JP2003054480A - 電動モータ付き自転車の制御方法 - Google Patents

電動モータ付き自転車の制御方法

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JP2003054480A
JP2003054480A JP2002227819A JP2002227819A JP2003054480A JP 2003054480 A JP2003054480 A JP 2003054480A JP 2002227819 A JP2002227819 A JP 2002227819A JP 2002227819 A JP2002227819 A JP 2002227819A JP 2003054480 A JP2003054480 A JP 2003054480A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人力駆動系と電気駆動系とを並列に設け、人
力による踏力の変化に対応して電気駆動系の出力を制御
する電動モータ付き自転車において、踏力FLと車速S
とを用いてモータの駆動力FMを設定する場合に、車速
を検出するための専用のセンサを設ける必要を無くし、
装置の小型化を図り、機械的構造を単純にして信頼性を
向上させる。 【解決手段】 踏力を検出する踏力検出手段と、踏力検
出手段が出力する踏力の振幅内に設定された基準値が踏
力に一致する1つおきの一致点間の時間を計測して車速
を求める車速検出手段と、踏力と車速とを用いて電動モ
ータによる駆動力を制御するコントローラとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、人力による駆動系と電
動モータによる駆動系とを並列に設け、電動モータによ
る駆動力を人力による駆動力(以下踏力という)と車速
との変化に対応して制御するようにした電動モータ付き
自転車に関するものである。 【0002】 【従来の技術】踏力を検出し、この駆動力の大小に対応
して電動モータの駆動力を制御するものが公知である
(実開昭56−76590、特開平2−74491
号)。すなわち人力の負担が大きい時には電動モータの
駆動力も増やして人力の負荷を減らすものである。 【0003】ここに従来は踏力FLに対してモータ駆動
力FMを一定の比率で設定していた。すなわち両者の比
M/FLを補助率ηと定義し、この補助率ηを一定にし
ていた。 【0004】 【従来の技術の問題点】しかし低速時と高速時では必要
とするモータ駆動力FMも変わるからこの補助率ηも車
速Sにより変化させることが考えられる。 【0005】またペダルを踏まず隋性走行あるいは降坂
走行している時には踏力が0であり、モータ駆動力も0
になる。この状態からペダルを再び踏み始めるとモータ
はほぼ速度0の状態から車速Sに一致する速度に達する
まで急速に加速しなければならず、この間に時間遅れが
発生する。この時間遅れを無くすために車速Sを検出し
ておき、踏力0の状態でもこの車速Sに対応する電圧を
モータに印加しておくことが考えられている(特願平4
−82917号参照)。 【0006】これらのように踏力FLだけでなく車速S
も検出して両者に基づいてモータ駆動力FMを決める場
合には、車速Sを検出するためのセンサが必要になる。
従来はこの車速Sのセンサをクランクペダルや車輪また
はこれらと同期して回転する位置に設けていた。 【0007】このためセンサの設置空間を確保する必要
があり、装置の小型化の障害となるばかりでなく、防
塵、防水等の対策が必要になるために機械的構造が複雑
で信頼性が低下するという問題があった。 【0008】 【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、踏力FLと車速Sとを用いてモータの駆動
力FMを設定する場合に、車速を検出するための専用の
センサを設ける必要が無くなり、装置の小型化に適し、
機械的構造を単純にして信頼性を向上させることができ
る電動モータ付き自転車を提供することを目的とする。 【0009】 【発明の構成】本発明によればこの目的は、人力駆動系
と電気駆動系とを並列に設け、人力による踏力と車速と
の変化に対応して前記電気駆動系の電動モータの出力を
制御する電動モータ付き自転車において、踏力を検出す
