JP2022142160A - 異常部位特定装置及び異常部位特定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】故障コードから異常部位を精度よく特定する。【解決手段】異常部位特定装置は、対象車両とは異なる複数の車種から検出された故障コードと複数の車種の異常部位とが関連付けられた学習データにより学習された複数の異常部位特定モデル18の中から選定された少なくとも一つの異常部位特定モデル19を用いて、対象車両の故障コードから対象車両の異常部位を特定する。異常部位特定装置は、対象車両の故障コードを示す信号を受信し、複数の車種のパーツ情報を示す信号を受信し、パーツ情報を用いて、故障コードに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する少なくとも一つの異常部位特定モデル19を複数の異常部位特定モデル18の中から選定し、少なくとも一つの異常部位特定モデル19を用いて、故障コードから異常部位を特定する。【選択図】図1

Description

本発明は、異常部位特定装置及び異常部位特定方法に関するものである。
自動車をはじめとする輸送機器は、輸送機器を制御する複数の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)を有している。輸送機器の制御においては、これら複数のECU間でデータを共有している。共有する際の通信プロトコルとして、CAN(Controller Area Network)が用いられている。自動車では、CAN通信を介した車載ネットワークを利用し、CAN上を流れる時系列データであるCANメッセージデータ(以下、CANデータ)を利用して異常診断を行っている。
時系列データに対して異常を特定しラベル付けを行う技術として、特許文献1に、対応区間を検出しラベル付けを行う装置が開示されている。このラベル付け装置は、対応区間検出部と対応付け部を備えている。対応区間検出部は、第1のセンサ出力に基づく第1の時系列データと第2のセンサ出力に基づく第2の時系列データとが類似または共起している区間である対応区間を抽出する。対応付け部は、検出された対応区間を特定する情報に対し、ラベル付けを行う。
特開2018-109882号公報
しかしながら、車両のCANデータから車両の異常を検知し、異常箇所を特定するためには、数百種以上のCANデータの中から、類似または共起している区間を検出する必要がある。しかし、その組み合わせが多く、非線形な相関が存在し、さらに本当は異常ではないが他のCANデータに追随して変化しているCANデータがあるため、異常箇所を特定することが難しい。このため、対応区間を検出したとしてもその区間が異常である精度が低く、さらにラベル付けしたラベルが正解のラベルである精度も低くなる。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、故障コードから異常部位を精度よく特定する異常部位特定装置及び異常部位特定方法を提供することである。
上記目的に鑑み、本発明の一態様に係る異常部位特定装置は、対象車両とは異なる複数の車種から検出された故障コードと複数の車種の異常部位とが関連付けられた学習データにより学習された複数の異常部位特定モデルの中から選定された少なくとも一つの異常部位特定モデルを用いて、対象車両の故障コードから対象車両の異常部位を特定する。異常部位特定装置は、対象車両の故障コードを示す信号を受信し、複数の車種のパーツ情報を示す信号を受信し、パーツ情報を用いて、故障コードに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する少なくとも一つの異常部位特定モデルを複数の異常部位特定モデルの中から選定し、少なくとも一つの異常部位特定モデルを用いて、故障コードから異常部位を特定する。
本発明の一態様によれば、故障コードから異常部位を精度よく特定することができる。
図1は、第1実施形態に係る異常部位特定装置を含む異常部位特定システムの全体構成を示すブロック図である。 図2は、図1の異常部位特定装置(2、4、5)の動作の一例を示すフローチャートである。 図3は、第2実施形態に係る異常部位特定装置を含む異常部位特定システムの全体構成を示すブロック図である。 図4は、図3の異常部位特定装置(2、4、5)の動作の一例を示すフローチャートである。 図5は、第3実施形態に係る異常部位特定装置を含む異常部位特定システムの全体構成を示すブロック図である。 図6は、図5の異常部位特定装置(2、3、4、5)の動作の一例を示すフローチャートである。
