JP2003055759A - Mg含有ITOスパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

Mg含有ITOスパッタリングターゲットの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造工程中にクラックが発生するのを抑制し高
い歩留まりを達成することができ、安定的に低コストで
高密度なMg含有ITOスパッタリングターゲットを製
造する方法を提供する。 【解決の手段】実質的にIn、Sn、MgおよびOから
なるMg含有ITOスパッタリングターゲットであっ
て、酸化インジウム粉末及び酸化スズ粉末と塩基性炭酸
マグネシウム粉末とを混合し、又は酸化インジウム−酸
化スズ粉末と塩基性炭酸マグネシウム粉末とを混合し、
成形した後、焼結してなる焼結体を加工するMg含有I
TOスパッタリングターゲットの製造方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電膜製造の
際に使用されるスパッタリングターゲットの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ITO(Indium Tin Oxi
de)薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、
更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネル
ディスプレイ用表示電極、抵抗膜方式のタッチパネル、
太陽電池用窓材、帯電防止膜、電磁波防止膜、防曇膜、
センサ等の広範囲な分野に渡って用いられている。
【0003】このようなITO薄膜に新たな機能を持た
せることを目的として、第3元素を添加する試みがなさ
れている。例えば、薄膜の低抵抗率化を目的としてT
a、Hfを添加する方法、ノジュール発生量低減を目的
としてCeを添加する方法、エッチング特性の改善を目
的としてC、F、B等を添加する方法、薄膜の高抵抗率
化を目的としてAlおよび/またはSiを添加する方法
等を例示することができる。
【0004】一方、ITO薄膜を得る方法としては、ス
プレー分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム
蒸着法、スパッタリング法等の物理的成膜法とに大別す
ることができるが、とりわけスパッタリング法は、薄膜
の大面積化が容易でかつ高性能な膜を得ることができる
ので広く利用されている。
【0005】スパッタリングを行うためのスパッタリン
グターゲットとしては、一般に酸化インジウムと酸化ス
ズとの混合粉末を粉末冶金法により焼結したものが使用
されているが、成膜時の放電を安定性させる為に、高密
度な焼結体からなるターゲットが望まれている。焼結体
の密度をより高密度にすること等を目的として、焼結体
に第3成分を添加する試みもなされている。
【0006】例えば、米国特許第5433901号明細
書には、高密度、高均一性のITO焼結体を得るため、
酸化インジウムおよび酸化スズに、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化イットリウムおよび酸化ケイ素
から選ばれる少なくとも一種を焼結助剤として、0.0
5〜0.25重量%添加する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはITO薄
膜の耐久性(耐湿性、耐高温性)向上を目的として、第
3元素としてMgを添加する方法を開発した。このMg
含有ITO薄膜は、膜表面が平坦でエッチング特性が向
上する、薄膜の抵抗率がITOに比べ若干高いといった
特徴を併せ持ち、さらに耐熱性、耐湿性に優れているこ
とから、特に抵抗膜式のタッチパネル用透明導電膜とし
て優れた特徴を有している。
【0008】例えば、特開2001−151572号公
報には、In、Sn、Mg及びOを含有するターゲット
は、酸化インジウム粉末、酸化スズ粉末および酸化マグ
ネシウム粉末を混合し、成形、焼結する製造方法が開示
されている。しかしながら、この方法では、成形終了後
から焼結時にかけて成形体にクラックが発生しやすく、
歩留まりの低下をまねき、安定生産の点で大きな課題を
有していた。
【0009】これに対し、該成形体へのクラック発生を
抑制する方法として、特開2001−98359号公報
には、マグネシウム源として水酸化マグネシウム粉末を
添加する方法が開示されている。しかし、水酸化マグネ
シウム粉末は高価であり、ターゲットの製造コストにお
いて問題点を有しており、また、得られる焼結体の密度
