JP3419327B2 - 磁器材料及び超音波探触子及び圧電振動子及びそれらの製造方法 - Google Patents

磁器材料及び超音波探触子及び圧電振動子及びそれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波探触子および
上記の超音波探触子の超音波送受信素子に使用される音
響整合用磁器材料および圧電磁器振動子用の磁器材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から医療、探傷などの計測の分野で
用いられる超音波探触子では、超音波の送受信を行なう
圧電体は所望の中心周波数fcの超音波を効率よく発生さ
せるため半波長共振の振動モードが使用されている。
【0003】図9は従来の超音波探触子の断面図であ
る。図9において、1超音波探触子、2は圧電体、4は
バッキング材、5は第1整合層、6は第2整合層、11
は圧電体の両端面に設けられた電極、12は電極11と
図示していない送受信回路とを結合する信号線である。
【0004】図10に示した構成において、信号線12
を通して送信回路からの駆動信号が印加されると圧電体
2の内部には厚み方向のひずみが発生し、その結果厚み
方向の縦振動の基本共振である半波長共振が強く励振さ
れて超音波が放射される。したがって圧電体2の厚みは
放射される超音波の周波数の半波長にほぼ等しい。
【0005】この場合には、圧電体に入る電気的パワー
はバッキング材4の方にも音響パワーとして分配される
ため、被検体への音響パワーが少なく、超音波探触子の
効率を落とす原因になっている。圧電板の背面側に圧電
体とは異なる層を設けて超音波探触子の効率を向上させ
る構造としては、例えば特開昭53−2539号公報に
記載された超音波探触子が知られている。図10は特開
昭53−2539号公報に記載された超音波探触子の斜
視図である。
【0006】図10において、1は超音波探触子、2は
圧電体、3は背面層、4はバッキング材、11は電極層
である。以上の構成において、圧電体2は使用され中心
周波数の1/4波長の厚みであり、背面層3は圧電体2
およびバッキング材4よりも大きな音響インピーダンス
を持ち、1/4波長あるいはその奇数倍の厚みに設計さ
れている。また圧電体2の材料は、酸化亜鉛などの圧電
材料であり、背面層3上にスパッタ等のプロセスのよっ
て作成されたものである。電極14に駆動電圧を印加す
ることにより、圧電体2は1/4波長共振を行い超音波
を放射する。
【0007】この際圧電体2の背面層側の端面からみ
た、インピーダンスが大きくなるため背面層3側へのエ
ネルギーの放射が少なくなり、効率の高い超音波探触子
を実現している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みて開発されたもので、高圧電定数を有
する圧電磁器を用い、その圧電材料の音響インピーダン
スに比べて大きい音響インピーダンスを持つ磁器材料を
提供し、かつそれらを精密に接合して組み合わせ縦振動
姿態を基本定在波の4分の1にする。これにより従来の
振動姿態に加えて2倍の周波数にサブバンドを持つ圧電
振動子を可能にし、高感度の超音波探触子とその超音波
送受信素子である圧電振動子の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0009】しかしながら、従来の技術においては、ス
パッタ等のプロセスによって圧電体を形成しているた
め、圧電体の厚みは数10μm程度であり、その周波数
は数10MHz程度になり、超音波診断装置で一般的に
使用されている数MHz程度の周波数に適用することは
できず、また圧電体の厚みに対して動作面積が大きいk
tモードでの駆動方式であるため、素子の少なくとも1
つの辺が波長と同程度に狭く、ポアソン比などが特性に
大きく影響を与え、さらには切削微細加工の必要なアレ
イ型素子には直接適応できないという問題点を有してい
た。また、音響インピーダンスの大きい材料は硬く脆い
性質があるために加工が非常に困難であった。
【0010】本発明は上記課題に鑑み、現在の汎用的な
医用超音波診断装置に適用可能な圧電体に適合する弾性
