JP2003056813A - 灰溶融処理方法及び灰溶融処理装置 - Google Patents

灰溶融処理方法及び灰溶融処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 灰溶融処理に於いて、消石灰を含有する灰が
被溶融処理物の全部又は一部である場合でも、溶融スラ
グが常時接触する部分の炉壁耐火物に損耗が生せず、炉
壁耐火物の耐用期間を大幅に延伸させることができるよ
うにする。 【解決手段】 消石灰を含有する灰を加熱し、前記消石
灰を脱水反応により生石灰に転換させたあと、当該生石
灰を含む灰を灰溶融炉へ供給して溶融処理をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はごみ焼却炉等から排
出されて来る消石灰を含有する焼却残渣や焼却飛灰の溶
融処理技術に関するものであり、溶融処理に先立って灰
を加熱することにより内部に含まれる消石灰を生石灰に
転換させ、これによって溶融処理時の水性ガス化反応に
よる炉壁耐火物の損耗を皆無にし、炉壁の耐用年数の大
幅な延伸を図れるようにした灰溶融処理方法と灰溶融処
理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却炉から排出される焼却残滓や飛
灰等の溶融処理は、イ約1/3への減容、ロ重金属等有
害物質の溶出防止、ハ溶融スラグの骨材等への再利用、
ニ減容による最終埋立処分場の延命等が可能となるた
め、広く実用に供されている。また、焼却残滓等の溶融
処理には、アーク溶融炉やプラズマアーク溶融炉等の電
気式溶融炉を用いる方法と、表面溶融炉や旋回溶融炉等
の燃料式溶融炉を用いる方法とが実用化されているが、
ごみ焼却施設に発電設備が併置されている場合には、電
気式溶融炉を用いる方法が多く採用されている。
【0003】図5は従前のごみ焼却施設に併置した直流
アーク放電黒鉛電極式プラズマアーク溶融炉の一例を示
すものであり、図に於いて7は灰溶融炉、8は2次燃焼
室、9はスラグ水冷槽、10は黒鉛主電極、11は炉底
電極、12は炉壁、13は炭素系又は炭化硅素系耐火
物、14は耐火物、15はケーシング、16は絶縁体、
17は溶融スラグ流出口、18は灰コンテナ、19は供
給装置、21は炉底冷却ファン、22は直流電源装置、
23は不活性ガス供給装置、24はタップホール、25
は燃焼空気ファン、26は排ガス冷却ファン、27はバ
グフィルタ、28は誘引通風機、29は煙突、30は溶
融飛灰コンベア、31は飛灰だめ、32はスラグ搬出コ
ンベア、33はスラグだめ、34はスラグ冷却水の冷却
装置である。
【0004】コンテナ18内の焼却残渣や飛灰等(被溶
融物)Aは供給装置19により灰溶融炉7内へ連続的に
供給される。灰溶融炉7には、炉頂部より略垂直に挿入
した黒鉛主電極10(−極)と、炉底に設置した炉底電
極11(+極)とが設けられており、両電極10、11
間に印加した直流電源装置22からプラズマアーク電流
が流れ、これによって被溶融物Aが1300℃〜160
0℃に加熱されることにより、順次溶融スラグBとな
る。
【0005】灰溶融炉7の内部は、黒鉛主電極10の酸
化を防止するために還元性雰囲気に保持されており、不
活性ガス供給装置23から不活性ガスCが、中空筒状に
形成した黒鉛主電極10及びスタート電極20の中空孔
を通して灰溶融炉7内へ連続的に供給されている。
【0006】灰溶融炉7の炉底は炉底冷却ファン21か
らの冷風により空冷され、これによって炉底電極11近
傍の過度な温度上昇が防止されている。また、灰溶融炉
7そのものは高温に耐える耐食性耐火材及びそれを覆う
断熱材等により構成されており、必要に応じて断熱材の
外部に水冷ジャケット(図示省略)が設けられる。即
ち、灰溶融炉7の炉壁12は所謂煉瓦状の耐食性耐火物
13、14によって築炉されており、耐火物13、14
の背面は鋼板製の炉体ケーシング15によって覆われて
いる。
【0007】被溶融物Aの溶融によって、その内部に存
