JP2003056492A - 送風機用羽根車及びその製造方法 - Google Patents

送風機用羽根車及びその製造方法

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JP2003056492A
JP2003056492A JP2002165570A JP2002165570A JP2003056492A JP 2003056492 A JP2003056492 A JP 2003056492A JP 2002165570 A JP2002165570 A JP 2002165570A JP 2002165570 A JP2002165570 A JP 2002165570A JP 2003056492 A JP2003056492 A JP 2003056492A
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impeller
resin
resin portion
blower
hub
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Application number
JP2002165570A
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English (en)
Inventor
Masaharu Ota
雅春 太田
Hironao Numamoto
浩直 沼本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、金属製のモーター軸の軸受けとゴ
ム製防振部材を使用していた送風機用羽根車のリサイク
ル性を向上させることを目的とする。 【解決手段】 ハブの周囲に複数の翼型形状をした羽根
を備えた羽根車において、ハブの中心にモーター軸の軸
受けとなる円柱状の樹脂部を有し、前記円柱状の樹脂部
と防振部材を介してハブと羽根を構成する樹脂部に連結
され、前記防振部材が熱可塑性エラストマーである送風
機用羽根車である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉砕して再生がで
きるリサイクル性を考慮した送風機用羽根車に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の送風機用羽根車は、例え
ば、特開平9−228993号公報等で知られているよ
うに、図4及び図5に示すような構成のものが一般に知
られている。図4は、従来の送風機用羽根車のボスの外
観斜視図。図5は、従来の送風機用羽根車の外観斜視図
である。すなわち、円柱形状のハブの周囲に複数個の翼
型形状をした羽根を設けて形成された送風機用羽根車
で、中央のボス(モータ固定用)5をモータ軸に固定し
てファンを回転させて送風させるものである。
【0003】送風機用羽根車のファンボスは、一般的に
DCのトランジスターモータ−を使用する場合は、モー
ターの固有振動が大きく防振性を付与させるために、図
4に示すような中心部にモータ軸を固定するするための
アルミ製軸受け部501と外周部の円筒状の金属503
に防振ゴム502を圧縮成形したものが使用されてい
る。また、防振ゴムとしてはCRゴムが使用されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の上記の
ような樹脂と金属とゴムを用いたもの構成材料では、廃
家電のリサイクル時に樹脂とゴムと金属を分別しない
と、再生が困難であるためリサイクル性が劣る問題があ
った。
【0005】本発明はこのような課題を解決するもの
で、リサイクル時に構成材料の樹脂と防振部材を同時に
粉砕して再生することができる送風機用羽根車を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ハブと前記ハブの周囲に複数の翼型形状を
した羽根を備えた羽根車において、前記ハブの中心には
モーター軸の軸受けとなる円柱状の第1樹脂部を、前記
第1樹脂部の外周に防振部材を、前記防振部材の外周に
は第2樹脂部を配し、前記防振部材が熱可塑性エラスト
マーであることを特徴とする送風機用羽根車である。
【0007】上記構成によって、第1樹脂部、防振部材
と第2樹脂部材を同時に粉砕して再生することができ
る。また使用される構成樹脂と相溶性の優れた熱可塑性
エラストマーを用いることにより、物性低下しにくい樹
