JP2003045798A - 多孔質膜を用いた半導体基板の作製法および半導体装置 - Google Patents

多孔質膜を用いた半導体基板の作製法および半導体装置

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JP2003045798A
JP2003045798A JP2001228215A JP2001228215A JP2003045798A JP 2003045798 A JP2003045798 A JP 2003045798A JP 2001228215 A JP2001228215 A JP 2001228215A JP 2001228215 A JP2001228215 A JP 2001228215A JP 2003045798 A JP2003045798 A JP 2003045798A
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Seiichi Miyazawa
誠一 宮澤
Masahiro Okuda
昌宏 奥田
Migaku Ezaki
琢 江崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、これまでに量産されている基板、
Si、GaAs、GaP、InPなどと格子定数が異な
っている半導体膜でも、欠陥の少ない良質の半導体材料
を形成する方法、および構成を提供するものである。 【解決手段】 本発明は、基板上に基板とは格子定数の
異なる層を含んだ第一の半導体層を作製する工程と、該
第一の半導体層の表面に多孔質層を形成する工程と、該
多孔質上に多孔質化する前の該第一の半導体層表面の格
子定数と同じ第二の半導体層を積層する工程を含むこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体材料
を利用した半導体デバイスの構成に関する発明である。
【従来技術】GaAs,InP系に代表される単結晶化
合物半導体材料は、高速トランジスタ、フォトディテク
タ、半導体レーザ、発光ダイオード等に広く用いられ重
要な材料となっている。さらに近年、MOCVD法、M
BE法,CBE法などによる結晶成長法の改善により、
超薄膜構成が実現され、これまでにない優れた特性のデ
バイスを実現させている。しかし、この様な優れた特性
を有する材料でありながら、多くの化合物半導体材料は
まだ末開発の状況にある。その要因は、化合物半導体を
成長する為の基板が限られている事にある。特に、優れ
た特性を有する化合物半導体デバイスを作製しようとし
た場合、欠陥の少ない半導体材料を成長する必要があ
る。基板の格子定数と成長する化合物半導体材料の格子
定数がずれていると、成長した化合物半導体材料に欠陥
が入り所望の特性が得られない事になる。現在実用化さ
れている基板としては、Si,GaAs,InP,In
As,InSb等があげられるが、これらの基板により
使用可能な化合物半導体材料は化合物半導体全体から見
ればわずかであり、任意の格子定数を有する化合物半導
体材料を成長する技術は、今後の化合物半導体材料技術
の発展に大きな影響力を及ぼすと考えられる。基板の格
子定数と異なった材料を成長する検討例としては、Si
基板上にGaAsデバイスを形成したものがあげられ
る。Si基板上に欠陥の少ないGaAsを成長する為に
SiとGaAs膜の界面に、これら2つの材料の中間の
格子定数を持つ層を形成する手法や、貫通転移を低減す
る為に超格子構造を入れる手法、また、一旦低温でGa
Asを形成した後温度を上げ結晶化し、結晶の欠陥を低
温層に閉じ込める2段階成長法など、いくつかの格子緩
和法、および欠陥低減法が提案されている。これらの検
討の結果、Si基板の上に室温連続発振するGaAs半
導体レーザを実現するまでに至っている。しかし、残念
ながら寿命が短く、また特性的にもGaAs基板上に作
製したレーザとは大きな差があり実用化には至っていな
い。この根本的原因は、格子定数の違いにより発生した
欠陥を低減出来ていないことにある。また最近、別の手
