JP2003057499A - 半導体レーザモジュールの製造方法 - Google Patents

半導体レーザモジュールの製造方法

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JP2003057499A
JP2003057499A JP2001245096A JP2001245096A JP2003057499A JP 2003057499 A JP2003057499 A JP 2003057499A JP 2001245096 A JP2001245096 A JP 2001245096A JP 2001245096 A JP2001245096 A JP 2001245096A JP 2003057499 A JP2003057499 A JP 2003057499A
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condenser lens
lens
semiconductor laser
laser light
end surface
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JP2001245096A
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Hidetoshi Yasui
英俊 安井
Hidetoshi Tsukamoto
英俊 塚本
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザ光を集光して光ファイバに入射させる集
光レンズを調芯する際に光軸角度の再現性を向上させる
ことができる半導体レーザモジュールの製造方法を提供
する。 【解決手段】本発明の半導体レーザモジュールの製造方
法は、集光レンズをパッケージのレンズ固定部端面に設
置する工程と、半導体レーザ素子に所定の駆動電流を供
給してレーザ発振した状態でレーザ光を出力し、集光レ
ンズを通過したレーザ光のビーム断面を撮像する工程
と、撮像された画像データを画像処理して、所望のビー
ム断面が得られるようにしきい値レベルを調整してビー
ム断面の重心位置を検出する工程と、異なる撮像位置で
のビーム断面の重心位置の変化に基づいて、集光レンズ
を通過したレーザ光の基準軸に対する光軸角度を検出す
る工程と、光軸角度が所定の角度範囲内にあれば、その
位置で集光レンズをレンズ固定部端面に固定し、所定の
角度範囲内になければ、集光レンズを移動させ、所定の
角度範囲内になった位置で集光レンズをレンズ固定部端
面に固定する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザモジ
ュールの製造方法に関し、特に、レーザ光を集光する集
光レンズ(第2レンズ)の光軸角度の再現性を向上させ
ることができる半導体レーザモジュールの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図6は、半導体レーザモジュールの内部
構造の一例を示す側面断面図である。図6に示すよう
に、半導体レーザモジュールは、内部を気密封止するパ
ッケージ1と、そのパッケージ1内に設けられ、レーザ
光を出力する半導体レーザ素子2と、その半導体レーザ
素子2から出力されたレーザ光が入射される光ファイバ
3と、半導体レーザ素子2の後方側(図6では左側)か
ら出力されるモニタ用のレーザ光を受光するフォトダイ
オード4と、半導体レーザ素子2を固定して取り付けた
チップキャリア5と、フォトダイオード4を固定して取
り付けたフォトダイオードキャリア6と、チップキャリ
ア5及びフォトダイオードキャリア6を固定して取り付
けた基台7とを有する。
【0003】基台7上の半導体レーザ素子2の前方側
(図6では右側)には半導体レーザ素子2から出力され
たレーザ光を平行にするコリメートレンズ8が設置され
ている。コリメートレンズ8は、ステンレス鋼等の金属
で作られ基台7上に設けられた第1のレンズホルダ9に
保持されている。
【0004】パッケージ1の側部に形成されたフランジ