体となる大きな音響インピーダンスを持つ磁器材料を背
面層に有するアレイ型超音波探触子及び圧電振動子を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような問題点を解決
するため、本発明では、圧電体とバッキング材の間に上
記圧電体とバッキング材よりも音響インピーダンスの大
きな材料からなる背面層を設け、アレイを構成する各素
子幅と上記圧電体と背面層をあわせた厚みとの比を1以
下とする構成を実現したものである。
【0012】この課題を解決するために、圧電磁器と接
合しやすく音響インピーダンスが大きい磁器材料とし
て、本発明における鉛、ランタン、チタン、亜鉛、ニオ
ブを主成分とする複合ペロブスカイト型酸化物において
組成式がXLa(Zn2/3Nb1/ 3)O3-(1−X)PbTi
3で表せ、Xが0.05から0.35の範囲内にあり、さらにマ
ンガン酸化物を5重量%以下添加した磁器材料を提供す
る。
【0013】さらに、本発明における圧電振動子あるい
は超音波探触子を実現するには、圧電磁器と接合状態を
良好にするためにメジアン径が0.7μm以下に微粒子化
した粉末を高分子材料(ニトロセルロース、ポリビニル
アルコール等)を粘着剤としたグリーンシートにし、数
μm以下の薄い電極を界面に形成した後に焼成すること
により接合層を0.5μm以下の厚みバラツキにし所望の
特性を持つ圧電振動子あるいは超音波探触子が得られ
る。これらの発明により、従来にない周波数帯域特性を
持つ高感度超音波探触子が得られる。
【0014】また、さらに上記の圧電体磁器と組成式
La(Zn 2/3 Nb 1/3 )O 3 −(1−X)PbTiO 3 で表せ
る材料を主成分とした磁器材料の積層化を実現するため
の製造方法も明記した。
【0015】上記発明により、超音波診断装置に適用可
能なアレイ型超音波探触子および圧電振動子を実現する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、鉛、ランタン、チタン、亜鉛、ニオブを主成分とす
る複合ペロブスカイト型酸化物において組成式が、XL
a(Zn2/3Nb 1/3)O3-(1−X)PbTiO3で表せ、
Xが0.05から0.35の範囲内にあり、さらにマンガン酸化
物を5重量%以下添加したことを特徴とする磁器材料を
用いることにより高圧電定数を持つ圧電磁器と組み合わ
せた高感度のアレイ型超音波探触子を実現することがで
きる。
【0017】請求項2に記載の発明は、超音波を送受信
する圧電体と、上記圧電体の背面側に圧電体よりも大き
な音響インピーダンスをもつ背面層と上記背面層より音
響インピーダンスの小さなバッキング材を具備した多数
の超音波送受信素子を少なくとも1次元に配列したアレ
イ型超音波探触子において、背面層として鉛、ランタ
ン、チタン、亜鉛、ニオブを主成分とする複合ペロブス
カイト型酸化物において組成式がXLa(Zn2/3Nb
1/3)O3-(1−X)PbTiO3で表せ、Xが0.05から0.35
の範囲内にあり、さらにマンガン酸化物を5重量%以下
添加したことを特徴とする磁器材料を用いることにより
高圧電定数を持つ圧電磁器と組み合わせた高感度のアレ
イ型超音波探触子を実現することができる。
【0018】請求項3に記載の発明は、背面層の厚みが
中心周波数における波長の0.05〜0.25倍であることを特
徴とする、請求項1の磁器材料と圧電磁器を組み合わせ
た圧電振動子であり、圧電体の厚みを上記の範囲に設定
することにより、所望の中心周波数において最大の感度
を得ることが可能となる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項2記載の超
音波探触子を製造する際に請求項1記載の磁器材料と圧
電磁器材料をグリーンシートにし界面に電極を形成した
のち焼成することにより高感度の超音波探触子を得るこ
とが可能となる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項3記載の圧
電磁器振動子を製造する際に請求項1記載の磁器材料と
圧電磁器材料をグリーンシートにし界面に電極を形成し