法として、シリコン基板上に多孔質シリコンを挟んで化
合物半導体膜を形成する方法が提案されている(特開平
10−321535号公報)。この方法では、多孔質領
域を有するシリコン基板をこの多孔質領域の表面の孔を
封止する為に熱処理し、この基板の上部に化合物半導体
層を積層している。この様にして化合物半導体層を作製
すれば、シリコン基板とその格子整合や、成膜温度から
室温へ降温する際に生じる熱膨張率差に基づいて生じる
格子欠陥やひずみは、多孔質シリコンの孔を封止する極
薄のシリコン層のみに導入され、化合物半導体層には導
入されない。これは、バルクのシリコンに比較して脆弱
な多孔質層上に形成された極薄のシリコン層の方が、成
長した化合物半導体層と比較して遥かに脆弱であるため
である。この様にして、欠陥が導入される層が、化合物
半導体層ではなく、極薄のシリコン層にのみに優先的に
導入されるため、欠陥の非常に少ない化合物半導体層が
形成できる。しかしながら、この手法によっても十分な
欠陥の低減が出来ていない。より高品質な膜を提供する
ためにはシリコンと化合物半導体膜との格子不整合によ
り発生する欠陥や熱膨張係数差による欠陥の導入をさら
に低減する必要がある。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまでに
量産されている基板、Si、GaAs、GaP、InP
などと格子定数が異なっている半導体膜でも、欠陥の少
ない良質の半導体材料を形成する方法、および構成を提
供するものである。
【課題を解決するための手段】本発明の半導体基板の作
製法は、基板上に基板とは格子定数の異なる層を含んだ
第一の半導体層を作製する工程と、該第一の半導体層の
表面に多孔質層を形成する工程と、該多孔質上に多孔質
化する前の該第一の半導体層表面の格子定数と同じ第二
の半導体層を積層する工程を含むことを特徴とする。上
記発明において、前記第二の半導体層を積層した後、該
第二の半導体層を別の基板に貼り付ける工程と第二の基
板を貼り付けた後、多孔質層を選択的にエッチングする
ことにより第二の半導体層を第一の半導体層から分離す
る工程を含むことが好ましい。また、前記第一の半導体
膜中に組成の異なる層が含まれることが好ましい。さら
に、前記第一の半導体層中に超格子を含むことが好まし
い。また、前記第一の半導体層に不純物が1020cm
−3以上ドーピングされていることが好ましい。さら
に、前記第一の半導体層を成膜した後、成膜温度よりも
高い温度に上げられる熱処理が施されたことが好まし
い。また、前記第二の半導体層上に半導体装置を形成す
ることが好ましい。本発明の半導体装置は、基板上に基
板と異なる格子定数を持った複数の層を有する半導体装
置において、該複数の層の一部に多孔質層が形成された
ことを特徴とする。上記発明において、前記複数の層の
一部に組成が緩やかに変化している領域を有することが
好ましい。また、前記複数の層の一部に超格子を含むこ
とが好ましい。さらに、前記複数の層の一部に1020
cm−3以上の不純物が含まれていることが好ましい。
【発明の実施の形態】本発明の第一の形態としては、G
aAs基板上にGaAsとは格子整合していない半導体
膜を徐々に細成を変化させることにより、十分に厚く形
成した後、該半導体膜の表面を多孔質化する工程と、該
多孔質化した半導体表面に該半導体と同じ組成の半導体
膜を形成する工程を含むことにより、欠陥を低減し格子
定数の異なる良質の膜を形成する手法を提供するもので
ある。本発明の第二の形態としては、Si基板上にSi
とは格子整合していない半導体膜の超格子を含んだ層を
有することにより、欠陥密度を低減した膜を形成する工
程と、該Siとは整合していない半導体膜の表面を多孔
質化する工程と、該多孔質化した半導体表面に該半導体
と同じ組成の半導体膜を形成する工程を含むことによ
り、欠陥を低減し格子定数の異なる良質の膜を形成する
手法を提供するものである。本発明の第三の形態として
は、第二の形態において作製した基板の応用例として半
導体レーザを作製した例を示す。本発明の第四の形態と
