JP2003048854A - 1,4−ブタンジオールの製造方法 - Google Patents

1,4−ブタンジオールの製造方法

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JP2003048854A JP2001233009A JP2001233009A JP2003048854A JP 2003048854 A JP2003048854 A JP 2003048854A JP 2001233009 A JP2001233009 A JP 2001233009A JP 2001233009 A JP2001233009 A JP 2001233009A JP 2003048854 A JP2003048854 A JP 2003048854A
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Youji Iwasaka
洋司 岩阪
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Teruo Yoshida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブタジエンの酸化的アセトキシ化で得られた
1,4−ジアセトキシブテンを含む反応物を水添したの
ち加水分解する1,4−ブタンジオールの製造方法にお
いて、1,4−ブタンジオールモノアセテートの含有量
の低い1,4−ブタンジオールを製造する。 【解決手段】 加水分解液を蒸留して1,4−ブタンジ
オールと高沸点物から主として成る留分を取得し、これ
から軽沸点成分及び高沸点成分を順次蒸留により除去し
てほぼ、精製された1,4−ブタンジオールを取得し、
これを更に蒸留して高度に精製された1,4−ブタンジ
オールを塔底から取得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブタジエン、酢酸
及び酸素を反応させて1,4−ジアセトキシブテンを生
成させ、これを水素添加して1,4−ジアセトキシブタ
ンとしたのち加水分解して1,4−ブタンジオールを製
造する方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,4−ブタンジオールの製造法はいく
つか知られているが、その代表的なものの一つに、触媒
の存在下にブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて1,
4−ジアセトキシブテンを生成させ、これを水素添加し
て1,4−ジアセトキシブタンとしたのち加水分解し
て、1,4−ブタンジオールを生成させる方法があり、
工業的に実施されている。この方法では1,4−ジアセ
トキシブテンを生成させる工程及び加水分解工程で種々
の副生物が生成する。こうした副生物を含む加水分解反
応液から1,4−ブタンジオールを純度よく取得する方
法はいくつも提案されている。その代表的な方法では、
加水分解反応生成液を蒸留して、低沸点成分を除去し、
1,4−ブタンジオール及び高分成分より成る粗1,4
−ブタンジオールを取得する。この粗1,4−ブタンジ
オールには、2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラ
ヒドロフラン、2−(4′−オキソブトキシ)テトラヒ
ドロフラン、及び1,4−ビス(2′−テトラヒドロフ
ロキシ)ブタン等のアセタール化合物が含まれているの
で、粗1,4−ブタンジオールを水素添加して、これら
のアセタール化合物を水添分解し、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ブタンジオールなどに転換する。水素添加
を経た粗1,4−ブタンジオールは、蒸留してテトラヒ
ドロフランなどの低沸点成分を塔頂から留出させる。塔
底液は更に蒸留して、塔頂から残存していたヒドロキシ
アセトキシブタンを留出させる。最後にこの塔底液を更
に蒸留して、塔頂から精製された1,4−ブタンジオー
ルを留出させて製品とし、塔底から高沸点成分を一部の
1,4−ブタンジオールと共に抜出す。別法として最後
の2工程の蒸留を一本の蒸留塔で行い、精製された1,
4−ブタンジオールを側流として抜出して製品とするこ
ともできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】1,4−ブタンジオー
ルの主要な用途の一つは、テレフタル酸と重縮合させて
ポリブチレンテレフタレートを製造することである。こ
