JP2003045496A - リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池の製造方法

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JP2003045496A
JP2003045496A JP2001230967A JP2001230967A JP2003045496A JP 2003045496 A JP2003045496 A JP 2003045496A JP 2001230967 A JP2001230967 A JP 2001230967A JP 2001230967 A JP2001230967 A JP 2001230967A JP 2003045496 A JP2003045496 A JP 2003045496A
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battery
lithium secondary
secondary battery
negative electrode
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JP2001230967A
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Tomohiro Iguchi
智博 井口
Koji Higashimoto
晃二 東本
Yoshin Yagi
陽心 八木
Kensuke Hironaka
健介 弘中
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電圧低下を抑制でき寿命特性に優れた信頼性
の高いリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 マンガン酸リチウム90重量%、炭素粉
末4.5wt%及びPVDF5.5wt%を混合し、N
MPを添加、混練して得たスラリを、アルミニウム箔に
塗布し乾燥した後、圧縮して帯状のフープを作製した。
正極フープ50から連続的に引き出した正極を予備充電
槽55に導入し、正極が電解液56中を通過する間に予
備充電を行った。電池1本の作製に必要な正極あたりの
電流値1.8A、通電時間5分とし、充電量は正極活物
質容量の0.17%とした。真空下で乾燥した正極を使
用して電池を作製した。正極中に混入した金属イオンや
金属の導電性異物を電池製造前に溶出させ、製造した電
池での金属イオンや金属の析出を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
の製造方法に関し、特に、リチウム遷移金属複酸化物を
用いた正極活物質、導電剤及びバインダを含む正極合剤
を集電体に塗布した正極と、負極とを配した電極群を電
池容器内に収容した後、電解液に浸潤させたリチウム二
次電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、高エネルギー密度
であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノート
パソコン、携帯電話などのポータブル機器に使用されて
いる。特に近年は、負極に炭素材等のリチウムイオンの
吸蔵・放出が可能な材料を用いたリチウム二次電池が普
及している。通常、リチウム二次電池は金属箔に活物質
を塗布した正極及び負極をセパレータを挟んで捲回し、
この捲回体(電極群)を電池容器となる円筒状の電池缶
に収納し、電解液を注液した後、キャップをつけて封口
することにより製造されている。
【0003】負極活物質として用いられる炭素材は、電
池組立時にはリチウムイオンがいわば放出しきった状
態、すなわち放電状態にある。従って、通常は正極にも
放電状態、すなわちリチウムイオンが吸蔵された状態の
活物質、例えば、コバルト酸リチウム(LiCo
)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガ
ン酸リチウム(LiMn)等が用いられる。一般
に、このような正極活物質には十分な電子伝導性がない
ので、リチウム二次電池を製造する際には正極に導電剤
として黒鉛やカーボンブラック等の低コストかつ電池内
で安定な導電性の粉末を添加する。そして、リチウム二
次電池は、電池組立後に初充電することによって電池と
しての機能が付与される。
【0004】また、リチウム二次電池は、高容量、高出
力という利点を有しているため、近時、電気モータのみ
を動力源とする電気自動車や内燃機関と電気モータとを
併用したハイブリッド電気自動車(以下、両者を電気自
動車という。)の電源としても使用されるに至ってい
る。リチウム二次電池を電気自動車の電源とする場合に
は、高電圧を確保するために複数個のリチウム二次電池
を電気的に直列に繋いで電池モジュールとして使用し、
電池モジュール内に設けた制御回路により箇々のリチウ
ム二次電池の電圧等を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ム二次電池では、充放電に伴い正極の活物質や導電剤中
に含まれる遷移金属や導電性異物(金属イオンや金属)
