JP2003049857A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2003049857A
JP2003049857A JP2001239259A JP2001239259A JP2003049857A JP 2003049857 A JP2003049857 A JP 2003049857A JP 2001239259 A JP2001239259 A JP 2001239259A JP 2001239259 A JP2001239259 A JP 2001239259A JP 2003049857 A JP2003049857 A JP 2003049857A
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JP
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ring
grease
peripheral surface
inner ring
bearing
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Nobuhiko Nishimura
信彦 西村
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/76Sealings of ball or roller bearings
    • F16C33/78Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
    • F16C33/784Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race
    • F16C33/7843Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc
    • F16C33/7846Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc with a gap between the annular disc and the inner race
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリースの消耗量を低減させることにより、
少ない封入グリース量で高温、超高速回転の厳しい環境
下での使用においても、HDD等の情報機器で要求され
る低トルク、長期音響耐久性能を達成できる転がり軸受
を提供する。 【解決手段】 本発明の転がり軸受10の軸受用シール
15は、外輪内周面11bに密封固定されると共に、内
輪外周面12bとわずかな隙間Cを持って対向し転動体
13の方向に突出したリング状の凸部20bが形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり軸受に関
し、詳しくは低回転トルクの非接触シールであるに係わ
らず、グリースの消耗量が少なく、長期間にわたって音
響耐久性能に優れ、情報機器の回転支持部分に用いるの
に最適な転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ハードディスクドライブ(以
下HDDと言う)に代表される情報機器の回転支持部分
に使用される軸受には、小型、高速回転、低トルク、長
期音響耐久性能、高温耐久性能等の極めて厳しい性能が
要求される。従来の転がり軸受に使用される軸受用シー
ルは、金属板の表面に予め、ゴム、合成樹脂等の弾性体
を固着させた薄板を、プレス加工によってリング状に成
形して製作されており、リング状の弾性体の外径寸法
は、リング状の金属板の外径寸法より大径とされて金属
板の周縁部から半径方向に突出して成形されている。す
なわち、薄板状の軸受用シールを外輪内周面の両端部に
設けられたシール溝に嵌合密着して固定し、外輪、内輪
間に配設された転動体を軸受用シールで囲んで密封し、
グリースを充填して転動体の潤滑を行うようにした転が
り軸受が提案されている。
【0003】また、情報機器用の転がり軸受に要求され
る低トルク特性を達成するために、薄板状の軸受用シー
ルは、外輪内周面に固定され、軸受用シールと内輪外周
面との間に僅かな隙間を持たせた状態で配設されること
で、軸受用シールと内輪との摩擦抵抗を無くして低トル
クとする非接触シールが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の転がり
軸受では、軸受の内部と外部は、薄板状の軸受用シール
で区画され、特に内輪外周面との間に隙間が設けられた
