JP2003061193A - 積層圧電振動子およびそれを用いた超音波の送受波方法 - Google Patents

積層圧電振動子およびそれを用いた超音波の送受波方法

Info

Publication number
JP2003061193A
JP2003061193A JP2001247242A JP2001247242A JP2003061193A JP 2003061193 A JP2003061193 A JP 2003061193A JP 2001247242 A JP2001247242 A JP 2001247242A JP 2001247242 A JP2001247242 A JP 2001247242A JP 2003061193 A JP2003061193 A JP 2003061193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
piezoelectric vibrator
layers
laminated
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001247242A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Kobayashi
修 小林
Kozo Kusaka
孝三 草加
Hiroyuki Mibana
浩之 巳鼻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tayca Corp
Original Assignee
Tayca Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tayca Corp filed Critical Tayca Corp
Priority to JP2001247242A priority Critical patent/JP2003061193A/ja
Priority to PCT/JP2002/008237 priority patent/WO2003017720A1/ja
Publication of JP2003061193A publication Critical patent/JP2003061193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い電気機械結合係数k33と高い静電容量で
超音波を送波でき、かつ送波時の周波数より高い周波数
で超音波を高い電気機械結合係数k33で受波できる圧電
振動子を提供し、かつ、その圧電振動子の特性を生かし
た超音波の送受波方法を提供する。 【解決手段】 2層の圧電体層と1層の内部電極層とが
交互に積層された構造の積層圧電振動子において、内部
電極と連結した外部電極と、上面に前記外部電極と独立
した上部電極と、下面に前記外部電極および上部電極と
独立した下部電極を形成し、2層の圧電体層の分極の方
向を互いに逆向きに配置して積層圧電振動子を構成す
る。上記積層圧電振動子を用い、2層の圧電体層のそれ
ぞれに並列に電圧がかかるように、外部電極と上部電極
および下部電極との間で、電圧を印加して超音波を送波
し、上部電極と下部電極との間で、送波周波数の2倍波
の周波数で超音波を受波する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層圧電振動子に
関し、さらに詳しくは、超音波を送受波して得られる電
気信号を利用した超音波診断機、探傷機、検査装置など
の超音波送受波機に好適に用いられる探触子用の積層圧
電振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波送受波機は、圧電振動子を配備し
た超音波探触子に圧電振動子の厚みに相当する周波数の
電圧を印加することにより超音波を発生させ、試料物体
に超音波を照射し、試料物体より反射した超音波を超音
波探触子の圧電振動子で受けることにより、電気信号に
変換して、試料物体の観察、検査を行うものである。
【0003】このような超音波送受波機に用いられる圧
電振動子は、従来、図4に示すように、基本的には使用
周波数に相当する厚みに調整した圧電体層11の上面と
下面に電極aと電極bを設けた構造になっている。
【0004】圧電体の特性は、送波時においては、下記
計算式で表される圧電定数d33の高い方が電気的エネル
ギーを機械的エネルギーに変換するのに好都合であり、
受波時においては、圧電定数g33の高い方が機械的エネ
ルギーを電気的エネルギーに変換するのに好都合である
といわれている。
【0005】言い換えると、送波時には、電気機械結合
係数k33が大きく、かつ誘電率ε33の大きい圧電体が好
適であり、受波時には、電気機械結合係数k33が大き
く、誘電率ε33の小さい圧電体が好適であるといわれて
いる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】k33:電気機械結合係数 ε33:応力一定の時の誘電率 S33:電界一定の時の弾性コンプライアンス
【0009】また、送波時に、より高い圧電定数d33
得る目的で、図5〜図7に示すように、上面および下面
に対向する電極面を配設した圧電体層11をそれぞれ並
列に接続することができるように複数積層した構造の積
層圧電振動子が用いられている。例えば、圧電体層を3
層積層した積層圧電振動子の場合、同一共振周波数の単
層の圧電体層からなる単層圧電振動子に比べて、各圧電
体層の厚みが1/3になり、3層であることから、約9
倍の誘電率に関係する静電容量が得られることになり、
その分、送波時の圧電定数d33が高くなる。
【0010】ところで、上記のような従来の圧電振動子
では、振動子の総厚みに相当する周波数で縦振動の共振
