JP2003054940A - メソ多孔体の製造法 - Google Patents
メソ多孔体の製造法Info
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Abstract
メソ多孔体を製造する。 【解決手段】 合成スメクタイトとカチオン性有機化合
物を複合させ、加熱処理によって多孔体を作成する方法
において、水熱条件を変化させることによって平均細孔
径を制御することを特徴とする耐熱性の高いメソ多孔体
の製造方法。
Description
方法に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明
は細孔径がメソポア領域で制御できる耐熱性のメソ多孔
体の製造方法に関する。
径を有する多孔体はビタミンや酵素などの生理活性物質
の分離や、合成化学における触媒などとして新たな利用
が図られている。しかしながら、従来の多孔体、例えば
ゼオライトでは最大で約0.9nmの細孔径のものしか得
られず、また、シリカゲル、γ−アルミナあるいは活性
炭はメソポア領域の細孔径も有する多孔体ではあるが、
細孔径が1nmから100nmという広範囲にわたってお
り、分離材や触媒に用いるには不適当であった。
する試みがなされ、このような層間架橋多孔体として、
例えば膨潤性の層状ケイ酸塩であるスメクタイト又は合
成のスメクタイト類似構造をもつ層状化合物の層間に、
アルミニウムヒドロキシドの多価カチオンを陽イオン交
換により導入したのち、加熱処理し、該アルミニウムヒ
ドロキシドを脱水してアルミナの柱とした比表面積22
8m2/gをもつアルミナ架橋のスメクタイトが提案さ
れている[ Chem. Commun., 1074〜1076頁(1
986年)]。
多孔体は、層間に導入するアルミニウムヒドロキシド溶
液の調製や、スメクタイトとアルミニウムヒドロキシド
とを反応させるのに長時間を要し、かつ合成操作が煩雑
であるため、良好な再現性が得られにくい上、その細孔
径がフォジャサイト型ゼオライトに近い約0.9nmであ
り、触媒や分離材としては用途が制限されるのを免れな
い。
あるスメクタイト無機層間化合物とカチオン性有機化合
物を反応させ、得られた反応生成物を100〜1000
℃で加熱して得られる多孔質材料(特許公報(B2)平
4−17915号) が提案されているが、メソ多孔体
であるかどうかは不明である。
な従来の多孔体の製造方法の欠点を克服し、水熱合成ス
メクタイトから平均細孔径が制御されたメソ多孔体の製
造方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。本発明においては、これらの課題を長年鋭意検討を
重ねた結果、メソ領域の平均細孔径が制御されたメソ多
孔体の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
スメクタイトとカチオン性有機化合物を複合させ、次い
で反応生成物を100℃乃至1000℃で加熱処理する
方法において、水熱合成条件を変えることによって平均
細孔径を制御することを特徴とするメソ多孔体の製造方
法である。本発明を実施することで、種々の平均細孔径
を有するメソポア多孔体を製造することを可能にした。
方法について詳細に説明する。本発明において原料とす
るスメクタイトは水熱合成した3−八面体型スメクタイ
トである。
であり、次の式(1)〜(3)に示すヘクトライト、サ
ポナイト及びスチブンサイトに分類されている[ジー・
ダブリュウ・ブリンドレイ及びジー・ブラウン(G.W.Br
indley and G.Brown)編、ミネラロジカル・ソサイエテ
ィー・モノグラフ・ナンバー・ファイブ(Mineralogica
l Society Monograph No.5 )、第170ページ,ミネ
ラロジカル・ソサイエティー(Mineralogical Societ
y),1980年]。
及びnは、それぞれアルカリ金属,原子欠如及び層間の
水分子数を表している。] ヘクトライトは、八面体シート中の2価のマグネシウム
が、1価のリチウムと置換することによりケイ酸塩層に
陰電荷が発現し、スチブンサイトにおいては、マグネシ
ウムの一部が欠如することにより陰電荷が発現し、及び
