JP2003056550A - ベアリング内蔵型樹脂製ローラ、並びにその製造方法及び製造用成形型 - Google Patents

ベアリング内蔵型樹脂製ローラ、並びにその製造方法及び製造用成形型

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JP2003056550A
JP2003056550A JP2001251122A JP2001251122A JP2003056550A JP 2003056550 A JP2003056550 A JP 2003056550A JP 2001251122 A JP2001251122 A JP 2001251122A JP 2001251122 A JP2001251122 A JP 2001251122A JP 2003056550 A JP2003056550 A JP 2003056550A
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bearing
resin
ring
tire
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Hiroharu Takatsu
弘治 高津
Hiroteru Tsujimoto
弘輝 辻本
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AIMAARU KK
TASHIKO KK
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AIMAARU KK
TASHIKO KK
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C13/00Rolls, drums, discs, or the like; Bearings or mountings therefor
    • F16C13/006Guiding rollers, wheels or the like, formed by or on the outer element of a single bearing or bearing unit, e.g. two adjacent bearings, whose ratio of length to diameter is generally less than one

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外輪の外径面にタイヤ形成用の樹脂を直接に
成形し、その後にベアリングの内輪やボールを装填する
ことにより、小型で且つ強度が高いベアリング内蔵型樹
脂製ローラ、並びにその製造方法及び製造用成形型を提
供する。 【解決手段】 同じ外径に相当する規格品よりも高い強
度を有する外輪24を成形型内に装着し、外輪24の外
径面30や側面31の一部に直接に熱硬化性ウレタンゴ
ム等の樹脂を成形し、熟成後に研磨されてタイヤ22が
形成される。外輪24内に内輪23と転動体27等のベ
アリング構成部品を装填することで、ベアリング内蔵型
樹脂製ローラ20が得られる。樹脂成形用の鉄リングを
用いないので、外径が小さくなりローラを小型化するこ
ともできる。外輪24の外表面を粗面に形成すること等
により、外輪24からのタイヤ22の剥離が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、立体駐
車場に装備される台車搬送用ガイドローラのような、高
い荷重が掛かり適当な弾力性と耐摩耗性が要求される合
成樹脂製のタイヤをベアリングの外輪に装着したベアリ
ング内蔵型樹脂製ローラ、並びにその製造方法及び製造
用成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転部分の軸受としてボールベア
リングは長年の実績があるが、ベアリングは、内輪、外
輪及びボールをそれぞれ別個に製造し、内輪と外輪との
間に複数のボールを装填することによって製造されてお
り、いずれも内輪及び外輪の形状、寸法等の諸元を規格
化した国際基準等の基準に従った規格品として製造され
ている。しかしながら、近年の量産化、合理化、価格競
争の激化の中にあって、産業機械等のベアリングの使用
形態が多様化しているにも関わらず、入手可能なベアリ
ングは国際基準規格品のみと言っても過言でない状況で
あり、国際基準規格品を使用して応用製品の組立てを行
わざるを得ない。このように、ベアリング製造ラインが
特殊品への対応を取ることができずに多様化した用途に
応じることができなくなっている。
【0003】多様化した応用製品の一つとして、近年、
