JP2003055029A - 光触媒含有セラミックス - Google Patents

光触媒含有セラミックス

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JP2003055029A
JP2003055029A JP2001243742A JP2001243742A JP2003055029A JP 2003055029 A JP2003055029 A JP 2003055029A JP 2001243742 A JP2001243742 A JP 2001243742A JP 2001243742 A JP2001243742 A JP 2001243742A JP 2003055029 A JP2003055029 A JP 2003055029A
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ceramics
water
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Kazuko Kimura
かず子 木村
Kayoko Miyamoto
佳代子 宮本
Yukio Hayashida
悠紀夫 林田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定割合以上のアナターゼ型結晶構造を有す
る二酸化チタンを固定化した光触媒材料を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 セラミックス中に二酸化チタンを含有
し、この二酸化チタン中のアナターゼ型二酸化チタン含
有量を50%以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二酸化チタンか
らなる光触媒を含有するセラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から二酸化チタンは、光触媒作用を
有し、有機化合物等を分解したり、殺菌作用を示すこと
が知られている。この機構は、次のようなものが考えら
れている。
【0003】二酸化チタンに所定の波長の光を照射する
と、二酸化チタン内の電子が価電子帯から伝導帯に励起
する。このとき、価電子帯では正孔が生じ、周囲の水分
子から電子を奪う。このとき、水素イオンと水酸基(O
H)ラジカルを発生させると考えられる。また、励起し
た電子は、周囲の酸素分子と反応して、酸素ラジカルが
発生し、上記の水素イオンと反応して過酸化水酸基(O
OH)ラジカルが発生すると考えられる。これらのラジ
カルは酸化力が強く、このラジカルによって、有機化合
物等が分解されたり、殺菌作用が示されると考えられ
る。
【0004】なお、上記の二酸化チタンの正孔のエネル
ギー準位は水素基準電位に対して+3.0Vであり、一
般的に酸化剤として使用される塩素が+1.3V、オゾ
ンが+2.07Vである。この二酸化チタンの酸化力の
強さからも、有機化合物等の分解や、殺菌作用は説明す
ることができると考えられる。
【0005】ところで、上記二酸化チタンの酸化力をよ
り大きく発現させるには、表面積が多いほど好ましい。
このため、二酸化チタンを微粒子にして使用することが
考えられる。このため、合成樹脂等に練り込むことによ
って、二酸化チタン微粒子を固定する方法が考えられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二酸化
チタンの酸化力は、太陽光や紫外線等の所定波長の光の
照射下、及び酸素の存在下でなければ発現しにくい。さ
らに、二酸化チタンの酸化力は、アナターゼ型結晶構造
を有している場合に発現することが知られている。とこ
ろが、所定温度以上の加熱処理を行うと、光触媒能を発
揮しにくいルチル型結晶構造に変化することが知られて
いる。
【0007】そこでこの発明は、所定割合以上のアナタ
ーゼ型結晶構造を有する二酸化チタンを固定化した光触
媒材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、セラミック
ス中に二酸化チタンを含有し、この二酸化チタン中のア
