JPH07271590A - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

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JPH07271590A
JPH07271590A JP6061624A JP6162494A JPH07271590A JP H07271590 A JPH07271590 A JP H07271590A JP 6061624 A JP6061624 A JP 6061624A JP 6162494 A JP6162494 A JP 6162494A JP H07271590 A JPH07271590 A JP H07271590A
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failure
inference
knowledge data
hypothesis
phenomenon
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Makoto Takasu
誠 多賀須
Tatsuya Suzuki
達也 鈴木
Satoru Takahashi
哲 高橋
Yasuo Kagei
康夫 影井
Masaaki Furuyama
雅章 古山
Kunihiro Abe
邦宏 阿部
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 完成度の高い知識データを用いることなく、
高い診断精度を得る。 【構成】 推論機構部14の文字列検索部14aでは、
入力された不具合現象の文字列と上記各知識データに記
憶されている原因現象及び部品等の文字列との類似度を
算出する。そして、ルール・ベース推論部14bでは、
類似度に従って、故障樹木解析(FTA)型知識データ
記憶部16bと故障モード影響分析(FMECA)型知
識データ記憶部16cとのそれぞれ記憶されている知識
データを選出し、この知識データに基づき推論により故
障原因を探究し仮説を生成する。また、事例ベース推論
部14cでは、類似度に従い診断事例型知識データ記憶
部16aに記憶されている知識データを選出し、この知
識データに従い推論により故障原因を探究し仮説を生成
する。また、推論制御部14dでは、各知識データに基
づいて生成した仮説の整合性を判断し、整合している場
合には、この仮説を探究結果として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるエキスパート
システムを利用して車輛、航空機等の不具合現象に結び
付く故障原因を探究する故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医学、建築、化学等の各分野でコ
ンピュータを活用して問題解決の手がかりとするエキス
パートシステムが採用されている。このエキスパートシ
ステムは、ある特定分野における専門家の知識をコンピ
ュータに入力し、それを利用して複雑な問題を専門家と
同等なレベルで解決することができるようにしたシステ
ムである。
【0003】従来、このエキスパートシステムを車輛の
故障診断に採用したものとしては、例えば、特開昭62
−6846号公報に開示されているように、不具合現象
を入力し、その現象を引き起している根本的な故障原因
(故障箇所)を、ルールの集合で表した知識データある
いは過去の事例を記憶する知識データ等を利用して推論
するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の故障診断装置では、知識ベースにルール型の知識
データあるいは事例型の知識データ等、異なる種類の知
識データが記憶されてはいるが、故障探究の際には、個
々の知識データ毎に推論結果が出されるため、例えば、
ルール型の知識ベースに基づいて推論により故障を探究
するためには、知識データとして専門家の知識が漏れな
く入力されていないと、不具合現象と故障原因とを結び
付けるルールの連鎖で形成されるルートが途切れてしま
い、明快な仮説が導き出されなくなる。
【0005】同様に、事例型の知識ベースでは、知識デ
ータに今回の不具合現象と同様の事例が登録されていな
ければ、仮説は導き出されない。
【0006】従って、実用に供するためには、知識ベー
スの構築をより綿密に行わなければならない等、高い完
成度が要求され、開発及び保守に係る経費が膨大なもの
となるばかりでなく、車輛、航空機等の制御系では技術
の進歩が著しく、すべてを網羅した知識ベースの構築に
は、時間と手間が掛かるため実現性に乏しい。
【0007】又、従来の故障診断装置では、不具合現象
あるいは問診に対する検査結果等をコンピュータに対し
てキーボードを介して入力しているものが多く、使いな
れない者には操作上、不便が強いられている。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、知識ベースに高い完成度を要求せずに実用的
な診断に充分対応することができ、知識ベースの開発及
び保守に係るコストを抑制することができると共に、操
作性の良い故障診断装置を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による第一の故障診断装置は、故障診断に必要な
知識データを記憶する知識ベース部と、この知識データ
を利用して故障原因を推論により探究する推論機構部と
を有する故障診断装置において、前記知識ベース部に、
過去の診断事例を知識データとして記憶する診断事例型
知識データ記憶部と、不具合現象と故障原因との因果関
係を理論的に分析し仮説の集合としてツリー状に表した
知識データを記憶する故障樹木解析型知識データ記憶部
とを備え、前記推論機構部に、入力された不具合現象と
同一又は類似の不具合現象を上記診断事例型知識データ
記憶部に記憶されている知識データから探索して故障原
因を探究し仮説を生成する事例ベース推論部と、入力さ
れた不具合現象に結びつく故障原因を上記故障樹木解析
型知識データ記憶部に記憶されている知識データを利用
して推論により探究し仮説を生成するルール・ベース推
論部と、上記各推論部で生成した仮説の整合性を判断し
各仮説が整合している場合にはこの仮説を推論結果とし
て出力し、一方上記各推論部で生成した仮説が競合する
場合には、この競合する仮説の少なくとも1つを選択
し、この選択した仮説と上記不具合現象とに基づいて上
記各推論部で再推論を実行させる推論制御部とを備える
ことを特徴とする。
【0010】上記目的を達成するため本発明による第二
の故障診断装置は、故障診断に必要な知識データを記憶
する知識ベース部と、この知識データを利用して故障原
因を推論により探究する推論機構部とを有する故障診断
装置において、前記知識ベース部に、過去の診断事例を
知識データとして記憶する診断事例型知識データ記憶部
と、不具合現象と故障原因とを確信度で結び付けマトリ
クス状に整理して記憶する故障モード影響分析型知識デ
ータ記憶部とを備え、前記推論機構部に、入力された不
具合現象と同一又は類似の不具合現象を上記診断事例型
知識データ記憶部に記憶されている知識データから探索
して故障原因を探究し仮説を生成する事例ベース推論部
と、入力された不具合現象と同一又は類似の不具合現象
を上記故障モード影響分析型知識データ記憶部に記憶さ
れている知識データから探索し、探索した不具合現象と
故障原因とを結ぶ確信度に従って故障原因を探究し仮説
を生成するルール・ベース推論部と、上記各推論部で生
成した仮説の整合性を判断し各仮説が整合している場合