在した揮発成分や発生した一酸化炭素等はガス体Dとな
る。また、鉄等の金属類やガラス、砂等の不燃性成分
は、プラズマアーク放電の発生熱により溶融点(110
0〜1250℃)を越えた約1300℃〜1600℃に
まで加熱され、流動性を有する液体状の溶融スラグBと
なる。
【0008】灰溶融炉7に形成された溶融スラグBは溶
融スラグ流出口17より連続的に溢出し、水を満したス
ラグ冷却槽9内へ落下して水砕スラグとなり、スラグ搬
出コンベア32によってスラグだめ33へ排出される。
また、溶融炉を停止する際にはタップホール24から湯
抜きを行い、灰溶融炉7の底部に溜ったメタル層(図示
省略)や上部に溜ったスラグ層を排出することにより炉
内を空状態にする。
【0009】前記ガス体Dは溶融スラグ流出口17の上
部より燃焼室8に入り、ここで燃焼空気ファン25から
燃焼用空気が送入されることにより、内部の未燃分が完
全燃焼される。また、燃焼排ガスは排ガス冷却ファン2
6からの冷空気によって冷却されたあと、バグフィルタ
27を経て誘引通風機28により煙突29へ排出され
る。更に、バグフィルタ27で捕捉された溶融飛灰は、
溶融飛灰コンベア30により飛灰だめ31へ送られる。
【0010】ところで、被溶融物Aである焼却灰や焼却
飛灰には各種の腐食性の有害成分が含まれており、その
結果、これ等が溶融した溶融スラグBも、耐火物に対し
て激しい腐食性を示すことになる。そのため、炉壁12
を形成する耐火物13、14、特に溶融スラグBが常時
接触する部分の耐火物13としては、溶融スラグBに含
まれる有害成分と比較的反応を起し難いC、C−Si
C、SiC等の炭素系耐火物又は炭化硅素系耐火物が多
く使用されており、溶融スラグBによる侵食を防ぐこと
により、その耐用年数の延長が図られている。
【0011】即ち、上記炭素系耐火物又は炭化硅素系耐
火物13は、焼却灰等の溶融スラグBに対して比較的優
れた耐食性を有しており、溶融スラグBが常時接触する
炉壁部分に用いても、特に激しい侵食を受けることがな
い。しかし、この種の炭素系耐火物や炭化硅素系耐火物
13は、高温下で比較的容易に酸化されると云う難点を
有しており、その結果、灰溶融炉7内のガス層が接触す
る部分では、酸化による侵食を受けることになる。特
に、プラズマアーク溶融炉やアーク溶融炉等では、アー
クジェットによって電極から半径方向に向う“ガスの流
れ”が形成されるため、このガスの流れが衝突する溶融
スラグBとガス層との界面近傍の耐火物が激しく侵食さ
れることになる。
【0012】上述の如く、前記炭素系耐火物又は炭化硅
素系耐火物13は、焼却残滓や焼却飛灰のスラグBに対
して比較的優れた耐食性を発揮することができ、溶融ス
ラグBが常時接触する炉壁部分に用いても特に激しい浸
食を受けることは無いと従前から広く考えられており、
この考え方に基づいて炉壁耐火物として利用に供されて
来た。しかし、焼却残滓や焼却飛灰Aに消石灰(Ca
(OH)2 )が含まれている場合には、焼却残滓や焼却
飛灰(以下灰と呼ぶ)Aの溶融時に、Ca(OH)2
CaO+H2 Oの反応によりH2 Oが生成されると共
に、この生成されたH2 Oと耐火物内のCとの間でC+
2 O→CO+H2 で表わされる水性ガス化反応が起
り、この水性ガス反応によって耐火物が激しく損耗する
ことになる。
【0013】特に、ごみ焼却炉等に於いては、排ガス内
の酸性ガスの除去処理法として、消石灰の粉末を煙道
内へ吹き込む乾式酸性ガス処理法(煙道吹込み法)や
消石灰スラリーを排ガス減温塔内へ噴射する半乾式酸性
ガス処理法が多く用いられている。そのため、消石灰の
吹込み点より下流側に設置した集塵装置に於いて回収さ
れる焼却飛灰Aの中には未反応の消石灰が必然的に含ま
れることになり、これらの消石灰を含んだ焼却飛灰
(灰)Aが被溶融物として灰溶融炉7内へ供給されて来
るケースが多く発生する。
【0014】その結果、溶融スラグBが常時接触する部
分の炉壁12の耐火物13に於いても、耐火物の損耗が