も十分なものではなかった。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、実質的にIn、Sn、MgおよびOからなる高密
度なMg含有ITOスパッタリングターゲットを安定的
に低コストで生産できる製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するためにMg源となる原料粉末について検討を
進めた結果、Mg源となる原料粉末として塩基性炭酸マ
グネシウム粉末を用いることにより上記課題を解決でき
ることを見出し、本発明を完成した。
【0012】すなわち本発明は、酸化インジウム粉末及
び酸化スズ粉末と塩基性炭酸マグネシウム粉末とを混合
し、又は酸化インジウム−酸化スズ粉末と塩基性炭酸マ
グネシウム粉末とを混合し、この混合物を成形した後、
焼結して得られる焼結体を加工することで、実質的にI
n、Sn、MgおよびOからなるMg含有ITOスパッ
タリングターゲットを得る方法に関するものである。
【0013】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0014】本発明の方法において、Mg含有ITOス
パッタリングターゲットの原料粉末としては、例えば、
酸化インジウム粉末および酸化スズ粉末と塩基性炭酸マ
グネシウム粉末とを混合したもの、又は、酸化インジウ
ムにスズが固溶した酸化インジウム−酸化スズ複合酸化
物粉末と塩基性炭酸マグネシウム粉末とを混合したもの
を用いることができる。
【0015】ここで、原料粉末中のマグネシウム源とし
て酸化マグネシウム粉末を用いた場合、成形体中の酸化
マグネシウムは空気中の水分と反応して塩基性炭酸マグ
ネシウムへと変化する。酸化マグネシウムから塩基性炭
酸マグネシウムへの反応は膨張を伴い、その膨張により
成形体にストレスがかかり、クラックが入る原因と考え
られている。これに対して、塩基性炭酸マグネシウム粉
末を用いることで、空気中の水分との反応がなく、成形
体中での塩基性炭酸マグネシウムに変化は見られない。
その為、製造工程中に成形体が空気にさらされる状況に
おいても、成形体にクラックは発生しないという優れた
利点がある。
【0016】Mg含有ITOスパッタリングターゲット
を製造する際には、焼結体の密度を高めるためボールミ
ル等の粉砕装置を用いて酸化インジウム粉末、酸化スズ
粉末及び塩基性炭酸マグネシウムを、最大粒径が1μm
以下、平均粒径が0.4μm以下に粉砕しておくことが
望ましい。尚、本発明でいう粒径とは2次粒径を意味
し、平均粒径とは粒度の体積での累積分布の50%に相
当する粉末の粒子径を意味する。
【0017】酸化スズ粉末の混合量は、Sn/(Sn+
In)の原子比で1.9〜14%とすることが好まし
く、より好ましくは4〜11%である。この範囲にあれ
ば、本発明の方法により得られるターゲットを用いてM
g含有ITO薄膜を製造した際に、膜の抵抗率を最も低
下させることができる。
【0018】塩基性炭酸マグネシウムの混合量は、Mg
/(In+Sn+Mg)の原子比で0.1〜20.0%
が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0%、さら
に好ましくは0.5〜5.0%である。塩基性炭酸マグ
ネシウムの添加量が0.1%より少ないと、エッチング
特性及び耐久性が劣り適切でない場合があり、20.0
%を超えると、抵抗率が高くなりすぎる場合がある。
【0019】上記の原料粉末を混合する方法としては、
ボールミルなどの公知の方法により、乾式混合あるいは
湿式混合して行えばよい。
【0020】次に、得られた混合粉末を用いてMg含有
ITO焼結体からなるMg含有ITOスパッタリングタ
ーゲットを製造する。Mg含有ITO焼結体の製造方法
については特に限定されるものではないが、例えば以下
のような方法で製造することができる。
【0021】前述のようにして得られた酸化インジウム
粉末、酸化スズ粉末および塩基性炭酸マグネシウムの混
合粉末にバインダー等を加え、プレス法あるいは鋳込法
等の成形方法により成形して成形体を製造する。プレス
法により成形体を製造する場合には、所定の金型に混合
粉末を充填した後、粉末プレス機を用いて100〜30
0kg/cm2の圧力でプレスを行う。粉末の成形性が
悪い場合には、必要に応じてパラフィンやポリビニルア
ルコール等のバインダーを添加してもよい。
【0022】鋳込法により成形体を製造する場合には、
上記した原料粉末である酸化インジウム粉末、酸化スズ
粉末および塩基性炭酸マグネシウムの混合粉末にバイン
ダー、分散剤、イオン交換水を添加し、ボールミル等に
より混合することにより鋳込成形体製造用スラリーを製
造する。続いて、得られたスラリーを用いて鋳込を行
