JP2003053241A - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

塗布装置および塗布方法

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JP2003053241A JP2001248011A JP2001248011A JP2003053241A JP 2003053241 A JP2003053241 A JP 2003053241A JP 2001248011 A JP2001248011 A JP 2001248011A JP 2001248011 A JP2001248011 A JP 2001248011A JP 2003053241 A JP2003053241 A JP 2003053241A
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coated
layer forming
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JP2001248011A
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Shin Sugaya
伸 菅家
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重層型製版層を有する平版印刷版を安定
に形成できる塗布装置および塗布方法の提供。 【解決手段】 連続走行する帯状の被塗布物上に複数の
層を形成する塗布装置であって、円周方向に沿って形成
された凹凸を有してなり、前記被塗布物に接触しつつ、
前記被塗布物の走行方向と同じ方向に回転するバーを有
し、前記被塗布物に一の層形成液を塗布して第1層を形
成するバーコータと、前記被塗布物の走行方向に対して
前記バーコータの下流側に位置し、前記第1層の上に、
前記一の層形成液と同一または異なる組成を有する他の
層形成液を塗布して第2層以降の層を形成する非接触塗
布手段とを備える塗布装置および塗布方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布装置および塗
布方法に関し、特に、2層以上の層からなる重層構造の
塗膜を帯状の被塗布物に形成するのに好適に使用できる
塗布装置および塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、通常、連続帯状のアルミ
ニウム薄板であるアルミニウムウェブの少なくとも一方
の面を砂目立てし、必要に応じて陽極酸化処理した支持
体ウェブの粗面化面に、可視光露光型またはレーザ露光
型の製版層を形成することにより製造される。
【0003】そして、前記製版層は、通常、感光性樹脂
を含有する感光層形成液、または熱重合性樹脂を含有す
る感熱層形成液を前記支持体ウェブの粗面化面に塗布し
て乾燥させることにより形成される。
【0004】バーコータは、前記感光層形成液または感
熱層形成液を塗布する塗布ヘッドがコンパクトに構成で
きるので、前記感光層形成液および感熱層形成液の塗布
に広く使用されている。
【0005】近年、2層またはそれ以上の層からなる重
層構造の製版層を有する平版印刷版が検討されている。
【0006】前記平版印刷版としては、2層以上の感光
層を有する可視光露光型平版印刷版、および第1層が感
熱層であり、第2層が光熱変換層であるレーザ露光型平
版印刷版などが挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記重
層型製版層の形成において、全ての層を前記バーコータ
によって形成すると、第2層以降の層を形成するとき
に、バーコータのバーが第1層に接触して前記第1層を
掻き取って傷つけることがあった。また、バーが掻き取
った第1層の被膜が前記バーコータにおける戻し系から
戻される感光層形成液または感熱層形成液に混入して前
記感光層形成液または感熱層形成液を汚染するという問
題もあった。
【0008】このように、前記バーコータのみを用いた
のでは、重層構造の製版層を有する平版印刷版を安定し
て形成することは困難であった。
【0009】本発明は、上記問題を解決すべく成され、
重層型製版層を有する平版印刷版を安定に形成できる塗
布装置、および塗布方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、連続走行する帯状の被塗布物上に複数の層を形成す
る塗布装置であって、円周方向に沿って形成された凹凸
を有してなり、前記被塗布物に接触しつつ、前記被塗布
物の走行方向と同じ方向に回転するバーを有し、前記被
塗布物に一の層形成液を塗布して第1層を形成するバー
コータと、前記被塗布物の走行方向に対して前記バーコ
ータの下流側に位置し、前記第1層の上に、前記一の層
形成液と同一または異なる組成を有する他の層形成液を
塗布して第2層以降の層を形成する非接触塗布手段とを
備えてなることを特徴とする塗布装置に関する。
【0011】塗布装置においては、バーコータにおける
バーの回転方向が、前記被塗布物の走行方向と同一であ
るから、前記バーの前記被塗布物に対する相対速度は小
さい。したがって、前記被塗布物が前記支持体ウェブの
ように砂目立てされている場合、および各種の表面処理
が施されている場合であっても、バーの表面に形成され
た溝で擦られて前記砂目立てされた面や表面処理層が傷
つく度合いが少ない。
【0012】また、前記支持体ウェブの砂目立てされた
表面は大きな凹凸を有するが、前記バーコータにより層
形成液を塗布することにより、密着性に優れた第1層が
形成できる。
【0013】また、第2層以降の層の形成には、非接触
塗布手段を用いているから、第2層の形成中に第1層が
掻き取られるなどして損傷したり、前記掻き取りによっ
て第1層の剥落片が混入して前記他の層形成液を汚染し
たりする問題を効果的に防止できる。
【0014】前記塗布装置は、平版印刷版の製造のほ
か、写真フィルムや映画フィルム、印画紙などの感光材
料の製造、録音テープやビデオテープ、フロッピー