たのち焼成することにより形成した圧電磁器振動子が所
望の中心周波数において最大の出力を得ることが可能と
なる。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項1記載の磁
器材料を微粒子化し高分子材料と混合した粘性体と請求
項3記載の圧電磁器となる前駆体として粒子径が5ミク
ロン以下の強誘電体粒子を高分子材料と混合した粘性体
を予め所望の構造に加工し、さらに所望の位置に電極形
成を行った後、焼結させることにより、所望の形状の圧
電振動子を製造することが可能となる。
【0022】なお、電極形成されたグリーンシートを予
め所望の構造に加工した後、炭素あるいは白金を主成分
とした金型に挿入した後、焼結させることにより、所望
の形状の圧電振動子を製造することが可能となる。
【0023】また、グリーンシートを予め所望の構造に
レーザー加工した後、焼結させることにより、所望の2
次元あるいは3次元形状の圧電磁器振動子を製造するこ
とが可能となる。
【0024】次に、本発明の具体例を説明する。 (実施例1)まず、本発明にかかる鉛、ランタン、チタ
ン、亜鉛、ニオブを主成分とする複合ペロブスカイト型
酸化物において組成式がXLa(Zn2/3Nb1/3)O3-
(1−X)PbTiO3で表せ、Xが0.05から0.35の範囲内
にあり、さらにマンガン酸化物を5重量%以下添加した
ことを特徴とする磁器材料と圧電特性を持つセラミック
材料を粉体にする。
【0025】上記の組成物XLa(Zn2/3Nb1/3)O3-
(1−X)PbTiO3は、酸化ランタン、酸化亜鉛、五
酸化ニオブ、酸化チタン、酸化鉛を出発原料として800
℃から900℃で数時間数回仮焼成した状態の粉体を用い
る。この時、粉体はその平均粒径が0.7ミクロン以下及
び最大粒子径が5ミクロン以下になるように粉砕、分級
し、次に高分子材料であるポリビニルアルコール(PVA)
を含む水溶液あるいはポリビニルブチラール(PVB)を
含む有機溶媒を各々の粉体に加え、混合し、粘土状にす
る。圧電磁器材料も同様に粉砕、分級し、高分子溶液と
混合して粘土状にする。次に、最終寸法形状となるよう
に予め焼結時の収縮率を測定し、それぞれのシートの形
状を決定する。
【0026】ここで本発明のXLa(Zn2/3Nb1/3)O
3-(1−X)PbTiO3系磁器材料と圧電磁器材料の収
縮率を合わせることが重要で、そのために両者の仮焼成
温度を調節して焼成後の寸法を一致させた。またこの
時、薄いグリーンシートにするときは粘度を低くして狭
いスリットの間から流し出しポリエチレンテレフタレー
トのシートの上に敷き乾燥させて柔軟性のある薄いグリ
ーンシートとする。
【0027】次に、圧電磁器材料のグリーンシートの所
定の場所に電極を蒸着や印刷で形成しさらにそれを所望
の形状に加工し、本発明の磁器材料シートと圧電磁器材
料のシートを積層した状態で電気炉等で焼成する。
【0028】この時、一度400〜700℃以下の温度
で数時間程度保持しバインダであるPVAあるいはPVBを除
去し、次に1100〜1250℃の間で約2時間焼成し
て所望の圧電振動子を作成した。
【0029】ここで、本発明にかかる磁器材料であるX
La(Zn2/3Nb1/3)O3-(1−X)PbTiO3系磁器
材料の音響インピーダンス特性について図1に示す。モ
ル比Xが0.2の時に最大値となり、圧電磁器材料との組み
合わせによりXが0.05から0.35の範囲が有効である。こ
の範囲を超えると圧電磁器材料の音響インピーダンスと
同程度の値になってしまう。
【0030】さらに、XLa(Zn2/3Nb1/3)O3-(1
−X)PbTiO3系磁器材料にマンガン酸化物を少量
(5重量%以下)添加して焼成すると音速が5%程度改
善された。
【0031】また、この時の圧電磁器材料としては、ペ
ロブスカイト型酸化物の強誘電体やタングステンブロン
ズ構造の強誘電体を用いた。具体的には、鉛、バリウ
ム、ストロンチウム、亜鉛、ニオブ、タンタル、マグネ
シウム、チタン、ジルコニウム、ランタニド系の元素を
二つ以上含んだ酸化物圧電材料によって実施できた。
【0032】また、圧電磁器材料の替りとして音響イン
