JP2003048704A - 金属酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

金属酸化物粉末の製造方法

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JP2003048704A JP2001237719A JP2001237719A JP2003048704A JP 2003048704 A JP2003048704 A JP 2003048704A JP 2001237719 A JP2001237719 A JP 2001237719A JP 2001237719 A JP2001237719 A JP 2001237719A JP 2003048704 A JP2003048704 A JP 2003048704A
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Mikio Yamada
幹雄 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属原料の表面に付着する塩化物系等の不純物
を効果的に除去しつつ、高純度の金属酸化物粉末を製造
する。 【解決手段】金属粉末をキャリアガスとともに酸化性雰
囲気下の反応容器内に供給し、該反応容器内で該金属粉
末を燃焼させることにより、金属酸化物粉末を合成する
金属酸化物粉末の製造方法において、理論生成量で10
Nm3 /hr以上の水蒸気を発生させうる量の水蒸気発
生用ガスを上記反応容器内に供給することにより、上記
金属粉末の燃焼時に水蒸気を過剰に発生させ、該金属粉
末の燃焼時に気化した該金属粉末の付着不純物を、発生
した水蒸気に吸収させて除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属粉末燃焼法により
金属粉末から金属酸化物粉末を合成する金属酸化物粉末
の製造方法に関し、詳しくは金属粉末の付着不純物を効
果的に除去しつつ純度の高い金属酸化物粉末を得ること
のできる金属酸化物粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特開平5−193912号公報な
どにみられるように、金属粉末を燃焼させて金属酸化物
粉末を合成する金属粉末燃焼法が開発されている。この
製造方法を説明すると、アルミニウム、珪素、マグネシ
ウムなどの金属粉末をキャリアガスとともに酸化性雰囲
気下の反応容器内に供給し、該反応容器内で着火させて
火炎を形成する。この火炎中では、金属粉末、その酸化
物等が固体・液体・気体として存在しており、気体の一
部はプラズマ化していると考えられている。この様な超
高温下では酸化反応が瞬時に完結し、火炎冷却後は直ち
に酸化物粉末が合成される。その後燃料排ガス中に含有
される酸化物粉末はバグフィルタなどの回収装置等で分
離、回収される。
【0003】この製造方法によれば、アルミナ、シリ
カ、マグネシアなどの単独金属酸化物粉末はもとより、
ムライト、スピネルなどの複合金属酸化物粉末も容易に
製造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記金属粉
末燃焼法は合成された酸化物粉末が真球状となる特徴を
有しており、半導体封止材、セラミックス原料、化粧品
材料などへの応用が考えられている。例えば、シリカ・
アルミナ等については、応用のひとつとして半導体封止
材が考えられている。ここで、半導体封止材等の半導体
産業用原料には、極めて高い純度が求められることが通
例である。
【0005】しかし、上記従来の金属粉末燃焼法により
合成された金属酸化物粉末の純度は必ずしもその要求に
応え得るものではなかった。このように、金属粉末燃焼
法においては、合成される金属酸化物粉末の純度を向上
させることが極めて重要である。そして、金属粉末燃焼
法により得られる金属酸化物粉末の純度を向上させるに
は、原料となる金属粉末の表面に付着している不純物を
以下に除去するかが重要となる。
【0006】ここに、原料となる金属粉末の表面に付着
している付着不純物には種々のものがある。この付着不
純物のうちのSO4 やNO3 は、前記燃焼火炎中でSO
X やNOX に化学変化するため、屋外へ容易に排出する
ことができる。また、付着不純物のうちのP、NaやM
gは、SiO2 とともにガラス状物質を形成することか
ら、風力分級等により容易に分離することができる。し
かし、付着不純物のうちのKCl(融点:770℃、沸
点:1510℃)等の塩化物系不純物については、効果
的な除去、分離、排出方法が無かった。
【0007】すなわち、塩化物系不純物は前記燃焼火炎