図面を参照して、実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
図1を参照して、第1実施形態に係る異常部位特定装置(コントローラの一例)を含む異常部位特定システムの全体構成を説明する。異常部位特定システムは、対象車両から検出された故障コードから対象車両の異常部位を特定する異常部位特定装置(2、4、5)と、対象車両及び対象車両とは異なる複数の車種から検出された故障コード、故障コードの解析結果、及び対象車両及び複数の車種のパーツ情報を格納する各種データベース(1、3)とを備える。
「対象車両」の一例として、未だ販売されていない開発中又は実験中の車両(以後、「開発車両」と呼ぶ)が挙げられる。一方、「対象車両とは異なる複数の車種」の一例として、既に販売され市場にて取引されている複数の車種(以後、「市場車」と呼ぶ)が挙げられる。市場車については、数多くの故障コードが検出され、故障コードと異常部位とが関連付けられた学習データが多く存在する。一方で、開発車両については、故障コード及び学習データは少ない。「異常」とは、正常ではないこと、すなわち、車両が本来備える所定の機能、能力又は特性を発揮できなくなる故障のみならず、故障には至らない不具合及び故障の前兆を含む概念である。
「故障コード」として、アルファベット1文字と4桁の数字から構成されるDTC(Diagnostic Trouble Code)が例示される。DTCは、自動車をはじめとする輸送機器を制御する複数の電子制御ユニット(ECU)にプログラミングされている自己診断機能(OBD2:On-Board Diagnostics 2)の故障コードである。DTCは、国際標準規格等で規格化されており、自動車メーカーに依らず共通に定義されているものと、各自動車メーカーが自由に定義しているものがある。車両が故障した際、自動車ディーラーにて故障診断機を接続することでDTCを取得し、DTCから故障箇所を特定することにより、故障箇所を交換または修理することができる。しかしながら、故障診断機に複数のDTCが表示されることが多く、その場合、ディーラーのエンジニアが自動車およびCANデータを解析することで故障箇所の特定を行っている。この場合、故障箇所の特定に膨大な工数がかかる上、故障箇所特定の正確さが人のスキルに依存するため、どのDTCが正解のDTCかを特定することが困難な場合がある。
図1に示すように、第1実施形態に係る異常部位特定装置(2、4、5)には、市場車の異常部位特定を特定する第1特定装置(市場車異常部位特定装置)2と、対象車両の異常部位特定を特定する第2特定装置(対象車両異常部位特定装置)4と、第1特定装置2で用いる複数の異常部位特定モデルの中から、第2特定装置3で用いる少なくとも一つの異常部位特定モデルを選定するモデル選定装置(異常部位特定モデル選定装置)5とが含まれる。異常部位特定装置(2、4、5)には、特定された異常部位を示す情報を車両データ(車両から取得されたCANデータ又はDTC)に対して付与する車両データラベル付け装置も含まれる。
異常部位特定装置(2、4、5)は、CPU(中央処理装置)、メモリ、及び入出力部を備えるマイクロコンピュータを用いて実現可能である。マイクロコンピュータを異常部位特定装置(2、4、5)として機能させるためのコンピュータプログラムを、マイクロコンピュータにインストールして実行する。これにより、マイクロコンピュータは、異常部位特定装置(2、4、5)が備える複数の情報処理部(9、13、15、16、17、21)として機能させることができる。ここでは、ソフトウェアによって異常部位特定装置(2、4、5)を実現する例を示すが、もちろん、各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、異常部位特定装置(2、4、5)を構成することも可能である。専用のハードウェアには、実施形態に記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や従来型の回路部品のような装置を含む。異常部位特定装置(2、4、5)を単一のハードウェアであってもよいが、第1特定装置2、第2特定装置4、モデル選定装置5を個別のハードウェアで構成することも可能である。