(R)ディスクなどの磁気記録材料の製造、およびカラ
ー鉄板などの塗装金属薄板など、金属薄板やポリエステ
ル樹脂フィルム、アセテート樹脂フィルムなどの基材に
2以上の層を形成した製品を製造するのに好適に使用で
きる。
【0015】前記バーコータのバーには、円周方向の溝
が、表面に、一定間隔間隔または不定間隔で形成されて
いる。前記バーコータにおいては、前記層形成液は、前
記バーの上流側に供給される。そして、バーに形成され
た溝と前記被塗布物とにより形成される隙間を通って前
記塗布液が下流側に流出することにより、前記被塗布物
に塗布される。
【0016】前記バーとしては、断面が円形の金属棒
に、転造や切削加工、レーザ加工などにより円周方向の
溝を形成した溝付きバー、および前記金属棒に螺旋状に
ワイヤを巻回したワイヤバーなどが挙げられる。
【0017】前記非接触塗布手段としては、後述するロ
ッドコータ、スライドビードコータ、カーテンコータ、
およびエクストルージョンコータなどが挙げられるが、
非接触で層形成液を塗布することのできるものであれ
ば、これらのものには限定されない。
【0018】前記被塗布物としては、連続した帯状であ
り、可撓性を有する基材が挙げられ、具体的には、前記
支持体ウェブ、写真フィルム用基材、印画紙用バライタ
紙、録音テープ用基材、ビデオテープ用基材、フロッピ
ー(R)ディスク用基材などの前記平版印刷版のほか、
感光材料や磁気記録材料に使用される基材、およびカラ
ー鉄板などの塗装金属板に使用される金属薄板などが挙
げられる。
【0019】前記被塗布物に形成できる層としては、前
記平版印刷版における感光層、感熱層、および光−熱変
換層のほか、前記感光材料におけるハレーション防止層
や感光層、前記磁気記録材料における磁性層、および塗
装金属薄板における下塗り層、中塗り層、上塗り層など
が挙げられる。
【0020】前記一の層形成液および前記他の層形成液
は、前記被塗布物に塗布して乾燥させることにより、前
記ハレーション防止層や感光層、磁性層、下塗り層、中
塗り層、上塗り層などの層を形成するのに使用される溶
液であり、具体的には、前記平版印刷版における感光層
形成液、感熱層形成液、光−熱変換層形成液、前記感光
材料における感光剤コロイド液、前記磁気記録材料にお
ける磁性層の形成に使用される磁性層形成液、および塗
装金属薄板における下塗り層、中塗り層、上塗り層に使
用される各種塗料などが挙げられる。
【0021】前記一の層形成液および前記他の層形成液
は、同じ組成を有していても、異なる組成を有していて
もよい。
【0022】前記第1層は、前記被塗布物に直接形成し
てもよく、また、前記被塗布物に適宜の表面処理を施し
てから形成してもよい。
【0023】前記表面処理としては、前記被塗布物と前
記第1層との間の密着性を改善する処理が挙げられ、具
体的には、前記被塗布物が[従来の技術]のところで述
べた支持体ウェブである場合には、珪酸アルカリ塩水溶
液で処理する珪酸塩処理、有機シラン化合物で処理する
シラン処理、およびカルボキシル基やスルホン基などの
酸基を有する親水性ビニルポリマーまたはNH2基や−
COOH基、スルホン基などの親水性基を有する親水性
化合物の希薄溶液で処理する親水性化合物処理などが挙
げられる。
【0024】請求項2に記載の発明は、連続走行する帯
状の被塗布物上に複数の層を形成する塗布装置であっ
て、表面が平滑に形成されたロッドを有してなり、前記
ロッドが記被塗布物に接触することなく回転し、前記記
被塗布物に一の層形成液を計量・塗布して第1層を形成
するロッドを有する第1層ロッドコータと、前記被塗布
物の走行方向に対して前記ロッドコータの下流側に位置
し、前記第1層の上に、前記一の層形成液と同一または
異なる組成を有する他の層形成液を塗布して第2層以降
の層を形成する非接触塗布手段とを備えてなることを特
徴とする塗布装置に関する。
【0025】前記塗布装置が備える第1層ロッドコータ
においては、前述のように、表面が平滑なロッドを使用
しているから、層形成液の塗布時には、前記被塗布物と
前記ロッドとの間に前記層形成液が入り込み、前記被塗
布物が前記ロッドから浮き上がった状態になる。そし
て、前記層形成液は、前記ロッドと前記被塗布物との間
に形成された隙間において計量され、前記被塗布物に塗
布される。
【0026】したがって、前記第1層ロッドコータにお
いては、前記被塗布物の表面が前記ロッドコータにより
損傷することがないから、前記塗布装置によれば、前記
請求項1に記載の塗布装置を使用した場合よりもさらに
良質な平版印刷版、感光材料、磁気記録材料、塗装金属
薄板などが製造できる。
【0027】請求項3に記載の発明は、前記非接触塗布
手段が前記第1層ロッドコータと同様のロッドコータで
ある塗布装置に関する。
【0028】前記塗布装置において非接触塗布手段とし
て使用されるロッドコータは、前記第1層ロッドコータ
と同様の構成を有する。
【0029】前記塗布装置としては、たとえば第1段目
に前記バーコータを設け、第2段目にロッドコータを設
けた塗布装置のほか、第1段目が前記第1層ロッドコー
タであり、第2段目が前記ロッドコータである塗布装置
が挙げられる。
【0030】請求項4に記載の発明は、前記非接触塗布
手段が、前記他の層形成液を帯状に吐出する吐出スリッ
トと、前記吐出スリットから吐出された前記他の層形成
液が流下するスライド面とを備え、前記スライド面の先
端が、前記被塗布物の走行経路である走行面の近傍に位
置してなり、前記スライド面の先端と前記被塗布物に形
成された前記第1層との間に層形成液架橋を形成して前
記第1層に前記他の層形成液を塗布するスライドビード
コータである塗布装置に関する。
【0031】前記塗布装置は、前記非接触塗布手段とし
てスライドビードコータを使用した塗布装置の一例であ
る。
【0032】前記スライドビードコータは、層形成液架
橋を形成することにより層形成液を塗布するから、非接
触で第2層を形成できる。したがって、第2層を形成中
に前記第1層が掻き取られるなどして損傷することがな
い。
【0033】請求項5に記載の発明は、前記非接触塗布
手段が、前記走行面の上方に配設されてなり、前記被塗