の用途では高純度の1,4−ブタンジオールが要求され
る。しかしながら加水分解反応液から1,4−ブタンジ
オールを単離する従来の方法では、製品として取得され
る1,4−ブタンジオール中に、ヒドロキシアセトキシ
ブタンが数百ppm程度残存しており、これを低減する
ことが求められている。従って本発明は、ヒドロキシア
セトキシブタンの含有量の低減された1,4−ブタンジ
オールを製造する方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、触媒の
存在下にブタジエン、酢酸及び酸素を反応させて1,4
−ジアセトキシブテンを含む反応物を生成させるアセト
キシ化工程、アセトキシ化工程の反応物を水素添加して
炭素−炭素二重結合を飽和させる水素添加工程、水素添
加された反応物を加水分解して1,4−ブタンジオール
を含む加水分解物を生成させる加水分解工程、及び加水
分解物から1,4−ブタンジオールを分離する分離工程
の各工程を含む1,4−ブタンジオールの製造方法にお
いて、分離工程で 加水分解により得られた加水分解反応液を蒸留し
て、1,4−ブタンジオール及び高沸点物より主として
成る粗1,4−ブタンジオールを取得する第1蒸留、 粗1,4−ブタンジオールを蒸留して、1,4−ブ
タンジオールより低沸点の成分を除去する第2蒸留 第2蒸留を経た粗1,4−ブタンジオールを蒸留し
て、1,4−ブタンジオールより高沸点の成分を除去す
る第3蒸留、及び 第3蒸留を経た粗1,4−ブタンジオールを蒸留し
て、ヒドロキシアセトキシブタンを一部の1,4−ブタ
ンジオールと共に塔頂から留出させ、精製された1,4
−ブタンジオールを塔底から取得する第4蒸留 の各蒸留を順次行うことにより、ヒドロキシアセトキシ
ブタンの濃度が著るしく低い、高純度の1,4−ブタン
ジオールを取得することができる。
【0005】本発明の好ましい一態様では、第1蒸留で
得た粗1,4−ブタンジオールを水素添加して、不純物
のアセタール化合物を水素化分解してから第2蒸留に供
することにより、最終的に得られる1,4−ブタンジオ
ールの純度を更に高いものとすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、アセトキシ化工程、
水素添加工程、及び加水分解工程の3工程は、常法に従
って行えばよい。例えばアセトキシ化工程は、担体に貴
金属並びにテルル、アンチモン、砒素及びセレンより成
る群から選ばれたものを担持させた触媒の存在下に、ブ
タジエン、酢酸及び酸素を常圧下、40〜180℃で反
応させればよい。好ましくは活性炭又はシリカにパラジ
ウム及びテルルを担持させた触媒を用いて、50〜12
0℃で反応させる。酢酸は溶媒を兼ねて大過剰に用いる
のが好ましく、ブタジエン1モル当り5〜60モル、特
に10〜40モルとなるように用いるのが好ましい。ま
た酸素は雰囲気が爆発組成とならない範囲で供給する。
【0007】反応生成液は気液分離したのち蒸留して、
酢酸及び高沸点成分を除去し、主としてジアセトキシブ
テン類から成る反応物を取得し、これを水素添加工程に
供給する。水素添加工程では、反応物の炭素−炭素二重
結合を飽和させてジアセトキシブテン類をジアセトキシ
ブタン類に転換する。このとき共存している不純物であ
るアセタール化合物なども水素化分解するように反応条
件を選択するのが好ましい。水素添加反応は、通常は担
体付貴金属触媒、例えば活性炭に貴金属、好ましくはパ
ラジウムを担持した触媒が充填されている反応器に、上
記で得られた反応物と水素とを連続的に供給することに
より行われる。反応は常圧ないし加圧下、20〜180
℃、特に30〜150℃で行うのが好ましい。
【0008】本発明の好ましい一態様では、上述の活性
炭担持貴金属触媒を用いて炭素−炭素二重結合の水素添
加を行ったのち、更にシリカに貴金属、好ましくはルテ
ニウムを担持した触媒を用いて水素添加を行う。これに
より2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフ
ランなどのアセタール化合物の濃度を低下させることが
できる。すなわちシリカ担持触媒を用いる後段の水素添
加反応では、主としてアセタール化合物の水素化分解反
応が起るものと考えられる。この後段の水素添加反応は
前段の活性炭担持触媒を用いる水素添加反応と同様の反
応条件で行うことができるが、反応温度は若干高く、例
えば10〜100℃高くするのが好ましい。
【0009】水素添加された反応物は、次いで加水分解
して、ジアセトキシブタンをブタンジオールに転換す
