JP2003053830A - 耐熱樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

耐熱樹脂フィルムの製造方法

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JP2003053830A
JP2003053830A JP2001250079A JP2001250079A JP2003053830A JP 2003053830 A JP2003053830 A JP 2003053830A JP 2001250079 A JP2001250079 A JP 2001250079A JP 2001250079 A JP2001250079 A JP 2001250079A JP 2003053830 A JP2003053830 A JP 2003053830A
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Takahisa Ono
隆央 大野
Tsutomu Nakamura
勤 中村
Jirou Sadanobu
治朗 定延
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傷や腐食によりフィルム品質に重大な欠点を
及ぼす金属ベルト方式に代わる新規な耐熱樹脂フィルム
製造方法を提供する。 【解決手段】 2軸方向に延伸され結晶配向が完了した
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に溶媒に溶解し
た耐熱樹脂を主成分とする層を塗布し、その後、凝固工
程を経てポリエステルフィルムから該耐熱樹脂層を剥離
する工程と、剥離した該耐熱性フィルムを長手方向およ
び/または幅方向に延伸する工程と、延伸後熱固定する
工程を有することを特徴とする耐熱樹脂フィルムの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性樹脂フィル
ムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱樹脂フィルムを製造する方法
としては、溶媒に溶解させた耐熱性樹脂を金属ベルト上
に塗布し、凝固を経て剥離され水洗乾燥後、必要に応じ
て縦横に延伸し、熱固定する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属ベルトは
通常エンドレスベルトであり、耐熱樹脂の塗布、乾燥、
剥離が繰り返し実施され、傷や腐食によるピンホール発
生が発生し、それが塗布された耐熱樹脂の表面欠点とし
て現れる問題があった。また樹脂供給口の接触による金
属ベルトの傷入りを防ぐため、接近させることが困難で
あり、高速製膜、薄膜製膜が難しいという問題があっ
た。本発明は、これらの欠点を解消する耐熱樹脂フィル
ムの湿式製膜による製造方法を提案するものであり、金
属ベルトに起因するフィルム欠点がなく、製膜速度が向
上した耐熱樹脂フィルムの湿式製膜方法を提供するもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明の耐熱樹脂フィルムの製造方法は、二軸方向に延伸
され結晶配向が完了したポリエステルフィルムの少なく
とも片面に溶媒に溶解した耐熱樹脂を主成分とする層を
塗布し、その後、凝固工程を経てポリエステルフィルム
から該耐熱樹脂層を剥離する工程と、剥離した該耐熱性
フィルムを水洗乾燥後、長手方向および/または巾方向
に延伸する工程と、延伸後熱固定する工程を有すること
を特徴とする耐熱樹脂フィルムの製造方法を特徴とする
ものである。
【0005】すなわち本願発明は次の通りである。 1.二軸方向に延伸され結晶配向が完了したポリエステ
ルフィルムの少なくとも片面に溶媒に溶解した耐熱樹脂
を主成分とする層を塗布し、その後、凝固工程を経てポ
リエステルフィルムから該耐熱性樹脂を剥離する工程
と、剥離した該耐熱性フィルムを水洗乾燥後、長手方向
および/または巾方向に延伸する工程と、延伸後熱固定
する工程を有する事を特徴とする耐熱樹脂フィルムの製
造方法。 2.耐熱樹脂が、芳香族ポリアミドおよび/または芳香
族ポリイミドであることを特徴とする請求項1記載の耐
熱樹脂フィルムの製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリエステルフ
ィルムのポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンナフタレートなどであって、これらの2種以上が混合
されたものであってもよい。また、これらと他のジカル
ボン酸成分やジオール成分が共重合されたものであって
もよいが、この場合は、結晶配向が完了したフィルムに
おいて、その結晶化度が25%以上、好ましくは30%
以上、更に好ましくは35%以上のものが好ましい。ま
た内層と表層の2層以上の複合体フィルムであってもよ
い。
【0007】例えば、内層部に実質的に粒子を含有せ
ず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィル
ム、内層部に粗大粒子を有し、表層部に微細粒子を含有
させた積層体フィルム、内層部が微細な気泡を含有した
層であって表層部は実質的に気泡を含有しない複合体フ
ィルムなどが挙げられる。また、上記複合体フィルムは
内層部と表層部が異種のポリマーであっても同種のポリ
マーであってもよいが、耐熱樹脂を塗布する面はポリエ
ステルである必要があり、好ましくはポリエステルのホ
モポリマーであるのが望ましい。表層部結晶化度が25
%未満の場合には、塗布、乾燥後の耐熱樹脂フィルムの
剥離が困難になる場合がある。
【0008】上述したポリエステルは、その極限粘度
(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は0.4〜
1.2dl/gが好ましく、0.5〜0.8dl/gで