布物に形成された前記第1層に前記他の層形成液をカー
テン状に流下させて塗布するカーテンコータである塗布
装置に関する。
【0034】前記塗布装置は、前記非接触塗布手段とし
てカーテンコータを使用した塗布装置の一例である。
【0035】前記カーテンコータは、前述のように、前
記第1層に前記他の層形成液をカーテン状に流下させて
塗布するから、非接触で塗布できる。したがって、第2
層を形成中に第1層を掻き取るなどして損傷させること
がない。
【0036】請求項6に記載の発明は、前記非接触塗布
手段が、前記走行面の近傍において、前記走行面に向か
って開口し、前記被塗布物に形成された前記第1層に向
って前記他の層形成液を吐出するスリット状の層形成液
吐出口を有するエクストルージョンコータである塗布装
置に関する。
【0037】前記塗布装置は、前記非接触塗布手段とし
てエクストルージョンコータを使用した塗布装置の一例
である。
【0038】エクストルージョンコータは、前記第1層
に向かって前記他の層形成液を吐出して塗布しているか
ら、第2層以降の層を非接触で形成できる。
【0039】請求項7に記載の発明は、前記バーコータ
と前記非接触塗布手段との間に、前記第1層を乾燥する
第1層乾燥手段が設けられてなる塗布装置に関する。
【0040】前記塗布装置によれば、第2層を形成する
前に、前記第1層を乾燥しているから、前記第1層が乾
燥した状態で第2層を形成できる。
【0041】請求項8に記載の発明は、前記第1層ロッ
ドコータと前記非接触塗布手段との間に、前記第1層を
乾燥する第1層乾燥手段が設けられてなる塗布装置に関
する。
【0042】前記塗布装置においても、前記請求項7に
記載の塗布装置と同様に、第2層を形成する前に、前記
第1層を乾燥しているから、前記第1層が乾燥した状態
で第2層を形成できる。
【0043】請求項9に記載の発明は、前記非接触塗布
手段の下流に設けられてなり、前記非接触塗布手段にお
いて形成した層を乾燥する第2層乾燥手段が設けられて
なる塗布装置に関する。
【0044】前記塗布装置においては、第2層乾燥手段
において第2層を形成して乾燥した後、さらに上層の層
を形成するか、または次の工程に移行することができ
る。
【0045】請求項10に記載の発明は、円周方向に沿
って形成された凹凸を有してなり、前記被塗布物に接触
しつつ、前記被塗布物の走行方向と同じ方向に回転する
バーを有するバーコータにより、連続走行する帯状の被
塗布物上に一の層形成液を塗布して第1層を形成し、非
接触塗布手段により、前記第1層上に、前記一の層形成
液と同一または異なる組成を有する他の層形成液を塗布
して第2層以降の層を形成することにより複数の層を形
成することを特徴とする塗布方法に関する。
【0046】前記塗布方法は、請求項1に係る塗布装置
のところで述べたのと同様の特長を有する。
【0047】請求項11に記載の発明は、表面が平滑に
形成されてなり、一の層形成液の塗布時に前記被塗布物
に接触することなく回転するロッドを有する第1層ロッ
ドコータにより、連続走行する帯状の被塗布物上に一の
層形成液を塗布して第1層を形成し、非接触塗布手段に
より、前記第1層上に、前記一の層形成液と同一または
異なる組成を有する他の層形成液を塗布して第2層以降
の層を形成することにより複数の層を形成することを特
徴とする塗布方法に関する。
【0048】前記塗布方法は、請求項2に係る塗布装置
のところで述べたのと同様の特長を有する。
【0049】
【発明の実施の形態】1.実施形態1 本発明の塗布装置の一例につき、構成を図1に示す。
【0050】実施形態1に係る塗布装置100は、本発
明における被塗布物の一例である支持体ウェブWに、2
種の異なる感光層形成液である第1感光層形成液と第2
感光層形成液とを順次塗布し、第1の感光層である第1
層L1と、第2の感光層である第2層L2とを形成する
塗布装置である。前記第1感光層形成液および前記第2
感光層形成液は、それぞれ本発明における一の層形成液
および他の層形成液に相当する。
【0051】塗布装置100は、図1に示すように、支
持体ウェブWの走行方向aに対して最も上流側に位置
し、支持体ウェブWにおける砂目立てされた側の面、す
なわち粗面化面W2に前記第1感光層形成液を塗布して
第1層L1を形成するバーコータ2と、前記搬送方向a
に対してバーコータ2の下流側に位置し、前記第1層L
1の上に第2感光層形成液を塗布して第2層L2を形成
するロッドコータ4とを備える。以下、「前記搬送方向
aに対して下流側」を、単に「下流側」といい、「前記
搬送方向aに対して上流側」を、単に「上流側」とい
う。
【0052】バーコータ2とロッドコータ4との間に
は、バーコータ2で形成された第1層L1を乾燥させる
第1層乾燥装置6が配設され、ロッドコータ4の下流側
には、ロッドコータ4で形成された第2層L2を乾燥さ
せる第2層乾燥装置8が配設されている。第1層乾燥装
置6および第2層乾燥装置8は、それぞれ本発明の塗布
装置における第1層乾燥手段および第2層乾燥手段に相
当し、熱風により乾燥を行なう熱風乾燥装置、加熱ロー
ラによる加熱を利用する接触伝熱式乾燥装置、電磁コイ
ルからの誘導過熱による加熱を利用する誘導過熱式乾燥
装置などが使用できる。
【0053】ロッドコータ4と第2層乾燥装置8との間
には、ロッドコータ4で第2層L2が形成された支持体
ウェブWを第2層乾燥装置8に導入する送りローラ10
が設けられている。
【0054】バーコータ2について、構造を図2に示
す。
【0055】図2に示すように、バーコータ2は、支持
体ウェブWの粗面化面W2に当接しつつ、図2において
矢印bで示すように、支持体ウェブWの走行方向aと同
方向に回転するバー22と、頂面に形成されたV字型の
溝によりバー22を下方から支持する板状の部材である
バー支持部材24と、バー支持部材24の上流側に立設
され、支持体ウェブWの走行経路である走行面Tに向か
って垂直方向に延在する上流側堰板26Aと、バー支持
部材24の下流側に立設され、走行面Tに向かって垂直
方向に延在する下流側堰板26Bと、バー支持部材2
4、上流側堰板26A、および下流側堰板26Bが固定
されている基台28とを備える。
