JP2003060480A - 超薄板atカット水晶共振素子 - Google Patents

超薄板atカット水晶共振素子

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JP2003060480A
JP2003060480A JP2001249862A JP2001249862A JP2003060480A JP 2003060480 A JP2003060480 A JP 2003060480A JP 2001249862 A JP2001249862 A JP 2001249862A JP 2001249862 A JP2001249862 A JP 2001249862A JP 2003060480 A JP2003060480 A JP 2003060480A
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JP2001249862A
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Jun Watanabe
潤 渡辺
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹陥側振動部に多電極を要する超薄板A
Tカット水晶共振素子において、凹陥側振動部に形成し
た分割電極から基板端部のパッド電極へ接続するリード
電極を凹陥部側壁で断線することなく確実に形成するこ
とを可能とする凹陥構造を有する超薄板ATカット水晶
共振素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
造が凹型若しくは逆凹型の超薄板ATカット水晶共振素
子において、凹陥部内に該凹陥部の一辺から連続して延
びる肉厚の凸部を形成し、分割電極から延出するリード
電極を前記凸部の側壁を介して形成することによって環
状囲繞部のパッド電極に電気的に接続することを可能せ
しめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は100MHz以上の
高い基本波共振周波数を有する凹陥型ATカット水晶共
振素子に関し、特に凹陥側振動部に形成した励振用電極
から延出したリード電極の引き回しパターンを環状囲繞
部上のパッド電極と接続したとき、凹陥内側壁でリード
電極の引き回しパターンが断線することを防止した超薄
板ATカット水晶共振素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無線通信、特に携帯電話機等の移
動体通信機器のIFフィルタとして、MCF(Monolithic
Crystal Filter)が幅広く使用されている。中でも、
ATカット水晶基板を用いたMCFは、広い温度範囲で
極めて高い周波数安定性を有し、また経時変化特性にも
優れているので、移動体通信機器を中心とする各種通信
機器で多用されている。
【0003】図5(a)は、従来の超薄板MCF素子の
平面図、図5(b)はそのA−A断面図、図5(c)は
その等価回路図を示している。超薄板MCF素子1は、
少なくとも一方の主面にフォトリソグラフィ技法とエッ
チング技法とを用いて凹陥部2を形成したATカット水
晶基板3と、凹陥部2の底面に位置する超薄板振動部4
の表面側(基板の平坦側)に形成した2つの励振用分割
電極5と、該分割電極5から基板端部に形成されたパッ
ド電極6へ引出されたリード電極7と、凹陥部2を形成
した面の主面全体に蒸着やスパッタ成膜等により形成し
た共通電極8とから構成されている。尚、環状囲繞部9
は超薄板振動部4の外周を補強するために設けられた厚
肉部である。
【0004】前記超薄板MCF素子1は、所定の間隙を
介して分割された励振用分割電極5上に励起される振動
モードが音響結合することによって生ずる二つの振動モ
ードを利用してMCFを構成している。前記二つの振動
モードのうち、周波数の低いモードを対称モード、周波
数の高いモードを反対称(斜対称)モードと称する。超
薄板MCF素子の通過帯域幅は周知の通り、対称モード
と反対称モードの各共振周波数の差のほぼ2倍となり、
前記二つの振動モードの結合度、即ち二つの振動モード
の共振周波数の差はATカット水晶基板の弾性定数、電
極形状、電極膜厚及び分割電極の間隙に依存し、結合度
を大きくするほどフィルタの通過帯域幅が広くなる。
【0005】ところで、近年は移動体通信端末機内部に
用いられるICはノイズ低減のため平衡型が用いられる
ようになり、従来のフィルタを利用する場合にはバラン