中で気化するため、一時的には金属粉末から分離される
が、この気化物が低温壁面等の低温部に移動すると再び
液化し、該低温部に残留する。このため、塩化物系不純
物の液状部分に金属酸化物粉末が接触すると、金属酸化
物粉末の表面に塩化物系不純物が再付着してしまう。
【0008】したがって、塩化物系の不純物を効果的に
除去、排出するには、燃焼火炎中で一旦分離した塩化物
系の気化物を、金属酸化物粉末の表面に再付着させるこ
となく効果的に除去、排出することが重要となる。
【0009】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、金属原料の表面に付着する塩化物系等の不純物を
効果的に除去しうる金属酸化物粉末の製造方法を提供す
ることを解決すべき技術課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の金属酸化物粉末の製造方法は、金属粉末をキャリア
ガスとともに酸化性雰囲気下の反応容器内に供給し、該
反応容器内で該金属粉末を燃焼させることにより、金属
酸化物粉末を合成する金属酸化物粉末の製造方法におい
て、理論生成量で10Nm3 /hr以上の水蒸気を発生
させうる量の水蒸気発生用ガスを上記反応容器内に供給
することにより、上記金属粉末の燃焼時に水蒸気を過剰
に発生させ、該金属粉末の燃焼時に気化した該金属粉末
の付着不純物を、発生した水蒸気に吸収させて除去する
ことを特徴とするものである。
【0011】好適な態様において、前記付着不純物の気
化物を吸収した後の前記水蒸気を、多孔質層を通過させ
た後、冷却することにより、該付着不純物の気化物を吸
収した水蒸気を液化して除去する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の金属酸化物粉末の製造方
法では、金属粉末をキャリアガスとともに酸化性雰囲気
下の反応容器内に供給し、該反応容器内で該金属粉末を
燃焼させることにより、金属酸化物粉末を合成する。
【0013】上記金属粉末の種類としては、珪素、アル
ミニウム、マグネシウム、チタン、珪素、ジルコニウ
ム、その他ムライト組成に調合した珪素とアルミニウム
との混合物、スピネル組成に調合したマグネシウムとア
ルミニウムとの混合物、コージェライト組成に調合した
アルミニウムとマグネシウムとシリコンとの混合物など
を用いることができる。また、これらの組成に調合した
合金粉末であってもよい。この金属粉末の粒度分布は、
爆燃を形成できる範囲であればよい。しかし、400μ
mより大きな粒径の金属粉末は、完全に酸化されずに分
離、回収されることがあるため、金属粉末の粒径は40
0μm以下であることが好ましい。金属粉末の平均粒径
としては、5〜100μmであることが好ましく、10
〜50μmであることがより好ましく、20〜30μm
であることが特に好ましい。
【0014】金属粉末を分散させて反応容器内に導入す
るキヤリアガスとしては、空気、窒素、酸素、ヘリウ
ム、アルゴン等を使用することができる。また、可燃性
のキャリアガスを用いることもできる。
【0015】キャリアガスとともに反応容器内に導入さ
れた金属粉末は、バーナなどの化学炎、抵抗加熱、アー
ク放電、プラズマフレーム、レーザ、高周波誘導加熱、
電子ビーム等の熱源を利用して着火され、爆発燃焼によ
って初期火炎を形成する。金属粉末は火炎中で初期酸化
燃焼によって液状の不完全燃焼金属酸化物粉末を形成す
る。
【0016】例えば、着火の熱源としてバーナを利用し
た場合、金属粉末は支燃性ガス及び可燃性ガスにより形
成されたバーナ火炎などにより着火され、爆発燃焼によ
って初期火炎を形成する。初期火炎を形成するための支
燃性ガスは、酸素・空気及びその混合ガスが使用可能で
ある。また種火としての可燃性ガスは、メタン(C
4 )、エタン(C2 6 )、プロパン(C3 8 )、
ブタン(C4 10)などの化学式Cn 2n+2で示される
炭化水素ガス又は水素ガスを用いることができる。
【0017】ここに、本発明の金属酸化物粉末の製造方
法では、理論生成量で10Nm3 /hr以上(好ましく
は16Nm3 /hr以上、より好ましくは20Nm3
hr以上)の水蒸気を発生させうる量の水蒸気発生用ガ
スを、上記金属粉末及びキャリアガスとともに上記反応
容器内に供給する。この水蒸気発生用ガスとしては、燃
焼により水蒸気を発生させうるものであれば特に限定さ
れないが、酸素、空気又はその混合ガスと、メタン(C
4 )、エタン(C2 6 )、プロパン(C38 )、
ブタン(C4 10)などの化学式Cn 2n+2で示される
炭化水素ガス又は水素ガスとの混合ガスを用いることが