【0056】バー支持部材24と上流側堰板26との間
には、バー22の上流側に第1感光層形成液を供給する
上流側給液流路30Aが設けられ、バー支持部材24と
下流側堰板26Bとの間には、バー22の下流側に第1
感光層形成液を供給する下流側給液流路30Bが設けら
れている。上流側給液流路30Aと下流側給液流路30
Bとは、バー支持部材24における下部に設けられた連
通流路32により連通している。
【0057】上流側給液流路30Aの下端部には、第1
感光層形成液を供給する給液管路A34が接続されてい
る。
【0058】走行面Tの上方には、前記第1感光層形成
液の塗布時において、軸線の周りに従動回転しつつ、支
持体ウェブWをバー22に向かって押圧する1対のウェ
ブ押圧ローラ36が配設されている。
【0059】バー22の詳細を図3および図4に示す。
なお、図4は、図3における平面X−Xに沿ってバー2
2を切断したところを示す断面図である。
【0060】図3および図4に示すように、バー22の
表面には、断面が略三角形状の溝22Aが円周方向に沿
って一定の間隔で形成されている。溝22Aの縁部は、
円弧状の断面を有し、言い替えれば曲面状に形成されて
いる。隣接する2つの溝22Aの間には、頂部が平坦な
断面を有する凸部22Bが形成されている。なお、バー
22は、表面が、波線状、換言すれば略サインカーブ状
の断面を有する程度に溝22Aが互いに近接して形成さ
れていてもよい。
【0061】第1感光層形成液の塗布時におけるバー2
2の回転速度は、支持体ウェブWの走行速度の90%〜
110%の範囲が、支持体ウェブWの粗面化面W2に与
える損傷が少ない故に好ましい。
【0062】支持体ウェブWに第1感光層形成液を塗布
しているときの、支持体ウェブWとバー22との関係を
図5に示す。
【0063】前記塗布時においては、バー22は、凸部
22Bにおいて支持体ウェブWに当接するから、図5に
示すように、支持体ウェブWと溝22Aとの間に、第1
感光層形成液の流路Cが形成される。
【0064】したがって、上流側給液流路30Aからか
らバー22の上流側に供給された第1感光層形成液は、
支持体ウェブWの粗面化面W2に付着するとともに、流
路Cを通ってバー22の下流側に流出し、下流側給液流
路30Bからバー22の下流側に供給された第1感光層
形成液と合流する。
【0065】これにより、前記第1感光層形成液の塗装
の厚みが所定の範囲になるように調量されて第1層L1
が形成される。
【0066】次に、ロッドコータ4について説明する。
【0067】ロッドコータ4の構造を図6に示す。
【0068】図6に示すように、ロッドコータ4は、表
面が平滑なロッド42と、ロッド42を下方から支持す
るロッド支持部材44と、ロッド支持部材44よりも上
流側において、前記ロッド支持部材44に対して平行に
設けられ、上面に平面状の塗布液流形成面が形成された
堰板46と、ロッド支持部材44と堰板46とが固定さ
れた基台48とを有する。
【0069】ロッド42の回転方向は、図6に示す例で
は、走行方向aに対して反対の方向であるが、前記走行
方向aと同方向であってもよい。
【0070】支持体ウェブWは、通常は、張力を加えた
状態でロッド42に巻き掛けられるから、図6に示すよ
うに、ロッド42の近傍を通過する部分を中心にして下
方に、言い替えれば「へ」の字状に折れ曲がった形状を
とる。支持体ウェブWにおけるロッド42よりも上流側
の部分と下流側の部分との成す角度θは、3〜18°の
範囲が好ましく、特に5〜10°の範囲が好ましい。
【0071】ロッド支持部材44は、略板状の部材であ
り、上面に、断面がJ字型の内壁面を有する凹溝44A
が形成されている。ロッド42は、凹溝44Aにおいて
下方から回転可能に支持されている。
【0072】ロッド支持部材44の頂面44Bは、凹溝
44Aの上流側に位置し、支持体ウェブWの走行面Tよ
りも低くなるように形成されている。ロッド支持部材4
4の上流側の壁面、すなわち堰板46に向かい合う側の
壁面は、垂直面状に形成されている。
【0073】堰板46は、走行面Tに向かって垂直方向
に延在する板状部材であり、下端部において基台48に
固定され、頂面46Aが、平面状に形成されている。
【0074】ロッド支持部材44と堰板46との間に
は、スリット状の給液流路50が形成されている。
【0075】給液流路50は、下端において、基台48
の内部に設けられた給液流路52に連通している。給液
流路52は、タンク(図示せず。)から第2感光層形成
液を供給する流路に接続されている。給液流路52は、
小室状に形成され、前記流路からの第2感光層形成液の
供給流が変動したときに、給液流路50における第2感
光層形成液の流路の変動を押える機能を有する。
【0076】基台8における堰板46の上流およびロッ
ド支持部材44の下流には、それぞれ、第2感光層形成
液を受けるオーバーフロー液溜め54、56が形成され
ている。
【0077】また、オーバーフロー液溜め54および5
6は、受けた第2感光層形成液を戻す塗布液戻し配管
(図示せず。)により、前記タンクに接続されている。
【0078】ロッドコータ4においては、給液流路52
および給液流路50から供給された第2感光層形成液
は、支持体ウェブWに対して上向きの力を及ぼす。ロッ
ド42は、前述のように表面が平滑に仕上げられている
から、支持体ウェブWは、前記上向きの力により、ロッ
ド42から若干浮き上がり、前記第2感光層形成液の一
部が前記隙間を通って下流側に流出する。これにより、
支持体ウェブWがロッド42に接触することなく、第2
感光層形成液が所定の厚みで支持体ウェブWに塗布さ
れ、第2層L2が形成される。
【0079】前記第1感光層形成液の残りは、支持体ウ
ェブWと堰板46との間の隙間から上流側に流出する。
これにより、支持体ウェブW表面の同伴エアは上流側に
推し戻される。
【0080】以下、塗布装置100の作用について説明
する。
【0081】支持体ウェブWは、適宜の搬送手段により
搬送され、図1に示すように、バーコータ2のバー22
が粗面化面W2に当接する。これにより、粗面化面W2
に第1感光層形成液が塗布されて第1層L1が形成され
る。