非接触シールが装着された転がり軸受の場合は、隙間の
軸方向長さは、軸受用シールの厚みである僅か1mm程
度の距離しかなく、内輪外周面に設けられた該隙間を通
して軸受の内部と外部とが連通している。また、長期間
の潤滑を行えるように、比較的多量のグリースが内部に
封入されている。上記従来の転がり軸受を高速回転させ
ると、封入されたグリースの攪拌抵抗によって回転トル
クが大きくなり、遠心力によってグリースが飛散して内
輪外周面に設けられた隙間から転がり軸受の外部に流出
して使用環境を汚染し、HDD等の情報機器においては
データの読み取り、書き込みエラーにつながるという問
題があった。
【0005】また、小型化された情報機器においては、
電子回路の作動による発熱のために転がり軸受も高温と
なって、封入されているグリースから蒸発した基油が内
輪外周面と軸受用シールとの隙間から外部に漏れて潤滑
作用の不足や耐久性の低下等の問題が生じ、高温、高速
回転という厳しい環境で使用されるHDD等の情報機器
の要求を満足させることができなかった。また、グリー
スの攪拌抵抗による回転トルクの増大や、遠心力による
グリースの飛散の問題は、封入するグリースの量を低減
させることで、ある程度軽減させることができる。しか
しながら、封入グリース量の減少は、長期音響耐久性能
の低下に繋がり、要求される低トルク、かつ長期音響耐
久性の相反する機能を満足させることができないという
問題があった。
【0006】また、特開平8−303467号公報にお
いては、グリースを保持器の爪の間に封入することによ
って、グリースの攪拌抵抗を低減させると共に、グリー
スから徐々に滲み出す基油により潤滑して低トルクと長
期音響性能の相反する両特性を満足させる軸受が提案さ
れている。しかしながら、最新HDDで要求される毎分
15000から20000回転の超高速回転での使用で
は、保持器の爪の間に封入されたグリースが飛散してト
ルクが増大してしまい、要求に十分対応することができ
ないという問題があった。
【0007】本発明は、グリースの消耗量を低減させる
ことにより、少ない封入グリース量でHDD等の情報機
器で要求される高温、超高速回転の環境下での使用にお
いても、低トルク、長期音響性能を達成できる転がり軸
受を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る上記課題
は、請求項1記載の転がり軸受であり、内周面にレース
面が形成された外輪と、外周面にレース面が形成された
内輪と、前記外輪と前記内輪の前記レース面間に回動自
在に配設された複数個の転動体と、前記転動体を所定位
置に保持して滑らかに回転させる保持器とを備えている
転がり軸受であって、前記外輪内周面に固定されると共
に前記内輪外周面と隙間を持って対向し前記転動体の方
向に突出するリング状の凸部が形成された軸受用シール
を備えたことを特徴とする転がり軸受によって解決する
ことができる。
【0009】前記構成の転がり軸受によれば、内輪外周
面と軸受用シールとの間に隙間を設けた非接触シールに
よってシールすると共に、軸受用シールに凸部を設けて
該内輪外周面と対向する面積を増大させることにより、
封入されたグリースの消耗量を低減させ、少ないグリー
スで長期間にわたって十分な潤滑を行えるようにして相
反する特性である低トルクと長期音響性能を達成するこ
とができる。
【0010】すなわち、軸受用シールを外輪内周面に密
着して固定すると共に、内輪外周面と対向させてリング
状の凸部が形成されており、該凸部は外周面とわずかな
隙間を持たせた状態で配設されている。そして、内輪を
高速で回転させると、これに伴なって転動体もレース面
を自転しながら公転する。この転動体の潤滑作用は、封
入したグリースによって行われて滑らかに回転する一
方、グリースの一部は、遠心力によって外輪方向へ飛散
するが、軸受用シールによって封止されているのでグリ
ースは転がり軸受の外部に出ることはなく、飛散による
グリースの消耗は防止される。
【0011】また、使用される環境温度に加えて転動体
の転動による発熱によって転がり軸受の温度が上昇し、
グリースが加熱されて該グリースに含まれる基油が蒸発
する。そして、蒸発した基油の一部は、軸受用シールと
内輪外周面との隙間から転がり軸受の外部に流出しよう
とするが、軸受用シールには凸部が設けられて該隙間の
軸方向長さが長く設定されているので、流出し難く、ま
た隙間を移動している間に冷却されて液状となって該隙
間に溜まるので、封入グリースの消耗量が低減される。
【0012】従って、グリースの封入量を少なくしてグ
リースの攪拌によるトルク増大及び飛散による環境汚染
