JP2003048904A - ビニル単量体の重合方法 - Google Patents

ビニル単量体の重合方法

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JP2003048904A
JP2003048904A JP2001291509A JP2001291509A JP2003048904A JP 2003048904 A JP2003048904 A JP 2003048904A JP 2001291509 A JP2001291509 A JP 2001291509A JP 2001291509 A JP2001291509 A JP 2001291509A JP 2003048904 A JP2003048904 A JP 2003048904A
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alcohol
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polymerizing
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Hirotoshi Mizota
浩敏 溝田
Mitsuhiro Matsuo
光弘 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合器の気相部内壁への重合体スケールの付
着を効果的に防止し、生産性よく高品質の製品を得るこ
とができるアクリル酸エステルを含むビニル単量体の重
合方法を提供する。 【解決手段】 本発明のアクリル酸エステルを0.1質
量%以上含むビニル単量体の重合方法は、反応装置内に
は、前記ビニル単量体を含む反応液である液相部と、気
相部とが存在し、この気相部に炭素数2以上のアルコー
ルを存在させて前記ビニル単量体の重合を行うことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル単量体の重
合方法に関し、より詳しくは、ビニル単量体を重合する
際、重合器の気相部内壁に重合体が付着することを防止
したビニル単量体の重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニル単量体を攪拌機付重合器内
で塊状重合、溶液重合、懸濁重合あるいは乳化重合する
方法が知られている。これらの重合法においては、反応
熱の除去、安全および操作上の問題、重合装置上の制限
等の理由により、重合器内の全空間を重合反応液で満た
して重合を行うことは少なく、通常、気相部分が存在し
た状態で重合が行われる。
【0003】しかし、気相部分が存在した状態で重合を
行った場合、気相中に存在するガス状の単量体が重合器
気相部で重合し、重合器の気相部内壁に多量の重合体ス
ケールが付着することがある。このような重合体が付着
すると、ノズルが閉塞したり、攪拌機の機能に障害が起
こるなどの機械的異常の発生原因となることがあり、ま
た、重合体スケールの剥離スケールが製品中に混入して
異常製品が発生することがある。しかも、この付着した
重合体スケールの除去には多大な労力と時間とを要する
場合がある。このように、工業規模で生産を行う場合、
重合器の気相部内壁への重合体の付着は大きな問題とな
る。
【0004】このような重合器気相部内壁への重合体ス
ケールの付着防止法として、特開昭56−806号公報
には、沸点が常圧で100℃以下であるメルカプタンを
気相部に存在させて重合を行う方法が開示されている。
しかしながら、この方法によれば、未反応揮発成分を除
去した後でも、低沸点のメルカプタンが極微量ではある
が重合体中に残存することがある。低沸点のメルカプタ
ンが極微量でも残存すると、その特異な臭気のため工業
的には使用に堪え難いという問題がある。そのため、連
鎖移動剤として使用されるメルカプタンは、通常、炭素
数8以上の比較的沸点の高いものが使用されている。
【0005】また、特開平2−55703号公報には、
上下に二分割されたジャケット式重合槽で、重合槽上部
ジャケットを冷却し、反応液の気液界面を冷却ジャケッ
ト面に位置させ、モノマーフィード管が気相部にあり、
その先端を攪拌翼の軸に近接して設けることで冷却モノ
マーが軸に接触し、軸を冷却することにより、軸部、気
相部での熱重合ポリマーの生成を抑制した重合反応槽が
開示されている。
【0006】さらに、特開平10−158307号公報
には、液相部および気相部を特殊な攪拌翼により攪拌
し、気相部を冷却ジャケットにより冷却することで、気
液界面からのモノマーの蒸発量を増加させ、壁面を常に
凝縮液で洗い流すことにより、気相部の反応器内壁への
ポリマーの付着を防止する方法が開示されている。
【0007】しかしながら、これらの方法は、メチルメ
タクリレートやスチレンの重合など、アクリル酸エステ
ルを単量体として含まない場合には効果が認められる
が、アクリル酸エステルを含む場合は気相部での重合防
止効果、気相部内壁への重合体の付着防止効果は必ずし
も十分とは言えない。アクリル酸エステルは、メタクリ
ル酸エステルやスチレンと異なり、ポップコン重合と称
される異常重合を起こしやすいことが知られており、ポ
ップコン重合の反応機構は未だ明確ではない。そして、
得られる重合体は、通常、いかなる溶媒にも溶解しな