脂にリサイクルできる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態である
送風機用羽根車は、円柱状のハブの周囲に複数個の翼型
形状をした羽根を設けて形成された送風機用羽根車にお
いて、ハブの中心から羽根の先端方向に向けて、モータ
ー軸の軸受けとなる円柱状の第1樹脂部と、熱可塑性エ
ラストマーの円柱状の防振部材と、熱可塑性ラストマー
を介したハブと羽根を構成する第2樹脂部で構成された
ものである。この構成によれば、金属とゴムを含まない
構成でありリサイクル時に樹脂と熱可塑性エラストマー
を同時に粉砕して再生することができる。
【0009】本発明の第2の実施の形態である送風機用
羽根車は、第1樹脂部と第2樹脂部がPP(ポリプロピ
レン)系樹脂の合成樹脂で、防振部材の熱可塑性エラス
トマーが、ポリスチレンブロックとポリオレフィン構造
のエラストマーブロックで構成された水素添加スチレン
系エラストマーから構成されたものである。この構成に
よれば、PP(ポリプロピレン)系樹脂に相溶性の優れた
熱可塑性エラストマーと一体化し、接合面の接着性も十
分確保される。またこれらの樹脂は耐候処理することが
容易であり、屋外でも10年以上の耐久性を確保するこ
とができる。
【0010】本発明の第3の実施の形態である送風機用
羽根車は、第1樹脂部と第2樹脂部の少なくとも1つが
AS(アクリロニトリル・スチレン、以下AS)系樹脂あ
るいはA/EPDM/S(アクリロニトリル・エチレン
プロピレン−ジエン・スチレン、以下A/EPDM/
S)系樹脂の合成樹脂で、防振部材の熱可塑性エラスト
マーが、ポリスチレンブロックとポリオレフィン構造の
エラストマーブロックとポリウレタンブロックで構成さ
れた水素添加スチレン系エラストマーから構成されたも
のである。この構成によれば、AS系樹脂あるいはA/
EPDM/S系樹脂と熱可塑性エラストマーが一体化
し、接合面の接着性も十分確保される。またこれらの樹
脂は耐候処理することが容易であり、屋外でも10年以
上の耐久性を確保することができる。
【0011】本発明の第4の実施の形態であるは、第1
樹脂部と第2樹脂部がPP(ポリプロピレン)系またはA
S系樹脂あるいはA/EPDM/S系樹脂材料に、この
タルク(珪酸マグネシウム)、GF(ガラスファイバー)、
マイカ(雲母)の単独または複合し10〜40重量%混入
して構成されたものである。この構成によれば、第1樹
脂部と第2樹脂部の合成樹脂が密度1.0〜1.35程
度で剛性・耐熱性・耐候性・制振性のバランスに優れた
送風機用羽根車を形成することができる。
【0012】本発明の第5の実施の形態であるは、防振
部材3の熱可塑性エラストマーの硬度(JIS−K−6
301、A形)が、40〜65として構成されたもので
ある。この硬度によって長期にバランス変化の少ない送
風機用羽根車を形成することができる。
【0013】本発明の第6の実施の形態であるは、熱可
塑性エラストマーをサンドイッチしている、第1樹脂部
と第2樹脂部が同一グレードの合成樹脂材料で構成され
たものである。この構成によれば、同一グレードの材料
であるためリサイクル時の物性低下が少なく安定する。
また、加工時の材料数が少なくなり管理しやすい。
【0014】本発明の第7の実施の形態である送風機用
羽根車は、第1樹脂部の外周に防振部材を、防振部材の
外周には第2樹脂部を配する構成であって、第2樹脂部
を射出成形した成形品に、第1樹脂部をインサートし、
その後防振部材をインサート射出成形するものである。
この加工法によれば、熱可塑性エラストマー以外を形成
した部分に熱可塑性エラストマーを射出成形するため、
樹脂とエラストマーの接合部の変形が少なく、樹脂部と
エラストマー部がより一体化し、接着性の優れた送風機
用羽根車を形成することができる。また、バランス変化
の少ないものを加工できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面及び表
を参照して説明する。図1は本発明の一実施例における
空気調和機用の送風機用羽根車の縦断面図、図2は同送
風機用羽根車のモーター軸の軸受けとなる円柱状の樹脂
部の外観斜視図、図3は同送風機用羽根車全体の外観斜
視図、図4は従来の送風機用羽根車のボス部の外観斜視
図、図5は従来の送風機用羽根車の外観斜視図である。
【0016】実施例1〜5は、図1〜3に示すように円
柱形状のハブ6の周囲に複数個の翼型の羽根7を設けて
形成された送風機用羽根車1で、モーター軸の軸受けと