を防止すると共に、長期間にわたって安定して潤滑性能
を維持することができ、低トルクかつ長期音響特性の相
反する特性を達成することができる。また、軸受用シー
ルは、内輪外周面とわずかな隙間を持って配設されてい
るので、軸受用シールと内輪との接触に起因する回転ト
ルクは発生せず、これによっても更に低トルクが達成さ
れる。
【0013】また、上記課題は、請求項2記載の転がり
軸受であって、前記軸受用シールは、前記凸部の軸方向
の幅が、前記内輪外周面と対向する端面で最も幅広であ
り、前記外輪に向かうに従って次第に幅が狭くなるよう
に形成されたことを特徴とする転がり軸受によって解決
できる。
【0014】前記構成の転がり軸受によれば、凸部の形
状は、内輪外周面と対向する端面が最も幅広であり、外
輪に向かうに従って次第に幅が狭くなるように形成され
ている。従って、外輪側に広い空間を確保することがで
き、該空間内に遠心力によって飛散したグリース、転動
体及び保持器によりかきとられたグリースが溜まり、グ
リースの無駄な消耗が防止されて潤滑に有効に寄与す
る。
【0015】また、上記課題は、請求項3記載の転がり
軸受であって、前記軸受用シールは、前記凸部の前記内
輪外周面と対向する端面に凹部が形成されたことを特徴
とする転がり軸受によって解決できる。
【0016】前記構成の転がり軸受によれば、凸部の内
輪外周面と対向する端面に凹部が形成されているので、
グリースから蒸発し、軸受用シールと内輪外周面との隙
間を通って流出しようとする基油が該凹部に溜まり易
く、グリースの無駄な消耗が防止される。
【0017】更に、上記課題は、請求項4記載の転がり
軸受であって、前記軸受用シールは、前記凸部の前記内
輪外周面と対向する端面に、少なくとも1つのリング状
溝が形成されたことを特徴とする転がり軸受によって解
決できる。
【0018】前記構成の転がり軸受によれば、凸部の内
輪外周面と対向する端面には、少なくとも1つのリング
状溝が形成されているので、グリースから蒸発し軸受用
シールと内輪外周面との隙間を通って流出しようとする
基油が、該リング状溝に溜まり易く、グリースの無駄な
消耗が防止される。また、少ない封入グリース量で低ト
ルクかつ長期音響特性の性能が確保される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の転がり軸受の実施
形態を図1乃至図3に基づいて説明する。図1は本発明
の転がり軸受の第1実施形態を示す要部断面図、図2は
本発明の転がり軸受の第2実施形態を示す要部断面図、
図3は本発明の転がり軸受の第2実施形態を示す要部断
面図である。図1に示すように本発明の第1実施形態の
転がり軸受10は、外輪11と、内輪12と、複数個の
転動体13と、保持器14と、軸受用シール15とを備
えている。例えば、HDDのスピンドルモータの回転軸
に使用される転がり軸受10の寸法は、外径10mm、
内径4mm、幅4mmとなっている。
【0020】外輪11及び内輪12は、協働して転動体
13を転動させながら低トルクで回転させるためのリン
グ状部材であって、夫々転動体13の直径に適合する大
きさの曲率半径を持つ断面円弧状のレース面11a,1
2aが外輪内周面11b及び内輪外周面12bにリング
状に形成されている。外輪11の両端には、軸受用シー
ル15を嵌合密封して固定するためのシール溝11cが
リング状に設けられている。シール溝11cの直径D1
は、開口部11dの直径D2より大きく設定されてお
り、シール溝11cへの軸受用シール15の装着は、開
口部11dから軸受用シール15を軸方向に押圧し、後
述する軸受用シール15の弾性体20のリップ部20a
を圧縮してシール溝11c中に押し込んで行われる。
【0021】転動体13は、転動することによって外輪
11及び内輪12を極めて小さな回転抵抗で相対的に回
転させるためのものであって、直径1.5mmの焼入れ
処理が施された金属製の球であり、複数個が整列して外
輪11及び内輪12のレース面11a,12aの間に配
設されている。従って、外輪11又は内輪12を回転さ
せると、転動体13は封入されたグリース18によって
潤滑されながらレース面11a,12a上を自転しなが
ら公転し、小さな回転抵抗で外輪11又は内輪12を回
転させる。
【0022】保持器14は、複数の転動体13を夫々所
定の位置に保持して滑らかに回転させるためのものであ
って、一定の間隔で複数の保持室が設けられた合成樹脂
又は金属製のリング状部材であり、夫々の保持室内に1
個の転動体13を回動自在に保持し、外輪11と内輪1
2の間に配設されている。
【0023】軸受用シール15は、転動体13の両側の
外輪11及び内輪12間に配設されて軸受内部に空間1