等の不平衡−平衡変換回路が必要となるが、部品点数を
削減するため、フィルタも平衡型のものが要求されるよ
うになってきた。
【0006】図6は、平衡型超薄板2ポールMCF素子
11を示す図であって、図6(a)は平面図、図6
(b)は、そのA−A断面図、図6(c)は等価回路図
である。ATカット水晶基板3に形成した凹陥部2の底
面に位置する振動部4の表裏両面には各々2個ずつ励振
用分割電極5,12を形成し、凹陥側の前記分割電極1
2から基板端縁に形成したパッド電極13へ接続するた
めのリード電極14を形成し、平坦側の前記分割電極5
から基板端縁に形成したパッド電極15へ接続するため
のリード電極16を形成している。平衡型超薄板2ポー
ルMCF素子11の振動部4を介して対向する分割電極
対の一方を入力信号ラインIN1及びIN2とし、もう
一方の分割電極対をONT1及びOUT2とする。
【0007】また、通過帯域付近における阻止域の減衰
量を大きくし、且つ、スカート特性が急峻なフィルタ特
性を得るため、図7に示すように平衡型超薄板2ポール
MCF素子を多段縦続接続した4ポールMCF17が求
められ、更に小型化を達成するために図8に示す如く単
一の水晶基板上に2対の励振用分割電極18,19を形
成した4ポール平衡型多段縦続接続MCF20が求めら
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ATカ
ット水晶基板は結晶軸方向による異方性を有しているた
めに、エッチングを行い図9(a)の如く凹陥部を形成
すると、凹陥部側壁と凹陥側主面21との間の屈曲部に
おいて、凹陥部側壁と凹陥側主面とがほぼ直角に交わる
部位が生じるというエッチング性質がある。
【0009】即ち、図9(a)に示した凹陥型ATカッ
ト水晶基板ではx軸方向及びz'軸方向に伸びる夫々2
つずつの側壁面のうち、側壁面の形成方向(面が向いて
いる方向)が−x軸方向(+x軸方向から時計回りに1
80°回転した方向)の部位と、側壁面の形成方向が
z'軸方向(+x軸方向から時計回りに90°回転した
方向)の部位における側壁面と凹陥側主面とのなす角は
鈍角であるのに対し、図9(a)に示すように側壁の形
成方向が+x軸方向の部位の稜線22(図9(b)のA
−A断面図を参照)及び側壁の形成方向が+x軸方向を
基準に時計回りに270°の部位の稜線23(図9
(c)のB−B断面図を参照)における側壁面と凹陥側
主面とのなす角は90°となる。
【0010】従って、図8の4ポールの平衡型多段縦続
接続超薄板MCF素子20の励振用分割電極19から基
板端部に設けたパッド電極26へ接続したリード電極2
7において、凹陥部側壁の稜線28で、蒸着或はスパッ
タ成膜等によって形成した導電膜(リード電極27)に
断線が発生し易くなるという問題あった。これによっ
て、歩留りも著しく低下し、生産コストを下げることが
困難となっていた。
【0011】上記の問題に鑑み図10(a)に示す如
く、励振用分割電極18,19からパッド電極へ接続す
るリード電極において、パッド電極を1つの基板端部に
集約し、該パッド電極へ前記分割電極18,19から夫
々リード電極を延出することも考えられたが、斯かるリ
ード電極の引き回しパターンの構成をとると、リード電
極29,30間で電気的な結合を起こし、結合により生
じた容量がフィルタの通過帯域特性に悪影響を及ぼす問
題があった。
【0012】また、高周波デバイスのリード電極の引き
回しにおいては、デバイスの電気的特性の劣化を抑制す
るためにリード電極を極力短くすることが常套手段であ
り、斯かる上記の長い引き回しパターンでは不要な容量
成分(Stray capacitance)やインダクタンス成分(Ind
uctance)が生じ前述と同様にフィルタの通過帯域特性
に悪影響を及ぼす問題があった。
【0013】更に、図10(b)に示す如く一方の分割
電極19aから延出するリード電極32を凹陥部側壁面
の向いている方向が+x軸方向を基準にして時計周りに
90°の方向となる側壁31aを介して延出し基板端部
のパッド電極へ接続すれば断線を防止できるものの、他
方の分割電極19bから延出するリード電極33を凹陥
部側壁面の向いている方向が+x軸方向を基準にして時
計周りに270°の方向となる側壁31bを介して延出
し基板端部のパッド電極へ接続すると、当該リード電極
33は側壁31bと凹陥側主面との接続辺(稜線)で断
線する可能性が極めて高く、前記リード電極33が断線
することなく、しかも上記の如きフィルタ特性上の問題
をも発生させることなく基板端部へ延出させることは極
