JP2003053357A - 過マンガン酸塩含有水の還元処理方法及び装置 - Google Patents

過マンガン酸塩含有水の還元処理方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】水中の過マンガン酸イオンを難溶性のマンガン
(III)化合物まで還元し、可溶性のマンガン(II)の生成
を防ぐことができる過マンガン酸塩含有水の還元処理方
法及び装置を提供する。 【解決手段】過マンガン酸塩を含有する被処理水に、亜
硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加して還元処理する方法に
おいて、亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩が添加された被処理
水の酸化還元電位が所定の値に達するまで亜硫酸水素塩
又は亜硫酸塩を添加することを特徴とする過マンガン酸
塩含有水の還元処理方法、並びに、pH計、酸化還元電位
計、pH調整剤供給装置及び亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩供
給装置を備えた還元処理装置であって、pH計の測定値に
基づいてpH調整剤の供給を制御し、酸化還元電位計の測
定値に基づいて亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の供給を制御
することを特徴とする過マンガン酸塩含有水の還元処理
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過マンガン酸塩含
有水の還元処理方法及び装置に関する。さらに詳しく
は、本発明は、水中の過マンガン酸イオンを難溶性のマ
ンガン(III)化合物まで還元し、可溶性のマンガン(II)
の生成を防ぐことができる過マンガン酸塩含有水の還元
処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】過マンガン酸塩を使用したステンレス製
電子部品エッチング工程からの廃水や、有機塩素化合物
含有廃水を過マンガン酸塩により酸化分解した後の廃水
には、過マンガン酸塩が含まれる。過マンガン酸塩は水
溶性であり、水中にMn(VII)として1〜2mg/L含ま
れるだけでも赤紫色を呈し、また、中性ないしアルカリ
性でも強い酸化力を有するために、そのまま放流するこ
とができない。このために、Mn(VII)を、Mn(IV)、
Mn(III)又はMn(II)に還元したのち、難溶性の沈澱
物として廃水中から分離する必要がある。Mn(IV)は、
MnO2・nH2Oの沈澱物であり、酸性でも難溶性であ
る。Mn(III)は、Mn(OH)3又はMn23・nH2Oと
してpH3以上で沈殿する。Mn(II)は、Mn(OH)2
してpH10以上で沈殿する。したがって、高次の還元状
態の沈澱物、すなわちMnO2・nH2OやMn(OH)3
得られれば、pH6〜8の中性域で分離可能であり、Mn
(II)に還元するより還元剤の使用量が少なくてすみ、わ
ざわざpH10以上のアルカリ性にする必要もない。しか
し、NaHSO3、Na2SO3などの亜硫酸水素塩や亜
硫酸塩を用いて中性で還元処理を行うと、Mn(II)が生
成すると考えられていた。亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を
使用して還元する場合、Mn(II)の生成がなく、中性で
還元可能であれば、生成する還元物であるMnO2とM
23は、中性で沈澱するために、還元反応、凝集処
理、沈殿処理を一連の同じpHで行うことができ、処理水
をそのままで、あるいは、処理水のpHを微調整するだけ
で放流することができる。従来は、アルカリ性でMn(V
II)の還元処理を行うと、Mn(II)は生成しないが、酸
化還元電位曲線の変曲点が不明確なために、正確な薬注
制御が困難であり、一方、中性で処理すると、酸化還元
電位曲線の変曲点は明確であるが、Mn(II)が生成する
とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水中の過マ
ンガン酸イオンを難溶性のマンガン(III)化合物まで還
元し、可溶性のマンガン(II)の生成を防ぐことができる
過マンガン酸塩含有水の還元処理方法及び装置を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、過マンガン酸塩を
含有する被処理水に亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加し
て還元処理するとき、亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の添加
量と酸化還元電位の関係を示す曲線の変曲点において亜