−反共振インピーダンス特性を示し、1倍波(1/2波
長)、3倍波、5倍波などの奇数倍波が存在し、通常、
基本波(1倍波:1/2波長)が使用されている。
【0011】また、基本波の3倍波や5倍波を用いるこ
とも考えられるが、3倍波、5倍波と高周波になるほ
ど、波形が小さく(つまり、電気機械結合係数k33が小
さく)なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の圧
電振動子では、同一の基本波の周波数で送受波する場
合、同じ周波数を使用するため、受波時のノイズが多く
発生するという問題があった。
【0013】そのため、基本波の周波数で送波し、3倍
波で受波して上記問題を解消するとともに分解能を向上
させることが提案されているが、上記のように3倍波の
波形は基本波に比べて小さく(電気機械結合係数k33
小さく)なるので、圧電定数g33が小さくなってしま
う。そこで、送波時の周波数より高い周波数で受波する
ことができる圧電定数g33の高い圧電振動子の出現が望
まれている。
【0014】また、従来の積層圧電振動子では、誘電率
に関係する静電容量が高くなるので、送波時の圧電定数
33が向上するぶん有用性が高くなるものの、この積層
圧電振動子でも、上記問題を解決することができなかっ
た。
【0015】したがって、本発明は、高い圧電定数d33
で超音波を送波することができ、かつ、送波時の周波数
より高い周波数で超音波を高い圧電定数g33で受波する
ことができる圧電振動子および該圧電振動子の特性を生
かした超音波の送受波方法を提供することを目的とす
る。言い換えると、本発明は、電気機械結合係数k33
高い静電容量で超音波を送波でき、かつ、送波時の周波
数より高い周波数で、従来の圧電振動子では得られなか
った非常に高い電気機械結合係数k33で超音波を受波す
ることができる圧電振動子と該圧電振動子の特性を生か
した超音波の送受波方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、下記の3つの態様の
積層圧電振動子とその積層圧電振動子を用いた超音波の
送受波方法に関するものである。
【0017】まず、本発明の第1の態様の積層圧電振動
子は、2層の圧電体層と1層の内部電極層とが交互に積
層された構造の積層圧電振動子であって、内部電極と連
結した外部電極と、上面に前記外部電極とは独立した上
部電極と、下面に前記外部電極および上部電極とは独立
した下部電極とを形成し、2層の圧電体層の分極の方向
を互いに逆向きに配置したことを特徴とする積層圧電振
動子である。
【0018】この第1の態様の積層圧電振動子を用いた
超音波の送受波方法は、上記第1の態様の積層圧電振動
子の2層の圧電体層のそれぞれに並列に電圧がかかるよ
うに、外部電極と上部電極および下部電極との間で、電
圧を印加して超音波を送波し、上部電極と下部電極との
間で、送波周波数の2倍波の周波数で超音波を受波する
ことを特徴とする超音波の送受波方法である。
【0019】本発明の第2の態様の積層圧電振動子は、
3層の圧電体層と2層の内部電極層とが交互に積層され
た構造の積層圧電振動子であって、2層の内部電極層の
うちの一方の内部電極層と連結した一方の外部電極と、
2層の内部電極層のうちの他方の内部電極層と連結した
他方の外部電極と、上面に前記の両外部電極とは独立し
た上部電極と、下面に前記の両外部電極および上部電極
とは独立した下部電極とを形成し、隣り合う圧電体層の
分極の方向を逆向きに配置されたことを特徴とする積層
圧電振動子である。
【0020】そして、この第2の態様の積層圧電振動子
を用いた超音波の送受波方法は、上記第2の態様の積層
圧電振動子の3層の圧電体層のそれぞれに並列に電圧が
かかるように、一方の外部電極と上部電極とからなる電
極群と下部電極と他方の外部電極とからなる電極群との
間で、電圧を印加して超音波を送波し、上部電極と下部
電極との間で、送波周波数の3倍波の周波数で超音波を
受波することを特徴とする超音波の送受波方法である。
【0021】本発明の第3の態様の積層圧電振動子は、
n層(ただし、nは4以上)の圧電体層とn−1層の内
部電極層とが交互に積層された構造の積層圧電振動子で
あって、n−1層の内部電極層のうち上面から数えて偶
数位の内部電極層と連結した一方の外部電極と、n−1
層の内部電極層のうち上面から数えて奇数位の内部電極
層と連結した他方の外部電極と、上面に前記の両外部電
極とは独立した上部電極と、下面に前記の両外部電極お
よび上部電極とは独立した下部電極とを形成し、隣り合
う圧電体層の分極の方向を逆向きになるように配置した
ことを特徴とする積層圧電振動子である。
【0022】そして、この第3の態様の積層圧電振動子
を用いた超音波の送受波方法は、上記第3の態様の積層
圧電振動子のn層の圧電体層にそれぞれ並列に電圧がか
かるように、一方の外部電極と上部電極とからなる電極
群と下部電極と他方の外部電極とからなる電極群との間
で、電圧を印加して超音波を送波し、上部電極と下部電
極との間で、送波周波数のn倍波の周波数で超音波を受
波することを特徴とする超音波の送受波方法である。
【0023】上記構成によれば、各圧電体層のそれぞれ
に並列に電圧がかかるように配設された電極間で圧電体
層の総厚みに相当する周波数の電圧を印加することによ
り、従来の積層圧電体振動子と同様の高い圧電定数d33
で超音波を送波でき、上部電極と下部電極との間で超音
波を受波することにより、送波時の周波数の積層数倍の
周波数で圧電定数g33が高く受波でき、また、積層数倍
の周波数以下の周波数では共振ピークがないため、感度
よく、しかも分解能よく受波することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1に本発明の第1の態様の積層
圧電振動子を模式的に示し、図2に本発明の第2の態様