生ずることになり、この炉壁耐火物13の部分的な損耗
が引き金となって、炉壁全体を改修しなければならなく
なると云う問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前の消石
灰を含んだ焼却灰や焼却飛灰等が被溶融物Aとして供給
される灰溶融炉に於ける上述の如き問題、即ち溶融スラ
グBが常時接触している部分の炉壁を形成する炭素系耐
火物又は炭化硅素系耐火物に水性ガス化反応による損耗
が生じ、炉壁の耐用期間を十分に延伸させることができ
ないと云う問題を解決せんとするものであり、灰溶融炉
内へ供給する消石灰を含んだ焼却残滓や焼却飛灰(以
下、灰と呼ぶ)Aを予かじめ加熱処理し、脱水反応によ
り消石灰を生石灰に転換させたあとの灰を灰溶融炉へ供
給することにより、炉壁を形成する炭素系又は炭化硅素
系耐火物の水性ガス反応による損耗をほぼ完全に防止で
きるようにした灰溶融処理方法と、これに用いる灰溶融
処理装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、消石
灰を含有する灰を加熱し、前記消石灰を脱水反応により
生石灰に転換させたあと、当該生石灰を含む灰を灰溶融
炉へ供給して溶融処理することを発明の基本構成とする
ものである。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の発明に於い
て、灰を少なくとも400℃の温度でもって加熱すると
共に灰溶融炉を炉壁に炭素系耐火物又は炭化硅素系耐火
物を用いた還元雰囲気で灰を溶融させる灰溶融炉とした
ものである。
【0018】請求項3の発明は、消石灰を含有する灰を
加熱処理する灰加熱装置と、前記灰加熱装置からの灰を
溶融させる灰溶融装置とから灰溶融処理装置を構成した
ことを発明の基本構成とするものである。
【0019】請求項4の発明は、請求項3の発明に於い
て、灰加熱装置を加熱温度が少なくとも400℃の灰加
熱炉を備えた灰加熱装置とすると共に、灰溶融装置を炉
壁に炭素系耐火物又は炭化硅素系耐火物を用いた還元雰
囲気で灰を溶融する電気式溶融炉を備えた灰溶融装置と
したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る灰
溶融処理装置の基本構成を示すブロック図であり、図4
は本発明で使用する灰溶融炉の概要図である。尚、灰溶
融炉そのものは公知であるため、ここではその詳細な説
明を省略する。図1を参照して、本発明に係る灰溶融処
理装置1は灰加熱装置2と灰溶融装置3とから構成され
ており、また前記灰加熱装置2は灰加熱炉4、排ガス減
温装置(又は廃熱ボイラ)5、排ガス処理装置6等から
構成されている。
【0021】前記灰加熱炉4にはロータリーキルン型加
熱炉が使用されており、乾式酸性ガス処理方法を適用し
たごみ焼却炉の集塵装置等から排出されて来た未反応の
消石灰(Ca(OH)2 )を含む燃焼飛灰(灰)Aは、
バーナ4aからの高温燃焼ガスにより約400℃〜60
0℃の温度に加熱される。即ち、灰Aが約400℃〜6
00℃に加熱されることにより、灰A内に含まれる消石
灰Ca(OH)2 は、Ca(OH)2 +Q(熱)→Ca
O+H2 O…の反応を経て生石灰(CaO)に転換さ
れる。
【0022】尚、前記式の反応は、消石灰Ca(O
H)2 即ち灰Aを約100℃以上に加熱することにより
始まり、約580℃以上の加熱温度では、完全にCa
(OH) 2 がCaOに転換されると報告されている。
【0023】灰加熱炉4からの排ガスG1 は、排ガス減
温装置又は廃熱ボイラ5で減温されたあと排ガス処理装
置(バグフィルタ等)6で浄化され、浄化後の排ガスG
1 の一部は灰加熱炉4へ戻され、残部は外部へ排出され
る。また、排ガス処理装置6で回収された灰A′等は、
灰加熱炉4で加熱されることにより消石灰Ca(OH)
2 が生石灰CaOに転換された灰A′と共に、灰溶融炉
7へ供給されて行く。
【0024】尚、図1の実施形態に於いては、灰加熱炉
