JP2003055340A - α,α−ジフルオロスルフィド化合物、α,α−ジフルオロスルホキシド化合物及びα,α−ジフルオロスルフォン化合物 - Google Patents

α,α−ジフルオロスルフィド化合物、α,α−ジフルオロスルホキシド化合物及びα,α−ジフルオロスルフォン化合物

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JP2003055340A
JP2003055340A JP2001244545A JP2001244545A JP2003055340A JP 2003055340 A JP2003055340 A JP 2003055340A JP 2001244545 A JP2001244545 A JP 2001244545A JP 2001244545 A JP2001244545 A JP 2001244545A JP 2003055340 A JP2003055340 A JP 2003055340A
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JP
Japan
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substituent
compound
alpha
alkyl group
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Application number
JP2001244545A
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English (en)
Inventor
Kenji Adachi
健二 足達
Takayuki Itagaki
剛之 板垣
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医農薬中間体、酸発生剤、電子材料、液晶材
料、重合用触媒又はこれらの中間体として有用な化合物
の提供。 【解決手段】α位にフッ素が導入されたα,α-ジフルオ
ロスルフィド化合物、α,α-ジフルオロスルホキシド化
合物及びα,α-ジフルオロスルフォン化合物である一般
式(1) 【化1】 〔式中、nは0、1又は2を示す。R1は、置換基を有し
てもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよいシクロアルキル基を示す。R2
は、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアリール基を示す。〕で表される化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なα,α-ジフ
ルオロスルフィド化合物、α,α-ジフルオロスルホキシ
ド化合物及びα,α-ジフルオロスルフォン化合物に関
し、さらにこれら化合物の医農薬中間体、酸発生剤、電
子材料、液晶材料もしくは重合用触媒又はそれらの中間
体としての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】α,α-ジフルオロ化合物は医農薬中間体
として有用であり、α,α-ジフルオロスルフィド化合
物、α,α-ジフルオロスルホキシド化合物及びα,α-ジ
フルオロスルフォン化合物も含フッ素シントンとして有
用であることが知られている。例えば、特開平9-227531
号公報には、強い抗真菌作用を有し、かつ安全性が高い
医薬として、下記式(13)の化合物が開示され、さら
にその中間体として下記式(14)の化合物が開示され
ている。
【0003】
【化7】
【0004】〔式中、nは0、1又は2を示し、Y8及び
Y9はH、ハロゲン、-CF3を示す。〕 このように、α位にフッ素が導入されたα,α-ジフルオ
ロスルフィド化合物、α,α-ジフルオロスルホキシド化
合物及びα,α-ジフルオロスルフォン化合物は、活性の
向上、代謝抑制、副作用の抑制、ミミック効果等の作用
を示し、医農薬中間体として有用な化合物である。
【0005】さらに、α,α-ジフルオロスルフィド化合
物、α,α-ジフルオロスルホキシド化合物及びα,α-ジ
フルオロスルフォン化合物は、α位にフッ素が導入され
ているため、強い電子吸引性による高い置換基効果、低
誘電率化、低屈折率、酸化に対する化学的安定性等のユ
ニークな特性を有し、酸発生剤、電子材料、液晶材料、
重合用触媒等又はこれらの中間体として有用であると考
えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なα,
α-ジフルオロスルフィド化合物、α,α-ジフルオロス
ルホキシド化合物及びα,α-ジフルオロスルフォン化合
物の提供を目的とする。さらに、これら化合物の医農薬
中間体、酸発生剤、電子材料、液晶材料もしくは重合用
触媒又はそれらの中間体としての利用を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、新規なα,α-