サポナイトにおいては四面体シート中の4価のケイ素が
3価のアルミニウムと置換することによって陰電荷が発
現すると考えられている。これらのケイ酸塩層の陰電荷
を補うため層間にアルカリ金属など陽イオンが入り、構
造は電気的に中性となっている。また、式(1)におけ
るyの値は、通常0.2〜0.5であり、理想的な組成
では0.33とされており、また式(2)におけるyの
値は通常0付近であり、yの値が0の場合xの値は0.2
〜0.5、理想的な組成では0.33とされており、更
に、式(3)におけるyの値は、通常0.1〜0.3で
あり、理想的な組成では0.17とされている。
公知であり、ヘクトライトについては、特公昭61−1
2848号公報等、サポナイトについては、特公平6−
62290号公報等及びスチブンサイトについては、特
公昭63−6485号公報等を例示することができ、更
に、式(1)〜(3)の化合物の水酸基をフッ素で置換
した化合物も合成されている。これらのヘクトライト、
サポナイト及びスチブンサイトは、塗料、化粧品、医薬
品等に使用できることも知られている。
シート中のマグネシウムの代わりにCo、Ni、Fe、Zn、C
u、Mn、Pb、Cd等の2価重金属イオンから選んだ少なく
とも1個の重金属イオンと一部あるいは全てを置換した
重金属3−八面体型スメクタイトも合成でき、例えば特
許第1841413号、特許第1841414号等を例
示することができる。
によって同定することができる。d(06)の値は1.
51〜1.54Åの範囲であり、鉄が入った場合にd値
の値が更に大きくなる傾向が認められる。3−八面体型
スメクタイトは15Å付近にややシャープあるいはブロ
ードな(001)反射が認められる場合が多い。またh
k反射では(02,11)のピークが4.55Å付近
に、また(13,20)のピークが2.60Å付近に認
められる。
よって製造される。スメクタイトは、酸及び/あるいは
アルカリを用いて、水ガラス、、Mg、Co、Ni等の2価金
属塩から調製したスメクタイト組成の含水酸化物をスラ
リーとし、オートクレーブに仕込み、通常は、100〜
300℃の温度、自成圧力下で1〜24時間合成され
る。
いスメクタイトが得られやすく、比表面積が小さくなる
傾向が認められる。本発明の製造方法によれば、スラリ
pHが同じ場合、合成温度が高くなると製造されるメソ多
孔体の比表面積が小さくなり、平均細孔径が大きくなっ
ている場合が多い。本発明においては水熱合成温度は好
ましくは100℃以上であり、より好ましくは100℃
乃至400℃であり、及び最も好ましくは100℃乃至3
00℃である。
度における自成圧力が通常用いられるが、加圧して行う
ことは一向にさしつかえない。
酸化物等原料固形物を分散させたスラリーが用いられる
が、合成pHが生成するスメクタイトの結晶性あるいは多
孔性に影響を与える。一般的には合成pHが高いほど、ス
メクタイトの結晶性が良くなり、比表面積は小さくな
る。本発明においては反応前のスラリーのpHは好ましく
は4〜14、より好ましくは5〜13、及び最も好まし
くは6〜13のpH範囲を選択できる。
ほどスメクタイトの結晶性が良くなる傾向が認められ
る。本発明では好ましくは0.1〜48時間、より好ま
しくは0.1〜24時間及び最も好ましくは0.1〜1
0時間の範囲で目的の水熱条件下における反応時間を選
択できる。
トは市販製品でも用いることができラポナイト、ルーセ
ンタイト、スメクトン、チクソピー等の商品名を有する
合成ヘクトライト、合成スチブンサイト、合成サポナイ
トの市販製品を出発原料として使用できる。
物は脂肪族および芳香族のアルキル基を有する第1級ア
ミン、第2級アミン、第3級アミン、第1級アンモニウ
ム塩、第2級アンモニウム塩、第3級アンモニウム塩、
第4級アンモニウム塩、金属イオン分析用発色試薬、色
素、染色剤などならびにそれらの混合物からなる群より
選択される。本発明においては1種類のカチオン性有機
物を使用できるが、2種類以上のカチオン性有機化合物
を混合して用いても良い。
物として第四級アルキルアンモニウム化合物を良好に用
いることができる。第四級アルキルアンモニウム化合物
は原子団NH4 +のHの全てあるいは一部を脂肪族およ