6を作り、該空間16内にグリース18を封入可能にす
ると共に、外部から塵等の異物の侵入を防止する。この
軸受用シール15は、金属製の補強リング21の片面に
ゴム等の弾性体20が固着されている。
【0024】本実施形態の転がり軸受10は、軸受用シ
ール15の弾性体20の外周縁に、補強リング21の外
周縁から突出して半径方向に延びるリップ部20aが形
成され、弾性体20の内周縁に、内輪外周面12bに対
向するようにリング状の凸部20bが形成されている。
この凸部20bの内輪外周面12bに対向する端面20
cは、円筒状に形成されており、内輪外周面12bと一
定のわずかな隙間Cを有している。
【0025】また、凸部20bの軸方向の幅は、内輪外
周面12bに対向する端面20cが最も幅が広く、外輪
11に向かうに従って次第に幅が狭くなるように成形さ
れている。凸部20bの軸方向の最大幅は、凸部20b
と保持器14との距離ΔLが、(保持器14の軸方向の
動き量)+(軸方向隙間/2)より大きくなるように設
定されており、外輪11又は内輪12を相対的に回転さ
せたとき、保持器14と凸部20bとが干渉することな
く、滑らかに回転できるようになっている。そして、軸
受用シール15は、開口部11dから軸方向に押圧され
てリップ部20aをシール溝11cに圧入嵌合して外輪
11に密封固定され、凸部20bの端面20cは、内輪
外周面12bと僅かな隙間Cを隔てて対向している。
【0026】次に、上記第1実施形態の転がり軸受の作
用を説明する。図1に示したように、本実施形態の転が
り軸受10は、空間16内に少量のグリース18が封入
されており、外輪11又は内輪12を高速で回転させる
と、これに伴なって転動体13はグリース18によって
潤滑されてレース面11a,12a上を滑らかに自転し
ながら公転する。このとき、転動体13及び保持器14
に付着しているグリース18の一部は、遠心力によって
半径方向外方に飛散し、内輪外周面12bと軸受用シー
ル15との隙間Cから離間した空間16の外輪11側に
溜まる。外輪11と軸受用シール15とは、リップ部2
0aがシール溝11cに圧入嵌合して密封されているの
で空間16の外部に流出することはない。
【0027】また、軸受用シール15の弾性体20に
は、内輪外周面12bに対向してリング状の凸部20b
が形成されているので、転がり軸受10の回転が停止し
ても空間16の外輪11側に溜まったグリース18は、
該凸部20bが障害となって隙間C方向へ流れることが
防止される。
【0028】例えば、転がり軸受10の内輪12内周面
に固定される回転軸が垂直方向に延設されており、水平
面内で外輪11又は内輪12が回転するように配置され
た場合、下方側の軸受用シール15の空間16の外輪1
1側に溜まったグリース18は、凸部20bを乗り越え
て隙間C側に流れることはなく、外輪11側の空間16
に留まる。また、上方側の軸受用シール15の空間16
の外輪11側に溜まったグリース18の一部は、重力の
作用によって流下するが、殆どが外輪11の内側に沿っ
て流下し、隙間C側に流出することはない。
【0029】また、例えば、転がり軸受10の内輪12
内周面に固定される回転軸が水平方向に延設されてお
り、垂直面内で外輪11又は内輪12が回転するように
配置された場合、転がり軸受10の下方部分の空間16
に溜まったグリース18は、停止時にも外輪11側の位
置に留まる。また、転がり軸受10の上方部分にあるグ
リース18は、該グリース18の粘着力のため、そのま
まの位置に留まるが、グリース18の一部は、弾性体2
0の内面に沿って流下し、内輪外周面12bに達する。
しかし、外部とは凸部20bの幅Lだけ離間しており、
しかも隙間Cはわずかであるので、外部への流出は阻止
される。
【0030】更に、摩擦熱によってグリース18から蒸
発した基油及び遠心力によって微細な粒子となって飛散
するグリース18にも遠心力が作用し、隙間Cから遠ざ
けられるが、一部は隙間Cを通って流出しようとする。
しかし、内輪外周面12bと対向してリング状の凸部2
0bが設けられ、隙間Cの軸方向長さLが長く設定され
ているので、流出し難く、隙間Cから外部への流失は最
小限に抑えられてグリース18の消耗量は低減される。
【0031】次に、本発明の第2実施形態の転がり軸受
30について説明する。図2に示すようには本発明の第
2実施形態の転がり軸受30は、軸受用シール31が、
上記軸受用シール15と同様に、金属製の補強リング2
1の片面にゴム等の弾性体32が固着されている。弾性
体32の外周縁には、補強リング21の外周縁から突出
して半径方向に延びるリップ部32aが形成され、弾性
体32の内周縁には、内輪外周面12bに対向するよう