しては、InP基板上にInPとは格子整合していない
半導体膜をドーピングしながら十分に厚く形成した後、
該半導体膜の表面を多孔質化する工程と、該多孔質化し
た半導体表面に該半導体と同じ組成の半導体膜を形成す
る工程を含むことにより、欠陥を低減し格子定数の異な
る良質の膜を形成する手法を提供するものである。本発
明の第五の形態としては、上記の様に形成した、半導体
薄膜を多孔質層から剥離し、転写する工程を示すもので
ある。この工程により、基板と格子整合しない良質の膜
を得ることが出来る。本発明の第六の形態としては、G
aAs基板上にGaAsとは格子整合していない半導体
膜を成長し熱処理を加えることにより結晶成長を回復さ
せた後、十分に厚く形成した後、該半導体膜の表面を多
孔質化する工程と、該多孔質化した半導体表面に該半導
体と同じ組成の半導体膜を形成する工程を含むことによ
り、欠陥を低減し格子定数の異なる良質の膜を形成する
手法を提供するものである。
【実施例】(実施例1)本発明の第1の実施例を図1を
もって説明する。図1(a)において、101はp型G
aAs基板を示す。この基板は(100)面を有してい
る。この上にChemical Beam Epitaxy(CBE)法によ
るInGaAsを成長する。101に示すGaAs基板
はAsを照射しながら基板温度を上げ酸化膜を除去した
後、基板温度を490℃とし、最初は101のGaAs
基板上にGaAs膜を形成し徐々にIn組成を増やして
成長する。組成を変化させているInGaAsの膜厚は
5μmで、この間にInの組成を0.3にする。さら
に、In組成0.3のInGaAsを5μm厚で形成し
ている。これが図1(a)の102に示した層で、Be
をドーピングしている。この様に形成したInGaAs
膜は格子不整合による欠陥が入り、このままではデバイ
スを作成するのには不十分な膜質である。そこで、この
膜質を改善する為に次の様な工程を行う。まず、図1
(b)の103に示した多孔質InGaAs層を形成す
る。多孔質InGaAsは、InGaAsをHCl中で
陽極化成することにより形成できる。多孔質形成条件
は、電流を5mA/cm流して5分間陽極化成してい
る。この結果形成された多孔質の厚さは7μm、空孔率
は25%となる。この陽極化成により選択的に欠陥に対
応した部分がエッチングされる傾向を示す。この結果、
陽極化成により残った領域は欠陥が少なく良好な膜が形
成される。この多孔質InGaAs表面にまず薄いIn
GaAs膜を形成する。この形成方法としては、CBE
法を用いInGaAsの成長速度を0.1μmとして表
面に薄い膜を形成する。この形成したInGaAs中の
欠陥は、エッチングにより欠陥が除去された事と多孔質
の効果によりエッチング前の欠陥密度より低い値を示
す。この後、同じ組成を有したInGaAs膜を5μm
形成したのが図1(c)104に示すものである。この
様に作成した104のInGaAs表面の欠陥密度は〜
10cm−2を示し従来より低い欠陥密度を示す。従
来基板と化合物層の歪みの緩和は、基板をエッチングし
形成した多孔質層で行っていた(特開平5−21361
号公報)。この結果、基板に形成した多孔質層だけでひ
ずみ量が緩和されなかった為に、その上に形成した化合
物層に欠陥が伝搬していた。本発明では、多孔質層を形
成する前に所望の格子定数を有する化合物を形成する。
この結果、従来の様に多孔質層のみでひずみを緩和する
のではなく、陽極化成により欠陥部を除去することが出
来る。この結果、効率良く欠陥の低減が出来ており、直
接GaAs上にInGaAsを成長した場合よりも良好
な膜質を示している。以上説明した様に、多孔質層を形
成する前に所望の格子定数にすることにより、多孔質層
に歪み緩和の役割だけではなく、欠陥低減の効果を得る
ことができる。また、この多孔質層がエッチングされや
すい特徴を利用して、多孔質上に形成した膜を剥離、転
写することが可能で、一度良好な膜を形成しておけば、
同じ工程を行うことなく基板とは格子定数が異なる良好
な膜を得ることが出来る。転写に関しては、あとの実施