【0082】バーコータ2において第1層L1が形成さ
れた支持体ウェブWは、第1層乾燥装置6内を通過し、
第1層L1が乾燥される。
【0083】第1層乾燥装置6を通過した支持体ウェブ
Wは、次にロッドコータ4上を通過し、ロッドコータ4
により、第2感光層形成液が第1層L1上に塗布され、
第1層L1の上に第2層L2が形成される。
【0084】第2層L2が形成された支持体ウェブW
は、次に第2層乾燥装置8を通過して第2層L2が乾燥
される。
【0085】なお、実施形態1においては、第1層L1
および第2層L2として感光層を形成する例について説
明したが、第1層L1として感熱層を形成し、第2層L
2として光−熱変換層を形成してもよい。
【0086】塗布装置100においては、ロッドコータ
4により、非接触で第2層L2を形成しているから、第
2層L2を形成中に第1層L1が削り取られることはな
い。
【0087】したがって、剥離した第1層L1の剥離片
などが第2層L2の塗膜に混入して析出することがな
く、また、前記第1層L1の剥離片が混入して第2感光
層形成液を汚染することがないから、重層構造の製版層
を有する可視光露光型平版印刷版が安定に製造できる。
【0088】さらに、バーコータ2のバー22は、支持
体ウェブWの走行方向aと同一の方向に回転するから、
バー22の支持体ウェブWに対する相対速度は小さい。
したがって、溝22Aによって支持体ウェブWの粗面化
面W2が傷付く度合いが従来の塗布装置に比較して少な
い。
【0089】2,実施形態2 本発明に係る塗布装置の別の例につき、構成を図7に示
す。図7において図1と同一の符号は、前記符号が、図
1において示す要素と同一の要素を示す。
【0090】実施形態2に係る塗布装置102は、実施
形態1に係る塗布装置100と同様に、支持体ウェブW
に、2種の異なる感光層形成液を順次塗布して2層の感
光層からなる製版層を形成する塗布装置である。
【0091】塗布装置102は、図7に示すように、走
行方向aに対して最も上流側に配置され、支持体ウェブ
Wの粗面化面W2に第1感光層形成液を塗布して第1層
L1を形成するロッドコータ12と、ロッドコータ12
よりも下流側に位置し、第1層L1上に第2感光層形成
液を重ね塗りして第2層L2を形成するエクストルージ
ョンコータ14とを備える。なお、ロッドコータ12
は、本発明の塗布装置における第1層ロッドコータに相
当する。
【0092】ロッドコータ12とエクストルージョンコ
ータ14との間には、第1層乾燥装置6が配設され、エ
クストルージョンコータ14の下流には、第2層間層装
置8が配設されている。
【0093】以下、塗布装置102の各構成部分につい
て説明する。
【0094】ロッドコータ12は、実施形態1に係る塗
布装置100の備えるロッドコータ4と同一の構造を有
するロッドコータである。
【0095】エクストルージョンコータ14は、図7お
よび図8に示すように、頂部に向かって縮小する楔形の
断面を有する板状であり、搬送面Tの下方に配設された
本体142と、本体142の頂部において、長手方向に
沿って開口する吐出スリット流路144と、本体142
の内部に設けられ、吐出スリット流路144に第2感光
層形成液を供給する給液流路146と、本体142の上
流側に設けられた減圧チャンバ150を有する。本体1
42は、頂部が支持体ウェブWの第1層L1に接触しな
い高さに設けられている。また、減圧チャンバ150に
は、内部を減圧する減圧管路152が設けられている。
【0096】エクストルージョンコータ14における走
行面Tを挟んで本体142の反対側には、支持体ウェブ
Wを、巻き掛けられた状態で搬送するバックアップロー
ラ154が設けられている。
【0097】図8に示すように、給液流路146から供
給された第2感光層形成液は、吐出スリット流路144
から上方に吐出して第1層L1の表面に付着し、第2層
L2を形成する。したがって、エクストルージョンコー
タ14においても、第1層L1に接触することなく、第
2層L2が形成される。
【0098】以下、塗布装置102の作用について説明
する。
【0099】塗布装置102においては、ロッドコータ
12において、支持体ウェブWに第1感光層形成液が塗
布され、第1層L1が形成される。
【0100】ロッドコータ12において形成された第1
層L1は、支持体ウェブWが第1層乾燥装置6を通過す
る間に乾燥される。
【0101】第1層乾燥装置6を通過した支持体ウェブ
Wは、次いでエクストルージョンコータ14上を通過
し、第1層乾燥装置6で乾燥された第1層L1上に第2
感光層形成液が塗布されて第2層が形成される。
【0102】エクストルージョンコータ14において形
成された第2層は、支持体ウェブWが第2層乾燥装置8
を通過する間に嵌装される。
【0103】塗布装置102においては、第1感光層形
成液がロッドコータ12により支持体ウェブWに塗布さ
れている。
【0104】実施形態1のところで述べたように、前記
第1感光層形成液のような層形成液をロッドコータによ
り支持体ウェブWのような被塗布物に塗布する場合は、
前記層形成液の圧力により、前記被塗布物が前記ロッド
コータのロッドから浮き上がり、前記被塗布物と前記ロ
ッドとの間に隙間が形成される。そして、前記隙間を前
記層形成液が下流側に流出することにより、前記層形成
液が所定の厚みに調量されるとともに塗布される。
【0105】したがって、ロッドコータ12において
は、支持体ウェブWがロッドに接触することなく、非接
触で第1感光層形成液が塗布される。
【0106】したがって、第2層L2を形成中に第1層
L1が削り取られて、第1層L1の剥離片などが第2層
L2の塗膜に混入して析出したり、第2感光層形成液を
汚染したりすることがないだけでなく、第1層L1を形
成中にロッドコータ12のロッドが支持体ウェブWの粗
面化面W2に接触して粗面化面W2を傷付けることがな
い。
【0107】したがって、塗布装置102によれば、実
施形態に係る塗布装置100よりもさらに容易に、重層
構造の製版層を有する良質な可視光露光型またはレーザ
露光型の平版印刷版が製造できる。
【0108】3.実施形態3 本発明に係る塗布装置の別の例につき、構成を図9に示