あるのがより好ましい。本発明において、ポリエステル
フィルムは二軸方向に延伸され結晶配向が実質的に完了
したものである必要がある。
【0009】二軸配向しているとは、未延伸すなわち結
晶配向が完了する前の熱可塑性フィルムを長手方向およ
び幅方向にそれぞれ2.5〜5.0倍程度延伸し、その
後熱処理により結晶配向を完了させたものであり、広角
X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。ポリ
エステルフィルムが二軸配向していない場合には、耐熱
樹脂フィルムの剥離が困難となる。二軸配向ポリエステ
ルフィルムの結晶化度は25%以上、好ましくは30%
以上、更に好ましくは35%以上であるのが望ましい。
二軸配向していても結晶化度が25%未満の場合には耐
熱樹脂フィルムの剥離応力が大きくなり、破れなどの欠
点が発生する場合がある。
【0010】本発明において、二軸配向ポリエステルフ
ィルムの厚みは、特に限定されないが、支持体としての
強度、寸法安定性の点から5μm以上、好ましくは10
μm以上、更に好ましくは20μm以上であるのが望ま
しい。厚みが薄すぎると塗布、凝固などでのシワの発生
によって平面性の悪化などの欠点が生じる場合がある。
またポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは長
手方向、幅方向とも3GPa以上、より好ましくは4G
Pa以上であるのが望ましく、3GPa未満の場合に
は、支持体の寸法安定性が不足する場合がある。
【0011】本発明においては、上記二軸配向ポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に溶媒に溶解する耐熱樹
脂を塗布するが、ここで用いられる溶媒は、特に限定さ
れるものではなく所望の耐熱樹脂が溶解するものであれ
ばよい。好ましい溶媒としては双極性非プロトン溶媒が
良く知られており、その一例としては、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホオキシドなどを挙げることがで
きる。もちろん、他の溶媒、例えば硫酸、塩化メチレ
ン、四塩化炭素などのハロゲン含有溶媒、芳香族系溶
媒、アルコール、ケトン、水なども使用することができ
る。
【0012】本発明における耐熱樹脂とは、ガラス転移
点が200℃以上および/または300℃以下に融点ま
たは分解点を持たない樹脂が好ましく、その一例を挙げ
れば、芳香族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリイミド系樹
脂およびその前駆体、ポリアミドイミド系樹脂およびそ
の前駆体、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテル
イミド系樹脂、ポリベンズイミダゾールおよびその前駆
体、ポリベンズキサゾールおよびその前駆体、ポリベン
ゾチアゾールおよびその前駆体、ポリスルホン系樹脂な
どを挙げることができる。本発明においては特に双極性
非プロトン溶媒に溶解するものが好ましく芳香族ポリア
ミドが好適である。芳香族ポリアミドとは次の下記一般
式[化1]および/または下記一般式[化2]で表され
る繰り返し単位を単独あるいは共重合の形で50モル%
以上、好ましくは70モル%以上含むものであるのが好
ましい。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】ここで、Ar1、Ar2、Ar3は、例え
ば、下記一般式[化3]に示すように用いられ、X、Y
は、−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−S
−、−C(CH3)2−などから選ばれるが、これらに
限定されるものではない。更に、これらの芳香環上の水
素原子の一部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基
(特に塩素が好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル
基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基が好ま
しい)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などの
アルコキシ基などの置換基で置換されているものも含
み、また重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置
換基によって置換されているものも含むものである。
【0016】
【化3】
【0017】特に、上記一般式[化2]の芳香環がパラ
位で結合されたものが全芳香環の50モル%以上、より
好ましくは70モル%以上を占める重合体が耐熱性、寸
法安定性の点で好ましい。また芳香環上の水素原子の一
部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素が
好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル
基などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基
などの置換基で置換された芳香環が全体の30モル%以
上、好ましくは50%モル以上であると、耐湿性、吸湿
での寸法安定性などが改善されるので好ましい。本発明
においては、上記一般式[化1]および/または上記一
般式[化2]で表される繰り返し単位が50モル%以
上、好ましくは70モル%以上であるのが望ましく、こ
れ未満の他の化合物の共重合や他のポリマーが混合され
てもよい。
【0018】本発明の耐熱樹脂中には、本発明の効果が
損なわれない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋
剤などを含有してもよい。例えば、酸化防止剤、耐熱安