めて困難に近かった。
【0014】よって、本発明は、上述した凹陥側振動部
に多電極を要する超薄板ATカット水晶共振素子に関す
る諸問題を解決するためになされたものであって、凹陥
側振動部に形成した分割電極から基板端部のパッド電極
へ接続するリード電極を凹陥側壁で断線することなく確
実に形成することを可能とする凹陥構造を有する超薄板
ATカット水晶共振素子を提供することを目的とする。
【0015】更に、本願出願人は、ATカット水晶基板
にエッチングにより凹陥部を形成したとき、凹陥部側壁
と凹陥側主面との間の屈曲部と水晶の結晶軸異方性との
関係を明らかにし、凹陥部側壁で断線することなく確実
に導電膜を形成するための凹陥パターンの有効な設計手
法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る超薄板ATカット水晶共振素子の請求項
1記載の発明は、薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支
持する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面
構造が凹型若しくは逆凹型の超薄板ATカット水晶共振
素子において、前記厚肉の環状囲繞部の少なくとも一辺
から凹陥側薄肉の振動部に延びる厚肉の凸部があること
を特徴とする超薄板ATカット水晶共振素子である。
【0017】請求項2記載の発明は、薄肉の振動部と前
記振動部の周囲を支持する厚肉の環状囲繞部とを一体的
に構成し、その断面構造が凹型若しくは逆凹型の超薄板
ATカット水晶共振素子において、前記厚肉の環状囲繞
部の少なくとも一辺から該凹陥の厚肉とほぼ同じ肉厚で
凹陥部内に延出した凸部を備え、該凸部の稜線に対し前
記凸部の側壁面の形成方向が、xz'平面内を+x軸方
向を基準として、時計周りに+20°〜+190°の範
囲である前記側壁を有することを特徴とする超薄板AT
カット水晶共振素子である。
【0018】請求項3記載の発明は、上記振動部に形成
した励振用電極からの延出したリード電極の引き回しパ
ターンを、上記凸部の稜線に対し前記凸部の側壁面の形
成方向が、 xz'平面内を+x軸方向を基準として、時
計周りに+20°〜+190°の範囲である前記側壁を
介して、環状囲繞部に形成したパッド電極と接続したこ
とを特徴とする超薄板ATカット水晶共振素子である。
【0019】請求項4記載の発明は、薄肉の振動部と前
記振動部の周囲を支持する厚肉の環状囲繞部とを一体的
に構成し、その断面構造が凹型若しくは逆凹型の超薄板
ATカット水晶共振素子において、凹陥内側壁の凹陥側
厚肉の主面と接する辺が、xz'平面内を+x軸方向を
基準として、時計周りに+20°〜+190°の領域を
第1領域とし、該第1領域を除いた領域を第2領域とした
とき、前記第1領域の成分を有する辺と前記第2領域の成
分を有する辺とを接続する辺であって、該接続辺が第1
領域にあることを特徴とする超薄板ATカット水晶共振
素子である。
【0020】請求項5記載の発明は、上記振動部に形成
した励振用電極からの延出したリード電極の引き回しパ
ターンを、前記接続辺を含む凹陥内側壁を介して、環状
囲繞部に形成したパッド電極と接続したことを特徴とす
る請求項4記載の超薄板ATカット水晶共振素子であ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態例に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る
平衡型4ポール超薄板MCF素子34の図であって、図
1(a)は、その凹陥側の平面図、図1(b)はそのB
−B断面図である。平衡型4ポール超薄板MCF素子3
4は、ATカット水晶基板35の一方の主面に形成した
凹陥部36と、該凹陥部の側壁37の所望の部位から凹
陥内にATカット水晶基板35の厚肉部と同じ肉厚で所
望長さ延出した凸部38と、超薄肉の振動部39の両主
面に対向するように形成した2組の励振用分割電極4
0,41(凹陥側の分割電極:41a,41b)と、基
板端部42に設けたパッド電極43と、該パッド電極4
3と前記凹陥側分割電極40とを接続するためのリード
電極44と、基板端部45に設けたパッド電極46と、
該パッド電極46と前記凹陥側分割電極41aとを接続
するため凹陥部側壁47を介して形成したリード電極4
8と、基板端部45に設けたパッド電極49と、該パッ
ド電極49と前記凹陥側分割電極41bとを接続するた
め前記凸部38の側壁50を介し引き回して形成したリ
