JP2003055656A - 発光体および発光装置 - Google Patents

発光体および発光装置

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JP2003055656A
JP2003055656A JP2001247188A JP2001247188A JP2003055656A JP 2003055656 A JP2003055656 A JP 2003055656A JP 2001247188 A JP2001247188 A JP 2001247188A JP 2001247188 A JP2001247188 A JP 2001247188A JP 2003055656 A JP2003055656 A JP 2003055656A
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light
semiconductor
light emitting
layer
formula
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JP2001247188A
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English (en)
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Katsunori Yanashima
克典 簗嶋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課 題】 任意の波長の光を発光できる発光体、およ
び真空状態や高電圧を必要とせず簡単な構成を有し、か
つ実質的に劣化がない発光装置を提供する。 【解決手段】 紫外線を照射することにより、励起され
て発光する発光層が、式(I) BAlGaInAsSb
(I) (式中、a,b,c,d,w,x,y,zは次式を満た
す。a+b+c+d=1;a,b,c,d≧0;w+x
+y+z=1;w,x,y,z≧0)で示されるIII−
V族化合物を含む半導体積層構造からなる発光体、およ
び該発光体と紫外線源としての半導体レーザまたは発光
ダイオードとを有する発光装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線照射により
発光する発光体および該発光体を有する発光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線照射により発光する発光装
置は、蛍光ランプなどで代表されるように、真空封止さ
れたガラス管の内壁に、BaMgAl1627:E
2+(青)、CeMgAl1119:Tb
3+(緑)、Y:Eu3+(赤)などの蛍光体を
塗布し、管内に水銀とアルゴンを封入して作製されてい
た。管内に設けられた電極に高電圧を印加して放電によ
り水銀が発する254nmの紫外線が前記蛍光体を励起
し、その結果蛍光体が発光していた。
【0003】上述したように、蛍光体を効率よく励起さ
せるためには真空状態で励起光(紫外線)を蛍光体に照
射する必要があり、また紫外線を発生させるために高電
圧が必要とされていた。このため、蛍光体を用いた上記
従来の発光装置では装置が比較的大掛かりで複雑にな
り、さらに使用中における真空度の低下による発光装置
の劣化が避けられないという問題点があった。
【0004】また、蛍光体の発光は、母体結晶構成イオ
ンの一部が発光イオンにより置換されて発光中心とな
り、該発光中心のイオン内遷移により発光するというメ
カニズムを有する。発光波長は母体結晶構造、発光中心
の位置もしくは密度または不純物の量などに依存するた
め、一般に蛍光体ピーク波長をもった幅広い発光特性を
有しており、色純度が悪いという欠点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、任意の波長を有し、かつ
色純度のよい発光体、および真空状態や高電圧を必要と
せず簡単な構成を有し、かつ実質的に劣化がない発光装
置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、紫外線照射により励起さ
れて発光する発光体として従来用いられていた蛍光体の
代わりに、半導体積層構造を有する発光体を用いれば、
紫外線源として半導体レーザまたは発光ダイオード等を