ジフルオロスルフィド化合物、α,α-ジフルオロスルホ
キシド化合物及びα,α-ジフルオロスルフォン化合物を
見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、以下の化合物、医農
薬中間体、酸発生剤、電子材料、液晶材料もしくは重合
用触媒又はそれらの中間体を提供するものである。 項1.一般式(1)
【0009】
【化8】
【0010】〔式中、nは0、1又は2を示す。R1は、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基
を示す。R2は、置換基を有してもよいアルキル基、置換
基を有してもよいアリール基を示す。(ただし、以下の
(i)〜(v)の場合を除く。 (i) nが0又は2且つR1及びR2がともにフェニル基を示
す場合、(ii) nが0且つR1がメチル基且つR2が一般式
(2)
【0011】
【化9】
【0012】〔式中、Y1及びY2は、同一又は異なって、
水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示
す。〕で表される基を示す場合、(iii) nが0且つR1がp
-クロロフェニル基且つR2がtert-ブチル基を示す場合、
(iv) nが0且つR1がエチル基且つR2が3,5-ジフルオロフ
ェニル基を示す場合、(v) nが0且つR1がエチル基且つR
2が2,4-ジフルオロフェニル基を示す場合)〕で表され
る化合物。 項2.一般式(3)
【0013】
【化10】
【0014】〔式中、nは0、1又は2を示す。Y3、Y4
及びY5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原
子、置換基を有してもよいC1〜C10アルキル基、置換基
を有してもよいC1〜C10アルコキシ基、置換基を有して
もよいC3〜C10シクロアルキル基、置換基を有してもよ
いC6〜C12アリール基を示す。(ただし、Y3、Y4及びY5
がともに水素原子を示す場合を除く。)〕で表される化
合物。 項3.一般式(4)
【0015】
【化11】
【0016】〔式中、nは0、1又は2を示す。R3は、
置換基を有してもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有
してもよいC3〜C10シクロアルキル基を示す。Y6及びY7
は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換
基を有してもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有して
もよいC1〜C10アルコキシ基、置換基を有してもよいC3
〜C 10シクロアルキル基、置換基を有してもよいC6〜C12
アリール基を示す。(ただし、以下の(a)又は(b)の場合
を除く。 (a) nが0且つR3がメチル基且つY6及びY7が、同一又は
異なって、水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメ
チル基を示す場合、(b) nが0且つR3がエチル基且つY6
及びY7がフッ素原子を示す場合)〕で表される化合物。 項4.下記一般式(5)〜(12)
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】のいずれかで表される化合物。 項5.項1〜4のいずれかに記載の医農薬中間体。 項6.項1〜4のいずれかに記載の光酸発生剤又は光酸
発生剤中間体。 項7.項1〜4のいずれかに記載の電子材料又は電子材
料中間体。 項8.項1〜4のいずれかに記載の液晶材料又は液晶材
料中間体。 項9.項1〜4のいずれかに記載の重合用触媒又は重合
用触媒中間体。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明において、置換基を有して
もよいとは、置換基を有する場合と置換基を有していな
い場合を意味する。例えば、置換基を有してもよいアル
キル基とは、アルキル基と置換基を有するアルキル基と
を意味する。
【0021】本発明の前記一般式(1)の化合物 一般式(1)の化合物のn、R1及びR2について説明す
る。nは0、1又は2を示し、R1は、置換基を有しても
よいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置
換基を有してもよいシクロアルキル基を示し、R2は、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアリール基を示す。ただし、前記(i)〜(v)の場合の化
合物は本発明に含まれない。前記(i)及び(v)の場合の化
合物は、"Norihiko Yoneda et al., Chemistry Letter
s, 2001, 222-223"に開示され、前記(ii)の場合の化合
物は特開平9-227531号公報(出願人:エスエス製薬株式
会社)に開示され、前記(iii)及び(iv)の場合の化合物