にはこの仮説を推論結果として出力し、一方上記各推論
部で生成した仮説が競合する場合には、この競合する仮
説の少なくとも1つを選択し、この選択した仮説と上記
不具合現象とに基づいて上記各推論部で再推論を実行さ
せる推論制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】上記目的を達成するため本発明による第三
の故障診断装置は、故障診断に必要な知識データを記憶
する知識ベース部と、この知識データを利用して故障原
因を推論により探究する推論機構部とを有する故障診断
装置において、前記知識ベース部に、不具合現象と故障
原因との因果関係を理論的に分析し仮説の集合としてツ
リー状に表した知識データを記憶する故障樹木解析型知
識データ記憶部と、不具合現象と故障原因とを確信度で
結び付けマトリクス状に整理して記憶する故障モード影
響分析型知識データ記憶部とを備え、前記推論機構部
に、入力された不具合現象に結びつく故障原因を上記故
障樹木解析型知識データ記憶部に記憶されている知識デ
ータを利用して推論により探究し仮説を生成すると共
に、入力された不具合現象と同一又は類似の不具合現象
を上記故障モード影響分析型知識データ記憶部に記憶さ
れている知識データから探索し、探索した不具合現象と
故障原因とを結ぶ確信度に従って故障原因を探究し仮説
を生成するルール・ベース推論部と、上記推論部で生成
した仮説の整合性を判断し各仮説が整合している場合に
はこの仮説を推論結果として出力し、一方上記推論部で
生成した仮説が競合する場合には、この競合する仮説の
少なくとも1つを選択し、この選択した仮説と上記不具
合現象とに基づいて上記推論部で再推論を実行させる推
論制御部とを備えることを特徴とする。
【0012】上記目的を達成するため本発明による第四
の故障診断装置は、故障診断に必要な知識データを記憶
する知識ベース部と、この知識データを利用して故障原
因を推論により探究する推論機構部とを有する故障診断
装置において、前記知識ベース部に、過去の診断事例を
知識データとして記憶する診断事例型知識データ記憶部
と、不具合現象と故障原因との因果関係を理論的に分析
し仮説の集合としてツリー状に表した知識データを記憶
する故障樹木解析型知識データ記憶部と、不具合現象と
故障原因とを確信度で結び付けマトリクス状に整理して
記憶する故障モード影響分析型知識データ記憶部とを備
え、上記推論機構部に、入力された不具合現象と同一又
は類似の不具合現象を上記診断事例型知識データ記憶部
に記憶されている知識データから探索して故障原因を探
究し仮説を生成する事例ベース推論部と、入力された不
具合現象に結びつく故障原因を上記故障樹木解析型知識
データ記憶部に記憶されている知識データを利用して推
論により探究し仮説を生成すると共に、入力された不具
合現象と同一又は類似の不具合現象を上記故障モード影
響分析型知識データ記憶部に記憶されている知識データ
から探索し、探索した不具合現象と故障原因とを結ぶ確
信度に従って故障原因を探究し仮説を生成するルール・
ベース推論部と、上記各推論部で生成した仮説の整合性
を判断し各仮説が整合している場合にはこの仮説を推論
結果として出力し、一方上記各推論部で生成した仮説が
競合する場合には、この競合する仮説の少なくとも1つ
を選択し、この選択した仮説と上記不具合現象とに基づ
いて上記各推論部で再推論を実行させる推論制御部とを
備えることを特徴とする。
【0013】上記目的を達成するため本発明による第五
の故障診断装置は、上記第一乃至第四の故障診断装置に
おいて、故障診断に必要な情報を装置本体に対して入力
ペンを用いて入力することを特徴とする。
【0014】
【作 用】本発明による第一の故障診断装置では、整備
員が不具合現象を入力すると、事例ベース推論部では、
診断事例型知識データ記憶部に記憶されている知識デー
タから、入力された不具合現象に対応する過去の診断事
例を選出して故障原因を探究し仮説を生成する。又、ル
ール・ベース推論部では、入力された不具合現象に対応
する現象及び原因を故障樹木解析型知識データ記憶部に
記憶されている知識データから選出し、次いでこの現象
あるいは原因の集合で構成するルールと上記不具合現象
とを結ぶルート、すなわちルール同士の連鎖を探索し、
この探索したルートに従って故障原因を探究し仮説を生
成する。
【0015】そして、推論制御部において、上記事例ベ
ース推論部と上記ルール・ベース推論部とで生成した仮
説が互いに競合するか否かを判断し、競合する場合に
は、競合する仮説の少なくとも一つと入力された上記不
具合現象とに基づいて、上記各推論部で再度推論を実行
させて故障原因を探究する。一方、仮説が整合する場合
には、この仮説を推論結果として出力する。
【0016】本発明による第二の故障診断装置では、整
備員が不具合現象を入力すると、事例ベース推論部で
は、診断事例型知識データ記憶部に記憶されている知識
データから、入力された不具合現象に対応する過去の診
断事例を選出して故障原因を探究し仮説を生成する。
又、ルール・ベース推論部では、入力された不具合現象
に対応する現象を故障モード影響分析型知識データ記憶
部に記憶されている知識データから選出し、この現象と
原因及び故障箇所とを結ぶ確信度に従って故障原因を探
究し仮説を生成する。
【0017】そして、推論制御部において、上記事例ベ
ース推論部と上記ルール・ベース推論部とで生成した仮
説が互いに競合するか否かを判断し、競合する場合に
は、競合する仮説の少なくとも一つと入力された上記不
具合現象とに基づいて、上記各推論部で再度推論を実行
させて故障原因を探究する。一方、仮説が整合する場合
には、この仮説を推論結果として出力する。
【0018】本発明による第三の故障診断装置では、整
備員が不具合現象を入力すると、ルール・ベース推論部
では、入力された不具合現象に対応する現象及び原因を
故障樹木解析型知識データ記憶部に記憶されている知識
データから選出し、次いでこの現象あるいは原因の集合
で構成するルールと上記不具合現象とを結ぶルート、す
なわちルール同士の連鎖を探索し、この探索したルート
に従って故障原因を探究し仮説を生成すると共に、故障
モード影響分析型知識データ記憶部に記憶されている知
識データから上記不具合現象に対応する現象を選出し、
この現象と原因及び故障箇所とを結ぶ確信度に従って故
障原因を探究し仮説を生成する。
【0019】そして、推論制御部において、上記ルール
・ベース推論部で生成した仮説が互いに競合するか否か
を判断し、競合する場合には、競合する仮説の少なくと
も一つと入力された上記不具合現象とに基づいて、上記
ルール・ベース推論部で再度推論を実行させて故障原因
を探究する。一方、仮説が整合する場合には、この仮説
を推論結果として出力する。
【0020】本発明による第四の故障診断装置では、整
備員が不具合現象を入力すると、事例ベース推論部で
は、診断事例型知識データ記憶部に記憶されている知識
データの中から、入力された不具合現象に対応する過去
の診断事例を選出して故障原因を探究し仮説を生成す
る。又、ルール・ベース推論部では、入力された不具合
現象に対応する現象及び故障原因を故障樹木解析型知識
データ記憶部に記憶されている知識データから選出し、
次いでこの現象あるいは原因の集合で構成するルールと
上記不具合現象とを結ぶルート、すなわちルール同士の
連鎖を探索し、この探索したルートに従って故障原因を
探究し仮説を生成すると共に、故障モード影響分析型知
識データ記憶部に記憶されている知識データから上記不
具合現象に対応する現象を選出し、この現象と原因及び