が電解液中に溶出し、負極表面にデンドライト状に析出
するので、セパレータを貫通し正負極間で僅かな電流が
リークする微小短絡を起こし電圧低下が発生する。この
ことが電池の長寿命化を妨げている。このような電圧低
下の発生割合は正極に含有される遷移金属等の量により
変化する。特に、上述した電池モジュールでは、電圧や
容量等の電池特性や、充放電、放置などの経時変化によ
る電池特性の低下の挙動が他の電池と異なる電池が一つ
でも電池モジュール内に含まれていると、その異常特性
の電池が他の電池の負荷となって電池モジュール全体の
特性を悪化させる。また、電池間で自己放電の度合いが
異なると、各電池の電圧低下にバラツキを生じるため、
電池モジュールの寿命が非常に短くなる。更に、電圧低
下のバラツキが大きすぎると、上述した制御回路では電
圧等の調整制御ができなくなるため、最悪の場合には制
御回路内のCPUが暴走して電池モジュールの信頼性が
低下する。
【0006】本発明は、上記事案に鑑み、電圧低下を抑
制でき寿命特性に優れた信頼性の高いリチウム二次電池
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、リチウム遷移金属複酸化物を用いた正極
活物質、導電剤及びバインダを含む正極合剤を集電体に
塗布した正極と、負極とを配した電極群を電池容器内に
収容した後、電解液に浸潤させたリチウム二次電池の製
造方法であって、前記正極を形成後、前記電解液とは異
なる電解液に浸潤させて予備充電を行い、その後乾燥さ
せた正極を使用して前記電極群を作製する。
【0008】本発明では、正極を形成後、電極群を浸潤
させる電解液とは異なる電解液中にて予備充電を行うこ
とにより、正極中に含まれる金属イオンや金属、特に鉄
分を含む鉄やステンレス等の導電性異物を前記異なる電
解液中に溶出させ取り除く。その後乾燥させた正極を使
用して電極群を作製し、電池容器内に収容した後、金属
イオンや金属が溶出されていない新たな電解液に浸潤さ
せてリチウム二次電池を製造する。本発明によれば、負
極表面での金属イオンや金属の析出を抑制することがで
きるので、結晶成長による微小短絡の発生に起因する電
圧低下を抑制することができると共に、寿命特性に優れ
た信頼性の高いリチウム二次電池を得ることができる。
【0009】この場合において、予備充電の充電量を正
極活物質の容量の0.1%乃至1%とすれば、正極中に
含まれる金属イオンや金属を効率よく取り除くことがで
きるので、電圧低下を実用的な範囲に抑制することがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
電気自動車用の密閉円筒型リチウム二次電池に適用した
実施の形態について説明する。
【0011】<正極作製> (フープ作製ステップ)リチウム遷移金属複酸化物とし
てのマンガン酸リチウム(LiMn)粉末を90
重量%(以下、wt%と表記する。)と、導電剤として
炭素粉末4.5wt%と、バインダとしてポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)5.5wt%とを混合した正極合
剤に、分散溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(以下、
NMPという。)を添加し、混練してスラリを得た。得
られたスラリを、コンマロールを用いてアルミニウム箔
(正極集電体)の両面に塗布し、乾燥させて正極合剤層
を形成した。
【0012】図1(A)に示すように、コンマロールに
よるスラリ塗工時に、正極40として必要な長さを連続
的にかつスラリ塗工位置が表裏面で一致するように塗工
し、正極合剤層32をカットしないように、アルミニウ
ム箔31の一側(正極タブ端子9の形成部分)を30m
m、他側を3mm残してスリットした。次に、図1
(B)に示すように、30mm残したアルミニウム箔3
1の一側を矩形状の打ち抜きで切り取って、正極タブ端
子9を形成した。そして、正極40を80°C〜120
°Cに加熱したロールを有するロールプレス機にて、プ
レス圧(線圧)200〜500kg/cm(196〜4
90kPa・m)で正極合剤層32のかさ密度が2.6
5g/cmとなるまで圧縮して帯状のフープを作製し
た。
【0013】(予備充電ステップ)図2に示すように、
作製した正極のフープを予備充電装置60で連続的に予
備充電を行った。予備充電装置60は電解液56を満た
した予備充電槽55を有しており、外部に設けた図示し
ない電源装置と接続することで、電解液56に通電する
ことができる。上述のように作製した正極フープ50か
ら正極を引き出し、ガイドローラ52を介して電解液5
6中に連続的に導入した。正極が電解液56中を通過す
る間に、後述する電流値と通電時間を調整することで所
定の充電量となるように予備充電を行った。予備充電し
た正極を電解液56から引き上げ、ガイドローラ53を
介して予備充電後の正極フープ58に巻き取った。本実
施形態で用いたマンガン酸リチウムの単位重量あたりの
充電が可能な容量は105mAh/gであり、予備充電
の充電量は、マンガン酸リチウムの容量に対する割合と
して求めた。
【0014】(乾燥ステップ)上述のようにして得た予
備充電後の正極フープを真空環境下で乾燥させた。