う。鋳型にスラリーを注入する前に、スラリーの脱泡を
行うことが好ましい。脱泡は、例えばポリアルキレング
リコール系の消泡剤をスラリーに添加して真空中で脱泡
処理を行えばよい。続いて、鋳込み成形体の乾燥処理を
行う。
【0023】次に、得られた成形体に必要に応じて、冷
間静水圧プレス(CIP)等の圧密化処理を行う。この
際CIP圧力は充分な圧密効果を得るため2ton/c
2以上が好ましく、さらに2〜5ton/cm2である
ことが好ましい。
【0024】ここで始めの成形を鋳込法により行った場
合には、CIP後の成形体中に残存する水分およびバイ
ンダー等の有機物を除去する目的で脱バインダー処理を
施してもよい。また、始めの成形をプレス法により行っ
た場合でも、成型時にバインダーを使用したときには、
同様の脱バインダー処理を行うことが望ましい。
【0025】このようにして得られた成形体を焼結炉内
に投入して焼結を行う。焼結方法としては、いかなる方
法でも適応可能であるが、生産設備のコスト等を考慮す
ると大気中焼結が望ましい。またこれ以外にも、ホット
プレス(HP)法、熱間静水圧プレス(HIP)法およ
び酸素加圧焼結法等の従来知られている他の焼結法を用
いることができることは言うまでもない。
【0026】焼結条件についても適宜選択することがで
きるが、Mg含有ITOスパッタリングターゲットを製
造する場合、充分な密度上昇効果を得るため及び酸化ス
ズの蒸発を抑制するために、焼結温度は1450〜16
50℃であることが望ましい。また焼結時の雰囲気とし
ては大気あるいは純酸素雰囲気であることが好ましい。
焼結時間についても充分な密度上昇効果を得るために5
時間以上であることが好ましく、さらに5〜30時間で
あることが好ましい。
【0027】次に、所望の形状に加工されたMg含有I
TO焼結体を必要に応じて無酸素銅からなるバッキング
プレートにインジウム半田等を用いて接合することによ
り、Mg含有ITOスパッタリングターゲットが製造さ
れる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】実施例1 In23粉末(平均粒径0.38μm)450重量部、
SnO2粉末(平均粒径0.38μm)50重量部およ
び塩基性炭酸マグネシウム粉末(平均粒径0.40μ
m)を0.39重量部(Mg/(In+Sn+Mg)の
原子比で0.12%)をポリエチレン製のポットに入
れ、乾式ボールミルにより72時間混合し、混合粉末を
製造した。
【0030】この粉末を金型に入れ、300kg/cm
2の圧力でプレスして成形体とした。成形体のサイズは
150mm×300mm×10mmtであり、この成形
体を10枚製造した。これらの成形体を3ton/cm
2の圧力でCIPによる緻密化処理を行った。得られた
10枚の成形体を12時間室温で放置したところ、クラ
ックが発生した成形体は認められなかった。次に10枚
の成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、以下の条
件で焼結した。 (焼結条件) 焼結温度:1500℃、昇温速度:25℃/Hr、焼結
時間:6時間、酸素圧:50mmH2O(ゲージ圧)、
酸素線速:2.7cm/分 10枚の成形体はすべて、クラックが発生することなく
焼結が終了した。得られた焼結体の密度をアルキメデス
法により測定したところ7.08g/cm3であった。
この焼結体を湿式加工法により100×20×6mmt
の焼結体に加工し、インジウム半田を用いて無酸素銅製
のバッキングプレートにボンディングしてターゲットと
した。成形終了時からターゲット完成までの歩留まりは
100%であった。
【0031】実施例2 In23粉末(平均粒径0.38μm)450重量部、
SnO2粉末(平均粒径0.38μm)50重量部およ
び塩基性炭酸マグネシウム粉末(平均粒径0.40μ
m)1.69重量部(Mg/(In+Sn+Mg)の原
子比で0.52%)をポリエチレン製のポットに入れ、
乾式ボールミルにより72時間混合し、混合粉末を製造
した。
【0032】この粉末を金型に入れ、300kg/cm
2の圧力でプレスして成形体とした。成形体のサイズは
150mm×300mm×10mmtであり、この成形
体を10枚製造した。これらの成形体を3ton/cm
2の圧力でCIPによる緻密化処理を行った。得られた
10枚の成形体を12時間室温で放置したところ、クラ
ックが発生した成形体は認められなかった。次に10枚
の成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、実施例1
と同様の条件で焼結した。
【0033】10枚の成形体はすべて、クラックが発生
することなく焼結が終了した。得られた焼結体の密度を