い。
【0008】したがって、アクリル酸エステルを含むビ
ニル単量体の重合方法において、重合器内の気相部壁へ
の重合体スケールの付着を十分に防止する工業的方法
は、未だ開示されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重合器の気
相部内壁への重合体スケールの付着を効果的に防止し、
生産性よく高品質の製品を得ることができるアクリル酸
エステルを含むビニル単量体の重合方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み鋭意検討を行った結果、特殊な重合方法を
採用することにより前述の問題点が解決できることを見
出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の上記目的は、以下の本
発明により解決できる。 (1)アクリル酸エステルを0.1質量%以上含むビニ
ル単量体の重合方法であって、反応装置内には、前記ビ
ニル単量体を含む反応液である液相部と、気相部とが存
在し、この気相部に炭素数2以上のアルコールを存在さ
せて前記ビニル単量体の重合を行うことを特徴とするビ
ニル単量体の重合方法。 (2)前記気相部に存在させる炭素数2以上のアルコー
ルが、炭素数2以上4以下のアルコールであることを特
徴とする前記(1)のビニル単量体の重合方法。 (3)前記気相部に存在させる炭素数2以上のアルコー
ルが、イソプロピルアルコールおよび/またはエタノー
ルであることを特徴とする前記(1)のビニル単量体の
重合方法。 (4)前記反応装置内の炭素数2以上のアルコールの量
が、前記ビニル単量体1モル当たり0.002〜1モル
であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか
のビニル単量体の重合方法。 (5)前記アクリル酸エステル以外のビニル単量体が、
メチルメタクリレートおよび/またはスチレンであるこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかのビニル
単量体の重合方法。 (6)前記アクリル酸エステルがメチルアクリレートで
あることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかの
ビニル単量体の重合方法。 (7)前記ビニル単量体を含む反応液に予め炭素数2以
上のアルコールを添加し、この反応液を反応装置に供給
することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかの
ビニル単量体の重合方法。 (8)炭素数2以上のアルコールを反応装置の気相部に
注入することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれ
かのビニル単量体の重合方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル酸エステルを
0.1質量%以上含むビニル単量体の重合方法では、反
応装置内の反応液上の気相部に炭素数2以上のアルコー
ルを存在させて、反応液を攪拌しつつビニル単量体を重
合する。これにより、アクリル酸エステル単量体が存在
する場合に、ポップコン重合によると考えられる、いか
なる溶媒にも不溶な重合体スケールの生成を効果的に防
止し、反応装置の気相部内壁への重合体スケールの付着
を抑制することができる。
【0013】本発明では、気相部に炭素数2以上のアル
コールを存在させることが重要である。炭素数2以上の
アルコールとしては、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、ペンタノール等が挙げられる。炭素数が2未満
のアルコール、つまりメタノールではポップコン重合の
防止効果が小さい。気相部に存在させるアルコールの炭
素数が多くなりすぎると、アルコールの沸点が高くなる
ために、重合時の気相部におけるアルコールの濃度が低
くなり、ポップコン重合の防止効果が少なくなる傾向が
ある。気相部に存在させるアルコールとしては、炭素数
が2以上4以下のアルコールが好ましく、中でも、エタ
ノール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。気相
部に存在させるアルコールは、1種を用いても、2種以
上を併用してもよい。
【0014】なお、アクリル酸エステル単量体が存在し
ない場合には、従来技術の範囲で重合体スケールの生成
を防止できるため、通常、本発明の重合方法の顕著な効
果が確認されない。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】気相部に炭素数2以上のアルコールを存在
させる方法としては特に限定されず、例えば、原料とな
るビニル単量体に炭素数2以上のアルコールを添加し、
原料組成物の一部として反応装置に供給してもよく、ま
た、炭素数2以上のアルコールを別に反応装置気相部に
注入してもよい。
【0017】反応装置内(反応系内)の炭素数2以上の
アルコールの量は、十分高い重合体スケール付着防止効
果が得られるので、原料のビニル単量体1モル当たり
0.002モル以上、特に0.01モル以上であること
が好ましい。また、反応装置内(反応系内)の炭素数2
