JP2003055417A - ビニルエステル樹脂組成物の硬化方法 - Google Patents

ビニルエステル樹脂組成物の硬化方法

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JP2003055417A
JP2003055417A JP2001251419A JP2001251419A JP2003055417A JP 2003055417 A JP2003055417 A JP 2003055417A JP 2001251419 A JP2001251419 A JP 2001251419A JP 2001251419 A JP2001251419 A JP 2001251419A JP 2003055417 A JP2003055417 A JP 2003055417A
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curing
ester resin
resin composition
mass
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Takuji Shimizu
水 卓 爾 清
Junzo Kobori
堀 順 三 小
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Mitsui Takeda Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係るビニルエステル樹脂組成物
の硬化方法はは、ビニルエステル樹脂、硬化剤、促進
剤、酸素遮断剤からなるビニルエステル樹脂組成物の前
記成分を混合し、塗布後硬化させる方法において、前記
促進剤がアミン類を含有し、前記塗布直前に硬化剤を混
合し、可使時間を10分以上30分以下とし、塗布後の
硬化乾燥時間を2時間以内とすることを特徴としてい
る。 【効果】 本発明のビニルエステル樹脂組成物の硬化方
法によれば、硬化過程において可使時間、硬化乾燥時間
を特定範囲に制御されており、低臭気であり、しかも、
硬化性、靭性、耐久性に優れたビニルエステル樹脂組成
物の硬化物を与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ビニルエステル樹脂組成
物の硬化方法に関する。さらに詳しくは、低臭気ビニル
エステル樹脂組成物の硬化方法および低臭気ビニルエス
テル樹脂組成物に関する。より詳しくは、低臭気性、硬
化性に優れ、その硬化物が強度、靭性、耐久性、耐水
性、耐薬品性に優れ、防食材、防水材、床材等の被覆材
および繊維強化プラスチック等に用いられる低臭気ビニ
ルエステル樹脂組成物およびその硬化方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、常温でラジカル重合に
より硬化可能な硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル
樹脂、ビニルエステル樹脂、およびアクリル樹脂等が多
く用いられている。これらの樹脂は、硬化物の強度、靭
性、耐久性、耐水性、耐薬品性等の特徴に応じ、防食
材、防水材、床材等の被覆材として用いられる他、繊維
強化プラスチック等のバインダー樹脂としても用いられ
ている。これらの樹脂を前記のような被覆材等に用いる
場合、施工方法によっては、施工現場において構成成分
を混合して組成物を調製し、さらに塗布、硬化すること
が多く、優れた樹脂性能に加え、良好な施工性も求めら
れていた。
【0003】これらの樹脂の硬化においては、空気中の
酸素が重合阻害剤として働くため、硬化過程において空
気中の酸素の浸透を遮断する必要がある。このため、従
来、組成物中にパラフィンと重合性希釈剤とを含有さ
せ、該重合性希釈剤を揮発させることにより、塗布後の
樹脂表面層のパラフィン濃度を高め、結果としてパラフ
ィンを空気遮断材として機能させて硬化を促進させる方
法が採られていた。
【0004】通常、前記の重合性希釈剤として、たとえ
ば不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂に
対してはスチレンモノマーが用いられ、アクリル樹脂に
対してはメタクリル酸メチル等の揮発性モノマーが用い
られている。しかし、これらモノマーは揮発性を有し、
揮発によりパラフィン濃度を上げることを空気遮断層形
成の方法としているため、臭気が強く、施工時あるいは
成形時に環境衛生上の問題となる場合があり、使用上の
制約を受けることがあった。
【0005】さらに、前記臭気の問題を解決すべく、ア
クリル系モノマーなどの低臭気ビニルエステル樹脂を用
いる方法も試みられているが、これらの低臭気性ビニル
エステル樹脂は薄膜で硬化させようとすると硬化不良が