び/あるいは芳香族のアルキル基で置換した化合物で、
通常ハロゲン化物等の塩化合物を含み、R 4NX(Rは
脂肪族および/あるいは芳香族のアルキル基を表し、N
は窒素原子であり、及びXはハロゲンを示す)で示され
る。アルキル基としてメチル基、エチル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデ
シル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシ
ル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、フェ
ニル基等を含む第四級アルキルアンモニウム化合物を単
独にあるいは適宜混合して本発明に用いることが出来
る。ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ス
テアリルトリメチルアンモニウムクロライド、n-ドデシ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルア
ンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロ
ライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等は本発
明に好適に用いられる。
されており、例えばARQUAD(アーカード)、ETHOQUAD
(エソカード)、DUOMEEN(デュオミン)、ETHOMEEN
(エソミン)等の商品名で販売されている。本発明では
ARQUAD―2HT,ARQUAD―2C、ARQUAD―S、ARQUAD―
CB、ARQUAD―18、ARQUAD―16、ARQUAD―12、ET
HOQUAD―C/12、ETHOQUAD―O/12、ETHOQUAD―1
8/12、ETHOQUAD―C/25、ETHOQUAD―O/25、
ETHOQUAD―18/25,DUOMEEN―C,DUOMEEN―S、DU
OMEEN―T、DUOMEEN―O、ETHOMEEN―C、ETHOMEEN―
S、ETHOMEEN―T、ETHOMEEN―18等を単独にあるいは
混合して適宜用いることができる。ARQUAD―2HT7
5,ARQUAD―2C75等は本発明に好適に用いられる。
物の量はモル換算で合成スメクタイト中のSi=8とし
た場合、好ましくは0.1〜10の範囲であり、より好
ましくは0.1〜46の範囲であり、最も好ましくは
0.1〜5の範囲である。本発明のメソ多孔体では使用
するカチオン性有機化合物の量を多くするほど平均細孔
径が大きくなる傾向が認められる。
物は水溶液中で反応させ、複合化される。スメクタイト
製造時に得られる生成スラリーとカチオン性有機化合物
を反応させることもできる。また粉末状の合成スメクタ
イトを用いる時は、まず最初に1〜10wt%のスメクタ
イト分散水溶液を調製し、その中へカチオン性有機化合
物を添加し、特に加温する必要がない場合もあるが、通
常は加温して反応させる。反応温度は好ましくは30〜
100℃、より好ましくは40〜100℃及び最も好ま
しくは50〜100℃の温度範囲が選択される。反応時
間は好ましくは5分〜24時間、より好ましくは10分
〜10時間及び最も好ましくは20分〜5時間の範囲が
選択される。
熱条件で得られたものを用いることが多いが、異なった
条件で得られた試料を混合して用いることもできる。例
えば、2種類の試料を用いた場合に得られるメソ多孔体
の平均細孔径は単独に使用して得られる2つのメソ多孔
体の平均細孔径の間になること場合が多い。混合割合は
適宜如何様にも選択できる。目的に応じて水熱合成条件
の異なる3種以上の試料を用いることもできる。
組成の異なる試料を混合することもでき、触媒活性等の
目的に対応したメソ多孔体を設計できる。また、構造の
異なるスチブンサイト、ヘクトライトあるいはサポナイ
トを混合して用いても良い。
孔径は好ましくは2nm乃至30nm、より好ましくは2nm
乃至20nm、及び最も好ましくは2nm乃至15nmの範囲
で選択できる。また本発明で製造されるメソ多孔体の平
比表面積は好ましくは100m2/g乃至1000m2
/g、より好ましくは200m2/g乃至1000m2/