の積層圧電振動子を模式的に示し、図3に本発明の第3
の態様の積層圧電振動子を模式的に示す。
【0025】まず、図1に示す本発明の第1の態様の積
層圧電振動子について説明すると、この図1に示す第1
の態様の積層圧電振動子の製造方法などについては後述
の実施例1で示すが、この第1の態様の積層圧電振動子
は圧電体層11を2層積層したタイプのものである。な
お、この図1では、電極を形成した部分の境界線は電極
の種類にかかわらず太線で示し、圧電体層11の電極が
形成されていない部分の稜線は細線で示している。そし
て、積層体10の外面の電極部分には電極の種類にかか
わらずドットを付している。なお、この太線、細線、ド
ットなどによる図示内容は積層圧電振動子を示す他の図
でも同じである。
【0026】この図1に示す本発明の第1の態様の積層
圧電振動子をより具体的に示すと、本発明の第1の態様
の積層圧電振動子は、2層の圧電体層11と1層の内部
電極層12とが交互に積層されていて(つまり、1層目
の圧電体層11と2層目の圧電体層11との間に内部電
極層12が配置している)、外部電極1はこの内部電極
層12と連結していて、この図1に示すものでは、その
一方の端部はそれらの圧電体層11と内部電極12との
積層体10の上面の一部にも及んでいて、他方の端部は
積層体10の下面の一部にも及んでいる。ただし、外部
電極1は、後述する上部電極2や下部電極3と独立して
内部電極層12を外部に引き出せる構造のものであれば
よく、図1に示すように、積層体10の上面や下面に及
んでいなくてもよい。これは、後述する図2や図3に示
す態様の積層圧電振動子における外部電極についても同
様である。
【0027】積層体10の上面には前記外部電極1と独
立して上部電極2が形成され、積層体10の下面には前
記外部電極1および上部電極2と独立して下部電極3が
形成されている。そして、2層の圧電体層11は、その
分極の方向が互いに逆向きになるように配置されてい
る。この図1では、その圧電体層11の分極の方向を圧
電体層11中に太い矢印で示しているが、この表示方法
は積層圧電振動子を表す他の図でも同様である。なお、
圧電体層11の分極の方向は、隣接する圧電体層11間
で、互いに逆向きになっていればよく、各圧電体層11
の分極の方向は図示の方向と逆向きになっていてもよ
い。
【0028】ここで、図1に示す本発明の第1の態様の
2層積層圧電振動子と従来の2層積層圧電振動子との相
違を明確にするために両者を対比して説明すると、図1
に示す本発明の第1の態様の2層積層圧電振動子では、
積層体10の右側の側面に電極が存在せず、積層体10
の外面には外部電極1と上部電極2と下部電極3との3
つの電極がそれぞれ独立して形成されているが、従来の
2層積層圧電振動子では、図5に示されているように、
積層体10の右側の側面にも電極が存在しているため、
積層体10の外面には内部電極層12と連結した外部電
極1と、内部電極層12と連結していない外部電極4と
の2つの電極のみが形成されているにすぎない。
【0029】この図1に示す本発明の第1の態様の積層
圧電振動子を用いて超音波を送波するには、2層の圧電
体層11のそれぞれに並列に電圧がかかるように、外部
電極1と上部電極2および下部電極3との間で、電圧を
印加して超音波を送波すればよい。そして、受波時に
は、上部電極2と下部電極3との間で、送波周波数の2
倍波の周波数で受波すればよい。
【0030】つぎに、図2に示す本発明の第2の態様の
積層圧電振動子について説明する。この本発明の第2の
態様の積層圧電振動子では圧電体層11を3層積層して
いて、3層の圧電体層11と2層の内部電極層12とが
交互に積層されていて(つまり、1層目の圧電体層11
と2層面の圧電体層11との間に1層目の内部電極層1
2が配置し、2層目の圧電体層11と3層目の圧電体層
11の間に2層目の内部電極層12が配置している)、
外部電極は2個あり、そのうちの一方の外部電極1は2
層の内部電極層12のうちの一方の内部電極層12と連
結し、他方の外部電極4は2層の内部電極層のうちの他
方の内部電極層12と連結している。つまり、図2に示
すものでは、一方の外部電極1は上面から数えて2層目
の内部電極層12と連結し、他方の外部電極4は上面か
ら数えて1層目の内部電極層12と連結している。そし
て、それらの圧電体層11と内部電極層12との積層体
10の上面には、上記一方の外部電極1とは独立して上
部電極2が形成され、この上部電極2は他方の外部電極
4とも独立している。また、積層体10の下面には、他
方の外部電極4とは独立して下部電極3が形成され、こ
の下部電極3は前記一方の外部電極1および上部電極2
とも独立している。なお、この図2に示す積層圧電振動
子では、その内部電極層12が積層体10の内部で分断
されていて、1層目の内部電極層12、2層目の内部電
極層12とも、積層体10の両側面にそれらの端部が出
ているが、内部電極として有効に機能するのは、上部電
極2と1層目の内部電極層12と2層目の内部電極層1
2と下部電極3との重なり合う部分であり、したがっ
て、一方の外部電極1と接続している内部電極層12の
うち有効に機能するのは、2層目の内部電極層12のみ
であり、他方の外部電極4と接続している内部電極12
のうち有効に機能するのは、1層目の内部電極層12の
みである。この内部電極層12の有効部分に関しては図
6に示す場合も同様である。
【0031】ここで、図2に示す本発明の第2の態様の
3層積層圧電振動子と従来の3層積層圧電振動子との相
違を明確にするために両者を対比して説明すると、図2
に示す本発明の第2の態様の3層積層圧電振動子では、
積層体10の上面では2箇所電極が分断され、また、積
層体10の下面では2箇所電極が分断されていて、その
結果、積層体10の外面には一方の外部電極1と上部電