各種データベース(1、3)には、市場車DB(市場車データベース)1と、対象車両DB(部位特定対象車データベース)3とが含まれる。市場車DB1は、市場車の車両ごとの異常部位の解析結果を蓄積している異常部位解析結果DB(異常部位解析結果データベース)6と、市場車から検出されたDTCを車両ごとに蓄積している市場車DTCDB(市場車DTCデータベース)7と、市場車のパーツデータを蓄積している市場車パーツDB(市場車パーツデータベース)8とを備える。対象車両DB3は、異常部位の特定が求められている対象車両が備えるパーツの情報を蓄積している対象車両パーツDB(対象車両パーツデータベース)11と、対象車両から出力されたCANデータを蓄積した対象車両CANデータDB(対象車両CANデータデータベース)12と、対象車両から検出されたDTCを蓄積する対象車両DTCDB(対象車両DTCデータベース)20とを備える。
第1特定装置2は、異常部位特定部9と、特定された異常部位を表示する表示部10とを備える。異常部位特定部9は、市場車DTCDB7に蓄積された、市場車から検出されたDTCを用いて、市場車の異常部位を特定する。第1特定装置2は、予め、異常部位解析結果DB6、市場車DTCDB7、及び市場車パーツDB8に蓄積されたデータを用いて複数の異常部位特定モデル18を生成し、異常部位特定部9に格納しておく。そして、異常部位特定部9は、複数の異常部位特定モデル18を用いて市場車のDTCから市場車の異常部位を特定する。その異常解析結果は表示部10に表示される。異常部位特定モデル18の作成方法は特に問わず、既知の方法、例えば、ベイジアンネットワークやディープラーニングなどの機械学習を用いて作成してもよく、ルールベースで作成しても構わない。
複数の異常部位特定モデル18には、車種ごとに分類されたモデル、車種を問わず車両のパーツごとに分類されたモデル、更には、車種とパーツとの組み合わせごとに分類されたモデル、及び、車種及びパーツを問わず、複数のDTCの組み合わせごとに分類されたモデルが含まれる。
第2特定装置4は、異常部位特定部13と、特定された異常部位を表示する表示部14と、ラベル付与部21とを備える。異常部位特定部13は、対象車両CANデータDB12に蓄積された、対象車両から出力されたCANデータを用いて、対象車両の異常部位を特定する。異常部位特定部13は、モデル選定装置5によって選定された少なくとも一つの異常部位特定モデル19を用いて対象車両のCANデータから対象車両の異常部位を特定する。異常部位特定部13は、対象車両のCANデータから対象車両のDTCを検出し、対象車両のDTCから、対象車両の異常部位を特定する。異常部位特定部13は、対象車両DTCDB20から読み出した対象車両のDTCから、対象車両の異常部位を特定しても構わない。表示部10及び表示部14の例として、モニタやタブレットなどの画面表示装置が挙げられるが、これらに限らず、既知の表示装置を用いることができる。ラベル付与部21は、異常部位の特定に用いたDTCに対して異常部位のラベルを付与し、ラベル付与したDTCを対象車両DTCDB20へ格納する。
モデル選定装置5は、パーツ判定部(同種パーツ判定部)15と、DTC判定部(同種DTC判定部)16と、モデル選定部17とを備える。パーツ判定部15は、対象車両と市場車との間のパーツ(車両の部品)の同一性及び類似性を判定する。DTC判定部16は、対象車両と市場車との間のDTCの同一性及び類似性を判定する。モデル選定部17は、パーツの判定結果及びDTCの判定結果に基づいて、複数の異常部位特定モデル18の中から、対象車両の異常部位特定に用いる少なくとも一つの異常部位特定モデル19を選定する。
パーツ判定部15は、市場車パーツDB8に蓄積されたデータと対象車両パーツDB11に蓄積されたデータとを照合し、対象車両のパーツ又はパーツ群と同一又は類似の市場車のパーツ又はパーツ群を特定する。類似のパーツ又はパーツ群は、パーツ性能毎に分類したグルーピングでもよく、機械学習により分類したグルーピングでもよい。DTC判定部16は、市場車DTCDB7に蓄積されたデータと対象車両DTCDB20に蓄積されたデータとを照合し、対象車両のDTCと同一又は類似の市場車のDTCを特定する。
モデル選定部17は、対象車両のDTCに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する1の異常部位特定モデル19を、複数の異常部位特定モデル18の中から選定する。「対象車両のDTCに関連する対象車両のパーツ」とは、異常の可能性がある対象車両のパーツであって、各DTCに示された異常に係るパーツを示す。モデル選定部17は、対象車両のパーツと同一又は類似の市場車のパーツ情報と、対象車両のDTCと同一又は類似の市場車のDTC情報とを用いて、対象車両のDTCに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する車種を特定する。例えば、モデル選定部17は、対象車両のDTCに関連する対象車両のパーツと同一または類似するパーツを備える複数の車種の少なくとも一つの車種を特定する。モデル選定部17は、特定された車種の少なくとも一つの既知の異常部位特定モデル19を選定する。
