極cを蒸着する。電極cが側壁のほぼ上半分に
形成されるように、蒸着に際してはターゲットに対して
ワークをある角度に傾けて行う。蒸着によって電極がイ
ンク流路bの側壁のみでなく、流路基板aの上面や前面
や側面にも形成されてしまうので、ノズルプレートgが
貼着される流路基板aの前面や、カバープレートeが貼
着される流路基板aの上面を研磨紙などを用いて研磨し
て不要な電極を除去する。その上で、上面にカバープレ
ートeを、前面にノズルプレートgを貼着してインクジ
ェットヘッドの製造が完了する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】通常ノズルプレートg
の厚さは50〜100μm程度必要であり、ノズルhは
出口側直径が数十μmの先細形状であるので、この様な
ノズルをレーザ加工等により穿孔するのに高コストを必
要としている。また、流路基板aとカバープレートeと
の厚さは数mm以下と薄く、この端面にノズルプレート
gをノズルhを確保した状態で接着するには、接着面積
が小さくしかも高温下で長時間高圧で押し付けるもの
で、歩留りと作業時間効率の悪い工程であった。しかも
PZTからなる流路基板aとプラスチックからなるノズ
ルプレートgとの間の熱膨脹率の差が大きいと、使用時
の接触や環境温度変化などによって剥がれやすいという
問題があった。 【0008】そこで本発明の目的は、製造及び接着作業
が難しく接着強度に問題のあるノズルプレートを貼着す
る必要を無くし、製造作業を簡単にすることにある。更
に他の目的は、使用時の接触や環境温度変化などによっ
て剥がれることを防ぎ、また記録紙の汚れを生じないよ
うにして印字品質を高めることにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ットヘッドは、上面に複数の溝状のインク流路が形成さ
れた圧電材料からなる流路基板と、流路基板の上面に接
合されインク流路を閉鎖するカバープレートとを有する
インクジェットヘッドにおいて、インク流路の両端部
は、流路基板の両端面の近傍にそれぞれ位置しており、
流路基板の両端面には非開口である。またカバープレー
トは、感光性ガラスからなり、全てのインク流路の一端
部と連通する共通インク室が設けられ、共通インク室の
一部は外部に開口するインク供給口と連通しており、ま
たインク流路の他端部と連通するノズルが厚み方向に穿
設してあり、ノズル形成部は他の部分よりも厚みが薄い
薄肉部となっていることを特徴としている。 【0010】本発明に係るインクジェットヘッドの製造
方法は、圧電材料からなる基板に複数条の溝状のインク
流路を平行に刻設して流路基板を形成し、感光性ガラス
からなる基板に共通インク室と複数のノズルとを設けて
カバープレートを形成し、流路基板のインク流路刻設面
にカバープレートを接合して、インク流路の一端部とノ
ズルとを連通させるとともにインク流路の他端部と共通
インク室とを連通させ、そして上記のインク流路は、両
端部が流路基板の両端面の近傍にそれぞれ位置し、流路
基板の両端面には非開口となるように刻設する。また上
記のカバープレートは、ノズル及び共通インク室の位置
に部分的に露光した後に、ノズルを形成する部分の板厚
が薄くなるように切削加工を施し、それからエッチング
することにより、板厚方向に貫通するノズルと板厚の中
間部までえぐられた共通インク室とを形成した後に、共
通インク室と連通し外部に開口するインク供給口を穿設
することにより形成する。 【0011】 【発明の実施の形態】図1に示すように、流路基板1と
して圧電材料からなる基板、例えば、圧電性を有するチ
タン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料を
用いた厚さ1mm程度の板を用いる。その上面1aにダ
イシング等により、例えば深さ500μm、ピッチ17
0μmで、複数条の溝状のインク流路11…を一定間隔
で平行に刻設する。インク流路11の形状は、一定の深
さ500μmで一定の長さだけ後方へ向かい、その前方
及び後方へ向って底面が湾曲して次第に浅くなって流路
基板1の上面1aに至っている。すなわち、インク流路
11の両端部は流路基板1の両端面の近傍にそれぞれ位
置しているが両端面には非開口である。インク流路11
…の側面のほぼ上半分にニッケルやアルミニウム等の金
