JP2003050701A - 故障原因特定過程支援装置 - Google Patents

故障原因特定過程支援装置

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JP2003050701A
JP2003050701A JP2001238148A JP2001238148A JP2003050701A JP 2003050701 A JP2003050701 A JP 2003050701A JP 2001238148 A JP2001238148 A JP 2001238148A JP 2001238148 A JP2001238148 A JP 2001238148A JP 2003050701 A JP2003050701 A JP 2003050701A
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Akio Sato
昭夫 佐藤
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 樹木図に示されていない故障パターンで故障
が発生した場合にも効率的に故障部品の診断を行う。 【解決手段】 この装置は、故障現象別にその原因とな
り得る1次部品群を記憶し、そこに記憶された1次部品
の故障原因となり得る2次部品群を記憶し、以下同様に
して、n―1次部品の故障原因となり得るn次部品群ま
でを記憶しているFTファイルと、k次部品に故障があ
ることが特定され、そのk次部品の故障原因となり得る
ものとしてFTファイルに記憶されているk+1次部品
群の全部が正常なときに、k−1次部品の故障原因とな
り得るものとしてFTファイルに記憶されている前記k
次部品以外のk次部品の故障原因となり得るものとして
FTファイルに記憶されているk+1次部品を検索する
コンピュータと、検索結果を表示する表示装置を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、装置に故障が生
じた場合に、故障の原因となった部品を特定する過程を
支援する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 装置に生じた故障の原因となった部品
を特定する過程を支援するために、樹木図〔フォールト
・ツリー(Fault Tree)〕を示すことによって、部品が
正常か異常かを判別する判別手順を実施すべき部品を示
唆する装置が知られている(例えば、特開平8−447
00号等)。樹木図を用いる故障原因特定過程支援装置
の概要を図11を参照して説明する。通常の装置は、ネ
ジ、ケーブル、ソケット、ランプ、コンデンサ、コイル
といった最小単位である部品が複合して一つの複合部品
を構成し、その複合部品群が複合して上位の複合部品を
構成し、その上位の複合部品群が複合してさらに上位の
複合部品を構成し、最終的には最上位の複合部品群が複
合して一つの装置を構成している。この明細書では、最
上位の複合部品を1次部品といい、最小単位である部品
をn次部品ということにする。この用法に従うと、最小
部品単位であるn次部品群が複合してn―1次部品が構
成され、n−1次部品群が複合してn−2次部品が構成
され、以下同様に、下位の部品群が複合して上位の部品
が構成され、最終的には、1次部品群が複合して一つの
装置を構成しているということになる。装置に故障が生
じた場合には、故障の原因となった1次部品を特定し、
次いでその故障の原因となった2次部品を特定し、以後
はその処理を繰返すことで、故障の原因となったn次部
品を特定する。装置が複雑となると、故障現象からその
原因となり得る1次部品を特定することが難しい。1次
部品が特定できても、どの2次部品群を調査したら故障
の原因となった2次部品を特定できるのかを理解するこ
とが難しい。装置が複雑となると、部品が正常か異常か
を判別する判別手順を実施すべき部品の関係がわからな
くなってしまう。そこで、図11に示す樹木図〔フォー
ルト・ツリー(Fault Tree)〕を示して、正常か異常か
を判別する判別手順を実施すべき部品を示唆する装置が
有用となる。この樹木図は、図11に示すように、顧客
等が確認できる故障現象(A1,A2等)から始まり、
第1階層の欄には、故障現象別にその原因となり得る1
次部品群を記憶している。図11の場合、1次部品のB
1とB2のいずれかに故障があると故障現象A1が生
じ、1次部品B3・・・のいずれかに故障があると故障
現象A2が生じることを例示している。第2階層の欄に
は、第1階層に記憶された1次部品の故障原因となり得
る2次部品群を記憶している。図11の場合、1次部品
B1の故障は2次部品のC1,C2,C3のいずれかに
故障があるときに生じ、1次部品B2の故障は2次部品
のC4,C5のいずれかに故障があるときに生じ、1次
部品B3の故障は2次部品のC6,C7,C8のいずれ
かに故障があるときに生じることを示している。以下同
様の階層展開がn次部品に至るまで続き、n次の欄に
は、n―1次の欄に記憶されているn−1次部品の故障
原因となり得るn次部品群を記憶している。この樹木図
が示されると、故障原因部品の特定作業にあたる者は、
この樹木図の表示内容に従って、正常・異常の判別処理
を実施していくべき部品を知ることができ、合理的な順
序で故障原因を特定する作業を実施していくことができ
る。例えば、故障現象A1が生じれば、B1とB2の1
次部品については調査する必要があるのに、B3の1次
部品については調査する必要がないことを知ることがで