なる円柱状の第1樹脂部2にモータ軸を固定してファン
を回転させ送風させるものである。図1に示すように、
ハブの中心から羽根の先端方向に向けて、モーター軸の
軸受けとなる円柱状の第1樹脂部2と、熱可塑性エラス
トマーの円柱状の防振部材3と、熱可塑性エラストマー
を介したハブと羽根を構成する第2樹脂部4で一体構成
されている。
【0017】表1に、各実施例に使用した樹脂と熱可塑
性エラストマー、リサイクル性、接着強度などを示す。
尚、送風機用羽根車1はφ410mmの3枚羽根のもの
で、羽根中央部の断面部の最大肉厚は約6mmにしたも
のである。エラストマーを用いた実施例においては、防
振部材3の肉厚Aを従来品の5mmから7mmとして接
着性と制振性の向上を図っている。尚、実施例の加工法
は、モーター軸の軸受けとなる円柱状の第1樹脂部2と
熱可塑性エラストマー部を除いた、ハブと羽根を構成す
る第2樹脂部4を射出成形した成形品に、モーター軸の
軸受けとなる円柱状の第1樹脂部2の成形品を金型にイ
ンサートし、防振部材3となる熱可塑性エラストマーを
インサート射出成形して一体構造としたものである。
【0018】
【表1】
【0019】各実施例と従来例の実用性評価に関して
は、次のように実施した。リサイクル性は、第1樹脂部
2と防振部材3と第2樹脂部4を粉砕・混練した場合の
再生可能性から、相溶性が良く再生可能なものを○、従
来例のように樹脂とゴムと金属は相溶性が悪く分離再生
しないと再生できないものは×とした。
【0020】接着性は、第1樹脂部2と防振部材3の接
合面の接着状態において、容易に界面剥離しないか確認
し、引張りせん断力で20kgf/cm2以上の接着強
度があり強固に接着されている状態を○とした。耐熱性
は、実施例および従来例の送風用羽根車を空気調和機の
室外機にセットし、モーター回転数を約700rpmと
して回転させ70℃の恒温槽に24h放置し、回転前後
のバランス変化量を検討したものである。バランス変化
は、専用のアンバランス変化量測定機を用いて測定でき
る。
【0021】実施例1は、第1樹脂部2および第2樹脂
部4にマイカとガラスファィバーを約30重量%混入し
た密度1.22のPP系樹脂を用い、防振部材3にポリ
スチレンブロックとポリオレフィン構造のエラストマー
ブロックで構成された水素添加スチレン系エラストマー
を用いて構成したものである。熱可塑性エラストマー
は、硬度55(JIS−K−6301、A形)を使用し
ている。また、特に、実使用の高温時、長期放置時の耐
熱性、柔軟性、機械的強度等を考慮してスチレン−イソ
プレンブロック共重合体(SEPS)の水素添加ポリス
チレン系エラストマーを使用したもので、25%の圧縮
永久歪は100℃・22hで35%以下のものを使用し
ている。以下、実施例2と実施例3も同様の35%以下
の熱可塑性エラストマーを使用している。また、実施例
1のアンバランス変化量は3.2g・cmであり、従来
例と同程度である。実施例1の使用樹脂の荷重たわみ温
度は、約145℃(荷重条件18.5kgf/cm2
試験法JIS−K−7207、以下省略)、曲げ弾性率
は、約56000kgf/cm2である(試験法JIS
−K−7203、以下省略)。
【0022】実用性評価において、リサイクル性はマイ
カとガラスファィバーを約30重量%混入したPP系樹
脂とポリスチレンブロックとポリオレフィン構造のエラ
ストマーブロックで構成された水素添加スチレン系エラ
ストマーの相溶性が良く、粉砕・混練・再生するときに
分離もなく良好な状態である。接着性においては、前記
PP系樹脂とスチレン系エラストマ−の相溶性が良いた
め接着部が強固に接着され一体化している。
【0023】実施例2は、第1樹脂部2および第2樹脂
部4にガラスファィバーを約30重量%混入した密度
1.25のPP系樹脂を用い、防振部材3にポリスチレ
ンブロックとポリオレフィン構造のエラストマーブロッ
クで構成された水素添加スチレン系エラストマ−を用い
て構成したものである。熱可塑性エラストマーは、硬度
65(JIS−K−6301、A形)を使用している。
【0024】また、アンバランス変化量は3.0g・c
mである。実施例2の使用樹脂の荷重たわみ温度は、約
150℃、曲げ弾性率は、約60000kgf/cm2
である。
【0025】実施例3は、第1樹脂部2および第2樹脂
部4にマイカを約40重量%混入した密度1.35のP
P系樹脂を用い、防振材部3にポリスチレンブロックと
ポリオレフィン構造のエラストマーブロックとポリウレ
タンブロックで構成された水素添加スチレン系エラスト