故障箇所とを結ぶ確信度に従って故障原因を探究し仮説
を生成する。
【0021】そして、推論制御部において、上記事例ベ
ース推論部及び上記ルール・ベース推論部で生成した仮
説が互いに競合するか否かを判断し、競合する場合に
は、競合する仮説の少なくとも一つと入力された上記不
具合現象とに基づいて、上記各推論部で再度推論を実行
させて故障原因を探究する。一方、仮説が整合する場合
には、この仮説を推論結果として出力する。
【0022】本発明による第五の故障診断装置では、上
記第一乃至第四の故障診断装置において、好ましくは、
不具合現象、あるいは問診に対する答などの必要な情報
を入力ペンを用いて入力することで、使用性が良くな
る。
【0023】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0024】なお、本実施例では、航空機の燃料系統の
不具合現象を故障診断対象の一例として記述しながら説
明する。
【0025】図8に示すように、本実施例に係る故障診
断装置Aは装置本体1と入力ペン2とで構成されてお
り、この装置本体1には上記入力ペン2を用いて情報を
入力するタッチスクリーン1aが設けられている。
【0026】上記故障診断装置Aは空港の整備部門等に
配備されるもので、上記入力ペン2を用いて上記タッチ
スクリーン1aに不具合現象を入力すると、内蔵するコ
ンピュータが不具合現象の原因あるいは故障箇所を探究
し、探究結果及び点検の要領等、必要な情報を上記タッ
チスクリーン1a上に表示して整備員を支援する。
【0027】図1に示すように、装置本体1に内蔵する
コンピュータには、故障診断を実行する機能として、ウ
インドウ処理部12、システム制御部13、推論機構部
14、技術情報収集部15、知識ベース部16、及び運
用記録データ部17が構成されている。又、上記タッチ
スクリーン1aは、入力部11aと表示部11bとが構
成されている。
【0028】上記ウインドウ処理部12には、前処理と
しての文字認識部12aと操作入力部12bとが設けら
れ、後処理としての表示制御部12cが設けられてい
る。
【0029】文字認識部12aでは、上記タッチスクリ
ーン1aに表示されたペン入力用ウインドウ(図10参
照)に整備員が上記入力ペン2で入力した不具合現象等
の手書き文字をキャラクタコードに変換し、コマンド類
を上記システム制御部13へ出力する。又操作入力部1
2bでは上記タッチスクリーン1aに表示されたグラフ
ィックスあるいはメニュー等を入力ペン2で選択したと
き、それに対応するコマンド類を上記システム制御部1
3へ出力する。又、上記表示制御部12cでは上記シス
テム制御部13から出力された信号に基づいて、表示部
11bに文字及びグラフィック等を表示させる。
【0030】上記システム制御部13には、マン・マシ
ンインターフェース制御部13aと、動作モード制御部
13bと、システム管理部13cとが設けられている。
マン・マシンインタフェース制御部13aでは、上記ウ
インドウ処理部12からのコマンド類に従って実行処理
を行う。あるいは、上記表示制御部12cへ文字データ
及びグラフィックス・データ等を出力する。動作モード
制御部13bでは、整備員が選択した使用モードに従
い、診断処理の中断・再開、及び整備記録の印刷、発注
管理システムのデータ電送等の周辺機器等を含めた装置
全体の動作モードを制御する。システム管理部13cで
は、システムの作動状態、データ管理等、システム全体
を管理する。
【0031】又、上記推論機構部14には、文字列検索
部14aと、ルール・ベース推論部14bと事例ベース
推論部14cと推論制御部14dとが設けられている。
【0032】文字列検索部14aでは、整備員が入力し
た不具合現象を表す文字列を、予め登録した分離用文字
(“。”“,”“が”“は”等)を用いて分解し、この
分解した文字列を用いて、後述する知識ベース部16の
各知識データ記憶部16a〜16cにそれぞれ記憶され
ている知識データから、上記文字列と同一あるいは類似
する文字列を、文字列単位、ワード単位、あるいは文字
単位で検索して、各知識データ記憶部16a〜16cに
記憶されている知識データ毎に集計する。
【0033】ルール・ベース推論部14bでは、上記知
識ベース部16に設けた故障樹木解析(フォルトツリー
アナリシス;以下、「FTA」と略記する)型知識デー
タ記憶部16bに記憶されている知識データ、及び故障
モード影響分析(確信度付マトリクス;以下、「FME
CA」と略記する)型知識データ記憶部16cに記憶さ
れている知識データを用いて故障原因あるいは故障箇所
を推論により探究し、仮説を生成する(詳細について
は、後述のフローチャートで説明する)。
【0034】事例ベース推論部14cでは、上記文字列
検索部14aで検索した不具合現象と、同一あるいは類
似する現象を有する現象を上記知識ベース部16の診断
事例型知識データ記憶部16aに記憶されている知識デ
ータから探索して、故障原因あるいは故障箇所の仮説を
生成する。
【0035】そして、上記推論制御部14dで、上記各
推論部14b,14cで生成した仮説の整合性を判断
し、仮説が整合しているときは、この仮説を結論仮説と
して出力する。
【0036】技術情報収集部15は、データ収集部15
a、事例登録部15bとで構成されている。データ収集
部15aでは、整備員が故障探究時に装置に入力した不
具合項目、点検箇所、測定値等、整備作業中に入力した
データを収集する。事例登録部15bでは、故障診断で
探究した結果(成功事例と失敗事例の双方)を診断事例
として、後述する診断事例型知識データ記憶部16aの
知識データに登録する。
【0037】上記知識ベース部16は、診断事例型知識
データを記憶する診断事例型知識データ記憶部16aと
FTA型知識データを記憶するFTA型知識データ記憶
部16bとFMECA型知識データを記憶するFMEC
A型知識データ記憶部16cと電子化マニュアルデータ
を記憶する電子化マニュアルデータ記憶部16dとで構
成されている。
【0038】上記診断事例型知識データは過去の故障原
因の探究結果を事例としてまとめたデータ・ベースで、
図11に示すように、各診断事例毎に、不具合現象(あ
るいは不具合の生じている箇所)、故障の故障原因及び
その処置、不具合部品、並びに知識源の種類等が記憶さ
れている。なお、この診断事例データの知識源として
は、不具合記録票、整備記録票、整備員に対するインタ
ビュー等がある。
【0039】不具合記録票には、図9に示すように、乗
員が発見した「不具合事項と点検箇所」を記録する欄
と、整備員が実施した「処置」等を記録する欄が設けら
れている。整備記録票には、点検時に生じた「不具合現
象」、並びに、作業を実施した部門で記入された「不具
合部品」、「故障状況」等が記録されている。
【0040】又、インタビューは、整備員に対して行っ
た文章化されていない整備要領、故障探究等のノウハウ
を収集して診断事例に反映させたものである。
【0041】上記FTA型知識データ記憶部16bに記
憶されているFTA型知識データは、設計資料及び熟練
整備員の経験等を解析し、不具合現象と故障原因とを構
成部品の体系毎に論理的に分析し、ルールの集合で表し
たもので、図14に示すように、構成部品毎にルール
(図では、ルール1〜6)で分類され、各ルールは中間
仮説を介して連鎖的に結び付けられている。例えば、ル
ール2は「ブースタ・ポンプ異常」を中間仮説としたと
きの結論仮説(燃料漏洩等)が示され、又、ルール4は
「燃料漏洩」を中間仮説としたときの結論仮説(締付不
良、ポンプ内部不良等)が示されている。
【0042】一方、FMECA型知識データは、マトリ