る踏力検出手段と、前記踏力検出手段が出力する踏力の
振幅内に設定された基準値が前記踏力に一致する1つお
きの一致点間の時間を計測して車速を求める車速検出手
段と、前記踏力と車速とを用いて前記電動モータによる
駆動力を制御するコントローラとを備えることを特徴と
する電動モータ付き自転車により達成される。 【0010】 【実施例】図1は本発明の一実施例の側面図、図2はそ
の動力系統図、図3はその動力系の展開図、図4は踏力
の検出部を示す側面図、図5はそのV−V線断面図、図
6は本発明に係る車速検出手段のブロック図、図7はそ
の各部出力波形図、図8は加速時の動作説明図、図9は
定速走行時の動作説明図である。 【0011】図1において、符号10はメインフレーム
であり、ヘッドパイプ12から斜下後方へのびて後輪1
4の車軸に至る。このメインフレーム10にほぼ直交す
るようにシートチューブ16が固着され、このシートチ
ューブ16の上端にはサドル18を支持するシートポス
ト20が固定されている。 【0012】シートチューブ16の下部には下に開いた
筒部16aが形成され、この中に直流電動モータ22が
収容される。シートチューブ16の下端には動力ユニッ
ト24が固定されている。この動力ユニット24はボト
ムブラケットケース(以下BBケースという)26と、
このBBケース26から後方へのびるリヤステー28と
を備え、このリヤステー28の後端には後輪14が固定
されている。なお右側のリヤステー28(図3)には駆
動軸30が挿通される。 【0013】次に動力ユニット24を説明する。図1、
3においてBBケース26にはクランク軸32が貫挿さ
れ、その両端にクランク34が固定されている。クラン
ク34にはクランクペダル36、36が取付けられてい
る。 【0014】後輪14の車軸38の左端は、左のリヤス
テー28に固着したエンドプレート28aに固定され、
この車軸38の右端は右のリヤステー28に固定された
傘歯車ケース40に固定されている。車軸38にはハブ
42が回転自在に保持され、このハブ42には駆動軸3
0の回転が傘歯車機構44を介して伝えられる。 【0015】前記電動モータ22はBBケース26に上
から図3に示すように嵌合されて固定され、そのモータ
軸22aはクランク軸32に直交しかつ車体幅方向中央
付近に位置する。BBケース26は、シートチューブ1
6の筒部16a内にこのモータ22を下から挿入するよ
うにして筒部16aに嵌合され、4本のボルト46(図
3参照)によって結合される。 【0016】このモータ22の回転は図3に示すよう
に、一方向クラッチ48、遊星歯車式減速機50、小傘
歯車52、大傘歯車54を介して、クランク軸32に回
転自在に保持された筒型の合力軸56に伝えられる。こ
の合力軸56の回転はさらに傘歯車機構58によって前
記駆動軸30に伝えられる。 【0017】後輪14からモータ22へ向う回転はハブ
42に内装した一方向クラッチ43により遮断される。
なお前記遊星歯車式減速機50は公知のものであり、モ
ータ22により回転されるサンギヤとBBケース26に
固定されたリングギヤとの間にあってこれらに噛合する
遊星ギヤの公転を小傘歯車52に伝えるものである。 【0018】一方ペダル36から人力により入力される
回転は、クランク軸32、一方向クラッチ60、遊星歯
車式増速機62を介して大傘歯車54に伝えられる。こ
のためクランク軸32から入力された回転はこの大傘歯
車54から合力軸56、傘歯車機構58を介して駆動軸
30に伝えられる。このクランク軸32の回転はモータ
22の停止中にはクラッチ48の作用によりモータ22
に伝わらない。またクランク軸32の停止中あるいは逆
転中にはクラッチ60の作用によりモータ22の回転は
クランク軸32に伝わらない。ここに駆動軸30はモー
タ軸22aを含む車体前後方向の平面Aの右側に位置す
る(図3参照)。 【0019】遊星歯車式増速機62は図3、5に示すよ
うに、大傘歯車54に固定されたリングギヤ62aと、
踏力検出レバー64に固定されたサンギヤ62bとこれ
らの間に介在する遊星ギヤ62cとを備える。クランク
軸32はこの遊星ギヤ62cを一方向クラッチ60を介
して公転させる。 【0020】なお踏力検出レバー64は、ペダル36に
よる人力駆動時の駆動力をサンギヤ62bに加わる反力