ナターゼ型結晶構造を有する二酸化チタン含有量が50
%以上である光触媒含有セラミックスを用いることによ
り、上記の課題を解決したのである。
【0009】光触媒含有セラミックス中には、アナター
ゼ型結晶構造を有する二酸化チタンを50%以上含有す
るので、光触媒作用を発揮させることができる。また、
セラミックスの表面には細かい凹凸を多数有するので、
二酸化チタンが表面に現れやすい。このため、二酸化チ
タンによる光触媒作用を発揮させることができる。さら
に、この光触媒セラミックスの使用により、表面が磨り
減っても、内部から新しい二酸化チタンが表出するの
で、光触媒作用を保持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、この発明について
詳細に説明する。この発明にかかる光触媒含有セラミッ
クスは、セラミックス中に二酸化チタンを含有するもの
である。
【0011】上記二酸化チタンは、所定割合以上のアナ
ターゼ型結晶構造を含有するものであり、粉末化、粒状
化等して細かくしたものがよい。上記アナターゼ型結晶
構造を有する二酸化チタン(以下、「アナターゼ型二酸
化チタン」と称する。)の含有割合は、二酸化チタン全
体に対して、80%以上がよく、90%以上が好まし
い。アナターゼ型結晶構造が80%未満でも、光触媒作
用を有する限り問題はないが、二酸化チタンの使用量が
増加するので、経済的でない。さらに、アナターゼ型結
晶構造の含有割合が高いほど、得られる光触媒含有セラ
ミックスの表面に表出するアナターゼ型二酸化チタンの
割合が増加するのでより好ましい。
【0012】上記二酸化チタンの粒子の平均粒子径は、
1〜100nmがよく、10〜50nmが好ましい。1
nmより小さいと、水に懸濁させにくくなる場合があ
る。一方、100nmより大きいと、二酸化チタンの有
する光触媒能を十分に発揮させにくくなる場合がある。
【0013】上記二酸化チタン粒子の比表面積は、特に
限定されないが、50〜100m3/gがこのましい。
50m3/gより小さいと、光触媒作用を十分に発揮で
きない場合がある。一方、100m3/gより大きくて
もよいが、そのようなものは、製造しにくいため入手が
難しくなる場合がある。
【0014】上記セラミックス中の二酸化チタンの含有
割合は、0.5〜50重量%が好ましく、1〜30重量
%がより好ましく、3〜25重量%がさらに好ましい。
0.5重量%より少ないと、光触媒作用を十分に発揮で
きない場合がある。一方、50重量%より多くてもよい
が、経済的な面から、50重量%で十分である。
【0015】この発明にかかる光触媒含有セラミックス
は、下記の方法で製造される。まず、上記のアナターゼ
型二酸化チタンの含有量が50重量%以上の二酸化チタ
ンの粒子及び陶土に水を加えて混練する。次いで、80
0℃以下で焼成する。これにより、光触媒含有セラミッ
クスが得られる。
【0016】上記の陶土とは、陶磁器等のセラミックス
を製造するために使用されるクレイ等の土であり、含有
成分、取れる場所等によって種々の種類がある。具体例
としては、三田市の四ツ辻粘土等があげられる。
【0017】上記の二酸化チタンの粒子、陶土及び水か
らなる混練物は、通常の土を捏ねるようにして混練すれ
ばよく、使用される機械、条件等に制限はない。上記セ
ラミックス中の二酸化チタンの含有割合は、0.5〜5
0重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましく、
3〜25重量%がさらに好ましい。0.5重量%より少
ないと、光触媒作用を十分に発揮できない場合がある。
一方、50重量%より多くてもよいが、経済的な面か
ら、50重量%で十分である。上記混練物中の水の量
は、上記の二酸化チタン及び陶土を混練できる程度の水
の量で十分である。
【0018】上記の混練物の焼成は、800℃より低い
温度で行うのがよく、650℃以下で行うのが好まし
い。800℃より高い温度で焼成すると、上記混練物中
の二酸化チタンの光触媒能が低下する場合がある。これ
は、800℃以上に熱すると、上記アナターゼ型二酸化
チタンが光触媒能の低いルチル型の結晶構造に移行する
ためと考えられる。また、焼成温度が650〜800℃
で行う場合、炉の種類や条件によっては、炉の内部が部