は特願2000-337929明細書(出願人:ダイキン工業株式
会社)に記載されている。
【0022】アルキル基としては、特に制限されない
が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブ
チル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等
の直鎖状又は分岐状のC1〜C20アルキル基が例示され
る。
【0023】アリール基としては、特に制限されない
が、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル
等のC6〜C24アリール基が例示される。
【0024】シクロアルキル基としては、特に制限され
ないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等のC3〜C20シクロアルキル基が例
示される。
【0025】置換基としては、ハロゲン原子、C1〜C20
アルキル基、C1〜C20アルコキシ基、C1〜C20ハロアルキ
ル基、C1〜C20ハロアルコキシ基、C1〜C20アルキルチオ
基、C 1〜C20ハロアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基
等が例示される。なお、置換基を有するアルキル基の置
換基は、アルキル基が除かれる。また、ハロアルキル基
及びハロアルコキシ基としては、アルキル基及びアルコ
キシ基の水素原子の一部又は全てがハロゲン原子に置換
したもの言う。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
【0026】nは0、1又は2であり、好ましくは0又
は2である。また、R1として好ましいのは、C1〜C10
アルキル基、フェニル基及びシクロアルキル基である。
2として好ましいのは、C1〜C10アルキル基、置換基
を有してもよいフェニル基である。
【0027】本発明の前記一般式(3)の化合物 一般式(3)の化合物のn、Y3、Y4及びY5について
説明する。nは0、1又は2を示し、Y3、Y4及びY5
は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換
基を有してもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有して
もよいC1〜C10アルコキシ基、置換基を有してもよいC3
〜C10シクロアルキル基、置換基を有してもよいC6〜C12
アリール基を示す。ただし、Y3、Y4及びY5がともに
水素原子を示す場合の化合物は本発明に含まれない。Y
3、Y4及びY5がともに水素原子を示す場合の化合物は"
Norihiko Yoneda et al., Chemistry Letters, 2001, 2
22-223"及び"Akemi TOYOTA et al., Chem. Pharm. Bul
l., 44(4) 703-708 (1996)"に開示されている。
【0028】C1〜C10アルキル基としては、特に制限さ
れないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピ
ル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
等の直鎖状又は分岐状のアルキル基が例示される。
【0029】C1〜C10アルコキシ基としては、メトキ
シ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブト
キシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、
ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの直鎖状又は分岐
状のアルコキシ基が例示される。
【0030】C3〜C10シクロアルキル基としては、特に
制限されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基が例
示される。
【0031】C6〜C12アリール基としては、特に制限さ
れないが、フェニル、ナフチル等のアリール基が例示さ
れる。
【0032】置換基としては、ハロゲン原子、C1〜C10
アルキル基、C1〜C10アルコキシ基、C1〜C10ハロアルキ
ル基、C1〜C10ハロアルコキシ基、C1〜C10アルキルチオ
基、C 1〜C10ハロアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基
等が例示される。なお、置換基を有するC1〜C10アルキ
ル基の置換基からは、アルキル基が除かれる。また、ハ
ロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロゲン原子として
は、前記のとおりである。
【0033】nは0、1又は2であり、好ましくは0又
は2である。また、Y3、Y4又はY5として好ましいの