す。図9において図1〜図7と同一の符号は、前記符号
が、図1〜7において示す要素と同一の要素を示す。
【0109】実施形態3に係る塗布装置104もまた、
実施形態1に係る塗布装置100と同様に、支持体ウェ
ブWに、2種の異なる感光層形成液とを順次塗布して2
層の感光層からなる製版層を形成する塗布装置である。
【0110】図9に示すように、塗布装置104は、非
接触塗布手段として、実施形態2に係る塗布装置102
におけるエクストルージョンコータ14に代えてロッド
コータ16を使用した以外は、実施形態2に係る塗布装
置102と同様の構成を有する。
【0111】ロッドコータ16は、実施形態1に係る塗
布装置100におけるロッドコータ4と同様の構造を有
するロッドコータである。
【0112】塗布装置104においては、支持体ウェブ
Wの粗面化面W2にロッドコータ12で第1感光層形成
液が塗布されて第1層L1が形成される。第1層L1が
形成された支持体ウェブWは、第1層乾燥装置6を通過
し、第1層L1が乾燥される。
【0113】そして、支持体ウェブWは、ロッドコータ
16上を通過し、乾燥した第1層上に第2感光層形成液
あ塗布されて第2層L2が形成される。
【0114】第2層L2が形成された支持体ウェブW
は、第2層乾燥装置8を通過し、第2層L2が乾燥され
る。
【0115】塗布装置104においては、第1層L1お
よび第2層L2の何れもロッドコータによる第1感光層
形成液または第2感光層形成液の塗布により形成され
る。したがって、実施形態1および実施形態2のところ
で述べたように、ロッドコータ12およびロッドコータ
16の何れにおいても、第1感光層形成液または第2感
光層形成液を塗布中に、ロッドが支持体ウェブに接触す
ることなく、非接触で塗布が行なわれる。
【0116】したがって、塗布装置104によれば、実
施形態2に係る塗布装置102と同様に、重層構造の製
版層を有する良質な可視光露光型の平版印刷版が容易に
製造できる。
【0117】4.実施形態4 本発明に係る塗布装置のさらに別の例につき、構成を図
10に示す。図10において図1〜図7と同一の符号
は、前記符号が、図1〜7において示す要素と同一の要
素を示す。
【0118】図10に示すように、実施形態4に係る塗
布装置106は、非接触塗布手段として、実施形態2に
係る塗布装置102におけるエクストルージョンコータ
14に代えてスライドビードコータ18を使用した以外
は、実施形態2に係る塗布装置102と同様の構成を有
する。
【0119】次に、スライドビードコータ18およびそ
の近傍を図11に示す。
【0120】図11に示すように、スライドビードコー
タ18は、第1層L1が形成された支持体ウェブWが巻
きかけられ、反時計回りに回転して支持体ウェブWを搬
送するバックアップローラ182と、バックアップロー
ラ182に巻きかけられて搬送される支持体ウェブW
に、第2感光層形成液を塗布するスライドビードコータ
本体184とを備える。
【0121】スライドビードコータ本体184は、略直
方体状のブロックであり、バックアップローラ182に
向かって突出する先端部184Aを有する。先端部18
4Aの端縁は、バックアップローラ182に対して平行
に形成されている。スライドビードコータ本体184
は、支持体ウェブWへの第2感光層形成液の塗布時に
は、先端部184Aの端縁と支持体ウェブWにおける第
1層L1との間に、通常約0.1〜1mm程度の隙間が
形成されるように配設されているが、前記隙間の大きさ
は、支持体ウェブWに形成すべき第1層L1の厚みに応
じて決定できる。
【0122】スライドビードコータ本体184の上面に
は、吐出スリット186Aから先端部184Aの端縁に
向かって下方に傾斜する平面であるスライド面184B
が形成されている。スライド面184Bの中央部には、
先端部184Aの端縁に対して平行に形成され、第2感
光層形成液を上方に吐出する吐出スリット186Aが形
成され、スライドビードコータ本体184の内部におけ
る吐出スリット186Aの下方には、吐出スリット18
6Aに第2感光層形成液を供給する給液流路186Bが
形成されている。第2層L2の上に第3層、第4層…を
形成する場合には、吐出スリット186Aを複数設けれ
ばよい。
【0123】スライドビードコータ本体184における
先端部184Aの下方には、減圧チャンバ188が設け
られている。減圧チャンバ188の底部には、内部を減
圧する減圧管188Aが設けられ、底面には、内部に溜
まった第2感光層形成液を排出する排液管188Bが下
方に向かって設けられている。減圧チャンバ188の下
方には、排液管188Bを通って排出された第2感光層
形成液を貯留する排液貯留槽190が設けられている。
排液貯留槽190の天井面近傍には、内部を減圧する減
圧管190Aが設けられている。
【0124】第2感光層形成液を支持体ウェブWに塗布
するときは、減圧チャンバ188の内部は、減圧管18
8Aに接続された真空ポンプまたはアスピレータなどに
より、たとえば0.5〜10cm水柱程度に減圧され
る。また、排液貯留槽190の内部も、減圧管190A
を通して減圧チャンバ188の内部と同程度の圧力に減
圧される。
【0125】スライドビードコータ18においては、ス
ライドビードコータ本体184の吐出スリット186A
から第2感光層形成液を吐出させてスライド面188B
を流下させ、先端部188Aの端縁と、支持体ウェブW
における第1層L1との間に塗布ビードを形成して第2
感光層形成液を塗布する。これにより、第2層L2が非
接触で形成される。
【0126】実施形態4に係る塗布装置106において
も、第1層L1および第2層L2の何れも非接触で形成
される。故に、第2層L2を形成中に第1層L1が削り
取られて、第1層L1の剥離片などが第2層L2の塗膜
に混入して析出したり、第2感光層形成液を汚染したり
することがないだけでなく、第1層L1を形成中にロッ
ドコータ12のロッドが支持体ウェブWの粗面化面W2
に接触して粗面化面W2を傷付けることがない。
【0127】したがって、塗布装置106によれば、実
施形態に係る塗布装置100よりもさらに容易に、重層