硫酸水素塩又は亜硫酸塩の添加を停止することにより、
マンガンはMn(III)の状態となり、この状態で固液分
離すれば処理水中のマンガン濃度は1mg/L以下となる
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(1)過マンガン酸塩
を含有する被処理水に、亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添
加して還元処理する方法において、亜硫酸水素塩又は亜
硫酸塩が添加された被処理水の酸化還元電位が所定の値
に達するまで亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加すること
を特徴とする過マンガン酸塩含有水の還元処理方法、
(2)酸化還元電位の所定の値が、亜硫酸水素塩又は亜
硫酸塩の添加量と酸化還元電位の関係を示す曲線の変曲
点における値である第1項記載の過マンガン酸塩含有水
の還元処理方法、(3)被処理水のpHを5〜9の範囲に
維持しつつ亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加する第1項
又は第2項記載の過マンガン酸塩含有水の還元処理方
法、及び、(4)pH計、酸化還元電位計、pH調整剤供給
装置及び亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩供給装置を備えた還
元処理装置であって、pH計の測定値に基づいてpH調整剤
の供給を制御し、酸化還元電位計の測定値に基づいて亜
硫酸水素塩又は亜硫酸塩の供給を制御することを特徴と
する過マンガン酸塩含有水の還元処理装置、を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の過マンガン酸塩含有水の
還元処理方法においては、過マンガン酸塩を含有する被
処理水に、亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加して還元処
理する方法において、亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩が添加
された被処理水の酸化還元電位が所定の値に達するまで
亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加する。本発明の過マン
ガン酸塩含有水の還元処理装置は、pH計、酸化還元電位
計、pH調整剤供給装置及び亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩供
給装置を備えた還元処理装置であって、pH計の測定値に
基づいてpH調整剤の供給を制御し、酸化還元電位計の測
定値に基づいて亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の供給を制御
する装置である。過マンガン酸塩含有水に亜硫酸水素塩
を添加して還元処理すると、過マンガン酸イオンは下記
のように反応して、Mn(IV)、Mn(III)又はMn(II)
まで還元される。 Mn(IV)への還元: 2MnO4 -+3HSO3 - → 2MnO2+3SO4 2-+H2O+H+ …[1] Mn(III)への還元: MnO4 -+2HSO3 -+H2O → Mn(OH)3+2SO4 2-+H+ …[2] Mn(II)への還元: 2MnO4 -+5HSO3 -+H2O → 2Mn(OH)2+5SO4 2-+3H+ …[3] 過マンガン酸塩をマンガンとして20mg/L含有する過
マンガン酸塩含有水を亜硫酸水素ナトリウムを用いて還
元する場合、上記の化学反応式にしたがって計算する
と、亜硫酸水素ナトリウムの必要な理論当量は、Mn(I
V)への還元の場合57mg/L、Mn(III)への還元の場
合76mg/L、Mn(II)への還元の場合95mg/Lとな
る。
【0006】マンガン化合物の水に対する溶解性は、M
n(VII)化合物であるKMnO4は、20℃において水1
00gに5.96g溶解し、Mn(IV)化合物であるMn
2は、水にほとんど溶解しない。さらに、Mn(III)化
合物であるMn(OH)3は、溶解度積10-36より、pH3
以上でマンガン濃度1mg/L以下となり、Mn(II)化合
物であるMn(OH)2は、溶解度積10-12.8より、pH1
0以上でマンガン濃度1mg/L以下となる。したがっ
て、中性領域で過マンガン酸塩の還元処理を行う場合、
還元をMn(IV)又はMn(III)の段階にとどめ、Mn(I
I)を生成させなければ、固液分離によりマンガン濃度の
低い良好な水質の処理水を得ることができる。図1は、
過マンガン酸塩含有水を亜硫酸水素塩を用いて還元処理
したときの亜硫酸水素塩の添加量と酸化還元電位の関係