属材料による金属膜で電極2が形成されている。インク
流路11の後端部では、次第に浅くなっている底面にも
電極が形成されて両側面の電極が導通しており、この電
極が流路基板の上面1a上を後方へ延伸して電極接続部
3になっている。 【0012】流路基板1の上面1a(インク流路刻設
面)には、インク流路11を閉鎖するカバープレート4
が接合してある。カバープレート4は感光性ガラスから
なる基板4Aを用いて形成され、全てのインク流路11
の後端部と連通するカバープレートの内面位置には、板
厚の中間部までえぐられた共通インク室5が設けてあ
り、共通インク室5と連通して外部に開口するインク供
給口6が穿設してある。インク供給口6には、図示しな
いが外部のインクタンクが連通しているので、このイン
クタンクから供給されたインクは、インク供給口6から
共通インク室5を満し、全てのインク流路11に供給さ
れる。電極接続部3…はカバープレート4の後端部から
露出している。 【0013】カバープレート4には、各インク流路11
の前端部近傍に対応してノズル7…が、カバープレート
を厚み方向に貫通して穿設してある。このノズルを形成
してある部分は、他の部分よりも厚みが薄い薄肉部7A
になっている。 【0014】各電極接続部3…は、図示しない駆動制御
用ドライバへ導通しているので、この電極接続部3を介
して電極2に駆動電界が印加されると、インク流路11
の側壁に剪断モード等のアレイ方向に平行な変形を引き
起こし、インク流路内のインクの圧力を変化させてノズ
ル7からインク滴をカバープレート4に垂直方向に射出
させる。 【0015】次に図2を参照して、カバープレート4に
共通インク室5,インク供給口6及びノズル7を穿設す
る方法について詳細に説明する。 【0016】図2(a)に示すように、板厚1mm程度
の感光性ガラスの基板4Aを用いて、その上面にフォト
マスク8を配設して上方から超高圧水銀灯9等を用いて
露光する。フォトマスク8には、共通インク室5に対応
する部分とノズル7に対応する部分を光透過部8aと
し、その他の部分を遮蔽部8bとしている。したがって
共通インク室5とノズル7に対応する光透過部8aを光
が透過することによって感光性ガラスの基板4Aを部分
的に露光し、遮蔽部8bの位置では基板4Aは露光され
ない。 【0017】次いで図2(b)に示すように、この感光
性ガラスの基板4Aを580℃で4時間程度熱現像し
て、露光部分をエッチングされ易いメタ硅酸リチウム結
晶5A,7Aとする。 【0018】次に図2(c)に示すように、ノズルを形
成する部分の板厚が薄くなるようにダイシングソー等
で、厚さ0.4mm程度に切削して薄肉部41とする。
この切削をもし露光前に行うと、基板4Aの上面に形成
された段差やエッジ部で光の反射を生じるので好ましく
ないので、露光後に切削している。また、次のエッチン
グ工程の後でこの切削を行うと、ノズルが形成された後
になるので、薄肉部41のノズル部に欠けを生じたり、
切削のかすがノズル内に入り込んで除去するのが難しく
なる。従ってこの切削は、熱現像後でエッチングの前に
行うのが最適である。 【0019】そこで、図2(d)に示すように、エッチ
ングを行う。エッチングは5%程度のフッ酸で、室温シ
ャワー式のエッチング装置により行う。エッチング速度
は10μm/min 程度であり、40〜60分程度で終了
する。エッチングの際には、基板4Aの下面側(流路基
板1の上面1aと接する面側)からエッチング液を接触
させる。こうすることによってノズル7の断面積がイン
クの出口に向かって減少し、出口側で直径50μm程度
で下方へテーパ状に拡開する孔になり易い。またノズル
の形成部は基板4Aの厚みが薄い薄肉部41でありその
他の部分はそれよりも厚いため、ノズル7が貫通したと
きには未だ結晶部5Aは途中の深さまでエッチングされ
た程度であり、このために共通インク室5は板厚の中間
部までえぐられた溝状に形成され、結晶部5Aが所定の
厚さで残っている。 【0020】最後に、図2(e)にドリル10等を用い
て共通インク室5と連通して外部に開口するインク供給
口6を穿設する。これによって図2(f)に示すような
カバープレート4の製造が完了する。 【0021】図3にカバープレートの他の製造方法を示
している。この例では、露光の際に(a)(b)に示す
ように、感光性ガラスの基板14Aを垂直方向に対して