用いることができ、発光に際して真空状態や高電圧を必
要としないため、小型でかつ長寿命の発光装置を得るこ
とができるということを知見した。また、本発明者は、
上記半導体積層構造を有する発光体は、発光波長の分布
がシャープであり、色純度が蛍光体に比べてよいという
ことも知見した。さらに、該発光体は、半導体積層構造
の組成または構成などを変更することにより、任意の波
長の光を発光することができるという思いがけない知見
をも得た。本発明者らは、さらに検討を重ね、本発明を
完成した。
【0007】すなわち、本発明は、(1)紫外線照射に
より励起されて発光する発光層を含む半導体積層構造を
有することを特徴とする発光体、(2)発光層が、式
(I); BAlGaInAsSb (I) (式中、a,b,c,d,w,x,y,zは次式を満た
す。a+b+c+d=1;a,b,c,d≧0;w+x
+y+z=1;w,x,y,z≧0)で示されるIII−
V族化合物半導体からなることを特徴とする前記(1)
に記載の発光体、(3)III−V族化合物半導体に不純
物元素が導入されていることを特徴とする前記(2)に
記載の発光体、(4)不純物元素が、II族元素、IV族元
素およびVI族元素からなる群から選ばれる1種以上の元
素であることを特徴とする前記(3)に記載の発光体、
(5)式(I)中、wが0でないことを特徴とする前記
(2)に記載の発光体、(6)半導体に不純物元素が導
入されていることを特徴とする前記(5)に記載の発光
体、(7)不純物元素が、II族元素、IV族元素およびVI
族元素からなる群から選ばれる1種以上の元素であるこ
とを特徴とする前記(6)に記載の発光体、に関する。
【0008】また、本発明は、(8)発光層が、式(I
I); AlGaInN (II) (式中、b,c,dは次式を満たす。b+c+d=1;
b,c,d>0)で示される半導体からなることを特徴
とする前記(1)に記載の発光体、(9)式(II)で示
される半導体に不純物元素が導入されていることを特徴
とする前記(8)に記載の発光体、(10)不純物元素
が、II族元素、IV族元素およびVI族元素からなる群から
選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする前記
(9)に記載の発光体、(11)発光層が、式(II
I); GaInN (III) (式中、c,dは次式を満たす。c+d=1;c,d>
0)で示される半導体からなることを特徴とする前記
(1)に記載の発光体、(12)式(III)で示される
半導体に不純物元素が導入されていることを特徴とする
前記(11)に記載の発光体、(13)不純物元素が、
II族元素、IV族元素およびVI族元素からなる群から選ば
れる1種以上の元素であることを特徴とする前記(1
2)に記載の発光体、に関する。
【0009】また、本発明は、(14)半導体積層構造
が、ヘテロ構造であることを特徴とする前記(1)に記
載の発光体、(15)ヘテロ構造が、ダブルヘテロ構造
であることを特徴とする前記(14)に記載の発光体、
(16)ヘテロ構造が、SCH構造(Separated Confin
ement Hetero-structure)であることを特徴とする前記
(14)に記載の発光体、(17)発光層が、量子井戸
構造を有することを特徴とする前記(14)に記載の発
光体、(18)量子井戸構造における井戸層の厚さが、
0を越えて15nm以下であることを特徴とする前記
(17)に記載の発光体、に関する。
【0010】また、本発明は(19)発光層が、組成の
異なる2層以上の半導体層からなる積層構造を有するこ
とを特徴とする請求項1に記載の発光体、(20)各半
導体層が、式(I); BAlGaInAsSb (I) (式中、a,b,c,d,w,x,y,zは次式を満た
す。a+b+c+d=1;a,b,c,d≧0;w+x
+y+z=1;w,x,y,z≧0)で示されるIII−
V族化合物半導体からなることを特徴とする前記(1
9)に記載の発光体、(21)式(I)中、wが0でな
いことを特徴とする前記(20)に記載の発光体、(2
2)各半導体層が、式(II); AlGaInN (II) (式中、b,c,dは次式を満たす。b+c+d=1;
b,c,d>0)で示される半導体からなることを特徴
とする前記(19)に記載の発光体、(23)各半導体
層が、式(III); GaInN (III) (式中、c,dは次式を満たす。c+d=1;c,d>
0)で示される半導体からなることを特徴とする前記
