JP2003056312A - 閉サイクルガスタービンおよび同ガスタービンを用いた発電システム - Google Patents

閉サイクルガスタービンおよび同ガスタービンを用いた発電システム

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JP2003056312A
JP2003056312A JP2001242503A JP2001242503A JP2003056312A JP 2003056312 A JP2003056312 A JP 2003056312A JP 2001242503 A JP2001242503 A JP 2001242503A JP 2001242503 A JP2001242503 A JP 2001242503A JP 2003056312 A JP2003056312 A JP 2003056312A
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cooler
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Junichi Nakagawa
潤一 中川
Tatsuo Yoshida
龍生 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却器で生成されるガス状態の量を供給先で
の条件に見合った適正量に保ちながら発電効率を高める
とともに、トータル的なLNGの気化処理量を合理的に
増やす。 【解決手段】 圧縮機10により圧縮されて加熱器12
で加熱された作動流体をタービン14に導入して発電機
18を駆動し、さらにタービン14から排出される作動
流体を冷却器16で冷却して圧縮機10に導入するよう
に発電システム1Aの閉回路2が構成される。また、冷
却器16には冷熱源としてLNGを導入しながら、ここ
でLNGを気化させてNGを生成し、これを主発電シス
テム4に燃料として供給する。閉回路2には、タービン
14から排出される作動流体を冷却器16への導入前に
予め冷却する予備冷却器20が設けられる。この予備冷
却器20は、LNGを気化させてその気化潜熱を利用し
て作動流体を予備冷却するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガス(液化天
然ガス)を冷熱源として利用する閉サイクルガスタービ
ンおよび同ガスタービンを用いた発電システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、LNG(液化天然ガス(液化
ガス))の有する冷熱を有効に利用すべく、例えば発電
システムの冷熱源としてLNGを利用することが一般に
行われている。
【0003】図4は、そのような発電システムの一例を
示している。この図に示す発電システム1は、原理的に
は閉(密閉)サイクルガスタービン、詳しくは閉ブレイ
トンサイクルガスタービンを用いた発電システムであっ
て、同図に示すように圧縮機10、加熱器12、タービ
ン14および冷却器16を備えた密閉ループ(閉回路
2)内で例えば窒素(N2)等の作動流体を循環させな
がら、前記タービン14に連結された発電機18を駆動
するように構成されている。具体的には、圧縮機10で
圧縮した作動流体を工場排熱等を利用して加熱器12で
加熱して高温高圧の作動流体を生成し、これをノズルに
より膨張させてタービン14を回転させ、この回転によ
り発電機18を駆動するとともに、その回転力の一部を
圧縮機10の駆動に利用するものである。なお、タービ
ン14を経た作動流体は、冷却器16を経て冷却された
後、圧縮器10に導入されるように構成されている。
【0004】そして、この閉回路2において、供給通路
5を通じて供給されるLNGを冷熱源として前記冷却器
16に導入することにより、作動流体とLNGとの間で
熱交換を行わせて作動流体を冷却する一方、LNGを気
化させてNG(天然ガス(ガス状体))を生成して消費
地に供給するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、ガスタービンを
用いた発電システムとして図5に示すようなシステムが
考えられている。このシステムは、燃料としてNGを燃