できる。なお、理論生成量で100Nm 3 /hrを超え
る水蒸気を発生させても効果は変わらず、また過剰水蒸
気が合成粉末の粒子成長を阻害するおそれもあることか
ら、上記水蒸気発生用ガスの供給量の上限は、理論生成
量で100Nm3 /hr(好ましくは50Nm3 /h
r)の水蒸気を発生させうる量とされる。
【0018】例えば、酸素とプロパンガスとの混合ガス
を水蒸気発生用ガスとして採用した場合は、燃焼により
下記化学式(1)の反応を起こして水蒸気を発生する。
また、この場合のガス供給量としては、例えば原料の金
属粉末として平均粒径5〜10μmのSi粉末を1時間
当たり40〜60kg程度供給した場合は、酸素:10
0〜500Nm3 /hr程度、プロパンガス:2.5〜
12.5Nm3 /hr程度とすることができ、このとき
の水蒸気の理論生成量は10〜50Nm3 /hrとな
る。
【0019】 C3 8 +5O2 →4H2 O+3CO2 …(1) なお、着火の熱源としてバーナを利用する場合は、支燃
性ガス及び可燃性ガスとして供給されるガスをその供給
量を増大させてそのまま水蒸気発生用ガスとして兼用す
ることができる。
【0020】この金属粉末及び燃焼用ガスは通常室温で
反応容器内に供給されるが、反応容器は燃焼火炎温度が
1000℃以上になるためにアルミナなどの耐熱材料で
内張りされていることが望ましい。また反応容器内は、
排気側に排風機等を設けて吸引し、圧力が大気圧基準で
−200mmHgから−100mmHg程度の負圧とな
ることが好ましい。
【0021】反応容器内で合成された金属酸化物粉末
は、反応容器の排気側に設けられた回収装置により分
離、回収される。回収装置は、集塵機を用いることがで
きる。集塵機としては、電気式集塵機、バグフィルタ、
捕集ドラム式微粉末捕集装置などを用いることができ
る。
【0022】本発明の金属酸化物粉末の製造方法では、
理論生成量で10Nm3 /hr以上の水蒸気を発生させ
うる量の水蒸気発生用ガスを上記反応容器内に供給する
ことにより、上記金属粉末の燃焼時に水蒸気を過剰に発
生させ、該金属粉末の燃焼時に気化した該金属粉末の付
着不純物を、発生した水蒸気に吸収させて除去するもの
であるから、金属粉末の燃焼時に気化した該付着不純物
が液化等して金属酸化物粉末に再付着することを防止す
ることができる。すなわち、付着不純物の気化物を大量
に発生した水蒸気に吸収させることにより、沸点以下と
なっても該気化物の液状又は固体状への状態変化を阻止
することができ、したがって、付着不純物の気化物を水
蒸気に吸収された混合気体として容易に除去、排出する
ことが可能となる。よって、本発明方法によれば、塩化
物系等の付着不純物を効果的に除去することができ、高
純度の金属酸化物粉末を合成することができる。
【0023】ここに、本発明の金属酸化物粉末の製造方
法では、前記付着不純物の気化物を吸収した後の前記水
蒸気を、多孔質層を通過させた後、冷却することによ
り、該付着不純物の気化物を吸収した水蒸気を液化する
ことが好ましい。これは、例えば、上記反応容器と上記
回収装置との間に、連続した空孔を有する多孔質層より
なり、外周が冷却可能な多孔質管を設けることにより行
うことができる。こうすることで、付着不純物の気化物
をより確実に分離、除去することができるので、付着不
純物の気化物が液化等して金属酸化物粉末に再付着する
ことをより確実に防止することが可能となり、金属酸化
物粉末の一層の高純度化を図ることができる。
【0024】上記多孔質層を構成する材質としては、例
えば、アルミナ(Al2 3 )やジルコニア(Zr
2 )等のセラミックス、SUS304やSUS316
等の高耐熱性金属を採用することができる。また、この
多孔質層の孔径は、得られる金属酸化物粉末の通過が阻
害されるように、100〜500μm程度とすることが
できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0026】(実施例1)図1に概略的に示す製造装置
は、内壁がアルミナれんがで内張りされた反応容器(直
径1000mm、長さ6000mm)1と、反応容器1
の上流側に連結された金属粉末供給装置2と、反応容器
1と金属粉末供給装置2との間に配設されたバーナ3
と、反応容器1の下流側に連結された回収装置4とから
構成されている。
【0027】金属粉末供給装置2は、一端がバルブ21
を介してキャリアガスボンベ(図示せず)に接続され他
端がバーナ3に接続されて、金属粉末を分散したキャリ
アガスをバーナ3に導入する導入管22と、この導入管
22に下端が連結され、金属粉末を収納したホッパ23
とを備えている。
【0028】バーナ3には、バルブ31を介してプロパ