クス状の表形式で表されており、熟練整備員の経験、及
び部品又は系統の信頼性情報等を解析し、図17に示す
ように、不具合現象と故障原因とを部品又は系統毎に分
類した、いわゆるFMECA表として表形式で表したも
ので、不具合現象の欄には、部品又は系統の故障モー
ド、故障の影響、及び故障の探知方法が記述されてい
る。又、各格子で囲まれた中には確信度が明記されてい
る。この確信度は、部品又は系統のMTBF(平均故障
間隔)あるいは、同一の不具合現象に対して考えられる
故障原因の数、あるいは故障の実績発生回数等を考慮し
て設定されるもので、この確信度により、不具合現象と
故障原因との因果関係の深さが示される。
【0043】又、電子化マニュアルデータは、構成部品
等の点検、交換あるいは組立手順等を表したテキスト及
びグラフィックス・データであり、例えば、図23に示
すように、上記装置本体1のタッチスクリーン1aに、
ブースタ・ポンプのグラフィックや、このブースタ・ポ
ンプの点検要領などのデータを上記電子化マニュアルデ
ータから読込んでウインドウに表示させる。
【0044】又、上記運用記録データ部17には、整備
記録データ記憶部17aと作業経過一時記憶部17bと
で構成されており、上記整備記録データ記憶部17aで
は、不具合現象に対する処置、点検結果、及び試運転の
状況などの整備結果を事例毎に記憶する。又、上記作業
経過一時記憶部17bでは、例えば、整備途中で交換部
品を手配するために中断し、その後、故障診断を再開す
るような場合に、中断した整備作業から引続き続行する
ことができるようにするために、整備員の実施した整備
経過、あるいは整備状況が逐次記憶される。
【0045】次に、故障診断手順について、図2乃至図
7のフローチャートに従って説明する。なお、本実施例
では、航空機の燃料系の不具合を例示して説明する。
【0046】この故障診断は図2の推論処理ルーチンに
従って実行される。
【0047】先ず、整備員は、故障診断装置Aの装置本
体1のタッチスクリーン1aに表示されたメニューから
「診断の開始」を選択すると、図10に示すように、不
具合現象を入力するためのウインドウと、この不具合現
象を文章表現で入力するためのペン入力用ウインドウが
表示されて推論処理が開始される。
【0048】整備員は、ステップS1で、手渡された不
具合記録票21(図9参照)等の帳票を参照して、航空
機のシステムの可動状態などの必要事項、あるいは乗員
などから伝えられた不具合現象(症状)を入力ペン2を
用いて上記タッチスクリーン1aに入力する。
【0049】なお、図9に示す不具合記録票21の処置
の欄には、整備員が点検を完了した後、その処置及び試
運転状況などの整備記録データを書込むことができる
(図27参照)。
【0050】一方、ステップS2では、後述するステッ
プS12で表示された問診に応じてテスタ接続により得
られた計測値等の症状を直接入力する。
【0051】そして、上記タッチスクリーン1a上の不
具合現象入力ウインドウ等の欄に必要事項の入力を完了
し、「入力終了」のウインドウを入力ペン2により選出
すると、入力された情報(年月日、任務、内容等)が入
力データとして出力され、ステップS3でメモリに保管
される。
【0052】次いで、ステップS4で、ステップS1で
入力されてステップS3で保管された不具合現象と、各
知識データ記憶部16a〜16cに記憶されている知識
データとの類似度を算出する。
【0053】この類似度の算出は、文字列検索部14a
で実行されるもので、例えば、以下の手順で行われる。
【0054】(1)まず、上記各知識データ記憶部16a
〜16cの各知識データから類似度の算出対象となる文
字列(文章)をそれぞれ取出す。なお、この各文字列に
は、上記各知識データ記憶部16a〜16cに記憶され
ている知識データとの対応付けを行うためのID(自己
証明)番号が付与されている。
【0055】(2)次いで、このID番号が付与された文
字列を、ストリング、ワード、及びキャラクタの各単位
毎に分解して、各知識データ毎のワーキングメモリに格
納する。なお、この各ワーキングメモリに格納されてい
る「分解文字列」には、分解前のものと同じID番号が
付与されている。
【0056】ここで、「ストリング」とは、文字列その
ものをいい、「ワード」とは、空白文字、予め登録され
ている分離用文字(“。”、“,”、“が”、“は”
等)を用いて、例えば、文字列「エンジンが始動せず」
を「エンジン」と「始動せず」とに分解する。
【0057】キャラクタとは、文字列を所定文字数毎に
分解することをいい、例えば、文字列「エンジンが始動
せず」を、「エンジ」「ンが始」「動せず」、あるい
は、「エ」「ンジン」「が始動」「せず」、又は、「エ
ン」「ジンが」「始動せ」「ず」等のように3文字毎に
分解する。
【0058】(3)次いで、上記ワーキングメモリに格納
された「分解された文字列」から予め登録した「無視語
句(“しかし”、“私は”等)」を削除する。
【0059】(4)その後、予め登録した「同意語句
(“不調”は、“故障”とする等)」を用いて上記「分
解された文字列」を置換する。
【0060】(5)一方、整備員が入力した不具合現象
(症状)の文字列を、上記(1)〜(4)と同様に、ストリン
グ、ワード、及びキャラクタの各単位毎に分解する。
【0061】(6)そして、分解された不具合現象の文字
列を用いてワーキングメモリに格納されている「分解さ
れた文字列」を検索する。
【0062】例えば、整備員が入力した「エンジンが始
動せず」と、上記各知識データ記憶部16a〜16cに
記憶されている知識データから取出された文字列との類
似度は以下のようになる。
【0063】 (7)次いで、ストリング、ワード、あるいはキャラクタ
の各単位で完全に一致するデータをID番号毎に集計
し、この集計結果を類似度として、それぞれ対応する推
論部14b,14cに出力する。なお、集計する際に
は、ストリング、ワード、あるいはキャラクタ毎に重み
付係数を用いて行う。
【0064】その結果、不具合現象「燃料片減り」「左
タンク減らず右からのみ消費」と各知識データ記憶部1
6a〜16cの知識データに記憶されている知識データ
との類似度は以下のようになる。
【0065】診断事例型知識データ記憶部16aに記憶
されている知識データの中で、類似度算出の対象となる
診断事例は、図11に示す通りで、この各診断事例の類
似度は、図12に示す値になる。この中で、事例-1048
の「3000ftで巡行中」「左タンク燃料消費せず」
は、最も高い類似度、すなわち、入力された不具合現象
と症状の最も近似する事例ということになる。
【0066】又、FTA型知識データ記憶部16bに記
憶されている知識データの中で、類似度算出の対象とな
るツリーは、図14に示すように「燃料系統の不具合」
をトップ事象とするルールの連鎖で構成されたツリーで
あり、各仮説の類似度は以下の通りである。
【0067】1)ルール5の「ポンプ自身内部不良」→
3、 2)ルール2とルール4の中間仮説である「燃料漏洩」→
40、 3)ルール3の「燃料漏洩」→40、 4)ルール1とルール2の中間仮説である「ブースタポン
プ異常」→3、 5)ルール1とルール3との中間仮説である「トランスフ
ァ・ポンプ異常」→3 6)ルール1の i)「燃料シャット・オフ・バルブ異常」→35、 ii)「燃料サブ・タンク異常」→36、 iii)「燃料指示系統の指示不良」→38、 である。
【0068】一方、FMECA型知識データ記憶部16
cに記憶されている知識データの中で、類似度算出の対
象となる現象は、図17に示す通りで、この中で類似度
は、図18に示すように、「燃料片減り」が最も高い値