構造の製版層を有する良質な可視光露光型の平版印刷版
が製造できる。
【0128】
【実施例】以下、実施例により、さらに具体的に本発明
について説明する。
【0129】(実施例1)表1に示す層形成液を準備し
た。
【0130】
【表1】 幅が700〜1500mmであるアルミニウムウェブの
一方の面を常法に従って砂目立てし、陽極酸化処理して
支持体ウェブWを作成した。
【0131】図1に示す塗布装置100を用いて、前記
支持体ウェブWに第1層L1と第2層L2との2層から
なる製版層を積層して平版印刷版を作製した。
【0132】支持体ウェブWの搬送速度は60m/mi
nに設定した。
【0133】バーコータ2において第1感光層形成液を
塗布して第1層L1を形成し、ロッドコータ4で第2感
光層形成液を塗布して第2層L2を形成した。バーコー
タ2においてはバー22を順転させ、ロッドコータ4に
おいてはロッド42を逆転させた。
【0134】第1層乾燥装置6および第2層乾燥装置8
としては熱風乾燥装置を用い、風向きは、前記熱風乾燥
装置内に吸い込む方向とした。バーコータ2と第1層乾
燥装置6との間、および第2層乾燥装置8とロッドコー
タ4との間には遮蔽板を設け、第1層乾燥装置6および
第2層乾燥装置8において熱風の風速および分布にムラ
が生じないようにした。
【0135】塗布開始後、定期的に第1層L1および第
2層L2を観察したが、第2層L2には固形物の析出は
見られなかった。支持体ウェブWの粗面化面W2に、砂
目形状がバー22の溝22Aで押し潰された痕が若干認
められたが、得られた平版印刷版の品質に悪影響を与え
るほどではなく、前記平版印刷版の品質は、機運を満た
していた。
【0136】(実施例2)図7に示す塗布装置102を
用いた以外は実施例1と同様の手順に従い、支持体ウェ
ブWに第1感光層形成液および第2感光層形成液を塗布
して平版印刷版を製造した。
【0137】塗布開始後、定期的に第1層L1および第
2層L2を観察したが、第2層L2には固形物の析出は
見られず、また、粗面化面W2に、ロッドコータ12の
ロッドで擦られたような痕は認められなかった。得られ
た平版印刷版の品質も安定していた。
【0138】(実施例3)図9に示す塗布装置104を
用いた以外は実施例1と同様の手順に従い、支持体ウェ
ブWに第1感光層形成液および第2感光層形成液を塗布
して平版印刷版を製造した。
【0139】塗布開始後、定期的に第1層L1および第
2層L2を観察したが、第2層L2には固形物の析出は
見られず、また、粗面化面W2に、ロッドコータ12の
ロッドで擦られたような痕は認められなかった。得られ
た平版印刷版の品質も安定していた。
【0140】(比較例1)実施例1において、バーコー
タ2のバー22を逆転させ、ロッドコータ4に代えて、
バーコータ2と同様のバーコータを使用し、前記バーコ
ータにおいてバーを順転させた以外は、実施例1と同様
にして第1感光層形成液および第2感光層形成液を塗布
した。
【0141】塗布開始後、暫くすると、第2感光層形成
液中に粉末状の固形物が発生した。前記第2感光層形成
液を分析したところ、前記固形物は、第1層L1を形成
する感光性樹脂と同一の物質であることが判った。この
ことから、前記第2層形成バーコータにおいて第2感光
層形成液を塗布して第2層L2を形成する際に、既に形
成された第1層L1をバーで擦って剥落させたことが判
った。
【0142】また、支持体Wの粗面化面W2において
は、バーコータ2のバー22における溝22Aで砂目が
押しつぶされて破壊されているのが明瞭に認められた。
【0143】(比較例2)バーコータのバー22を順転
させた以外は、比較例1と同様にしてPS版を製造し
た。
【0144】塗布開始後、暫くすると、比較例1の場合
に比較して少ないものの、第2感光層形成液中に粉末状
の固形物が発生した。前記第2感光層形成液を分析した
ところ、前記固形物は、第1層L1を形成する感光性樹
脂と同一の物質であることが判った。このことから、前
記第2層形成バーコータにおいて第2感光層形成液を塗
布して第2層L2を形成する際に、既に形成された第1
層L1をバーで擦って剥落させたことが判った。
【0145】また、支持体Wの粗面化面W2において
は、バーコータ2のバー22における溝22Aで砂目が
押しつぶされて破壊されているのが認められたが、前記
破壊の度合いは、比較例1の場合よりは少なかった。。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
重層型製版層を有する平版印刷版を安定に形成できる塗
布装置および塗布方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る塗布装置に
つき、構成を示す概略図である。
【図2】図2は、図1に示す塗布装置の備えるバーコー
タ2の構成を示す断面図である。
【図3】図3は、図2に示すバーコータが備えるバーの
全体形状を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3に示すバーの断面図である。
【図5】図5は、図1に示す塗布装置において第1感光
層形成液を塗布するときの、支持体ウェブと図3に示す
バーとの位置関係を示す断面図である。
【図6】図6は、図1に示す塗布装置が備えるロッドコ
ータの構造を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態2に係る塗布装置に
つき、構成を示す概略図である。
【図8】図8は、図7に示す塗布装置の備えるエクスト
ルージョンコータおよびその近傍を示す拡大断面図であ
る。
【図9】図9は、本発明の実施形態3に係る塗布装置に
つき、構成を示す概略図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態4に係る塗布装
置につき、構成を示す概略図である。
【図11】図11は、図10に示す塗布装置の備えるス
ライドビードコータおよびその近傍を示す拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