は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C 10アルキル基、
1〜C10アルコキシ基である。
【0034】本発明の前記一般式(4)の化合物 一般式(4)の化合物のn、R3、Y6及びY7について
説明する。nは0、1又は2を示し、R3は、置換基を
有してもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有してもよ
いC3〜C10シクロアルキル基を示す。Y6及びY7は、同
一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有
してもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有してもよいC
1〜C10アルコキシ基、置換基を有してもよいC3〜C10
クロアルキル基、置換基を有してもよいC6〜C12アリー
ル基を示す。ただし、前記(a)及び(b)の場合の化合物は
本発明に含まれない。前記(a)の場合の化合物は特開平9
-227531号公報(出願人:エスエス製薬株式会社)に開
示され、前記(b)の場合の化合物は"Norihiko Yoneda et
al., Chemistry Letters, 2001, 222-223"に開示され
ている。
【0035】C1〜C10アルキル基、C6〜C12アリール基、
C3〜C10シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1〜C10アル
コキシ基は前記のとおりである。
【0036】置換基は、前記一般式(3)の置換基と同
様である。ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、C1〜C10
アルコキシ基、C1〜C10ハロアルキル基、C1〜C10ハロア
ルコキシ基、C1〜C10アルキルチオ基、C1〜C10ハロアル
キルチオ基、シアノ基、ニトロ基等が例示される。な
お、置換基を有するC1〜C10アルキル基の置換基から
は、アルキル基が除かれる。また、ハロアルキル基、ハ
ロアルコキシ基、ハロゲン原子としては、前記のとおり
である。
【0037】nは0、1又は2であり、好ましくは0又
は2である。また、Y6又はY7として好ましいのは、水
素原子、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、C1〜C
10アルコキシ基である。
【0038】本発明化合物の製造方法 本発明のα,α-ジフルオロスルフィド化合物、α,α-ジ
フルオロスルホキシド化合物及びα,α-ジフルオロスル
フォン化合物の合成法としては、下記スキーム1に示さ
れるように、スルフィド化合物15をフッ素化剤を用い
てフッ素化し、本発明のα-ジフルオロスルフィド化合
物16を製造した後、酸化剤により化合物16を酸化
し、本発明のα-ジフルオロスルフォン化合物17とす
る方法が用いられる。なお、スキーム1中、mは1又は
2を示し、R1及びR2は前記のとおりである。 (スキーム1)
【0039】
【化14】
【0040】原料となる化合物15の化合物は公知の化
合物であり、公知の製造法で容易に製造される。
【0041】フッ素化剤を用いるフッ素化の方法として
は、F2ガスを用いる方法(Chem. Pharm. Bull., 44
(4), 703-708(1996))、2フッ化キセノンを用いる方法
(J. Fluo. Chem., 8, 305(1976))、N-フルオロ-N-ア
ルキル-アレーンスルホンアミド、N-フルオロキヌクリ
ジウム塩、N-フルオロペルフルオロアルキルスルホンイ
ミド、N-フルオロサルタム、N-フルオロピリジニウム
塩、N-フルオロピリジニウムスルホネート塩等(市販
品:オノダ・フロリネートFP-T300、同FP-T500、 同FP-
T700、 同FP-B300、 同FP-B500、同FP-B700、 同FP-B80
0(以上、秩父小野田(株)製)、MEC-01、 MEC-02、 M
EC-03、 MEC-04、 MEC-05(以上、ダイキン工業(株)
製)を用いる方法(特開平9-227531)、5フッ化ヨウ素
のトリエチルアミン・3フッ化水素塩を用いる方法(Che
mistry Letters 222-223 (2001))が知られている。これ
らのフッ素化剤のうち、フッ素ガスは反応性が高いため
反応の制御が困難である場合がある。また、2フッ化キ
セノン、N-フルオロ-N-アルキル-アレーンスルホンアミ
ド、N-フルオロキヌクリジウム塩、N-フルオロペルフル
オロアルキルスルホンイミド、N-フルオロサルタム、N-
フルオロピリジニウム塩、N-フルオロピリジニウムスル
ホネート塩等は取り扱いが容易で、選択的なフッ素化を
行うことができるが、反応性、コスト、副生物の抑制と
いう点から、5フッ化ヨウ素のトリエチルアミン・3フ
ッ化水素塩(IF5/Et3N・3HF塩)を用いてフッ素化を行う
方法が最も望ましい。
【0042】化合物15に対するフッ素化剤の使用量
は、フッ素化剤の種類や化合物15の量等に応じて適宜