極2と下部電極3と他方の外部電極4との4つの電極が
それぞれ独立して形成されているが、従来の3層積層圧
電振動子では、図6に示されているように、積層体10
の上面では1箇所のみ電極が分断され、積層体10の下
面でも1箇所のみ電極が分断されているだけなので、積
層体10の外面には一方の外部電極1と他方の外部電極
4との2つの電極のみが形成されているにすぎない。
【0032】この図2に示す本発明の第2の態様の積層
圧電振動子を用いて超音波を送波するには、3層の圧電
体層11のそれぞれに並列に電圧がかかるように、一方
の外部電極1と上部電極2とからなる電極群と下部電極
3と他方の外部電極4とからなる電極群との間、すなわ
ち、電極1−2と電極3−4との間で、電圧を印加して
超音波を送波すればよい。そして、受波するには、上部
電極2と下部電極3との間で、送波周波数の3倍波の周
波数で超音波を受波すればよい。
【0033】つぎに、本発明の第3の態様の積層圧電振
動子について説明すると、この本発明の第3の態様の積
層圧電振動子では、圧電体層11をn層(ただし、nは
4以上)積層していて、n層の圧電体層とn−1層の内
部電極層12とが交互に積層されている。外部電極は2
個あり、そのうちの一方の外部電極1は上面から数えて
偶数位の内部電極層12と連結し、他方の外部電極4は
上面から数えて奇数位の内部電極層12と連結してい
る。
【0034】そして、それらの圧電体層11と内部電極
層12との積層体10の上面には、一方の外部電極1と
は独立して上部電極2が形成され、この上部電極2は他
方の外部電極4とも独立している。また、積層体10の
下面には、他方の外部電極4とは独立して下部電極3が
設けられ、この下部電極3は前記一方の外部電極1およ
び上部電極2とも独立している。
【0035】ここで、図3に示す本発明の第3の態様の
n層積層圧電振動子と従来のn層積層圧電振動子との相
違を明確にするために両者を対比して説明すると、図3
に示す本発明の第3の態様のn層積層圧電振動子では、
積層体10の上面では2箇所電極が分断され、また、積
層体10の下面では2箇所電極が分断されていて、その
結果、積層体10の外面には一方の外部電極1と上部電
極2と下部電極3と他方の外部電極4との4つの電極が
それぞれ独立して形成されているが、従来のn層積層圧
電振動子では、図7に示されているように、積層体10
の上面では1箇所のみ電極が分断され、積層体10の下
面でも1箇所のみ電極が分断されているだけなので、積
層体10の外面には一方の外部電極1と他方の外部電極
4との2つの電極のみが形成されているにすぎない。な
お、図3や図7において、点線で示している部分は、何
層か続いている圧電体層11と内部電極層12との積層
状態の図示を省略していることを示している。
【0036】この図3に示す本発明の第3の態様の積層
圧電振動子を用いて超音波を送波するには、n層の圧電
体層11のそれぞれに並列に電圧がかかるように、電極
1−2と電極3−4との間で、電圧を印加して超音波を
送波すればよい。そして、受波するには、上部電極2と
下部電極3との間で、送波周波数のn倍波の周波数で超
音波を受波すればよい。
【0037】なお、本発明において、複数層の圧電体層
11のそれぞれに並列に電圧がかかるようにと表現して
いるが、これは各圧電体層11にそれぞれ別々に同時に
同電圧がかかるようにすることを意味している。また、
積層体10の上面や下面とは、圧電体層11および内部
電極層12を積層した際に積層体10の外面における内
部電極層12と平面な面のうちの一方の面とそれに対向
する面とをいう。また、図示した積層圧電振動子は、い
ずれも四角形状のものであるが、本発明の積層圧電振動
子の形状は、平面体でさえあればよく、例えば、円板
状、六角形、多角形、台形など、他の形状であってもよ
い。
【0038】本発明において、圧電体層としては、例え
ば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系、チタン酸バリ
ウム(BT)系、チタン酸鉛(PT)系、チタン酸ビス
マス(BIT)系などの圧電セラミックス、ニオブ酸亜
鉛酸チタン酸鉛(PZNT)系やニオブ酸マグネシウム
酸チタン酸鉛(PMNT)系などの圧電単結晶や、有機
系圧電体などで構成したものが用いられる。
【0039】そして、電極は、例えば、Ni、Cr、T
i、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Alなどの導電性
を有する金属を用いて形成される。そして、その電極の
形成にあたっては、使用する金属を圧電体層の種類、電
極形成方法、圧電体層の積層方法などによって使い分け
ればよい。
【0040】電極の形成方法は、常法でよく、例えば、
焼付法、スパッタ法、メッキ法などを採用することがで
きる。電極の形成時に熱を極端にかけることができない
有機系圧電体や圧電単結晶を用いて圧電体層を作製して
いる場合には、熱があまりかからないスパッタ法やメッ
キ法などを採用することが好ましい。
【0041】積層圧電振動子を作製するための積層方法
としては、1枚の圧電体層毎に所定の電極を形成した
後、例えば、樹脂で接着して積層したり、電極材を加熱
溶着して積層結合する方法を採用することができる。ま
た、圧電体層がセラミックスで構成されている場合に
は、圧電セラミックス粉体のグリーンシート上に、電極
をスクリーン印刷などで形成し、それらを積層し、プレ
スして積層体に成形した後、焼成して一体化する方法も
採用することができる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定
されることはない。
【0043】実施例1 チタン酸ジルコン酸鉛系粉体とバインダー、可塑剤、溶
剤、分散剤を混合し、押出成形機にて成形して、厚み