用途が急拡大しているタイヤの内部にベアリングを内蔵
したベアリング内蔵型樹脂製ローラがある。ベアリング
内蔵型樹脂製ローラは、従来、予め製作した鉄リングの
外周にタイヤを樹脂成形にて製作し、タイヤを研磨した
後に、規格品としての標準ベアリングを鉄リングの内部
に組み込んで構成されている。このようにして製造され
るベアリング内蔵型樹脂製ローラは、製造のための工程
数が多く、高価格となっている。
【0004】従来のベアリング内蔵型樹脂製ローラの製
造の仕方が、図4〜図6に示されている。図4は従来の
ベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造における樹脂成形
用の鉄リングを含む中間製品の断面図、図5は図4に示
す中間製品にベアリングを組み込んだ状態を示す図、図
6は図5に示すベアリング内蔵型樹脂製ローラのタイヤ
を研磨して完成させた完成製品状態を示す図である。図
4〜図6に示すように、従来のベアリング内蔵型樹脂製
ローラにおいては、樹脂成形用の芯材となる鉄リング4
0が用いられる。即ち、ベアリングを内部に組込み可能
とするように、ベアリングの外輪外径に合わせた寸法を
有する概略円筒状の鉄リング40が予め製作される。鉄
リング40は、円筒状の本体41と、その軸方向の一方
の端部においてベアリングの位置決め用に一体的に径方
向内側に向かって形成されたフランジ部42とから成
る。樹脂成形の準備として、鉄リング40の表面の脱脂
が行われ、外径面43には接着剤の塗布と乾燥とが2回
繰り返される。
【0005】次に、鉄リング40と想像線で示す左右に
分割された成形型49a,49bから成る金型48とを
組み、本体41の外径面43上に形成されるキャビティ
に熱硬化性ウレタンゴム等の液状樹脂を注入し、樹脂が
硬化することでタイヤ45が成形される。この工程に、
約30分〜1時間を要する。タイヤ45を熱硬化性ウレ
タンゴム製とすることで、必要な弾力性と耐摩耗性とが
与えられる。次に、金型48からタイヤ45付きの鉄リ
ング40を取り外し、熱硬化性ウレタンゴムの乾燥熟成
を行う。この工程にも、約8〜10時間を要する。成形
型49a,49bに形成されている抜き勾配に起因し
て、はみ出し部分46が生じることが避けられない。ま
た、金型49a,49bの合わせ目に対応してローラの
左右中心部に樹脂のバリ47が生じる。従って、樹脂成
形で生じたはみ出し部分46とバリ47とを削り取るた
め、タイヤ45の表面に研磨が施される。最後に、外周
にタイヤ45が成形された鉄リング40の内部に、予め
規格品のユニットとして製作されているベアリング51
をフランジ部42に突き当たるまで圧入することによっ
て、ベアリング内蔵型樹脂製ローラを組み立てることが
できる。
【0006】図5に示されているように、ベアリング5
1は、内輪53、外輪54及び内輪53と外輪54との
間に装填される転動体としての複数の鋼製のボール57
から構成されている。ボール57は、内輪53の外周に
形成された軌道溝55と、外輪54の内周に形成された
軌道溝56とから形成される軌道を転動可能である。内
輪53と外輪54との間のスペースにおいて、ボール5
7の周囲にグリースが注入されており、グリースの漏れ
を防止するためのゴム製シール58が設けられている。
ベアリング51が鉄リング40から抜け出るのを防止す
るため、鉄リング40の内部に外輪54が圧入された状
態で、外輪54の外側一部を内周面44に対してかしめ
ることにより、抜止め部59が形成される。図5に示し
た状態から、タイヤ45の外周面は、樹脂研磨加工する
ことによって円筒面50に成形される。完成したベアリ
ング内蔵型樹脂製ローラが、図6に示されている。
【0007】ウレタンゴム等の合成樹脂成形は、例え
ば、共に液状の樹脂と硬化剤とを脱泡の上で混合し、液
状を保った状態で型に注入し、加硫がある程度進んだ一
次硬化の段階で離型し、その後、更に加硫を進めて二次
硬化する手順を踏んで行われる。この樹脂成形に際して
は、注入樹脂の反応温度が120℃〜150℃にも達す
る高さであり、且つ加硫硬化するための熟成時間が10
00分前後と、他の合成樹脂と比較して長い。
【0008】鉄リング40を用いることなく、標準のベ
アリング51において外輪54の外周面に直接樹脂を接
触させてタイヤを成形することも考えられる。しかしな
がら、タイヤをベアリング51として組立が完了してい
る外輪54に単に直接成形すると、次のような不具合が
生じる。即ち、外輪54の外周面が綺麗に研磨されてい
るため、脱脂後、接着剤を塗布しても樹脂が接着されに
くく、タイヤが外輪54から剥離し易い。金型48内に
おいて、樹脂が冷却するまでの長時間にわたって、高温