を示すグラフの一例である。本例においては、過マンガ
ン酸カリウムをマンガン濃度として20mg/L含む被処
理水を、pHを4、5、7又は10に保ち、亜硫酸水素ナ
トリウムを添加して還元処理している。本図に見られる
ように、pH7又は10に保った場合、亜硫酸水素ナトリ
ウムの添加量と酸化還元電位の関係を示す曲線の変曲点
は、式[2]で求められるMn(III)への還元の場合の
理論当量とほぼ一致する添加量のところに現れる。した
がって、酸化還元電位を測定しつつ過マンガン酸塩含有
水に亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加し、変曲点に達し
たときに亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の添加を停止するこ
とにより、Mn(II)を生成させることなく、過マンガン
酸イオンをMn(III)まで還元することができる。pHが
低くなると、変曲点は亜硫酸水素ナトリウムの過剰量側
へ移行するが、pH5に保ったときでも、変曲点を目安に
して亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加することにより、
水中に溶出するMn(II)化合物の量を十分に少なくする
ことができる。
【0007】本発明方法において、亜硫酸水素塩又は亜
硫酸塩の添加による還元処理方法に特に制限はなく、例
えば、回分式、連続式のいずれの方式によっても処理す
ることができる。回分式処理の場合には、反応槽に過マ
ンガン酸塩含有水を導入し、好ましくはpHを調整しつ
つ、酸化還元電位が所定の値に達するまで、亜硫酸水素
塩又は亜硫酸塩を添加して処理することができる。連続
式処理の場合には、反応槽に連続的に過マンガン酸塩含
有水を送り込み、好ましくはpHを調整しつつ、亜硫酸水
素塩又は亜硫酸塩の添加量と酸化還元電位の関係を示す
曲線の変曲点を目安として、酸化還元電位が下方の設定
値に達したとき亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の添加を停止
し、酸化還元電位が上方の設定値に達したとき亜硫酸水
素塩又は亜硫酸塩の添加を再開し、反応槽から還元処理
された水を連続的に後段の固液分離工程に送り出すこと
ができる。本発明方法においては、被処理水のpHを5〜
9の範囲に維持しつつ亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加
することが好ましい。被処理水のpHが5未満であると、
亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の添加量と酸化還元電位の関
係を示す曲線の変曲点が、理論当量よりも過剰側に移行
し、変曲点を目安として制御したとき、過剰量の亜硫酸
水素塩又は亜硫酸塩を供給することになり、一部Mn(I
I)化合物が生成し、かつpH5未満ではMn(II)化合物の
水に対する溶解性が大きいので、処理水中にマンガンが
漏出するおそれがある。被処理水のpHが9を超えても、
変曲点を目安にして亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の添加を
制御し、マンガンを難溶性のMn(III)化合物まで還元
するという本発明の目的は達せられるが、処理水を放流
するためには中和剤を用いる中和が必要になる。被処理
水のpHを5〜9の範囲に維持することにより、亜硫酸水
素塩又は亜硫酸塩の理論当量と変曲点が一致して、最少
必要量の亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の添加で、Mn(II)
化合物を生成することなく、マンガンを難溶性のMn(I
II)まで還元し、処理水はそのまま、あるいは、pHの微
調整をするだけで放流することができる。本発明方法に
用いる亜硫酸水素塩に特に制限はなく、例えば、亜硫酸
水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アン
モニウムなどを挙げることができる。本発明方法に用い
る亜硫酸塩にも特に制限はなく、例えば、亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウムなどを挙げ
ることができる。亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩の添加方法
に特に制限はないが、作業性の面からは、水溶液として
添加することが好ましい。
【0008】本発明方法により、亜硫酸水素塩又は亜硫
酸塩を添加してマンガンが難溶性のMn(III)化合物ま
で還元された被処理水は、水中に不溶化したMn(III)
化合物が懸濁状態で存在するので、凝集処理及び固液分