例で説明する。なお、多孔質を形成する前に所望の格子
定数を有する良好な半導体膜を形成する手法として、第
一層を形成する際に熱サイクルを加え、成長途中に欠陥
の伝搬方向を変える手法もある。 (実施例2)第二の実施例を図2をもって説明する。本
発明は、基板上に形成する半導体層中に超格子を含むこ
とにより歪みにより生ずる欠陥の密度を低減することを
考慮したものである。図2(a)において、201は基
板であるところのn型Siである。このSiは(10
0)面から4°傾いた面を有している。この上にInG
aAsとInPの超格子205を形成する。この超格子
の構成は、格子定数0.58nmのInGaP膜を19
層分とInP膜を20層分、InGaPを挟む形で多層
構造を作製し、InGaPの厚さを10nmから20n
mづつ徐々に厚くしている。続いて206に示す8μm
のInGaPを形成する。続いて、図2(b)の207
に示す様に、InGaPの多孔質層を形成する。形成条
件は、InGaP膜をHCl溶液の中で陽極化成処理を
行い、InGaP表面に多孔質層を5μm厚に形成す
る。この様に多孔質層が形成されたInGaPをChemic
al Beam Epitaxy(CBE)装置内に入れる。PH
スを4sccm照射しながら基板温度を500℃まで上
げる。この過程により多孔質InGaPの表面では凹凸
を平滑化し表面エネルギーを下げる方向にInおよびG
aのマイグレーションが生ずる。この結果多孔質層の表
面は平坦化し薄いInGaP膜が形成される。尚、この
際、少量のIn、Gaビームを照射し孔の封止を促進さ
せることが可能である。この例では、InとGaの供給
にトリメチルインジウム(TMI)、トリエチルガリウ
ム(TEG)を使用している。また、Pの供給源として
PHを使用したが、特にガス系にかぎられるものでは
ない。PやIn,Gaの固体ソースを用いた分子線エピ
タキシー法でもよい。また、成長法としてはMOCVD
法などを使用しても可能である。つづいて、図2(c)
の208に示すInGaP層を成長させて膜の形成が終
了する。尚、208の厚みは3μmとし、組成は20
6、207と同様としている。207に示した多孔質層
の役目は、206の膜中に形成された欠陥を陽極化成中
に選択的にエッチングし孔を形成し、この孔を平坦化す
る時点で欠陥による影響を低減することにある。つまり
欠陥により緩和されていたストレスを多孔質層が吸収す
る形となる。この結果、208のInGaP層は低欠陥
密度のものを得ることが出来る。以上説明した様に、基
板と異なる組成を持つ化合物半導体を最初に作製し超格
子を用いて緩和させある程度欠陥を低減した後の膜に多
孔質層を形成し欠陥形成部を選択的に孔とする。この孔
を埋めることにより欠陥により形成される歪み量を多孔
質層で吸収し、多孔質層上に形成される膜に欠陥が導入
されない様にすることができ、欠陥の低減が実現でき
る。 (実施例3)実施例3は実施例2で作製した基板上に半
導体デバイスを作製した例である。図3を持って説明す
る。301は図2(c)の基板全体を示し、最表面は図
2(c)の208に示したInGaPで、格子定数は
0.58nmである。この上に302のクラッド層であ
るn−In0.35Al0.65Asを形成している。
この上に303に示す光閉じ込め層n−In0.48G
a0.38Al0.16Asを形成する。304は活性
領域でこの領域に活性層とバリア層が含まれる。活性層
である308はn−In0.53Ga0.17Asを含
んでおり、圧縮歪みが1.2%にしている。この活性層
を挟むように309に示すバリア層を2層構成で形成し
ている。このバリア層は303に示した光閉じ込め層と
構成は同じでドーピングしていない。この上に305に
示す上部北閉じ込め層であるp−In0.48Ga0.
38Al0.16Asを形成した後、306に示す上部
クラッド層である−In0.35Al0.65Asを形
成する。最後に307に示すp−In0.38Ga0.
62Asを形成した構成となっている。この構成のメリ
ットは、任意の格子定数を設定できる基板を用いて0.