きる。B1の1次部品に故障があれば、C1〜C3の2
次部品を調査すればよく、C4・・の2次部品について
は調査する必要がないことを知ることができる。この樹
木図を1次側からn次側にたどって行くことによって、
故障の原因となった最小単位部品を特定することができ
る。通常の樹木図には、n次部品毎に「調整・修理の方
法」等が記憶されており、故障原因であると判明した部
品を「調整・修理の方法」に従って調整・修理すること
で故障現象が解消する。この明細書では、この樹木図に
対応する情報を記憶している記憶装置をFTファイルと
いう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 上記の従来の技術で
は、上位の階層から下位の階層に向かって特定作業を進
めていく過程で、故障原因となった部品が特定できなく
なる場合がある。例えば、1次部品B1が故障している
ことが確認されたのに、FTファイルにその原因となり
得るものとして記憶されている2次部品群C1〜C3の
全部が正常であることがある。樹木図にまだ記憶されて
いない故障パターン(例えば、2次部品C4が故障した
ために1次部品B1が故障したことはなかったにもかか
わらず、新たにそのような事例が生じる場合に新しい故
障パターンが現われる)が発生した場合には、樹木図に
頼ることができなくなってしまう。このような場合、従
来の技術では、それ以上には故障原因特定過程を支援す
ることができなくなってしまい、以後は作業者の洞察力
や経験や勘を頼りに故障部品の特定作業を進める他はな
い。なお、実際には、1つの部品が2以上の複合部品の
構成メンバとなることが多い。例えば、モータ回転軸
は、モータの構成メンバであると同時にトルク伝達のた
めの減速機構の構成メンバでもあることがある。今まで
はモータ回転軸の故障によってモータが故障したことは
あっても減速機構が故障したことはなかった場合に、モ
ータ回転軸の故障によって減速機構が故障する事例が始
めて生じれば、上記の問題が生じることが理解されよ
う。現実には、電気部品が様々に複合して用いられてお
り、1つの電気部品の故障が思いもかけない複合部品を
故障させることが多い。
【0004】本発明は、上述した実情に鑑みなされたも
のであり、その目的は、新しい故障パターンが生じた場
合でも、なおも正常・異常の判別処理を実行すべき部品
を示唆して、故障原因特定過程を支援し続けられる装置
を実現することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明の装置で故障原
因特定過程を支援する対象とする装置は、最小部品単位
であるn次部品群が複合してn―1次部品が構成され、
n−1次部品群が複合してn−2次部品が構成され、以
下同様にして、下位部品群が複合して上位部品が構成さ
れ、最終的には1次部品群が複合して一つの装置を構成
しているものである。本発明の故障原因特定過程支援装
置はFTファイルを持ち、そのFTファイルは、故障現
象別にその原因となり得る1次部品群を記憶し、そこに
記憶された1次部品の故障原因となり得る2次部品群を
記憶し、以下同様にして、n―1次部品の故障原因とな
り得るn次部品群までを記憶している。また、コンピュ
ータを有し、そのコンピュータは、k次部品に故障があ
ることが特定され、そのk次部品の故障原因となり得る
ものとしてFTファイルに記憶されているk+1次部品
群の全部が正常なときに、k−1次部品の故障原因とな
り得るものとしてFTファイルに記憶されている前記k
次部品以外のk次部品の故障原因となり得るものとして
FTファイルに記憶されているk+1次部品を検索す
る。さらに表示装置を備え、その表示装置はコンピュー
タによる検索結果を表示する。本発明の故障原因特定過
程支援装置は、FTファイルとそのFTファイルを検索
するコンピュータを持つため、故障現象からその原因と
なり得る1次部品、その1次部品の故障原因となり得る
2次部品、以下同様にして、最終的にはn次部品に至る
連鎖が示され、作業者はこの連鎖に従って部品毎に正常
・異常の判別処理を実行していくことができる。作業者
がFTファイルの記憶内容、あるいはこれをビジュアル
表示した樹木図を利用して1個のk次部品に故障がある
ことを特定した場合、コンピュータはFTファイルを検
索し、故障したそのk次部品の故障原因となり得るk+
1次部品群を検索して作業者に示唆する。ここで検索さ
れたk+1次部品群の全部が正常なとき、従来の故障原
因特定過程支援装置では、検査すべき部品を示唆でき
ず、原因特定過程を支援できなくなってしまう。これ
は、従来技術で指摘したとおりである。本発明の故障原
因特定過程支援装置では、この場合、コンピュータが、
k−1次部品の故障原因となり得るものとしてFTファ
イルに記憶されているk次部品のうちで先に検討したk
次部品(故障原因となり得るk+1次部品がすべて正常
であったk次部品)以外のk次部品の故障原因となり得
るものとしてFTファイルに記憶されているk+1次部
品を検索し、検索結果を表示装置に表示する。例えば、
図1に示される樹木図のk次部品B1に故障が確認され
たのに、その故障原因となり得るk+1次部品群C1,
C2,C3の全部が正常であった場合を考える。この場
合、コンピュータが、故障のあるk次部品B1の上位の
部品A1を検索し、その部品A1の故障原因となり得る
k次部品B1,B2,B3のうち、先に検討したk次部
品B1以外のk次部品(この場合はk次部品B2,B3
となる)を検索し、そのk次部品B2,B3の故障原因
となり得るk+1次部品を検索する。この結果、k+1