部1aの内部には、コリメートレンズ8を通過したレー
ザ光が入射する窓部10と、レーザ光を集光する集光レ
ンズ11が設けられている。集光レンズ11は、第2の
レンズホルダ12によって保持され、その第2のレンズ
ホルダ12は、パッケージ1のフランジ部1a、レンズ
固定部端面13にYAGレーザ溶接により固定される。
【0005】第2のレンズホルダ12の端部には金属製
のスライドリング14がYAGレーザ溶接により固定さ
れる。
【0006】光ファイバ3の先端部は金属製のフェルー
ル15によって保持され、そのフェルール15は、スラ
イドリング14の内部にYAGレーザ溶接により固定さ
れる。
【0007】基台7はパッケージ1の底部に固定された
冷却装置16上に固定して取り付けられている。冷却装
置16は、半導体レーザ素子2から発生した熱を冷却す
るものであり、ペルチェ素子が用いられる。半導体レー
ザ素子2からの発熱による温度上昇はチップキャリア5
上に設けられたサーミスタ(図示せず)によって検出さ
れ、サーミスタにより検出された温度が一定温度になる
ように、冷却装置16が制御される。これによって、半
導体レーザ素子2のレーザ出力を安定化させることがで
きる。
【0008】半導体レーザ素子2の前方側から出力され
たレーザ光は、コリメートレンズ8によって平行にな
り、窓部10を介して集光レンズ11によって集光さ
れ、フェルール15によって保持された光ファイバ3に
入射され外部に送出される。
【0009】一方、半導体レーザ素子2の後方側から出
力されたモニタ用のレーザ光は、フォトダイオード4に
よって受光され、フォトダイオード4の受光量が一定と
なるように半導体レーザ素子2に流す電流を調整するこ
とにより半導体レーザ素子2の前方から出射されるレー
ザ光の強度を調整する。
【0010】半導体レーザモジュールの分野では、半導
体レーザ素子2から出力されたレーザ光の光ファイバ3
への光結合率を高め、光ファイバから所望のパワーの光
を得ることが1つの大きな課題である。
【0011】光ファイバ3から所望のパワー光を得るた
めには、集光レンズ11からのレーザ光が光ファイバ3
に対して最適な入射角で入射される必要があり、そのた
めに、集光レンズ11の調芯が行われる。
【0012】本出願人は、集光レンズの調芯時間を大幅
に短縮することができる半導体レーザモジュール及びそ
の製造方法の技術について出願している(特願2000
−354730号 以下、この技術を従来例という)。
【0013】図7及び図8は、従来例の半導体レーザモ
ジュールの製造方法について説明するための説明図であ
る。
【0014】まず、半導体レーザ素子2を備えたパッケ
ージ1のレンズ固定部端面13を所定の基準軸に対して
所定角度になるように、パッケージ1の姿勢を調整す
る。
【0015】次いで、集光レンズ11をパッケージ1の
レンズ固定部端面13に設置する。すなわち、集光レン
ズ11を保持する第2のレンズホルダ12をパッケージ
1のフランジ部1aの挿入孔に挿入して、第2のレンズ
ホルダ12のフランジ部12aをレンズ固定部端面13
に当接する。
【0016】次いで半導体レーザ素子2を発光し、図7
(A)に示すように、集光レンズ11から基準軸S方向
に所定間隔L1、L2を隔てた異なる2地点における基
準軸Sと垂直な第1の参照面M1及び第2の参照面M2
を設定する。そして、赤外線カメラ30を備えた光学測
定部21を用いて、第1の参照面M1でのレーザ光の輝
点K1の位置(図7(B)参照)及び第2の参照面M2
でのレーザ光の輝点K2(図7(C)参照)のビーム断
面が撮像される。撮像された画像データは画像処理部3
1に入力される。
【0017】画像処理部31では、各輝点K1、K2に
ついて、設定されたしきい値レベルのビーム断面の重心
位置を求める。そして、第1の参照面M1及び第2の参
照面M2でのレーザ光の輝点Kのビーム断面の重心位置
及び参照面M1、M2の間隔に基づいて、図8(B)に
示すように、基準軸Sに対するレーザ光の傾き角である
光軸角度θZを算出する。
【0018】次いで、検出されたレーザ光の光軸角度θ
Zが所定の角度範囲内にあるか否かを判定し、所定の角