の樹脂が外輪54に直接に作用するので、ベアリング5
1のゴム製のシール58が高温に晒されて破損すると共
に、ボール57の潤滑用として既に注入されており且つ
高温によって流動性が増したグリースが破損したシール
58から外部に流出するおそれがある。また、成形型4
9a,49bに起因して生じるはみ出し部分46とバリ
47とを取り除くために樹脂研磨を行うと、研磨して生
じた樹脂粉が破損したシール58からベアリング51の
内部に侵入し、実用に供し得るローラを得ることができ
ない。更に、射出成形機での成形と違って、金型48に
よる成形であるため、ベアリング51の外輪54の外周
に正確に樹脂成形することができないおそれがあると共
に、金型48から流れ出た樹脂がベアリング51の内部
に侵入し、ベアリング51が回転しなくなるという不具
合もある。
【0009】このように、標準的な規格品としてのベア
リングの外輪外径面に直接に熱硬化性ウレタンゴムのよ
うな樹脂を成形することは困難であるとされており、標
準ベアリングを使用するときには、外輪とは別に樹脂成
形用芯金としての鉄リングを予め製作して、鉄リングに
樹脂を成形し、その鉄リングの内部にベアリングを圧入
するという方法を採らざるを得ないという問題点があっ
た。樹脂成形用に鉄リングを用いることは、ローラの外
径を大きくすると共に、鉄リングを別途製作することに
なるために、ベアリング内蔵型樹脂製ローラ製造のため
の部品点数や製造コストが増加するという問題点があ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明が解
決しようとする課題は、熱硬化性ウレタンゴム等の樹脂
成形によって得られたタイヤの内部にベアリングが装着
されたベアリング内蔵型樹脂製ローラとその製造におい
て、樹脂成形用の鉄リングを用いることなく、小型であ
りながら高い強度が要求される用途に対応可能とする点
にある。
【0011】この発明の目的は、ベアリングの外輪の外
径面に樹脂を直接に成形することで、樹脂成形用のため
の鉄リングの製作を不要として部品点数と製造コストと
を低減すると共に、小型でありながら強度が高いベアリ
ング内蔵型樹脂製ローラ、並びにその製造方法及び製造
用成形型を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、内輪、外輪
及び前記内輪と前記外輪とで形成される軌道を転動する
転動体を有するベアリングと、前記ベアリングが内部に
装着される樹脂製のタイヤとを具備し、前記外輪は外径
を同じとしたときに相当する規格品よりも高い強度を有
しており、前記タイヤは前記外輪の外表面に直接に樹脂
成形されていることから成るベアリング内蔵型樹脂製ロ
ーラに関する。
【0013】このベアリング内蔵型樹脂製ローラによれ
ば、ベアリングの外輪に直接成形が行われた樹脂は、熟
成後に所定のタイヤとなる。外輪は、その外径に相当し
た規格品よりも高い強度を有しているので、タイヤをベ
アリングの外輪の外径面に直接に樹脂成形しても、用途
に応じてローラに要求される強度を満足し、また、鉄リ
ングを用いないので、ローラの外径を可及的に小さくし
てローラを小型化することが可能である。
【0014】このベアリング内蔵型樹脂製ローラにおい
て、前記外輪の前記外表面は粗面に形成されている。樹
脂成形が施される外表面を粗面とすることにより、タイ
ヤとして成形された樹脂が粗面の凹凸に食い込んで外輪
から剥離し難くなる。また、前記外表面は外径面と前記
外径面から連続して延びる両側面とを含んでおり、前記
タイヤは前記外径面と前記両側面の一部とに渡って直接
に成形されている。タイヤは外輪の外側を取り囲むよう
に成形されるので、タイヤにどの方向から荷重が作用し
ても、外輪から外れ難くなる。このように、樹脂成形さ
れる外輪の表面状態や外輪を取り囲む形状を特定するこ
とによって、ローラが高荷重・高速回転しても、タイヤ
の剥離を防止することが可能となる。
【0015】このベアリング内蔵型樹脂製ローラにおい
て、前記外輪の前記強度は、前記規格品よりも軸方向の
幅をより長くするか又は径方向の厚さをより厚くするこ
とにより、高められている。外輪の外径及び外形状は、
用途により様々であるが、タイヤを介して作用する荷重
は直接的に外輪に作用するので、外径が同じとしたとき
に相当する規格品の外輪よりも、少なくとも1.2倍以
上の強度を備えることがこのましい。そのため、外輪の
軸方向幅、又は径方向厚さを増やして、強度増強を図る
ようにしている。
【0016】また、この発明は、外径を同じとしたとき
に相当する規格品よりも高い強度を有する外輪をその外
表面が環状キャビティを形成する壁面の一部となる状態
で成形型内に配置し、前記成形型の前記キャビティ内に