以上のアルコールの量は、重合速度が十分速く、経済的
なので、原料のビニル単量体1モル当たり1モル以下、
特に0.2モル以下であることが好ましい。反応系内の
炭素数2以上のアルコールの量が上記の範囲であれば、
気相中に存在する炭素数2以上のアルコールの量が好適
な範囲になり、重合体スケールの生成、反応装置の気相
部内壁への重合体スケールの付着を十分に防止すること
ができる。
【0018】通常、重合反応時の気相中には、主に、炭
素数2以上のアルコールとガス状のビニル単量体とが存
在するが、他に、窒素等の不活性ガス、および、炭素数
2以上のアルコール以外の不活性溶媒を溶媒として含む
溶液重合においては該不活性溶媒のガス等を含んでいて
もよい。
【0019】本発明では、アクリル酸エステルを0.1
質量%以上含むビニル単量体を重合する。
【0020】ビニル単量体に含まれるアクリル酸エステ
ルとしては特に限定されず、例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのア
ルキルアクリレート、フッ化アクリレート、ベンジルア
クリレート等が挙げられる。アクリル酸エステルは、1
種を用いても2種以上を併用してもよい。中でも、メチ
ルアクリレートは、従来技術では気相部における重合体
スケールが生成しやすい傾向があり、本発明の重合体ス
ケール付着防止効果が顕著である。
【0021】また、アクリル酸エステル以外のビニル単
量体としては特に限定されず、例えば、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート等のアルキルメタクリレ
ート、フッ化メタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。中で
も、メチルメタクリレート、スチレンであることが好ま
しい。アクリル酸エステル以外のビニル単量体は、1種
を用いても2種以上を併用してもよい。
【0022】ビニル単量体中のアクリル酸エステルの含
有量は0.1質量%以上であり、これ以上であれば従来
技術と比べて高い本発明の重合体スケール付着防止効果
が得られる。一般に、ビニル単量体中のアクリル酸エス
テルの含有量が高いほど重合体スケールが重合器気相部
内壁に付着しやすくなるが、本発明によれば、ビニル単
量体中のアクリル酸エステルの含有量が1質量%以上で
あっても顕著な重合体スケール付着防止効果が得られ
る。ビニル単量体中のアクリル酸エステルの含有量の上
限は特に規定されず、100質量%でもよいが、通常、
30質量%以下とする。
【0023】本発明では、原料のビニル単量体にラジカ
ル重合開始剤を添加し、この反応液を反応装置に供給
し、前述のように気相部に炭素数2以上のアルコールを
存在させて重合を行う。
【0024】用いる重合開始剤は特に限定されるもので
はなく、公知の有機過酸化物やアゾ化合物を使用でき
る。重合開始剤の添加量は、反応条件に応じて適宜決め
ればよい。
【0025】また、本発明では、必要に応じてラジカル
連鎖移動剤としてメルカプタン化合物を反応液に添加し
てもよい。用いるメルカプタン化合物としては、n−オ
クチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等が好
ましく挙げられる。メルカプタン化合物の添加量は、反
応条件に応じて適宜決めればよい。
【0026】本発明において使用される重合反応器(反
応装置)としては公知の重合器、例えば攪拌機を有する
種々の重合器が用いられる。攪拌翼は特に限定されない
が、ダブルヘリカルリボン翼、マックスブレンド翼(住
友重機械工業(株)製)等が好適である。
【0027】重合方法としては、ビニル単量体を液相で
重合できる塊状重合、溶液重合、懸濁重合または乳化重
合が挙げられる。重合条件は公知の方法に従って、ある
いは、準じて決めればよい。
【0028】本発明では、通常、重合温度は50〜27
0℃であることが好ましく、反応圧力は0.1〜5MP
aであることが好ましい。
【0029】ビニル単量体の重合は、通常、反応液、つ
まり、液相部を攪拌しながら行う。また、気相部の滞留
部をなくすことにより、高い重合体スケール付着防止効
果が得られるので、気相部を攪拌しながらビニル単量体
の重合を行うことが好ましい。
【0030】また、反応装置気相部は、冷却ジャケッ
ト、または、気相部内部に設けられた冷却装置により冷
却することが好ましい。これにより、気相部内壁が塗れ
壁となり更新効果による重合器の気相部内壁に重合体ス
ケールが付着することをさらに防止できる。気相部の温
度は、液相の温度より低いと蒸発が促進されるので、液
相温度より10℃以上低いことが好ましい。また、低す
ぎる温度に管理することは冷却のためのエネルギーが多
くなり、経済的でないため、気相部の温度は10℃以上
であることが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらは本発明を限定するものではない。な
お、実施例中「部」とあるのは「質量部」を表す。
【0032】<実施例1>精製したメチルメタクリレー
ト90質量%とメチルアクリレート10質量%とからな
るモノマー混合物100部に対してエタノール2部(モ
ノマー1モルに対して0.043モルに相当する)を添
加した重合原料混合物に窒素を導入して溶存酸素を0.