選択されるが、通常、化合物15の1モルに対し、フッ
素化剤を1.0〜10モル使用する。フッ素化方法の反
応温度、反応時間、反応圧力等の条件は、目的とする生
成物や原料量等に応じて適宜選択される。好ましくは、
反応温度が0〜120℃、反応時間が0.5〜72時
間、反応圧力が常圧付近である。
【0043】また、酸化に用いる酸化剤としては過酸化
水素、過酢酸、過マンガン酸塩、過ホウ酸ナトリウム、
t-ブチルハイドロパーオキサイド、ぺルオキシ硫酸カリ
ウム、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、メタクロロ過安息香
酸、酸化オスミウム(VII)、酸化ルテニウム(VII)、硝
酸、クロム酸、二クロム酸ナトリウム、ハロゲン、次亜
塩素酸ナトリウム、ヨードベンゼンジクロリド、ヨード
ベンゼンジアセタート等を用いることができる。また、
必要に応じて触媒を加えることもできる。触媒としては
タングステン酸ナトリウム、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムクロリド、塩化(III)、ベンゼンセレニックアシ
ッド等が用いることができる。
【0044】化合物16に対する酸化剤の使用量は、触
媒の種類や酸化剤の種類や化合物16の量等に応じて適
宜選択されるが、通常、化合物16の1モルに対し、酸
化剤を1.0〜10モル、触媒を0.005〜0.3モ
ル使用する。酸化方法の反応温度、反応時間、反応圧力
等の条件は、生成物の種類や原料量や触媒の種類等に応
じて適宜選択される。好ましくは、反応温度が室温〜1
00℃、反応時間が1〜24時間、反応圧力が常圧付近
である。
【0045】
【発明の効果】活性の向上、代謝抑制、副作用の抑制、
ミミック効果等の作用を示し、医農薬中間体として有用
な化合物であり、また、強い電子吸引性による高い置換
基効果、低誘電率化、低屈折率、酸化に対する化学的安
定性等のユニークな特性を有し、酸発生剤、電子材料、
液晶材料もしくは重合用触媒又はそれらの中間体として
有用である、α位にフッ素が導入されたα,α-ジフルオ
ロスルフィド化合物、α,α-ジフルオロスルホキシド化
合物及びα,α-ジフルオロスルフォン化合物を提供す
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明をより詳細に説明するために実
施例を記載するが、本発明はこれらに限定されない。
【0047】製造例1
【0048】
【化15】
【0049】フェナシルクロリド(3g,19.4mmol)をメタ
ノール10mlに溶かし、シクロへキシルメルカプタン(2.8
5ml,23.3mmol)及び水酸化ナトリウム(1.16g,29.1mmol)
をメタノール10ml/水10mlに溶かした溶液を氷浴下、滴
下した。氷浴を除き、室温で18時間攪拌させた。エー
テル抽出し、ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥、溶媒を減圧留去した。再結晶(へキサン:クロロ
ホルム)により、化合物19(2.95g,65%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 7.4-8.0(5H,m), 3.8(2H,m), 2.6-
2.9(1H,m), 1.9-2.1(2H,m), 1.1-1.8(8H,m) HR-MASS 計算値:234.10784、実測値:234.10802 実施例1
【0050】
【化16】
【0051】化合物19(300mg,1.28mmol)にヘプタン6m
lを加え、IF5/Et3N・3HF塩(980mg,2.56mmol)を滴下し、7
4℃で攪拌させた。重曹水を冷却しながら加え、エーテ
ル抽出し、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し
た。シリカゲルカラムクロマト(へキサン:ジクロロメ
タン=6:1)により、化合物20(234mg,68%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 7.4-8.3(5H,m), 3.2-3.5(1H,m), 2.
0-2.2(2H,m), 1.2-1.8(8H,m)19 F-NMR(CDCl3) (CFCl3基準) δ -77.9(S) HR-MASS 計算値:270.08899、実測値:270.08816 実施例2
【0052】
【化17】
【0053】化合物20(340mg,1.26mmol)を酢酸7mlに
溶かし、30%過酸化水素(568mg,5.04mmol)を滴下し、70
℃で4時間攪拌させた。室温まで冷却し、エーテル抽
出、水、重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラム
クロマト(へキサン:ジクロロメタン=1:1)により、
化合物21(303mg,80%)を得た。 融点42.9〜43.6℃1 H-NMR(CDCl3) δ 7.4-8.2(5H,m), 3.4-3.6(1H,m), 1.
