JP2003051314A - 熱電池 - Google Patents
熱電池Info
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Abstract
および内部短絡などを起こすことのない熱電池およびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 リチウムまたはリチウム合金からなる負
極、溶融塩からなる電解質層、および少なくとも二硫化
鉄を含む正極を具備する素電池と、発熱剤とを含む熱電
池において、作動前の内部圧力を750hPa以上とす
る。
Description
鉄系熱電池に関する。
加熱すると活性化して外部へ電力を供給し得る状態にな
る電池であり、貯蔵型電池の一種である。したがって、
熱電池は、5〜10年またはそれ以上の期間貯蔵した後
に使用しても、作製直後に使用する場合に比べて電池特
性は変わらない。そのため、熱電池は緊急用電源として
利用されている。
電極反応が進み易くかつ分極が少なく大電流放電特性に
優れる。さらに、使用時に起動信号を入れると、瞬時に
電力を取り出すことができるという特徴を有する。この
ような熱電池は、従来、それほど高い電圧を発揮するこ
とは要請されていなかったため、単にマイカなどからな
る断熱材数枚を電池ケースの内周部に巻き付けることに
よって出力電圧端子と電池ケースとの間の絶縁性を確保
しており、絶縁性を確保するためにその他特段の手段は
講じられていなかった。
の高い電圧を発揮する熱電池が要請されはじめ、以下の
ように従来の熱電池に新たな問題が生じてきた。すなわ
ち、従来の熱電池は、素電池などを電池ケースに導入し
た後、絶対湿度100ppm以下の乾燥雰囲気下で前記
電池ケースを封口することにより作製していた。
した空気が充填されており、負極中のリチウムと空気中
のチッ素ガスとが反応して電池内部の空気の体積が低減
し、当該電池内部の圧力が低下してしまうという問題が
あった。そして、内部圧力が低下すると、電池内部では
出力電圧端子と電池ケースとの間で高電圧に対して絶縁
破壊が起こり、短絡状態になって正常な放電性能が得ら
れないという問題が生じた。
は、上述のような高電圧の熱電池において生じた問題点
を解消すべく、作動時に電池内部の圧力が下がって絶縁
破壊および内部短絡などを起こすことのない熱電池を提
供することにある。さらに、本発明は、そのような熱電
池の製造方法を提供することも目的とする。
はリチウム合金からなる負極、溶融塩からなる電解質
層、および少なくとも二硫化鉄を含む正極を具備する素
電池と、発熱剤とを含む熱電池であって、作動前の内部
圧力が750hPa以上であることを特徴とする熱電池
に関する。
%以下に相当する量のチッ素ガスを含むのが有効であ
る。また、前記熱電池は、空孔体積の16%以上の不活
性ガスを含むのが有効である。また、前記不活性ガス
は、アルゴンおよびヘリウムよりなる群から選択される
少なくとも1種であるのが有効であり、さらに、前記不
活性ガスの5〜10体積%が炭酸ガスであるのが有効で
ある。
入した電池ケースの周囲雰囲気を減圧雰囲気とし、つい
で不活性ガス雰囲気下で前記電池ケースを封口すること
を特徴とする熱電池の製造方法にも関する。この製造方
法においては、前記減圧雰囲気の圧力が100hPa以
下であるのが有効である。
ム合金からなる負極、溶融塩からなる電解質層、および
少なくとも二硫化鉄を含む正極を具備する素電池と、発
熱剤とを含む熱電池であり、作動前の内部圧力が750
hPa以上で常圧以下であることを特徴とする。
池において発生する絶縁破壊などの原因を検討し、熱電
池の内部に存在してリチウムと反応し得るチッ素ガス成
分量を低減させれば従来のような問題点は解消されるも
のと考え、本発明を完成するに至った。
池の一部を断面にした斜視図を図1に示す。本発明の熱
電池の構造は基本的に従来のものと同じであり、図1に
示すように、素電池7と発熱剤層5を交互に重ねて、積
層した積層体の上端に、着火剤層(着火パッド)4およ
びイグナイタ3を設置し、断熱材9とともに金属製容器
(電池ケース)1に収納して構成されている。
に印加されるとイグナイタ3が燃焼し、ついで着火剤層
4、導火帯6や発熱剤層5が燃焼することによって、素
電池7が加熱される。そして、素電池7に含まれる溶融
塩電解質(図示せず。)が溶融することによりイオン伝
導体となり、放電が可能となるのである。
KCl−LiCl溶融塩やLiBr−KBr−LiCl
等の三元系溶融塩を用いることができる。また、正極に
はKCl−LiCl溶融塩などの電解質を含ませること
により高性能化ができる。また、発熱剤としては、鉄粉
および過塩素酸カリウムを含むものなどを用いることが
できる。
層5、着火剤層4およびイグナイタ3などの電池要素が
内蔵されているが、これらの電池要素の間には空孔があ
り、電池内部に気体が存在する。そこで、本発明は、こ
の熱電池の内部の圧力および気体の組成をコントロール
することによって上記問題点を解決する。
以上であるのが好ましい。内部圧力が750hPa未満
の場合、絶縁性が低下し、短絡による放電性能の低下を
引き起こし易いからである。
は、前記空孔体積の60%以下であるのが好ましい。上
述のように、電池内部に含まれるガスのうち負極に含ま
れるリチウムと反応するのはチッ素ガスであるが、この
チッ素ガスの量が60体積%以下であれば、リチウムと
の反応によって消費されるガス量も少なくなり、熱電池
の内部圧力が低下し過ぎず750hPa以上に保持され
るからである。
の16%以上に相当する量の不活性ガスを含むのが好ま
しい。これによっても、負極中に含まれるリチウムと反
応し得るガスの量を減らし、熱電池の内部圧力の低下を