次部品C4,C5,C6,C7が検索されるので、表示
装置に、k次部品B1の故障原因となり得る部品として
k+1次部品C4,C5,C6,C7が表示される。
【0006】上記の装置によると、FTファイルに記憶
されている故障パターンであれば、次々に故障判別すべ
き部品が示され、これに従って故障原因特定作業をすす
めていくことで故障部品が特定される。一方、新たな故
障パターンが発生して故障原因となる部品の連鎖がみつ
からなくなると、故障が発見された部品よりも一つ上位
の部品に遡り、そこから故障原因となり得る部品が検索
されて作業者に表示される。このようにして検索される
部品は、故障が確認された部品に直接関連する部品では
ないとしても、この部品について故障判別作業をしてみ
ると、故障と確認された部品の故障原因となっている可
能性が高い。この故障原因特定過程支援装置によると、
今までに観測されていない故障パターンによる故障の連
鎖を推論して作業者に示唆することができ、樹木図に示
されていない故障パターンが生じていても、原因となっ
ている可能性が高い部品を示唆することができる。
【0007】FTファイルから故障原因となり得るk+
1次部品が複数検索される場合、過去の故障確率が高い
順に表示することが好ましい。例えば、新たにC4,C
5,C6,C7の4個の部品が検索される場合には、過
去に故障が多かった順に部品を表示するのである。その
ように表示されると、作業者は原因となっている可能性
の高い部品から順に正常・異常の判別処理を実行してい
くことができる。
【0008】FTファイルから検索された故障原因とな
り得るk+1次部品が実際に故障していた場合には、k
次部品(その故障原因となり得るものとしてFTファイ
ルに記憶されているk+1次部品群の全部が正常であっ
たもの)の故障原因となり得るものとして、あらたに発
見されたk+1次部品を追加記憶することが好ましい。
図1に示される樹木図を用いた上述の例の場合に、k+
1次部品C4が異常であれば、k+1次部品群C1〜C
3の全部が正常であったk次部品B1の故障原因となり
得るものとして、あらたに発見されたk+1次部品C4
を追加して記憶する。この場合、新たに発見された故障
パターンが、FTファイルに補充され、樹木図が拡充さ
れていく。
【0009】部品毎にその部品が正常か異常かを判別す
る判別手順を記憶している手順ファイルを持ち、故障原
因となり得るものとして部品が表示されるときに、部品
を直接表示する代りに、その部品の故障判別手順を表示
しても良い。例えば、故障原因となり得る部品として
「コンデンサ」を表示する代りに、「コンデンサが正常
か異常かを判別する判別手順」を表示して、「コンデン
サ」が故障原因となり得る部品であることを表示しても
よい。この場合、作業者には、どの部品を検査すべきか
が示されるのみならず、その部品の正常・異常の判別手
順まで表示され、すこぶる便利である。
【0010】
【発明の実施の形態】 本発明の一実施の形態を図1を
参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の概要を
示している。FTファイルには、故障現象とその原因と
なり得る部品群の連鎖の情報が記憶されている。最小単
位部品には、部品毎に調整と修理の方法も記載されてい
る。手順ファイルには、部品毎に、その部品の正常・異
常の判別をするのに必要な手順が記載されている。これ
は、1次部品からn次部品に設けられている。コンピュ
ータは、ファイルを検索し、検索された情報を表示装置
に表示する。必要に応じて情報をビジュアル画面にして
表示する。また、画面を利用して入力される情報を特定
する。例えば、画面に表示されている部品がマウスでク
リックされたときに、どの部品がクリックされたのかを
特定する。故障原因の特定作業にあたる者は、入力装置
からコンピュータに故障現象を入力することができる。
表示装置には、故障原因がコンピュータに入力されたと
きに、その故障の原因となり得る1次部品群を表示す
る。図1の場合B1、B2、B3が表示される。実際に
は、1次部品B1の正常・異常の判別をするのに必要な
手順、B2の判別手順、B3の判別手順が順に示され
る。作業者は表示装置に表示される部品B1の判別手順
に従って、まず、部品B1が正常であるのか異常である
のかを判別し、判別結果をコンピュータに入力する。実
際には部品B1の判別手順表示の一部に、判別結果を入
力する部位がもうけられており、マウスを利用して作業
者が判別結果を入力する。判別結果が正常であれば、次
の部品B2の正常・異常を判別するための判別手順が表
示される。判別結果が故障であれば、故障している部品
B1の故障原因となり得る部品C1からC3が表示され
る。実際には最初に部品C1の判別手順が表示される。
そこで、作業者は判別手順を実施して判別結果を入力す
る。正常と入力されると、次の部品C2のための判別手
順が表示される。図1の場合、部品B1の故障原因とな
り得る部品C1からC3のすべてが正常である場合を例
示している。この場合、コンピュータは、故障原因が特
定できない部品B1の上位の部品A1に戻り、部品A1
の故障原因となり得る部品B1,B2,B3を検索し、
このなかから、既に検討した部品B1を除外して部品B
2,B3を検索する。コンピュータはさらに、検索され
た部品B2,B3の故障原因となり得る部品C4からC
7を表示装置に表示する。ここで、コンピュータは、部
品C4からC7のなかで過去に故障した回数が最も多い
部品を抽出し、最初にその部品のための判別手順を表示
する。作業者は表示された判別手順を実施して判別結果