焼させて高温高圧のガスを生成し、このガスによりター
ビンを回転させて発電機を駆動する主発電システムと、
図4に示したような閉サイクルガスタービンを用いた補
助発電システムとからなり、LNGを補助発電システム
の冷熱源として利用して発電を行いながら、該LNGを
気化させて(NGを生成して)これを主発電システムに
燃料として供給する一方、主発電システムで発生した発
電排熱(燃焼ガス)を補助発電システムの高熱源として
供給するように構成されており、LNGの有する冷熱お
よび発電排熱を合理的に利用する発電システムとして期
待されている。
【0006】ところで、この種の発電システムにおい
て、前記補助発電システムは冷熱の有効活用を図るもの
として位置付けられており発電量が問題となることは少
ないが、発電を行う以上はより多くの発電量を確保でき
る方が好ましい。そこで、例えば前記閉回路2内におけ
る作動流体の単位時間当たりの循環量を増加させること
により発電量を高める(発電効率を高める)ことが考え
られているが、ここに一つ問題がある。
【0007】すなわち、作動流体の循環量を増やすと、
作動流体の冷却により多くのLNGが必要となり、いき
おい生成されるNGが増加する(主発電システムに供給
されるNGが増加する)こととなる。しかし、上記のよ
うな発電システムでは、主発電システム側の運転状態を
適切に維持するためにNGの供給量が制限されており、
補助発電システム側でのNGの生成量をむやみに変更す
ることが不可能である。
【0008】従って、上記のような発電システムにおい
ては、冷却器で生成されるNGの量を主発電システムに
おいて要求される適正量に保って主発電システムの運転
状態を適切に維持しつつ、補助発電システムの発電効率
を高めることが望まれる。
【0009】なお、この種の発電システムは、一般にL
NGの受入れ基地に設けられるものであり、従って、N
Gを効率良く生成して消費地に供給するという観点から
は、システム全体としてのLNGの気化処理量を増大さ
せ得る方が好ましく、これに対処する必要もある。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であって、冷却器で生成されるガス状態の量を供給先で
の条件に見合った適正量に保ちながら機械的仕事の効率
(発電効率)を高めるとともに、トータル的なLNGの
気化処理量を合理的に増やすことができる閉サイクルガ
スタービン及び同ガスタービンを用いた発電システムを
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、圧縮機により圧縮されて加熱器で加熱さ
れた作動流体をタービンに導入することにより該タービ
ンを回転させて機械的仕事をさせ、さらにタービンから
排出される作動流体を冷却器で冷却して圧縮機に導入す
るように閉回路が構成される一方、冷熱源として液化ガ
スを前記冷却器に導入しながら該液化ガスを気化させて
ガス状体を生成する閉サイクルガスタービンにおいて、
前記タービンから排出される作動流体を前記冷却器への
導入前に予備冷却する予備冷却器が設けられ、この予備
冷却器が液化ガスを気化させてその気化潜熱を利用して
作動流体を予備冷却するように構成されているものであ
る(請求項1)。
【0012】この閉サイクルガスタービンによれば、冷
却器で生成されるガス状体の量をその供給先の条件に見
合った適正量に保ちながら、前記冷却器とは別に設けら
れた予備冷却器により作動流体を予備冷却することで、
閉サイクルの効率を高めることができる。しかも、前記
予備冷却器は、作動流体の冷却に液化ガスの気化潜熱を
利用するものであるので、液化ガスの気化処理量を合理
的に増やすことができる。
【0013】このような閉サイクルガスタービンにおい
ては、前記予備冷却器に液化ガスを導入し、これによっ
て作動流体を予備冷却するようにしてもよいし、あるい
は、前記予備冷却器に対して冷媒を循環させる冷媒循環
用回路を設け、この冷媒循環用回路に予備冷却器を経た
冷媒を冷却する再生冷却器を設け、この再生冷却器に対
して冷熱源として液化ガスを導入しながら該液化ガスを
気化させてガス状体を生成するように構成してもよい
(請求項2)。
【0014】一方、本発明に係る発電システムは、請求
項1又は2記載の閉サイクルガスタービンを用いた発電