58nmの格子定数が得られた為、クラッドにバンドギ
ャップの大きなInAlAsを使用でき、伝導帯の活性
層とバリア層のエネルギー差△Ecを0.54eVと大
きく取れた結果、既存のInP基板上に形成したレーザ
に比較して、電子の閉じ込めが良く、高温時におけるキ
ャリアの漏れが少なく、安定動作が可能なレーザが実現
できる。尚、一般的に用いられているInGaAsPバ
リアの伝導帯の活性層とバリア層のエネルギー差は0.
15evと小さく温度特性が悪い。この様に、既存の基
板とは異なる格子定数を実現できれば、従来にない優れ
たレーザを開発することが可能となる。本発明において
説明した多孔質を用いた手法は基板作製の有望な方法で
ある。たとえば、半導体レーザの応用としては通信デバ
イス、レーザビームプリンターなどがあげられる。尚、
ここでは、半導体レーザについて記述したが、かならず
しも半導体レーザにかぎられたものではなく、トランジ
スタなどの電子デバイスを作製してもよい。この応用と
しては、化合物半導体を用いて高速デバイスを用いた高
周波デバイスなどへの応用可能である。 (実施例4)本発明の第4の実施例を図4をもって説明
する。図4(a)において、401はn型InP基板を
示す。この基板は(100)面を有している。この上に
Chemical Beam Epitaxy(CBE)法によるInGaA
sを成長する。401に示すInP基板はPを照射しな
がら基板温度を上げ酸化膜を除去した後、基板温度を6
00℃とし、401のInP基板上にInGaAs膜を
8μm形成する。このときこのInGaAs膜中にはS
eを1x1020cm−3ドーピングしている。この高
濃度のSeのドーピングにより欠陥が低減され、InG
aAs膜中の欠陥が低減した。このままでも従来に比べ
優れたデバイスを作製することは出来るが更に欠陥を低
減する検討を行う。まず、図4(b)の403に示した
多孔質InGaAs層を陽極化成により形成する。多孔
質InGaAsは、InGaAsをHCl中で陽極化成
することにより形成できる。多孔質の厚さは7μmとす
る。この陽極化成により選択的に欠陥に対応した部分が
エッチングされる傾向を示している。この結果、陽極化
成により残った領域は欠陥が少なく良好な膜が残る。こ
の多孔質InGaAs表面にまず薄いInGaAs膜を
形成する。この形成方法としては、CBE法を用いIn
GaAsの成長速度を0.05μmとして表面の多孔質
層を埋め、薄い膜を形成する。この形成したInGaA
s中の欠陥は、エッチングによる欠陥の除去と多孔質の
効果によりエッチング前のInGaAsの欠陥密度より
低い値を示している。この後、同じ組成を有したInG
aAs膜を4μm形成したのが図4(c)404に示す
ものである。この様に作成した404のInGaAs表
面の欠陥密度は〜10cm−2を示し従来より低い欠
陥密度を示している。本発明では、多孔質層を形成する
前に高濃度のドーピングによりひずみの緩和を行い、欠
陥の低減をおこなっている。さらに、陽極化成による欠
陥の低減も実現できている。以上の工程により、効率良
く欠陥の低減が出来ており、直接InP上にInPとは
格子整合していないInGaAsを形成した場合より、
良質の膜が形成できている。 (実施例5)本発明の第5の実施例は、実施例4で作製
した欠陥を低減したInGaAs層を他の基板に転写す
る工程を示すものである。図5をもって説明する。図5
(a)において、501はn型InP基板を示す。50
2はInGaAs膜である。503は多孔質層である。
504はInGaAsである。この作製工程は実施例4
において説明した。この様に形成した層を図5(b)に
示す様に504のInGaAs層を下にして、他の基板
505に張り合わせる。続いて図5(c)に示す様に多
孔質503の部分から剥離する。剥離する方法としては
多孔質503の部分をエッチングして行う。エッチング
液としては硫酸・過酸化水素系のエッチング液を用いて
行う。多孔質層のエッチング速度は速いために504の
みが分離して505上に形成される。この504層は欠
陥密度が低く良質の膜であり、この上に実施例3で示し
たレーザ構造を作製してもよい。505の基板としては
今回、電極コンタクトを考慮してSiを用いたが特に半
導体に限るのもではない。金属やガラスなどの絶縁物で
もよい。尚、504が剥離された元基板は途中まで作製
されており欠陥が低減されていることから再度使用する
ことが可能である。これを用いることにより工程を省く
ことが可能となる。 (実施例6)本発明の第6の実施例を図6をもって説明
する。図6(a)において、601はn型GaAs基板