g、及び最も好ましくは200m2/g乃至900m2/
gの範囲で選択できる。更に本発明で製造されるメソ多
孔体の細孔容積は好ましくは0.1ml/g乃至2ml/g、
より好ましくは0.1ml/g乃至1.5ml/g、及び最も
好ましくは0.2ml/g乃至1.5ml/gの範囲で選択で
きる。
トの層間に導入されて複合化されると考えられる。スメ
クタイトは層電荷を有しており、層構造中に陰電荷が存
在してマイナスに帯電しており、電気的中性を保つため
アルカリ陽イオンが層間に存在している。層電荷は理想
構造のスメクタイトではSi=8に対して0.67とされ
ているが、通常の合成スメクタイトでは0.1〜1.0
の値であると考えられる。従って1.0程度のカチオン
性有機化合物はイオン交換で複合化され、層間を広げて
いると考えられる。原料中に含有されているナトリウ
ム、カリウム等の交換性陽イオンはカチオン性有機化合
物の使用量がイオン交換容量より多い場合、ほぼ完全に
イオン交換によって除去されるが、イオン交換の割合は
使用するカチオン性有機化合物の量によって規定され、
化学分析によって確認できる。陽イオン交換容量は例え
ばメチレンブルー吸着測定によって求めることができ
る。本発明では例えば0.1〜10のカチオン性有機化
合物が使用可能であるが、スメクタイトの層電荷量すな
わち陽イオン交換容量より大きい値のカチオン性有機化
合物は陰イオンが結合した中性塩の形で層間に導入され
ていると考えられる。本発明においてはカチオン性有機
化合物と共に、中性有機化合物やアニオン性有機化合物
を一緒に用いることもできる。
物の複合生成物を取り出し、好ましくは100℃〜10
00℃、より好ましくは300℃〜1000℃、及び最
も好ましくは400℃〜900℃の温度で加熱処理する
ことにより最終製品が得られる。加熱処理する前に反応
生成物をあらかじめ乾燥する必要はないが、乾燥するこ
とは一向にさしつかえない。加熱時間は30分〜2時間
程度で十分あるが、より長時間加熱処理するのは一向に
差し支えない。加熱処理は通常空気雰囲気中で実施され
ることが多いが、酸素、窒素、アルゴンガス雰囲気下で
処理しても良い。前記のガスや空気を流通させて加熱処
理しても良い。乾燥後、微粉末とし、用途に応じた成形
体にして加熱処理することもできる。また、用途によっ
ては反応生成物を直接成形した後、加熱処理してメソ多
孔体とすることもできる。あるいは加熱して、メソ多孔
体とした後、粉砕、整粒、成形して最終製品とすること
もできる。
にアンモニウム塩を用いることができる。この場合、製
造できるメソ多孔体の平均細孔径はカチオン性有機化合
物を用いた場合より小さくなる傾向が認められる。アン
モニウム塩として塩化アンモニウム、アンモニア水、水
酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム等を単独にあるいは混合して使用することができる。
メソ多孔体はX線粉末回折、示差熱分析、赤外線スペク
トル、化学分析、比表面積測定、細孔分布測定などによ
って評価することができる。本発明のメソ多孔体はCu−
Kα線を用いた場合の回折角(2θ)が(hk) 反射の
(06, 33)について通常60.5度から62.5度
の間に現れ、スメクタイト類似構造の化合物を含有して
いると考えられる。しかしながら、出発原料である合成
スメクタイトで認められた15Å付近の(001)反射
はメソ多孔体ではほとんど認められなくなる。本発明製
品の比表面積を測定した場合、出発原料とした合成スメ
クタイトの比表面積の値よりも増大し、インタカレート
させるカチオン性有機化合物の種類およびその量にもよ
るが一般にはその増大は2〜100倍程度に達し、60
0度加熱処理で通常200〜1000m2/gの極めて大
きい比表面積を示し、出発原料として用いたスメクタイ
トより耐熱性が高くなることが認められる。
明する。しかしながら本実施例は本発明を具体的に説明
したものであり、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。
入れ、3号水ガラス(SiO2=29.04wt%、Na
2O=9.40wt%、SiO2/Na2Oモル比=3.