(19)に記載の発光体、(24)半導体に不純物元素
が導入されていることを特徴とする前記(20)〜(2
3)に記載の発光体、(25)不純物元素が、II族元
素、IV族元素およびVI族元素からなる群から選ばれる1
種以上の元素であることを特徴とする前記(24)に記
載の発光体、に関する。
【0011】また、本発明は(26)発光層が、式(II
I); GaInN (III) (式中、c,dは次式を満たす。c+d=1;c,d>
0)で示される半導体からなる量子井戸構造を有し、か
つ、前記発光層の上面と下面にSiがドープされている
前記式(III)で示される半導体からなる半導体層が積
層されていることを特徴とする前記(1)に記載の発光
体、(27)式(III); GaInN (III) (式中、c,dは次式を満たす。c+d=1;c,d>
0)で示される半導体からなる量子井戸構造を有する発
光層が、Siがドープされている前記式(III)で示さ
れる半導体からなる半導体層によって挟まれている積層
構造を有し、さらに、式(II); AlGaInN (II) (式中、b,c,dは次式を満たす。b+c+d=1;
b,c,d>0)で示される半導体からなる半導体層が
前記積層構造の一方側に積層されており、かつ、前記式
(II)で示される半導体からなる半導体層が積層されて
いない前記Siがドープされている前記式(III)で示
される半導体からなる半導体層が励起光の受光層となる
ことを特徴とする前記(26)に記載の発光体、に関す
る。
【0012】また、本発明は、(28)紫外線を出射す
ることができる半導体レーザまたは発光ダイオードと、
該紫外線源により放射される紫外線により発光する発光
体とを有することを特徴とする発光装置、(29)半導
体レーザまたは発光ダイオードが、式(I'); BAlGaInAsSb
(I') (式中、a,b,c,d,w,x,y,zは次式を満た
す。a+b+c+d=1;a,b,c,d≧0;w+x
+y+z=1;w>0;x,y,z≧0)で示される窒
化物半導体からなることを特徴とする前記(28)に記
載の発光装置、(30)発光体が、前記(1)〜(2
7)のいずれかに記載の発光体であることを特徴とする
前記(28)に記載の発光装置、に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を以
下に説明する。本発明に係る発光体における発光層とし
ては、式(I); BAlGaInAsSb (I) (式中、a,b,c,d,w,x,y,zは次式を満た
す。a+b+c+d=1;a,b,c,d≧0;w+x
+y+z=1;w,x,y,z≧0)で示されるIII−
V族化合物半導体からなることが好ましい。III−V族
化合物半導体には、前記式(I)におけるIII族元素の
組成a,b,c,dおよびV族元素の組成w,x,y,
zをそれぞれの範囲内で任意に設定したあらゆる化合物
が含まれる。発光層がIII−V族化合物半導体からなる
場合は、発光体の発光層以外の半導体層もIII−V族化
合物半導体からなることが好ましい。
【0014】本発明に係る発光体における発光層は、前
記III−V族化合物半導体の式(I)において、さらに
Wが0でない式(I')で示される窒化物半導体からな
ることがより好ましい。これは、窒化物半導体が、直接
遷移型のバンド構造をもち、光学遷移効率が他の間接遷
移型半導体に比べて圧倒的に大きく、さらに伝導帯と価
電子帯の遷移間エネルギーに対応する光がほぼ可視光お
よび近紫外域に対応しているため、発光効率がよく、か
つ各種色の発光層が実現できることによる。
【0015】前記窒化物半導体の具体的な例として、A
GaInN(II)(式中、b+c+d=1;
b,c,d>0)や、GaInN(III)(式中、
c+d=1;c,d>0)などが挙げられる。これら半
導体の化学式において、b,c,dまたはc,dをそれ
ぞれの範囲で任意に設定することにより各種発光層が得
られる。例えば、それぞれの発光波長が、約689nm
のInN、約365nmのGaNおよび約200nmの
AlNを、各種割合で混晶にすることにより約200〜
689nm程度の広い範囲において任意の波長の光を発
光することができる発光体が製造できる。また、それぞ
れの発光波長が、約689nmのInNと約365nm
のGaNを各種割合で混晶にする場合には、約365〜
689nm程度の範囲において任意の波長の光を発光す
ることができる発光体が得られる。そのための具体的手