度範囲内にあれば、その位置で集光レンズ11を図示し
ないYAGレーザ溶接機を用いてレンズ固定部端面13
にYAGレーザ溶接により固定する。
【0019】所定の角度範囲内になければ、集光レンズ
11をX−Y面上で移動する。この場合、図8(A)に
示すように、第1の参照面M1でのレーザ光の輝点K1
と第2の参照面M2でのレーザ光の輝点K2とが接近す
るように、集光レンズ11を移動する。例えば、図8
(B)に示すように、集光レンズ11を通過するレーザ
光がZX平面内にあり、かつ基準軸Sに対し右上方(+
X方向)に傾いている場合には、集光レンズ11を下側
に移動させることにより、集光レンズ11を通過するレ
ーザ光を基準軸Sに近づけることができる。
【0020】集光レンズ11を移動することにより所定
の角度範囲内になった位置で集光レンズ11をレンズ固
定部端面13に図示しないYAGレーザ溶接機を用いて
YAGレーザ溶接により固定する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来例では、画像処理
部31で設定されるビーム断面のしきい値レベルを一定
にし、画像処理の発光面積(ビーム断面積)が一定にな
るように半導体レーザ素子2を駆動させる駆動電流を調
整(増加)していた。その際、半導体レーザ素子2を比
較的低い駆動電流で駆動させると、レーザ発振ではな
く、LED発光状態となる。この状態であっても、比較
的大きいビーム径となるため、十分大きいビーム断面積
の画像データが画像処理部31に入力される。
【0022】しかし、LED発光状態では、ビームが安
定しないため、図4(C)に示すように、重心を求める
際のビーム断面形状が不整となるため、光軸角度θZの
偏差(ばらつき)が大きくなり再現性が悪くなるという
課題がある。
【0023】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、レーザ光を集光して光ファイバに入射
させる集光レンズを調芯する際に光軸角度の再現性を向
上させることができる半導体レーザモジュールの製造方
法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザモ
ジュールの製造方法は、レーザ光を出力する半導体レー
ザ素子と、その半導体レーザ素子から出力されたレーザ
光を集光する集光レンズと、その集光レンズによって集
光されたレーザ光が入射される光ファイバと、前記集光
レンズを固定するレンズ固定部端面を備えたパッケージ
とを有する半導体レーザモジュールの製造方法におい
て、前記集光レンズを前記パッケージのレンズ固定部端
面に設置する第1の工程と、前記半導体レーザ素子に所
定の駆動電流を供給してレーザ発振した状態でレーザ光
を出力し、前記集光レンズを通過したレーザ光のビーム
断面を撮像する第2の工程と、撮像された画像データを
画像処理して、所望のビーム断面積が得られるようにし
きい値レベルを調整してビーム断面の重心位置を検出す
る第3の工程と、異なる撮像位置でのビーム断面の重心
位置の変化に基づいて、前記集光レンズを通過したレー
ザ光の前記基準軸に対する光軸角度を検出する第4の工
程と、前記光軸角度が所定の角度範囲内にあれば、その
位置で前記集光レンズを前記レンズ固定部端面に固定
し、所定の角度範囲内になければ、前記集光レンズを移
動させ、所定の角度範囲内になった位置で前記集光レン
ズを前記レンズ固定部端面に固定する第5の工程とを有
することを特徴とするものである。
【0025】前記半導体レーザ素子を備えた前記パッケ
ージのレンズ固定部端面を所定の基準軸に対して所定角
度になるように、前記パッケージの姿勢を調整する工程
を有してもよい。
【0026】前記第4の工程は、前記集光レンズから前
記基準軸方向に所定間隔を隔てた異なる2点における前
記基準軸と垂直な第1の参照面及び第2の参照面を設定
し、前記半導体レーザ素子から出力されたレーザ光の前
記第1の参照面及び第2の参照面上におけるビーム断面
の重心位置に基づいて、前記光軸角度を検出してもよ
い。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、従来例と同一の構成