を入力する。正常と入力されると、コンピュータは部品
C4からC7のなかで過去に故障した回数が2番目に多
い部品を抽出し、その部品のための判別手順を表示す
る。これが繰返されているうちに故障した部品が発見さ
れて、作業者が故障情報を入力すると、コンピュータは
FTファイルを編集する。編集後には、部品B1の故障
原因となり得るものとして、新たに発見された部品が追
加されている。ここでは、さらに、原因となった部品の
故障回数がインクリメントされている。この故障回数の
情報が、次に、故障回数の多い部品を抽出する際に利用
される。
【0011】
【実施例】 以下、本発明を無人搬送システムの故障原
因解析に適用した一実施例に係る故障原因特定過程支援
装置について、図面を参照して説明する。まず、故障原
因の診断対象となる無人搬送システムと、この無人搬送
システムについて作成されている樹木図について説明す
る。図2は無人搬送システムの概略構成を示す模式図で
ある。図2に示すように、本実施例に係る無人搬送シス
テムは、無人搬送車と、無人搬送車を制御するサーボア
ンプを中心に構成される。無人搬送車は、モータによっ
て車輪を駆動することで床面を移動する。車輪は、床面
に埋め込まれた誘導線と接触し、誘導線との接触を保つ
ことで所定の走行経路を移動するようになっている。モ
ータは、回転軸の回転角を検出する位置検出器を備えて
いる。この位置検出器から出力される検出信号は、モー
タとサーボアンプを接続するケーブルを介してサーボア
ンプに入力するようになっている。そして、サーボアン
プはモータから出力された位置検出信号に基づいてモー
タに駆動信号を出力する。上記の無人搬送システムに対
して図3に示されるような樹木図が作成されている(た
だし、図3には作成された樹木図の一部のみを示してい
る)。図3に示す樹木図は、「無人搬送車が動かない」
という故障現象をルーツに4階層(1次部品群〜4次部
品群)で構成されている。1次部品郡には、「無人搬送
車が動かない」という故障現象の原因となり得る5つの
部品(サーボアンプ、モータ、ケーブル、車輪、床面)
が設けられている。各1次部品には、それぞれその1次
部品の故障原因となり得る2次部品群が連鎖し、以下同
様に3次部品群、4次部品群と連鎖している。4次部品
群の各部品には、それぞれ修理方法が予め求められてい
る。したがって、樹木図を下層にたどることで4次部品
を特定できれば、これにより修理方法が判明することと
なる。なお、1次部品「床面」は、故障原因となり得る
下層の部品が限られており、2次部品が最下層となって
いる。また、この樹木図には、故障の発生回数が蓄積さ
れている。すなわち、各部品の前に示されている括弧内
の数字は、発生した故障回数を示す数字である。例え
ば、「無人搬送車が動かない」という故障は672回発
生し、その内「サーボアンプ」を原因とする故障は48
5回、「モータ」を原因とする故障は134回、「ケー
ブル」を原因とする故障は24回、「車輪」を原因とす
る故障は18回、「床面」を原因とする故障は11回と
なっている。したがって、発生頻度の高い1次部品は、
「サーボアンプ」→「モータ」→「ケーブル」→「車
輪」→「床面」の順となる。
【0012】以下、本実施例に係る故障原因特定過程支
援装置10を詳細に説明する。図4は故障原因特定過程
支援装置10の概略構成を示す図である。図4に示すよ
うに、故障原因特定過程支援装置10は、データベース
12内にFTファイル14、診断手順ファイル16を備
える。FTファイル14は、樹木図(図3参照)に示さ
れる故障現象とその原因となり得る部品群の連鎖の情報
が記憶されている。具体的には、各階層の各部品(出発
点においては故障現象)について、その部品とその部品
の故障原因となり得る下位の階層の部品郡とを関連付け
て記憶されている。なお、最下層の部品には、その部品
の修理方法が関連付けて記憶されている。図5には、図
3に示す樹木図の第3階層の3次部品「基板A」,「基
板B」,「基板C」について作成されたFTファイル1
4が示されている。図5に示すように、3次部品「基板
A」には「コイルD」,「コンデンサE」,「抵抗
F」,「ハーネスG」が、3次部品「基板B」には「コ
ネクタH」,「コンデンサI」,「トランジスタJ」
が、3次部品「基板C」には「ダイオードK」,「トラ
ンスL」が、それぞれ連鎖関係があるとして記憶されて
いる。したがって、故障原因となっている部品が特定さ
れると、その特定された部品の故障原因となり得る下層
の部品群が特定できることとなる。また、FTファイル
14には、各部品(例えば、コイルD,コンデンサE
等)毎に、故障診断により故障の原因である部品と判別
された回数が記憶されている。すなわち、コイルDの故
障回数は53回と、コンデンサEの故障回数は45回と
記憶されている。
【0013】診断手順ファイル16は、図3に示す樹木
図の各階層の各部品(出発点においては故障現象)につ
いて、これらの部品の正常・異常を診断するための手順
(本実施例では質問事項)が格納されている。図6に診
断手順ファイル16の内容の一部が示されている。図6
に示すように、診断手順ファイル16には、4次部品
「コイルD」,「コンデンサE」,「抵抗F」,「ハー
ネスG」のそれぞれについて、正常・異常を診断するた
めの診断手順が格納されている。
【0014】故障原因特定過程支援装置10は、さら
に、図4に示すように、上述した2つのファイル14,
16の情報を用いて、表示装置(ディスプレイ)32に
診断手順(質問事項)を表示することで故障原因の特定
を支援する故障診断支援部20を有する。故障診断支援