段は従来充分に確立されているので、本発明においても
それに従ってよい。
【0016】さらに、前記発光層に、II族、IV族、VI
族元素、希土類元素のうち一または複数の元素を不純物
として導入することにより長波長化することができる。
一例として、InN化合物にMgとSiを不純物として
ドープすると、発光波長が約689nmから約740n
mへと長波長化できる。
【0017】本発明に係る発光体における発光層は、組
成の異なる2層以上の半導体層からなる積層構造を有し
ていてもよい。なかでも、本発明における発光層は、上
述の式(I)で示される半導体または所望により不純物
元素を含有する前記半導体からなる半導体層が2層以上
積層されている積層構造を有し、各半導体層を構成する
半導体の構成元素の組成比が異なっていることが好まし
い。特に、式(I)で示される半導体は、式(I')、
式(II)または式(III)で示される半導体であること
がより好ましい。このように、組成の異なる半導体層、
すなわち異なる波長の光を発光することができる半導体
層を複数層積層することで、本発明に係る発光体は白色
などの混合色を発光することもできるようになる。
【0018】本発明に係る発光体における半導体積層構
造として、異なる半導体層を積層したヘテロ構造が挙げ
られる。該ヘテロ構造の好ましい例として、活性層をク
ラッド層により挟んだダブルヘテロ構造や、活性層とク
ラッド層との間にさらに光ガイド層が設けられたSCH
構造(Separated Confinement Hetero-structure)等が
挙げられる。例えば、前記発光層を該発光層より禁制帯
幅の大きい半導体層で挟んだダブルヘテロ構造にする
と、発光層の両側に電位障壁が形成され、キャリヤの閉
じ込めがよくなり発光効率のよい発光体が得られる。そ
のための具体的手段は従来充分に確立されているので、
本発明においてもそれに従ってよい。
【0019】本発明に係る発光体では、半導体レーザの
ように電圧を印加して反転分布を形成させるものでない
ので、その構造をp-nジャンクションとしなくてよ
い。すなわち、p型・n型に関係なく積層構造を形成さ
せることができ、電気的な制御を必要としない。このた
め、窒化物半導体はp型が作りにくいという欠点を有す
るが、これに左右されず発光特性のよい窒化物半導体が
利用できる。そのための具体的手段は従来充分に確立さ
れているので、本発明においてもそれに従ってよい。
【0020】本発明に係る発光層を含む半導体積層構造
は、有機金属気相成長法(MOCVD)や分子線エピタ
キシー法など公知の方法により作製することができる。
例えば、GaN(半導体層)/GaInN(発光層)/
GaN(半導体層)の構造からなる発光体の場合、MO
CVD法により、原料ガスとして、例えば、Ga源のト
リメチルガリウムやトリエチルガリウム、In源として
トリメチルインジウム、N源としてアンモニアやヒドラ
ジンなどを用いて、例えばサファイア基板、あるいはG
aN基板やSiC基板などの公知の基板上に上記半導体
層を順次堆積して、上記発光体を形成することができ
る。
【0021】本発明に係る発光体における発光層は、量
子井戸構造を有することが好ましい。該量子井戸構造に
おいては、量子井戸層の厚さを0を超えて約15nm程
度以下とすることが好ましく、また障壁層の厚さを0を
超えて約20nm程度以下とすることが好ましい。電子
のドブロイ波長程度の厚さとすることによりキャリヤの
再結合の割合を増やし発光を高効率にすることができる
ので、量子井戸層および障壁層の厚さは上記範囲が好ま
しい。量子井戸構造は単一量子井戸構造であってもよい
し、多重量子井戸構造であってもよい。
【0022】発光層が量子井戸構造をとる場合、該発光
層を含む半導体積層構造を有する発光体の具体的な一例
として、発光層がGaInN(III)(式中、c+
d=1;c,d>0)からなる量子井戸構造を有し、S
iが不純物としてドープされたGaInN(III)
(式中、c+d=1;c,d>0)からなる半導体層が
前記発光層を挟むように発光層の上面と下面とに積層さ
れている発光体が挙げられる。前記半導体化合物の化学
式において、c,dをそれぞれの範囲で任意に設定する
ことにより各種波長の光を発光できる発光体が得られ
る。ただし、発光層を構成する半導体のInの組成比d
は、発光層の上面と下面とに積層されている半導体層を
構成する半導体のInの組成比dよりも大きいことが好
ましい。また、前記発光層となる量子井戸層を挟む半導