要素は同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0028】図1は、本発明の半導体レーザモジュール
の製造方法を説明するためのフローチャートである。ま
ず、パッケージ1のレンズ固定部端面13を光学測定部
21の基準軸Sに対して垂直(すなわち角度90°)に
なるように、パッケージ1の姿勢を調整する。また、同
時に端面13の中心点C(図3(B)参照)を算出する
(ステップS1)。
【0029】ステップS1の工程では、例えば図2に示
す調芯装置19が用いられる。この調芯装置19は、調
整台20、光学測定部21、制御部22及び画像処理部
31を備えている。
【0030】調整台20は、X軸角度調整ステージ2
3、Y軸角度調整ステージ24、X軸直動調整ステージ
25、Y軸直動調整ステージ26が、上からこれらの順
でZ軸ステージ27に載置されている。X軸角度調整ス
テージ23は、パッケージ1を着脱自在に固定する固定
具20aが上部に取り付けられ、操作軸23aによって
X軸の回りに回動される。Y軸角度調整ステージ24
は、X軸角度調整ステージ23が載置され、操作軸24
aにより前記X軸と直交するY軸の回りに回動される。
X軸直動調整ステージ25は、Y軸角度調整ステージ2
4が載置され、操作軸25aによる操作によりX軸に沿
って移動される。Y軸直動調整ステージ26は、X軸直
動調整ステージ25が載置され、操作軸26aによる操
作によりY軸に沿って移動される。Z軸ステージ27
は、Y軸直動調整ステージ26が載置され、操作軸27
aによる操作により前記X軸及びY軸に直交するZ軸に
沿って上下方向に昇降される。なお、Z軸と基準軸Sと
は略平行となるように設定されている。
【0031】光学測定部21は、昇降ステージ28、測
長センサ29、赤外線カメラ30を有する光学測定系で
ある。昇降ステージ28は、測長センサ29及び赤外線
カメラ30を取り付けて、Z軸方向に昇降させるステー
ジで、操作軸28aにより昇降操作される。測長センサ
29は、オートフォーカス機構を利用してパッケージ1
の基準面であるレンズ固定部端面13までの距離を測定
するセンサで、各操作軸23a〜28aと制御部22を
介して接続されている。赤外線カメラ30は、パッケー
ジ1の輝点(発光点)を例えば波長0.8〜1.6μm
の赤外線で撮影し、撮影した画像信号を画像処理部31
へ出力する。
【0032】制御部22は、各操作軸23a〜28aを
駆動してパッケージ1のレンズ固定部端面13がZ軸に
対して垂直となるよう自動的に制御する。
【0033】画像処理部31は、赤外線カメラ30から
の画像データを画像処理して、パッケージ1の輝点に関
する前記Z軸を中心とするX,Y軸方向における位置並
びに測長センサ29並びに赤外線カメラ30の基準軸S
とパッケージ1の光軸との間の変位量(角度)などを演
算する。画像処理部31によって演算されたデータは制
御部22に入力される。
【0034】制御部22は、測長センサ29を駆動し、
パッケージ1のレンズ固定部端面13までの距離を同端
面上の複数点(3点以上)で測定し、その測定結果であ
る距離信号を制御部22に出力する。次いで、制御部2
2は、入力された距離信号に基づいて、複数点で測定し
たレンズ固定部端面13までの距離が等しくなるために
X軸角度調整ステージ23及びY軸角度調整ステージ2
4をX軸及びY軸の回りに回動すべき回動量をそれぞれ
演算する。
【0035】制御部22は、この演算結果に基づき、各
操作軸23a〜28aに駆動信号を出力し、X軸角度調
整ステージ23及びY軸角度調整ステージ24をそれぞ
れX軸及びY軸の回りに回動する。これにより、測長セ
ンサ29からレンズ固定部端面13までの複数点で測定
した距離が等しくなり、パッケージ1のレンズ固定部端
面13が光学測定部21の基準軸Sに対して垂直になる
ように修正される。
【0036】また、調芯装置19は、レンズ固定部端面
13の中心点Cを算出する。
【0037】次いで、半導体レーザ素子2を発光し(ス
テップS2)、レンズ固定部端面13でのレーザ光の輝
点Kの位置が中心点Cの位置から許容範囲(例えば50