離により懸濁物質を除去することが好ましい。凝集処理
方法に特に制限はなく、無機凝集剤及び/又は高分子凝
集剤を用いて凝集処理することができ、例えば、無機凝
集剤を添加し、必要に応じてpHを6〜7.5に調整した
のち、高分子凝集剤を添加することができる。含まれる
マンガン量が少ない場合は、無機凝集剤を添加すること
により、Mn(III)化合物からなる懸濁粒子の表面荷電
を中和して、微小フロックを形成し、さらに高分子凝集
剤を添加することにより、微小フロックを凝集して粗大
フロックとすることができる。凝集処理により形成され
たMn(III)化合物の凝集フロックは、固液分離により
除去することができる。固液分離方法に特に制限はな
く、例えば、沈殿処理、ろ過、膜分離などを挙げること
ができる。沈殿処理方法に特に制限はなく、例えば、沈
殿槽などを用いる自然沈殿処理と遠心分離機などを用い
る強制沈殿処理のいずれをも行うことができる。ろ過方
法にも特に制限はなく、例えば、重力式、圧力式、サイ
フォン式、上向流式、ろ材循環式、連続ろ過式などのろ
過器と、アンスラサイト、砂、けい砂、砂利、活性炭、
プラスチックなどのろ材を用いてろ過することができ
る。膜分離方法にも特に制限はなく、例えば、精密ろ過
膜、限外ろ過膜、逆浸透膜などを用いて膜分離すること
ができる。
【0009】図2は、本発明方法の実施の一態様の工程
系統図である。本態様においては、pH計1、酸化還元電
位計2を備えた還元処理装置3に、過マンガン酸塩含有
水が導入される。pH計の測定値に基づいて、pH制御器4
からポンプ5に信号が送られ、槽内において所定のpH値
が維持されるようにpH調整剤槽6からpH調整剤が供給さ
れる。また、酸化還元電位計の測定値に基づいて、酸化
還元電位制御器7からポンプ8に信号が送られ、槽内に
おいて所定の酸化還元電位範囲が維持されるように、亜
硫酸水素塩水溶液槽9から亜硫酸水素塩水溶液が供給さ
れる。マンガンが難溶性のMn(III)化合物まで還元さ
れた被処理水は、凝集槽10に送られ、無機凝集剤と高
分子凝集剤が添加されて、Mn(III)化合物の粗大フロ
ックが形成される。粗大フロックが形成された被処理水
は、次いで固液分離槽11に送られ、沈降したMn(II
I)化合物が汚泥として槽底から抜き出され、上澄水は無
害な処理水として放流される。本発明方法及び装置によ
れば、過マンガン酸塩を含有する被処理水に亜硫酸水素
塩又は亜硫酸塩を添加して還元処理するに際し、被処理
水の酸化還元電位を測定し、酸化還元電位が所定の値に
達するまで亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加するように
制御することにより、還元の段階を難溶性のMn(III)
化合物でとどめ、マンガン濃度の低い良好な水質の処理
水を得ることができる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 過マンガン酸カリウム(試薬特級)を水道水に溶解し、
マンガン濃度20mg/Lの水溶液を調製した。この過マ
ンガン酸カリウム水溶液各1Lを4個の1Lビーカーに
取り、希硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を添加して、
pHをそれぞれ4、5、7、10に調整した。これらのビ
ーカーに10g/L亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加
して過マンガン酸イオンを還元し、酸化還元電位を測定
した。亜硫酸水素ナトリウム水溶液の添加により、液の
pHは酸性側に移行するまので、水酸化ナトリウム水溶液
を添加して所定のpH値に保った。亜硫酸水素ナトリウム
の添加量が17mg/Lのとき、pH4、pH5、pH7、pH1
0の水溶液の酸化還元電位は、それぞれ977mV、95
5mV、932mV、833mVであった。また、亜硫酸水素
ナトリウムを、式[2]で表されるマンガンをMn(II
I)まで還元するために必要な理論当量に相当する76mg
/Lより5mg/L過剰の81mg/L添加したときの酸化
還元電位は、それぞれ939mV、903mV、654mV、
450mVであった。亜硫酸水素ナトリウムの添加量と酸
化還元電位の関係を、第1表及び図1に示す。pH4に保
ったビーカーから、亜硫酸水素ナトリウム添加量101
mg/Lのとき、pH7に保ったビーカーとpH10に保った
ビーカーから、亜硫酸水素ナトリウム添加量81mg/
L、101mg/L、121mg/L、176mg/Lのと
き、液をサンプリングし、化学分析用5種Aろ紙を用い
てろ過し、JIS K 0101 58.2にしたがって、
ろ液中のマンガン濃度を測定した。亜硫酸水素ナトリウ
ムの添加量、過剰の亜硫酸水素ナトリウムの量及びろ液
中のマンガン濃度の関係を、第2表に示す。pH4に保っ