を示す。この基板は(100)面を有している。この上
にChemical Beam Epitaxy(CBE)法によるInGa
Asを成長する。601に示すGaAs基板はAsを照
射しながら基板温度を上げ酸化膜を除去した後、基板温
度を400℃とし、601のGaAs基板上にInGa
As膜を30nmの厚みで形成した後、成長を止めAs
を照射しながら基板温度を400℃から600℃まで上
げ、また元に戻し、再度基板温度を600℃に上げる熱
サイクルを5度繰り返す。この後、In組成0.3のI
nGaAsを5μm厚で形成している。これが図6
(a)の602に示した層で、Siをドーピングしてい
る。この様に形成したInGaAs膜は格子不整合によ
る欠陥が入り、この上にデバイスを作製した場合この欠
陥が寿命に大きく影響する。そこで、この欠陥を低減す
るために、図6(b)の603に示した多孔質InGa
As層を形成する。多孔質InGaAsは、InGaA
sをHCl中で陽極化成することにより形成でき、多孔
質の厚さは7μmである。この陽極化成により選択的に
欠陥に対応した部分がエッチングされる傾向を示してい
る。この結果、陽極化成により残った領域は欠陥が少な
くなる。この後、この基板を再度蒸着装置の中に入れ、
Asを照射しながら基板温度を上げて行く、この行為に
より多孔質表面の孔が埋まり、薄い膜が形成される。こ
の多孔質表面の孔を埋める時にIn、Gaを供給しても
よい。この後、同じ組成を有したInGaAs膜を5μ
m形成したのが図6(c)604に示すものである。こ
の様に作成した604のInGaAs表面の欠陥密度は
〜10cm−2を示し従来より低い欠陥密度を示して
いる。本発明では、多孔質層を形成する前に所望の格子
定数を有する化合物を形成し、熱処理により結晶性を回
復させる。この後、多孔質化し欠陥を除去した後、再度
多孔質化した孔を埋め込むことにより、効率良く欠陥の
低減が出来ており、直接GaAs上にInGaAsを成
長した場合よりも良好な膜質を示している。
【発明の効果】以上説明した様に、基板とは異なる膜を
幾つかの手法により、ある程度欠陥を低減した後、該膜
に多孔質層を形成することにより、欠陥を低減したの
ち、再度成長することにより良質の半導体膜が形成され
る。本発明の第一の形態により、基板とは格子定数の異
なる半導体膜を組成を徐々に変えながら形成することに
より、多孔質を形成する前に低欠陥密度の半導体層が形
成でき、かつ多孔質層により、さらなる欠陥の低減が可
能となる。本発明の第二の形態により、基板とは格子定
数の異なる半導体膜を超格子を挟んで形成することによ
り、多孔質を形成する前に低欠陥密度の半導体層が形成
でき、かつ多孔質層により、さらなる欠陥の低減が可能
となる。本発明の第三の形態により、第一、第二の形態
で作製した基板上に半導体レーザを作製することによ
り、従来にはない特性のレーザを作製することが出来
る。本発明の第四の形態により、基板とは格子定数異な
る半導体膜をドーパントを高濃度に入れることにより、
多孔質を形成する前に低欠陥密度の半導体層が形成で
き、かつ多孔質層により、さらなる欠陥の低減が可能と
なる。本発明の第五の形態により、第1,2及び第4の
形態のように作製した低欠陥密度の半導体層を別の基板
に転写することにより、任意の基板上に半導体デバイス
を作製することが出来るようになる。また、転写した後
の基板を再度利用することにより量産化が可能となる。
本発明の第六の形態により、基板とは格子定数の異なる
半導体膜を熱処理することにより、多孔質を形成する前
に低欠陥密度の半導体層が形成でき、かつ多孔質層によ
りさらなる欠陥の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第一の実施例を示す図であ
る。
【図2】図2は、本発明の第二の実施例を示す図であ
る。
【図3】図3は、本発明の第三の実施例を示す図であ
る。
【図4】図4は、本発明の第四の実施例を示す図であ
る。
【図5】図5は、本発明の第五の実施例を示す図であ
る。
【図6】図6は、本発明の第六の実施例を示す図であ
る。
【符号の説明】
101 p型GaAs基板、 102 InGaAs、 103 多孔質InGaAs層、 104 InGaAs膜、 201 n型Si基板、 205 超格子、 207 多孔質層、 208 InGaP層、 301 図2(c)の基板全体、 302 クラッド層、 303 光閉じ込め層、 304 活性領域、 308 活性層、 309 バリア層、 401 n型InP基板、 403 多孔質InGaAs層、 404 InGaAs膜、 501 n型InP基板、 502 InGaAs膜、 503 多孔質層、 504 InGaAs層、 505 他の基板、 601 n型GaAs基板、 602 InGaAs層、 603 多孔質InGaAs層、 604 InGaAs膜。