により検出する踏力検出手段65の一部を構成するもの
である。この踏力検出手段65は前記平面Aの左側に位
置する。 【0021】すなわちこの踏力検出手段65のレバー6
4は、図4、5に示すように2つの突起64a、64b
を持ち、一方の突起64aはストッパ66に当接して図
4で時計方向への回転、換言すればペダル36の踏力が
加わる方向と逆方向の回転を規制する。突起64bには
他の第2のレバー68が当接し、レバー64の反時計方
向の回転によってこの第2のレバー68が時計方向に回
転する。 【0022】この第2のレバー68には復帰ばね70に
より復帰習性が付与され、これによりレバー64は図4
で時計方向への復帰習性が付与される。そしてこの第2
のレバー68の回転量は踏力センサとしてのポテンショ
メータ72に伝えられる。この結果ペダル36の踏力に
比例してレバー64が図4で時計方向に回動し、第2の
レバー68が時計方向に回動するから、この踏力がポテ
ンショメータ72の回転量から求められる。 【0023】図1で80は鉛酸電池などの充電可能な電
池、82はコントローラであり、これらは前記メインフ
レーム10のヘッドパイプ12とシートチューブ16と
の間に収容されている。 【0024】次に車速検出手段84を説明する。この車
速検出手段84は図6に示す構成を持つ。すなわち踏力
検出手段72で検出した踏力FLを基準値F0と比較器8
6で比較し、この比較結果から矩形波発生回路88は図
7に示す矩形波aを出力する。この矩形波aの立上りに
基づいてモノマルチ90はパルスbを出力する。 【0025】ここに基準値F0は、通常の走行時に出力
される踏力FLの振幅内に入るように設定される。従っ
て比較器86はクランクの半周期内に必ず正負に1回だ
け反転する信号を出力することになり、モノマルチ90
が出力するパルスbは踏力FLが基準値F0に一致する一
致点のうち1つおきの一致点で出力されることになる。 【0026】このパルスbの周期tiはタイマ92で積
算される。この周期tiはクランクの回転速度に反比例
する。すなわち周期tiにおける車速SiはAを比例定数
としてSi=A/tiで求められる。車速演算部94はこ
の演算を行う。 【0027】以上の演算により、加速時の車速Sは図8
に示すように半周期遅れで求められる。またこの求めた
車速Sは半周期前の周期における平均車速になる。図9
は実際の車速SRが細かく変動しているのに対し演算さ
れた車速Sは一定になっていることを示す。 【0028】ポテンショメータ72で検出した踏力FL
および車速検出手段84で検出した車速Sはコントロー
ラ82に入力され、このコントローラ82はこの踏力F
Lと車速Sに基づいてモータ電流を制御しモータトルク
Mを発生させる。以下車速Sに対応して補助率ηを変
化させる実施例について説明する。図10はこの補助率
ηの特性図、図11はFLとFMの周期的変動を示す図で
ある。 【0029】図1で82aはメモリであり、車速Sに対
して変化する補助率ηを記憶する。この補助率ηは踏力
Lに対するモータ駆動力FMの比(FM/FL)で定義さ
れ、例えば図10に示すような特性に設定される。図1
0の特性は、車速SがSF以下で一定値η0、SF<S<
Eでは直線的に漸減し、[(SF−S)/(SF−FE
+a]…(1)で求められ、さらにSE<Sでは0にな
る。 【0030】コントローラ82では、まず車速Sに対す
る補助率ηをこのメモリ82aに記憶した特性を用いて
決定する。そしてこの時モータ22が出力すべき駆動力
Mを[FM=η・FL]により求める。 【0031】図11はこの時の合計駆動力F=FL+FM
の変化を示すものであり、(A)は車速SがSF以下の
低速時を、(B)はSF<S<SEの中速時を、(C)は
E<Sの高速時を示す。これらの図からも明らかなよ
うに、S<SFの低速域(A)ではη=η0(一定)であ
るから、モータ22による補助力である駆動力FMは、
M=η0・FLで求められ、踏力FLの周期的変化に対応
して合計駆動力Fも変化する。 【0032】SF<S<SEの中速域(B)では、ηは前
記(1)式により求められ、η0よりも小さくなる。さ
らにSE<Sの高速域(C)では、ηは0になり合計駆
動力Fは踏力FLだけになる。 【0033】以上の実施例は補助率ηを車速Sにより変
化させるものであるが、本発明はこれに限られるもので