にリング状の凸部32bが形成されている。そして、凸
部32bの内輪外周面12bに対向する面には、不図示
のグリースを溜まり易くする凹部32cが形成され、内
輪外周面12bと対向して配設されている。なお、その
他の部分については、上記第1実施形態の転がり軸受1
0と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説
明を省略する。
【0032】次に、前記第2実施形態の転がり軸受30
の作用を説明する。図2に示したように本実施形態の転
がり軸受30は、凸部32bの内輪外周面12bに対向
する端面に凹部32cが形成され、内輪外周面12bと
対向して配設されている。従って、不図示のグリースか
ら蒸発した基油及び微粒子となったグリースが内輪外周
面12bとの隙間C(図1参照)を通って外部に流出し
ようとするとき、冷却されて液体となった基油及び微粒
子状のグリースが、凹部32cに溜まり易く、グリース
の消耗量を低減させることができる。
【0033】次に、本発明の第3実施形態の転がり軸受
40について説明する。図3に示したように本実施形態
の転がり軸受40は、軸受用シール41が、上記軸受用
シール15と同様に、金属製の補強リング21の片面に
ゴム等の弾性体42が固着されている。弾性体42の外
周縁には、補強リング21の外周縁から突出して半径方
向に延びるリップ部42aが形成され、弾性体42の内
周縁には、内輪外周面12bに対向するようにリング状
の凸部42bが形成されている。そして、凸部42bの
内輪外周面12bに対向する面には、不図示のグリース
を溜まり易くする2本のリング状溝42cが形成され、
内輪外周面12bと対向して配設されている。なお、そ
の他の部分については、上記第1実施形態の転がり軸受
10と同様であるので、同一部分には同一符号を付して
説明を省略する。
【0034】次に、前記第3実施形態の転がり軸受40
の作用を説明する。図3に示したように本実施形態の転
がり軸受40は、凸部42bの内輪外周面12bに対向
する端面に2本のリング状溝42cが形成され、内輪外
周面12bと対向して配設されている。従って、不図示
のグリースから蒸発した基油及び微粒子となったグリー
スが内輪外周面12bとの隙間Cを通って外部に流出し
ようとするとき、冷却されて液体となった基油及び微粒
子状のグリースが、リング状溝42cに溜まり易く、グ
リース18の消耗量を低減させることができる。
【0035】
【実施例】以下の実施例により、本発明の転がり軸受の
有効性を明確にする。本発明に係る凸部を有する非接触
シールを組み込んだ転がり軸受を下記試験条件で試験に
供した。なお、比較のため現行の薄板状非接触シールを
組み込んだ転がり軸受を同一条件で試験に供した。 <試験条件> 供試転がり軸受:外径10mm,内径4mm,幅4mm。 軸受用シール: 試験軸受:本発明に係る凸部を有する非接触シール。 (発明仕様) 比較軸受:薄板状非接触シール。(現仕様) 与圧: 7.84N 回転方式: 外輪回転 回転速度: 毎分20000回転 雰囲気温度: 70℃ 試験時間: 300時間 グリース: (株)協同油脂製 マルテンプSRL グリース封入量:軸受空間容積の9〜12% 判定: 所定の運転時間毎にグリース消耗量及び軸方向振動加速度を 測定する。
【0036】試験の結果は、最初にグリースの消耗が確
認された時点は、現仕様軸受は試験開始10時間後であ
るのに対して、発明仕様軸受では30時間後であった。
また、試験150時間及び300時間後のグリース消耗
量は、現仕様軸受が夫々1.7mg及び2.6mgであ
るのに対して、発明仕様軸受では夫々0.8mg及び
1.7mgと現仕様軸受の47%及び65%と、いずれ
も少なかった。また、騒音発生の原因となる軸方向振動
加速度は、現仕様軸受及び発明仕様軸受共に試験開始時
には8mGと同一であったにも係わらず、試験150時
間及び300時間後の軸方向振動加速度は、現仕様軸受
で夫々22mG及び33mGであるのに対して、発明仕
様軸受では夫々16mG及び21mGと少なく、現仕様
軸受の73%及び64%であった。以上の試験結果か
ら、実施例の転がり軸受は、グリース消耗量が少なく、
長期間にわたって良好な潤滑性能を維持することがで
き、トルク変動を小さく抑えることができ、且つ長期音
響耐久性能に優れていることが確認された。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1記
載の転がり軸受によれば、外輪内周面に固定されると共
に内輪外周面と隙間を持って対向し転動体の方向に突出
するリング状の凸部が形成された軸受用シールを備えて