部20は、例えば、汎用のコンピュータにより構成さ
れ、第1診断手順表示手段22、第2診断手順表示手段
24、未診断部品選択手段26、逆探索手段28、ファ
イル更新手段30を備える。
【0015】第1診断手順表示手段22は、入力装置
(キーボード等)34から故障部品(実際には、質問事
項の回答)が入力されると、その入力された故障部品を
キーとして、まず、その故障部品の故障の原因となり得
る下層の部品群をFTファイル14から特定する。下層
の部品群が特定されると、それらの各部品に関する診断
手順を診断手順ファイル16から読み出し、この読み出
した診断手順を表示装置32に表示する。例えば、第3
階層の故障部品として「基板A」が入力された場合、ま
ず、「基板A」と連鎖関係にある第4階層の4次部品郡
(コイルD,コンデンサE,抵抗F,ハーネスG)が特
定される(図3の樹木図を参照)。そして、特定された
4次部品それぞれの正常・異常を診断するための診断手
順が、診断手順ファイル16から読み出されて表示手段
32に表示される。
【0016】第2診断手順表示手段24は、表示装置3
2に表示された診断手順によっては故障の原因となって
いる部品が特定できないときに(樹木図にまだ記憶され
ていない故障パターンが発生したときに)、逆探索手段
28、未診断部品選択手段26と協働して正常・異常を
判別すべき未診断部品の診断手順を表示する。ここで
は、まず逆探索手段28、未診断部品選択手段26を先
に説明し、しかる後、第2診断手順表示手段24を説明
する。
【0017】逆探索手段28は、第1診断手順表示手段
22によって表示される診断手順によっては故障の原因
となっている部品が特定できないときに、今までの処理
によって特定されている故障部品を遡って上位の階層の
故障部品を逆探索する。例えば、故障診断によって、1
次部品として「サーボアンプ」、2次部品として「制御
部」、3次部品として「基板A」が故障原因として特定
されていたとする(図3参照)。かかる状態で、「基板
A」の故障原因になり得る4次部品(コイルD,コンデ
ンサE,抵抗F,ハーネスG)のいずれもが正常であっ
た場合を考える。このような場合、逆探索手段28は、
今までの探索結果(RAM等の記憶装置に格納されてい
る)を逆探索し、故障が特定されている3次部品より1
つ階層が上の2次部品「制御部」を特定する。なお、上
記の逆探索処理によって特定された上位の階層の故障部
品と故障の連鎖関係で繋がる診断対象となる階層の未診
断部品がない場合には、逆探索手段28は、さらに遡っ
て逆探索を行う。上述の例では、第1階層の「サーボア
ンプ」を特定することとなる。
【0018】未診断部品選択手段26は、逆探索手段2
8により特定された部品の故障原因となり得る部品であ
って既に診断された部品(故障原因となり得る全ての下
層の部品が正常であったもの)以外の部品について、そ
の部品の故障原因となり得る部品(すなわち、診断対象
となっている階層と同一階層の未診断部品)を検索して
選択する。例えば、逆探索手段28により2次部品「制
御部」が特定されている場合は、この2次部品「制御
部」の故障原因となり得る部品であって既に診断された
部品(基板A)以外の部品(基板Bと基板C)につい
て、この部品(基板Bと基板C)の故障原因となり得る
4次部品「コネクタH」,「コンデンサI」,「トラン
ジスタJ」,「ダイオードK」又は「トランスL」〔す
なわち、故障部品の特定に係る第4階層の部品〕が検索
されて、これらの中から一の部品が選択される(図3参
照)。ここで、本実施例では、上述の例のように未診断
部品として2以上の部品が検索された場合は、故障頻度
が高いものが優先的に選択され表示装置32に表示され
る。そして、選択された未診断部品が正常であると、確
率の高いものから順に選択され表示される。なお、故障
の発生頻度は、FTファイル14に格納されている故障
発生回数を用いて算出される。上述の例に挙げた4次部
品「コネクタH」について具体的に説明すると、「コネ
クタH」は3次部品「基板B」を介して2次部品「制御
部」と故障の連鎖関係にある。したがって、本実施例で
は「コネクタH」の故障頻度は、(73/272)〔2
次部品「制御部」に対する3次部品「基板B」の故障頻
度〕×(61/73)〔3次部品「基板B」に対する4
次部品「コネクタH」の故障頻度〕で計算される。この
ような故障頻度の計算を、全ての検索された未診断の部
品について行い、故障頻度の高いものから順に未診断部
品として選択される。
【0019】第2診断手順表示手段24は、未診断部品
選択手段26によって選択された部品の正常・異常を判
別するための診断手順を診断手順ファイル16から読み
出し表示装置32に表示する。
【0020】ファイル更新手段30は、上記の第1診断
手順表示手段22によって表示された診断手順により故
障部品が特定されたときは、その特定された故障部品の
故障発生回数を+1するようFTファイル14の内容を
更新する。一方、上記の第2診断手順表示手段24によ
って表示された診断手順により故障部品が特定されたと
きは、その特定された故障部品と上層の故障部品との故
障連鎖関係を新たに構築するようFTファイル14の内
容を更新する。すなわち、第2診断手順表示手段24に
よって表示される診断手順により故障部品が特定された
場合は、樹木図にない故障パターンで故障した場合であ
る。したがって、新たに判明した故障の連鎖関係を今後
の故障診断に生かすために、その診断結果に基づいてF
Tファイル14の内容が更新される。例えば、故障診断
によって、1次部品として「サーボアンプ」、2次部品