ンガスボンベ(図示せず)に接続されたプロパンガス供
給管32と、バルブ33を介して酸素ボンベ(図示せ
ず)に接続された酸素供給管34とが接続されている。
なお、このプロパンガス供給管32、酸素供給管34か
ら反応容器1内へプロパンガス、酸素がそれぞれ供給さ
れる。
【0029】回収装置4は、反応容器1の側壁に開口す
る捕集管41と、この捕集管41の下流側に配設された
バグフィルタ42と、バグフィルタ42の下流側に接続
管43を介して配設された排気ガス処理装置44と、排
気ガス処理装置の下流側に同じく接続管43を介して配
設された排風機45とを備えている。
【0030】このように構成された製造装置を用いて、
以下に示すように、平均粒径5〜6μmに粒度調整した
金属珪素粉末から平均粒径0.5〜2μmのシリカ粉末
を合成した。
【0031】まず、バルブ31を開いてプロパンガス供
給管32からプロパンガスを4Nm 3 /hrの流量で供
給するとともに、バルブ33を開いて酸素供給管32か
ら酸素を200Nm3/hrの流量で供給し、図示しな
い着火手段により着火して種火としての火炎を形成して
おく。なお、このプロパンガス及び酸素の供給量によ
り、水蒸気の理論生成量は16Nm3 /hrとなる。
【0032】そして、バルブ21を開いてキャリアガス
としての不活性ガス(窒素)を3〜8kgf/cm
2 (本実施例では4kgf/cm2 )の圧力で供給する
とともに、ホッパ22から金属珪素粉末を50kg/h
rの流量で供給した。これにより、キャリアガスととも
に金属珪素粉末はバーナ3に導入され、上記火炎と接触
して、燃焼火炎(温度:2000℃超)を形成し、金属
酸化物粉末としてのシリカ粉末を合成した。そして、排
風機45の吸引力によりシリカ粉末を含む燃焼排気ガス
を吸引し、バグフィルタ42でシリカ粉末を分離、捕集
した。なお、反応容器1内の圧力は、排風機45の吸引
力により大気圧基準で−250mmHgに設定されてい
る。
【0033】(比較例1)プロパンガスの供給量を0.
2Nm3 /hrとするとともに、酸素の供給量を20N
3/hrとすること以外は、上記実施例1と同様の方
法により、シリカ粉末を合成した。なお、このプロパン
ガス及び酸素の供給量により、水蒸気の理論生成量は
0.8Nm3 /hrとなる。
【0034】(評価1)前記実施例1及び比較例1で回
収したシリカ粉末の10%スラリー溶液(抽出水電気伝
導度が1.1μs/cmのイオン交換水)の塩素イオン
(Cl- )の濃度を測定することにより、得られたシリ
カ粉末のCl付着量を評価した。
【0035】また、原料粉末としての金属珪素粉末につ
いても同様にしてCl付着量を評価した。
【0036】得られた結果を表1に示すように、本実施
例により、Cl付着量が大幅に低減した高純度のシリカ
粉末を合成することができた。
【0037】これは、燃焼時に気化した塩化物系の付着
不純物の気化物を大量に発生した水蒸気に吸収させるこ
とにより、沸点以下となっても該気化物の液状又は固体
状への状態変化を阻止することができ、したがって、付
着不純物の気化物を水蒸気に吸収された混合気体として
容易に除去、排出することができたためと考えられる。
【0038】一方、比較例1では、金属珪素粉末の表面
に付着していた塩化物系不純物は燃焼時に一旦は気化物
として分離されたが、その後この気化物が液化等してシ
リカ粉末表面に再付着したものと考えられる。
【0039】
【表1】 (評価2)前記実施例1において、プロパンガスの供給
量を2〜5Nm3 /hr、酸素の供給量を20〜100
Nm3 /hrと種々変更することにより、水蒸気の理論
生成量を8〜20Nm3 /hrと種々変更させて、水蒸
気の理論生成量と得られるシリカ粉末のCl付着量との
関係を調べた。その結果を図2に示す。
【0040】図2から明らかなように、水蒸気の理論生
成量が多ければ多いほど、シリカ粉末のCl付着量が減
少する関係にあり、また水蒸気の理論生成量が16Nm
3 /hr以上であればCl付着量が2ppm以下となっ
て、高純度のシリカ粉末となることがわかる。
【0041】なお、実際に発生する水蒸気量は上記理論
生成量とほぼ同程度で、上記理論生成量の90%以上の
値になるものと考えられる。
【0042】(実施例2)前記実施例1で説明した製造
装置において、反応容器1とバグフィルタ42とを接続
する捕集管41の途中に冷却配管5を配設した。
【0043】この冷却配管5は、図3に示すように、金
属管51と、この金属管51内に配設され、アルミナの
多孔質粒子よりなるセラミックス製で孔径が100μm
の連続した空孔を有する多孔質層よりなる多孔質管52
とから構成されている。そして、多孔質管52の外周を