システムであって、前記タービンに発電機が連結され、
タービンの回転により発電機が作動するように構成され
ているものである(請求項3)。
【0015】この発電システムによれば、冷却器で生成
されるガス状体の量をその供給先の条件に見合った適正
量に保ちながら、発電効率を良好に高めることができ
る。また、トータル的な液化ガスの気化処理量を合理的
に増やすことができる。
【0016】また、本発明に係る別の発電システムは、
ガスを燃焼させてタービンを回転させることにより発電
機を駆動する主発電システムと、請求項3記載の発電シ
ステムからなる補助発電システムとを有し、前記補助発
電システムの冷却器に液化ガスを導入して作動流体を冷
却するとともに、該液化ガスを気化させてガス状体を生
成し、このガス状体を前記主発電システムに燃料として
供給する一方、主発電システムで発生した発電排熱を前
記補助発電システムの高熱源として加熱器に導入して作
動流体を加熱するように構成されているものである(請
求項4)。
【0017】この構成によれば、主発電システムでのガ
ス状体の消費量及び発電排熱量により決まる補助発電シ
ステムにおけるガスタービンサイクルの運転条件の下、
上記のように予備冷却器による作動流体の予備冷却が行
われることにより、発電効率の向上および液化ガスの気
化処理量の増大が達成されることとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。
【0019】なお、以下に説明する発電システムの基本
的な構成は、従来技術で説明した図4の発電システムと
共通するため、共通する構成については同一符号を付し
て詳しい説明を省略し、以下、相違点についてのみ詳細
に説明することとする。
【0020】図1は、本発明に係る閉サイクルガスター
ビンを用いた発電システム(本発明に係る発電システ
ム)の第1の実施形態を示す系統図である。
【0021】この図に示す発電システム1Aも、図4に
示した従来の発電システム同様、所謂閉ブレイトンサイ
クルガスタービンを用いた発電システムであって、圧縮
機10、加熱器12、タービン14および冷却器16を
備えた閉回路2内で、例えば窒素(N2)等の作動流体
を循環させながらタービン14を回転させ、このタービ
ン14の回転により発電機18を駆動するように構成さ
れている。
【0022】この発電システム1Aは、例えば開(開
放)サイクルガスタービンを用いた発電システム(主発
電システム4という)の補助的なシステムとして組み込
まれており、主発電システム4から排出される発電排熱
および主発電システム4の燃料となるLNG(液化天然
ガス(液化ガス))を作動流体の熱源として利用する構
成となっている。具体的に説明すると、加熱器12が主
発電システム4から排出される発電排熱の排出通路3に
介設されており、発電排熱として例えば主発電システム
4から排出されるガスタービン排ガスと前記作動流体と
の間で熱交換を行わせることにより作動流体を加熱する
一方、冷却器16が主発電システム4への燃料(LN
G)の供給通路5に介設されており、LNGと前記作動
流体との間で熱交換を行わせることにより作動流体を冷
却するように構成されている。そして、このようにLN
Gを作動流体の冷熱源として利用しつつ、該LNGを気
化させることによりNG(ガス状体)を生成し、このN
Gを主発電システム4へ燃料として導入するように構成
されている。
【0023】前記閉回路2おいて、前記タービン14と
冷却器16との間には、さらにタービン14から排出さ
れた作動流体を冷却器16への導入に先立って冷却する
予備冷却器20が介設されている。この予備冷却器20
は、ポンプ22の駆動により冷却水(冷媒)を循環させ
る冷媒回路6(冷媒循環用回路)に接続されており、前
記作動流体とこの冷媒回路6を流通する冷却水との間で
熱交換を行わせることにより作動流体を冷却するように
なっている。
【0024】なお、前記冷媒回路6において、予備冷却
器20とポンプ22との間には再生冷却器24が設けら
れている。この再生冷却器24は、前記主発電システム
4とは別の消費地8に対して燃料(LNG)を供給する
ための供給通路7に介設されており、LNGと冷媒回路
6内を循環する冷却水との間で熱交換を行わせることに
より前記予備冷却器20への給送前に冷却水を冷却する