はない。例えば前記したように、走行中に踏力FLが0
あるいは非常に小さくなった時にはこの車速Sに対応し
たモータ速度となるようにモータ電圧を印加しておき、
踏力FLが急増してペダルからの踏力FLが走行駆動力に
寄与し始めた時にモータの駆動力FMが即座に車輪に加
わるようにしたものなどであってもよい。 【0034】 【発明の効果】本発明は以上のように、踏力(FL)を
基準値(F0)と比較し、両者の一致点のうち1つおき
の一致点間の経過時間(ti)を求めて車速Sを演算に
より求めるものである。従って車速検出用に別途センサ
を設ける必要がなくなり、装置の小型化に適する。また
電気的に車速Sを演算するから防塵・防水などの対策が
簡単になり、機械的構造が非常に簡単で信頼性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の側面図 【図2】その動力系統図 【図3】その動力系の展開図 【図4】踏力の検出部を示す側面図 【図5】そのV−V線断面図 【図6】速度検出手段のブロック図 【図7】その各部出力波形図 【図8】加速時の動作説明図 【図9】定速走行時の動作説明図 【図10】補助率ηの特性図 【図11】踏力およびモータ駆動力の周期的変動を示す
図 【符号の説明】 14 後輪 22 電動モータ 72 踏力検出手段 82 コントローラ 84 車速検出手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成14年9月4日(2002.9.4) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 電動モータ付き自転車の制御方法 【特許請求の範囲】 【請求項1】 人力により駆動されるクランク軸の回転
を後輪に伝える人力駆動系と電動モータの出力を前記後
輪に伝える電気駆動系とを並列に設け、人力による踏力
の増減変化に対応して前記電気駆動系の電動モータの出
力を増減させるように制御する電動モータ付き自転車
制御方法であって、前記人力駆動系に加わる踏力を検出
し、前記踏力に対する電動モータの出力の比が車速の増
加に対して漸減するように前記電動モータを制御するこ
とを特徴とする電動モータ付き自転車の制御方法 【請求項2】 人力による踏力が略0になると、その時
の車速に対応するモータ速度となるように電動モータを
制御する請求項1の電動モータ付き自転車の制御方法。 【請求項3】 クランク軸の半回転に対して1回変化す
る踏力の変動周期から車速を検出し、走行中に踏力が略
0になるとその時の車速に対応するモータ速度となるよ
うに電動モータを制御する請求項2の電動モータ付き自
転車の制御方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、人力による駆動系と電
動モータによる駆動系とを並列に設け、電動モータによ
る駆動力を人力による駆動力(以下踏力という)に対応
して制御するようにした電動モータ付き自転車の制御方
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】踏力を検出し、この駆動力の大小に対応
して電動モータの駆動力を制御するものが公知である
(実開昭56−76590、特開平2−74491
号)。すなわち人力の負担が大きい時には電動モータの
駆動力も増やして人力の負荷を減らすものである。 【0003】ここに従来は踏力FLに対してモータ駆動
力FMを一定の比率で設定していた。すなわち両者の比
M/FLを補助率ηと定義し、この補助率ηを一定にし
ていた。 【0004】 【従来の技術の問題点】しかし低速時と高速時では必要
とするモータ駆動力FMも変わるからこの補助率ηを一
定にすると、全ての車速域で常に適切な駆動力が得るこ
とができなくなる。 【0005】またペダルを踏まず隋性走行あるいは降坂
走行している時には踏力が0であり、モータ駆動力も0
になる。この状態からペダルを再び踏み始めるとモータ
はほぼ速度0の状態から車速Sに一致する速度に達する
まで急速に加速しなければならず、この間に時間遅れが
発生する 【0006】この場合には踏力FLだけでなく車速Sも
検出して両者に基づいてモータを制御する必要があるか
ら、車速Sを検出するためのセンサ必要になる 【0007】このためセンサの設置空間を確保する必要