として「制御部」、3次部品として「基板A」が特定さ
れており(図3参照)、第2診断手順表示手段24によ
って表示された診断手順によって、故障部品が4次部品
「コンデンサI」(基板Bと連鎖関係があるとされてい
た部品)と特定された場合を考える。かかる場合は、図
10に示す樹木図のように、新たに3次部品「基板A」
と4次部品「コンデンサI」との間の連鎖関係を追加す
るようFTファイル14の内容が更新される。この場
合、4次部品「コンデンサI」の故障発生回数は1回と
なる。
【0021】また、故障原因特定過程支援装置10は、
既に説明したことから明らかなように、診断手順を表示
する表示装置32や、表示装置32に表示された診断手
順に対する回答等を入力する入力装置34を備えてい
る。
【0022】次に、上記の故障原因特定過程支援装置1
0を用いて故障原因を診断する際の手順を、図3の樹木
図を適宜参照しながら、図7に示すフローチャートに基
づいて説明する。ステップS10では、診断者は、入力
装置34から無人搬送車の故障現象を入力する。すなわ
ち、診断者は、無人搬送車の現象(調査を要しない現
象)を入力装置34から入力する。本実施例では、予め
複数の故障現象が表示装置32に表示され、表示された
複数の故障現象から該当する故障現象が選択できるよう
になっている。したがって、このステップS10の処理
では、表示装置32に表示された故障現象の中から一つ
を選択する(マウスにより画面をクリックする)。
【0023】ステップS12では、異常か正常かを判別
すべき部品の診断手順が表示装置32に表示される。す
なわち、ステップS10で故障現象が入力されたとき
は、その故障現象と連鎖関係にある1次部品群の中で故
障の原因となっている部品を特定するための質問事項が
表示される。また、故障部品の特定が進んでいる場合に
は、次に診断する部品(特定された故障部品と連鎖関係
にある下層の部品又は後述するステップS18の処理に
より選択された未診断の部品)の診断手順(質問事項)
が表示装置32に表示される。したがって、診断者は表
示装置32に表示される質問事項に対して、入力装置3
4から「YES」又は「NO」を入力することとなる。
このステップS12における診断者の手順を、故障現象
として「無人搬送車が動かない」という故障現象が入力
されたときを例に具体的に説明する。図8に示すよう
に、まず、表示装置32には「車輪は動くか?」という
質問が表示される。したがって、診断者は、無人搬送車
の状態を調査して、この質問に対してYES又はNOを
入力する。なお、「車輪は動くか?」という質問に対す
る調査手順は別途マニュアル等により定められており、
診断者はマニュアル等に記載された調査手順に従って調
査を行う。車輪が動く場合(すなわち、入力装置34か
らYESが入力された場合)は、1次部品「床面」が故
障の原因と判断されてステップS12の処理が終了す
る。一方、車輪が動かない場合(すなわち、入力装置3
4からNOが入力された場合)は、次の質問「モータは
動くか?」が表示装置32に表示される。したがって、
診断者は、上述の場合と同様にマニュアル等に従って調
査を行い、表示された質問に回答することとなる。以
下、同様に、「ケーブルを予備品と交換してモータは動
くか?」,「予備品モータとつないでモータが動くか
?」という質問に順に回答することで、1次部品の故障
原因が特定されることとなる。ここで、図8の説明から
明らかなように、本実施例においては、ステップS12
の処理を行うことで必ず第1階層の故障部品(1次部
品)は特定できることとなる。したがって、この場合は
ステップS14の判定がYESとなり、ステップS20
以降の処理に進む。なお、上述した故障現象入力後のス
テップS12の処理では必ず故障部品が特定されたが、
下位の階層の故障診断では故障部品が特定できない場合
がある。例えば、図3に示す樹木図の3次部品「基板
A」と連鎖関係にある各部品「コイルD」,「コンデン
サE」,「抵抗F」又は「ハーネスG」の診断において
は、故障部品が特定できない場合が生じ得る。すなわ
ち、この場合は表示装置32に、図9に示す4つの質問
事項が表示され、診断者は各質問事項に対して調査を行
って回答を入力する。したがって、「コイルD」の容量
が正常範囲であり、「コンデンサE」の容量が正常範囲
であり、「抵抗F」の抵抗値が正常範囲であり、「ハー
ネスG」の両端が導通する場合には、「基板A」と連鎖
関係にあるとされている4次部品群は全て正常となり、
第4階層の故障部品が特定できないこととなる。
【0024】ステップS14で故障部品が特定されたか
否かを判定し、故障部品が特定されていないとき〔ステ
ップS14でNOの場合〕は、ステップS15に進んで
逆探索が可能か否かが判定される。すなわち、後述する
ステップS16,S17の処理を繰り返すことによっ
て、逆探索が樹木図の最上層(故障現象)まで戻ってし
まった場合には逆探索が不可能となる。したがって、こ
の場合はステップS15で逆探索が不可能と判断され
る。逆探索が不可能な場合〔ステップS15でNOの場
合〕には、故障部品を特定することが不可能となるため
処理を終了し、逆探索が可能な場合〔ステップS15で
YESの場合〕には、ステップS16に進んで逆探索が
行われる。すなわち、故障部品の特定が進んでいる階層
より上位の階層で特定された故障部品に戻ることとな
る。例えば、第3階層の「基板A」から連鎖関係にある
第4階層の故障部品の特定に失敗した場合は、第3階層
の「基板A」より上位の階層で特定されている故障部品
(すなわち、第2階層の「制御部」)に戻ることとな