起こるという問題があった。したがって、いずれにして
も臭気や靭性、および強度、耐久性等の全ての硬化物性
能を満足させるものとすることは、極めて困難であっ
た。
【0006】このため、低臭気で、しかも、硬化性、硬
化後の強度、耐久性等の物性に優れるビニルエステル樹
脂組成物およびその硬化方法の出現が求められていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、低臭気で、しか
も、硬化性、靭性、耐久性に優れたビニルエステル樹脂
組成物の硬化方法および低臭気ビニルエステル樹脂組成
物を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るビニルエステル樹脂組成物
の硬化方法は、ビニルエステル樹脂、硬化剤、促進剤、
酸素遮断剤からなるビニルエステル樹脂組成物の前記成
分を混合し、塗布後硬化させる方法において、前記促進
剤がアミン類を含有し、前記塗布直前に硬化剤を混合
し、可使時間を10分以上30分以下とし、塗布後の硬
化乾燥時間を2時間以内とすることを特徴としている。
【0009】前記酸素遮断剤は、ワックスを含有するこ
とが好ましく、前記ワックスは、石油系ワックス、オレ
フィン系ワックス、極性ワックスからなる群から選ばれ
る少なくとも1種であることが好ましい。前記酸素遮断
剤は、ワックスと、沸点が100℃以上300℃以下で
あって溶解度パラメーターが9以下の溶媒とからなって
いてもよい。
【0010】前記アミン類は、三級アミン類であること
が好ましく、前記三級アミン類としては、ジメチルアニ
リン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチル
アニリン、N,N−ジ(ヒドロキシ)−4−メチルアニ
リンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミンで
あることが好ましい。前記促進剤は、アミン類と、有機
金属石鹸、β―ジケトン類、β―ケトエステル類および
β―ケトアミド類からなる群から選ばれる少なくとも1
種とを含むことが好ましい。
【0011】前記ビニルエステル樹脂100質量部に対
して、前記酸素遮断剤を0.2〜20質量部の量で用い
ることが好ましい。前記ビニルエステル樹脂100質量
部に対して、促進剤を0.1〜10質量部の量で用いる
ことが好ましい。前記ビニルエステル樹脂組成物100
質量部に対して、硬化剤を0.5〜10質量部の量で用
いることが好ましい。
【0012】前記硬化剤を塗布の10分前までに混合す
ることが好ましい。前記ビニルエステル樹脂組成物は、
低臭気ビニルエステル樹脂組成物であることが好まし
い。本発明に係る低臭気ビニルエステル樹脂組成物は、
ビニルエステル樹脂100質量部に対して、三級アミン
類を0.1質量部以上10質量部以下の量で、酸素遮断
剤を0.2質量部以上20質量部以下の量で含有し、可
使時間が10分以上30分以下であり、塗膜表面の硬化
乾燥時間が2時間以内であることを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に係るビニルエステル樹脂組成物の硬化
方法は、ビニルエステル樹脂、硬化剤、促進剤、酸素遮
断剤からなるビニルエステル樹脂組成物の前記成分を混
合し、塗布後硬化させる方法であって、前記促進剤がア
ミン類を含有し、前記塗布直前に硬化剤を混合し、可使
時間が10分以上30分以下であり、塗布後の硬化乾燥
時間が2時間以内である。
【0014】まず、前記ビニルエステル樹脂組成物の構
成成分について説明する。[ビニルエステル樹脂組成物] ビニルエステル樹脂 本発明で用いるビニルエステル樹脂は、エポキシ化合物
と、重合性不飽和結合を有するカルボキシル化合物(不
飽和カルボキシル化合物)のカルボキシル基との開環反
応によって得られる、重合性不飽和結合を有する(A)
ビニルエステル化合物である。また、ビニルエステル樹
脂は、さらに重合性単量体(B)を含有することができ
る。
【0015】ビニルエステル化合物(A)を誘導する前
記エポキシ化合物としては、1分子中にエポキシ基を1
個以上有する化合物であれば特に制限はなく、また、分
子中に2〜3の官能基を有することが望ましい。このよ
うなエポキシ化合物としては、たとえば、多価フェノー
ルや多価アルコールのポリグリシジルエーテル、エポキ
シノボラック、エポキシ化ジオレフィンなどが挙げられ
る。
【0016】エポキシ化合物に反応させることのできる
不飽和カルボキシル化合物としては、たとえば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸などの不飽和一塩基酸お
よびこれらの誘導体、無水マレイン酸、イタコン酸、シ
トラコン酸などの不飽和二塩基酸およびその誘導体など