たビーカーで、過剰の亜硫酸水素ナトリウムの量が25
mg/Lのときのろ液中のマンガン濃度は、5.0mg/L
であった。pH7に保ったビーカーでは、過剰の亜硫酸水
素ナトリウムの量が5mg/L(図1のa)と25mg/L
(図1のb)のときろ液中のマンガン濃度はいずれも
0.1mg/L以下であり、過剰の亜硫酸水素ナトリウム
の量が45mg/L(図1のc)、100mg/L(図1の
d)のとき、ろ液中のマンガン濃度はそれぞれ0.94m
g/L、5.4mg/Lであった。また、pH10に保ったビ
ーカーでは、ろ液中のマンガン濃度はすべて0.1mg/
L以下であった。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】第1表及び図1に見られるように、pH7又
はpH10に保ったとき、亜硫酸水素ナトリウムの添加量
と酸化還元電位の関係を示す曲線の変曲点は、マンガン
をMn(III)まで還元するために必要な理論当量である
76mg/Lとほぼ一致している。また、第2表に見られ
るように、pH7に保ったとき、亜硫酸水素ナトリウムの
添加量が、理論当量を超えて25mg/L過剰になって
も、ろ液中のマンガン濃度は0.1mg/L以下であり、
理論当量を超えて100mg/L過剰になっても、ろ液中
のマンガン濃度は5.4mg/Lである。pH4に保ったと
き、亜硫酸水素ナトリウムの添加量と酸化還元電位の関
係を示す曲線の変曲点は、理論当量より約25mg/L多
い亜硫酸水素ナトリウム添加量100mg/L付近にあ
り、このときのろ液中のマンガン濃度は5.0mg/Lで
ある。この結果から、亜硫酸水素ナトリウムの添加量と
酸化還元電位の関係を示す曲線の変曲点を目安として亜
硫酸水素ナトリウムを添加することにより、過マンガン
酸カリウム含有水中のマンガンを難溶性のMn(III)化
合物まで還元して、マンガンが除去された処理水を得る
ことが可能であることが分かる。また、亜硫酸水素ナト
リウムを添加する過マンガン酸塩含有水のpHは、5以上
に保つことが好ましいことが分かる。
【0014】
【発明の効果】本発明方法及び装置によれば、過マンガ
ン酸塩を含有する被処理水に亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩
を添加して還元処理するに際し、被処理水の酸化還元電
位を測定し、酸化還元電位が所定の値に達するまで亜硫
酸水素塩又は亜硫酸塩を添加するように制御することに
より、溶解性の大きいマンガン(II)まで還元が進むこと
を防ぎ、マンガン濃度の低い良好な水質の処理水を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、亜硫酸水素ナトリウムの添加量と酸化
還元電位の関係を示すグラフの一例である。
【図2】図2は、本発明方法の実施の一態様の工程系統
図である。
【符号の説明】
1 pH計 2 酸化還元電位計 3 還元処理装置 4 pH制御器 5 ポンプ 6 pH調整剤槽 7 酸化還元電位制御器 8 ポンプ 9 亜硫酸水素塩水溶液槽 10 凝集槽 11 固液分離槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過マンガン酸塩を含有する被処理水に、亜
    硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加して還元処理する方法に
    おいて、亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩が添加された被処理
    水の酸化還元電位が所定の値に達するまで亜硫酸水素塩
    又は亜硫酸塩を添加することを特徴とする過マンガン酸
    塩含有水の還元処理方法。
  2. 【請求項2】酸化還元電位の所定の値が、亜硫酸水素塩
    又は亜硫酸塩の添加量と酸化還元電位の関係を示す曲線
    の変曲点における値である請求項1記載の過マンガン酸
    塩含有水の還元処理方法。
  3. 【請求項3】被処理水のpHを5〜9の範囲に維持しつつ
    亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩を添加する請求項1又は請求
    項2記載の過マンガン酸塩含有水の還元処理方法。
  4. 【請求項4】pH計、酸化還元電位計、pH調整剤供給装置
    及び亜硫酸水素塩又は亜硫酸塩供給装置を備えた還元処
    理装置であって、pH計の測定値に基づいてpH調整剤の供
    給を制御し、酸化還元電位計の測定値に基づいて亜硫酸
    水素塩又は亜硫酸塩の供給を制御することを特徴とする
    過マンガン酸塩含有水の還元処理装置。
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