0.25mmのグリーンシートを得た。このグリーンシ
ートにAgPd混合ぺーストをスクリーン印刷して内部
電極となる電極を形成した後、その内部電極となる電極
を形成したグリーンシートと内部電極となる電極を形成
していないグリーンシートとの2枚のグリーンシートを
金型内で積層し、加熱下でプレスして、内部電極が1層
入ったセラミックス成形体を得た。
【0044】このセラミックス成形体を脱脂したのち、
1200℃で2時間焼成して、内部電極内蔵のセラミッ
クス焼成体を得た。このセラミックス焼成体をダイジン
グマシーンにて一方の面には内部電極が露出するように
しつつ、他方の面には内部電極がない箇所で切断し、2
層の圧電体層の間に面積10mm×31mmの内部電極
層が配置したサイズ10mm×32mm×0.40mm
の積層体を得た。
【0045】この積層体の上面および下面に電極形成用
のAgぺーストを所定パターンでスクリーン印刷し、内
部電極が露出した側面とその対向する側面にはAgぺー
ストへのディッピングによりAgぺーストを塗布し、乾
燥した後、700℃で焼き付けて、外部電極を形成する
ことにより、対向する電極(有効電極面積10mm×3
0mm)を形成した積層体を得た。
【0046】つぎに、上記圧電セラミックス積層体をシ
リコンオイル中100℃で300Vの直流電圧を10分
間印加して、分極処理を行った。このようにして得られ
た2層積層圧電体は、図5に示す従来の2層積層圧電振
動子に相当する。
【0047】つぎに、上記2層積層圧電体の内部電極が
露出していない側の側面の電極を研磨して落とし、図1
に示す構造の実施例1の積層圧電振動子を得た。この実
施例1の積層圧電振動子の有効電極面積は10mm×3
0mmで、圧電体層11の1層の厚みは0.2mmであ
り、総厚みは0.40mmであった。
【0048】この図1に示す実施例1の積層圧電振動子
では、前記においても説明したように、2層の圧電体層
11と1層の内部電極層12とが交互に積層され(つま
り、2層の圧電体層11の間に内部電極層12が配置し
ている)、外部電極1は内部電極12と連結しており、
それら圧電体層11と内部電極層12との積層体10の
上面には、上記外部電極1とは独立して上部電極2が形
成され、積層体10の下面には、上記外部電極1と独立
して下部電極3が形成されている。もとより、この下部
電極3は上記上部電極2とも独立している。
【0049】この実施例1の積層圧電振動子について、
外部電極1と電極2−3間(この電極2−3とは、上部
電極2と下部電極3とからなる電極群を示している)に
おける静電容量と1倍波の厚み方向のk定数(kt)を
測定した。すなわち、HP(ヒューレットパッカード社
製)のインピーダンスアナライザー4192Aを用い
て、周波数−インピーダンス特性を測定し、さらに、1
kHzにて静電容量を測定した。そして、1倍波の厚み
方向のk定数(kt)を、日本電子材料工業界の圧電セ
ラミックス振動子の試験方法に準じて、上記で測定した
共振周波数(fr)と反共振周波数(fa)から算出し
た。その結果を表1に示す。
【0050】また、上記実施例1の積層圧電振動子につ
いて、上部電極2と下部電極3との間における周波数−
インピーダンス特性と静電容量を上記と同様に測定し、
厚み方向のk定数(kt)を求めた。それらの結果につ
いても表1に示す。
【0051】比較例1 上記実施例1の積層圧電振動子の製造工程中においてシ
リコンオイル中で分極処理を行った後、内部電極層が露
出していない側の側面の電極を研磨する前の状態のも
の、すなわち、従来の2層積層圧電振動子に相当する図
5に示す状態のものを比較例1の積層圧電振動子とし、
その比較例1の積層圧電振動子について前記実施例1と
同様に周波数−インピーダンス特性を3倍波まで測定
し、さらに、1kHzにて静電容量を測定し、かつ1倍
波と3倍波の厚み方向のk定数(kt)を算出した。そ
の結果を表1に示す。
【0052】比較例2 実施例1と同様のチタン酸ジルコン酸鉛系粉体を用い、
実施例1と同様に押出成形し、その成形物を焼成するこ
とにより、厚みが0.40mmの単層圧電セラミックス
焼成体を作製し、その焼成体の上面および下面に実施例
1と同様のAgぺーストをスクリーン印刷して電極を形
成して、有効電極面積が10mm×30mmで図4に示
す構造の単層圧電振動子を得た。得られた単層圧電振動
子について、1倍波と3倍波での電気的特性を比較例1
と同様に測定した。その結果を表1に示す。なお、この
場合の分極処理は、600Vの直流電圧を10分間印加
することによって行った。
【0053】
【表1】
【0054】表1に示すように、実施例1の積層圧電振
動子は、送波時に使用する外部電極1と電極2−3間の
誘電率に関係する静電容量が大きく、また、受波時に関
係する上部電極2と下部電極3との間の共振ピークが外
部電極1と電極2−3間の1倍波のピークより積層倍数
(この実施例1の場合では、2倍)に相当する高い周波
数のところにあり、かつ、外部電極1と電極2−3間の
ktと上部電極2と下部電極3との間のktとがほとん
ど変わらなかった。そして、実施例1の積層圧電振動子
は、上部電極2と下部電極3間の誘電率に関係する静電
容量が小さいので、受波時の圧電定数g33が高くなるこ
とが予測され、その積層倍数の周波数より低い周波数に
は、縦振動の共振ピークが見られないので、感度よく、
しかも分解能よく受波できる。
【0055】これに対して、比較例1の積層圧電振動子
は、従来構造の2層積層圧電振動子に相当するものであ
るが、表1に示すように、1倍波での静電容量は大きい
ものの、1倍波でのktに比べて、受波時に関係する3
倍波でのktが小さく、また、3倍波での静電容量も大
きく、受波時の性能が悪いことを示していた。
【0056】また、比較例2の単層圧電振動子は、厚み
が0.4mmで、実施例1の積層圧電振動子の総厚0.