分的に800℃を大幅に超える場合がある。このため、
上記混練物中のアナターゼ型二酸化チタンがルチル型に
変化する場合がある。この場合、焼成後の光触媒含有セ
ラミックスに含まれる二酸化チタン中のアナターゼ型二
酸化チタンの含有割合が、上記の範囲にあればよい。ま
た、混練物の焼成温度の下限は特に限定されないが、焼
成可能な温度以上であればよく、具体的には400℃以
上がよい。
【0019】上記光触媒含有セラミックスを製造する際
に用いられる水として、上記二酸化チタンの粒子に水及
び素焼き陶片を加えて光を照射し、得られる懸濁液の上
澄み液(以下、「処理水」と称する。)を用いることが
できる。具体的には、上記の光触媒含有セラミックスの
製造工程において、二酸化チタン及び陶土から混練物を
製造する際に使用される水等の代わりに上記の処理水を
用いることができる。なお、それ以外でも、水を使用す
る工程がある場合、その水の代わりに用いることができ
る。
【0020】上記の処理水を用いることにより、得られ
る光触媒含有セラミックスの光触媒作用をより高めるこ
とができる。なお、上記の処理水製造で残った二酸化チ
タン粒子素焼き陶片は、新たな処理水の製造に再利用す
ることができる。
【0021】上記処理水製造に使用される素焼き陶片と
は、一般の条件で製造した陶磁器又はその破片をいい、
上薬を塗布する前の素焼きのものをいう。このような素
焼き陶片として、上記の光触媒含有セラミックス又はそ
の破砕片を用いると、内部に二酸化チタンを有してお
り、より好ましい。
【0022】上記の処理水を製造する際の二酸化チタン
の水への懸濁量は、特に限定されないが、水200gに
対して、二酸化チタン0.1〜50gが好ましく、1〜
20gがより好ましい。0.1gより少ないと、上記処
理水としての能力が十分に発揮できない場合がある。一
方、50gより多くてもよいが、上記処理水としての能
力は50gより多くしても、あまり向上しないので、5
0gで十分である。また、上記処理水を製造する際の素
焼き陶片の量は、特に限定されるものでなく、水200
gに対して、1g以上加えられればよい。得られる上記
処理水のpHは、特に限定されないが、5〜9のものが
よく、6〜8のものが好ましい。
【0023】上記の処理水を製造する際に使用される光
としては、紫外線がよく、380nm以下の波長を有す
る紫外線がより好ましい。この光を照射することによ
り、二酸化チタンの光触媒能を発現させることができ
る。
【0024】また、上記光の照射時間は、10〜480
分がよく、10〜240分が好ましい。10分より少な
いと、二酸化チタンの光触媒能を十分に発現させにくく
なる場合がる。一方、480分より多くてもよいが、光
触媒能と作業の効率性との兼ね合いから、480分まで
で十分である。
【0025】上記の光触媒含有セラミックスの表面に
は、この光触媒含有セラミックスを粉砕して微粒子化し
た微粒子化物を塗工することができる。この処理によ
り、得られる光触媒含有セラミックスの光触媒作用をよ
り向上させることができる。
【0026】上記の光触媒含有セラミックスの微粒子化
は、任意の方法で行うことができ、例えば、圧搾したり
すり下ろしたりして粉砕する方法、粉砕機等を用いて微
粒子化する方法等があげられる。このとき使用される水
は、必要に応じて上記処理水等の水を使用することがで
きる。
【0027】上記微粒子化物の塗工方法は、はけ等で塗
る方法、浸漬する方法等、任意の方法を採用することが
できる。そして、塗工後、光を照射させながら乾燥させ
る。これにより、微粒子化物を光触媒含有セラミックス
表面に定着させることができる。
【0028】また、必要に応じて、上記光触媒含有セラ
ミックス又は上記の微粒子化物を塗工した光触媒含有セ
ラミックスに二酸化チタンの粒子を塗工してもよい。こ
の処理により、得られる光触媒含有セラミックスの表面
に表出する二酸化チタン粒子量が増加し、光触媒作用を
さらに向上させることができる。
【0029】上記二酸化チタンの粒子の塗工方法として
は、水に上記二酸化チタンの粒子を加えて塗工液を調整
し、この塗工液をはけ塗り、浸漬等の任意の方法で塗工
し、光を照射しながら乾燥させる方法があげられる。