冷却すべく、多孔質管52と金属管51との間に冷却水
が流通される冷却通路53が設けられている。この冷却
通路53は、一端が冷却水供給装置54に接続され、他
端がドレインタンク55に接続されている。
【0044】このように構成された製造装置を用いて、
以下に示すように、平均粒径5〜6μmに粒度調整した
金属珪素粉末から平均粒径0.5〜2μmのシリカ粉末
を合成した。
【0045】まず、バルブ31を開いてプロパンガス供
給管32からプロパンガスを4Nm 3 /hrの流量で供
給するとともに、バルブ33を開いて酸素供給管32か
ら酸素を50Nm3/hrの流量で供給し、図示しない
着火手段により着火して種火としての火炎を形成してお
く。なお、このプロパンガス及び酸素の供給量により、
水蒸気の理論生成量は16Nm3 /hrとなる。
【0046】そして、バルブ21を開いてキャリアガス
としての不活性ガス(窒素)を3〜8kgf/cm
2 (本実施例では4kgf/cm2 )の圧力で供給する
とともに、ホッパ22から金属珪素粉末を50kg/h
rの流量で供給した。これにより、キャリアガスととも
に金属珪素粉末はバーナ3に導入され、LPG火炎と接
触して、燃焼火炎を形成し、金属酸化物粉末としてのシ
リカ粉末を合成した。
【0047】そして、冷却水供給装置54から10〜2
0℃の冷却水を10Nm3 /hrの供給量で冷却通路5
3に供給しながら、排風機45の吸引力によりシリカ粉
末を含む燃焼排気ガスを吸引し、バグフィルタ42でシ
リカ粉末を分離、捕集した。なお、反応容器1内の圧力
は、排風機45の吸引力により大気圧基準で−250m
mHgに設定されている。
【0048】(評価3)前記実施例2において、冷却水
の流量を0〜50Nm3 /hrと種々変更することによ
り、多孔質管52の外周面における冷却温度を10〜3
00℃と種々変更して、この多孔質管52の外周面にお
ける冷却温度と、得られるシリカ粉末のCl付着量との
関係を調べた。その結果を図4に示す。
【0049】図4から明らかなように、冷却温度が低い
ほど、シリカ粉末のCl付着量が減少する関係にあり、
冷却温度が200℃以下であればCl付着量が2ppm
以下となり、また冷却温度が100℃以下であればCl
付着量が1.7ppm以下となって、高純度のシリカ粉
末となることがわかる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の金属酸化
物粉末の製造方法によれば、水蒸気発生用ガスを過剰に
供給するという簡単な手法により、塩化物系等の不純物
を含有しない、極めて高純度の金属酸化粒粉末を得るこ
とができる。
【0051】したがって、本発明方法により得られた金
属酸化物粉末は、特に高純度が求められる半導体封止材
等の半導体産業用原料にも有効に利用することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた製造装置の模式図である。
【図2】水蒸気の理論生成量とCl付着量との関係を示
す線図である。
【図3】実施例2で用いた製造装置の要部たる冷却配管
の断面図である。
【図4】冷却温度とCl付着量との関係を示す線図であ
る。
【符号の説明】
1…反応容器 2…金属粉末供給装
置 3…バーナ 4…回収装置 23…ホッパ 32…プロパンガス
供給管 34…酸素供給管 42…バグフィルタ 5…冷却配管 52…多孔質管 53…冷却通路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末をキャリアガスとともに酸化性
    雰囲気下の反応容器内に供給し、該反応容器内で該金属
    粉末を燃焼させることにより、金属酸化物粉末を合成す
    る金属酸化物粉末の製造方法において、 理論生成量で10Nm3 /hr以上の水蒸気を発生させ
    うる量の水蒸気発生用ガスを上記反応容器内に供給する
    ことにより、上記金属粉末の燃焼時に水蒸気を過剰に発
    生させ、該金属粉末の燃焼時に気化した該金属粉末の付
    着不純物を、発生した水蒸気に吸収させて除去すること
    を特徴とする金属酸化物粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記付着不純物の気化物を吸収した後の
    前記水蒸気を、多孔質層を通過させた後、冷却すること
    により、該付着不純物の気化物を吸収した水蒸気を液化
    して除去することを特徴とする請求項1記載の金属酸化
    物粉末の製造方法。
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