る。ステップS16の処理で故障部品が逆探索される
と、その逆探索した故障部品と連鎖関係にある下層の他
の部品とさらに連鎖関係にある下層の部品(故障部品の
特定に係る階層と同一階層の未診断の部品)が存在する
か否かを判断する(S17)。例えば、逆探索した第2
階層の「制御部」には、既に診断した「基板A」以外に
も連鎖関係のある第3階層の「基板B」と「基板C」が
あり、これらの部品にはさらに連鎖関係にある第4階層
の「コネクタH」,「コンデンサI」等の未診断の部品
が存在する。したがって、ステップS17の判定はYE
Sとなる。逆に、このような未診断部品について診断が
行われ、第2階層の「制御部」と連鎖関係を有する未診
断部品が無くなった場合には、ステップS17の判定は
NOとなって、再度ステップS15,S16の処理を行
うこととなる。すなわち、第2階層の「制御部」よりさ
らに上位の階層である第1階層の故障部品「サーボアン
プ」に戻ることとなる。
【0025】ステップS18では、ステップS16で逆
探索された故障部品と連鎖で繋がれた関係を有する未診
断の部品(故障部品の特定に係る階層の部品)から、そ
の発生確率の高いものが選択される。例えば、第3階層
の「基板A」から第4階層の故障部品の特定に失敗し、
逆探索されることで第2階層の「制御部」が特定された
場合を説明する。この場合、第2階層の「制御部」と連
鎖で繋がれた関係を有する第4階層の未診断の部品は、
「コネクタH」,「コンデンサI」,トランジスタ
J」,「ダイオードK」と「トランスL」である。これ
らの各部品について既に述べた方法で発生頻度を算出す
ると、「コネクタH」は(73/272)×(61/7
3)となり、「コンデンサI」は(73/272)×
(7/73)となり、「トランジスタJ」は(73/2
72)×(5/73)となり、「ダイオードK」は(5
7/272)×(36/57)となり、「トランスL」
は(57/272)×(21/57)となる。したがっ
て、これらの部品の故障頻度は、高いものから順に「コ
ネクタH」→「ダイオードK」→「トランスL」→「コ
ンデンサI」→「トランジスタJ」の順となる。このた
め、ステップS18の処理では、「コネクタH」が選択
されることとなる。ステップS18で未診断の部品が選
択されると、ステップS12に戻ってステップS12か
らの処理が繰り返される。これにより、未診断部品の診
断手順が表示装置32に表示されることとなる。
【0026】一方、故障部品が特定できた場合〔ステッ
プS14でYESの場合〕には、ステップS20に進ん
で、その故障部品の特定においてステップS16の逆探
索が行われたか否かが判断される(S20)。逆探索が
行われた場合〔ステップS20でYESの場合〕には、
予め作成されていた樹木図(図3参照)には無い故障パ
ターンで故障部品が特定されたので、新たな連鎖関係に
関する知見をFTファイル14に追加する処理が行われ
(S22)、ステップS24に進む。例えば、第3階層
の「基板A」から第4階層の故障部品への特定におい
て、ステップS16〜ステップS18の処理によって
「コンデンサI」が故障部品として特定されたとする。
この場合、「コンデンサIの故障が原因となって基板A
を故障させることがある。」という新たな知見が得られ
ることとなる。したがって、この知見によりFTファイ
ル14が更新される。すなわち、樹木図は、図3に示す
樹木図から図10に示す樹木図に変更されることとな
る。一方、逆探索が行われなかった場合〔ステップS2
0でNOの場合〕には、予め作成されていた樹木図に示
されている故障パターンであるので、ステップS22の
処理を行うことなくステップS24に進む。ステップS
24では、FTファイル14の該当する故障部品を+1
する処理を行う。ステップS26では、最下層の階層ま
で故障部品を特定できたかを判定する。最下層の階層ま
で故障部品が特定できていない場合〔ステップS26で
NOの場合〕には、ステップS12に戻ってステップS
12からの処理を繰り返すこととなる。これによって、
上述した処理が次の階層の故障部品を特定するまで行わ
れる。一方、最下層の階層まで故障部品が特定できてい
る場合〔ステップS26でYESの場合〕には、ステッ
プS28に進んで表示装置32に修理方法が表示され
る。これによって、診断者は無人搬送システムの故障部
品を特定できるとともに、その修理方法が判明すること
となる。
【0027】上述したことから明らかなように、本実施
例に係る故障原因特定過程支援装置を利用した故障診断
では、樹木図に示す故障パターンと異なる故障パターン
が発生したときでも、特定が済んでいる故障部品を上位
の階層に遡って、上位の階層から連鎖で繋がれた関係が
ある未診断部品を診断するよう診断者に指示が出され
る。したがって、新たな故障パターンが発生したときで
も故障の可能性の高い部品について示唆が行われ、効率
的に故障原因の特定が行われる。
【0028】なお、上述した実施例では、逆探索した部
品と連鎖で繋がれている未診断の部品を、所定の計算式
により算出した発生頻度順に選択・表示するようにした
が、本発明はこのような形態に限られず、種々のパター
ンで実施することができる。例えば、逆探索した故障部
品と連鎖関係にある1階層下の故障頻度の高い他の部品
を特定し、この特定した部品とさらに連鎖関係にある下
層の未診断部品を優先して診断するよう示唆しても良
い。図3を用いて具体的に説明すると、いま第3階層の
「基板A」から第4階層の故障部品の特定に失敗したも
のとする。この場合は、「基板A」から1階層上の第2
階層の「制御部」に戻り、この「制御部」から連鎖関係