を示す。
【0069】上記ステップS4で各知識データ記憶部1
6a〜16cに記憶されている知識データと、不具合現
象との類似度が算出されると、次のステップS5,S
6,S7を平行に実行し(コンカレント処理)、各ステ
ップS6,S6,S7で、それぞれの知識データ記憶部
16a〜16cに記憶されている知識データに基づい
て、故障原因を推論により探究し仮説を生成する。
【0070】すなわち、ステップS5では、上記診断事
例型知識データ記憶部16aに記憶されている知識デー
タを用いて、事例ベース推論により故障原因を探究し仮
説を生成する。又、ステップS6では、FTA型知識デ
ータ記憶部16bに記憶されている知識ベースを用いて
ルール・ベース推論により故障原因を探究し仮説を生成
する。さらに、ステップS7では,FMECA型知識デ
ータ記憶部16cに記憶されている知識ベースを用いて
ルール・ベース推論により故障原因を探究し仮説を生成
する。
【0071】まず、ステップS5の診断事例推論による
仮説の生成について説明する。この診断事例推論は、事
例ベース推論部14cで実行されるもので、具体的に
は、図4に示す診断事例推論による仮説の生成ルーチン
に従って行われる。
【0072】ステップS21で、上記推論処理ルーチン
のステップS4で算出した診断事例型知識データ記憶部
16aに記憶されている知識データの事例毎の類似度に
基づいて仮説の絞り込みを行う。この仮説の絞り込み
は、類似度が予め設定した「しきい値」以上かどうかで
判断する。例えば、「しきい値」を10とすれば、図1
1、図12に示すように、「事例-1048」が、診断事例
推論によって生成された仮説となる。なお、図11、図
12に示す知識データでは、「しきい値」を越える事例
が一つのみであったが、この「しきい値」よりも高い類
似度を有する事例が複数ある場合には、それらが全て診
断事例推論による仮説となる。
【0073】その後、ステップS22で、上記ステップ
S21で絞り込まれた仮説の信頼度を算出する。この信
頼度は、他の推論(FTA推論あるいはFMECA推
論)によって得られた仮説との競合を解消する際の基準
となるもので、上記推論処理ルーチンのステップS4で
算出した類似度に係数を乗算して算出している。なお、
本実施例では、図13に示すように、信頼度を算出する
際の係数を1としている。
【0074】そして、上記ステップS21で絞り込まれ
た事例を「診断事例推論による仮説」として推論制御部
14dへ出力し、上記推論処理ルーチンのステップS8
へ戻る。
【0075】次に、ステップS6のFTA推論による仮
説の生成について説明する。このFTA推論は、ルール
・ベース推論部14bで実行されるもので、具体的に
は、図5に示すFTA推論による仮説の生成ルーチンに
従って行われる。
【0076】まず、ステップS31で、上記推論処理ル
ーチンのステップS4で算出したFTA型知識データ記
憶部16bに記憶されている知識データの中の、「燃料
系統の不具合」をトップ事象とするルールの連鎖で構成
されたツリーの各仮説の類似度に基づき、類似度が予め
設定した「しきい値」以上の仮説を選出して仮説の絞り
込みを行う。
【0077】例えば、「しきい値」を15とした場合、
図14のFTA型知識データでは、前述の、 a)ルール2とルール4の中間仮説である「燃料漏洩」 b)ルール3の「燃料漏洩」 c)ルール1の i)「燃料シャット・オフ・バルブ異常」 ii)「燃料サブ・タンク異常」 iii)「燃料指示系統の指示不良」 が絞り込まれる。
【0078】そして、ステップS32で、上記ステップ
S31で絞り込まれた各仮説を結び付けるルートを探索
する。図14では、トップ事象である「燃料系統の不具
合」が今回の「不具合現象」であり、この不具合現象か
ら図の左方向へ延びる根が、この現象に対して因果関係
を有する故障原因、すなわち「仮説」である。上記ステ
ップS31で選出した仮説と上記不具合現象とを結び付
けるルートは、図15に示すように、ルート1〜5の5
通りになる。
【0079】そして、ステップS33で、上記ステップ
S32で探索したルートの完全度を算出する。この完全
度は不具合現象と故障原因との結びつき(因果関係)が
強いもの程、高い値になる。図15で探索したルートの
完全度は以下の通りである。
【0080】1)ルート1→50 2)ルート2→50 3)ルート3→50 4)ルート4→30 5)ルート5→30 次いで、ステップS34で、完全度に基づいて、この完
全度が予め設定した「しきい値」以上かどうかで仮説の
絞り込みを行う。例えば、「しきい値」を20とした場
合には、上記ルート1〜5の全てが対象となる。
【0081】次いで、ステップS35で、上記ステップ
S34で絞り込まれた仮説の信頼度をそれぞれ算出し、
この各仮説を「FTA推論による仮説」として上記推論
制御部14dへ出力し、上記推論処理ルーチンのステッ
プS8へ戻る。
【0082】上記信頼度は、上記完全度に係数を乗算し
て設定するもので、例えば、上記「しきい値」を20、
係数を1とした場合には、図16に示すように、「FT
A推論による仮説」は、ルート1〜5の全てが対象とな
る。
【0083】次に、上記推論処理ルーチンのステップS
7で行われるFMECA推論による仮説の生成について
説明する。このFMECA推論は、上記FTA推論と同
様に、上記ルール・ベース推論部14bで実行され、具
体的には、図6に示すFMECA推論による仮説の生成
ルーチンに従って行われる。
【0084】まず、ステップS41で、FMECA型知
識データ記憶部16cに記憶されている知識データの各
現象から、今回の診断対象となる現象の絞り込みを行
う。この現象の絞り込みは、不具合現象に対応する現象
を上記推論処理ルーチンのステップS4で算出した類似
度に基づいて、この類似度が、予め設定した「しきい
値」以上の現象を選出することで行う。例えば、「しき
い値」を10とした場合、図17に示す、いわゆるFM
ECA表に表示されている現象では、「燃料減少」と
「燃料片減り」と「燃料タンク残量修正不能」とに絞り
込まれる(図18参照)。
【0085】次いで、ステップS42で、上記ステップ
S41で絞り込まれた現象に対応する確信度を上記FM
ECA表から求める。例えば、図17に示す、いわゆる
FMECA表には、「燃料減少」に対応する確信度が1
6,21,63、「燃料片減り」に対応する確信度が5
0,31,46、「燃料タンク残量修正不能」に対応す
る確信度が40,60である。
【0086】そして、ステップS43で、上記各確信度
の中から予め設定した「しきい値」以上の確信度を選出
し、仮説の絞り込みを行う。例えば、上記「しきい値」
を20に設定すると、図17に示すように、太枠で囲ん
だ確信度が対象となり、ステップS44では、この確信
度に対応する部品及び原因を選出する。
【0087】次いで、ステップS45で、上記ステップ
S44で選出した部品又は原因の信頼度をそれぞれ算出
し、この信頼度及び仮説を「FMECA推論による仮
説」として、例えば、図19に示すようなデータを上記
推論制御部14dへ出力し、上記推論処理ルーチンのス
テップS8へ戻る。
【0088】なお、本実施例では、上記信頼度を、類似
度と確信度とを乗算した値の総和に、係数を乗算して求
めており、表に示せば、以下の通りである。
【0089】 そして、図2に示す推論処理ルーチンのステップS8へ
戻り、上記ステップS5,S6,S7で生成した仮説が
競合するかを判断し、競合する場合には、予め設定した
基準に従って解消する。この仮説の競合解消は、図1に
示す推論制御部14dで実行されるもので、具体的に