5ppmとした後、このモノマー混合物に対してn−オ
クチルメルカプタン(ELF ATOCHEM NORTH AMERICA INC
製、純度99.5質量%)0.0171モル/kgと、
ラジカル開始剤として2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル(和光純薬製V−60、純度99質量%)1.71×
10-4 モル/kgとなるように混合し、この原料組成
物(反応液)を重合温度135℃、反応圧力0.5MP
aに制御された攪拌混合下の完全混合型反応槽に連続的
に供給して重合を行った。
【0033】反応槽内の反応混合物はダブルヘリカルリ
ボン翼により撹拌混合した。平均滞留時間は4時間とし
た。反応槽気相部は、釜蓋にジャケットを設け、冷却水
を流して気相部温度を60℃に冷却した。気相部は4枚
タービン翼により攪拌した。
【0034】続いて反応混合物を連続的にベントエクス
トルーダに供給し、未反応モノマーを主成分とする揮発
物を分離除去して重合体を得た。単位時間当たりの反応
槽に供給する単量体量と、ベントエクストルーダ先端か
ら得られる重合体量とから反応槽における重合体転化率
を計算した結果、49%であった。
【0035】上記運転を30日間継続した後、運転を終
了し、反応槽内部を観察した結果、重合体スケールの付
着は見られなかった。
【0036】<実施例2〜3>表1に示すようにモノマ
ー組成、溶剤添加量を変えた以外は、実施例1と同様に
して重合反応を行った。30日間連続運転後に反応槽の
内部を観察した結果、重合体スケールの付着は見られな
かった。
【0037】なお、表1に示す溶剤添加量はモノマー1
00質量部に対する量(質量部)で示してある。モル量
でいうと、実施例2ではモノマー1モルに対してエタノ
ールを0.043モル添加しており、実施例3ではモノ
マー1モルに対してエタノールを0.111モル添加し
ている。
【0038】<実施例4>エタノールをモノマー混合物
に添加せず、モノマー混合物の供給量を100部とした
とき1部の割合(モノマー1モルに対して0.021モ
ルに相当)で、エタノールを反応槽気相部攪拌軸シール
部直下に設けたノズルから注入しながら重合を行った以
外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。30日
間連続運転後に反応槽の内部を観察した結果、重合体ス
ケールの付着は見られなかった。
【0039】<実施例5>エタノールをイソプロピルア
ルコールに代えた以外は、実施例1と同様にして重合反
応を行った。30日間連続運転後に反応槽の内部を観察
した結果、重合体スケールの付着は見られなかった。な
お、実施例5ではモノマー1モルに対してイソプロピル
アルコールを0.033モル添加している。
【0040】<比較例1>エタノールを添加しなかった
以外は実施例1と同様にして重合反応を行った。30日
間連続運転後に反応槽の内部を観察した結果、反応槽気
相部には重合体スケールの生成が見られた。この重合体
スケール1gをアセトン10gに浸積し、30℃で10
日間保持したが、全く溶解しなかった。
【0041】<比較例2>エタノールを添加しなかった
以外は実施例2と同様にして重合反応を行った。30日
間連続運転後に反応槽の内部を観察した結果、反応槽気
相部には重合体スケールの付着が見られた。そして、比
較例1と同様にして重合体スケールの溶解性を調べた
が、この重合体スケールもアセトンに全く溶解しなかっ
た。
【0042】<比較例3>エタノールを添加しなかった
以外は実施例3と同様にして重合反応を行った。30日
間連続運転後に反応槽の内部を観察した結果、反応槽気
相部には重合体スケールの付着が見られた。そして、比
較例1と同様にして重合体スケールの溶解性を調べた
が、この重合体スケールもアセトンに全く溶解しなかっ
た。
【0043】<比較例4、5>エタノールの代わりに表
1に示す溶剤をモノマー混合物100部に対して5部添
加した以外は実施例1と同様にして重合反応を行った。
30日間連続運転後に反応槽の内部を観察した結果、反
応槽気相部には重合体スケールの付着が見られた。そし
て、比較例1と同様にして重合体スケールの溶解性を調
べたが、比較例4、5どちらの重合体スケールもアセト
ンに全く溶解しなかった。
【0044】<参考例1>モノマー混合物をメチルメタ
クリレート100質量%とした以外は実施例1と同様に