いる。従って、グリースから蒸発した基油の一部は、軸
受用シールと内輪外周面との隙間から転がり軸受の外部
に流出しようとするが、凸部により該隙間の軸方向長さ
が長く設定されているので、流出し難く、隙間を移動し
ている間に冷却されて液状となって該隙間に溜まるの
で、封入グリースの消耗量を低減させることができる。
【0038】また、軸受用シールは、内輪外周面とわず
かな隙間を持って配設されているので、軸受用シールと
内輪との接触に起因する回転トルクは発生せず、更に低
トルクを達成することができる。よって、グリースの封
入量を少なくすることができ、グリースの攪拌によるト
ルク増大及び飛散による環境汚染を防止することができ
ると共に、長期間にわたって安定して潤滑性能を維持し
て、低トルクかつ長期音響特性の相反する特性を満足さ
せることができる。
【0039】また、請求項2記載の転がり軸受によれ
ば、軸受用シールは、凸部の軸方向の幅が、内輪外周面
と対向する面で最も幅広であり、外輪に向かうに従って
次第に幅が狭くなるように形成されている。従って、外
輪側に広い空間を確保することができ、該空間内に遠心
力によって飛散したグリース、転動体及び保持器により
かきとられたグリースを溜めることができる。また、転
がり軸受の回転が停止したとき、グリースの一部が流出
しようとしても凸部が障害となって、グリースの流出が
防止され、消耗量を極めて少量に抑えることができる。
【0040】また、請求項3の転がり軸受によれば、軸
受用シールは、凸部の内輪外周面と対向する端面に凹部
が形成されている。従って、グリースから蒸発し軸受用
シールと内輪外周面との隙間を通って流出しようとする
基油を該凹部に溜めることができ、グリースの無駄な消
耗を防止することができる。また、内輪外周面と対向す
る端面を凹形状とした分、多量のグリースを溜めること
ができ、比較的多量のグリースが隙間に達しても外部に
流出させることなく保持することができ、グリースの消
耗量を低減させることができる。
【0041】更に、請求項4の転がり軸受によれば、軸
受用シールは、凸部の内輪外周面と対向する端面に、少
なくとも1つのリング状溝が形成されている。従って、
グリースから蒸発し軸受用シールと内輪外周面との隙間
を通って流出しようとする基油が該リング状溝に溜まり
易く、グリースの無駄な消耗を防止することができ、少
ない封入グリース量で低トルクかつ長期音響特性の性能
を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の第1実施形態を示す要部
断面図である。
【図2】本発明の転がり軸受の第2実施形態を示す要部
断面図である。
【図3】本発明の転がり軸受の第3実施形態を示す要部
断面図である。
【符号の説明】
10 転がり軸受 11 外輪 11a レース面 11b 外輪内周面 12 内輪 12a レース面 12b 内輪外周面 13 転動体 15 軸受用シール 20b 凸部 20c 面 30 転がり軸受 31 軸受用シール 32b 凸部 32c 凹部 40 転がり軸受 41 軸受用シール 42b 凸部 42c リング状溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面にレース面が形成された外輪と、
    外周面にレース面が形成された内輪と、前記外輪と前記
    内輪の前記レース面間に回動自在に配設された複数個の
    転動体と、前記転動体を所定位置に保持して滑らかに回
    転させる保持器とを備えている転がり軸受であって、 前記外輪内周面に固定されると共に前記内輪外周面と隙
    間を持って対向し前記転動体の方向に突出するリング状
    の凸部が形成された軸受用シールを備えたことを特徴と
    する転がり軸受。
  2. 【請求項2】 前記軸受用シールは、前記凸部の軸方向
    の幅が、前記内輪外周面と対向する端面で最も幅広であ
    り、前記外輪に向かうに従って次第に幅が狭くなるよう
    に形成されたことを特徴とする請求項1記載の転がり軸
    受。
  3. 【請求項3】 前記軸受用シールは、前記凸部の前記内
    輪外周面と対向する端面に凹部が形成されたことを特徴
    とする請求項1又は2記載の転がり軸受。
  4. 【請求項4】 前記軸受用シールは、前記凸部の前記内
    輪外周面と対向する端面に、少なくとも1つのリング状
    溝が形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    転がり軸受。
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