アルキメデス法により測定したところ7.08g/cm
3であった。
【0034】この焼結体を湿式加工法により100×2
0×6mmtの焼結体に加工し、インジウム半田を用い
て無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングして
ターゲットとした。成形終了時からターゲット完成まで
の歩留まりは100%であった。
【0035】実施例3 In23粉末(平均粒径0.38μm)450重量部、
SnO2粉末(平均粒径0.38μm)50重量部およ
び塩基性炭酸マグネシウム粉末(平均粒径0.40μ
m)15.93重量部(Mg/(In+Sn+Mg)の
原子比で4.9%)をポリエチレン製のポットに入れ、
乾式ボールミルにより72時間混合し、混合粉末を製造
した。
【0036】この粉末を金型に入れ、300kg/cm
2の圧力でプレスして成形体とした。成形体のサイズは
150mm×300mm×10mmtであり、この成形
体を10枚製造した。これらの成形体を3ton/cm
2の圧力でCIPによる緻密化処理を行った。得られた
10枚の成形体を12時間室温で放置したところ、クラ
ックが発生した成形体は認められなかった。次に10枚
の成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、実施例1
と同様の条件で焼結した。
【0037】10枚の成形体はすべて、クラックが発生
することなく焼結が終了した。得られた焼結体の密度を
アルキメデス法により測定したところ7.02g/cm
3であった。
【0038】この焼結体を湿式加工法により100×2
0×6mmtの焼結体に加工し、インジウム半田を用い
て無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングして
ターゲットとした。成形終了時からターゲット完成まで
の歩留まりは100%であった。
【0039】実施例4 In23粉末(平均粒径0.38μm)450重量部、
SnO2粉末(平均粒径0.38μm)50重量部およ
び塩基性炭酸マグネシウム粉末(平均粒径0.40μ
m)31.53重量部(Mg/(In+Sn+Mg)の
原子比で9.7%)をポリエチレン製のポットに入れ、
乾式ボールミルにより72時間混合し、混合粉末を製造
した。
【0040】この粉末を金型に入れ、300kg/cm
2の圧力でプレスして成形体とした。成形体のサイズは
150mm×300mm×10mmtであり、この成形
体を10枚製造した。これらの成形体を3ton/cm
2の圧力でCIPによる緻密化処理を行った。得られた
10枚の成形体を12時間室温で放置したところ、クラ
ックが発生した成形体は認められなかった。次に10枚
の成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、実施例1
と同様の条件で焼結した。
【0041】10枚の成形体はすべて、クラックが発生
することなく焼結が終了した。得られた焼結体の密度を
アルキメデス法により測定したところ6.97g/cm
3であった。
【0042】この焼結体を湿式加工法により100×2
0×6mmtの焼結体に加工し、インジウム半田を用い
て無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングして
ターゲットとした。成形終了時からターゲット完成まで
の歩留まりは100%であった。
【0043】実施例5 In23粉末(平均粒径0.38μm)450重量部、
SnO2粉末(平均粒径0.38μm)50重量部およ
び塩基性炭酸マグネシウム粉末(平均粒径0.40μ
m)63.38重量部(Mg/(In+Sn+Mg)の
原子比で19.5%)をポリエチレン製のポットに入
れ、乾式ボールミルにより72時間混合し、混合粉末を
製造した。
【0044】この粉末を金型に入れ、300kg/cm
2の圧力でプレスして成形体とした。成形体のサイズは
150mm×300mm×10mmtであり、この成形
体を10枚製造した。これらの成形体を3ton/cm
2の圧力でCIPによる緻密化処理を行った。得られた
10枚の成形体を12時間室温で放置したところ、クラ
ックが発生した成形体は認められなかった。次に10枚
の成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、実施例1
と同様の条件で焼結した。
【0045】10枚の成形体はすべて、クラックが発生
することなく焼結が終了した。得られた焼結体の密度を
アルキメデス法により測定したところ6.92g/cm
3であった。この焼結体を湿式加工法により100×2
0×6mmtの焼結体に加工し、インジウム半田を用い