して重合反応を行い、30日間連続運転後に反応槽内部
を観察した結果、反応槽気相部に重合体スケールの付着
は見られなかった。
【0045】<参考例2>エタノールを添加しなかった
以外は参考例1と同様にして重合反応を行い、30日間
連続運転後に反応槽内部を観察した結果、反応槽気相部
に重合体スケールの付着は見られなかった。
【0046】実施例1〜5、比較例1〜5、参考例1、
2の結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】気相部にエタノールを存在させてアクリル
酸エステルを含むビニル単量体の重合を行った実施例1
〜4、および、気相部にイソプロピルアルコールを存在
させてアクリル酸エステルを含むビニル単量体の重合を
行った実施例5では、重合体スケールの付着は見られな
かった。一方、アルコールを添加しなかった比較例1〜
3、メタノールを添加した比較例4、トルエンを添加し
た比較例5では、重合体スケールの付着が見られた。
【0049】また、メチルメタクリレートの重合を行っ
た参考例1、2では、気相部のエタノールの存在に関係
なく、どちらも重合体スケールの付着は見られなかっ
た。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、重合器の気相部内壁へ
の重合体スケールの付着を効果的に防止し、しかも生産
性よく高品質の製品を得ることができるアクリル酸エス
テルを含むビニル単量体の重合方法を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 210:10) Fターム(参考) 4J011 EA03 EA06 EA07 EA08 EA09 4J100 AB02P AL03P AL03Q CA04 FA02 FA19 FA20 FA21 FA22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステルを0.1質量%以上
    含むビニル単量体の重合方法であって、反応装置内に
    は、前記ビニル単量体を含む反応液である液相部と、気
    相部とが存在し、この気相部に炭素数2以上のアルコー
    ルを存在させて前記ビニル単量体の重合を行うことを特
    徴とするビニル単量体の重合方法。
  2. 【請求項2】 前記気相部に存在させる炭素数2以上の
    アルコールが、炭素数2以上4以下のアルコールである
    ことを特徴とする請求項1に記載のビニル単量体の重合
    方法。
  3. 【請求項3】 前記気相部に存在させる炭素数2以上の
    アルコールが、イソプロピルアルコールおよび/または
    エタノールであることを特徴とする請求項1に記載のビ
    ニル単量体の重合方法。
  4. 【請求項4】 前記反応装置内の炭素数2以上のアルコ
    ールの量が、前記ビニル単量体1モル当たり0.002
    〜1モルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のビニル単量体の重合方法。
  5. 【請求項5】 前記アクリル酸エステル以外のビニル単
    量体が、メチルメタクリレートおよび/またはスチレン
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のビニル単量体の重合方法。
  6. 【請求項6】 前記アクリル酸エステルがメチルアクリ
    レートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のビニル単量体の重合方法。
  7. 【請求項7】 前記ビニル単量体を含む反応液に予め炭
    素数2以上のアルコールを添加し、この反応液を反応装
    置に供給することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載のビニル単量体の重合方法。
  8. 【請求項8】 炭素数2以上のアルコールを反応装置の
    気相部に注入することを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載のビニル単量体の重合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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