抑制することができる。かかる不活性ガスとしては、ア
ルゴンおよびヘリウムよりなる群から選択される少なく
とも1種を用いるのが好ましい。すなわち、アルゴンお
よびヘリウムの混合ガスを用いてもよい。
炭酸ガスであってもよい。炭酸ガスが存在すると、炭酸
ガスが負極中のリチウムと反応して負極の表面にLi2
CO3が生成され、窒素ガスとリチウムとの反応を抑制
することができるからである。炭酸ガスが5体積%未満
であるとこのような効果が認められず、10体積%を超
えると多量のLi2CO3が生成して熱電池の内部圧力を
低下させる傾向にあるため好ましくない。
よび発熱剤を導入した電池ケースの周囲雰囲気を減圧雰
囲気とし、ついで不活性ガス雰囲気下で前記電池ケース
を封口することによって製造することができる。この場
合、前記減圧雰囲気の圧力を100hPa以下とするの
が好ましく、また、不活性ガス雰囲気の圧力およびガス
組成などは、上述の本発明に係る熱電池内部の圧力およ
びガス組成に対応させて当業者であれば適宜制御するこ
とができる。
本発明はこれらのみに限定されるものではない。 《実施例1〜3および比較例》図1に示す構造を有する
熱電池を作製した(ただし、積層数は異なる。)。素電
池7は、活物質である二硫化鉄および溶融塩電解質Li
Cl−KClを混合してなる正極合剤層、LiCl−K
Clを含浸させたMgOバインダーを含む電解質層、な
らびにリチウムからなる負極を積層することにより得
た。素電池の径は50mmとした。発熱剤層5はFeお
よびKClO4を均一に混合して作製し、着火剤層4お
よび導火帯6はZr、BaCrO4およびガラス繊維を
混合して作製した。
イエアー雰囲気にした第1のチャンバー内に電池ケース
1を配置し、素電池7および発熱剤層5をそれぞれ13
5枚積層して電池ケース1に導入した。そして、図1に
示すように、上端に着火剤層4を配置し、断熱材9、イ
グナイタ3、端子2、リード板8および導火帯6を取り
付けて電池を構成した。
第3のチャンバーをつなげている第2のチャンバー内に
電池を移動し、絶対湿度100ppm以下、表1に示す
圧力(300〜350hPa)に制御し、99.9体積
%のアルゴンで常圧に戻した。このとき、電池の内部は
減圧した分のエアーがアルゴンに置換された状態とな
る。
ーに移した。そして、第3のチャンバー内において電池
蓋10で電池ケース1を封口し、図1に示す構造を有す
る100V系の本発明の熱電池1を作製した(実施例
1)。
れ90〜100hPaおよび20hPa以下に設定した
以外は、実施例1と同様にして本発明の熱電池2および
3を作製した(実施例2および3)。さらに、全工程を
絶対湿度100ppm以下のドライエアー雰囲気下で行
った以外は、実施例1と同様にして従来の熱電池と同じ
比較用熱電池4を作製した(比較例)。
4をそれぞれ20個ずつ作製し、63℃で10日間保存
後、電池を作動させ、絶縁破壊を生じた熱電池の個数を
数えた。結果を表1に示した。なお、表1には、熱電池
1〜3および比較用熱電池4と同様の熱電池をそれぞれ
作製し、電池蓋の部分に圧力変換器((株)共和電業
製)をうめこみ、歪みゲージにより測定した、63℃で
10日間保存した後(作動前)の内部圧力も示した。
来の熱電池よりも優れていることがわかった。なお、2
00V系の熱電池に関しては、第2のチャンバの内部圧
力を90〜100hPaにして作製した熱電池が好まし
い結果を示し、300V系の熱電池に関しては、第2の
チャンバーの内部圧力を20hPa以下にして作製した
熱電池が好ましい結果を示した。
からの経過時間(秒)と、出力電圧(V)との関係を表
すグラフを示した。図2から、本発明による熱電池1〜
3は、長期間にわたって高い出力電圧を維持することが
できるのがわかる。
力が低下していることにより、絶縁破壊および内部短絡
などを起こすことのない熱電池を提供することができ
る。
面にした斜視図である。
(秒)と、出力電圧(V)との関係を表すグラフであ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 リチウムまたはリチウム合金からなる負
極、溶融塩からなる電解質層、および少なくとも二硫化
鉄を含む正極を具備する素電池と、発熱剤とを含む熱電
池であって、作動前の内部圧力が750hPa以上であ
ることを特徴とする熱電池。 - 【請求項2】 空孔体積の60%以下のチッ素ガスを含
むことを特徴とする請求項1記載の熱電池。 - 【請求項3】 空孔体積の16%以上の不活性ガスを含
むことを特徴とする請求項1または2記載の熱電池。 - 【請求項4】 前記不活性ガスが、アルゴンおよびヘリ
ウムよりなる群から選択される少なくとも1種であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱電
池。 - 【請求項5】 前記不活性ガスの5〜10体積%が炭酸
ガスであることを特徴とする請求項4記載の熱電池。 - 【請求項6】 素電池および発熱剤を導入した電池ケー
スの周囲雰囲気を減圧雰囲気とし、ついで不活性ガス雰
囲気下で前記電池ケースを封口することを特徴とする熱
電池の製造方法。 - 【請求項7】 前記減圧雰囲気の圧力が100hPa以
下であることを特徴とする請求項6記載の熱電池の製造
方法。
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CN110993878A (zh) * | 2019-11-15 | 2020-04-10 | 上海空间电源研究所 | 一种具有力学缓冲功能的防漏电绝缘卡环 |
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