体層にドープする不純物としては、Si以外にIV族元
素やVI族元素を用いることができ、非常に薄い量子井
戸構造の場合にでも良好な発光体が得られる。そのため
の具体的手段は従来充分に確立されているので、本発明
においてもそれに従ってよい。
【0023】本発明に係る発光体は、GaIn
(III)(式中、c+d=1;c,d>0)からなる量
子井戸構造の発光層が、Siが不純物としてドープされ
たGa InN(III)(式中、c+d=1;c,d
>0)からなる半導体層によって挟まれている積層構造
を有し、さらに前記積層構造の一方側に、AlGa
InN(II)(式中、b+c+d=1;b,c,d>
0)からなる半導体層を積層し、AlGaIn
半導体層が積層されていない側におけるSiが不純物と
してドープされたGaInN半導体層を励起光の受
光層とする構造を有していてもよい。
【0024】本発明に係る発光体に紫外線を照射する紫
外線源として、半導体レーザまたは発光ダイオードを用
いることが好ましい。紫外線源としてかかる半導体素子
を用いることにより、発光に際し高電圧をかける必要が
なく、また、小さくて消費電力が少ない発光装置を作製
することができるという利点がある。
【0025】前記紫外線を照射できる半導体レーザの具
体的な一例として、サファイア基板上に形成した、Al
GaN系化合物からなるp型クラッド/GaInNから
なる活性層/AlGaN系化合物からなるn型クラッド
を含む構造の半導体レーザが挙げられる。より具体的に
は、図4に示す半導体レーザが挙げられる
【0026】前記紫外線源を用いて、本発明に係る発光
体に紫外線を照射することにより、室温、空気中で発光
する本発明に係る発光装置が得られる。装置の構成とし
ては特に限定されず各種の形態が可能である。例えば、
紫外線源となる半導体レーザもしくは発光ダイオード
と、本発明に係る発光体とを別素子として形成し、前記
半導体レーザもしくは発光ダイオードに接着することな
どによって本発明に係る発光装置が得られる。
【0027】また、本発明に係る発光装置の他の態様と
しては、上述した本発明に係る発光体を並べ、この面に
対して前記紫外線源となる半導体レーザもしくは発光ダ
イオードを上方に配置し、該紫外線源をスキャンさせて
発光体に照射するという面発光体装置が挙げられる。
【0028】以下に、図面を用いて、本発明に係る発光
体と発光装置の製造方法について、代表的な一実施例を
示す。図1〜3に本発明に係る紫外線照射により励起さ
れて青色、緑色および赤色に発光する発光層を含む半導
体積層構造のそれぞれ一例を断面図にて示す。本実施例
では、発光層は、量子井戸構造より構成されている。本
発明による発光体は、サファイア基板8の上に、Ga
N:Si(SiがドープされたGaNをいう。以下同
じ)層(厚さ約4μm)1、Al0.07GaN:Si層
(厚さ約0.5μm)2、GaN:Si層(厚さ約0.1
μm)3、発光層として、青色の場合はGaIn
0.25N/GaIn0.02Nからなる3量子井戸層
(厚さ約3nm/3nm)4、緑色の場合はGaIn
0.35N/GaIn0.02Nからなる3量子井戸層
(厚さ約3nm/3nm)6、赤色の場合はGaIn
0.95N/GaIn0.02Nからなる3量子井戸層
(厚さ約3nm/3nm)7、およびGaN:Si層
(厚さ約0.2μm)5の構成よりなる。
【0029】図4に、紫外線源として用いる波長約40
0nmの紫外線発光レーザの一例を断面図にて示す。該
発光レーザは、窒化ガリウム系半導体の積層構造からな
り、サファイア基板8、GaN:Si層(厚さ約4μm)
9、Al0.07GaN:Si層(厚さ約15μm)1
0、GaN:Si光ガイド層(厚さ約0.2μm)11、
GaIn0.08N/GaIn0.02Nからなる3量
子井戸層(厚さ約3nm/3nm)12、GaN:Mg
光ガイド層(厚さ約0.2μm)13、Al0.0 Ga
N:Mg層(厚さ約0.5μm)14、GaN:Mg層
(厚さ約0.1μm)15、p電極16およびn電極17
の構成よりなる。
【0030】本構造による発光体は、図5に示す有機金
属気相成長(MOCVD)装置により作製される。水素
純化装置51により高純度化された水素ガスがキャリア
ガスとしてバブラ53内に供給される。バブラ53内に
はGa原料としてトリメチルガリウム(TMG)が、ボ
ンベ52内にはSi原料として20ppmに窒素で希釈
したモノシランが入っている。バブラ53内に水素ガス