2-2.4ppm(10H,m)19F-NMR(CDCl3) (CFCl3基準) δ-101.0
(S) HR-MASS 計算値:303.08665、実測値:303.08587 製造例2
【0054】
【化18】
【0055】p-メトキシフェナシルブロミド(24g,105m
mol)を1,4-ジオキサン112mlに溶かし、チオフェノール
(15.4ml,126mmol)及び水酸化ナトリウム(6.3g,158mmol)
をメタノール54ml/水27mlに溶かした溶液を氷浴下、滴
下した。氷浴を除き、室温で3時間攪拌させた。エーテ
ル抽出し、ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、溶媒を減圧留去した。再結晶(へキサン)により、化
合物23(24.4g,90%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 6.8-8.0(9H,m), 4.2(2H,s), 3.9(3
H,s) HR-MASS 計算値:258.07145、実測値:258.07123 実施例3
【0056】
【化19】
【0057】化合物23(33g,128mmol)に1,2-ジクロロ
エタン255mlを加え、IF5/Et3N・3HF塩(271g,384mmol)を
滴下し、室温で15時間、さらに80℃で2時間攪拌させ
た。重曹水を冷却しながら加え、エーテル抽出し、チオ
硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。シリカゲル
カラムクロマト(へキサン:ジエチルエーテル=20:
1)により、化合物24(19.1g,51%)を得た。1 H-NMR(CD3CN) δ 7.0-8.2(9H,m), 3.9(3H,s)19 F-NMR(CD3CN) (CFCl3基準) -76.3(S) HR-MASS 計算値:294.05261、実測値:294.05192 実施例4
【0058】
【化20】
【0059】化合物24(18g,61mmol)を酢酸226mlに溶
かし、30%過酸化水素水(30.5g,269mmol)を滴下し、70
℃で3時間攪拌させた。室温まで冷却し、ジクロロメタ
ン抽出、水、重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカ
ラムクロマト(へキサン:酢酸エチル=4:1)、再結晶
(ヘキサン:酢酸エチル)により、化合物25(11.6g,58
%)を得た。 融点90.7〜91.3℃1 H-NMR(CD3CN) δ 7.0-8.2(9H,m), 3.9(3H,s)19 F-NMR(CD3CN) (CFCl3基準) δ -101.0(S) HR-MASS 計算値:326.04244、実測値:326.04192 製造例3
【0060】
【化21】
【0061】o-メチルフェナシルブロミド(60g,282mmo
l)をメタノール270mlに溶かし、チオフェノール(46ml,4
57mmol)及び水酸化ナトリウム(14.4g,360mmol)をメタノ
ール174ml/水87mlに溶かした溶液を氷浴下、滴下し
た。氷浴を除き、室温で6時間攪拌させた。エーテル抽
出し、ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、
溶媒を減圧留去により、化合物27(61g,89%)を得た。1 H-NMR(CD3CN) δ 7.2-7.8(9H,m), 4.3(2H,s), 2.4
(3H,s) HR-MASS 計算値:242.07654、実測値:242.07615 実施例5
【0062】
【化22】
【0063】化合物27(40g,142mmol)に1,2-ジクロロ
エタン330mlを加え、IF5/Et3N・3HF塩(300g,425mmol)を
滴下し、室温で16時間、さらに80℃で3時間攪拌させ
た。重曹水を冷却しながら加え、エーテル抽出し、チオ
硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。シリカゲル
カラムクロマト(へキサン:酢酸エチル=30:1)によ
り、化合物28(36.3g,92%)を得た。1 H-NMR(CD3CN) δ 7.3-8.0(9H,m), 2.4(3H,s)19 F-NMR(CD3CN) (CFCl3基準) δ -77.0(S) HR-MASS 計算値:278.05769、実測値:278.05693 実施例6
【0064】
【化23】
【0065】化合物28(27g,97mmol)を酢酸332mlに溶
かし、30%過酸化水素水(44.8g,395mmol)を滴下し、70
℃で17時間攪拌させた。室温まで冷却し、ジクロロメタ
ン抽出、水、重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカ
ラムクロマト(へキサン:酢酸エチル=1:1)、再結晶
(ヘキサン:酢酸エチル)により、化合物29(18g,64%)
を得た。 融点88.0〜88.6℃1 H-NMR(CD3CN) δ 7.3-8.1(9H,m), 2.5(3H,s)19 F-NMR(CD3CN) (CFCl3基準) δ -102.0(S) HR-MASS 計算値:310.04752、実測値:310.04826