定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子、顔料、染料、
帯電防止剤、核剤、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェ
ノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組
成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチ
ロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリ
ルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート
化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤
などを挙げることができる。
【0019】これらの中でも、無機の粒子、例えばシリ
カ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオ
リン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属
微粉末などを添加した場合には易滑性、耐傷性などが向
上するので特に好ましい。
【0020】本発明においては、上記の二軸配向ポリエ
ステルフィルム上に溶媒に溶解した耐熱樹脂を塗布し、
その後凝固工程を経て剥離するが、塗布の方法は特に限
定されるものではない。塗布は、溶媒に溶解した耐熱樹
脂の粘度によって適宜に選択すれば良く、好ましい塗布
方法を挙げれば、ダイコート、グラビアコート、リバー
スコート、リバースグラビアコート、ロールコートなど
を用いることができる。これらの中でも粘度が高く厚く
塗布する場合にはダイコート方式が特に好適である。
【0021】塗布する厚みは、耐熱樹脂の濃度、目的と
する最終厚みによって当然変化するものであり、本発明
において限定されるものではない。
【0022】塗布後の凝固は、耐熱樹脂を溶解する溶媒
を除去することを目的とするものであるが、必ずしもこ
の時点で完全凝固させる必要はなく、触指において粘着
性がない程度に凝固されていれば良い。
【0023】凝固浴に使用する溶媒としてはアミド系溶
媒を使用し、具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピ
ロリドンを使用する。
【0024】また凝固液としては、ポリメタフェニレン
イソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対し
て不活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系
ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶
性を有する物質としては、低級アルコール、低級エーテ
ル等各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いるこ
とが好ましい。またこれらの混合物を使用することもで
きる。
【0025】凝固液中には金属塩をアミド系凝固液に対
し1〜10重量%用いることも可能である。具体的には
塩化カルシウム、塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化マ
グネシウム等が挙げられる。
【0026】凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全
体に対し10重量%以上80重量%以下であり、より好
ましくは30重量%〜70重量%である。凝固液の温度
は0℃以上98℃以下でありより好ましくは20℃以上
90℃以下である。
【0027】アミド系溶媒の濃度が10重量%未満で温
度が0℃未満の場合、表面性の悪い膜になる傾向が生じ
る。また濃度が80重量%を越え、温度が98℃を越え
る場合、ポリマーが粒状化しポリアミド膜にはならない
場合がある。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記
範囲を越えている場合には両者が上記範囲を越えている
場合ほどではないにしても用途によっては欠点となりう
る。
【0028】したがって所望の膜を得るためには、凝固
液中のアミド系溶媒の濃度、金属塩の濃度、凝固液の温
度などの凝固条件を選ぶことが重要である。
【0029】凝固された該キャスト物は次ぎに水洗工程
に移され、そこで水によって洗浄される。この時の温度
は膜にほとんど影響を与えないので特に限定されるもの
ではない。またこの工程は省略することも可能である。
省略できるかどうかは実験等によって得られる結果を見
て定めることができる。
【0030】乾燥は任意の程度に行なえばよく、通常は
水切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥か
ら熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。乾燥度の
程度は絶乾状態の多孔膜100重量部に対して水分量が
100重量部以下であることが好ましく、より好ましく
は30重量部以下、特に好ましくは5重量部以下であ
る。
【0031】凝固後の剥離工程においては、ポリエステ
ルフィルムと耐熱樹脂層との剥離応力が小さいほど剥離
が容易で耐熱樹脂フィルムの品質上望ましい。剥離応力
の目安としては90度剥離において50g/cm以下で
あるのが好ましく、より好ましくは30g/cm以下、
最も好ましくは20g/cm以下である。剥離応力は、
ポリエステルフィルムの配向結晶性や乾燥後の残留溶媒
量によって決まるものであり、上記したような条件を満
たす範囲において達成することができる。
【0032】剥離後の耐熱樹脂フィルムは、その機械的
強度などを向上させるために長手方向および/または幅