ここでは、モデル選定部17が車種を特定して、車種ごとに分類された異常部位特定モデル19を選定する例を示した。しかし、これに限らず、モデル選定部17は、車種を問わずパーツ毎に分類された異常部位特定モデル19を選定することも出来る。この場合、モデル選定部17は、車種を特定することなく、対象車両のパーツと同一又は類似の市場車のパーツ情報、及び対象車両のDTCと同一又は類似の市場車のDTC情報の少なくとも一方を用いて、1の異常部位特定モデル19を選定することができる。
すなわち、前述したように、異常部位特定モデル19には、車種を問わず、パーツごとに分類されたモデル、及び車種及びパーツを問わずDTCごとに分類されたモデルが含まれる。これらのモデルについて、モデル選定部17は、同一または類似の車種を特定することなく、対象車両のDTCに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する異常部位特定モデル19を、パーツ情報及びDTC情報から直接、選定することができる。
図2を参照して、図1の異常部位特定装置(2、4、5)の動作の一例を説明する。
まず、ステップS101において、モデル選定装置5は、対象車両DTCDB20及び対象車両CANデータDB12を解析して、対象車両のDTCが検出されているか否かを判断する。対象車両のDTCが検出されている場合(S102でYES)、ステップS103へ進む。モデル選定装置5は、対象車両のDTCを対象車両DTCDB20から抽出し(S103)、対象車両のDTCからDTCに関連する対象車両のパーツ情報を抽出する(S104)。ステップS105に進み、パーツ判定部15は、市場車パーツDB8に蓄積されたパーツ情報と対象車両のDTCに関連する対象車両のパーツ情報とを照合する。
ステップS106に進み、モデル選定部17は、対象車両のDTCに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する異常部位特定モデル19を、複数の異常部位特定モデル18の中から選定する。例えば、モデル選定部17は、まず、対象車両のDTCに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する車種を特定する。そして、モデル選定部17は、特定された車種の少なくとも一つの既知の異常部位特定モデル19を選定する。
ステップS107に進み、異常部位特定部13は、選定された異常部位特定モデル19を適用し、ステップS108において、選定された異常部位特定モデル19を用いて、対象車両のCANデータから対象車両の異常部位を特定する。ステップS109に進み、第2特定装置4は、特定された異常部位を表示部14に表示する。また、ラベル付与部21は、異常部位の特定に用いたDTCに対して異常部位のラベルを付与し、ラベル付与したDTCを対象車両DTCDB20へ格納する。
第1実施形態によれば、以下の作用効果を得られる。
異常部位特定装置(コントローラ)は、対象車両とは異なる市場車(複数の車種)から検出されたDTC(故障コード)と市場車の異常部位とが関連付けられた学習データにより学習された複数の異常部位特定モデル18の中から選定された1の異常部位特定モデル19を用いて、対象車両から検出されたDTCから前記対象車両の異常部位を特定する。異常部位特定装置は、対象車両のDTCを示す信号を受信し、市場車のパーツ情報を示す信号を受信し、市場車のパーツ情報を用いて、DTCに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する1の異常部位特定モデル19を複数の異常部位特定モデル18の中から選定し、選定した異常部位特定モデルを用いて、DTCから異常部位を特定する。これにより、異常箇所特定の学習データ(教師データを含む)を増やすことができ、ラベルの精度を向上させることができる。また選定する異常部位特定モデル19は既知の異常部位特定モデルであり、モデルの性能が定量的に評価されているため、ラベル付けの精度を定量的に評価することが可能となる。
複数の異常部位特定モデル18は、複数の車種ごとに分類された複数の異常部位特定モデルである。異常部位特定装置は、市場車のパーツ情報を用いて、DTCに関連する対象車両のパーツが同一又は類似する車種を特定し、特定された車種の異常部位特定モデル19を選定する。これにより、単一の車種だけでなく、複数車種のデータを教師データとして使用することができ、異常部位を特定するための機械学習に用いる教師データを増やすことができる。教師データを増やす代わりに、異常部位特定モデルを増やしても構わない。また、異常部位特定モデルの車種を新たに追加しても構わない。未だ市場に出ていない開発中又は実験中の車種であっても、市場に出ている他の車種に係る学習データを用いて異常部位を精度よく特定することができる。