4としてロータリキルン型の加熱炉を用いると共に、排
ガス処理装置6としてバグフィルタを使用しているが、
灰加熱炉4及び排ガス処理装置6は如何なる型式のもの
であっても良いことは勿論であり、加熱熱源として溶融
炉排ガス等の廃熱を利用しても良い。また、図1の実施
形態に於いては、灰溶融装置3の灰溶融炉7内へ灰加熱
炉4からの灰A′のみを供給するようにしているが、図
1の鎖線で示す如く消石灰を含まないごみ焼却炉からの
焼却残滓や焼却飛灰(灰)A0 を、前記灰A′と一緒に
供給してもよいことは勿論である。
【0025】図2及び図3は、前記消石灰(Ca(O
H)2 )の脱水反応の所謂示差熱分析法による分析結果
を示すものであり、図2は消石灰の昇温速度を5℃/m
inとした場合を、また図3は昇温速度を20℃/mi
nとした場合を夫々示すものである。尚、当該示差熱分
析試験に於いては、消石灰としてJIS特号消石灰を用
いており、その全水分(105℃×恒量:約12時間)
は0.27%、熱灼減量(600℃×3時間)は4.0
%である。また、加熱により消石灰が全て生石灰に転換
された場合(即ち、100%の脱水が行なわれた場合)
には、脱水反応式Ca(OH)2 +Q→CaO+H2
からしてその重量減は、18/74.1≒24%となる
(但し74.1はCa(OH)2 の分子量、18はH2
O水の分子量である)。
【0026】図2及び図3を参照して、(イ)先ず、全
水分分析結果(曲線A)から、105℃以下の加熱では
殆んど脱水反応が起らないことが判る。また、(ロ)曲
線Bの示差熱分析の結果から380〜390℃から吸
熱反応が始まり、470〜530℃までで約20%の水
分の重量減が見られ、この温度域での脱水率は20/2
4=83%となること、680〜720℃の温度域で
2回目の吸熱反応が始まり、更に7〜10%の重量減
(合計で28〜29%)が見られ、脱水反応が完了して
いること、及び昇温速度が速いほど、反応開始温度が
高くなること等が判る。
【0027】上記図2及び図3の試験結果から、本発明
に於いては灰加熱炉4に於ける消石灰を含んだ灰Aの加
熱温度を、加熱時の昇温速度等を考慮して400℃〜6
00℃の間に選定するようにしている。400℃以下の
加熱では脱水率が80%を切る恐れがあり、水性ガス化
反応による炭素系耐火物等の損耗を十分に阻止すること
が出来ないからであり、また、600℃を越えると加熱
エネルギーの消費ロスが大きくなり過ぎるからである。
【0028】前記灰加熱装置2で加熱処理した後の灰A
0 を受け入れする灰溶融装置3は、灰溶融炉7、2次燃
焼室8、スラグ水冷槽9等から形成されており、その構
成は前記図5に示した従前の灰溶融装置と全く同一のも
のである。即ち、灰溶融炉7は図4に示す如く黒鉛主電
極10、炉底電極11、炉壁12、カーボン系耐火物又
は炭化硅素系耐火物13、耐火物14、炉体ケーシング
15等から構成されており、また前記炉壁12は胴部1
2aと蓋部12bとから構成されていて、蓋部12bの
中央には、黒鉛主電極10が絶縁体16を介設して上・
下動自在に保持されている。
【0029】前記胴部12aの溶融スラグBが接触する
部分は、C、C−SiC、SiC等のカーボン系耐火物
(煉瓦状)又は炭化硅素系の耐火物(煉瓦状)13を用
いて形成されており、所謂築炉工法によって構築されて
いる。また、前記蓋部12bは、主として灰溶融炉7内
の高温ガスGO に対する耐食性の高いアルミナ系の耐火
物14を用いて構成されており、胴部12aと同様に築
炉工法により構築されている。更に、前記耐火物13、
14の背面は、鋼板製の炉体ケーシング15により覆わ
れており、耐火物13、14と炉体ケーシング15とか
ら灰溶融炉7を形成する炉壁12が構成されている。
【0030】尚、図4に於いてBは溶融スラグ、LB
スラグ界面であり、当該スラグ界面LB の高さ位置は、
溶融スラグ流出口(図示省略)の開口位置によって規制
されるものである。また、図4に於いては、灰溶融炉7
として所謂プラズマアーク溶融炉を使用しているが、本