2 バーコータ 4 ロッドコータ 6 第1層乾燥装置 8 第2層乾燥装置 12 ロッドコータ 14 エクストルージョンコータ 16 ロッドコータ 18 スライドビードコータ 22 バー 22A 溝 22B 凸部 42 ロッド W 支持体ウェブ W2 粗面化面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41N 1/14 B41N 1/14 G03F 7/16 501 G03F 7/16 501 Fターム(参考) 2H025 AA18 AB03 EA04 2H114 AA04 AA14 AA22 AA24 AA30 BA01 BA10 DA04 EA02 EA08 GA01 GA34 4D075 AC04 AC22 AC26 AC29 AC34 AC53 AC72 AC84 AE03 AE16 CA48 DA04 DB07 DC27 4F041 AA12 AB02 CA02 CA12 4F042 AA22 DB01 DD09 DD18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続走行する帯状の被塗布物上に複数
    の層を形成する塗布装置であって、 円周方向に沿って形成された凹凸を有してなり、前記被
    塗布物に接触しつつ、前記被塗布物の走行方向と同じ方
    向に回転するバーを有し、前記被塗布物に一の層形成液
    を塗布して第1層を形成するバーコータと、 前記被塗布物の走行方向に対して前記バーコータの下流
    側に位置し、前記第1層の上に、前記一の層形成液と同
    一または異なる組成を有する他の層形成液を塗布して第
    2層以降の層を形成する非接触塗布手段とを備えてなる
    ことを特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 連続走行する帯状の被塗布物上に複数
    の層を形成する塗布装置であって、 表面が平滑に形成されたロッドを有してなり、前ロッド
    が記被塗布物に接触することなく回転し、前記記被塗布
    物に一の層形成液を計量・塗布して第1層を形成する第
    1層ロッドコータと、 前記被塗布物の走行方向に対して前記第1層ロッドコー
    タの下流側に位置し、前記第1層の上に、前記一の層形
    成液と同一または異なる組成を有する他の層形成液を塗
    布して第2層以降の層を形成する非接触塗布手段とを備
    えてなることを特徴とする塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記非接触塗布手段は、前記第1層ロ
    ッドコータと同様のロッドコータである請求項1または
    2に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記非接触塗布手段は、 前記他の層形成液を帯状に吐出する吐出スリットと、前
    記吐出スリットから吐出された前記他の層形成液が流下
    するスライド面とを備え、 前記スライド面の先端が、前記被塗布物の走行経路であ
    る走行面の近傍に位置してなり、 前記スライド面の先端と前記被塗布物に形成された前記
    第1層との間に層形成液架橋を形成して前記第1層に前
    記他の層形成液を塗布するスライドビードコータである
    請求項1または2に記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記非接触塗布手段は、前記走行面の
    上方に配設されてなり、前記被塗布物に形成された前記
    第1層に前記他の層形成液をカーテン状に流下させて塗
    布するカーテンコータである請求項1または2に記載の
    塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記非接触塗布手段は、前記走行面の
    近傍において、前記走行面に向かって開口し、前記被塗
    布物に形成された前記第1層に向って前記他の層形成液
    を吐出するスリット状の層形成液吐出口を有するエクス
    トルージョンコータである請求項1または2に記載の塗
    布装置。
  7. 【請求項7】 前記バーコータと前記非接触塗布手段
    との間に、前記第1層を乾燥する第1層乾燥手段が設け
    られてなる請求項1〜6の何れか1項に記載の塗布装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第1層ロッドコータと前記非接触
    塗布手段との間に、前記第1層を乾燥する第1層乾燥手
    段が設けられてなる請求項2〜6の何れか1項に記載の
    塗布装置。
  9. 【請求項9】 前記非接触塗布手段の下流に設けられ
    てなり、前記非接触塗布手段において形成した層を乾燥
    する第2層乾燥手段が設けられてなる請求項1〜8の何
    れか1項に記載の塗布装置。
  10. 【請求項10】 円周方向に沿って形成された凹凸を
    有してなり、前記被塗布物に接触しつつ、前記被塗布物
    の走行方向と同じ方向に回転するバーを有するバーコー
    タにより、連続走行する帯状の被塗布物上に一の層形成
    液を塗布して第1層を形成し、 非接触塗布手段により、前記第1層上に、前記一の層形
    成液と同一または異なる組成を有する他の層形成液を塗
    布して第2層以降の層を形成することにより複数の層を
    形成することを特徴とする塗布方法。
  11. 【請求項11】 表面が平滑に形成されてなり、一の
    層形成液の塗布時に前記被塗布物に接触することなく回
    転するロッドを有する第1層ロッドコータにより、連続
    走行する帯状の被塗布物上に一の層形成液を塗布して第
    1層を形成し、 非接触塗布手段により、前記第1層上に、前記一の層形
    成液と同一または異なる組成を有する他の層形成液を塗
    布して第2層以降の層を形成することにより複数の層を
    形成することを特徴とする塗布方法。
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