があり、装置の小型化の障害となるばかりでなく、防
塵、防水等の対策が必要になるために機械的構造が複雑
で信頼性が低下するという問題がある。 【0008】 【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、低速でペダルを強く踏んで走行する時など
には十分なモータ駆動による補助力を発生させ、反対に
高速時などのモータによる補助をあまり必要としない時
にはモータによる補助力を減らして適切な制御をするこ
とができる電動モータ付き自転車の制御方法を提供する
ことを第1の目的とする。また踏力が0から再びペダル
を踏み始める時にモータ速度がその時の車速に対応する
速度になるまでの時間遅れが発生するのを防ぐようにし
電動モータ付き自転車の制御方法を提供することを
2の目的とする。 【0009】 【発明の構成】本発明によれば第1の目的は、人力によ
り駆動されるクランク軸の回転を後輪に伝える人力駆動
系と電動モータの出力を前記後輪に伝える電気駆動系と
を並列に設け、人力による踏力の増減変化に対応して前
記電気駆動系の電動モータの出力を増減させるように
御する電動モータ付き自転車の制御方法であって、前記
人力駆動系に加わる踏力を検出し、前記踏力に対する電
動モータの出力の比が車速の増加に対して漸減するよう
に前記電動モータを制御することを特徴とする電動モー
タ付き自転車の制御方法により達成される。 【0010】第2の目的は、人力による踏力が略0にな
ると、その時の車速に対応するモータ速度となるように
電動モータを制御する請求項1の電動モータ付き自転車
の制御方法、により達成される。 【0011】 【実施例】図1は本発明の好適な一実施例の側面図、図
2はその動力系統図、図3はその動力系の展開図、図4
は踏力の検出部を示す側面図、図5はそのV−V線断面
図、図6は本発明に係る車速検出手段のブロック図、図
7はその各部出力波形図、図8は加速時の動作説明図、
図9は定速走行時の動作説明図である。 【0012】図1において、符号10はメインフレーム
であり、ヘッドパイプ12から斜下後方へのびて後輪1
4の車軸に至る。このメインフレーム10にほぼ直交す
るようにシートチューブ16が固着され、このシートチ
ューブ16の上端にはサドル18を支持するシートポス
ト20が固定されている。 【0013】シートチューブ16の下部には下に開いた
筒部16aが形成され、この中に直流電動モータ22が
収容される。シートチューブ16の下端には動力ユニッ
ト24が固定されている。この動力ユニット24はボト
ムブラケットケース(以下BBケースという)26と、
このBBケース26から後方へのびるリヤステー28と
を備え、このリヤステー28の後端には後輪14が固定
されている。なお右側のリヤステー28(図3)には駆
動軸30が挿通される。 【0014】次に動力ユニット24を説明する。図1、
3においてBBケース26にはクランク軸32が貫挿さ
れ、その両端にクランク34が固定されている。クラン
ク34にはクランクペダル36、36が取付けられてい
る。 【0015】後輪14の車軸38の左端は、左のリヤス
テー28に固着したエンドプレート28aに固定され、
この車軸38の右端は右のリヤステー28に固定された
傘歯車ケース40に固定されている。車軸38にはハブ
42が回転自在に保持され、このハブ42には駆動軸3
0の回転が傘歯車機構44を介して伝えられる。 【0016】前記電動モータ22はBBケース26に上
から図3に示すように嵌合されて固定され、そのモータ
軸22aはクランク軸32に直交しかつ車体幅方向中央
付近に位置する。BBケース26は、シートチューブ1
6の筒部16a内にこのモータ22を下から挿入するよ
うにして筒部16aに嵌合され、4本のボルト46(図
3参照)によって結合される。 【0017】このモータ22の回転は図3に示すよう
に、一方向クラッチ48、遊星歯車式減速機50、小傘
歯車52、大傘歯車54を介して、クランク軸32に回
転自在に保持された筒型の合力軸56に伝えられる。こ
の合力軸56の回転はさらに傘歯車機構58によって前
記駆動軸30に伝えられる。 【0018】後輪14からモータ22へ向う回転はハブ
42に内装した一方向クラッチ43により遮断される。
なお前記遊星歯車式減速機50は公知のものであり、モ