を供給することにより、バブラ53から、蒸気圧分の原
料ガスが、キャリアガスとしての水素ガスとともに、反
応管ライン54を通って反応管55に供給される。N原
料としてアンモニア(NH)を用いており、アンモニ
ア容器から供給されるアンモニアは、マスフローコント
ローラ63により流量制御され、バルブV5およびV6
により反応管55またはベントライン58への導入の切
り換えが行われる。反応管55内には、ヒータ64上に
設置されたサセプタ56があり、その上にサファイア基
板57が置かれる。
【0031】また、図示していないが、Bを導入する場
合には例えばトリエチルボロンを、Alの場合には例え
ばトリメチルアルミニウムを、Inの場合には例えばト
リメチルインジウムを原料として用い、前記Gaの場合
と同様な装置構成とすることで窒化物半導体化合物層を
形成することができる。
【0032】バブラ53から発生した原料ガスの反応管
ライン54とベントライン58との切り換えは、バブル
V3とV4の開閉により行われる。ボンベ52からの原
料は、マスフローコントローラ59により流量制御さ
れ、反応管ライン54とベントライン58との間での切
り換えは、バルブV1、V2の開閉により行われる。な
お、符号60〜62は、水素純化装置51から供給され
る水素ガスの流量制御のためのマスフローコントローラ
を示す。本実施例では図示していないが、水素以外のキ
ャリアガスとして例えば窒素などを用いた場合には、窒
素純化装置を通した窒素を水素と同様な装置構成を組む
ことで反応管や原料に供給することができる。
【0033】以下に、青色発光を示す発光体の一例を、
図5に示した装置を用いて作製した例を示す。反応管5
5内のサセプタ56上に載置されたサファイア基板57
を、始めに水素のみの雰囲気で、約1100℃まで加熱
し、約10分間サーマルエッチングを行い、基板57表
面の酸化膜などを除去する。次に、温度を約500℃に
下げ、アンモニアを導入し、反応管55内にGa原料と
してTMG、Si原料としてモノシランを供給する。T
MGとシランの供給量は、それぞれ25μmol/分お
よび0.5×10−3μmol/分、アンモニアの供給
量は10SLMである。これにより、基板57表面にG
aNのアモルファス層を堆積した後、TMGとシランの
供給を止め、基板57の温度を約1000℃まで上げ
る。その後、再度TMGとシランを供給することでGa
N:Si単結晶を作製することができる。ここでの原料
供給量は、TMGとシランについてはそれぞれ50μm
ol/分および1.5×10−3μmol/分、アンモ
ニアについては10SLMである。
【0034】GaN:Si層を約4μmの厚さに作製し
た後、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TM
A)を10μmol/分の速度で供給することで、Al
GaN:Si層を約0.5μmの厚さに作製する。
【0035】その後、基板温度を約750℃に下げ、キ
ャリアガスを窒素に切り換え、トリメチルインジウム
(TMI)を供給することでGaInN:Si層を作製
する。ここでは、TMIの供給量を、5μmol/分と
100μmol/分に交互に切り換えて厚みを3nm毎
として多重量子井戸を作製する。周期は3周期である。
In組成が2%、すなわちGaIn0.02N層と、I
n組成が25%、すなわちGaIn0.25N層を積層
し、これを3セット積層させた発光層ができたところ
で、TMIの供給を止め、再度GaN:Si層を作製す
る。このまま、GaN:Si層を0.2μm厚さに作成
し青色の発光体を作製することができる。
【0036】緑色や赤色の発光体あるいは他の波長の光
を発光する発光体に関しても、図5の装置を用い、TM
Iの供給量や成長温度を制御することにより、上記と同
様の方法で作製することができる。
【0037】これら発光体に照射して励起するための紫
外線発光レーザについても、図5の装置を用いて同様に
作製した。サファイア基板8上に水素をキャリアガスと
して厚さ4μmのGaN:Si層、厚さ約1μmのAl
0.07GaN:Si層、厚さ約0.2μmのGaN:
Si光ガイド層を形成し、ついで基板温度を800℃、
キャリアガスを窒素として、In組成2%と8%、厚さ
3nm毎のGaInNからなる多重量子井戸を3セット
作製する。その後、キャリアガスを水素に戻し、Ga
N:Mg光ガイド層(厚さ0.2μm)、Al0.07
GaN:Mgクラッド層(厚さ0.5μm)、GaN:
Mg層(厚さ0.1μm)を積層し、窒素雰囲気で、約
800℃、約10分間アニール処理することでpn接合
を形成し、反応性イオンエッチングなどのプロセス工程
でp電極とn電極を形成する。出射端面を劈開すること
で共振器を形成し、電流注入型の紫外線発光半導体レー
ザを作製することができる。
【0038】上記のようにして作製した紫外線発光半導
体レーザの紫外線出射端面に、上記方法で作製した発光
体を設置することにより本発明に係る発光装置を作製す
ることができる。上記方法で作製した各発光装置におい
て、紫外線発光半導体レーザの電極に電圧を印加して発
生した紫外線を、室温、大気中で照射すると、それぞれ
青色、緑色および赤色のフォトルミネセンス(PL)を
観測することができる。
【0039】上記実施例では、発光層として多重量子井
戸層の組成、不純物の有無と種類、厚みおよび周期を限
定したが、本発明の発光体はこれらに限定されることな
く、発光層の組成、不純物の有無と種類、厚みおよび周
期などを各種制御することにより、各種の発光波長と発
光特性をもった発光体を設計することができる。また、
発光層を含む半導体積層構造や紫外線発光レーザの構造
についても本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、発光体を紫外線の照射
により励起されて発光する発光層を含む半導体積層構造
とし、紫外線源として紫外線発光半導体レーザあるいは
紫外線発光ダイオードを用いる構成としたので、室温、
大気中で発光可能であり、従来の蛍光灯などに代表され
る蛍光体発光の場合と比べて、真空雰囲気や高電圧など
の比較的大掛かりな設備を必要としない。さらに使用中
における真空度の低下により発光体が劣化するという心
配がない。
【0041】また、本発明による発光体は、従来の蛍光
体と比べて純度の高い原料を用いて基板への堆積結晶化
により作製しているので、発光波長の分布が極めてシャ
ープで色純度のよい発光体が得られる。さらに、本発明
による発光体は、発光層の組成、構造等を変化させるこ
とにより、任意の波長よりなる光を発光させるこができ
る。
【0042】本発明の発光装置を、例えば本発明に係る
発光体を並べ、紫外線源による励起光をスキャンさせる
構成とすることにより、大掛かりな装置構成にする必要
なく各種ディスプレイを得るなどの応用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る青色発光を示す半導体
積層構造の一例を表す断面図である。
【図2】 本発明の実施例に係る緑色を示す半導体積層
構造の一例を表す断面図である。
【図3】 本発明の実施例に係る赤色発光を示す半導体
積層構造の一例を表す断面図である。
【図4】 本発明の実施例に係る励起用紫外線発光レー
ザ構造の一例を表す断面図である。
【図5】 本発明の実施例に係る有機金属気相成長(M
OCVD)装置の概略図である。
【符号の説明】
1 GaN:Si層 2 Al0.07GaN:Si層 3 GaN:Si層 4 GaIn0.25N/GaIn0.02Nからなる
3量子井戸層 5 GaN:Si層 6 GaIn0.35N/GaIn0.02Nからなる
3量子井戸層 7 GaIn0.95N/GaIn0.02Nからなる
3量子井戸層 8 サファイア基板 9 GaN:Si層 10 Al0.07GaN:Si層 11 GaN:Si光ガイド層 12 GaIn0.08N/GaIn0.02Nからな
る3量子井戸層 13 GaN:Mg光ガイド層 14 Al0.07GaN:Mg層 15 GaN:Mg層 16 p電極 17 n電極

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線照射により励起されて発光する発
    光層を含む半導体積層構造を有することを特徴とする発
    光体。
  2. 【請求項2】 発光層が、式(I); BAlGaInAsSb (I) (式中、a,b,c,d,w,x,y,zは次式を満た
    す。a+b+c+d=1;a,b,c,d≧0;w+x
    +y+z=1;w,x,y,z≧0)で示されるIII−
    V族化合物半導体からなることを特徴とする請求項1に
    記載の発光体。
  3. 【請求項3】 III−V族化合物半導体に不純物元素が
    導入されていることを特徴とする請求項2に記載の発光
    体。
  4. 【請求項4】 不純物元素が、II族元素、IV族元素およ