0μm)以内にあるかを確認する(ステップS3)。
【0038】ステップS3では、図3(A)に示すよう
に、赤外線カメラ30によってレンズ固定部端面13で
のレーザ光の輝点Kを撮影し、図3(B)に示すよう
に、輝点Kの位置と中心点Cの位置との距離を算出す
る。その距離が許容範囲以内であれば、次のステップに
進み、許容範囲を超える場合には、図6の第2レンズホ
ルダ12とフランジ部1aの内周部が接触してしまい、
以後の角度調整が困難になる(後述するステップS6〜
S13において、集光レンズ11を動かしてもレーザ光
の光軸角度θZを所定の範囲内にすることができない)
ため、次のステップには進まず、当該パッケージ1を不
良品として処理する。
【0039】次いで、半導体レーザ素子2の発光を終了
し(ステップS4)、集光レンズ11をパッケージ1の
レンズ固定部端面13に設置する(ステップS5)。す
なわち、集光レンズ11を保持する第2のレンズホルダ
12をパッケージ1のフランジ部1aの挿入孔に挿入し
て、第2のレンズホルダ12のフランジ部12a(図
5、図6参照)をレンズ固定部端面13に当接する。
【0040】次いで半導体レーザ素子2に所定の駆動電
流(例えば180mA)を供給してレーザ発振した状態
でレーザ光を出力し(ステップS6)、図7(A)に示
すように、集光レンズ11から基準軸S方向に所定間隔
L1、L2を隔てた異なる2地点における基準軸Sと垂
直な第1の参照面M1及び第2の参照面M2を設定す
る。そして、第1の参照面M1でのレーザ光の輝点K1
の位置(図7(B)参照)及び第2の参照面M2でのレ
ーザ光の輝点K2の位置(図7(C)参照)のビーム断
面が撮像される(ステップS7)。撮像された画像デー
タは画像処理部31に入力される。
【0041】図4(A)は、画像処理部31に入力され
た光の強度分布を示す。図中の曲線aが光の強度分布を
示しており、メインピークの両側にサイドロープが見ら
れる。このとき図の画像処理部31における受光感度の
しきい値レベルが直線cであったとすると、図4(C)
に示すように、光の断面形状にはサイドロープの部分も
見られ、光の面積は安定しない。さらに、従来のように
駆動電流を変化させレーザ発振しない場合には、さらに
光の面積は安定しないことになる。
【0042】そこで、画像処理部31では、図4
(A)、(B)に示すように、しきい値レベルを直線b
の高さまで引き上げるように調整し、メインピークのみ
からなり、かつレーザ発振状態のビーム断面が得られる
ようにすることにより、ビームの面積を安定化させた状
態でビーム断面の重心位置を検出する(ステップS
8)。
【0043】次いで、第1の参照面M1及び第2の参照
面M2でのレーザ光の輝点Kのビーム断面の重心位置及
び参照面M1、M2の間隔に基づいて、図8(B)に示
すように、基準軸Sに対するレーザ光の傾き角である光
軸角度θZを算出する(ステップS9)。
【0044】ここで、第1の参照面M1でのレーザ光の
輝点K1と第2の参照面M2でのレーザ光の輝点K2の
ビーム断面が、同じ大きさ及び輝度である方が角度調整
しやすい。従って、第1の参照面M1及び第2の参照面
M2は、集光レンズ11によるレーザ光の焦点位置Fを
挟んで等距離L3に設定される場合(図5(A)参照)
の方が、集光レンズ11によるレーザ光の焦点位置Fか
ら異なる距離L4,L5に設定される場合(図5(B)
参照)よりも好ましい。
【0045】次いで、検出された光軸角度θZが所定の
角度範囲内にあるか否かを判定し(ステップS10)、
所定の角度範囲内にあれば、その位置で集光レンズ11
を図示しないYAGレーザ溶接機を用いてレンズ固定部
端面13にYAGレーザ溶接により固定する(ステップ
S11)所定の角度範囲内になければ、集光レンズ11
をX−Y面上で移動する(ステップS12)。この場
合、図8(A)に示すように、第1の参照面M1でのレ
ーザ光の輝点K1と第2の参照面M2でのレーザ光の輝
点K2とが接近するように、集光レンズ11を移動す
る。例えば、図8(B)に示すように、集光レンズ11
を通過するレーザ光がZX平面内にあり、かつ基準軸S