が挙げられる。これらのうちでは、(メタ)アクリル酸
を好ましく用いることができる。
【0017】これらは、それぞれ単独でまたは複数を併
用して用いることができる。得られるビニルエステル化
合物(A)の分子量は、好ましくは300〜5000、
さらに好ましくは400〜3000の範囲にあることが
望ましい。前記エポキシ化合物と前記不飽和カルボキシ
ル化合物とは、公知の方法により反応させればよく、た
とえば好ましくは60〜150℃程度の温度で、反応触
媒として(トリエチルアミン、ジメチルアニリン等の三
級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロリ
ド、ピリジニウムクロリド等の4級アンモニウム塩類、
水酸化リチウム、塩化リチウム等の無機塩類)を用いて
接触させればよい。
【0018】エポキシ化合物と不飽和一塩基酸の配合量
は、たとえばエポキシ基1モルに対して不飽和一塩基酸
のカルボキシル基を好ましくは0.6〜1.4モル程度
とすればよい。前記重合性単量体(B)としては、たと
えば、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレートなどの1官能アルキル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの環式1官能
(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレン
オキサイドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げ
られる。
【0019】これらのうちでは、(メタ)アクリル酸の
アルキルエステルまたは環式1官能(メタ)アクリレー
トが好ましく、環式1官能(メタ)アクリレートを用い
ることがさらに好ましい。特に、臭気がより低減された
低臭気ビニルエステル樹脂組成物を得る場合は、(メ
タ)アクリル酸のアルキルエステルまたは環式1官能
(メタ)アクリレートが好ましく、環式1官能(メタ)
アクリレートを用いることがさらに好ましい。
【0020】このような重合性単量体(B)は、1種単
独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。重合性単量体(B)の使用量は、前記ビニルエステ
ル化合物(A)100質量部に対して好ましくは5〜4
00質量部、さらに好ましくは10〜250質量部の量
であることが望ましい。
【0021】このような低臭気ビニルエステル樹脂組成
物に重合性単量体として含有されない化合物としては、
たとえば、スチレン、メタクリル酸メチルなどが挙げら
れる。すなわちビニルエステル樹脂を構成する重合性単
量体(B)においてスチレンなどの低揮発性モノマーを
含有しないようにすれば、低臭気性が一層向上した低臭
気ビニルエステル樹脂組成物を得ることができる。
【0022】また、ビニルエステル樹脂としては、市販
のビニルエステル樹脂を用いることもでき、たとえば、
ビニエスターH1000NS、ビニエスターH3000
NS((商品名)、三井化学(株)社製)などを用いる
ことができる。硬化剤 本発明で用いられる硬化剤としては、たとえば、メチル
エチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルパ
ーベンゾエート、t−ブチルパーオクトエート、ベンゾ
イルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカボネート、t−ヘキシルパーオキ
シ−2−エチルエキサノエート等の有機過酸化物等の重
合開始剤が挙げられる。
【0023】また硬化剤としては、市販のものを用いる
こともでき、カヤメックM、328、328E、328
EM、カドックスB−50P、カドックスB−CH5
0、カドックスB−40E(以上商品名、化薬アクゾ社
製)、パーメックN、パークミルH−80、パーキュア
ーK、パーキュアーVL、パーキュアーVS、パーキュ
アーVI、パーキュアーVI、パーキュアーVE、ナイ
パーBO、バイパーFFK等、ナイパーBMT−K4
0、ナイパーNS、ナイパーEL(以上商品名、日本油
脂社製)などを用いることができる。
【0024】硬化剤の使用量は、ビニルエステル樹脂組
成物100質量部に対し、好ましくは0.5〜10質量
部、さらに好ましくは0.5〜5質量部の量を用いるこ
とが望ましい。硬化剤の使用量が前記範囲にあると、可
使時間を10分以上30分以内に調整し、硬化乾燥時間
を2時間以内に調整することができるので、本発明のビ
ニルエステル樹脂組成物を防食材、防水材、床材などと
して用いる作業現場において、特に優れた作業性を発揮
させることができる。促進剤 本発明で用いられる促進剤は、アミン類を含有してい
る。このようなアミン類としては、三級アミン類が好ま