は、図7の仮説の競合解消ルーチンに従って行われる。
【0090】まず、ステップS51で、上記各ステップ
S5,S6,S7でそれぞれ生成した仮説を、集約す
る。上記各ステップS5,S6,S7で生成した仮説
は、例えば、図20に示す表のように、各推論毎に集約
され、算出した信頼度に従って順位が付けられる。
【0091】そして、ステップS52で、上記各ステッ
プS5,S6,S7で生成した仮説の整合性を、不具合
の対象、属性等から求める。例えば、図20では、診断
事例推論による仮説の順位1とFMECA推論による仮
説の順位1とは、不具合部品が「ブースタ・ポンプ」で
ある点で整合しているが、診断事例推論による仮説の順
位1とFTA推論による仮説の順位1とは、不具合現象
が「燃料系統の不具合」という点では共通しているもの
の、不具合部品は競合している。同様に、FTA推論に
よる上記仮説とFMECA推論による仮説との順位1で
は、不具合部品が競合している。
【0092】次いで、ステップS53へ進むと、ステッ
プS52で算出した仮説の整合性を、予め設定した「整
合性の判断基準」に照合して、整合性があるか否かの判
定を行う。本実施例では、「整合性の判断基準」を「各
推論における仮説の信頼度の最も高い不具合が全て一致
すること」と定義しており、この定義に従って、整合性
を判断する。
【0093】その結果、例えば、図20に示すように、
各推論で生成した順位1の仮説が全て一致していないと
きは、ステップS54で、整合性なしとして、ステップ
S54からステップS55へ進み、推論回数計測用カウ
ント値Cをインクリメントして、ステップS56へ進
む。
【0094】ステップS56では、上記推論回数計測用
カウント値Cと設定値Nとを比較し、C≦Nのときは、
「診断未終了」と判断し、ステップS57へ進む。ステ
ップS57では、上記ステップS51で集約した仮説か
ら一定の基準に従って再推論用のデータを作成する。こ
の基準を、例えば、「各仮説の信頼度が各々に最も高い
ものを選出する」と定義した場合、図20の集計表で
は、FMECA推論による順位1の仮説に基づいて再推
論用データが作成され(図21参照)、このデータを
「診断未終了」の情報とともに出力して、ステップS9
へ戻る。
【0095】一方、上記ステップS56で、C>Nと判
断されたとき、すなわち、再推論を設定回数繰返して
も、仮説が整合しないときは、ステップS58へ進み、
予め設定した優先順位の判断基準に従って競合を解消す
る。
【0096】この実施例での優先順位は、最も論理的に
構築されているFTA型知識データに基づく仮説を最優
先とし、このFTA型知識データで仮説が生成されない
場合には、FMECA型知識データに基づく仮説を採用
し、また、この両知識データのいずれにおいても仮説が
生成されない場合には、診断事例型知識データによる仮
説を採用する。そして、この優先順位に従って競合の解
消された仮説を探究結果として、「診断終了」の情報と
ともに出力し、ルーチンを抜ける。なお、この各知識デ
ータのいずれにおいても、故障原因が探究できない場合
には、ステップS58において、「仮説不成立」と「診
断終了」の情報を出力して、ステップS9へ戻る。
【0097】一方、上記ステップS54で、上記各ステ
ップS5,S6,S7で生成した仮説が整合したとき
は、この仮説を探究結果とし、ステップS59へ分岐し
て、上記推論回数計測用カウント値Cをクリアした後、
上記探究結果を「診断終了」の情報とともに出力して、
ステップS9へ戻る。
【0098】そして、推論処理ルーチンのステップS9
へ戻ると、「推論終了」かを上記ステップS8で作成し
た情報に基づいて判断し、「推論終了」の場合には、ス
テップS10へ進み、また、「推論未終了」の場合に
は、ステップS4へ戻る。
【0099】そして、上記ステップS9で「推論未終
了」と判断されてステップS4へ戻ると、上記ステップ
S3でメモリに保管した不具合現象、及び所定の計測値
等の入力データと、上記ステップS8(ステップS5
7)で作成した「再推論用データ」とを組合わせた文字
列と、各知識データ記憶部16a〜16cに記憶されて
いる知識データとの類似度を、再度算出する。
【0100】図21の再推論用データでは、文字列とし
て「燃料片減り」、「左タンク減らず」、「右からのみ
消費」、「ブースタ・ポンプ」、「自身の作動不良」が
与えられ、この各文字列と上記各知識データ記憶部16
a〜16cに記憶されている知識データの不具合現象、
不具合部品、故障原因等を比較して、論理演算等により
類似度を算出する。
【0101】そして、この各知識データ毎の類似度に従
い、上記ステップS5,S6,S7で、再推論により故
障原因を探究する。
【0102】その結果、ステップS5での診断事例推論
では、再推論時においても、診断事例型知識データに基
づいて生成する仮説が変更されないので、前回と同様の
推論結果が出力される。
【0103】一方、ステップS6で実行されるFTA推
論では、図14に示すように、類似度算出により得られ
た文字列から、「燃料系統の不具合」と「ブースタ・ポ
ンプ異常」とが「現象」となり、故障原因である仮説と
現象との因果関係は、図15に示すルート5が最も強く
なり、従って、図22に示すように、ルート5の信頼度
が80と高い値になり、FTA推論による仮説の順位1
になる。
【0104】一方、ステップS7でのFMECA推論で
は、図17に示すように、「燃料片減り」と一致する文
字列があり、仮説には変更が無く、同様な結果が出力さ
れる。
【0105】その結果、ステップS8で実行される、図
7の仮説の競合解消ルーチンのステップS54では、図
22の表に示すように、各推論による仮説の順位1の不
具合部品が整合するので、予め定義された「整合性の判
断基準」が満足され、ステップS54で、整合性ありと
判断されて、ステップS59へ分岐して、上記推論回数
計測用カウント値Cをクリアした後、上記探究結果を
「診断終了」の情報とともに出力して、ステップS9へ
戻る。
【0106】そして、ステップS9で、「推論終了」と
判断すると、ステップS10へ進み、他に点検項目があ
るかを判断し、点検項目がある場合は、ステップS11
へ分岐して、整備員、あるいは、ユーザに対する問診の
内容を絞り込む。この問診により、今回の結論仮説を検
証するとともに、新たな仮説を生成する際の情報とす
る。すなわち、例えば、FTA型知識ベースでは、図1
5に示すように、ルール2の中間仮説である「ブースタ
・ポンプ異常」にルールで結びつく[燃料漏洩」には、
ルール4の結論仮説が連鎖されている。従って、ブース
タ・ポンプの異常を特定する箇所を問診で指定し、この
箇所を点検することで、故障箇所を更に絞り込むことが
できる。
【0107】そして、ステップS12で、上記ステップ
S11で絞り込んだ問診の内容を装置本体1のタッチス
クリーン1aに表示し、同時に、関連する点検要領等の
作業内容や必要な情報を、例えば、図23に示すように
表示する。そして、ステップS1,S2へ戻り、整備員
からの点検結果の入力を待つ。
【0108】そして、整備員が上記タッチスクリーン1
aに入力ペン2あるいはテスタから点検結果を入力する
と、ステップS3で、このデータが保管され、ステップ
S4で、入力された文字列と、前回までの「入力デー
タ」の文字列、及び計測結果に基づいて、各知識データ
との類似度を再度算出し、ステップS5,S6,S7以
下で、各知識データに基づき、再度、推論を行い、故障
原因を探究する。
【0109】そして、推論が終了し、ステップS9から
ステップS10へ進み、推論を検証するための点検項目
がない場合は、そのまま、ステップS13へ進み、故障