ータ22により回転されるサンギヤとBBケース26に
固定されたリングギヤとの間にあってこれらに噛合する
遊星ギヤの公転を小傘歯車52に伝えるものである。 【0019】一方ペダル36から人力により入力される
回転は、クランク軸32、一方向クラッチ60、遊星歯
車式増速機62を介して大傘歯車54に伝えられる。こ
のためクランク軸32から入力された回転はこの大傘歯
車54から合力軸56、傘歯車機構58を介して駆動軸
30に伝えられる。このクランク軸32の回転はモータ
22の停止中にはクラッチ48の作用によりモータ22
に伝わらない。またクランク軸32の停止中あるいは逆
転中にはクラッチ60の作用によりモータ22の回転は
クランク軸32に伝わらない。ここに駆動軸30はモー
タ軸22aを含む車体前後方向の平面Aの右側に位置す
る(図3参照)。 【0020】遊星歯車式増速機62は図3、5に示すよ
うに、大傘歯車54に固定されたリングギヤ62aと、
踏力検出レバー64に固定されたサンギヤ62bと
れらの間に介在する遊星ギヤ62cとを備える。クラン
ク軸32はこの遊星ギヤ62cを一方向クラッチ60を
介して公転させる。 【0021】なお踏力検出レバー64は、ペダル36に
よる人力駆動時の駆動力をサンギヤ62bに加わる反力
により検出する踏力検出手段65の一部を構成するもの
である。この踏力検出手段65は前記平面Aの左側に位
置する。 【0022】すなわちこの踏力検出手段65のレバー6
4は、図4、5に示すように2つの突起64a、64b
を持ち、一方の突起64aはストッパ66に当接して図
4で時計方向への回転、換言すればペダル36の踏力が
加わる方向と逆方向の回転を規制する。突起64bには
他の第2のレバー68が当接し、レバー64の反時計方
向の回転によってこの第2のレバー68が時計方向に回
転する。 【0023】この第2のレバー68には復帰ばね70に
より復帰習性が付与され、これによりレバー64は図4
で時計方向への復帰習性が付与される。そしてこの第2
のレバー68の回転量は踏力センサとしてのポテンショ
メータ72に伝えられる。この結果ペダル36の踏力に
比例してレバー64が図4で時計方向に回動し、第2
のレバー68が時計方向に回動するから、この踏力がポ
テンショメータ72の回転量から求められる。 【0024】図1で80は鉛電池などの充電可能な電
池、82はコントローラであり、これらは前記メインフ
レーム10のヘッドパイプ12とシートチューブ16と
の間に収容されている。 【0025】次に車速検出手段84を説明する。この車
速検出手段84は図6に示す構成を持つ。すなわち踏力
検出手段72で検出した踏力FLを基準値F0と比較器8
6で比較し、この比較結果から矩形波発生回路88は図
7に示す矩形波aを出力する。この矩形波aの立上りに
基づいてモノマルチ90はパルスbを出力する。 【0026】ここに基準値F0は、通常の走行時に出力
される踏力FLの振幅内に入るように設定される。従っ
て比較器86はクランクの半周期内に必ず正負に1回だ
け反転する信号を出力することになり、モノマルチ90
が出力するパルスbは踏力FLが基準値F0に一致する一
致点のうち1つおきの一致点で出力されることになる。 【0027】このパルスbの周期tiはタイマ92で積
算される。この周期tiはクランクの回転速度に反比例
する。すなわち周期tiにおける車速SiはAを比例定数
としてSi=A/tiで求められる。車速演算部94はこ
の演算を行う。 【0028】以上の演算により、加速時の車速Sは図8
に示すように踏力変化の半周期遅れで求められる。また
この求めた車速Sは踏力変化の半周期前の周期における
平均車速になる。定速走行時の車速Sは、図9に示すよ
うに実際の車速SRが細かく変動しているのに対し演算
された車速Sは一定になっている 【0029】ポテンショメータ72で検出した踏力FL
および車速検出手段84で検出した車速Sはコントロー
ラ82に入力され、このコントローラ82はこの踏力F
Lと車速Sに基づいてモータ電流を制御しモータトルク
Mを発生させる。以下車速Sに対応して補助率ηを変
化させる実施例について説明する。図10はこの補助率
ηの特性図、図11はFLとFMの周期的変動を示す図で
ある。 【0030】図で82aはメモリであり、車速Sに対