ード電極51と、基板平坦側の振動部39に形成した前
記分割電極40,41を夫々の基板端部42,45に設
けたパッド電極52,53と、該パッド電極52,53
と前記分割電極40,41とを接続するために形成した
リード電極54,55とから構成されている。
【0022】ここで、前記凸部38の機能とエッチング
により形成された該凸部の側壁について、以下詳細に説
明する。図9の如くATカット水晶基板にエッチングに
より形成した凹陥部側壁形状とATカット水晶基板の結
晶軸の異方性との関係は前述した通りである。エッチン
グにより形成された前記凸部38の側壁面50,56,
57と凹陥側主面との間の屈曲部(稜線)50a,56
a,57aを観察する。
【0023】稜線56a(稜線58aと平行である)に
対する側壁面56の形成方向は、稜線58aに対する凹
陥部側壁面58の形成方向と同じ+x軸方向であるた
め、側壁面56と凹陥側主面との間の屈曲部56aはほ
ぼ直角に形成されるので、前記側壁56を介してリード
電極を形成することは、断線する可能性が大きいため避
けるべきである。
【0024】更に、稜線57a(稜線59aと平行であ
る)に対する側壁面57の形成方向は、稜線59aに対
する凹陥部側壁面59の形成方向と同じ+x軸方向を基
準として時計周りに270°方向であるため、側壁面5
7と凹陥側主面との間の屈曲部57aはほぼ直角に形成
されるので、前記側壁57を介してリード電極を形成す
ることは、断線する可能性が大きいため避けるべきであ
る。
【0025】一方、稜線50a(稜線47aと平行であ
る)に対する側壁面50の形成方向は、稜線47aに対
する凹陥部側壁面47の形成方向と同じ+x軸方向を基
準として時計周りに90°方向であるため、側壁面57
と凹陥側主面との間の屈曲部57aは鈍角をもって形成
されるので、前記側壁50を介してリード電極を形成し
たとき断線する可能性は側壁面と凹陥側主面とのなす角
が90°の場合と比較して極めて低い。
【0026】従って、図1の如く平衡型4ポール超薄板
MCF素子34を構成すれば、励振用分割電極から基板
端部のパッド電極へ接続するリード電極を凹陥部側壁で
断線させることなく形成することができる。
【0027】尚、前記凸部38を有する凹陥部36のエ
ッチングによる形成は、凹陥部36の凹陥側主面と交わ
る稜線を枠状の穴を形成したマスク等の露光手段を用い
れば、ATカット水晶基板の結晶軸(+x軸方向)と前
記露光手段との位置合せさえ注意すれば、フォトリソグ
ラフィ技法とエッチング技法により容易に形成できるこ
とは言うまでもない。
【0028】ここで、本願出願人は、ATカット水晶基
板の結晶軸異方性によるエッチング性質、特に凹陥部側
壁面と凹陥側主面との間の屈曲部の形状について更にそ
の性質を明らかにするために実験を行った。
【0029】図2に示す如くATカット水晶基板60に
円状の凹陥部61をエッチングにより形成し側壁面62
を観察した。図2(a)は、凹陥側ATカット水晶基板
60の平面図、図2(b)はそのA−A断面図である。
凹陥部底面の円の中心OとO1,O2,O3,…とを結
ぶ線に沿って水晶基板主面に垂直に切断して、側壁面と
凹陥側主面との間の屈曲部断面を各々観察し、屈曲部形
状と結晶軸との関連性を調査した。
【0030】調査の結果、図3(a)に示す如く凹陥部
側壁面と凹陥側主面との間の屈曲部(稜線)に対して、
前記凹陥部側壁面の形成方向と+x軸方向とのなす角α
が、xz'平面内の+x軸方向を基準にして時計周りに
+20°≦α≦+190°の範囲内では、図3(b)に
示す如く凹陥側主面63と側壁面62aとのなす角θ
が、90°<θ<180°の傾斜をもっていることが判
明した。即ち、αが上記範囲内の側壁面上に形成したリ
ード電極は断線しにくい。
【0031】一方、凹陥部側壁面と凹陥側主面との間の
屈曲部(稜線)に対して、前記凹陥部側壁面の形成方向
と+x軸方向とのなす角αが、xz'平面内の+x軸方
向を基準にして時計周りに−170°<α<+20°の
範囲内では、図3(c)に示す如く凹陥側主面63と側
壁面62cとのなす角θが、θ≒90°、つまり凹陥側
主面63と側壁62cはほぼ直角に屈曲しているいるこ
とが判明した。即ち、αが上記範囲内の側壁面上に形成
したときリード電極は断線する可能性が大きいことが分
かった。
【0032】上記実験結果に基づいて、本発明に係る平
衡型4ポール超薄板MCF素子の凹陥構造の他の実施例
について図4に示す。図4(a)は、凹陥部側壁から延
出した凸部66の側壁面67を介して分割電極41bか