4mmと同厚であるが、表1に示すように、送波時に関
係する1倍波での静電容量が小さく、したがって誘電率
が小さくなり、また、1倍波でのktに比べて受波時に
関係する3倍波でのktが小さくなり、送波時、受波時
とも、性能が悪いことを示していた。
【0057】実施例2 実施例1と同様の材料を用い、グリーンシート上に所定
形状のパターンにてAgPd混合ぺーストをスクリーン
印刷して内部電極を形成し、以後、実施例1と同様の操
作を経て、3層の圧電体層と2層の内部電極層とが交互
に積層された焼成体を得た。このセラミックス焼成体の
内部電極層の面積は2層とも10mm×31mmであ
り、全体のサイズは10mm×32mm×0.60mm
であった。つぎに、このセラミックス焼成体を実施例1
と同様に外部電極を形成し、分極処理することにより、
対向する外部電極(有効電極面積10mm×30mm)
を設けた3層積層圧電体を得た。なお、この3層積層圧
電体は、後に比較例3として示す従来の3層積層圧電振
動子に相当するものであり、その構造を図6に示してい
る。
【0058】つぎに、上記3層積層圧電体を、上部電極
2および下部電極3を形成するため、直列に電圧をかけ
ることができるように、その上面および下面について、
内部電極層とつながった電極側面の端から所定の位置に
て、それぞれ側面の辺に平行にダイングマシーンを用い
て電極を削り取り、図2に示す構造の実施例2の3層積
層圧電振動子を得た。この実施例2の3層積層圧電振動
子はその有効電極面積が10mm×30mmであり、そ
の圧電体層の1層当たりの厚みは0.2mmで、総厚み
は0.60mmであった。
【0059】この実施例2の3層積層圧電振動子の構造
については、前記したように、3層の圧電体層11と2
層の内部電極層12とが交互に積層され、一方の外部電
極1は積層体10の上面から数えて2番目の内部電極1
2と連結し、他方の外部電極4は積層体10の上面から
数えて1番目の内部電極12と連結している。そして、
積層体10の上面には上記一方の外部電極1と独立した
上部電極2が形成され、この上部電極2は他方の外部電
極4とも独立している。また、積層体10の下面には、
他方の外部電極4と独立した下部電極3が形成され、こ
の下部電極3は一方の外部電極1および上部電極2とも
独立している。
【0060】この実施例2の3層積層圧電振動子につい
て、その電極1−2と電極3−4間における静電容量と
1倍波の厚み方向のk定数(kt)を前記実施例1の場
合と同様に測定・算出した。その結果を表2に示す。ま
た、この実施例2の3層積層圧電振動子について、上部
電極2と下部電極3との間で上記同様に静電容量と厚み
方向のk定数(kt)の測定・算出を行った。その結果
も表2を示す。
【0061】比較例3 上記実施例2の3層積層圧電振動子の製造工程中におい
て分極処理後でダイジングマシーンで上面および下面の
電極を削り取る前の図6に示す構造の3層積層圧電体を
比較例3の3層積層圧電振動子とし、この比較例3の3
層積層圧電振動子について、比較例1とほぼ同様に電気
的特性を測定・算出した。その結果を表2に示す。
【0062】比較例4 単層圧電振動子の厚みを比較例2の0.40mmから
0.60mmに変え、分極処理時の印加電圧を900V
に変えた以外は、比較例2と同様に図4に示す構造の単
層圧電振動子を作製し、比較例2と同様に電気的特性を
測定した。その結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】表2に示す結果から明らかなように、実施
例2の3層積層圧電振動子は、送波時に関係する電極1
−2と電極3−4間の静電容量が大きく、また、受波時
に関係する上部電極2と下部電極3との間の共振ピーク
が電極1−2と電極3−4間の1倍波のピークより積層
数倍(この実施例2の場合は、3倍)に相当する高い周
波数のところにあり、かつ電極1−2と電極3−4間の
ktと上部電極2と下部電極3との間のktとが変わら
ず、しかも、そのときの静電容量が小さく、送波時、受
波時とも、性能が優れていることを示していた。
【0065】これに対して、従来の3層積層圧電振動子
に相当する比較例3の3層積層圧電振動子は、表2に示
すように、送波時に関係する1倍波での静電容量が大き
いものの、そのときのktに比べて受波時に関係する3
倍波でのktが小さく、しかも、そのときの静電容量が
大きく、送波時の性能は良好であるものの、受波時の性
能が悪いことを示していた。
【0066】また、比較例4の単層圧電振動子は、厚み
が0.60mmであって、実施例2の3層積層圧電振動
子の総厚と同じであるが、表2に示すように、送波時に
関係する1倍波での静電容量が小さく、また、そのとき
のktに比べて受波時に関係する3倍波でのktが小さ
く、送波時、受波時とも、性能が悪いことを示してい
た。
【0067】実施例3 実施例1と同様にチタン酸ジルコン酸鉛系粉体を用い、
実施例1と同様にグリーンシートを作製し、焼成後、2
000♯の砥粒の研磨粉を用いて平面ラップして、厚み
が0.198mmの圧電セラミックス板を得た。
【0068】上記圧電セラミックス板に対してスクリー
ン印刷で所定の形状にマスキング材を印刷し、マスキン
グ材を硬化させた後、Niの無電解メッキでNi層を形
成し、さらにその表面にAuの電解メッキでAu層を形
成した後、マスキング材を除去して、有効電極面積が1
0mm×30mmで、Ni層の厚みが0.7μm、Au
層の厚みが0.3μmのパターン電極を有する、全サイ
ズが10mm×32mm×0.20mmのセラミックス
圧電体を得た。
【0069】上記セラミックス圧電体を3層エポキシ系
接着材で接着して、図2に相当する構造で分極処理され
ていない3層積層圧電体を得た。
【0070】この3層積層圧電体の外部電極1と上部電
極2および下部電極3と外部電極4とを外部で電気的に
接続した状態で、電極1−2と電極3−4の間に直流電
圧300Vをシリコンオイル中100℃で印加して分極
処理を行い、実施例3の3層積層圧電振動子を得た。
【0071】この実施3の3層積層圧電振動子の有効電
極面積は10mm×30mmであり、圧電体層の1層当
たりの厚みは0.20mmで、総厚みは0.60mmで
あった。この実施例3の3層積層圧電振動子は、その製
造方法が異なることによって、微細な点において若干の
相違があるものの、基本的には図2に示す実施例2の3
層積層圧電振動子と同様の構造を有している。
【0072】この実施例3の3層積層圧電振動子につい
て、その外部電極1と上部電極2および下部電極3と外
部電極4とを外部で電気的に接続し、電極1−2と電極
3−4との間における静電容量と1倍波の厚み方向の定
数(kt)を実施例1と同様に測定・算出した。その結
果を表3に示す。また、この実施例3の3層積層圧電振
動子について、その外部電極1と上部電極2との間およ
び下部電極3と外部電極4との間をオープン状態にし、
上記電極2と下部電極3との間で上記と同様に静電容量
と厚み方向の定数(kt)の測定・算出を行った。その
結果も表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】表3に示す結果から明らかなように、この
実施例3の3層積層圧電振動子も、送波時に関係する電
極1−2と電極3−4間の静電容量が大きく、また、受
波時に関係する上部電極2と下部電極3との間の共振ピ
ークが電極1−2と電極3−4間の1倍波のピークより
積層数倍(この実施例3の場合は、3倍)に相当する高
い周波数のところにあり、かつ電極1−2と電極3−4
間のktと上部電極2と下部電極3との間のktとが変
わらず、しかも、そのときの静電容量が小さく、前記実
施例2の3層積層圧電振動子と同様に、送波時、受波時