て無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングして
ターゲットとした。成形終了時からターゲット完成まで
の歩留まりは100%であった。
【0046】比較例1 In23粉末(平均粒径0.38μm)450重量部、
SnO2粉末(平均粒径0.38μm)50重量部およ
びMgO粉末(平均粒径0.40μm)0.75重量部
(Mg/(In+Sn+Mg)の原子比で0.52%)
をポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルによ
り72時間混合し、混合粉末を製造した。
【0047】この粉末を金型に入れ、300kg/cm
2の圧力でプレスして成形体とした。成形体のサイズは
150mm×300mm×10mmtであり、この成形
体を10枚製造した。これらの成形体を3ton/cm
2の圧力でCIPによる緻密化処理を行った。得られた
10枚の成形体を12時間室温で放置したところ、3枚
の成形体にクラックが発生した。クラックが発生しなか
った7枚の成形体を、純酸素雰囲気焼結炉内に設置し
て、実施例1と同様の条件で焼結した。
【0048】クラックが発生しなかった7枚の成形体の
うち、焼成工程の昇温途中に2枚の成形体にクラックが
発生した。得られた焼結体の密度をアルキメデス法によ
り測定したところ7.06g/cm3であった。この焼
結体を湿式加工法により100×20×6mmtの焼結
体に加工し、インジウム半田を用いて無酸素銅製のバッ
キングプレートにボンディングしてターゲットとした。
成形終了時からターゲット完成までの歩留まりは50%
であった。
【0049】比較例2 In23粉末(平均粒径0.38μm)450重量部、
SnO2粉末In23粉末(平均粒径0.38μm)4
50重量部、SnO2粉末(平均粒径0.38μm)5
0重量部および水酸化マグネシウム粉末(平均粒径0.
40μm)1.08重量部(Mg/(In+Sn+M
g)の原子比で0.52%)をポリエチレン製のポット
に入れ、乾式ボールミルにより72時間混合し、混合粉
末を製造した。
【0050】この粉末を金型に入れ、300kg/cm
2の圧力でプレスして成形体とした。成形体のサイズは
150mm×300mm×10mmtであり、この成形
体を10枚製造した。これらの成形体を3ton/cm
2の圧力でCIPによる緻密化処理を行った。得られた
10枚の成形体を12時間室温で放置したところ、クラ
ックが発生した成形体は認められなかった。次に10枚
の成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、実施例1
と同様の条件で焼結した。
【0051】10枚の成形体はすべて、クラックが発生
することなく焼結が終了した。得られた焼結体の密度を
アルキメデス法により測定したところ7.06g/cm
3であった。この焼結体を湿式加工法により100×2
0×6mmtの焼結体に加工し、インジウム半田を用い
て無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングして
ターゲットとした。成形終了時からターゲット完成まで
の歩留まりは100%であった。
【0052】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、Mg
含有ITOスパッタリングターゲットのMg源として塩
基性炭酸マグネシウム粉末を用いることにより、製造工
程中において成形体にクラックの発生を抑制し高い歩留
まりを達成することができ、さらに、安定的に低コスト
で高密度なMg含有ITOスパッタリングターゲットを
製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的にIn、Sn、MgおよびOからな
    るMg含有ITOスパッタリングターゲットであって、
    酸化インジウム粉末及び酸化スズ粉末と塩基性炭酸マグ
    ネシウム粉末とを混合し、又は酸化インジウム−酸化ス
    ズ粉末と塩基性炭酸マグネシウム粉末とを混合し、成形
    した後、焼結してなる焼結体を加工することを特徴とす
    る、Mg含有ITOスパッタリングターゲットの製造方
    法。
  2. 【請求項2】Mgの含有量が、Mg/(In+Sn+M
    g)の原子比で0.1〜20.0%の割合であることを
    特徴とする、請求項1に記載のMg含有ITOスパッタ
    リングターゲットの製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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