原因が探究できたかを判断する。
【0110】故障原因が探究できたときは、ステップS
14で、例えば、図24に示すように、推論の結果及び
論拠を上記タッチスクリーン1aに表示し、整備員が、
この内容を確認し、「了解」のウインドウを入力ペン2
により選出すると、ステップS15で、仮説に対応する
部品の交換手順等、必要な処置要領を表示する。次い
で、ステップS16で、整備員からの処置結果、すなわ
ち、不具合が解消したかどうかの結果の入力を待つ。そ
して、この処置結果が入力されると、ステップS17へ
進み、探究結果の確認を行う。
【0111】一方、上記ステップS13で、推論により
故障原因が探究できなかったと判断された場合には、上
記ステップS14〜S16をジャンプしてステップS1
7へ進む。
【0112】そして、ステップS17では、上記タッチ
スクリーン1aに探究結果の確認画面を表示する。この
探究結果の確認画面は、例えば、図25に示すように、
探究の経緯を表示することで行う。なお、探究結果に従
って部品を交換しても満足な結果が得られなかった場合
に、整備員が、上記ステップS16で、その旨を入力す
ると、ステップS17では、タッチスクリーン1a上
に、今回の探究が失敗である旨の確認画面を表示する。
また、ダイアログボックスには、例えば、 と、整備員に了解を得るための確認内容を表示する。
【0113】そして、整備員が事例の登録を了解する
と、ステップS18で、まず、上記FMECA型知識デ
ータ記憶部16cに記憶されている知識データの、今回
の探究により選出された現象と原因あるいは部品とを結
ぶ確信度(図17参照)を、今回の故障探究結果に応じ
て更新する。すなわち、今回の探究が成功した場合に
は、確信度を相対的に高くし、また、失敗の場合には、
確信度を相対的に低くする。
【0114】そして、ステップS19で、今回の探究結
果を診断事例として、診断事例型知識データ記憶部16
aに記憶されている知識データに、例えば、図26に示
すように追加する(事例−5721)。なお、今回の探
究結果が失敗の場合には、その内容が「原因及び処置」
の欄に記載され、また、「特記事項」の欄には、「探究
失敗」と記載される。
【0115】次いで、ステップS20へ進むと、今回の
探究経緯を、診断年月日、診断者名等の補足情報と共
に、整備記録データ記憶部17aにメモリして、故障診
断を終了する。
【0116】上記整備記録データ記憶部17aにメモリ
されたデータは、外部印刷機などを介して取出すことが
でき、例えば、図27に示すように、不具合記録票21
に記載して、集計することができる。
【0117】このように、本実施例では、故障診断を、
診断事例型知識データとFTA型知識データとFMEC
A型知識データとのそれぞれ異なる知識データで、故障
原因を探究し、次いで、各知識データにより生成した仮
説の整合性を判断し、整合性の無い場合は、今回の推論
結果及び整備員からの入力データとを組合わせて再度、
故障探究するようにしたので、正確な推論結果を得るこ
とができる。
【0118】又、複数の推論を組合わせて仮説を生成す
るようにしているため、個々の知識データには高い完成
度が要求されず、従って、知識ベースを低コストで構築
することができるばかりでなく、保守に必要な経費を抑
制することもできる。
【0119】なお、本発明は上記実施例に限るものでは
なく、例えば、知識ベース部16を、診断事例型知識デ
ータ記憶部16aとFTA型知識データ記憶部16b、
あるいは、診断事例型知識データ記憶部16aとFME
CA型知識データ記憶部16c、あるいは、FTA型知
識データ記憶部16bとFMECA型知識データ記憶部
16cとで構成するようにしても良い。
【0120】また、故障診断の対象は、航空機に限ら
ず、自動車、鉄道等の車輛、あるいは船舶などであって
も良い。
【0121】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
故障診断を、診断事例型知識データと故障樹木解析型知
識データと故障モード影響分析型知識データとの少なく
とも二種類の知識データを用いて故障原因を探究するよ
うにしたので、信頼性の高い診断結果を得ることができ
る。
【0122】また、少なくとも二種類の知識ベースによ
る推論の結果、仮説が整合した場合には、今回の仮説と
整備員が入力したデータとを組合わせて再度推論を行っ
て、仮説を生成するようにしたので、各知識データが相
互に補完し合いながら推論を展開することができ、従っ
て、個々の知識データには、高い完成度が要求されず、
知識ベースの構築及び保守に必要な経費を抑制すること
ができる。
【0123】さらに、装置本体に対して不具合現象など
の情報を入力ペンを用いて入力するようにしたので、整
備員は、片手で必要な情報を入力することができるた
め、操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】故障診断装置の機能ブロック図
【図2】推論処理ルーチンを示すフローチャート
【図3】推論処理ルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図4】診断事例推論による仮説の生成ルーチンを示す
フローチャート
【図5】FTA型知識ベース推論による仮説の生成ルー
チンを示すフローチャート
【図6】FMECA型知識ベース推論による仮説の生成
ルーチンを示すフローチャート
【図7】仮説の競合解消ルーチンを示すフローチャート
【図8】故障診断装置の外観図
【図9】不具合記録票を示す説明図
【図10】不具合現象の入力画面を示す説明図
【図11】診断事例型知識データを示す説明図
【図12】診断事例型知識ベース推論における類似度の
算出結果を示す説明図
【図13】診断事例型知識ベース推論による仮説を信頼
度によって表した説明図
【図14】FTA型知識データを示す説明図
【図15】FTA型知識ベース推論におけるルート探索
結果の説明図
【図16】FTA型知識ベース推論による仮説生成の結
果を示す説明図
【図17】FMECA型知識データの説明図
【図18】FMECA型知識ベース推論による類似度の
算出結果の説明図
【図19】FMECA型知識ベース推論による仮説生成
の結果を示す説明図
【図20】各推論によって得た仮説の集約を示す説明図
【図21】再推論用データの説明図
【図22】再推論によって得られた仮説の集約を示す説
明図
【図23】問診時の表示画面を示す説明図
【図24】推論結果及び論拠の表示画面を示す説明図
【図25】探究結果を確認する表示画面を示す説明図
【図26】新たな事例を登録した診断事例型知識データ
の説明図
【図27】処置の内容を記載した不具合記録票を示す説
明図
【符号の説明】
1 装置本体 1a タッチスクリーン 2 入力ペン 14 推論機構部 14b ルール・ベース推論部 14c 事例ベース推論部 14d 推論制御部 16 知識ベース部 16a 診断事例型知識データ記憶部 16b 故障樹木解析9FTA)型知識データ記憶部 16c 故障モード影響分析(FMECA)型知識デー
タ記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 19/00 Z (72)発明者 影井 康夫 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 古山 雅章 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 阿部 邦宏 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部(16)と、この知識データを利用して故