【0030】さらに、必要に応じて、上記二酸化チタン
の粒子を塗工した表面に、上記二酸化チタン粒子そのも
のをはけ塗り、噴霧、浸漬等の方法で塗工してもよい。
この酸化チタン粒子そのもののはけ塗り塗工は、上記の
二酸化チタンと水とからなる塗工液の塗工をした後、乾
燥前又は乾燥後に行われる。
【0031】上記塗工液中の二酸化チタン粒子の混合割
合は、特に限定されないが、0.5〜50重量%がよ
く、1〜20重量%が好ましい。0.5重量%より少な
いと、二酸化チタンの粒子を十分に塗工できなくなる場
合がある。一方、50重量%より多くてもよいが、塗工
液の流動性が十分でなくなり、塗工にむらが生じる場合
があるので50重量%以下で十分である。また、必要に
応じて、上記塗工液に用いられる水として、上記処理水
を用いることができる。
【0032】上記の光触媒含有セラミックスの微粒子化
物の塗工工程、二酸化チタン含有塗工液の塗工工程にお
いて、乾燥のために照射される光の種類、照射時間は、
上記の場合と同様である。また、乾燥条件は特に限定さ
れない。好ましい乾燥方法としては、天日乾燥があげら
れる。この方法を用いると、上記所定の紫外線を照射す
ることができると同時に、乾燥も行うことができるから
である。
【0033】この発明にかかる光触媒含有セラミック
ス、及び上記の各塗工処理を施した光触媒含有セラミッ
クスは、必要に応じて、その表面をアルカリ処理しても
よい。このアルカリ処理を施すことにより、表出した二
酸化チタン粒子の定着性をより向上させたり、非開触媒
作用をさらに向上させることができる。
【0034】このアルカリ処理に使用されるアルカリと
しては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶
液等のアルカリ金属水酸化物の水溶液やアンモニア水等
があげられるが、これらに限定されない。
【0035】上記の各塗工処理を施した光触媒含有セラ
ミックスのメンディングテープによる剥離強度は、面積
比で2%以下となるものがよく、1%以下となるものが
好ましい。2%を超えると、塗工された層の剥離や二酸
化チタン粒子の脱落が多くなり、耐久性に欠ける場合が
ある。上記のメンディングテープによる剥離強度とは、
試験対象の光触媒含有セラミックスの表面にメンディン
グテープを貼り、これを剥がした際、上記メンディング
テープに付着した二酸化チタン粒子が占める面積が、上
記の塗工層の表面に貼ったメンディングテープの面積の
何%になるかを測定する試験である。このとき使用され
るメンディングテープとしては、セロテープ(登録商
標)(ニチバン(株)製)等があげられる。
【0036】上記の各塗工処理は、上記光触媒含有セラ
ミックスの表面にそのまま施してもよいが、上記光触媒
含有セラミックスを上記処理水に20〜60時間浸漬さ
せたり、上記光触媒含有セラミックスに上記処理水を塗
布又は噴霧した後、上記塗工処理を施すのが好ましい。
このようにすると、上記光触媒含有セラミックスと各塗
工層とを、より強固に接合させることができる。さら
に、上記の処理水を使用する処理を、太陽光等の光の存
在下で行うことにより、上記光触媒含有セラミックスと
各塗工層とを、よりさらに強固に接合させることができ
る。
【0037】上記の光触媒含有セラミックスは、含有す
るアナターゼ型二酸化チタン、特に、表出したアナター
ゼ型二酸化チタンにより、光触媒作用を発揮する。この
光触媒作用とは、所定の光、例えば紫外線、好ましくは
380nm以下の波長を有する紫外線を照射することに
より、発現される機能をいう。このような機能として
は、ホルムアルデヒド、花粉、農薬等の有機物の分解、
アンモニア等の無機系悪臭ガスの分解、窒素酸化物(N
Ox)の分解、酵母、細菌等の微生物やカビ類の殺菌・
防カビ等の機能があげられる。
【0038】したがって、この光触媒含有セラミックス
を室内、自動車室内、便所内等に設置等することによ
り、光触媒消臭材、光触媒空気清浄材、NOx分解材、
殺菌・防カビ部材、有機物分解材等としての役割を果た
すことができる。
【0039】上記の光触媒含有セラミックスを、光触媒
消臭材、光触媒空気清浄材、NOx分解材、殺菌・防カ
ビ部材、有機物分解材等として使用する場合、その使用