ピーダンスの低い圧電材料として鉛を含むペロブスカイ
ト型酸化物の強誘電体の単結晶XLa(Zn2/3Nb1/3)
3-(1−X)PbTiO3(Xが0.08から0.15)との組み
合わせることもできた。電極材料としては白金、あるい
は銀を含むパラジウム、あるいはニッケルを使用した。
【0033】一方、本発明のXLa(Zn2/3Nb1/3)O
3-(1−X)PbTiO3系磁器材料と前記の圧電材料が
焼結体あるいは単結晶板の状態の場合は背面層となる本
発明の磁器材料と圧電材料を表面粗さが0.25μm以下に
し、接着層を0.5μm以下になるように接着剤で接合し
た。この場合の電極材料は銀、金、白金、銅等の電極層
を蒸着で形成した。
【0034】また、接着強度を増すためにクロム、ある
いはチタンを100nm以下で電極と圧電材料の界面に形成
した。
【0035】以下に本発明の磁器材料を用いた超音波探
触子と圧電振動子について、図2ないし図8を用いて本
発明の実施の形態について説明する。
【0036】(実施の形態1)図2は本発明、実施の形
態1における超音波探触子の斜視図である。図2におい
て1超音波探触子、2は超音波を送受信する圧電体、3
は圧電体2の背面に設けられた背面層、4は背面層の背
後に設けられ超音波探触子1全体を支持しているバッキ
ング材、5、6は図示されていない被検体との音響的マ
ッチングをとるための第1および第2整合層、7は短軸方
向のフォーカスを行うための音響レンズ、8はアレイを
構成するために設けられたダイシングギャップ、9はダ
イシングギャップに充填され超音波探触子の機械的強度
を保つための充填材、10はアレイを構成する超音波送
受信素子である。
【0037】図3は本発明の第1の実施例における超音
波探触子の断面の模式図である。図3において11は圧
電体2の両端面に設けられた電極層、12は圧電体の電
極層に接続された信号線であり、これらは図示されてい
ない本体内の送受信回路回路と接続されている。また1
3は圧電体2と背面層3を接合するための接着層であ
る。 ここで、この接合層13は製造方法によりゼロに
することもできる。
【0038】以上のように構成された超音波探触子1の
製造方法の一例を説明する最初に計測に用いる超音波の
中心周波数を決定する。中心周波数は測定対象の大き
さ、測定対象までの距離、所望の分解能などから決定さ
れる。中心周波数が決定した後圧電体2の厚みを設定し
た中心周波数と圧電体2の音速の関係で決まる波長に対
しての0.2〜0.3倍程度に設定し、所定の厚みの圧電体2
を研削、研磨などにより作成する。また、厚み以外の寸
法に関しては、超音波探触子1の使用環境、測定対象な
どを考慮して決定し、予めダイサやワイヤソウなどによ
り所定の寸法に加工しておけばよい。
【0039】圧電体2の材料はPZTなどの圧電磁器、
また圧電コンポジット材料、圧電高分子材料などの圧電
性を有するものであれば良いが、電気機械結合係数の大
きいものが望ましい。この圧電体2の両面に、焼付け・
印刷・スパッタなどにより電極11を形成する。電極材
料は導電性の良好な金属であればよく、音響特性上から
電極はなるべく薄く形成されている事が好ましい。
【0040】電極11を形成した圧電体2の背面側に、
圧電体2より音響インピーダンスの大きな材料で構成さ
れている背面層3を所定の寸法に加工したのち接着剤に
より接合する。背面層3の厚みは中心周波数fcと背面層
3の音速Vbの関係で決まる波長に対しての0.05〜0.25
倍程度に設定し、研削、研磨などにより作成する。
【0041】接着工程においてはダイセットや専用の接
着治具などを使用し接着層13を可能な限り薄くするこ
とが必要である。背面層3の材料は、圧電体2より音響
インピーダンスの大きいものであればよいが、圧電体2
との接合性の良好なもので、かつアレイを形成するため
に切削性の良好な材料が望ましい。
【0042】本発明にかかる背面層3として有効な磁器
材料は音響インピーダンスが33Mkg/(m2・s)
以上のものであれば、圧電体として音響インピーダンス
が32Mkg/(m2・s)程度の値を有するPZT系
の圧電セラミックスを使用した場合にも背面層として適