フロントページの続き (72)発明者 江崎 琢 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE47 DA05 FJ03 HA12 SC12 5F043 AA16 DD14 GG10 5F045 AA04 AA05 AB12 AB17 AB18 AC01 AC08 AD08 AD10 AF03 AF04 AF19 BB12 CA12 DA54 DA58 DA60 EB15 HA04 5F052 HA01 JA07 KA01 5F103 AA05 DD01 DD11 GG01 HH03 PP06 RR06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に基板とは格子定数の異なる層を
    含んだ第一の半導体層を作製する工程と、該第一の半導
    体層の表面に多孔質層を形成する工程と、該多孔質上に
    多孔質化する前の該第一の半導体層表面の格子定数と同
    じ第二の半導体層を積層する工程を含むことを特徴とす
    る半導体基板の作製法。
  2. 【請求項2】 前記第二の半導体層を積層した後、該第
    二の半導体層を別の基板に貼り付ける工程と第二の基板
    を貼り付けた後、多孔質層を選択的にエッチングするこ
    とにより第二の半導体層を第一の半導体層から分離する
    工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体基
    板の作製法。
  3. 【請求項3】 前記第一の半導体膜中に組成の異なる層
    が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の
    半導体基板の作製法。
  4. 【請求項4】 前記第一の半導体層中に超格子を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の半導体基板の
    作製法。
  5. 【請求項5】 前記第一の半導体層に不純物が1020
    cm−3以上ドーピングされていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の半導体基板の作製法。
  6. 【請求項6】 前記第一の半導体層を成膜した後、成膜
    温度よりも高い温度に上げられる熱処理が施されたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の半導体基板の作
    製法。
  7. 【請求項7】 前記第二の半導体層上に半導体装置を形
    成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項
    に記載の半導体基板の作製法。
  8. 【請求項8】 基板上に基板と異なる格子定数を持った
    複数の層を有する半導体装置において、該複数の層の一
    部に多孔質層が形成されたことを特徴とする半導体装
    置。
  9. 【請求項9】 前記複数の層の一部に組成が緩やかに変
    化している領域を有することを特徴とする請求項8に記
    載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の層の一部に超格子を含むこ
    とを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の層の一部に1020cm
    −3以上の不純物が含まれていることを特徴とする請求
    項8に記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至11のいずれか1項に記
    載の半導体装置を用いた装置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至7のいずれか1項の半導
    体基板作製法を利用した装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006036609A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Fuji Electric Holdings Co Ltd 炭化珪素半導体基板の製造方法

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