【0015】<負極作製>負極活物質として非晶質炭素
粉末を用い、この炭素粉末92wt%とPVDF8wt
%とを混合した負極合剤にNMPを加え、混練してスラ
リを得た。得られたスラリを、正極と同様にして銅箔
(負極集電体)の両面に塗布し、乾燥させて負極合剤層
を形成した。
【0016】図1(A)に示すように、スラリを塗工し
た負極41は負極合剤層34をカットしないように、銅
箔33の一側(負極タブ端子9’の形成部分)を30m
m、他側を3mm残してスリットした。次に、図1
(B)に示すように、30mm残した銅箔33の一側を
矩形状の打ち抜きで切り取って、負極タブ端子9’を形
成した。そして、負極41を80°C〜120°Cに加
熱したロールを有するロールプレス機にて、プレス圧
(線圧)200〜500kg/cm(196〜490k
Pa・m)で負極合剤層34のかさ密度が0.98g/
cmとなるまで圧縮して帯状のフープを作製した。
【0017】<電池組立>得られた帯状の正、負極フー
プを、正極タブ端子9と負極タブ端子9’とが上下方向
で反対側両端となるように配置し、リチウムイオンが通
過可能な微多孔を有する帯状のセパレータを介して重
ね、捲回した。このとき、正負極が接触しないように、
長さ、幅方向において、正極タブ端子9及び負極タブ端
子9’を除く正、負極フープの端部が、セパレータの外
寸から外へはみ出さないようにして断面渦巻き状に捲回
した。作製する電池1個分に必要な長さを捲回した後、
正、負極フープを切断して、捲回群を形成した。
【0018】図3に示すように、正極から導出されてい
る正極タブ端子9を変形させ、その全てを、軸芯11の
ほぼ延長線上にある極柱(正極外部端子1)周囲から一
体に張り出している鍔部7周面付近に集合、接触させ、
超音波溶接して正極タブ端子9を鍔部7周面に接続し固
定した。また、負極外部端子1’と負極から導出されて
いる負極タブ端子9’との接続操作も同様にして行っ
た。その後、正極外部端子1及び負極外部端子1’の鍔
部7周面全周及び捲回群6外周面全周に絶縁被覆8を施
した。
【0019】そして、アルミナ製の第2のセラミックワ
ッシャ3’を、先端が正極外部端子1を構成する極柱、
先端が負極外部端子1’を構成する極柱にそれぞれ嵌め
込んだ。また、アルミナ製の第1のセラミックワッシャ
3を電池蓋4に載置し、正極外部端子1、負極外部端子
1’をそれぞれ第1のセラミックワッシャ3に通した。
その後、電池蓋4周端面を電池容器5開口部に嵌合し、
双方の接触部全域をレーザ溶接し、第1のセラミックワ
ッシャ3、金属ワッシャ14を、この順に正極外部端子
1、負極外部端子1’にそれぞれ嵌め込んだ。
【0020】次いで、ナット2を正極外部端子1、負極
外部端子1’にそれぞれ螺着し、電池蓋4を鍔部7とナ
ット2の間で締め付けにより固定した。この状態で、電
池蓋4裏面と鍔部7の間に介在させたゴム(EPDM)
製Oリング16の圧縮により電池容器5内部の発電要素
は外気から遮断される。
【0021】その後、電池蓋4に設けた注液口15から
非水電解液を所定量電池容器5内に注入し、その後注液
口15を封止することにより円筒型リチウム二次電池2
0を完成させた。なお、非水電解液には、エチレンカー
ボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)と
を体積比で1:2の割合で混合した混合溶液に6フッ化
リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解
したものを用いた。
【0022】作製した円筒型リチウム二次電池20に、
後述する所定の電圧及び電流で初充電を行うことによ
り、電池としての機能を付与した。
【0023】
【実施例】次に、本実施形態に従って、電池1本の製造
に必要な正極あたりの電流値及び通電時間を変えて正極
の予備充電を行い作製した円筒型リチウム二次電池20
の実施例について説明する。なお、比較のために作製し
た比較例の電池についても併記する。
【0024】(実施例1)下表1に示すように、実施例
1では、電流値を1.8Aとし、通電時間を1分とし
た。このときの充電量は、正極活物質容量の0.03%
であった。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例2〜4)表1に示すように、実施
例2〜実施例4では、電流値を、実施例2は4.5A、
実施例3及び実施例4は共に1.8Aとし、通電時間
を、実施例2では1分、実施例3では3分、実施例4で
は5分とした。このときの充電量は、実施例2では0.
08%、実施例3では0.10%、実施例4では0.1
7%であった。
【0027】(実施例5〜7)表1に示すように、実施
例5〜実施例7では、電流値を、実施例5は9A、実施
例6は4.5A、実施例7は13.5Aとし、通電時間
を、実施例5は1分、実施例6は3分、実施例7は1分
とした。このときの充電量は、実施例5では0.17
%、実施例6及び実施例7では共に0.25%であっ
た。
【0028】(実施例8〜10)表1に示すように、実
施例8〜実施例10では、電流値を、実施例8は18
A、実施例9は4.5A、実施例10は9Aとし、通電
時間を、実施例8は1分、実施例9は5分、実施例10
は3分とした。このときの充電量は、実施例8では0.