発明はアーク溶融炉や抵抗溶融炉等のその他の電気溶融
炉へも適用可能である。更に、図4の実施形態では、蓋
部12bの耐火物14を胴部12aの耐火物13と異な
る種類のものとしているが、胴部12aの耐火物13と
同じ耐火物を用いることも可能である。
【0031】前記灰加熱炉4から灰溶融炉7内へ供給さ
れた生石灰を含む灰A′は、前記図5に示した従前のプ
ラズマアーク溶融炉の場合と全く同様にして溶融され、
溶融スラグ流出口17からスラグ水冷槽9内へ溢流して
行く。尚、灰A′の溶融そのものは前記した通り図5の
従来例の場合と同一であるため、ここではその説明を省
略する。
【0032】
【発明の効果】本発明に於いては、消石灰を含有する灰
を加熱処理して消石灰を生石灰に転換させ、この加熱処
理した灰を灰溶融炉へ供給してこれを溶融処理する構成
としているため、溶融スラグ内の水分に起因する水性ガ
ス化反応が起生せず、その結果、溶融スラグが接触する
部分の炉壁が炭素系耐火物或いは炭化硅素系耐火物であ
っても、水性ガス化反応による耐火物の損耗が殆んど発
生せず、炉壁耐火物の耐用期間の大幅な延伸が可能とな
る。本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る灰溶融処理装置の構成を示すブロ
ック線図である。
【図2】示差熱分析法による消石灰の脱水反応の分析結
果を示す線図であり、昇温速度を5℃/minとした場
合を示すものである。
【図3】昇温速度を20℃/minとした場合の図2と
同一の線図である。
【図4】本発明で使用する灰溶融炉の縦断面概要図であ
る。
【図5】従前のプラズマアーク溶融炉を灰溶融炉とした
灰溶融処理プラントの構成を示すブロック図である。
【符号の簡単な説明】
0 は消石灰を含まない焼却飛灰(灰)、Aは消石灰を
含む焼却飛灰(灰)、A′は加熱処理後の焼却飛灰
(灰)、G0 は灰溶融炉内の高温ガス、1は灰溶融処理
装置、2は灰加熱装置、3は灰溶融装置、4は灰加熱
炉、4aはバーナ、5は排ガス減温装置(又は廃熱ボイ
ラ)、6は排ガス処理装置、7は灰溶融炉、8は2次燃
焼室、9はスラグ水冷槽、10は黒鉛電極、11は炉底
電極、12は炉壁、12aは胴部、12bは蓋部、13
は炭素系耐火物又は炭化硅素系耐火物、14はアルミナ
系耐火物、15はケーシング、16は絶縁体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 考太郎 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 Fターム(参考) 3K061 AA24 AB03 AC03 BA05 DA01 NB02 NB06 NB08 NB15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消石灰を含有する灰を加熱し、前記消石
    灰を脱水反応により生石灰に転換させたあと、当該生石
    灰を含む灰を灰溶融炉へ供給して溶融処理することを特
    徴とする灰溶融処理方法。
  2. 【請求項2】 灰を少なくとも400℃の温度でもって
    加熱すると共に灰溶融炉を炉壁に炭素系耐火物又は炭化
    硅素系耐火物を用いた還元雰囲気で加熱処理した灰を溶
    融させる灰溶融炉とした請求項1に記載の灰溶融処理方
    法。
  3. 【請求項3】 消石灰を含有する灰を加熱処理する灰加
    熱装置と、前記灰加熱装置からの灰を溶融させる灰溶融
    装置との組み合せから成る灰溶融処理装置。
  4. 【請求項4】 灰加熱装置を加熱温度が少なくとも40
    0℃の灰加熱炉を備えた灰加熱装置とすると共に、灰溶
    融装置を炉壁に炭素系耐火物又は炭化硅素系耐火物を用
    いた還元雰囲気で灰を溶融する電気溶融炉を備えた灰溶
    融装置とした請求項3に記載の灰溶融処理装置。
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