ように構成されている。そして、このように冷却水を冷
却するための冷熱源としてLNGを利用しつつ、該LN
Gを気化させることによりNG(ガス状体)を生成し、
このNGを消費地8に対して導入するように構成されて
いる。
【0025】このような発電システム1Aにおいて、圧
縮機10で圧縮された作動流体は、加熱器12において
排ガスとの熱交換により加熱されてタービン14に導入
され、ここで膨張することにより該タービン14を回転
させて発電機18を駆動する。そして、タービン14か
ら排出された後、予備冷却器20及び冷却器16に順次
導入されることにより、冷却水及びLNGとの熱交換に
より冷却されてから圧縮機10に戻される。
【0026】また、供給通路5を通じて供給されるLN
Gは、冷却器16に導入され、ここで前記作動流体との
熱交換に供されて気化し、NGとして主発電システム4
に供給されることとなる。
【0027】一方、冷媒回路6を循環する冷却水は、予
備冷却器20において作動流体の冷却に供された後、再
生冷却器24に案内され、ここでLNGとの熱交換によ
り冷却された後、再びポンプ22により予備冷却器20
へ圧送される。
【0028】また、供給通路7を通じて供給されるLN
Gは、再生冷却器24に導入され、ここで冷媒回路6を
循環する冷却水との熱交換に供されて気化し、NGとし
て消費地8に供給されることとなる。
【0029】以上のように構成された本発明の発電シス
テム1Aによると、冷却器16で生成されるNGの量を
その供給先、つまり主発電システム4の条件に見合った
適正量に保ちながら、前記冷却器16とは別に設けられ
た予備冷却器20により作動流体を予備冷却すること
で、発電効率を高めることができる。換言すれば、閉回
路2内における作動流体の単位時間当たりの循環量を多
く設定して発電量をより多く確保する場合でも、予備冷
却器20により作動流体を予備冷却するので、冷却器1
6で生成されるNGの量を前記適性量に保つことができ
る。
【0030】従って、主発電システム4の運転状態を良
好に維持しながら、発電システム1Aにおいてより多く
の発電量を確保することができるようになるという効果
がある。
【0031】その上、前記予備冷却器20は、作動流体
の冷却にLNGの気化潜熱を利用するものであるので、
特別な熱消費を伴うことなくLNGの気化処理量を合理
的に増やすことができる。従って、発電システムトータ
ルとしてLNGの総気化量を合理的に増大させることが
できるという効果もある。
【0032】なお、この発電システム1Aでは、冷媒回
路6に冷却水を循環させ、予備冷却器20においてこの
冷却水と作動流体との間で一旦熱交換を行い、さらに再
生冷却器24において冷却水とLNGとの間で熱交換を
させることによりLNGを気化させているが、例えば、
予備冷却器20に供給通路7を接続することによりLN
Gと作動流体とを熱交換させるように構成してもよい。
【0033】次に、本発明の第2の実施の形態について
図面を用いて説明する。
【0034】図2は、第2の実施形態にかかる発電シス
テムを系統図で示している。この図に示す発電システム
1Bも基本的な構成は第1の実施形態と共通するが、圧
縮器10が多段構造とされている点で第1の実施形態と
構成が相違している。
【0035】具体的に説明すると、圧縮機10は、低圧
圧縮機10a、中圧圧縮機10b及び高圧圧縮機10c
の3つの圧縮機から構成されている。そして、同図に示
すように、冷却器16を経た作動流体が、低圧圧縮機1
0a→冷却器16→中圧圧縮機10b→冷却器16→高
圧圧縮機10c→冷却器16→加熱器12の順で循環す
るように前記閉回路2が構成されている。なお、この発
電システム1Bにおいては、冷却器16として熱効率の
高いプレートフィン式の熱交換器が設けられている。
【0036】この発電システム1Bにおいて、圧縮機1
0で圧縮された作動流体は、加熱器12において排ガス
との熱交換により加熱されてタービン14に導入され、
ここで膨張することにより該タービン14を回転させて
発電機18を駆動する。そして、タービン14から排出
された後、予備冷却器20及び冷却器16に順次導入さ
れることにより冷却されてから再び圧縮機10に戻され
る。なお、圧縮機10では、上述したように作動流体が
低圧圧縮機10a、中圧圧縮機10b及び高圧圧縮機1