ら基板端部のパッド電極へ断線することなく接続を可能
としている。該側壁面67の稜線67aに対する形成方
向が、+x軸方向を基準にして時計周りに+20°にな
るよう前記凸部66を形成している。図4(b)は、凹
陥部側壁から延出した凸部68の側壁面69を介して分
割電極41bから基板端部のパッド電極へ断線すること
なく接続を可能としている。該側壁面69の稜線69a
に対する形成方向が、+x軸方向を基準にして時計周り
に+190°になるよう前記凸部68を形成している。
図4(c)は、凸部を設けることなく凹陥部側壁面70
の形成方向を稜線70aに対して、+x軸方向を基準と
して時計周りに+20°になるよう側壁面70を含む凹
陥部71を形成したので、分割電極41a,41bから
リード電極72a,72bを互いに平行に延出し環状囲
繞部に設けたパッド電極73a,73bに電気的に接続
することを可能としている。
【0033】尚、図4では、リード電極を形成するのに
用いる凸部の側壁面の形成方向を+x軸方向を基準にし
て時計周りに+20°と+190°、また凹陥部の一つ
の側壁面の形成方向をx軸方向を基準にして時計周りに
+20°にした例を示したが、これらに限らず、リード
電極を形成する側壁面の形成方向範囲が、+20°≦α
≦+190°の範囲内であれば、リード電極を断線する
ことなく形成できる。
【0034】以上、本発明に係る超薄板ATカット水晶
共振素子を平衡型4ポール超薄板MCF素子を本発明の
実施例として説明したが、本発明はこれに限定されるこ
となく、 ATカット水晶基板の凹陥側の底面の超薄肉
の振動部に複数の励振用電極を形成したとき、該複数の
励振用電極を厚肉の環状囲繞部に設けた複数のパッド電
極へ夫々電気的に接続するためのリード電極を凹陥部側
壁面を介して形成した超薄板ATカット水晶共振素子に
広く適用できることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る超薄板ATカット水晶共振
素子は、以上説明した如く構成したので下記の如く優れ
た効果を奏する。請求項1乃至5の発明は、ATカット
水晶基板に形成した凹陥部底面の超薄肉振動部に複数の
励振用電極を形成したとき、前記励振用電極から厚肉の
環状囲繞部に設けたパッド電極へ電気的に接続するリー
ド電極を凹陥部側壁で断線することなく確実に形成する
ことができるという優れた効果を奏する。
【0036】更に、各励振用電極から延出するリード電
極は、互いに電気的に結合しないように形成することが
できるので、電気的結合により生ずる容量成分によるフ
ィルタの通過帯域特性に悪影響を及ぼすという問題を防
止することができるという優れた効果を奏する。
【0037】また、更に、上記リード電極の引き回しパ
ターンを極力短くすることができるので、引き回しパタ
ーンにより生ずる容量成分やインダクタンス成分のフィ
ルタの通過帯域特性への悪影響を抑制するすることがで
きるという優れた効果を奏する。
【0038】ATカット水晶基板にエッチングにより形
成した凹陥部側壁と凹陥側主面との間の屈曲部の形状と
ATカット水晶基板の結晶軸異方性との関係において、
凹陥部側壁で断線することなく確実に導電膜を形成でき
る凹陥部側壁の形成方向の範囲を明らかにしたので、凹
陥パターンの有効な設計手法を提供することができると
いう優れた効果を奏する。
【0039】凹陥部が該凹陥部側壁から延出する凸部を
有する場合においても、それに対応したマスク等の露光
手段を用いれば、フォトリソグラフィ技法とエッチング
技法により容易に形成することができるので、超薄板A
Tカット水晶共振素子の大量産に好適であるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態を説明するための図であ
って、(a)は水晶共振素子の平面図、(b)はA−A
断面図である。
【図2】本発明に係る凹陥部を説明するための図であっ
て、(a)は水晶基板の平面図、(b)はA−A断面図
である。
【図3】本発明に係る凹陥部側壁を説明するための図で
あって、(a)は、側壁面の形成方向の範囲を説明する
ための図、(b)及び(c)は、屈曲部形状を説明する
ための凹陥部の断面図である。
【図4】(a)及び(c)は、本発明に係る他の実施例
を示す平面図である。
【図5】従来の2ポールMCF素子を説明するための図
であって、(a)は2ポールMCF素子の平面図、
(b)はA−A断面図、(c)は等価回路図である。
【図6】従来の平衡型2ポールMCF素子を説明するた
めの図であって、(a)は平衡型2ポールMCF素子の