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB40 AB84 TA05 TB04 TC09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、nは0、1又は2を示す。R1は、置換基を有し
    てもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、置換基を有してもよいシクロアルキル基を示す。R2
    は、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
    もよいアリール基を示す。(ただし、以下の(i)〜(v)の
    場合を除く。 (i) nが0又は2且つR1及びR2がともにフェニル基を示
    す場合、(ii) nが0且つR1がメチル基且つR2が一般式
    (2) 【化2】 〔式中、Y1及びY2は、同一又は異なって、水素原子、ハ
    ロゲン原子又はトリフルオロメチル基を示す。〕で表さ
    れる基を示す場合、(iii) nが0且つR1がp-クロロフェ
    ニル基且つR2がtert-ブチル基を示す場合、(iv) nが0
    且つR1がエチル基且つR2が3,5-ジフルオロフェニル基を
    示す場合、(v) nが0且つR1がエチル基且つR2が2,4-ジ
    フルオロフェニル基を示す場合)〕で表される化合物。
  2. 【請求項2】一般式(3) 【化3】 〔式中、nは0、1又は2を示す。Y3、Y4及びY5は、同
    一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有
    してもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有してもよいC
    1〜C10アルコキシ基、置換基を有してもよいC3〜C10
    クロアルキル基、置換基を有してもよいC6〜C12アリー
    ル基を示す。(ただし、Y3、Y4及びY5がともに水素原子
    を示す場合を除く。)〕で表される化合物。
  3. 【請求項3】一般式(4) 【化4】 〔式中、nは0、1又は2を示す。R3は、置換基を有し
    てもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有してもよいC3
    〜C10シクロアルキル基を示す。Y6及びY7は、同一又は
    異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても
    よいC1〜C10アルキル基、置換基を有してもよいC1〜C10
    アルコキシ基、置換基を有してもよいC3〜C 10シクロア
    ルキル基、置換基を有してもよいC6〜C12アリール基を
    示す。(ただし、以下の(a)又は(b)の場合を除く。 (a) nが0且つR3がメチル基且つY6及びY7が、同一又は
    異なって、水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメ
    チル基を示す場合、(b) nが0且つR3がエチル基且つY6
    及びY7がフッ素原子を示す場合)〕で表される化合物。
  4. 【請求項4】下記一般式(5)〜(12) 【化5】 【化6】 のいずれかで表される化合物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の医農薬中
    間体。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の光酸発生
    剤又は光酸発生剤中間体。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれかに記載の電子材料
    又は電子材料中間体。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれかに記載の液晶材料
    又は液晶材料中間体。
  9. 【請求項9】請求項1〜4のいずれかに記載の重合用触
    媒又は重合用触媒中間体。
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US7332631B2 (en) 2002-12-24 2008-02-19 Trillium Therapeutics Inc. Fc receptor modulating compounds and compositions
US7910770B2 (en) 2002-12-24 2011-03-22 Trillium Therapeutics Inc. Fc receptor modulating compounds and compositions
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