異常部位特定装置は、DTC(故障コード)から、異常の可能性がある対象車両のパーツとして、DTCに関連する対象車両のパーツを特定する。モデル選定部17は、特定したパーツと同一または類似するパーツを備える市場車の少なくとも一つの車種を特定する。これにより、異常部位を特定するための学習データを増やすことができ、ラベルの精度を向上させることができる。
故障コードは対象車両から検出されたDTC情報である。これにより、複数の自動車メーカーを跨ぐ複数の車種の学習データを使用することができる。学習データを増やすことでラベルの精度を向上させることができる。また、CANデータの対応区間の精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
図3を参照して、第2実施形態に係る異常部位特定装置を含む異常部位特定システムの全体構成を説明する。第2実施形態に係る異常部位判定システムは、第1実施形態に比べて、モデル選定装置5がモデル登録部22を更に備える点が異なるが、その他の点は図1の異常部位判定システムと同じであり、説明を省略する。
モデル登録部(コントローラ)22は、対象車両のDTCと対象車両のDTCから特定した異常部位とを関連付けた学習データを、市場車と異なる車種の学習データとして記憶する。第1特定装置2は、この学習データを用いて市場車と異なる車種の異常部位特定モデルを生成することができる。モデル登録部22は、モデル選定部17により選定された異常部位特定モデル19を、異常部位特定部9に新規車種の異常部位特定モデル18として登録する。新規車種には、新規に開発しているまだ世の中には出ていない車種、異常部位特定モデル19に含まれていない車種が含まれる。これにより、既存の車種だけでなく、新規の車種についても、市場車DB1及び異常部位特定部9の異常部位特定モデル19を登録することができる。
図4を参照して、図3の異常部位特定装置(2、4、5)の動作の一例を説明する。図2と比べて、ステップS110を更に有する点が相違し、ステップS101~S109は共通するため、説明を省略する。
対象車両のCANデータへラベル付与した後に、ステップS110に進み、モデル登録部22は、モデル選定部17により選定された異常部位特定モデル19を、異常部位特定部9に新規車種の異常部位特定モデル18として登録する。これにより、ラベルの精度を向上させることができ、新規車種にも対応することができる。
(第3実施形態)
図5を参照して、第3実施形態に係る異常部位特定装置を含む異常部位特定システムの全体構成を説明する。第3実施形態に係る異常部位判定システムは、第1実施形態に比べて、対象車両DB3が所定期間設定部23及びDTC抽出部24を更に備える点が異なるが、その他の点は図1の異常部位判定システムと同じであり、説明を省略する。
DTC抽出部24は、対象車両のCANデータ(時系列データ)から対象車両のDTCを取得する。DTC抽出部24は、取得したDTCを対象車両DTCDB20に登録する。取得したDTCは、DTC判定部16へ送信され、市場車のDTCと照合される。また、取得したDTCは、異常部位特定部13へ送信され、異常部位の特定に用いられる。
所定期間設定部23は、DTC抽出部24がDTCを取得する周期として、所定の期間又は対象車両の所定の走行距離を設定する。DTC抽出部24は、所定期間設定部23が設定した周期(所定の期間又は所定の走行距離)毎に、DTCを取得する。これにより、DTC判定部16及び異常部位特定部13が受信するDTCは、所定の期間もしくは所定の走行距離において対象車両から出力された時系列データから取得されたDTCとなる。所定の期間もしくは所定の走行距離は異常部位特定モデルの精度が高くなることに基づいて定めてもよく、一意に所定の値を定めても構わない。一意に所定の値を定める場合、1日に複数回が望ましい。自動車ディーラーにて故障診断機を接続することでDTCを抽出し、その結果が異なる場合があることから、所定の期間は1日以上であることが望ましい。また、時間が経過すると別の異常が発生する可能性があることから、所定の期間は3ヶ月以下であることが望ましい。これにより、対象車DTCDB20を用いずに、異常部位特定をすることができ、そのラベルの精度を向上させることができる。