液状樹脂を注入して前記外輪の前記外表面にタイヤを直
接に樹脂成形し、前記タイヤが装着された状態で前記成
形型から取り出された前記外輪の内部に前記外輪と共に
ベアリングを構成する内輪と転動体とを装填することか
ら成るベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造方法に関す
る。
【0017】このベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造
方法によれば、外径を同じとしたときに相当する規格品
よりも高い強度を有する外輪を利用しているので、その
外径面が、樹脂成形のキャビティを形成する壁面の一部
として利用される。成形型の前記キャビティ内に液状樹
脂が注入されることにより、前記外輪の前記外表面にタ
イヤが直接に樹脂成形される。タイヤが装着された状態
の外輪を成形型から取り出し洗浄し、外輪の内部に、ベ
アリングを構成する内輪とボールとを装填することで、
外輪の外表面にタイヤが直接装着されたベアリング内蔵
型樹脂製ローラが形成される。
【0018】このベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造
方法において、前記外輪の前記外表面は、樹脂との結合
を高めるため、ローレット加工、サンドブラスト加工等
の加工によって粗面に形成されている。また、前記液状
樹脂の注入は、前記タイヤの外径面と側面との交差する
角部に対応した位置から行われる。液状樹脂の注入を、
この位置から行うことにより、従来のように両側面の中
間の位置から樹脂の注入を行う場合と比較して、注入後
のバリは、タイヤの外周中央部にできることなく、タイ
ヤ外周部の研磨加工の必要なく高精度にタイヤができる
と云う効果がある。
【0019】更に、この発明は、ベアリングの横置きさ
れた外輪の内周面に嵌合すると共に前記外輪の下側に位
置する側面に当接する止めピン、前記外輪の下方で前記
止めピンに密嵌合すると共に前記外輪の外径面から隔置
した内周壁面を有する下型、及び前記止めピンと前記下
型とに対して接合されて前記外輪の少なくとも前記外径
面と前記下型とで囲まれる環状空間を閉じて前記環状空
間を樹脂成形のためのキャビティとすると共に前記キャ
ビティに開口する樹脂注入用の注入口を有する上型から
成るベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造用成形型に関
する。
【0020】このベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造
用成形型によれば、外径を同じとしたときに相当する規
格品よりも高い強度を有する外輪を利用して、外輪の外
径面が、樹脂成形のキャビティを形成する壁面の一部と
して利用される。即ち、横置きされて止めピンで規制さ
れた外輪の少なくとも外径面、下型の底壁面と内周壁
面、及び上型の壁面によって環状キャビティが形成さ
れ、上型に形成された注入口を通じて液状樹脂が環状キ
ャビティに注入され、キャビティに露出する外輪の外径
面等の外表面に樹脂が直接に成形されるので、タイヤが
外輪に直接装着されることになる。
【0021】このベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造
用成形型において、前記止めピンは前記外輪の下側に位
置する前記側面の径方向内側寄りの一部に当接して前記
外輪を支持しており、前記上型は前記外輪の上側に位置
する前記側面の径方向内側寄りの一部に当接しており、
前記外輪の前記外径面と前記両側面の径方向外側寄りの
残部とが前記キャビティを形成する壁面の一部とされて
いる。成形型をこのように構成することにより、タイヤ
成形用の樹脂は、外輪の外径面と両側面の径方向外側寄
りの部分とに連続的に跨がって直接に成形され、大きな
荷重が作用したときにもタイヤが外輪から剥離し難いロ
ーラが得られる。また、前記上型の前記注入口は、前記
キャビティの最上部で且つ最外側部に開口している。即
ち、横置きの外輪に対して、成形型の合わせ目がベアリ
ングの外輪における外径部分の角部に対応せさて設けら
れており、液状樹脂の注入口をその角部に開口するよう
に設けているので、高精度に成形することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、こ
の発明によるベアリング内蔵型樹脂製ローラとその製造
方法及びその製造用成形型の実施例を説明する。図1は
この発明によるベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造用