に対し右上方(+X方向)に傾いている場合には、集光
レンズ11を下側に移動させることにより、集光レンズ
11を通過するレーザ光を基準軸Sに近づけることがで
きる。
【0046】集光レンズ11を移動することにより所定
の角度範囲内になった位置で集光レンズ11をレンズ固
定部端面13に図示しないYAGレーザ溶接機を用いて
YAGレーザ溶接により固定する(ステップS11)。
【0047】本発明の実施の形態によれば、半導体レー
ザ素子2に所定の駆動電流を供給してレーザ発振した状
態でレーザ光を出力し、集光レンズ11を通過したレー
ザ光のビーム断面を撮像するとともに、撮像された画像
データを画像処理して、所望のビーム断面が得られるよ
うにしきい値レベルを調整してビーム断面の重心位置を
検出するので、ビームの断面形状や断面積が安定し、光
軸角度θZの再現性が良好になる。その結果、光ファイ
バへのレーザ光の入射角が安定し、光ファイバ3から所
望のパワーを得ることができる。
【0048】本発明者は、従来例と本実施形態例との光
軸角度θZの再現性を比較するために、15個の試料に
ついて同一の装置を用いて各5回づつ測定する実験を行
った。表1はその実験結果を示す。
【0049】
【表1】 表1からわかるように、本実施形態例は従来例に比較し
て、光軸角度の偏差σ(ばらつき)を2/3程度に抑え
ることができ、再現性が大幅に向上していることがわか
る。
【0050】本発明は、上記実施の形態に限定されるこ
とはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範
囲内において、種々の変更が可能である。
【0051】例えば、基準軸Sと、パッケージ1の端面
13との角度は必ずしも垂直であるとは限らず、パッケ
ージ1の構成によって適宜変更が可能である。また、レ
ンズ系はコリメートレンズ8を省略し、集光レンズ11
のみで半導体レーザ素子2から出力されたレーザ光を集
光するものであってもよい。さらに、赤外線カメラ30
の代わりに、f−θレンズを用いて、1つの参照面だけ
でレーザ光の角度情報を得ることのできるFFP観測系
(例えば、浜松フォトニクス株式会社製3267−0
5、−06、−07、−11等)を用いることも好まし
い態様である。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、半導体レーザ素子に所
定の駆動電流を供給してレーザ発振した状態でレーザ光
を出力し、集光レンズを通過したレーザ光のビーム断面
を撮像するとともに、撮像された画像データを画像処理
して、所望のビーム断面が得られるようにしきい値レベ
ルを調整してビーム断面の重心位置を検出するので、ビ
ームの断面形状や断面積が安定し、光軸角度θZの再現
性が良好になる。その結果、光ファイバへのレーザ光の
入射角が安定し、光ファイバから所望のパワーを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザモジュールの製造方法を
説明するためのフローチャートである。
【図2】パッケージのレンズ固定部端面を基準軸に対し
て垂直になるようにパッケージの姿勢を調整する工程に
用いられる調芯装置の構成を示す説明図である。
【図3】(A)及び(B)はレンズ固定部端面でのレー
ザ光の輝点の位置が中心から所定範囲内にあるかを確認
する工程を説明するための説明図である。
【図4】(A)は、画像処理部に入力された光の強度分
布を示すグラフであり、(B)は本実施形態例により画
像処理されたビーム断面形状を示す説明図、(C)は従
来例により画像処理されたビーム断面形状を示す説明図
である。
【図5】(A)は、第1の参照面及び第2の参照面が、
集光レンズによるレーザ光の焦点位置を挟んで等距離に
設定される場合、(B)は、第1の参照面及び第2の参
照面が、集光レンズによるレーザ光の焦点位置から異な
る距離に設定される場合を説明するための説明図であ
る。
【図6】半導体レーザモジュールの内部構造の一例を示
す側面断面図である。
【図7】(A)〜(C)は半導体レーザ素子から出力さ
れたレーザ光の第1の参照面及び第2の参照面での輝点
の位置を検出する工程を説明するための説明図である。
