JP2003047384A - 環状シート型害虫駆除剤 - Google Patents
環状シート型害虫駆除剤Info
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Abstract
害虫駆除剤とし、地上付近で飛翔する害虫を駆除でき、
また草木の表面または内部を食害する害虫および土壌内
に生息する害虫や前記害虫の別世代の幼虫等に対して一
挙に駆除できる害虫駆除剤にすることである。 【解決手段】 樹脂製の環状シートを、害虫防除の対象
となる植物の地上部周囲を地面に沿って囲める径に形成
し、環状シートを形成する樹脂に揮発性殺虫成分および
不揮発性殺虫成分を分散状態に保持させる。環状シート
は、多数の短冊1の一端を連結して樹脂製シートを形成
し、短冊1を扇状に広げ、櫛歯状連結物の両端を閉じて
環を形成し、その際に対向する両端縁を結合する止め具
3を設ける。
Description
とする植物を地面に沿って囲む環状シート型害虫駆除剤
に関する。
虫防除対象の植物に作用させるシート状農薬が知られて
いる。
号公報に開示されているものは、畑、水田、苗床、芝地
などに敷いて設置するような単なる無定形シート状の農
薬であり、軟質合成樹脂と吸水性樹脂の混合樹脂中に農
薬を分散させてペレット化し、これを膜状や網目状また
は繊維状に形成したものである。
として雑草除去のために使用されるものである。
のシート状の農薬は、土壌区画面積のほぼ全面に敷いて
使用されるものであり、個別の草木に対して適宜に害虫
防除処理を処方できるものではない。
置態様では、土壌区画面積の全面に敷設するという大規
模のものであるから、合成樹脂に含有させる農薬として
揮発性のものを使用することは安全上の充分な配慮を施
し難い。
は、2種類以上の機能の異なる不揮発性殺虫剤を保持す
るものではないので、個別の草木に対し、例えば草木の
表面または内部を食害する害虫、土壌内に生息する害虫
といった別世代または別種の害虫を一挙に駆除すること
ができない。
点を解決して、個別の草木に対して適宜に害虫駆除が可
能な害虫駆除剤を提供し、しかも地上付近で飛翔する害
虫を駆除できるものであり、また草木の表面または内部
を食害する害虫および土壌内に生息する害虫や前記害虫
の幼虫等に対し、これらを一挙に駆除できる害虫駆除剤
とすることである。
め、この発明においては、害虫防除の対象となる植物を
地面に沿って囲める径の樹脂製の環状シートを設け、こ
の環状シートは環の周方向に1箇所以上で分割可能に設
けると共に、樹脂に揮発性殺虫成分および不揮発性殺虫
成分を分散状態に保持させてなる環状シート型害虫駆除
剤としたのである。
シート型害虫駆除剤は、環状シートが分割可能に形成さ
れているので、分割箇所から植物の地上部を環の内側に
入れ、この植物を地面に沿って囲い込むようにして付近
に生息する害虫を駆除するから、このものは草木の周囲
の局所的な害虫駆除を効率よく行える。
分および不揮発性殺虫成分を分散状態に保持させている
ため、個々の草木の地上部、地面やその上方空間および
地下に生息する害虫をほぼ同時に一括して駆除できる。
いて、不揮発性殺虫成分が土壌棲息害虫用の殺虫成分お
よび植物食害性害虫用の殺虫成分からなる不揮発性殺虫
成分である環状シート型害虫駆除剤とすることが好まし
い。
水と共に土壌に浸透した際、土壌棲息害虫用の殺虫成分
が有効に作用して土壌棲息害虫が駆除され、また植物の
根から吸収されて茎部または幹部その他の植物体内を移
行する際に、植物を食害する害虫の体内に取り込まれる
が、そのときに植物食害性害虫用の殺虫成分が有効に作
用し、食害性害虫を長時間に亘って駆除できるからであ
る。
列させて、その一端を連結した櫛歯状物からなる環状シ
ート型害虫駆除剤であることが好ましい。
適宜に設計でき、例えば可及的に長い短冊形部に形成す
ると、対象植物を中心として比較的広い面積の土壌また
はその上方の空気中に駆除効果を効率よく及ぼしうるも
のになる。また、短冊の長さを短く調整すれば、草木の
ごく近辺の小面積の駆除によく対応する害虫駆除剤にな
る。
数の短冊形部がそれぞれ柔軟に撓むことによって地面の
凹凸に沿った形状になり、土壌によく接触して効率よく
殺虫成分が作用する。
同士の間隔を広げて扇状に形成したものを複数連結して
環を形成し、その際に隣り合う短冊形部を止め具で結合
したものからなる環状シート型害虫駆除剤は、種々の植
物の茎や幹などの地上部の大きさに応じて適当な大きさ
の環形を容易に形成できるものであるから、汎用性に優
れた土壌面載置型の害虫駆除剤になる。
剤を、添付図面に基づいて以下に説明する。
環状シート型害虫駆除剤Aは、合成樹脂製の環状シート
を、害虫防除の対象となる植物の地上部周囲を地面に沿