る。この加水分解反応は、通常は強酸性陽イオン交換樹
脂が充填されている反応器に、水素添加された反応物と
水の混合液を連続的に通液させることにより行われる。
混合液中の水の含有量は、加水分解を完全に行わせるの
に必要な理論量の2〜100倍、特に4〜50倍が好ま
しい。また加水分解温度は室温〜110℃、特に40〜
90℃が好ましい。加水分解ではブタンジオール類の外
に、中間体であるヒドロキシアセトキシブタン類も生成
する。ブタンジオール類とヒドロキシアセトキシブタン
類の生成比率は、加水分解の反応条件に大きく依存す
る。なお1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタンは脱酢
酸環化させてテトラヒドロフランに転換できるので、
1,4−ブタンジオールとテトラヒドロフランを併産さ
せる場合には、併産比率に適合するように加水分解条件
を設定する。
【0010】加水分解反応液は、第1蒸留ないし第4蒸
留の各蒸留操作を含む分離工程で単離・精製して、製品
の1,4−ブタンジオールに仕上げる。先ず第1蒸留で
加水分解反応液を蒸留して、水、酢酸、ヒドロキシアセ
トキシブタン及びジアセトキシブタンのほぼ全量を除去
し、1,4−ブタンジオール及び高沸点物から主として
成る粗1,4−ブタンジオールを取得する。通常は蒸留
を2段階で行い、その第1段階では加水分解反応液を蒸
留して、酢酸及び水を塔頂から留出させ、塔底から1,
2−及び1,4−ブタンジオールから成るブタンジオー
ル類、1,2−及び1,4−ジアセトキシブタンから成
るジアセトキシブタン類、並びに1,2−及び1,4−
ブタンジオールモノアセテートから成るヒドロキシアセ
トキシブタン類から成る塔底液を取得する。この塔底液
中には1,4−ブタンジオールよりも高沸点の重質成分
も含まれている。この蒸留は、理論段数2〜10段程度
の蒸留塔を用いて、塔頂圧力5〜100kPa、特に7
〜30kPa、塔底温度100〜200℃、特に120
〜180℃で行うのが好ましい。第2段階では、第1段
階の塔底液を蒸留して、1,2−ブタンジオール、ジア
セトキシブタン類及びヒドロキシアセトキシブタン類を
除去する。その好ましい一態様では、1,2−ジアセト
キシブタン、1,2−ブタンジオールモノアセテート、
及び1,2−ブタンジオールを主体とする留分を塔頂か
ら留出させ、1,4−ジアセトキシブタン及び1,4−
ブタンジオールモノアセテートを主体とする留分を上部
側流として抜出し、1,4−ブタンジオールを主体とす
る粗1,4−ブタンジオールを塔底から抜出す。なお、
粗1,4−ブタンジオール中の重質成分の含有量を低減
させるため、粗1,4−ブタンジオールを塔底より若干
上の段から下部側流として抜出し、重質成分を一部の
1,4−ブタンジオールと共に塔底から抜出すようにす
るのも好ましい。いずれの場合でも、粗1,4−ブタン
ジオール中の1,4−ブタンジオールの濃度は90重量
%以上、特に95重量%以上であるのが好ましい。この
第2段階の蒸留は、理論段数50〜120段、特に70
〜100段程度のものを用いて、塔頂圧力5〜100k
Pa、特に7〜60kPa、塔底温度130〜270
℃、特に150〜250℃で行うのが好ましい。
【0011】第1蒸留で得た粗1,4−ブタンジオール
は第2蒸留で更に蒸留して、残存している1,4−ブタ
ンジオールよりも低沸点の成分を除去する。好ましくは
第1蒸留で得た粗1,4−ブタンジオールを水素添加し
てアセタール化合物などを水素化分解したのち第2蒸留
に供する。水素添加は、活性炭担持パラジウム触媒のよ
うな常用の担体付還元触媒の充填されている反応器に、
粗1,4−ブタンジオールを水素と共に連続的に供給す
ることにより容易に行うことができる。反応は加圧下、
特に0.4〜2MPaGの圧力下に、温度40〜250
℃、特に80〜180℃、液空塔速度0.1〜5h
-1、特に0.5〜2hr-1程度で行うのが好ましい。
【0012】第2蒸留は、理論段数3〜20段、特に5
〜15段程度の蒸留塔を用いて、塔頂圧力5〜100k
Pa、特に10〜60kPa、塔底温度140〜220
℃、特に160〜200℃で行うのが好ましい。第2蒸
留の塔底液は第3蒸留で蒸留して、1,4−ブタンジオ
ールより高沸点の成分を除去する。この蒸留は理論段数
7〜35段、特に10〜30段程度の蒸留塔を用いて、
塔頂圧力1〜20kPa、特に2〜10kPaで行うの
が好ましい。
【0013】第3蒸留の塔頂から留出した1,4−ブタ
ンジオール中には、なお微量の1,4−ブタンジオール