    びVI族元素からなる群から選ばれる1種以上の元素であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の発光体。
  5. 【請求項5】 式(I)中、wが0でないことを特徴と
    する請求項2に記載の発光体。
  6. 【請求項6】 発光層が、式(II); AlGaInN (II) (式中、b,c,dは次式を満たす。b+c+d=1;
    b,c,d>0)で示される半導体からなることを特徴
    とする請求項1に記載の発光体。
  7. 【請求項7】 発光層が、式(III); GaInN (III) (式中、c,dは次式を満たす。c+d=1;c,d>
    0)で示される半導体からなることを特徴とする請求項
    1に記載の発光体。
  8. 【請求項8】 発光層が、組成の異なる2層以上の半導
    体層からなることを特徴とする請求項1に記載の発光
    体。
  9. 【請求項9】 半導体積層構造が、ヘテロ構造であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の発光体。
  10. 【請求項10】 ヘテロ構造が、ダブルヘテロ構造であ
    ることを特徴とする請求項9に記載の発光体。
  11. 【請求項11】 ヘテロ構造が、SCH構造(Separate
    d Confinement Hetero-structure)であることを特徴と
    する請求項9に記載の発光体。
  12. 【請求項12】 発光層が、量子井戸構造を有すること
    を特徴とする請求項9に記載の発光体。
  13. 【請求項13】 量子井戸構造における井戸層の厚さ
    が、0を越えて15nm以下であることを特徴とする請
    求項12に記載の発光体。
  14. 【請求項14】 発光層が、式(III); GaInN (III) (式中、c,dは次式を満たす。c+d=1;c,d>
    0)で示される半導体からなる量子井戸構造を有し、か
    つ、前記発光層の上面と下面にSiがドープされている
    前記式(III)で示される半導体からなる半導体層が積
    層されていることを特徴とする請求項1に記載の発光
    体。
  15. 【請求項15】 式(III); GaInN (III) (式中、c,dは次式を満たす。c+d=1;c,d>
    0)で示される半導体からなる量子井戸構造を有する発
    光層が、Siがドープされている前記式(III)で示さ
    れる半導体からなる半導体層によって挟まれている積層
    構造を有し、さらに、式(II); AlGaInN (II) (式中、b,c,dは次式を満たす。b+c+d=1;
    b,c,d>0)で示される半導体からなる半導体層が
    前記積層構造の一方側に積層されており、かつ、前記式
    (II)で示される半導体からなる半導体層が積層されて
    いない前記Siがドープされている前記式(III)で示
    される半導体からなる半導体層が励起光の受光層となる
    ことを特徴とする請求項14に記載の発光体。
  16. 【請求項16】 紫外線を出射することができる半導体
    レーザまたは発光ダイオードと、該紫外線源により放射
    される紫外線により発光する発光体とを有することを特
    徴とする発光装置。
  17. 【請求項17】 半導体レーザまたは発光ダイオード
    が、式(I'); BAlGaInAsSb
    (I') (式中、a,b,c,d,w,x,y,zは次式を満た
    す。a+b+c+d=1;a,b,c,d≧0;w+x
    +y+z=1;w>0;x,y,z≧0)で示される窒
    化物半導体からなることを特徴とする請求項16に記載
    の発光装置。
  18. 【請求項18】 発光体が、請求項1〜15のいずれか
    に記載の発光体であることを特徴とする請求項16に記
    載の発光装置。
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JP2008227552A (ja) * 2004-02-19 2008-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 白色光源

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