目的において、上記の光触媒含有セラミックスを任意の
形状とすることができる。成形方法は、上記の焼成前の
混練物を任意の形状に成形し、これを焼成する方法があ
げられる。
【0040】上記光触媒含有セラミックスの形状として
は、球状、卵状等の立体的に曲面を有する形状、三角柱
等の角柱状、四角錐等の角錐状、円柱状、円錐状、各種
の動物等の天然物や人工物の形状等、任意の形状があげ
られる。
【0041】上記光触媒含有セラミックスには、水に沈
むものだけでなく、水に浮くものも含まれる。これは、
上記の焼成前の混練物への発泡剤等の添加物を加えるこ
とにより得られる。
【0042】
【実施例】以下に実施例をあげてこの発明をさらに具体
的に説明する。 (実施例1)陶土(クレイ、篠山市立杭産)80gと二
酸化チタン粒子(富士チタン工業(株) 1500D、
結晶型:アナターゼ、純度90重量%、比表面積200
3/g、平均粒子径20〜30nm)20gを水の存
在下で混練した。次いで、球状に成形した後、650℃
で10時間焼成し、その後、20時間放置し、光触媒含
有セラミックスを製造した。得られた光触媒含有セラミ
ックスに含まれる二酸化チタン中のアナターゼ型二酸化
チタンの含有割合は、X線回折分析の結果、90重量%
であった。
【0043】得られた光触媒含有セラミックスの表面
に、よく煮出したお茶をかけた。すると、お茶のかかっ
た部分が、お茶に含まれるタンニン酸により褐色になっ
た。続いて、太陽光を照射した。すると、2時間程度経
過すると、褐色が消え、元の白色に戻っていた。これ
は、タンニン酸が分解したためと考えられる。
【0044】(実施例2)実施例1で得られた光触媒含
有セラミックスの一部に水を加えながらすりおろし、太
陽光に当てながら6時間以上放置して微粒子化物を得
た。次いで、この微粒子化物を実施例1で得られた球状
光触媒含有セラミックスの表面に刷毛で塗布した。そし
て、40時間、天日乾燥し、塗工体1を得た。次いで、
二酸化チタン粒子50gを水50gに懸濁させた塗工液
を、上記塗工体1に塗布し、さらに、上記二酸化チタン
粒子を刷毛塗りした。これを6時間以上天日乾燥し、塗
工体2を得た。
【0045】得られた塗工体1及び2の表面に、よく煮
出したお茶をかけた。すると、お茶のかかった部分が、
お茶に含まれるタンニン酸により褐色になった。続い
て、太陽光を照射した。すると、2時間程度経過する
と、褐色が消え、元の白色に戻っていた。これは、タン
ニン酸が分解したためと考えられる。
【0046】また、得られた塗工体1及び2の表面にメ
ンディングテープ(セロテープ(登録商標):ニチバン
(株)製)を貼り、これを剥がした。その結果、上記メ
ンディングテープに付着した二酸化チタン粒子が占める
面積は、いずれも0.5%であった。
【0047】(比較例1)二酸化チタンを使用しない以
外は、実施例1と同様にして比較セラミックスを製造し
た。得られた比較セラミックスの表面に、よく煮出した
お茶をかけた。すると、お茶のかかった部分が、お茶に
含まれるタンニン酸により褐色になった。続いて、太陽
光を照射したが、5〜6時間経過しても、褐色がそのま
ま残存していた。
【0048】(実施例3)実施例1で得られた光触媒含
有セラミックス数個を、日当たり良好だが、悪臭のする
公衆トイレの男子用小便器の中に入れた。この悪臭につ
いて、5人の試験者が確認し、1日経過後、再び確認し
た。その結果、全員が1日経過後の公衆トイレの悪臭を
感じないことが確認された。
【0049】(実施例4)2つの透明な蓋付密閉容器
1,2それぞれに、ホルマリン(37%ホルムアルデヒ
ド水溶液)を数滴、滴下した。そして、蓋付密閉容器1
のみに実施例1で得られた光触媒含有セラミックス数個
を入れた。外部から1mW/cm2の紫外線をあてた状
態で1日経過した後、蓋付密閉容器1,2内部の臭いを
5人の試験者が確認したところ、蓋付密閉容器1では、
ホルマリン臭はしなかったが、蓋付密閉容器2では、き
ついホルマリン臭がしたのを確認した。
【0050】(実施例5)実施例1で得られた光触媒含
有セラミックス数個を30cm×30cm×30cmの
透明な容器内に入れ、外部から1mW/cm2の紫外線
をあてた。そして、1週間経過後容器内の空気中の細菌