当な材料となる。本発明にかかる磁器材料であるXLa
(Zn2/3Nb1/3)O3-(1−X)PbTiO3系磁器材料
の音響インピーダンス特性は、この条件を満たしてい
た。
【0043】圧電体2と背面層3を接着した後にバッキ
ング剤4、第1整合層5、第2整合層6を接着し、ダイ
サなどを使用してダンシングギャップ8を形成する。そ
の際各超音波送受信素子1幅Wと圧電体2と背面層3を
あわせた厚みTとの比は0.8以下、望ましくは0.6
以下に設定する。超音波探触子1に機械的な強度が必要
である場合には、ダイシングギャップ8に充填材9を充
填する。
【0044】充填材は各アレイ素子間のクロストークを
低く押さえるために、例えば硬度の低いエポキシ系の樹
脂やシリコン系の樹脂、あるいはポリウレタン系の樹脂
などを使用すればよい。充填材9の充填後音響レンズ7
を接着する。信号線11は圧電体2の上下の電極10と
の電気的接続ができればよく、背面層3を接合する前、
あるいは接合後に電極10にハンダ付けや導電性ペース
トあるいはワイヤボンディングなどにより接合する。
【0045】なお、上記の製造方法によれば、圧電体2
と背面層3を接合する接着層12以外に、背面層3とバ
ッキング材4、圧電体2と第1整合層5、第1整合層5
と第2整合層6、第2整合層6と音響レンズ7間に接着
層が存在するが図3では省略した。
【0046】以上のように構成された超音波探触子1の
動作について図2を参照しながら説明する。図2に示さ
れる本発明の第1の実施例における探触子を設計した場
合、圧電体2の厚みは0.2〜0.3波長に設定され、一般的
な従来の1/2波長共振を用いた超音波探触子に比べて
薄く設計されている。
【0047】駆動電圧Vを印加した場合、圧電体内部に
発生する電界強度は圧電体の厚みに反比例するため、本
発明の超音波探触子は従来の超音波探触子と比較して内
部の電界強度が大きく、したがって大きなひずみが発生
する。寸法的には本実施例における圧電体2の厚みは、
従来の圧電体2の厚みの1/2程度になるため、圧電体2
内部に電界により発生するひずみは従来の2倍程度にな
る。
【0048】圧電体2の厚みを薄くして電界強度を高め
内部のひずみを大きくした場合、圧電体2の両端面がフ
リーに近い状態で振動するため、厚み方向の半波長共振
が強く励振されてしまい、中心周波数が上昇してしまう
が、本実施の形態における超音波探触子1では圧電体2
より音響インピーダンスが大きい背面層3として本発明
にかかる磁器材料であるXLa(Zn2/3Nb1/3)O3-
(1−X)PbTiO3系磁器材料を設けたことにより、
圧電体2の背面層側の振動を抑制し、中心周波数の上昇
を押さえた状態で大きなひずみを発生させることができ
た。結果的に送信時の効率が高く、受信感度も高い超音
波探触子となった。
【0049】高効率のアレイ型超音波探触子を構成する
ためには、圧電体2の厚みと超音波送受信素子10の幅
の関係が重要であり、従来の超音波探触子では、圧電体
の幅と厚みの比が1以下、望ましくは0.6以下であるこ
とが望ましいとされている。本発明の実施の形態1にお
ける超音波探触子1場合には、圧電体2と背面層3を一
体で考えた場合の振動特性が重要である。
【0050】図4は圧電体2と背面層3をあわせた厚み
をTとして、超音波送受信素子10の幅との関係を変え
てインピーダンス特性をシミュレーションした結果であ
る。図4(a)はW/T=0.5、(b)はW/T=
0.6、(c)はW/T=0.8の場合の結果である。
【0051】図4(a)、(b)では、4MHzから5
MHz付近に大きな縦振動の共振が現れているが、
(c)では反共振の部分に横方向の共振が発生し、全体
としての縦振動特性に影響を与えていることがわかる。
図4より、本実施の形態における超音波送受信素子10
を高効率なものとするためには、超音波送受信素子10
の幅Wと圧電体2と背面層3をあわせた厚みTの比W/
Tが0.8以下、望ましくは0.6以下に設計すること
が必要である。
【0052】また、背面層3の厚みと音響インピーダン
スは超音波探触子の感度に対して影響を与え、送信感度
および受信感度に対する影響が異なる。 図5および図
6は本実施の形態における超音波探触子の感度特性と背