マーを用いて構成したものである。熱可塑性エラストマ
ーは、硬度40(JIS−K−6301、A形)を使用
している。アンバランス変化量は4.5g・cmであ
る。実施例3の使用樹脂の荷重たわみ温度は、約150
℃、曲げ弾性率は、約65000kgf/cm2であ
る。
【0026】実施例2および実施例3においても、リサ
イクル性において相溶性がよく第1樹脂部2と第2樹脂
部4の接着性も良好で強固に接着している。尚、熱可塑
性エラストマーの硬度は、65よりも40の低い方が材
料単品の制振特性において損失係数(tanδ)は良くなる
が、送風機用羽根車にした場合は、静止時の熱クリープ
変形や運転時の熱変形があり、羽根を回転させた時アン
バランスになり易い。実施例から、硬度40以下では、
アンバランス変化量が大きくなる。また硬度65度以上
にすると柔軟性が低下し、送風機用羽根車を回転させた
時の騒音特性が悪化するため硬度65度以上は望ましく
ない。従って硬度40〜65の範囲が望ましい。また、
実施例1〜3の樹脂材の制振性と寸法安定性は、マイカ
の混入率が多いほど良いが、マイカのみでは高温回転時
の熱変形大きくなりやすいためガラスファィバーを適度
の混入して耐熱変形性の向上を図っている。
【0027】また屋外に使用する場合、このPP(ポリ
プロピレン)系樹脂材料は耐候処理することが容易であ
り、屋外でも10年以上の耐久性を確保することができ
る。
【0028】次に実施例4および実施例5について説明
する。実施例4は、第1樹脂部2と第2樹脂部4がガラ
スファィバーを約20重量%混入した密度1.22のA
S系樹脂の合成樹脂で、防振部材3の熱可塑性エラスト
マーが、ポリスチレンブロックとポリオレフィン構造の
エラストマーブロックとポリウレタンブロックで構成さ
れた水素添加スチレン系エラストマーを用いて構成した
ものである。熱可塑性エラストマーは、硬度55(JI
S−K−6301、A形)を使用している。実施例5の
使用樹脂の荷重たわみ温度は、約105℃、曲げ弾性率
は約70000kgf/cm2である。
【0029】実施例5は、第1樹脂部2と第2樹脂部4
がガラスファィバーを約10重量%混入した密度1.1
8のA/EPDM/S系樹脂の合成樹脂で、防振部材3
の熱可塑性エラストマーが、ポリスチレンブロックとポ
リオレフィン構造のエラストマーブロックとポリウレタ
ンブロックで構成された水素添加スチレン系エラストマ
ーを用いて構成したものである。熱可塑性エラストマー
は、硬度55(JIS−K−6301、A形)を使用し
ている。尚、耐熱クリープ性・バランス変化を考慮して
実施例4と実施例5も、25%の圧縮永久歪は100℃
・22hで35%以下のものを使用している。実施例4
および実施例5においては、AS系樹脂とA/EPDM
/S系樹脂と相溶性のよいポリスチレンブロックとポリ
オレフィン構造のエラストマーブロックとポリウレタン
ブロックで構成された水素添加スチレン系エラストマー
を使用しており、粉砕・混練・再生するときに分離もな
く良好な状態である。接着性においては、AS系樹脂お
よびA/EPDM/S系樹脂とウレタン系エラストマ−
の相溶性が良いため接着部が強固に接着され一体化して
いる。実施例6の使用樹脂の荷重たわみ温度は、約90
℃、曲げ弾性率は、約35000kgf/cm2であ
る。AS系樹脂およびA/EPDM/S系樹脂において
は、GFの混入率を上げると曲げ弾性率が向上し耐熱性
が向上するが、20%以上にすると剛性が高く硬くなる
ため制振性が低下する。また、10%以下では熱変形が
大きく耐熱性が低下する。従ってGFの混入率は10〜
20%が好ましい。
【0030】また、送風機用羽根車1のバランス調整
は、図1のハブ内側の円周方向に設けたねじ固定用ボス
8に、適当な重さの種類から不釣合い分に見合うねじを
選定し取り付けて行う。バランス調整は送風機用羽根車
用のバランス調整機を用いて実施し、通常は5g・cm
以下で管理する。偏肉がなく、重量バランスが取れ安定
した形状の成形品では、ねじの取り付けが必要でなくな
る。固定用ボス8は、金型にピンを立てることによって
射出成形時に同時にできる。また、リサイクルを考慮し
て、第1樹脂部2と第2樹脂部4と同樹脂材の樹脂ねじ
を使用すれば従来の金属ねじのように取り外して、リサ
イクルする必要がなく同時に粉砕できる。
【0031】熱可塑性エラストマーの硬度調整は、ポリ
スチレンブロックとポリオレフィン構造のエラストマー
ブロックで構成された水素添加スチレン系エラストマ−