数を、寒天培地を用いて測定した。測定された細菌数
は、紫外線を当てる前の細菌数に対して、5%以下だっ
た。
【0051】(結果)実施例1,2,4に示すように、
光触媒含有セラミックスは、タンニン酸、ホルムアルデ
ヒド等の有機物を分解することができると考えられる。
また、実施例3に示すように、光触媒含有セラミックス
は、アンモニア系の悪臭物質を分解することができると
考えられる。さらに、実施例3、4に示すように、光触
媒含有セラミックスは、消臭作用や空気清浄作用を有す
ると考えられる。さらにまた、実施例5に示すように、
光触媒含有セラミックスは、抗菌・防カビ作用を有する
と考えられる。
【0052】
【発明の効果】この発明にかかる光触媒含有セラミック
スは、アナターゼ型二酸化チタンを50%以上含有する
ので、光触媒作用を発揮させることができる。
【0053】また、セラミックスの表面には細かい凹凸
を多数有するので、二酸化チタンが表面に現れやすくな
る。このため、二酸化チタンによる光触媒作用を有効に
発揮させることができる。
【0054】さらに、この光触媒セラミックスの使用に
より、表面が磨り減っても、内部から新しい二酸化チタ
ンが表出するので、光触媒作用を保持することができ
る。
【0055】さらにまた、この光触媒含有セラミックス
は、二酸化チタンの光触媒作用により、タンニン酸、ホ
ルムアルデヒド、花粉、農薬等の有機物の分解、アンモ
ニア等の無機系悪臭ガスの分解、窒素酸化物(NOx)
の分解、酵母、細菌等の微生物やカビ類の殺菌・防カビ
等の機能を発揮させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/00 B01D 53/36 J C04B 35/00 H G C04B 35/00 H (72)発明者 木村 かず子 兵庫県三田市天神3丁目14番68号 (72)発明者 宮本 佳代子 兵庫県西宮市高座町3番31号 (72)発明者 林田 悠紀夫 東京都世田谷区若林1丁目9番18号 Fターム(参考) 4D048 AA08 AA19 AA22 AB03 BA07X BA41X EA01 4G030 AA16 BA34 CA01 GA27 HA05 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA16A BA16B BA48A CA01 CA10 CA17 CD10 DA05 EA02Y EC22X EC22Y FA02 FA03 FB06 FB23 FB30 FC07 FC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス中に二酸化チタンを含有
    し、この二酸化チタン中のアナターゼ型結晶構造を有す
    る二酸化チタン含有量が80%以上である光触媒含有セ
    ラミックス。
  2. 【請求項2】 上記セラミックス中の二酸化チタンの含
    有割合が、0.5〜50重量%である請求項1に記載の
    光触媒含有セラミックス。
  3. 【請求項3】 アナターゼ型結晶構造を有する二酸化チ
    タン及び陶土に水を加えて混練し、800℃以下で焼成
    した光触媒含有セラミックス。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光触
    媒含有セラミックスからなる光触媒消臭材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光触
    媒含有セラミックスからなる光触媒空気清浄材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光触
    媒含有セラミックスからなる殺菌・防カビ材。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光触
    媒含有セラミックスからなる有機物分解材。
JP2001243742A 2001-08-10 2001-08-10 光触媒含有セラミックス Pending JP2003055029A (ja)

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