JP3327874B2 - 電動モータ付き自転車およびそのモータ制御方法 - Google Patents
電動モータ付き自転車およびそのモータ制御方法Info
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Description
と電動モータによる駆動系とを並列に設け、電動モータ
による駆動力を人力による駆動力(以下踏力という)の
変化に対応して制御するようにした電動モータ付き自転
車とそのモータ制御方法とに関するものである。
して電動モータの駆動力を制御するものが公知である
(実開昭56−76590、特開平2−74491
号)。すなわち人力が大きくなると電動モータの駆動力
も増やして人力の負荷を減らすものである。ここにモー
タの駆動系には一方向クラッチが介在され、モータの無
通電時あるいは人力走行による車速がモータの回転速度
より速い時にモータが回されるのを防止している。
ら入力されフリーホイールクラッチを介して後輪に伝え
られるため、クランク軸の半回転の周期を持って変化す
る。クランクペダルが上死点または下死点に来る時には
踏力がほぼ零になるからである。
FLの時間tに対する変化を示す。この踏力FLの変化周
期はクランクペダルの半回転に対応する。既提案のもの
はこのように周期的変化をする踏力FLを検出してモー
タの駆動力を増減させるものであった。
この踏力FLがほぼ零になる度にその速度がほぼ零にな
るようにすなわちその駆動力FMもほぼ零になるように
制御され、その後踏力FLが正になるのに伴ってモータ
電圧VMを増加させモータを加速してモータ駆動力FMが
正になるようにしている。このようにモータの駆動力F
Mはほぼ零の状態と所望の駆動力との間で周期的に変動
することになる。
速に対応した回転速度N0に到達するまでの間は、一方
向クラッチが切れていてモータの駆動力FMは走行に寄
与しない。従ってこの間のモータの加速に要する時間
(図7のa)だけモータの駆動力FMが踏力FLに対応し
て遅れることになる。
度(図7のN0)までの加速を繰り返し、この間は走行
駆動力の増加には全く寄与できないから、この間のモー
タの加速に要するエネルギーが無駄に消費されることに
なる。
ものであり、モータによる駆動力FMを踏力FLに遅れる
ことなく良好に追従させることにより運転感を向上さ
せ、またエネルギーの有効利用により効率の向上が可能
な電動モータ付き自転車のモータ制御方法を提供するこ
とを第1の目的とする。またこの方法の実施に直接使用
する電動モータ付き自転車を提供することを第2の目的
とする。
駆動系と電気駆動系とを並列に設け、人力による踏力の
変化に対応して前記電気駆動系の出力を制御する電動モ
ータ付き自転車のモータ制御方法において、前記電気駆
動系に一方向クラッチを介在させ、クランクペダル回動
操作を伴う走行中に前記踏力が略0の時には前記電動モ
ータをほぼその時の車速に対応する無負荷回転速度に保
ち前記踏力が略0でない時には前記踏力に対応してモー
タによる駆動力を制御することを特徴とする電動モータ
付き自転車のモータ制御方法により達成される。
系とを並列に設け、人力による踏力の変化に対応して前
記電気駆動系の出力を制御する電動モータ付き自転車に
おいて、前記電気駆動系に介在された一方向クラッチ
と、踏力を検出する踏力検出手段と、車速を検出する車
速検出手段と、クランクペダル回動操作を伴う走行中に
前記踏力が略0の時には前記電動モータをほぼその時の
車速に対応する無負荷回転速度に保ち前記踏力が略0で
ない時には前記踏力に対応してモータによる駆動力を制
御するコントローラとを備えることを特徴とする電動モ
ータ付き自転車、により達成される。
M)、モータ電流(I)、回転速度(N)の間に次式が
成立する。 VM=I・R+k・N ここにRはアマチュア等価抵抗、kは比例定数であり、
k・Nは電機子逆起電圧を示すものである。
が一般にモータ電流(I)にほぼ比例する。従ってCを
定数として次式が得られる。 TM=C・I 従って(R/C)=jとおいて、次式が得られる。 VM=j・TM+k・N…(1) この(1)式において、右辺の第1項(j・TM)はト
ルクに関する項であり、第2項(k・N)は回転速度に
関する項である。
た時にはモータの駆動力FMを0にしてモータ回転速度
Nを0にしようとする。すなわち(1)式においてTM
=0、N=0にする。従ってモータ印加電圧VMも0と
なるように制御していた。
時には踏力FLが0になる時にもモータ回転速度Nは車
速に対応する無負荷回転速度N0に維持するようにし
た。すなわちこの無負荷時にモータトルクTM=0で回
転速度N=N0となるようにした。この無負荷回転速度
N0はこの時の車速を発生させるために必要なモータ回