成形型の一実施例を示す断面図、図2は図1に示す成形
型によって製作されたタイヤと外輪とから成る中間製品
を示す断面図、図3は図2に示す中間製品にベアリング
を内蔵型樹脂製ローラを示す断面図である。
【0023】図1において、ベアリング内蔵型樹脂製ロ
ーラの製造用成形型1は、基台2の上にスペーサ3を介
して中央側に配置された外輪支持ピン4と、その外側に
配置された下型5とを有している。外輪支持ピン4は、
外輪24の内周面に当接して外輪24を内面から支持す
る本体4aと、外輪24を下側に位置する側面31の径
方向内側の一部で載置する棚部4bとから成っている。
外輪支持ピン4で支持される外輪24は、内輪やボール
と組み込まれていない単品の状態にあるが、内周面には
軌道溝26が既に形成されている。下型5は筒状の本体
5aとその下部から径方向内側に延びるフランジ部5b
とから成り、フランジ部5bは液状樹脂注入時に樹脂漏
れが生じないように、外輪支持ピン4の棚部4bに対し
て同心状に密に嵌合して置かれている。
【0024】外輪支持ピン4、外輪24及び下型5の上
には、上型6が載せられる。上型6は、外輪支持ピン4
の本体4aに対して凹凸嵌合6aによって芯合わせされ
た密嵌合状態に置かれており、外輪24の上側に位置す
る側面31の径方向内側の一部に対して密接状態に当接
する突出面6bと、下型5の上面5cに対して密接状態
に当接する下面6cとを有している。上型6の上部には
更に蓋体7が載せられており、蓋体7の中心部には液状
樹脂注入用の注入ポート8が形成されている。下型5の
底壁15と内周壁16、外輪24の外径面30と両側面
31,31の径方向外側の部分、及び上型6の下面6c
は、タイヤ22となる液状樹脂が注入される径方向の厚
みが均一な環状空間としてのキャビティ12の壁面を構
成している。注入ポート8は、上型6の上面6dと蓋体
7の下面7aに形成された溝7bとで形成される注入通
路9と、上型6の上面6dから下面6cに貫通して形成
された注入通路10とに通じており、液状樹脂は、これ
らの注入通路9,10を経て、注入口11から環状キャ
ビティ12内に注入される。注入口11は、環状キャビ
ティ12の外側で且つ上側の角部に開口している。上型
6には、図示しないが、液状樹脂の注入に応じて環状キ
ャビティ12内のエアを逃がすためのエア抜き通路が形
成されている。
【0025】タイヤの具体的な製造手順は次のとおりで
ある。即ち、先ず、外輪24を特殊寸法で切削を行い、
寸法形状のチェックをして、焼き入れをする。次に、外
輪24の軌道溝26の研磨、側面31研磨、及びシール
面研磨を施し、その研磨結果の検査を行う。更に、外輪
24の外径面30の脱脂、乾燥、乾燥剤の塗布、乾燥を
行う。次に、外輪24を成形型1に装填して熱硬化性樹
脂を図1に示す成形型1の環状キャビティ12内に注入
して成形し、熟成乾燥、洗浄を行う。
【0026】成形型1によって製造されたベアリング内
蔵型樹脂製ローラの中間製品が図2に示されている。図
2は、樹脂成形が完了し外輪24にタイヤ22が装着さ
れている中間製品を示す断面図である。タイヤ22は、
外輪24の外径面30のみならず、外径面30から連続
して両側面31の一部にまで及んで覆っており、側方か
らも囲む状態に外輪24に装着されている。図1に示し
た成形方法と図2の方法のいずれかの成形方法である
が、いずれにしても高精度で研磨レスの成形方法であ
る。
【0027】図2に示す中間製品に、ベアリングを構成
する内輪やボール等が組み込まれる。組込みに先立っ
て、内輪23の軌道溝25の測定、外輪24の軌道溝2
6の測定、ボール27の選定、及びこれらの構成部品の
組立を行う。更に、保持器28の組付け、グリースの注
入、シールの圧入、及び錆止め剤の塗布が行われる。完
成したベアリング内蔵型樹脂製ローラが、図3において
断面図として示されている。完成したベアリング内蔵型
樹脂製ローラ20は、ベアリング21と樹脂製のタイヤ
22とから構成されている。ベアリング21は、内輪2
3、外輪24、内輪23に形成された軌道溝25と外輪
24に形成された軌道溝26とから成る軌道を転動する
転動体としての複数の鋼製ボール27、及び鋼製ボール
27を部分的に囲んで各ボール27の間隔を保持する保
持器28を備えている。ボール27の円滑な転動のため
に潤滑剤としてのグリースが設けられる場合には、グリ
ースの漏れ出しを防止するためのシールが設けられる。
最後に、ベアリング内蔵型樹脂製ローラ20を検品し、
合格品が包装し、梱包・出荷される。
【0028】タイヤ22は、外輪24の外径面30と両
側面31とに渡って直接取り付けられた状態で形成され
ている。外輪24の外径面30と両側面31とは、ロー
レット加工やサンドブラスト加工等の表面処理によって