19)90gを溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液1
20mlを加えてA液を得た。次に、水200mlに塩化コ
バルト六水和物特級試薬74.7gを加えたB液を調製
した。次いで、前記A液中にB液をかき混ぜながら5分
間で滴下し、さらに1時間かき混ぜた。得られた含水酸
化物である反応複合沈殿物を濾過し、十分に水洗いした
のち、3N水酸化ナトリウム水溶液36mlを加えてスラ
リー状として1リットル内容積のオートクレーブに移
し、0.59MPa、及び150℃で4時間反応させ
た。反応前後のpHは12.5から11.9に変化し
た。得られたスラリーに東京化成工業(株)社製ジステ
アリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量58
7)をSi=8に対してモル換算で0.7の量を加えて
50℃に加温し、撹拌しながら16時間放置した。その
後、濾過し、60度の温水1〜2リットルで十分に洗浄
した。濾過後、マッフル炉で80℃、24時間乾燥し
た。本試料を電気炉中で600℃、2時間焼成し、本発
明製品を得た。80℃乾燥試料についてX線回折装置で
調べた所2.7nm付近に(001)反射ピークを有する
有機Co−スチブンサイト複合体が形成されているのが判
明した。またスメクタイト特有の(02,11)、(2
0,13)及び(06,33)のピークもそれぞれ4.
55Å、2.61Å及び1.52Å付近に認められてい
る。窒素吸着等温線(−196℃)から得られた本製品
の比表面積:807m2/g、細孔容積:0.93ml/g
及び平均細孔径4.6nmのメソ多孔体が得られた。
ラリーを得た。冷却後、このスラリーを濾過して、反応
生成物を取り出し、80℃で乾燥した。14.3Å付近
に(001)反射ピークを有しており、スメクタイトと
同様なパターンを示し、(02,11)、(20,1
3)及び(06,33)のピークがそれぞれ4.55
Å、2.61Å及び1.52Å付近に認められた。蛍光
X線法による化学組成は Si−Co−Na=8−5.97−
0.53であり、化学組成およびX線回折の結果からCo
−スチブンサイトであると考えられる。メチレンブルー
吸着量から求めた陽イオン交換容量は0.66当量/g
であった。本試料を800℃で2時間焼成して本製品を
得た。窒素吸着等温線から求めた比表面積は2.6m2
/gであった。
た。ただし、水熱合成条件を4.12MPaおよび250
℃とし、反応前後のpHは12.5から12.2に変化し
た。窒素吸着等温線から得られた本製品の比表面積:3
40m2/g、細孔容積0.58ml/g及び平均細孔径
6.8nmであり、実施例1より大きいメソ多孔体が得ら
れた。
た。ただし、スラリーを調製する際、3N水酸化ナトリ
ウム水溶液の代わりに水40mlを加えてスラリーとし
た。反応前後のpHは6.7から6.3へ変化した。窒素
吸着等温線から得られた本製品の比表面積:519m2
/g、細孔容積:1.14ml/g及び平均細孔径:8.8
nmのメソ多孔体が得られた。
た。ただし、スラリーを調製する際、3N水酸化ナトリ
ウム水溶液36mlの代わりに32mlを加えてスラリーと
した。反応前後のpHは11.9から11.4へ変化し
た。更にジステアリエウジメチルアンモニウムクロラド
をSi=8に対してモル換算で2.1の量を使用した。
窒素吸着等温線から得られた本製品の比表面積:482
m2/g、細孔容積:0.89ml/g及び平均細孔径:
7.4nmのメソ多孔体が得られた。
た。ただし、水熱合成条件7.6MPaおよび290℃と
し、反応前後のpHは11.9から11.1に変化した。
窒素吸着等温線から得られた本製品の比表面積:232
m2/g、細孔容積:0.69ml/g及び平均細孔径:1
1.9nmであるメソ多孔体が得られた。
成条件の操作で得られた2種類の合成スメクタイト試料
それぞれ等量を秤量し、それらを混合して出発原料スメ
クタイトとして用い、実施例1に従って発明製品を得
た。窒素吸着等温線から得られた比表面積:390m2
/g、細孔容積:0.95ml/g及び平均細孔径:9.7
nmのメソ多孔体が得られた。本製品は実施例4と実施例
5の製品のほぼ中間の平均細孔径になっており、細孔容
積は単独の水熱条件で得られた製品より大きい値となっ
ていた。
製品をそれぞれ等量を秤量し、それらを物理的に混合し
たメソ多孔体を作製した。本製品の窒素吸着等温線から
得られた比表面積:357m2/g、細孔容積:0.79
ml/g及び平均細孔径:7.9nmであり、実施例6とは
異なり、実施例4に近い平均細孔径を有したメソ多孔体
であった。
た。ただし、カチオン性有機化合物の代わりに塩化アン
モニウム水溶液を用い、Si=8に対して2.1の量を