転速度であって電気駆動系の一方向クラッチが接続開始
または切れ始める回転速度にほぼ一致する。従って
(1)式から VM=j・0+k・N0=k・N0
し、モータ電圧VMがVM0以下になる時にはモータ電圧
VMをこのVM0に維持することにより、踏力FLが小さく
なった時にもモータ回転速度Nは無負荷回転速度N0に
保たれる。従って踏力FLが増大しVM≧VM0になった時
にはモータはN0から駆動力FMを発生すればよいから、
モータの加速に要する時間遅れが無くなり、その間の加
速に消費されるエネルギー(Ea)も不要になる。
荷モータ電圧VM0の期間では、電流Iは極めて小さくな
るからその消費エネルギーE0は加速に要するエネルギ
ーEaよりも格段に小さい。すなわちE0≪Eaであるか
ら、効率が向上する。
クラッチより上流側の回転部分(クランクギヤなど)で
検出する場合に、走行中にクランクペダルの回転を停止
すれば検出した車速も次第に零になる。本発明ではこの
時にはモータの駆動が停止される。すなわちモータの電
圧も電流も切れることになり、電池の消費エネルギーは
一層少くなり、効率がさらに向上する。
はその動力系統図、図3はその動力系の展開図、図4は
踏力の検出部を示す側面図、図5はそのV−V線断面
図、図6はモータ出力特性図である。
であり、ヘッドパイプ12から斜下後方へのびて後輪1
4の車軸に至る。このメインフレーム10にほぼ直交す
るようにシートチューブ16が固着され、このシートチ
ューブ16の上端にはサドル18を支持するシートポス
ト20が固定されている。
筒部16aが形成され、この中に直流電動モータ22が
収容される。シートチューブ16の下端には動力ユニッ
ト24が固定されている。この動力ユニット24はボト
ムブラケットケース(以下BBケースという)26と、
このBBケース26から後方へのびるリヤステー28と
を備え、このリヤステー28の後端には後輪14が固定
されている。なお右側のリヤステー28(図3)には駆
動軸30が挿通される。
3においてBBケース26にはクランク軸32が貫挿さ
れ、その両端にクランク34が固定されている。クラン
ク34にはクランクペダル36、36が取付けられてい
る。
テー28に固着したエンドプレート28aに固定され、
この車軸38の右端は右のリヤステー28に固定された
傘歯車ケース40に固定されている。車軸38にはハブ
42が回転自在に保持され、このハブ42には駆動軸3
0の回転が傘歯車機構44およびフリーホイールクラッ
チ43を介して伝えられる。
から図3に示すように嵌合されて固定され、そのモータ
軸22aはクランク軸32に直交しかつ車体幅方向中央
付近に位置する。BBケース26は、シートチューブ1
6の筒部16a内にこのモータ22を下から挿入するよ
うにして筒部16aに嵌合され、4本のボルト46(図
3参照)によって結合される。
に、一方向クラッチ48、遊星歯車式減速機50、小傘
歯車52、大傘歯車54を介して、クランク軸32に回
転自在に保持された筒型の合力軸56に伝えられる。こ
の合力軸56の回転はさらに傘歯車機構58によって前
記駆動軸30に伝えられる。
42に内装したフリーホイールクラッチ43により遮断
される。なお前記遊星歯車式減速機50は公知のもので
あり、モータ22により回転されるサンギヤとBBケー
ス26に固定されたリングギヤとの間にあってこれらに
噛合する遊星ギヤの公転を小傘歯車52に伝えるもので
ある。
回転は、クランク軸32、一方向クラッチ60、遊星歯
車式増速機62を介して大傘歯車54に伝えられる。こ
のためクランク軸32から入力された回転はこの大傘歯
車54から合力軸56、傘歯車機構58を介して駆動軸
30に伝えられる。このクランク軸32の回転はモータ
22の停止中にはクラッチ48の作用によりモータ22
に伝わらない。またクランク軸32の停止中あるいは逆
転中には一方向クラッチ60の作用によりモータ22の
回転はクランク軸32に伝わらない。ここに駆動軸30
はモータ軸22aを含む車体前後方向の平面Aの右側に
位置する(図3参照)。
うに、大傘歯車54に固定されたリングギヤ62aと、
踏力検出レバー64に固定されたサンギヤ62bとこれ
らの間に介在する遊星ギヤ62cとを備える。クランク
軸32はこの遊星ギヤ62cを一方向クラッチ60を介
して公転させる。
よる人力駆動時の駆動力をサンギヤ62bに加わる反力
により検出する踏力検出手段65の一部を構成するもの
である。この踏力検出手段65は前記平面Aの左側に位
置する。
4は、図4、5に示すように2つの突起64a、64b
を持ち、一方の突起64aはストッパ66に当接して図
4で時計方向への回転、換言すればペダル36の踏力が
加わる方向と逆方向の回転を規制する。突起64bには
他の第2のレバー68が当接し、レバー64の反時計方