しい。さらにこれら三級アミン類のうちでは、ジメチル
アニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエ
チルアニリン、N,N−ジ(ヒドロキシ)−4−メチル
アニリン等の芳香族系三級アミン類が好ましい。
【0025】芳香族系三級アミンを用いると、硬化が効
果的に促進されるとともに、可使時間を10分以上30
分以内に調整し、硬化乾燥時間を2時間以内に調整しや
すくすることができる。また、前記促進剤は、アミン類
に加え、有機金属石鹸、β−ジケトン類、β−ケトエス
テル類およびβ−ケトアミド類から選ばれる少なくとも
1種を併用することができる。
【0026】前記有機金属石鹸としては、たとえば、ナ
フテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸
銅、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸カルシウム、オク
チル酸コバルトなどが挙げられる。前記β−ジケトン類
としては、アセチルアセトンなどが挙げられる。前記β
−ケトエステル類としては、アセト酢酸エチルなどが挙
げられる。
【0027】前記β−ケトアミド類としては、N,N−
ジメチルアセトアセトアミドなどが挙げられる。アミン
類と前記これら有機金属石鹸、β−ジケトン類、β−ケ
トエステル類およびβ−ケトアミド類から選ばれる少な
くとも1種を併用する場合には、有機金属石鹸を用いる
ことが好ましい。
【0028】促進剤の使用量は、ビニルエステル樹脂組
成物100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量
部、さらに好ましくは0.4〜5質量部の量を用いるこ
とが望ましい。促進剤の使用量が前記範囲にあると、可
使時間を10分以上30分以内に調製し、硬化乾燥時間
を2時間以内に調製することができるので、本発明のビ
ニルエステル樹脂組成物を防食材、防水材、床材などと
して用いる作業現場において、特に優れた作業性を発揮
させることができる。酸素遮断剤 本発明で用いられる酸素遮断剤としては、ワックスが挙
げられる。ワックスとしては、石油系ワックス、オレフ
ィン系ワックス、極性ワックスからなる群から選ばれる
少なくとも1種が挙げられる。
【0029】前記石油系ワックスとしては、たとえば、
パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックス
などが挙げられる。前記オレフィン系ワックスとして
は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙
げられる。さらに極性ワックスとしては、これらの石油
系ワックス、オレフィン系ワックスに極性基を導入した
ワックスが挙げられる。
【0030】これらのうちでは、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックスを用いることが好まし
い。酸素遮断剤としてワックスを用いる場合、酸素遮断
剤は、前記ワックスとともに、沸点が好ましくは100
℃以上300℃以下であり、溶解度パラメーターが好ま
しくは9以下である溶媒を併用して含むことができる。
【0031】このような溶媒としては、具体的には、た
とえば、パラフィン系溶剤などが挙げられる。なお、溶
解度パラメーターとは、液体間の混合性の尺度を表す指
標で、正則溶液理論における凝集エネルギー密度の平方
根であり、溶解度パラメータ(δ)=(E/V)1/2
表される。式中E/Vは凝集エネルギー密度であり、E
は液体の分子凝集エネルギーを、Vは分子容である。
【0032】溶解度パラメータが上記範囲にある溶媒を
併用すると、ワックスと樹脂成分との相容性を向上させ
ることができるので、樹脂の表面層におけるワックス濃
度を有効に上げ、空気遮断効果を効率よく向上させるこ
とができる。酸素遮断剤の使用量(前記ワックスと溶媒
と含むときは、その合計量)は、ビニルエステル樹脂組
成物100質量部に対し、好ましくは0.2〜20質量
部、さらに好ましくは0.5〜15質量部の量を用いる
ことが望ましい。
【0033】酸素遮断剤の添加量が上記範囲にあると、
良好に酸素遮断性および硬化性を発揮させ、なおかつ溶
解性を低下させることなくワックスを析出させることが
できる。その他の添加剤 本発明のビニルエステル樹脂組成物は、必要に応じ、そ
の他の添加剤を含むことができる。その他の添加剤とし
ては、重合禁止剤、消泡剤、着色剤、揺変剤、無機充填
剤、不活性粉体などが挙げられる。
【0034】前記重合禁止剤としては、ハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、ベン
ゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン
類、t−ブチルカテコール等のカテコール類、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−メトキシ
フェノール等のフェノール類、フェノチアジンなどが挙
げられる。
【0035】前記消泡剤としては、シリコン系等の他、
市販の高分子系消飽剤その他添加剤が挙げられる。前記
着色剤としては、有機顔料、無機顔料、トナーなどが挙
げられる。前記揺変剤としては、ヒュームドシリカなど
が挙げられる。前記無機充填剤としては、珪砂、シリ
カ、クレー、ベントナイト、水酸化アルミニウム、アル
ミナ、タルク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0036】不活性粉体としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン
樹脂などの熱硬化性樹脂硬化物、ゴム、木材などの粉体
および/または粉砕物が挙げられる。これらは、本発明
の効果を阻害しない範囲で適宜量含めることができる。
【0037】[ビニルエステル樹脂組成物の硬化方法]
発明に係るビニルエステル樹脂組成物の硬化方法は、前
記ビニルエステル樹脂、前記硬化剤、前記促進剤、前記
酸素遮断剤さらに、必要に応じその他の添加剤を混合
し、塗布後硬化させる方法であって、塗布直前に硬化剤
を混合し、可使時間が10分以上30分以下、塗布後の
硬化乾燥時間が2時間以内である。
【0038】また、可使時間を前記のように調整するた
め、前記硬化剤は、好ましくは塗布10分前、さらに好
ましくは塗布5分前までに混合することが望ましい。な
お、本明細書において可使時間とは、必須成分の混合直
後から、塗装作業等に支障なく使用可能な時間を意味す
る。したがって、本硬化方法においては、硬化剤の添加
直後からの時間を意味する。
【0039】また、本明細書において、硬化乾燥時間と
は、塗膜表面が硬化する時間で、具体的には指触乾燥
(タックフリータイムとも呼称される)のことで、指で
塗膜表面に触れたとき、指に樹脂がつかない状態となる
までの時間を意味する。本発明のビニルエステル樹脂組
成物を構成する前記ビニルエステル樹脂、前記硬化剤、
前記促進剤、前記酸素遮断剤を前記割合で配合して、可
使時間、硬化乾燥時間を前述の範囲に制御することによ
り、硬化過程を低臭気にして、しかも、硬化性、靭性、
耐久性に優れたビニルエステル樹脂組成物の硬化物を得
ることができる。
【0040】このため本発明に係るビニルエステル樹脂
組成物の硬化方法は、防食材、防水材、床材等の被覆材
として作業現場での使用に好適である他、繊維強化プラ
スチック等のバインダー樹脂としても好適である。
【0041】
【発明の効果】本発明のビニルエステル樹脂組成物は、
硬化過程において可使時間、硬化乾燥時間を特定範囲に
制御されており、低臭気であり、しかも、硬化性、靭
性、耐久性に優れたビニルエステル樹脂組成物の硬化物
を与えることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、以下において「部」は、全て質量基
準である。
【0043】
【実施例1〜3、比較例1〜3】組成物として、下記の
成分を表1、2に示す割合で用い、ビニルエステル樹脂
と、促進剤と、酸素遮断剤とを混合し、さらに、硬化剤
を、塗布の直前に添加して、組成物を調製した。得られ
た組成物の可使時間を測定するとともに、可使時間内に
組成物の一部をペットフィルム上に0.3mmの厚みに
塗布した。硬化過程における臭気、硬化物の塗膜乾燥時
間を測定した。結果を表1、2に示す。
【0044】なお、臭気は、硬化過程において、ヒトが
臭気を感じるか否かで判断した。 低臭気ビニルエステル樹脂:ビニエスターH1000N
S、H3000NS(商品名、三井武田ケミカル社製) 硬化剤:パーキュアーK(商品名、日本油脂社製) 促進剤:8%‐オクチル酸コバルト、ジメチルパラトル
イジン(以下DMPTと略記する) 酸素遮断剤:パラフィンワックス130(商品名、日本
精鑞社製)を10%含有するシェルゾール70(商品名、
シェルジャパン社製)溶液 パラフィンワックス140(商品名、日本精鑞社製)を1
0%含有するシェルゾール70(商品名、シェルジャパ
ン社製)溶液 重合禁止剤:HQME(ハイドロキノンモノメチルエー
テル)
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AA01 AE01 AE03 AE04 BA03 BA07 BA08 BA10 BA11 BA19 BA20 BA21 BA24 BA26 BA27 CB04 CD01 CD02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルエステル樹脂、硬化剤、促進剤、