面層4の厚みおよび音響インピーダンスの関係を示した
もので、縦軸は相対感度を横軸は中心周波数の場合の波
長で規格化した背面層の厚みである。図5は送信感度、
図6は受信感度をそれぞれ示している。図5に示めすよ
うに送信感度は背面層の厚みが0.15波長付近で最大値に
達する。
【0053】一方、図6に示すよう受信感度に関しては
背面層4の音響インピーダンスに対する依存性は少な
い。この場合には総合の感度は0.2〜0.25波長付近で最
大となり、また背面層3の圧電体3に対する音響インピ
ーダンスの比が大きいほど相対的な感度は大きくなる。
図5、図6に示すよう背面層の厚さと音響インピーダン
スの影響の違いを利用することにより、圧電体2などの
他の構成に大きな変更を加えることなしに送信感度ある
いは受信感度が異なる超音波探触子を容易に設計製作す
ることが可能になる。
【0054】さらに、接着によって圧電体2と背面層3
を接合する場合には、図2における接着層13の厚みと
音響インピーダンスが大きな影響を与える。図7は接着
層13の厚みを一定にして、接着材の音響インピーダン
スZを0から10まで変化させた場合の超音波探触子1
の帯域特性の変化のシミュレーション結果である。図7
に示すように音響インピーダンスが低い場合には、帯域
特性が狭帯域化し感度の低下が顕著である。
【0055】図8は接着層の音響インピーダンスと中心
周波数で規格化した厚みを変化させた場合の感度の低下
を示している。接着層の厚みを0にすることは現実に不
可能であり、また一般的に使用されるエポキシ樹脂など
の高分子系の接着剤の音響インピーダンスは10Mkg/
(m2・s)以下である。若干の感度低下は容赦するこ
とは不可欠であり、原理的感度に対して−3dB以内の
感度低下に押さえようとする場合には、接着層は0.0
1波長以下に制御することが必要である。
【0056】以上のように本実施の形態によれば、超音
波を送受信する圧電体と、上記圧電体の背面側に圧電体
より大きな音響インピーダンスをもつ背面層を設け、か
つ超音波送受信素子の幅と圧電体、背面層の厚みの比を
0.8以下にし、また圧電体と背面層間の接着層を0.01
波長以下に制御することにより、高効率の超音波探触子
を実現できる。さらに、上記背面層の厚みおよび音響イ
ンピーダンスを変更することにより、送信感度、受信感
度を変更することができ超音波探触子の設計自由度を広
げることができる。
【0057】本実施の形態を実現する上で本発明にかか
る磁器材料であるXLa(Zn2/3Nb1/3)O3-(1−X)
PbTiO3系磁器材料を背面層3に用い、圧電体2と
してXLa(Zn2/3Nb1/3)O3-(1−X)PbTiO3
系圧電磁器材料や単結晶XLa(Zn2/3Nb1/3)O3-
(1−X)PbTiO3を用いた場合この予測と一致し
た。
【0058】また、加工法として、焼結体あるいは単結
晶を切削研磨して所望の形状にした後に接合した場合と
焼結前にグリーンシートの段階でレーザーを用いて加工
した後に焼結する方法を行ったが両方ともに同様に設計
予測と合致した結果を得た。
【0059】さらに、グリーンシートを切断、電極形成
等の加工した後にあらかじめ設計された白金あるいは炭
素を主成分とする金型にこの加工済みのグリーンシート
を挿入した後に焼結することにより図2、図3のような
平板形状以外に凹面形状や凸面形状の圧電体と背面層積
層型の圧電振動子やそれを用いた超音波探触子も形成で
きた。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明の高音響インピー
ダンスの磁器材料を用いた圧電振動子を設けた超音波探
触子によれば従来の超音波探触子と比較し、高効率の超
音波探触子が構成できるため送受信感度が向上し、高感
度な計測が可能となるものである。また本発明の超音波
探触子の構造によれば送信感度、受信感度などの設定を
背面層の厚みと音響インピーダンスを変化させることに
より制御でき、超音波探触子の設計の自由度を広げるこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁器材料の音響インピーダンスおよび