って囲める径に形成すると共に、環状シートを形成する
樹脂に揮発性殺虫成分および不揮発性殺虫成分を分散保
持させたものである。
で環の周方向の1箇所以上に分割できるものであり、こ
れにより適当な数の分割部分を連結して所要の径の環状
になるように組み立てられる。また、各分割部分になる
帯状の樹脂製シート2(図3参照)を簡単に曲げられる
程度の軟質の樹脂で形成すれば、環状に組み立てる作業
がより容易である。
は、多数の短冊1の一端を幅方向に連結して形成されて
いる長尺状の樹脂製シートであり、これを所要の長さの
櫛歯状物になるように鎖線部分で切断し、端部同士を止
め具3、3´で連結して環を形成する。
限定されたものではなく、例えばホチキスの針状の金具
からなる止め具3(図2(a))、コイルリング状の金具
からなる止め具4(図2(b))、係合可能な凹部と凸部
からなるスナップ結合部5(図2(c))などを採用でき
る。
歯状に連結した樹脂製シート2は、鎖線で示す切断線な
どによって適宜の長さに切断して使用するが、樹脂材料
に予め揮発性殺虫成分および不揮発性殺虫成分を混練す
るか、または含浸するなどして分散状態に保持させ、そ
のうち不揮発性殺虫成分として、土壌棲息害虫用の殺虫
成分および植物食害性害虫用の殺虫成分を併用して配合
したものである。この実施形態では、害虫駆除に有効な
成分が樹脂から発散しやすいように、多数の貫通孔6を
形成し、表面積を大きくしている。
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体などの周知の合成樹脂や、特に生分解性樹
脂(生物崩壊性樹脂または環境分解性樹脂とも呼ばれ
る。)などを特に限定することなく採用できる。
チレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレ
ンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、酢酸セル
ロース等が挙げられる。
20℃以上の殺虫成分が望ましく、具体例としてはジクロ
ルボス、フェンチオン、エチルチオメトンなどの有機リ
ン系殺虫剤、エンペントリン、アレスリン、エトフェン
プロックスなどのピレスロイド系殺虫剤、フェノブカル
ブなどのカーバメイト殺虫剤、メトキサジアゾンなどの
オキサジアゾール系殺虫剤、クロルフェナピルなどのピ
ロール系殺虫剤、その他のものとしてDEETなどが挙
げられる。これらの配合割合としては、1〜30重量%
が効率よく作用させるために好ましい。
虫に対して有効な殺虫成分の具体例としては、フェニト
ロチオンなどの有機リン系殺虫剤、フェノトリン、シペ
ルメトリン、シフェノトリン、シフルトリン、シハロト
リン、シラフルオフェン、ビフェントリン、シクロプロ
トリンなどのピレスロイド系殺虫剤、クロルフルアズロ
ン、ジフルベンズロン、ブプロフェジン、ピリプロキシ
フェン、ルフェヌロン、テフルベンズロン、フェノキシ
カルブ、フルフェノクスロン、トリフルムロン、ヘキサ
フルムロンなどの昆虫成長抑制剤、フィプロニル、テブ
フェンピラドなどのピラゾール系殺虫剤、エトキサゾー
ルなどのオキサゾール系殺虫剤などが挙げられる。これ
らの配合割合としては、1〜30重量%が効率よく作用
させるために好ましい。
吸汁害虫用の殺虫成分としては、水に対する溶解度が1
0ppm以上の殺虫成分が望ましく、具体例としては、
アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、ジ
ノテフランなどのネオニコチノイド系殺虫剤、トラロメ
トリンなどのピレスロイド系殺虫剤、アセフェート、ダ
イアジノン、ビニフェート、ピラクロフォスなどの有機
リン系殺虫剤、シロマジンなどの昆虫成長抑制剤が挙げ
られる。これらの配合割合としては、0.1〜15重量
%が効率よく作用させるために好ましい。
型害虫駆除剤Aは、幼木や園芸用植物の根元の地面に茎
や幹を取り囲むように置き、必要に応じて土壌をかけて
浅く埋めるようにして使用する。このように使用する
と、個別の草木に対応した効率のよい害虫駆除が可能で
あり、例えばノミバエ、ナガサキニセケバエ、ショウジ
ョウバエのように成虫が地上付近で飛翔し、幼虫が土壌
内に生息する害虫、またアブラムシ、カイガラムシ、ハ
ダニ等の植物吸汁害虫に対して一挙に駆除できる害虫駆
除剤になる。
ート型害虫駆除剤Bは、軟質樹脂製の網からなる環状シ
ートを、害虫防除の対象となる植物の地上部周囲を地面
に沿って囲める径に設け、この環状シートは環の径方向
に分割線7を形成し、網8の組織を形成している軟質樹
脂には揮発性殺虫成分および水溶性の不揮発性殺虫成分
を分散状態に保持させてなる環状シート型害虫駆除剤で
ある。