0cの順で順次圧縮されるとともに、圧縮機10a〜1
0cを夫々経由する度に冷却器16を経て冷却され、こ
れにより圧縮機10の所要動力が軽減されて発電効率が
高められることとなる。
【0037】以上のような発電システム1Bも、基本的
には第1の実施形態の発電システム1Aと同様に、閉回
路2内で流体動作を循環させながらタービン14を回転
させ、このタービン14の回転により発電機18を駆動
するように構成されるとともに、作動流体の冷却用に予
備冷却器20および冷却器16を備えているので、第1
実施形態の発電システム1Aと同様の効果を得ることが
できる。
【0038】なお、この発電システム1Bでは、上記の
ように圧縮機10を多段構造とすることにより圧縮機1
0の所要動力を軽減するように構成しているが、さらに
上記のように各圧縮機10a〜10cを夫々経由した作
動流体を単一の冷却器16で冷却するように構成してい
るので、圧縮機10を多段構造としながらも発電システ
ム1Bのコンパクト化が達成されるという効果がある。
すなわち、圧縮機を多段構造とする場合には、各圧縮機
から排出される作動流体を冷却するための冷却器として
各圧縮機毎に専用の冷却器を設けるのが一般であり、い
きおいシステム全体が大型化する傾向にあるが、上記実
施形態のように、共通の冷却器16により作動流体を冷
却することで発電システム1Bのコンパクト化が達成さ
れることとなる。
【0039】次に、本発明の第3の実施の形態について
図面を用いて説明する。
【0040】図3は、第3の実施形態にかかる発電シス
テムを系統図で示している。この図に示す発電システム
1Cも基本的な構成は第1の実施形態と共通するが、L
NGの貯溜タンク26で発生したBOG(ボイルオフガ
ス)を冷却器16への導入に先立ってLNGに導入可能
に構成されている点で第1実施形態と構成が相違してい
る。
【0041】具体的には、貯溜タンク26に、その内部
で発生したBOGを導出する導出通路9が設けられ、こ
の導出通路9がLNGの供給通路5に接続されるととも
に、この導出通路9にBOGをLNGの供給通路5内に
供給するための圧縮機28が介設されている。そして、
図外の温度検出手段により冷却器16へ導入されるLN
Gの温度を検出しながら、この温度が規定温度よりも低
い場合には、前記圧縮機28の操作によりBOGを供給
通路5内に導入してLNGの温度上昇を促進させるよう
に構成されている。
【0042】すなわち、貯溜タンク26に貯えられたL
NG、あるいは貯溜タンク26から冷却器16に供給さ
れるLNG温度は低くそのまま冷却器16に導入する
と、冷却器16における冷端側での作動流体とLNGと
の温度差が無用に大きくなって熱交換効率が損なわれる
こととなるが、上記のように必要に応じてBOGをLN
Gに混合してLNG温度を適正化させることにより、熱
交換効率の低下を有効に防止することができるように構
成されている。
【0043】なお、この発電システム1Cも、基本的に
は第1の実施形態の発電システム1Aと同様に、閉回路
2内で流体動作を循環させながらタービン14を回転さ
せ、このタービン14の回転により発電機18を駆動す
るように構成されるとともに、作動流体の冷却用に予備
冷却器20および冷却器16を備えているので、第1実
施形態の発電システム1Aと同様の効果を得ることがで
きることは言うまでもない。
【0044】ところで、以上説明した各実施形態は、本
発明にかかる発電システム1A〜1Cが主発電システム
4の補助的なシステムとして組み込まれ、主発電システ
ム4から排出される発電排熱および主発電システム4の
燃料となるLNGを発電システム1A〜1Cにおける作
動流体の熱源として利用する構成となっているが、例え
ば、主発電システム4以外のシステム、例えばボイラを
主システムとしてこれに発電システム1A〜1Cを組込
んだ構成としてもよい。この場合には、ボイラから排出
される排熱およびボイラの燃料となるLNGを発電シス
テム1A〜1Cにおける作動流体の熱源として利用する
ように構成すればよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の閉サイク
ルガスタービンによると、タービンから排出される作動
流体を冷却器への導入前に予備冷却する予備冷却器が設