平面図、(b)はA−A断面図、(c)は等価回路図で
ある。
【図7】従来の平衡型2ポールMCF素子を多段縦続接
続した4ポールMCF素子を説明するための平面図であ
る。
【図8】従来の平衡型4ポールMCF素子を説明するた
めの図であって、(a)は平衡型4ポールMCF素子の
平面図、(b)はA−A断面図、(c)は等価回路図で
ある。
【図9】ATカット水晶基板のエッチング性質を説明す
るための図であって、(a)凹陥型ATカット水晶基板
の平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面
図である。
【図10】(a)及び(b)従来の平衡型4ポールMC
F素子を説明するための平面図である。
【符号の説明】
1 MCF 2 凹陥部 3 水晶基板 4 振動部 5 電極 6 パッド電極 7 リード電極 8 共通電極 9 環状囲繞部 10 共通電極 11 MCF 12 電極 13 パッド電極 14 リード電極 15 パッド電極 16 リード電極 17 MCF 18 電極 19 電極 21 主面 22 稜線 24 稜線 25 MCF 26 パッド電極 27 リード電極 28 断線 29 パッド電極 30 パッド電極 31 側壁 32 リード電極 33 リード電極 34 MCF 35 水晶基板 36 凹陥部 37 側壁 38 凸部 39 振動部 40 電極 41 電極 42 端部 43 パッド電極 44 リード電極 45 端部 46 パッド電極 47 側壁 48 リード電極 49 パッド電極 50 側壁 51 リード電極 52 パッド電極 53 パッド電極 54 リード電極 55 リード電極 56 側壁 57 側壁 58 側壁 59 側壁 60 水晶基板 61 凹陥部 62 側壁 63 主面 64 稜線 65 垂直面 66 凸部 67 側壁 68 凸部 69 側壁 70 側壁 71 振動部 72 リード電極 73 パッド電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造が凹型若しくは逆凹型の超薄板ATカット水晶共振素
    子において、前記厚肉の環状囲繞部の少なくとも一辺か
    ら凹陥側薄肉の振動部に延びる厚肉の凸部があることを
    特徴とする超薄板ATカット水晶共振素子。
  2. 【請求項2】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造が凹型若しくは逆凹型の超薄板ATカット水晶共振素
    子において、前記厚肉の環状囲繞部の少なくとも一辺か
    ら該凹陥の厚肉とほぼ同じ肉厚で凹陥部内に延出した凸
    部を備え、該凸部の稜線に対し前記凸部の側壁面の形成
    方向が、 xz'平面内を+x軸方向を基準として、時計
    周りに+20°〜+190°の範囲である前記側壁を有
    することを特徴とする超薄板ATカット水晶共振素子。
  3. 【請求項3】 上記振動部に形成した励振用電極からの
    延出したリード電極の引き回しパターンを、上記凸部の
    稜線に対し前記凸部の側壁面の形成方向が、 xz'平面
    内を+x軸方向を基準として、時計周りに+20°〜+
    190°の範囲である前記側壁を介して、環状囲繞部に
    形成したパッド電極と接続したことを特徴とする超薄板
    ATカット水晶共振素子。
  4. 【請求項4】 薄肉の振動部と前記振動部の周囲を支持
    する厚肉の環状囲繞部とを一体的に構成し、その断面構
    造が凹型若しくは逆凹型の超薄板ATカット水晶共振素
    子において、凹陥内側壁の凹陥側厚肉の主面と接する辺
    が、xz'平面内を+x軸方向を基準として、時計周り
    に+20°〜+190°の領域を第1領域とし、該第1領
    域を除いた領域を第2領域としたとき、前記第1領域の成
    分を有する辺と前記第2領域の成分を有する辺とを接続
    する辺であって、該接続辺が第1領域にあることを特徴
    とする超薄板ATカット水晶共振素子。
  5. 【請求項5】 上記振動部に形成した励振用電極からの
    延出したリード電極の引き回しパターンを、前記接続辺
    を含む凹陥内側壁を介して、環状囲繞部に形成したパッ
    ド電極と接続したことを特徴とする請求項4記載の超薄
    板ATカット水晶共振素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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