とも、性能が優れていることを示していた。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層圧電
振動子は、送波時の静電容量が大きく、また、そのとき
のktと受波時の高い周波数でのktとがほとんど変わ
らず、しかも、受波時の静電容量が小さいので、送波
時、受波時とも、性能が優れていた。また、本発明の積
層圧電振動子は、受波時に、その積層数倍の周波数より
低い周波数帯では、縦振動の共振ピークが見られないの
で、本発明の積層圧電振動子を用いて、超音波を送受波
することにより、分解能と感度が非常に向上した超音波
送受波機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様の積層圧電振動子を模式的
に示す図である。
【図2】本発明の第2の態様の積層圧電振動子を模式的
に示す図である。
【図3】本発明の第3の態様の積層圧電振動子を模式的
に示す図である。
【図4】従来の単層圧電振動子を模式的に示す図であ
る。
【図5】従来の2層積層圧電振動子を模式的に示す図で
ある。
【図6】従来の3層積層圧電振動子を模式的に示す図で
ある。
【図7】従来のn層(ただし、nは4以上)積層圧電振
動子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 一方の外部電極 2 上部電極 3 下部電極 4 他方の外部電極 10 積層体 11 圧電体層 12 内部電極層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月9日(2002.8.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】そして、この第3の態様の積層圧電振動子
を用いた超音波の送受波方法は、上記第3の態様の積層
圧電振動子のn層の圧電体層にそれぞれ並列に電圧がか
かるように、nが奇数の時は、一方の外部電極と上部電
極とからなる電極群と下部電極と他方の外部電極とから
なる電極群との間で、電圧を印加して超音波を送波し、
nが偶数の時は、一方の外部電極と上部電極と下部電極
とからなる電極群と他方の外部電極との間で、電圧を印
加して超音波を送波し、上部電極と下部電極との間で、
送波周波数のn倍波の周波数で超音波を受波することを
特徴とする超音波の送受波方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】この図3に示す本発明の第3の態様の積層
圧電振動子を用いて超音波を送波するには、n層の圧電
体層11のそれぞれに並列に電圧がかかるように、この
場合、nが奇数であるので、電極1−2と電極3−4と
の間で、電圧を印加して超音波を送波すればよい。そし
て、受波するには、上部電極2と下部電極3との間で、
送波周波数のn倍波の周波数で超音波を受波すればよ
い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】このセラミックス成形体を脱脂したのち、
1200℃で2時間焼成して、内部電極内蔵のセラミッ
クス焼成体を得た。このセラミックス焼成体をダイ
グマシーンにて一方の面には内部電極が露出するように
しつつ、他方の面には内部電極がない箇所で切断し、2
層の圧電体層の間に面積10mm×31mmの内部電極
層が配置したサイズ10mm×32mm×0.40mm
の積層体を得た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】つぎに、上記3層積層圧電体を、上部電極
2および下部電極3を形成するため、直列に電圧をかけ
ることができるように、その上面および下面について、
内部電極層とつながった電極側面の端から所定の位置に
て、それぞれ側面の辺に平行にダイングマシーンを用
いて電極を削り取り、図2に示す構造の実施例2の3層
積層圧電振動子を得た。この実施例2の3層積層圧電振
動子はその有効電極面積が10mm×30mmであり、
その圧電体層の1層当たりの厚みは0.2mmで、総厚
みは0.60mmであった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】比較例3 上記実施例2の3層積層圧電振動子の製造工程中におい
て分極処理後でダイングマシーンで上面および下面の
電極を削り取る前の図6に示す構造の3層積層圧電体を
比較例3の3層積層圧電振動子とし、この比較例3の3
層積層圧電振動子について、比較例1とほぼ同様に電気
的特性を測定・算出した。その結果を表2に示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
フロントページの続き (72)発明者 巳鼻 浩之 大阪市大正区船町1丁目3番47号 テイカ 株式会社内 Fターム(参考) 5D019 AA08 BB14 BB29 FF04 FF05 5J108 AA09 BB01 BB04 CC04 CC13 FF03 JJ01 KK01 KK02 KK07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2層の圧電体層と1層の内部電極層とが
    交互に積層された構造の積層圧電振動子であって、内部
    電極と連結した外部電極と、上面に前記外部電極と独立
    した上部電極と、下面に前記外部電極および上部電極と
    独立した下部電極とを有し、2層の圧電体層の分極の方
    向が互いに逆向きに配置されていることを特徴とする積
    層圧電振動子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層圧電振動子を用い、
    2層の圧電体層のそれぞれに並列に電圧がかかるよう
    に、外部電極と上部電極および下部電極との間で、電圧
    を印加して超音波を送波し、上部電極と下部電極との電
    極間で、送波周波数の2倍波の周波数で超音波を受波す
    ることを特徴とする超音波の送受波方法。
  3. 【請求項3】 3層の圧電体層と2層の内部電極層とが
    交互に積層された構造の積層圧電振動子であって、2層
    の内部電極層のうちの一方の内部電極層と連結した一方
    の外部電極と、2層の内部電極層のうちの他方の内部電
    極層と連結した他方の外部電極と、上面に前記の両外部
    電極と独立した上部電極と、下面に前記の両外部電極お
    よび上部電極と独立した下部電極とを有し、隣り合う圧
    電体層の分極の方向が逆向きに配置されていることを特
    徴とする積層圧電振動子。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の積層圧電振動子を用い、
    3層の圧電体層のそれぞれに並列に電圧がかかるよう
    に、一方の外部電極と上部電極とからなる電極群と下部
    電極と他方の外部電極とからなる電極群との間で、電圧
    を印加して超音波を送波し、上部電極と下部電極との間
    で、送波周波数の3倍波の周波数で超音波を受波するこ
    とを特徴とする超音波の送受波方法。
  5. 【請求項5】 n層(ただし、nは4以上)の圧電体層
    とn−1層の内部電極層とが交互に積層された構造の積
    層圧電振動子であって、n−1層の内部電極層のうち上
    面から数えて偶数位の内部電極層と連結した一方の外部
    電極と、n−1層の内部電極層のうち上面から数えて奇
    数位の内部電極層と連結した他方の外部電極と、上面に
    前記の両外部電極と独立した上部電極と、下面に前記の
    両外部電極および上部電極と独立した下部電極とを有
    し、隣り合う圧電体層の分極の方向が逆向きになるよう
    に配置されていることを特徴とする積層圧電振動子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の積層圧電振動子を用い、