微小な凹凸が形成された粗面となっており、注入された
樹脂は、微小な凹凸に食い込んで外輪24に対して強い
結合力で装着される。タイヤ22は、外輪24を包み込
む形状と粗面に形成された装着面とによって、大きな荷
重が作用しても、外輪24からの剥離に耐えることがで
きる。
【0029】ベアリング内蔵型樹脂製ローラ20では、
内輪23と外輪24とは、従来の規格品としてのベアリ
ングの場合と比較して外形、形状、厚さ等を用途に基づ
いて変更することにより、国際規格で定める許容荷重以
上の荷重に耐えることができる強度を保持することがで
きる。内輪23及び外輪24については、幅Wに加えて
厚さTを厚くする等の寸法変更を施す(外輪24につい
て、図2に示す)ことで、国際規格許容荷重よりも高い
荷重に耐えられる構造とするのが好ましい。しかしなが
ら、焼入れ、研磨等の処理については国際基準等の規格
に基づいて製作されており、ボール、軌道溝の形状、シ
ール等についても、国際基準に準じたものとされてい
る。
【0030】上記の実施例では、樹脂製タイヤに内蔵さ
れるベアリングは、ボールベアリングであったが、ロー
ラベアリング等の他の形式のベアリングであってもよい
ことは明らかである。また、ローラの幅については、内
輪23の幅を外輪24の幅よりも片方に2mm長くし、
内輪23を樹脂成形ローラの幅よりも2mmだけ片方に
突出させることにより、軸に取り付け易く且つ使い易い
ローラとすることができる。更に、内輪23の幅を外輪
24の幅よりも両方に2mm長くし、内輪23が樹脂成
形ローラ幅よりも2mmだけ両方に突出させることによ
っても、軸に対して取り付け易く且つ使い易いローラと
することができる。なお、ベアリング内蔵型樹脂製ロー
ラの製造装置は、例えば、ベアリング工場内に設置し、
特殊の形状及び寸法で製作される内外輪の供給を受けて
効率的に製造することができる。
【0031】
【発明の効果】この発明によるベアリング内蔵型樹脂製
ローラとその製造方法及び製造用成形型によれば、外輪
は、従来のものよりも軸方向の長さや厚みを考慮するこ
とで、強度を高めたものが用いられ、そうした外輪に対
して樹脂を型成形することによりタイヤが直接に装着さ
れるので、樹脂成形用の鉄リングのような芯金を用いる
ことなく、外径を小さくした小型であるが、用途に応じ
た必要な強度を確保し、且つ部品点数が少なく製造コス
トが低減したローラを得ることができる。タイヤは外輪
の外径面のみならず両側面の一部も包むように成形する
と共に、外輪の表面にはサンドブラストやローレット加
工にその他より微細な凹凸を形成して樹脂との結合を強
めることにより、大きな負荷荷重が作用してもタイヤが
外輪から剥離するのを防止することができる。従って、
規格品だけを用いたローラに比較して、用途に応じて、
国際規格で定める許容荷重以上の荷重に耐えることがで
きる強度を保持したベアリング内蔵型樹脂製ローラを得
ることができる。また、従来のように、鉄リングと既成
のベアリングとの圧入による組立も不要である。既成の
ベアリングを包む包装を開封することで、防錆が破られ
るが、ベアリング組付け後に再度包装することで防錆も
実用上、損なわれることがない。更に、軸受工場で用途
に合わせて樹脂成形から組付けまで一貫した作業体制を
組むことにより、無駄な搬送、組立作業がすべて排除さ
れ、効率的な製造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるベアリング内蔵型樹脂製ローラ
を製造する成形型の一実施例を示す断面図。
【図2】図1に示す成形型によって製作された中間製品
を示す断面図。
【図3】図2に示すタイヤを含む中間製品に内輪やボー
ル等のベアリング構成部品を圧入して得られるベアリン
グ内蔵型樹脂製ローラを示す断面図。
【図4】従来のベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造に
おける樹脂成形用の鉄リングを含む中間製品の断面図。
【図5】図4に示す中間製品にベアリングを組み込んだ
状態を示す図。
【図6】図5に示すベアリング内蔵型樹脂製ローラのタ
イヤに研磨を施して完成させた状態を示す図。
【符号の説明】
1 成形型 4 止めピン 5 下型 6 上型 11 注入口 12 キャビティ 15,16 壁面 20 ベアリング内蔵型樹脂製ローラ 21 ベアリング 22 タイヤ 23 内輪 24 外輪 25,26 軌道溝 27 ボール(転動体) 30 外径面(外表面) 31 側面(外表面) W 外輪の軸方向の幅 T 外輪の径方向の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 弘輝 大阪府東大阪市長田東3丁目68番地 SK パークビル7F 有限会社アイマール内 Fターム(参考) 3J101 AA02 AA42 AA52 AA62 BA54 BA77 DA14 DA16 FA13 FA31 FA44 GA42 3J103 AA02 CA25 DA05 EA02 EA03 EA06 EA11 FA12 FA15 FA26 GA76 HA03 HA41 4F206 AH04 AH20 JA07 JB11 JQ81