けられることにより、冷却器で生成されるガス状体の量
をその供給先の条件に見合った適正量に保ちながら、閉
サイクルの効率を高めることができる。しかも、前記予
備冷却器は、作動流体の冷却に液化ガスの気化潜熱を利
用するものであるので、液化ガスの気化処理量を合理的
に増やすこともできる。
【0046】従って、この閉サイクルガスタービンを用
いた発電システムによれば、発電効率を増大および液化
ガスの気化処理量の増大を合理的に達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閉サイクルガスタービンを用いた
発電システム(本発明に係る発電システム)を示す系統
図(第1実施の形態)である。
【図2】本発明に係る閉サイクルガスタービンを用いた
発電システム(本発明に係る発電システム)を示す系統
図(第2実施の形態)である。
【図3】本発明に係る閉サイクルガスタービンを用いた
発電システム(本発明に係る発電システム)を示す系統
図(第3実施の形態)である。
【図4】従来の閉サイクルガスタービンを用いた発電シ
ステム(従来の発電システム)を示す系統図である。
【図5】発電システムの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C 発電システム 2 閉回路 4 主発電システム 5,7 供給通路 6 冷媒回路(冷媒循環用回路) 8 消費地 10 圧縮機 12 加熱器 14 タービン 16 冷却器 20 予備冷却器 22 ポンプ 18 発電機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機により圧縮されて加熱器で加熱さ
    れた作動流体をタービンに導入することにより該タービ
    ンを回転させて機械的仕事をさせ、さらにタービンから
    排出される作動流体を冷却器で冷却して圧縮機に導入す
    るように閉回路が構成される一方、冷熱源として液化ガ
    スを前記冷却器に導入しながら該液化ガスを気化させて
    ガス状体を生成する閉サイクルガスタービンにおいて、 前記タービンから排出される作動流体を前記冷却器への
    導入前に予備冷却する予備冷却器が設けられ、この予備
    冷却器は、液化ガスを気化させてその気化潜熱を利用し
    て作動流体を予備冷却することを特徴とする閉サイクル
    ガスタービン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の閉サイクルガスタービン
    において、 前記予備冷却器に対して冷媒を循環させる冷媒循環用回
    路が設けられ、この冷媒循環用回路に前記予備冷却器を
    経た冷媒を冷却する再生冷却器が設けられ、この再生冷
    却器に対して冷熱源として液化ガスを導入しながら該液
    化ガスを気化させてガス状体を生成するように構成され
    ていることを特徴とする閉サイクルガスタービン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の閉サイクルガスタ
    ービンを用いた発電システムであって、 前記タービンに発電機が連結され、タービンの回転によ
    り前記発電機が作動するように構成されていることを特
    徴とする発電システム。
  4. 【請求項4】 ガスを燃焼させてタービンを回転させる
    ことにより発電機を駆動する主発電システムと、請求項
    3記載の発電システムからなる補助発電システムとを有
    し、前記補助発電システムの冷却器に液化ガスを導入し
    て作動流体を冷却するとともに、該液化ガスを気化させ
    てガス状体を生成し、このガス状体を前記主発電システ
    ムに燃料として供給する一方、主発電システムで発生し
    た発電排熱を前記補助発電システムの高熱源として加熱
    器に導入して作動流体を加熱するように構成されている
    ことを特徴とする発電システム。
JP2001242503A 2001-08-09 2001-08-09 閉サイクルガスタービンおよび同ガスタービンを用いた発電システム Withdrawn JP2003056312A (ja)

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