向の回転によってこの第2のレバー68が時計方向に回
転する。
より復帰習性が付与され、これによりレバー64は図4
で時計方向への復帰習性が付与される。そしてこの第2
のレバー68の回転量は踏力センサとしてのポテンショ
メータ72に伝えられる。この結果ペダル36の踏力に
比例してレバー64が図4で反時計方向に回動し、第2
のレバー68が時計方向に回動するから、この踏力がポ
テンショメータ72の回転量から求められる。
池、82はコントローラであり、これらは前記メインフ
レーム10のヘッドパイプ12とシートチューブ16と
の間に収容されている。図3において84は大傘歯車に
対向して設けた車速検出手段であり、この大傘歯車56
の回転を電磁的にあるいは光学的に検出する公知の構造
のものが使用できる。
および車速検出手段84で検出した車速Sはコントロー
ラ82に入力され、このコントローラ82はこの踏力F
Lと車速Sに基づいてモータ電流を制御しモータトルク
TMを発生させる。
生させるために必要なモータ回転速度すなわち無負荷回
転速度N0を求め、この速度をN0に対応する無負荷モー
タ電圧VM0(=KN0)を求める一方、踏力FL に対応
するモータトルクTMを求める。この演算に用いるデー
タはメモリ82a(図2)に予め記憶しておくのは勿論
である。
加電圧VMを求める。この(1)式においてj>0、TM
≧0だから、VM≧VM0である。すなわちモータ電圧VM
がVM0以下にはならないようにする。そして検出した車
速Sが0になる時、すなわち人力駆動系の駆動を止めた
時にはモータの電圧および電流を切ってその駆動を停止
する。
る。(1)式の特性は実線で示すように右下がりの傾き
−(k/j)の直線である。今ある踏力FLにより決ま
るモータのトルクTMを出力させるためのモータ電圧VM
をその時のモータ回転速度N0を用いて(1)式から求
めると、その時の動作点は図6にAで示す点となる。
実際の走行中における車速Sは慣性により変化しないと
考えられ、クランク軸32は一方向クラッチ60および
フリーホイールクラッチ43が切れない速度で回転し、
車速検出手段84はその時の実際の車速を検出している
ものとする。
Sを検出しているから、コントローラ82はモータ回転
速度はN0のままにしてVMだけを減少してゆく。すなわ
ちこの時の動作点Aは速度がN0の直線AB上を下降す
る。そして踏力FLがほぼ0になるとVM=VM0=kN0
となって、コントローラ82はモータ電圧VMをVM0に
保つ。従ってモータの動作点はB点に保たれ無負荷運転
される。
と、動作点もB点からA点に向って移動する。この時モ
ータはすでに速度N0で回転しているから、従来のよう
なモータの加速により一方向クラッチ48が接続するま
での時間遅れが発生せず、前記図7で説明した遅れaが
ほとんど無くなる。
大傘歯車54に対向させて設けている。すなわち人力駆
動系の一方向クラッチ60とフリーホイールクラッチ4
3との間に設けている。このため降坂時や慣性走行時な
どにクランク軸32の回転を停止すれば、大傘歯車54
はその慣性によりその時の回転速度で回転し続け、時間
経過に伴って次第に減速してこの車速検出手段84が出
力する速度N0はやがて0となる。従ってクランク軸3
2の回転を停止しても車速検出手段84は暫くの間は実
際の車速Sを発生される回転速度N0で無負荷運転され
る。
TM、N、N0やデータ等は、本発明の効果を得られる範
囲で増減したり変化させてもよく、本発明はこの場合を
包含する。例えば無負荷モータ電圧VM0は、(1)式で
求めたkN0より多少高くても低くてもよい。
フトドライブ機構からなる伝動系により後輪14を駆動
するが、本発明は合力軸56にスプロケットを固定して
チェーンドライブ機構からなる伝動系により後輪14を
駆動するものであってもよい。
クペダル回動操作を伴う走行中に踏力が略0の時には電
動モータをほぼその時の車速に対応する無負荷回転速度
に保ち、踏力が略0でない時には踏力に対応してモータ
による駆動力を制御するものであるから、走行中は踏力
(FL)の増減・有無にかかわらずモータ速度(N)が
その時の車速を発生させるのに必要な回転速度(N0)
に保たれる。このためクランクペダル回動操作を伴う走
行中にモータの加減速がほとんどなくなり、モータの駆
動力(FM)の踏力(FL)に対する遅れを小さくするこ
とができ、運転感が向上する。またモータの加減速がな
くなるからエネルギーの消費も少なくなり、効率が向上
する。
に直接使用する電動モータ付き自転車が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 人力駆動系と電気駆動系とを並列に設
け、人力による踏力の変化に対応して前記電気駆動系の
出力を制御する電動モータ付き自転車のモータ制御方法