にある「基板B」又は「基板C」に進む。この際、まず
は「基板B」と「基板C」のうち故障頻度の高い「基板
B」に進んで、「基板B」と連鎖関係にある「コネクタ
H」→「コンデンサI」→「トランジスタJ」の順に故
障しているか否かを診断する。これらの診断により故障
部品を特定できない場合には、「基板C」に進んで、
「基板C」と連鎖関係にある「ダイオードK」→「トラ
ンスL」の順に故障しているか否かを診断することとな
る。
【0029】以上、本発明の具体例を詳細に説明した
が、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定する
ものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上
に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれ
る。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、
単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性
を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせ
に限定されるものではない。また、本明細書または図面
に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであ
り、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的
有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る故障原因特定過
程支援装置の概要を示す図。
【図2】 本発明の一実施例に係る無人搬送システムの
構成を示す図。
【図3】 図2に示す無人搬送システムに構築された故
障原因を示す樹木図(修正前)。
【図4】 図2に示す無人搬送システムの故障原因の診
断を支援する故障原因特定過程支援装置の概略構成を示
す図。
【図5】 FTファイルの一部を示す図。
【図6】 診断手順ファイルの一部を示す図。
【図7】 故障原因特定過程支援装置を利用した故障診
断の手順を示すフローチャート。
【図8】 故障部品の特定の一例を説明するための図。
【図9】 故障部品の特定の他の例を説明するための
図。
【図10】 図2に示す無人搬送システムに構築された
故障原因を示す樹木図(修正後)。
【図11】 樹木図を用いて故障原因を診断する従来技
術を説明するための図。
【符号の説明】
10・・故障原因特定過程支援装置 12・・データベース 14・・FTファイル 16・・診断手順ファイル 20・・故障診断支援部 22・・第1診断手順表示手段 24・・第2診断手順表示手段 26・・未診断部品選択手段 28・・逆探索手段 30・・ファイル更新手段 32・・表示装置 34・・入力装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最小部品単位であるn次部品群が複合し
    てn―1次部品が構成され、n−1次部品群が複合して
    n−2次部品が構成され、以下同様にして、下位部品群
    が複合して上位部品が構成され、最終的には1次部品群
    が複合して一つの装置を構成しているその装置に生じた
    故障現象からその故障の原因となった最小単位部品を特
    定する過程を支援する装置であり、 故障現象別にその原因となり得る1次部品群を記憶し、
    そこに記憶された1次部品の故障原因となり得る2次部
    品群を記憶し、以下同様にして、n―1次部品の故障原
    因となり得るn次部品群までを記憶しているFTファイ
    ルと、 k次部品に故障があることが特定され、そのk次部品の
    故障原因となり得るものとしてFTファイルに記憶され
    ているk+1次部品群の全部が正常なときに、k−1次
    部品の故障原因となり得るものとしてFTファイルに記
    憶されている前記k次部品以外のk次部品の故障原因と
    なり得るものとしてFTファイルに記憶されているk+
    1次部品を検索するコンピュータと、 検索結果を表示する表示装置とを備える故障原因特定過
    程支援装置。
  2. 【請求項2】 FTファイルから故障原因となり得るk
    +1次部品が複数検索される場合に、過去の故障確率が
    高い順に表示することを特徴とする請求項1に記載の故
    障原因特定過程支援装置。
  3. 【請求項3】 FTファイルから検索された故障原因と
    なり得るk+1次部品が実際に故障していた場合には、
    k次部品の故障原因となり得るものとしてFTファイル
    に記憶されているk+1次部品群の全部が正常であった
    そのk次部品の故障原因となり得るものとして、あらた
    に発見されたk+1次部品をFTファイルに追加記憶す
    ることを特徴とする請求項1に記載の故障原因特定過程
    支援装置。
  4. 【請求項4】 部品毎にその部品が正常か異常かを判別
    する判別手順を記憶している手順ファイルを持ち、故障
    原因となり得るものとして部品が表示されるときに、部
    品を直接に表示する代りに、その部品の故障判別手順を
    表示することを特徴とする請求項1に記載の故障原因特
    定過程支援装置。
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