モノアセテートが含まれている。本発明者らはその由来
を検討した結果、加水分解反応液から1,4−ブタンジ
オールを単離する過程で、1,4−ブタンジオールモノ
アセテートが生成していることを知得した。1,4−ブ
タンジオールモノアセテートは、高沸点成分中のアセテ
ートと1,4−ブタンジオールとのエステル交換反応に
より生成するものと推定される。従来の1,4−ブタン
ジオールの製造法では、最後の蒸留塔で高沸点成分を一
部の1,4−ブタンジオールと共に塔底から取出し、精
製された1,4−ブタンジオールを塔頂又は上部側流と
して取得していたので、この蒸留塔で生成した1,4−
ブタンジオールモノアセテートが1,4−ブタンジオー
ル中に混入するのが避けられなかったものと考えられ
る。
【0014】本発明では、第3蒸留の塔頂から留出した
1,4−ブタンジオールを第4蒸留で更に蒸留して、残
存している1,4−ブタンジオールモノアセテートを一
部の1,4−ブタンジオールと共に塔頂から留出させ、
塔底から精製された1,4−ブタンジオールを取出す。
この蒸留は理論段数7〜35段、特に10〜30段程度
の蒸留塔を用いて、塔底温度140〜180℃、特に1
50〜170℃、塔頂圧力1〜20kPa、特に2〜1
0kPaで行うのが好ましい。
【0015】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 シリカにパラジウム及びテルルを担持させた触媒の存在
下に、ブタンジエン、酢酸及び酸素を圧力8MPa、温
度70〜85℃で連続的に反応させた。酸素としては窒
素で希釈した空気(酸素濃度5.8vol%)を用い
た。反応液を蒸留して酢酸及び高沸点物を除去して、主
としてジアセトキシブテンから成る反応物を得た。この
反応物を水素と共に、活性炭にパラジウムを担持した触
媒が充填されている前段水添反応器、及びシリカにルテ
ニウムを担持した触媒が充填されている後段水添反応器
に連続的に供給して、水素添加した。炭素−炭素二重結
合を飽和させる前段水素添加反応は圧力5MPa、温度
40〜70℃で行い、アルデヒド基の水素添加やアセタ
ール化合物の水素化分解を行わせる後段水素添加反応は
圧力5MPa、温度70〜100℃で行った。
【0016】ダイヤイオンSK1B(三菱化学社製品、
スルホン酸型陽イオン交換樹脂、ダイヤイオンは同社の
登録商標)が充填されている加水分解反応器に、上記で
得た水素添加された反応物を水との混合液として40〜
60℃で通液し、加水分解反応を行わせた。得られた加
水分解反応液は塔底温度158℃、塔頂圧力15kPa
で連続的に蒸留して塔頂から水及び酢酸を留出させ、塔
底から下記の組成の塔底液を取得した。
【0017】 塔底液の組成(重量%) 1,4−ブタンジオール 42.1 1,2−ブタンジオール 7.1 1,4−ジアセトキシブタン 9.2 1,2−ジアセトキシブタン 0.3 1,4−ブタンジオールモノアセテート 39.0 1,2−ブタンジオールモノアセテート 1.9 この塔底液を理論段数100段の蒸留塔を用いて、塔底
温度194℃、塔頂圧力21kPa、還流比30で連続
的に蒸留して、下記の3つの留分に分割した。
【0018】塔頂留分:1,2−ブタンジオール74重
量%、1,2−ブタンジオールモノアセテート20重量
%、1,2−ジアセトキシブタン2.7重量% 側流留分:1,4−ブタンジオールモノアセテート64
重量%、1,4−ブタンジオール19重量%、1,4−
ジアセトキシブタン15重量% 塔底留分:1,4−ブタンジオール98.8重量% 活性炭にパラジウムを担持した触媒が充填されている反
応器に、上記で得られた塔底留分を水素と共に、圧力
0.9MPa、温度100℃で連続的に供給して、アセ
タール化合物などの水素化分解を行った。気液分離後の
反応液の組成は次の通りであった。
【0019】 水 0.4重量% テトラヒドロフラン 1.4重量% 1,4−ブタンジオールモノアセテート 111ppm 1,4−ブタンジオール 97.8重量% 高沸点物 0.4重量% この反応液を、理論段数10段の充填塔を用いて、塔底
温度181℃、塔頂圧力20kPa、還流比0.62で
連続的に蒸留した(=第2蒸留)。反応物は塔頂から3
段目に供給し、塔頂から水及びテトラヒドロフランを留
出させ、塔底から1,4−ブタンジオール及び高沸点物
を含む塔底液を得た。
【0020】この塔底液は、次いで理論段数20段の充
填塔を用いて、塔底温度161℃、塔頂圧力5.9kP
a、還流比0.65で連続的に蒸留した(=第3蒸
留)。塔底液は塔頂から12段目に供給し、塔頂から