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪、外輪及び前記内輪と前記外輪とで
    形成される軌道を転動する転動体を有するベアリング
    と、前記ベアリングが内部に装着される樹脂製のタイヤ
    とを具備し、前記外輪は外径を同じとしたときに相当す
    る規格品よりも高い強度を有しており、前記タイヤは前
    記外輪の外表面に直接に樹脂成形されていることから成
    るベアリング内蔵型樹脂製ローラ。
  2. 【請求項2】 前記外輪の前記外表面は粗面に形成され
    ていることから成る請求項1に記載のベアリング内蔵型
    樹脂製ローラ。
  3. 【請求項3】 前記外表面は、外径面と前記外径面から
    連続して延びる両側面であり、前記タイヤは前記外径面
    と前記両側面の一部とに渡って直接に成形されているこ
    とから成る請求項1又は2に記載のベアリング内蔵型樹
    脂製ローラ。
  4. 【請求項4】 前記外輪の前記強度は、前記規格品より
    も、軸方向の幅をより長くするか又は径方向の厚さをよ
    り厚くすることにより、高められていることから成る請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のベアリング内蔵型樹
    脂製ローラ。
  5. 【請求項5】 外径を同じとしたときに相当する規格品
    よりも高い強度を有する外輪をその外表面が環状キャビ
    ティを形成する壁面の一部となる状態で成形型内に配置
    し、前記成形型の前記キャビティ内に液状樹脂を注入し
    て前記外輪の前記外表面にタイヤを直接に樹脂成形し、
    前記タイヤが装着された状態で前記成形型から取り出さ
    れた前記外輪の内部に前記外輪と共にベアリングを構成
    する内輪と転動体とを装填することから成るベアリング
    内蔵型樹脂製ローラの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記外輪の前記外表面はローレット加
    工、サンドブラスト加工等の加工によって粗面に形成さ
    れていることから成る請求項5に記載のベアリング内蔵
    型樹脂製ローラの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記液状樹脂の注入は、前記タイヤの外
    径面と側面との交差する角部に対応した位置から行われ
    ることから成る請求項5又は6に記載のベアリング内蔵
    型樹脂製ローラの製造方法。
  8. 【請求項8】 ベアリングの横置きされた外輪の内周面
    に嵌合すると共に前記外輪の下側に位置する側面に当接
    する止めピン、前記外輪の下方で前記止めピンに密嵌合
    すると共に前記外輪の外径面から隔置した内壁面を有す
    る下型、及び前記止めピンと前記下型とに対して接合さ
    れて前記外輪の少なくとも前記外径面と前記下型とで囲
    まれる環状空間を閉じて前記環状空間を樹脂成形のため
    のキャビティとすると共に前記キャビティに開口する樹
    脂注入用の注入口を有する上型から成るベアリング内蔵
    型樹脂製ローラの製造用成形型。
  9. 【請求項9】 前記止めピンは前記外輪の下側に位置す
    る前記側面の径方向内側寄りの一部に当接して前記外輪
    を支持しており、前記上型は前記外輪の上側に位置する
    前記側面の径方向内側寄りの一部に当接しており、前記
    外輪の前記外径面と前記両側面の径方向外側寄りの残部
    とが前記キャビティを形成する壁面の一部とされている
    ことから成る請求項8に記載のベアリング内蔵型樹脂製
    ローラの製造用成形型。
  10. 【請求項10】 前記上型の前記注入口は、前記キャビ
    ティの最上部で且つ最外側部に開口していることから成
    り外周面の制度も良く研磨レスとバリ取り不要の請求項
    9に記載のベアリング内蔵型樹脂製ローラの製造用成形
    型。
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