やポリスチレンブロックとポリオレフィン構造のエラス
トマーブロックとポリウレタンブロックで構成された水
素添加スチレン系エラストマーに柔軟剤としてパラフィ
ン系オイルなどを用いてアロイ化して、ポリスチレンや
ポリオレフィンやポリウレタンと柔軟剤などの比率を変
性させ調整される。
【0032】尚、水素添加スチレン系エラストマーとし
ては、(株) クラレの商品名・セプトンやハイブラーな
どがある。また、AS系樹脂およびA/EPDM/S系
樹脂と接着性の良いものに他にはポリエステル系エラス
トマーなどがある。また、第1樹脂部2にはモーターの
軸を固定するため円筒状の内部をDカット形状にしてい
る。
【0033】また、第1樹脂部と第2樹脂部と防振部材
との接着性をより向上させるには第1樹脂部の外周部に
凸部や第2樹脂部の内周部に凹部を設けてアンカー効果
を出すことで可能となる。
【0034】従来例は、図5に示すような中心部にモー
タ軸を固定するするためのアルミ製軸受け部501と外
周部の円筒状の金属503に防振ゴム502を圧縮成形
したものが使用された送風用羽根車である。防振ゴムと
してはCRゴムが使用されている。従来例をリサイクル
する場合は、金属とゴムを含むボス5をプレスなどで打
ち抜いて取り除く別工程がかかる。
【0035】また、実施例はボスに金属やゴムを使用し
ないため、送風機用羽根車として約20グラム程度の軽
量化が図れる。
【0036】上記の送風機用羽根車は、特に空調機用の
室外機に用いた場合、従来のゴム、金属を用いた送風用
羽根車より軽量化やボス部の材料コストダウンなどが図
れる。また、同時にリサイクル時のボス部脱着作業の削
減などが図れ省エネや環境面で貢献することができる。
【0037】尚、本願発明の実施例は、水素添加スチレ
ン系エラストマーを用い説明したが、第1樹脂部と第2
樹脂部にPP系樹脂を用い防振部材オレフィン系エラス
トマーを用いても同様の軽量化が図れ、ボス脱着作業の
削減ができる。
【0038】また、本発明はモーター軸の軸受けとなる
円柱状の樹脂部と熱可塑性エラストマー部を除いた、ハ
ブと翼の樹脂部を射出成形した成形品に、射出成形時に
モーター軸の軸受けとなる円柱状の樹脂部品を金型内で
インサートして、熱可塑性エラストマーを射出成形し一
体構造としたが、従来のボス形状を維持して、アルミ製
軸受け部501と円筒状の金属部503を同一系樹脂に
し予め射出成形した成形品において、防振ゴム部502
にあたる箇所に熱可塑性エラストマーを射出成形して先
にボスを作り、このボスをインサート成形して構成する
ことも可能であり、上記同様に選別なしで同時粉砕がで
きリサイクル性の優れた送風機用羽根車を提供できる。
【0039】実施例ではDCモータを使用して省エネ化
を図っている空気調和機用の送風機用羽根車について説
明したが、その他樹脂製の羽根車が使用される送風機分
野で広く利用できる。
【0040】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、請求
項1記載の発明によれば、金属とゴムを含まない構成で
ありリサイクル時に特に選別の必要がなく、樹脂と熱可
塑性エラストマーを同時に粉砕して再生することができ
る。また熱可塑性エラストマーも樹脂と相溶性に優れた
ものを選択することでリサイクル時の物性もほとんど低
下しない。
【0041】請求項2記載の発明によれば、PP(ポリ
プロピレン)系樹脂と相溶性の良い熱可塑性エラストマ
ーが一体化して、接合面の接着性も十分確保される。ま
たこれらの樹脂は耐候処理することが容易であり、屋外
でも10年以上の耐久性を確保することができる。ま
た、PP(ポリプロピレン)系樹脂は制振性にも優れてい
る。
【0042】請求項3記載の発明によれば、AS系樹脂
あるいはA/EPDM/S系樹脂と相溶性の良い熱可塑
性エラストマーが一体化して、接合面の接着性も十分確
保される。またこれらの樹脂は耐候処理することが容易
であり、屋外でも10年以上の耐久性を確保することが
できる。
【0043】請求項4記載の発明よれば、第1樹脂部2
と第2樹脂部4の合成樹脂が密度1.0〜1.35程度
で剛性・耐熱性・耐候性・制振性のバランスの優れた送
風機用羽根車を形成することができる。
【0044】請求項5記載の発明によれば、この硬度範
囲によって長期にバランス変化の少ない送風機用羽根車
を形成することができる。
【0045】請求項6記載の発明によれば、樹脂部が同
一材料であるためリサイクル時の物性低下が少なく安定