1,4−ブタンジオールを留出させ、塔底から高沸点物
を1,4−ブタンジオールとの混合物として流出させ
た。塔頂留出液と塔底留出液の重量比率は98:2であ
った。
【0021】理論段数20段の充填塔の塔頂から9段目
に上記で得た1,4−ブタンジオールを連続的に供給
し、塔底温度158℃、塔頂圧力6.1kPa、還流比
63で蒸留して、塔頂から1,4−ブタンジオールモノ
アセテートを含む1,4−ブタンジオールを留出させ、
塔底から高純度の1,4−ブタンジオールを製品として
取得した(=第4蒸留)。この1,4−ブタンジオール
中の1,4−ブタンジオールモノアセテートの濃度は3
0ppmであった。また塔頂留出液と塔底留出液の重量
比率は1:99であった。
【0022】比較例1 実施例1において、高沸点物を除去する第3蒸留と1,
4−ブタンジオールモノアセテートを除去する第4蒸留
との順序を逆転させて、1,4−ブタンジオールモノア
セテートを除去した後に高沸点物の除去を行ったとこ
ろ、製品として取得された1,4−ブタンジオール中の
1,4−ブタンジオールモノアセテートの濃度は210
ppmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 和行 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 吉田 照男 三重県四日市市大字塩浜191番地1 三菱 化学エンジニアリング株式会社中部エンジ センター内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD11 AD31 BE20 FE11 FG28 4H039 CA66 CC30 CD10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下に、ブタジエン、酢酸及び
    酸素を反応させて1,4−ジアセトキシブテンを含む反
    応物を生成させるアセトキシ化工程、アセトキシ化工程
    の反応物を水素添加して炭素−炭素二重結合を飽和させ
    る水素添加工程、水素添加された反応物を加水分解して
    1,4−ブタンジオールを含む加水分解物を生成させる
    加水分解工程、及び加水分解物から1,4−ブタンジオ
    ールを分離する分離工程の各工程を含む1,4−ブタン
    ジオールの製造方法において、分離工程が 加水分解により得られた加水分解反応液を蒸留し
    て、1,4−ブタンジオール及び高沸点物より主として
    成る粗1,4−ブタンジオールを取得する第1蒸留 粗1,4−ブタンジオールを蒸留して、1,4−ブ
    タンジオールより低沸点の成分を除去する第2蒸留 第2蒸留を経た粗1,4−ブタンジオールを蒸留し
    て、1,4−ブタンジオールより高沸点の成分を除去す
    る第3蒸留、及び 第3蒸留を経た粗1,4−ブタンジオールを蒸留し
    て、ヒドロキシアセトキシブタンを一部の1,4−ブタ
    ンジオールと共に塔頂から留出させ、精製された1,4
    −ブタンジオールを塔底から取得する第4蒸留 の各蒸留を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 第1蒸留を、加水分解反応液を蒸留して
    塔頂から水及び酢酸を留出させ、塔底からジアセトキシ
    ブタン類、ヒドロキシアセトキシブタン類及びブタンジ
    オール類から成る塔底液を取得する前蒸留と、この塔底
    液を蒸留して、1,2−ジアセトキシブタン、1,2−
    ブタンジオールモノアセテート及び1,2−ブタンジオ
    ールを主体とする留分を塔頂から留出させ、1,4−ジ
    アセトキシブタン及び1,4−ブタンジオールモノアセ
    テートを主体とする留分を上部側流として抜出し、ブタ
    ンジオール濃度が90重量%以上の粗1,4−ブタンジ
    オールを下部側流又は塔底液として抜出す後蒸留とによ
    り行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 第1蒸留で得られた粗1,4−ブタンジ
    オールを水素添加して、含まれているアセタールを水添
    分解したのち第2蒸留に供することを特徴とする請求項
    1又は2記載の方法。
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Cited By (7)

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