して変化する補助率ηを記憶する。この補助率ηは踏力
Lに対するモータ駆動力FMの比(FM/FL)で定義さ
れ、例えば図10に示すような特性に設定される。図1
0の特性は、車速SがSF以下の低中速域で一定値η0
F<S<SE の高車速域では直線的に漸減し、[η=η
0×(SF−S)/(SF−FE )]…(1)で求められ、
さらにSE<Sの高車速域では0になる。 【0031】コントローラ82では、まず車速Sに対す
る補助率ηをこのメモリ82aに記憶した特性を用いて
決定する。そしてこの時モータ22が出力すべき駆動力
Mを[FM=η・FL]により求める。 【0032】図11はこの時の合計駆動力F=FL+FM
の変化を示すものであり、(A)は車速SがSF以下の
中車速時を、(B)はSF<S<SE高車速時を、
(C)はSE<Sの超高車速時を示す。これらの図から
も明らかなように、S<SF低中車速域(A)ではη
=η0(一定)であるから、モータ22による補助力で
ある駆動力FMは、FM=η0・FLで求められ、踏力FL
の周期的変化に対応して合計駆動力Fも変化する。 【0033】SF<S<SE高車速域(B)では、ηは
前記(1)式により求められ、η0よりも小さくなる。
さらにSE<Sの超高車速域(C)では、ηは0になり
合計駆動力Fは踏力FLだけになる。 【0034】以上の実施例は補助率ηを車速Sにより変
化させるものであるが、本発明はこれに限られるもので
はない。例えば前記したように、走行中に踏力FLが0
あるいは非常に小さくなった時にはこの車速Sに対応し
たモータ速度となるようにモータ電圧を印加しておき、
踏力FLが急増してペダルからの踏力FLが走行駆動力に
寄与し始めた時にモータの駆動力FMが即座に車輪に加
わるようにしたものなどであってもよい。 【0035】 【発明の効果】請求項1の発明は以上のように、人力駆
動系に加わる踏力を検出し、踏力に対する電動モータの
出力の比を車速の増加に対して漸減するようにしたか
ら、低速でペダルを強く踏んで走行する時などでは十分
なモータの補助力を発生させ、高速時などではモータに
よる補助力を減らすことができ、全ての速度域で適切な
制御をすることができる。 【0036】請求項2の発明は、踏力が0になってから
再びペダルを踏む時にモータはその時の車速に対応する
モータ速度に保たれるから、モータの加速の遅れが発生
しない。この場合にクランク軸の半回転に対して1回変
化する踏力の変動周期から車速を検出し踏力が0の時に
モータがその時の車速に対応するモータ速度となるよう
に制御するから、車速検出用に別途センサを設ける必要
がなくなり、装置の小型化に適する。また電気的に車速
Sを演算するから防塵・防水などの対策が簡単になり、
機械的構造が非常に簡単で信頼性が向上する。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の側面図 【図2】その動力系統図 【図3】その動力系の展開図 【図4】踏力の検出部を示す側面図 【図5】そのV−V線断面図 【図6】速度検出手段のブロック図 【図7】その各部出力波形図 【図8】加速時の動作説明図 【図9】定速走行時の動作説明図 【図10】補助率ηの特性図 【図11】踏力およびモータ駆動力の周期的変動を示す
図 【符号の説明】 14 後輪 22 電動モータ 72 踏力検出手段 82 コントローラ 84 車速検出手段

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 人力駆動系と電気駆動系とを並列に設
    け、人力による踏力と車速との変化に対応して前記電気
    駆動系の電動モータの出力を制御する電動モータ付き自
    転車において、踏力を検出する踏力検出手段と、前記踏
    力検出手段が出力する踏力の振幅内に設定された基準値
    が前記踏力に一致する1つおきの一致点間の時間を計測
    して車速を求める車速検出手段と、前記踏力と車速とを
    用いて前記電動モータによる駆動力を制御するコントロ
    ーラとを備えることを特徴とする電動モータ付き自転
    車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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