使用した。窒素吸着等温線から得られた本製品の比表面
積:391m2/g、細孔容積:0.25ml/g及び平均
細孔径:2.6nmのメソ多孔体が得られた。
た。ただし、水熱合成条件を圧力1.66MPaおよび
温度200℃とした。また塩化アンモニウムの代わりに
アンモニア水を用いた。窒素吸着等温線から得られた本
製品の比表面積:322m2/g、細孔容積:0.26ml
/g及び平均細孔径:3.2nmのメソ多孔体が得られた
た。ただし、水熱合成条件を圧力4.12Mpaおよび温
度250℃とした。窒素吸着等温線から得られた本製品
の比表面積:205m2/g、細孔容積:0.24ml/g
及び平均細孔径:4.7nmのメソ多孔体が得られた
イトとカチオン性有機化合物を複合させ、次いで反応生
成物を100℃乃至1000℃で加熱処理する方法にお
いて、スメクタイトの水熱合成条件を変えることによっ
て平均細孔径を制御することを特徴とするメソ多孔体の
製造方法に係り、(1)耐熱性の高いメソ多孔体が得ら
れる。(2)スメクタイトの水熱合成において、水熱合
成温度とスラリーのpHを変化させることによりメソ多孔
体の平均細孔径を制御できる。(3)水熱合成条件の異
なる2種以上のスメクタイトを組合せせることによりメ
ソ多孔体の平均細孔径を制御できる。(4)コバルト等
の2価重金属を構造中い含有させることができるため、
触媒、触媒担体、抗菌剤、吸着剤などとして有用である
等の格別の効果を奏する。
Claims (10)
- 【請求項1】 スメクタイトとカチオン性有機化合物を
複合させ、次いで反応生成物を100℃乃至1000℃
で加熱処理する方法において、スメクタイトの水熱合成
条件を変えることによって平均細孔径を制御することを
特徴とするメソ多孔体の製造方法。 - 【請求項2】 水熱合成条件において水熱合成温度を変
化さすことを特徴とする請求項1のメソ多孔体の製造方
法。 - 【請求項3】 水熱合成条件において原料スラリーのpH
を変化さすことを特徴とする請求項1乃至2のメソ多孔
体の製造方法。 - 【請求項4】 水熱合成条件の異なる合成法で得られ
た、2種以上の合成スメクタイトを混合して用いること
を特徴とする請求項1乃至3の製造方法。 - 【請求項5】 カチオン性有機合成化合物として第四級
アルキルアンモニウム化合物を用いることを特徴とする
請求項1乃至4の製造方法。 - 【請求項6】 カチオン性有機合成化合物としてジステ
アリルジメチルアンモニウムクロライドを用いることを
特徴とする請求項1乃至5の製造方法。 - 【請求項7】 スメクタイトとアンモニウム塩を複合さ
せ、次いで反応生成物を100℃乃至1000℃で加熱
処理する方法において、水熱合成条件を変えることによ
って平均細孔径を制御することを特徴とするメソ多孔体
の製造方法。 - 【請求項8】 アンモニウム塩が塩化アンモニウム及び
/あるいはアンモニア水であることを特徴とする請求項
7の製造方法。 - 【請求項9】 スメクタイトとして3−八面体型スメク
タイトを用いることを特徴とする請求項1乃至8の製造
方法。 - 【請求項10】 平均細孔径が2〜20nmであることを
特徴とする請求項1乃至9の製造方法。
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JP2001250968A Pending JP2003054940A (ja) | 2001-08-22 | 2001-08-22 | メソ多孔体の製造法 |
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JP (1) | JP2003054940A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009242617A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Akebono Brake Ind Co Ltd | 多孔質フィラーの製造方法および多孔質フィラー |
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2001
- 2001-08-22 JP JP2001250968A patent/JP2003054940A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009242617A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Akebono Brake Ind Co Ltd | 多孔質フィラーの製造方法および多孔質フィラー |
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