    n層の圧電体層のそれぞれに並列に電圧がかかるよう
    に、一方の外部電極と上部電極とからなる電極群と下部
    電極と他方の外部電極とからなる電極群との間で、電圧
    を印加して超音波を送波し、上部電極と下部電極との間
    で、送波周波数のn倍波の周波数で超音波を受波するこ
    とを特徴とする超音波の送受波方法。
JP2001247242A 2001-08-16 2001-08-16 積層圧電振動子およびそれを用いた超音波の送受波方法 Pending JP2003061193A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001247242A JP2003061193A (ja) 2001-08-16 2001-08-16 積層圧電振動子およびそれを用いた超音波の送受波方法
PCT/JP2002/008237 WO2003017720A1 (fr) 2001-08-16 2002-08-13 Oscillateur piezo-electrique a couches multiples

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001247242A JP2003061193A (ja) 2001-08-16 2001-08-16 積層圧電振動子およびそれを用いた超音波の送受波方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003061193A true JP2003061193A (ja) 2003-02-28

Family

ID=19076625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001247242A Pending JP2003061193A (ja) 2001-08-16 2001-08-16 積層圧電振動子およびそれを用いた超音波の送受波方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003061193A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011205663A (ja) * 2005-02-22 2011-10-13 Humanscan Co Ltd 積層型超音波トランスデューサ及びその製造方法
JP2011254295A (ja) * 2010-06-02 2011-12-15 Hitachi Aloka Medical Ltd 振動子および超音波探触子
WO2015060132A1 (ja) * 2013-10-22 2015-04-30 株式会社村田製作所 積層セラミック構造体及びその製造方法並びに圧電アクチュエータ
KR101614104B1 (ko) * 2011-12-09 2016-04-20 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 초음파 트랜스듀서 및 중송 검지용 센서
WO2021171819A1 (ja) * 2020-02-26 2021-09-02 株式会社村田製作所 超音波センサ
US11884388B2 (en) 2015-11-11 2024-01-30 Anduril Industries, Inc. Aerial vehicle with deployable components

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011205663A (ja) * 2005-02-22 2011-10-13 Humanscan Co Ltd 積層型超音波トランスデューサ及びその製造方法
JP2011254295A (ja) * 2010-06-02 2011-12-15 Hitachi Aloka Medical Ltd 振動子および超音波探触子
KR101614104B1 (ko) * 2011-12-09 2016-04-20 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 초음파 트랜스듀서 및 중송 검지용 센서
WO2015060132A1 (ja) * 2013-10-22 2015-04-30 株式会社村田製作所 積層セラミック構造体及びその製造方法並びに圧電アクチュエータ
JP6004118B2 (ja) * 2013-10-22 2016-10-05 株式会社村田製作所 積層セラミック構造体及びその製造方法並びに圧電アクチュエータの製造方法
US10276774B2 (en) 2013-10-22 2019-04-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer ceramic structure, manufacturing method therefor and piezoelectric actuator
US11884388B2 (en) 2015-11-11 2024-01-30 Anduril Industries, Inc. Aerial vehicle with deployable components
WO2021171819A1 (ja) * 2020-02-26 2021-09-02 株式会社村田製作所 超音波センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4778003B2 (ja) 積層型超音波トランスデューサ及びその製造方法
US4881212A (en) Ultrasonic transducer
US6121718A (en) Multilayer transducer assembly and the method for the manufacture thereof
JP5644729B2 (ja) 超音波振動子、超音波探触子及び超音波画像診断装置
JPS61144565A (ja) 高分子圧電型超音波探触子
US4894580A (en) Chip-type resonator and method of manufacturing the same
US6424080B2 (en) Piezoelectric element and method of producing the same
JP2003061193A (ja) 積層圧電振動子およびそれを用いた超音波の送受波方法
JP4175535B2 (ja) 積層圧電振動子およびその製造方法
JP4118115B2 (ja) 超音波プローブ
JP3906126B2 (ja) 超音波トランスデューサおよびその製造方法
JP3419327B2 (ja) 磁器材料及び超音波探触子及び圧電振動子及びそれらの製造方法
EP3237121B1 (en) Method for making integrated multi-element acoustic transducers
JP2009194226A (ja) 積層型圧電素子及びその製造方法
JP2003133898A (ja) 積層圧電振動子
JP3934200B2 (ja) 超音波探触子
JP2003133891A (ja) 積層圧電振動子
JP3608874B2 (ja) 超音波探触子
JPS63175761A (ja) 超音波探触子
JP3589063B2 (ja) 超音波探触子
JP6913500B2 (ja) 積層型圧電素子、および積層型圧電素子の製造方法
JPH07108038B2 (ja) 超音波探触子
JPS6410998B2 (ja)
JPH07108037B2 (ja) 超音波探触子
JPS6342744Y2 (ja)