横糸として編んだものでもよく、または格子状に成形さ
れたものであってもよい。第2実施形態のものは、一定
の大きさに形成したものを多量に安価に製造できる利点
がある。
5〕有効成分および樹脂を表1に示す配合割合(重量
%)で混合後、射出成型し、実施例1〜5および比較例
2、3、5については図1に示す形状の試験片を得て、
以下に示す試験によってその効力を調べ、この結果を表
1中に併記した。
合割合(重量%)で有効成分及び乳化剤を混合後、溶剤
に混合した。また、比較例4については、実施例4と同
じ有効成分、樹脂の配合割合(重量%)で製剤を調整
し、形状のみを5角形細長の板状に変えて試験を行なっ
た。
た脱脂綿を入れ、ゲージ中央に供試試料を置きノミバエ
成虫を30匹放った。上記試験を3回繰り返して致死率
を調べた。 (b)ノミバエ幼虫に対する効力試験 スチロールカップに昆虫飼育培地を入れ、ノミバエ幼虫
50匹を放ち、その上を更に培地で覆い、供試試料を培
地上に置いた。上記試験を3回繰り返して致死率を調べ
た。なお、実施例1および比較例1については、以上の
同様の操作を1ヵ月後、3ヵ月後にも行い、その成虫お
よび幼虫に対する残効性を調べた。 (c)アブラムシ成虫に対する効力試験 実施例5と比較例5については、ミニバラにアブラムシ
成虫30匹を供試した後、ゲージ(20×20×30cm)の中
に入れた。試験(b)と同じ操作にて試料を供試し、試
験を3回繰り返して致死率を調べた。以上の(a)、
(b)、(c)の効力試験の評価基準は以下の通りであ
る。 +++:極めて強い殺虫活性を示す ++ :強い殺虫活性を示す + :殺虫活性を示す ± :僅かに殺虫活性を示す − :ほとんど殺虫活性を示さない
剤と乳剤の比較:比較例1の乳剤は速効性はあるが持続
性がなかったが、同じ有効成分の製剤例で樹脂に分散さ
せた実施例1では、持続性が充分にあった。
ロキシフェン、フェニトロチオンを含有しない比較例2
はノミバエ幼虫に対する効果が不十分であり、空気中の
害虫に対して有効なエンペントリンを含有しない比較例
3はノミバエ成虫に対する効果が不十分であった。更に
比較例4は円形状でなく板状であるために表面積が小さ
く、処理量が同じ実施例4に比べて殺虫活性が不十分で
あり、比較例5は植物吸汁害虫に対して有効なニテンピ
ラム、空気中の害虫に対して有効なエンペントリンを含
有していないためアブラムシ成虫に対する効果が不十分
であった。
木に対して適宜に害虫駆除が可能な円環状の害虫駆除剤
であり、しかも地上付近で飛翔する成虫の害虫を駆除で
きるものであり、また土壌を経由してその幼虫も駆除で
きるものであった。
防除の対象となる植物を地面に沿って囲める径の樹脂製
の環状シートを設け、樹脂に揮発性殺虫成分および不揮
発性殺虫成分を分散状態に保持させた環状シート型害虫
駆除剤としたので、個別の草木に対して適宜に害虫駆除
が可能な害虫駆除剤となり、しかも地上付近で飛翔する
害虫を駆除できるものであり、また土壌を経由して害虫
を駆除できる。
不揮発性殺虫成分が土壌棲息害虫用の殺虫成分および植
物食害性害虫用の殺虫成分からなるものでは、草木の表
面または内部を食害する害虫および土壌内に生息する害
虫や前記害虫の別世代の幼虫等に対して一挙に駆除でき
る害虫駆除剤になるという利点もある。
状に連結したものでは、様々な大きさの草木に対して適
当な径の環状に簡単に形成できるという利点もある。
Claims (4)
- 【請求項1】 害虫防除の対象となる植物を地面に沿っ
て囲める径の樹脂製の環状シートを設け、この環状シー
トは環の周方向に1箇所以上で分割可能に設けると共
に、樹脂に揮発性殺虫成分および不揮発性殺虫成分を分
散状態に保持させてなる環状シート型害虫駆除剤。 - 【請求項2】 不揮発性殺虫成分が、土壌棲息害虫用の
殺虫成分および植物食害性害虫用の殺虫成分からなる不
揮発性殺虫成分である請求項1記載の環状シート型害虫
駆除剤。 - 【請求項3】 環状シートが、複数の短冊形部を並列さ
せて、その一端を連結した櫛歯状物からなる請求項1ま
たは2に記載の環状シート型害虫駆除剤。 - 【請求項4】 環状シートが、短冊形部の他端同士の間
隔を広げて扇状に形成したものを複数連結して環を形成
し、その際に隣り合う短冊形部を止め具で結合した環状
シートである請求項3に記載の環状シート型害虫駆除
剤。
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- 2001-08-08 JP JP2001240468A patent/JP4865964B2/ja not_active Expired - Fee Related
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