図6を参照して、図5の異常部位特定装置(2、3、4、5)の動作の一例を説明する。図2と比べて、ステップS101の代わりに、ステップS121及びS122を実施する点が相違し、ステップS102~S109は共通するため、説明を省略する。
ステップS121において、所定期間設定部23は、DTC抽出部24がDTCを取得する周期として、所定の期間又は所定の走行距離を設定する。ステップS122に進み、DTC抽出部24は、所定の期間ごと又は所定の走行距離ごとに、対象車両のCANデータを解析して、対象車両のCANデータから対象車両のDTCを取得する。その後、ステップS102へ進み、図2と同様な処理(ステップS102~S109)を行う。これにより、対象車の対象車DTCDB20を用いずに、異常部位特定をすることができ、そのラベルの精度を向上させることができる。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
2 第1特定装置(コントローラ)
4 第2特定装置(コントローラ)
5 モデル選定装置(コントローラ)
18 モデル(複数の異常部位特定モデル)
19 モデル(少なくとも一つの異常部位特定モデル)

Claims (8)

  1. 対象車両とは異なる複数の車種から検出された故障コードと前記複数の車種の異常部位とが関連付けられた学習データにより学習された複数の異常部位特定モデルの中から選定された少なくとも一つの異常部位特定モデルを用いて、前記対象車両から検出された故障コードから前記対象車両の異常部位を特定するコントローラ、を備え、
    前記コントローラは、
    前記対象車両から検出された前記故障コードを示す信号を受信し、
    前記複数の車種のパーツ情報を示す信号を受信し、
    前記パーツ情報を用いて、前記故障コードに関連する前記対象車両のパーツが同一又は類似する少なくとも一つの異常部位特定モデルを前記複数の異常部位特定モデルの中から選定し、
    選定した前記少なくとも一つの異常部位特定モデルを用いて、前記故障コードから前記異常部位を特定する、
    異常部位特定装置。
  2. 前記複数の異常部位特定モデルは、複数の車種ごとに分類された複数の異常部位特定モデルであり、
    前記コントローラは、
    前記パーツ情報を用いて、前記故障コードに関連する前記対象車両のパーツが同一又は類似する前記対象車両とは異なる車種を特定し、
    特定された前記車種の前記少なくとも一つの異常部位特定モデルを前記複数の異常部位特定モデルの中から選定する
    請求項1に記載の異常部位特定装置。
  3. 前記コントローラは、
    前記故障コードから、異常の可能性がある前記対象車両のパーツとして、前記故障コードに関連する前記対象車両のパーツを特定し、
    特定した前記パーツと同一または類似するパーツを備える前記複数の車種の少なくとも一つの車種を特定する、
    請求項2に記載の異常部位特定装置。
  4. 前記故障コードは前記対象車両から検出されたDTC情報である請求項1~3のいずれか一項に記載の異常部位特定装置。
  5. 前記コントローラは、
    受信した前記故障コードと前記故障コードから特定した異常部位とを関連付けた学習データを、前記複数の車種と異なる車種の学習データとして記憶する、
    請求項2又は3に記載の異常部位特定装置。
  6. 受信した前記故障コードは、所定の期間もしくは所定の走行距離において前記対象車両から出力された時系列データから取得された故障コードである、請求項1~5のいずれか一項に記載の異常部位特定装置。
  7. 前記複数の異常部位特定モデルの各々は、前記故障コードと前記異常部位と車両から検出される時系列データとを関連付けた異常部位特定モデルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の異常部位特定装置。
  8. 対象車両から検出された故障コードを示す信号を受信し、
    前記対象車両とは異なる複数の車種のパーツ情報を示す信号を受信し、
    前記パーツ情報を用いて、前記故障コードに関連する前記対象車両のパーツが同一又は類似する少なくとも一つの異常部位特定モデルを、前記複数の車種から検出された故障コードと前記複数の車種の異常部位とが関連付けられた学習データにより学習された複数の異常部位特定モデルの中から選定し、
    選定した前記少なくとも一つの異常部位特定モデルを用いて、前記対象車両の故障コードから前記対象車両の異常部位を特定する、
    異常部位特定方法。
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