する。また、加工時の材料数が少なくなり管理しやすく
なる。
【0046】請求項7記載の発明によれば、熱可塑性エ
ラストマー以外を形成した部分に熱可塑性エラストマー
を射出成形するため、樹脂とエラストマーの接合部の変
形が少なく、樹脂部とエラストマー部が一体化し接着性
の優れた送風機用羽根車を形成することができる。ま
た、バランス変化の少ないものを加工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における送風機用羽根車のA
−A´断面図
【図2】本発明の一実施例における同送風機用羽根車の
モーター軸の軸受けとなる円柱状の樹脂部の外観斜視図
【図3】図1の送風機用羽根車の外観斜視図
【図4】従来の送風機用羽根車のボスの外観斜視図
【図5】従来の送風機用羽根車の外観斜視図
【符号の説明】
1 送風機用羽根車 2 モーター軸の軸受けとなる円柱状の樹脂部 3 熱可塑性エラストマーの円柱状の防振部材 4 ハブと羽根を構成する樹脂部 8 ねじ固定用ボス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H033 AA02 BB02 BB08 CC01 CC06 DD04 DD12 DD13 DD25 DD26 EE00 EE06 4F206 AA11 AA13 AA45 AB16 AB25 AD05 AD07 AD35 AH04 JA07 JB12 JN12 JQ81

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハブと前記ハブの周囲に複数の翼型形状
    をした羽根を備えた羽根車において、前記ハブの中心に
    はモーター軸の軸受けとなる円柱状の第1樹脂部を、前
    記第1樹脂部の外周に防振部材を、前記防振部材の外周
    には第2樹脂部を配し、前記防振部材が熱可塑性エラス
    トマーであることを特徴とする送風機用羽根車。
  2. 【請求項2】 前記第1樹脂部と前記第2樹脂部のうち
    少なくとも1つがPP(ポリプロピレン)系樹脂の合成樹
    脂で、前記防振部材がポリスチレンブロックとポリオレ
    フィン構造のエラストマーブロックで構成された水素添
    加スチレン系エラストマーからなることを特徴とする請
    求項1記載の送風機用羽根車。
  3. 【請求項3】 前記第1樹脂部と前記第2樹脂部のうち
    の少なくとも1つがAS(アクリロニトリル・スチレン)
    系樹脂あるいはA/EPDM/S(アクリロニトリル・
    エチレンプロピレン−ジエン・スチレン)系樹脂の合成
    樹脂で、前記防振部材が、ポリスチレンブロックとポリ
    オレフィン構造のエラストマーブロックとポリウレタン
    ブロックで構成された水素添加スチレン系エラストマー
    からなることを特徴とする請求項1記載の送風機用羽根
    車。
  4. 【請求項4】 前記防振部材には、珪酸マグネシウム、
    ガラスファイバー、マ雲母を単独または複合して10〜
    40重量%混入したことを特徴とする請求項2または3
    に記載の送風機用羽根車。
  5. 【請求項5】 前記防振部材の硬度(JIS−K−63
    01、A形)が、40〜65であることを特徴とする請
    求項1〜4いずれか1項に記載の送風機用羽根車
  6. 【請求項6】 前記第1樹脂部と、前記第2樹脂部とが
    同じグレードであることを特徴とする請求項1〜5いず
    れか1項に記載の送風機用羽根車。
  7. 【請求項7】 ハブと前記ハブの周囲に複数の翼型形状
    をした羽根を備えた羽根車において、前記ハブの中心に
    はモーター軸の軸受けとなる円柱状の第1樹脂部を、前
    記第1樹脂部の外周に防振部材を、前記防振部材の外周
    には第2樹脂部を配する構成であって、前記第2樹脂部
    を射出成形した成形品に、前記第1樹脂部をインサート
    し、その後前記防振部材をインサート射出成形すること
    を特徴とする送風機用羽根車の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011236917A (ja) * 2011-08-30 2011-11-24 Nisshinbo Mechatronics Inc 送風用ファンの防振具及びそれを備える送風用ファン構造体

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