において、前記電気駆動系に一方向クラッチを介在さ
せ、クランクペダル回動操作を伴う走行中に前記踏力が
略0の時には前記電動モータをほぼその時の車速に対応
する無負荷回転速度に保ち前記踏力が略0でない時には
前記踏力に対応してモータによる駆動力を制御すること
を特徴とする電動モータ付き自転車のモータ制御方法。 - 【請求項2】 人力駆動系と電気駆動系とを並列に設
け、人力による踏力の変化に対応して前記電気駆動系の
出力を制御する電動モータ付き自転車において、前記電
気駆動系に介在された一方向クラッチと、踏力を検出す
る踏力検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、ク
ランクペダル回動操作を伴う走行中に前記踏力が略0の
時には前記電動モータをほぼその時の車速に対応する無
負荷回転速度に保ち前記踏力が略0でない時には前記踏
力に対応してモータによる駆動力を制御するコントロー
ラとを備えることを特徴とする電動モータ付き自転車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24933399A JP3327874B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 電動モータ付き自転車およびそのモータ制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP24933399A JP3327874B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 電動モータ付き自転車およびそのモータ制御方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26895895A Division JP3327750B2 (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 電動モータ付き自転車およびそのモータ制御方法 |
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JP3327874B2 true JP3327874B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=17191464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24933399A Expired - Lifetime JP3327874B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 電動モータ付き自転車およびそのモータ制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3327874B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2669168A1 (en) | 2012-05-28 | 2013-12-04 | Microspace Corporation | Motor drive control device |
CN107662689A (zh) * | 2016-07-29 | 2018-02-06 | 株式会社岛野 | 自行车用控制装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4772154B2 (ja) * | 2010-02-19 | 2011-09-14 | パナソニック株式会社 | 電動アシスト自転車用モータ制御方法 |
-
1999
- 1999-09-02 JP JP24933399A patent/JP3327874B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2669168A1 (en) | 2012-05-28 | 2013-12-04 | Microspace Corporation | Motor drive control device |
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CN107662689A (zh) * | 2016-07-29 | 2018-02-06 | 株式会社岛野 | 自行车用控制装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000062681A (ja) | 2000-02-29 |
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