密度に関する説明図
【図2】本発明の実施の形態1における超音波探触子の
斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における超音波探触子の
断面の模式図
【図4】本発明の実施の形態1における超音波探触子の
超音波送受信素子幅と圧電体背面層の厚みの比を代えた
場合のインピーダンス特性の変化を示した図
【図5】本発明の実施の形態1における超音波探触子の
背面層の厚みと音響インピーダンスと送信感度の関係を
示す図
【図6】本発明の実施の形態1における超音波探触子の
背面層の厚みと音響インピーダンスと受信感度の関係を
示す図
【図7】本発明の実施の形態1における超音波探触子の
圧電体と背面層間の接着層の厚さと音響インピーダンス
と超音波探触子の帯域特性の関係を示す図
【図8】本発明の実施の形態1における超音波探触子の
圧電体と背面層間の接着層の厚さと音響インピーダンス
と超音波探触子の感度特性の関係を示す図
【図9】従来の超音波探触子の断面図
【図10】従来の超音波探触子の断面図
【符号の説明】
1 アレイ型超音波探触子 2 圧電体 3 背面層 4 バッキング材 5 第1整合層 6 第2整合層 7 音響レンズ 8 ダイシングギャップ 9 充填材 10 超音波送受信素子 11 電極層 12 信号線 13 接着層 14 金属膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−130682(JP,A) 特開 平3−288481(JP,A) LV 10072 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛、ランタン、チタン、亜鉛、ニオブを
    主成分とする複合ペロブスカイト型酸化物において組成
    式がXLa(Zn2/3Nb1/3)O3−(1−X)PbTiO3
    で表せ、Xが0.05から0.35の範囲内にあり、さらにマン
    ガン酸化物を5重量%以下添加したことを特徴とする磁
    器材料。
  2. 【請求項2】 超音波を送受信する圧電体と、上記圧電
    体の背面側に圧電体よりも大きな音響インピーダンスを
    もつ背面層と上記背面層より音響インピーダンスの小さ
    なバッキング材を具備した多数の超音波送受信素子を少
    なくとも1次元に配列したアレイ型超音波探触子におい
    て、請求項1記載の磁器材料を前記の圧電体よりも大き
    な音響インピーダンスをもつ背面層として備えたことを
    特徴とする超音波探触子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁器材料を圧電磁器と組
    み合わせたことを特徴とする圧電振動子。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の超音波探触子を製造する
    際に請求項1記載の磁器材料と圧電材料をグリーンシー
    トにし界面に電極を形成したのち焼成することを特徴と
    した超音波探触子。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の圧電振動子を製造する際
    に請求項1記載の磁器材料と圧電材料をグリーンシート
    にし界面に電極を形成したのち焼成することを特徴とし
    た圧電振動子。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の磁器材料を平均粒子径
    0.7ミクロン以下及び最大粒子径5ミクロン以下の微
    粒子とし高分子材料と混合した粘性体と請求項3記載の
    圧電材料となる前駆体として平均粒子径0.7ミクロン
    以下及び最大粒子径5ミクロン以下の強誘電体粒子を高
    分子材料と混合した粘性体を予め所望の構造に加工し、
    さらに所望の位置に電極形成を行った後、焼結させるこ
    とにより、所望の形状の振動子を製造する圧電振動子の
    製造方法
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