    酸素遮断剤からなるビニルエステル樹脂組成物の前記成
    分を混合し、塗布後硬化させる方法において、 前記促進剤がアミン類を含有し、前記塗布直前に硬化剤
    を混合し、可使時間を10分以上30分以下とし、塗布
    後の硬化乾燥時間を2時間以内とすることを特徴とする
    ビニルエステル樹脂組成物の硬化方法。
  2. 【請求項2】 前記酸素遮断剤が、ワックスを含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のビニルエステル樹脂
    組成物の硬化方法。
  3. 【請求項3】 前記ワックスが、石油系ワックス、オレ
    フィン系ワックス、極性ワックスからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記
    載のビニルエステル樹脂組成物の硬化方法。
  4. 【請求項4】 前記酸素遮断剤が、ワックスと、沸点が
    100℃以上300℃以下であって溶解度パラメーター
    が9以下の溶媒とからなることを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載のビニルエステル樹脂組成物の硬化方法。
  5. 【請求項5】 前記アミン類が、三級アミン類であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビニル
    エステル樹脂組成物の硬化方法。
  6. 【請求項6】 前記三級アミン類が、ジメチルアニリ
    ン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチルア
    ニリン、N,N−ジ(ヒドロキシ)−4−メチルアニリ
    ンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミンであ
    ることを特徴とする請求項5に記載のビニルエステル樹
    脂組成物の硬化方法。
  7. 【請求項7】 前記促進剤が、アミン類と、有機金属石
    鹸、β―ジケトン類、β―ケトエステル類およびβ―ケ
    トアミド類からなる群から選ばれる少なくとも1種とを
    含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    ビニルエステル樹脂組成物の硬化方法。
  8. 【請求項8】 前記ビニルエステル樹脂100質量部に
    対して、前記酸素遮断剤を0.2〜20質量部の量で用
    いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    ビニルエステル樹脂組成物の硬化方法。
  9. 【請求項9】 前記ビニルエステル樹脂100質量部に
    対して、促進剤を0.1〜10質量部の量で用いること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のビニルエ
    ステル樹脂組成物の硬化方法。
  10. 【請求項10】 前記ビニルエステル樹脂組成物100
    質量部に対して、硬化剤を0.5〜10質量部の量で用
    いることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の
    ビニルエステル樹脂組成物の硬化方法。
  11. 【請求項11】 前記硬化剤を塗布の10分前までに混
    合することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載のビニルエステル樹脂組成物の硬化方法。
  12. 【請求項12】 前記ビニルエステル樹脂組成物が、低
    臭気ビニルエステル樹脂組成物であることを特徴とする
    請求項1に記載のビニルエステル樹脂組成物の硬化方
    法。
  13. 【請求項13】 ビニルエステル樹脂100質量部に対
    して、三級アミン類を0.1質量部以上10質量部以下
    の量で、酸素遮断剤を0.2質量部以上20質量部以下
    の量で含有し、可使時間が10分以上30分以下であ
    り、塗膜表面の硬化乾燥時間が2時間以内であることを
    特徴とする低臭気ビニルエステル樹脂組成物。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007535602A (ja) * 2004-04-30 2007-12-06 アシュランド・ライセンシング・アンド・インテレクチュアル・プロパティー・エルエルシー 多官能アクリレートオリゴマーから作製した放射線硬化性平版インキ

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