    障原因を推論により探究する推論機構部(14)とを有
    する故障診断装置において、 前記知識ベース部(16)に、 過去の診断事例を知識データとして記憶する診断事例型
    知識データ記憶部(16a)と、 不具合現象と故障原因との因果関係を理論的に分析し仮
    説の集合としてツリー状に表した知識データを記憶する
    故障樹木解析型知識データ記憶部(16b)とを備え、 前記推論機構部(14)に、 入力された不具合現象と同一又は類似の不具合現象を上
    記診断事例型知識データ記憶部(16a)に記憶されて
    いる知識データから探索して故障原因を探究し仮説を生
    成する事例ベース推論部(14c)と、 入力された不具合現象に結びつく故障原因を上記故障樹
    木解析型知識データ記憶部(16b)に記憶されている
    知識データを利用して推論により探究し仮説を生成する
    ルール・ベース推論部(14b)と、 上記各推論部(14b,14c)で生成した仮説の整合
    性を判断し各仮説が整合している場合にはこの仮説を推
    論結果として出力し、一方上記各推論部(14b,14
    c)で生成した仮説が競合する場合には、この競合する
    仮説の少なくとも1つを選択し、この選択した仮説と上
    記不具合現象とに基づいて上記各推論部(14b,14
    c)で再推論を実行させる推論制御部(14d)とを備
    えることを特徴とする故障診断装置。
  2. 【請求項2】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部(16)と、この知識データを利用して故
    障原因を推論により探究する推論機構部(14)とを有
    する故障診断装置において、 前記知識ベース部(16)に、 過去の診断事例を知識データとして記憶する診断事例型
    知識データ記憶部(16a)と、 不具合現象と故障原因とを確信度で結び付けマトリクス
    状に整理して記憶する故障モード影響分析型知識データ
    記憶部(16c)とを備え、 前記推論機構部(14)に、 入力された不具合現象と同一又は類似の不具合現象を上
    記診断事例型知識データ記憶部(16a)に記憶されて
    いる知識データから探索して故障原因を探究し仮説を生
    成する事例ベース推論部(14c)と、 入力された不具合現象と同一又は類似の不具合現象を上
    記故障モード影響分析型知識データ記憶部(16c)に
    記憶されている知識データから探索し、探索した不具合
    現象と故障原因とを結ぶ確信度に従って故障原因を探究
    し仮説を生成するルール・ベース推論部(14b)と、 上記各推論部(14b,14c)で生成した仮説の整合
    性を判断し各仮説が整合している場合にはこの仮説を推
    論結果として出力し、一方上記各推論部(14b,14
    c)で生成した仮説が競合する場合には、この競合する
    仮説の少なくとも1つを選択し、この選択した仮説と上
    記不具合現象とに基づいて上記各推論部(14b,14
    c)で再推論を実行させる推論制御部(14d)とを備
    えることを特徴とする故障診断装置。
  3. 【請求項3】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部(16)と、この知識データを利用して故
    障原因を推論により探究する推論機構部(14)とを有
    する故障診断装置において、 前記知識ベース部(16)に、 不具合現象と故障原因との因果関係を理論的に分析し仮
    説の集合としてツリー状に表した知識データを記憶する
    故障樹木解析型知識データ記憶部(16b)と、 不具合現象と故障原因とを確信度で結び付けマトリクス
    状に整理して記憶する故障モード影響分析型知識データ
    記憶部(16c)とを備え、 前記推論機構部(14)に、 入力された不具合現象に結びつく故障原因を上記故障樹
    木解析型知識データ記憶部(16b)に記憶されている
    知識データを利用して推論により探究し仮説を生成する
    と共に、入力された不具合現象と同一又は類似の不具合
    現象を上記故障モード影響分析型知識データ記憶部(1
    6c)に記憶されている知識データから探索し、探索し
    た不具合現象と故障原因とを結ぶ確信度に従って故障原
    因を探究し仮説を生成するルール・ベース推論部(14
    b)と、 上記推論部(14b)で生成した仮説の整合性を判断し
    各仮説が整合している場合にはこの仮説を推論結果とし
    て出力し、一方上記推論部(14b)で生成した仮説が
    競合する場合には、この競合する仮説の少なくとも1つ
    を選択し、この選択した仮説と上記不具合現象とに基づ
    いて上記推論部(14b)で再推論を実行させる推論制
    御部(14d)とを備えることを特徴とする故障診断装
    置。
  4. 【請求項4】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部(16)と、この知識データを利用して故
    障原因を推論により探究する推論機構部(14)とを有
    する故障診断装置において、 前記知識ベース部(16)に、 過去の診断事例を知識データとして記憶する診断事例型
    知識データ記憶部(16a)と、 不具合現象と故障原因との因果関係を理論的に分析し仮
    説の集合としてツリー状に表した知識データを記憶する
    故障樹木解析型知識データ記憶部(16b)と、 不具合現象と故障原因とを確信度で結び付けマトリクス
    状に整理して記憶する故障モード影響分析型知識データ
    記憶部(16c)とを備え、 上記推論機構部(14)に、 入力された不具合現象と同一又は類似の不具合現象を上
    記診断事例型知識データ記憶部(16a)に記憶されて
    いる知識データから探索して故障原因を探究し仮説を生
    成する事例ベース推論部(14c)と、 入力された不具合現象に結びつく故障原因を上記故障樹
    木解析型知識データ記憶部(16b)に記憶されている
    知識データを利用して推論により探究し仮説を生成する
    と共に、入力された不具合現象と同一又は類似の不具合
    現象を上記故障モード影響分析型知識データ記憶部(1
    6c)に記憶されている知識データから探索し、探索し
    た不具合現象と故障原因とを結ぶ確信度に従って故障原
    因を探究し仮説を生成するルール・ベース推論部(14
    b)と、 上記各推論部(14b,14c)で生成した仮説の整合
    性を判断し各仮説が整合している場合にはこの仮説を推
    論結果として出力し、一方上記各推論部(14b,14
    c)で生成した仮説が競合する場合には、この競合する
    仮説の少なくとも1つを選択し、この選択した仮説と上
    記不具合現象とに基づいて上記各推論部(14b,14
    c)で再推論を実行させる推論制御部(14d)とを備
    えることを特徴とする故障診断装置。
  5. 【請求項5】 故障診断に必要な情報を装置本体(1)
    に設けたタッチスクリーン(1a)に対して入力ペン
    (2)を用いて入力することを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の故障診断装置。
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