【図8】(A)及び(B)は基準軸に対するレーザ光の
傾きが所定の角度範囲内になるように、集光レンズを移
動させる工程を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1:パッケージ 1a:フランジ部 2:半導体レーザ素子 3:光ファイバ 4:フォトダイオード 5:チップキャリア 6:フォトダイオードキャリア 7:基台 8:コリメートレンズ 9:第1のレンズホルダ 10:窓部 11:集光レンズ 12:第2のレンズホルダ 13:レンズ固定部端面 14:スライドリング 15:フェルール 16:冷却装置 17:調芯用光ファイバ 18:パワーメータ 19:調芯装置 20:調整台 20a:固定具 21:光学測定部 22:制御部 23:X軸角度調整ステージ 24:Y軸角度調整ステージ 25:X軸直動調整ステージ 26:Y軸直動調整ステージ 27:Z軸ステージ 28:昇降ステージ 29:測長センサ 30:赤外線カメラ 31:画像処理部 C:中心点 F:焦点位置 K、K1、K2:輝点 M1:第1の参照面 M2:第2の参照面 S:基準軸 θZ:光軸角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H037 BA03 CA21 DA05 DA22 DA38 5F073 AB27 EA18 FA08 FA11 FA29 GA02 GA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を出力する半導体レーザ素子と、
    その半導体レーザ素子から出力されたレーザ光を集光す
    る集光レンズと、その集光レンズによって集光されたレ
    ーザ光が入射される光ファイバと、前記集光レンズを固
    定するレンズ固定部端面を備えたパッケージとを有する
    半導体レーザモジュールの製造方法において、 前記集光レンズを前記パッケージのレンズ固定部端面に
    設置する第1の工程と、 前記半導体レーザ素子に所定の駆動電流を供給してレー
    ザ発振した状態でレーザ光を出力し、前記集光レンズを
    通過したレーザ光のビーム断面を撮像する第2の工程
    と、 撮像された画像データを画像処理して、所望のビーム断
    面積が得られるようにしきい値レベルを調整してビーム
    断面の重心位置を検出する第3の工程と、 異なる撮像位置でのビーム断面の重心位置の変化に基づ
    いて、前記集光レンズを通過したレーザ光の前記基準軸
    に対する光軸角度を検出する第4の工程と、 前記光軸角度が所定の角度範囲内にあれば、その位置で
    前記集光レンズを前記レンズ固定部端面に固定し、所定
    の角度範囲内になければ、前記集光レンズを移動させ、
    所定の角度範囲内になった位置で前記集光レンズを前記
    レンズ固定部端面に固定する第5の工程と、 を有することを特徴とする半導体レーザモジュールの製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記半導体レーザ素子を備えた前記パッケ
    ージのレンズ固定部端面を所定の基準軸に対して所定角
    度になるように、前記パッケージの姿勢を調整する工程
    を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体レー
    ザモジュールの製造方法。
  3. 【請求項3】前記第4の工程は、前記集光レンズから前
    記基準軸方向に所定間隔を隔てた異なる2点における前
    記基準軸と垂直な第1の参照面及び第2の参照面を設定
    し、前記半導体レーザ素子から出力されたレーザ光の前
    記第1の参照面及び第2の参照面上におけるビーム断面
    の重心位置に基づいて、前記光軸角度を検出することを
    特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザモジュ
    ールの製造方法。
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