5〜20°程度傾いた光線で複数回露光する。これを上
記と同様に熱現像すると、図3(c)に示すように、台
形状のメタ硅酸リチウム結晶15Aと、円錐台形状の結
晶17Aとが形成される。この後の工程は、図2(c)
以後の工程と同様であって、ノズルの部分の上面側を切
削して薄肉部とし、エッチングしてノズルと共通インク
室を形成し、インク供給口を穿設し、これによりカバー
プレートの製造が完了する。 【0022】このようにして製造したカバープレート4
を、流路基板1の上面1aにエポキシ系接着剤等を用い
て接着し、電極接続部3を駆動制御用ドライバへ導通さ
せればインクジェットヘッドの製造が完了する。 【0023】なお、本発明で用いられる圧電材料である
PZTからなる流路基板の熱膨張率は、4×10-6[/
deg ]程度であり、カバープレートとして用いられる感
光性ガラスの熱膨張率は、8×10-6[/deg ]程度で
あり、プラスチック性のカバープレートに比して格段に
流路基板との熱膨張率が接近しほぼ同程度であるので、
環境温度変化などに対する信頼性が高まる。 【0024】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明のインク
ジェットヘッドは、流路基板の上面全体に貼着したカバ
ープレートにノズルが形成されているので、小面積のノ
ズルプレートを貼着する必要がなく、接着作業の困難性
や接着強度の問題がなくなり、十分な接着強度が得ら
れ、しかもカバープレートは感光性ガラスを用いている
ので、圧電材料からなる流路基板との間の熱膨張率が近
接し、従って使用時の接触や環境温度変化などによって
剥がれることが無く信頼性が向上する。また薄肉部を設
けることにより、カバープレートを貫通するノズルと中
間部までえぐられた共通インク室とを同一工程で形成で
きるので、製造が簡単にできる。さらに、従来のように
共通インク室を別部材(マニホールド部材)にて設ける
必要がなく、構成が簡単になる。またノズルを形成する
部分を薄肉部としたので、使用時に記録紙などがノズル
に衝撃的に接触することがなくなり、ノズル近傍に付着
している僅かなインクが記録紙に付着して汚すこともな
い。
【図面の簡単な説明】 【図1】要部を断面して示した斜視図である。 【図2】本発明のカバープレートの製造工程を示すもの
で、(a)〜(e)はその側面図、(f)は斜視図であ
る。 【図3】本発明の他のカバープレートの製造工程を示す
もので、(a),(b)はその側面図、(c)は斜視図
である。 【図4】従来のインクジェットヘッドを示す斜視図であ
る。 【符号の説明】 1 流路基板 1a インク流路刻設面 11 インク流路 4 カバープレート 4A 感光性ガラスからなる基板 41 薄肉部 5 共通インク室 6 インク供給口 7 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 圧電材料からなる基板に複数条の溝状のイ
    ンク流路を平行に刻設して流路基板を形成し、感光性ガ
    ラスからなる基板に共通インク室と複数のノズルとを設
    けてカバープレートを形成し、上記流路基板の上記イン
    ク流路刻設面に上記カバープレートを接合して、上記イ
    ンク流路の一端部と上記ノズルとを連通させるとともに
    上記インク流路の他端部と上記共通インク室とを連通さ
    せるインクジェットヘッドの製造方法であって、 上記インク流路は、両端部が上記流路基板の両端面の近
    傍にそれぞれ位置し、上記流路基板の上記両端面には非
    開口となるように刻設し、 上記カバープレートは、上記ノズル及び上記共通インク
    室の位置に部分的に露光した後に、上記ノズルを形成す
    る部分の板厚が薄くなるように切削加工を施し、それか
    らエッチングすることにより、板厚方向に貫通する上記
    ノズルと板厚の中間部までえぐられた上記共通インク室
    とを形成した後に、共通インク室と連通し外部に開口す
    るインク供給口を穿設することにより形成することを特
    徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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