方向に延伸される。延伸方法は逐次二軸延伸法、同時二
軸延伸法などのいずれ方法によってもよい。逐次二軸延
伸法によって延伸する場合には、剥離後、200℃から
500℃に予熱されたロール群を通過させ、その周速差
によって延伸する方法が好ましい。延伸倍率は、耐熱樹
脂フィルムの機械的強度を満足する条件とする必要があ
り、延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率で、また
は直交する二方向へ1.3〜10倍の倍率であるのが機
械物性のバランスを適切なものとするために好ましい。
ここで二軸延伸の場合の延伸倍率1.3倍〜10倍は両
方向の延伸倍率の積(面積倍率)として求めることがで
きる。
【0033】乾式延伸の加熱方式は接触方式、非接触方
式の何れであっても良いが、延伸に際しては延伸方向に
対して両サイドを把持し拘束しているほうが孔径制御の
点で好ましい。延伸温度は270〜450℃であるのが
適当であり、より好ましくは300〜420℃である。
延伸温度が270℃より低い場合には低倍率で破断して
しまい、450℃より高温であると熱劣化が進行してし
まうことがある。巾方向に延伸された耐熱樹脂フィルム
は連続的に熱処理ゾーンに導き熱固定される。熱固定温
度は特に限定されないが、通常300℃以上500℃以
下で約2秒〜30秒間行われる。この過程で必要に応じ
て巾方向あるいは長手方向に0.5〜5%程度のリラッ
クスを行なわせても良い。以下その製造方法について具
体的に記述するが、本発明は必ずしもこれに限定される
ものではない。
【0034】
【実施例】次ぎに実施例に基づいて本発明を説明するが
必ずしもこれに限定されるものではない。
【0035】[実施例]全芳香族ポリアミドであるポリ
パラフェニレンテレフタルアミドのN−メチル−2−ピ
ロリドン溶液をポリマー固形分濃度6重量%となるよう
に溶液重合により作成し、該溶液を支持体フィルムに1
000μmの厚みでキャストした。支持体フィルムには
厚み125μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレート
フィルムを用いた。該フィルムは二軸延伸により面倍率
9倍に延伸され熱処理により結晶配向されたものを使用
した。結晶化度は37%であった。キャスト物は支持体
ごとN−メチル−2−ピロリドンと水の混合液(重量比
率40/60)に5min間浸漬により凝固完了後、剥
離し、水洗した。乾燥は150℃で5min間実施し、
厚み60μmのポリパラフェニレンテレフタルアミドフ
ィルムを作成した。このフィルムは400℃における最
大延伸倍率が15倍であり、安心して延伸することが可
能となった。
【0036】[比較例]全芳香族ポリアミドであるポリ
パラフェニレンテレフタルアミドのN−メチル−2−ピ
ロリドン溶液をポリマー固形分濃度6重量%となるよう
に溶液重合により作成し、該溶液をステンレス製のキャ
スティングドラムに1000μmの厚みでキャストし
た。キャスト物はキャスティングドラムごとN−メチル
−2−ピロリドンと水の混合液(重量比率40/60)
に5min間浸漬により凝固完了後、剥離し、水洗し
た。乾燥は150℃で5min間実施し、厚み60μm
のポリパラフェニレンテレフタルアミドフィルムを作成
した。このフィルムは400℃における最大延伸倍率が
8〜13倍であり、安心して延伸することが困難であっ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明の耐熱樹脂フィルムの製造方法
は、二軸方向に延伸され結晶配向が完了したポリエステ
ルフィルムの少なくとも片面に溶媒に溶解した耐熱樹脂
を主成分とする層を塗布し、その後、凝固工程を経てポ
リエステルフィルムから耐熱樹脂層を剥離する工程と、
剥離した耐熱性フィルムを長手方向および/または幅方
向に延伸する工程と、延伸後熱固定する工程を有するこ
とを特徴とする耐熱樹脂フィルムの製造方法により従来
の金属ベルト方式に比べ、フィルム品質が良好で生産性
の良い耐熱樹脂フィルムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77:00 C08L 77:00 79:08 79:08 Z (72)発明者 定延 治朗 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA54 AA56 AA60 BA02 BB02 BC01 BC02 4F210 AA30 AA40 AG01 QC06 QG01 QG18 QW07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸方向に延伸され結晶配向が完了した
    ポリエステルフィルムの少なくとも片面に溶媒に溶解し
    た耐熱樹脂を主成分とする層を塗布し、その後、凝固工
    程を経てポリエステルフィルムから該耐熱性樹脂を剥離
    する工程と、剥離した該耐熱性フィルムを水洗乾燥後、
    長手方向および/または巾方向に延伸する工程と、延伸
    後熱固定する工程を有する事を特徴とする耐熱樹脂フィ
    ルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 耐熱樹脂が、芳香族ポリアミドおよび/
    または芳香族ポリイミドであることを特徴とする請求項
    1記載の耐熱樹脂フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107427861A (zh) * 2015-03-31 2017-12-01 帝人株式会社 复合膜的制造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107427861A (zh) * 2015-03-31 2017-12-01 帝人株式会社 复合膜的制造方法

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