33%、実施例9では0.42%、実施例10では0.
50%であった。
【0029】(実施例11〜13)表1に示すように、
実施例11〜実施例13では、電流値を、実施例11は
13.5A、実施例12は9A、実施例13は18Aと
し、通電時間を、実施例11は3分、実施例12は5
分、実施例13は3分とした。このときの充電量は、実
施例11では0.75%、実施例12では0.83%、
実施例13では1.00%であった。
【0030】(実施例14、15)表1に示すように、
実施例14及び実施例15では、電流値を、実施例14
は13.5A、実施例15は18Aとし、通電時間を、
実施例14及び実施例15共に5分とした。このときの
充電量は、実施例14では1.25%、実施例15では
1.67%であった。
【0031】(比較例1)表1に示すように、比較例1
では、上述のフープ作製ステップで作製した正極をその
まま使用し、予備充電ステップと乾燥ステップを行わず
に電池を作製した。すなわち、電池作製前に正極の予備
充電を行っていない電池である。
【0032】<試験>次に、以上のように組み立てた実
施例及び比較例の各電池について、以下の各試験を行っ
た。
【0033】(初回充電容量)以下の(1)〜(5)の
条件で順に初充電を行った後、初回充電容量を測定し、
比較例1の電池の初回充電容量を100とした相対値で
表した。 (初充放電条件) (1)充電:定電圧充電4.2V、制限電流90A、4
h、25°C (2)放電:定電流放電3000mA、終止電圧2.7
V、25°C (3)充電:定電圧充電4.2V、制限電流90A、
3.5h、25°C (4)放電:定電流放電30A、終止電圧2.7V、2
5°C (5)充電:定電圧充電3.95V、制限電流90A、
3.5h、25°C
【0034】(電圧低下率)各電池を初充電後に放置
し、放置二週間目及び三週間目の電圧を測定し、電圧の
差を7で除して一日あたりの電圧低下率(単位mV/d
ay)を算出した。
【0035】(微小短絡数)上述の電圧低下率を測定し
た後、各電池を解体して微小短絡数を計数した。
【0036】(サイクル試験)各電池を以下に示す条件
で充電及び放電を繰り返すサイクル試験を行い、放電容
量を測定した。なお、サイクル試験は25°Cの雰囲気
で行い、放電容量は放電電流30Aで測定した。 充電条件:定電圧充電4.2V、制限電流90A、充電
時間3.5h 放電条件:定電流放電90A、終止電圧2.7V
【0037】初回充電容量、微小短絡数及び電圧低下率
の試験結果を下表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2から明らかなように、比較例1の電池
は、初回充電容量に問題は見られないが、電池を解体す
ると金属特に鉄とステンレスの析出による微小短絡が6
点見られた。これに対して、実施例1及び実施例2の電
池は、正極を予備充電して作製したので、微小短絡数が
1点減るという効果が見られたが、予備充電の充電量は
それぞれマンガン酸リチウムの容量に対して0.1%を
下回る0.03%、0.08%とした(表1も参照)の
で、電圧低下率には大きな変化がなかった。実施例3〜
実施例15の電池は、予備充電の充電量を0.1%以上
としたので、微小短絡数、電圧低下率共に減少した。ま
た、充電量を増すにつれて微小短絡数が減少し、電圧低
下率も大きく減少した。特に、充電量が0.75%を超
える実施例11〜実施例15の電池では、微小短絡数が
0となった。しかし、充電量が1%を超える実施例14
及び実施例15の電池は初回充電容量が低下しており、
充電量が1%を超える場合には電池の容量に影響を与え
ることが判った。更に、予備充電の電流値が高いほど、
また、通電時間が長いほど電圧低下率が減少することが
判明した。
【0040】図4にサイクル数に対する放電容量の変化
を示す。これからわかるように、正極の予備充電を行っ
ていない比較例1の電池は、サイクル試験の初期から放
電容量が低下した。これに対して、予備充電を行った実
施例1〜実施例15の電池は、サイクル数の増加に伴う
放電容量の低下が抑制されており、電池の寿命を向上さ
せることができた。予備充電の充電量が0.1%を下回
る実施例1及び実施例2の電池は、正極中に残存した金
属が充放電サイクルを繰り返すことにより溶出、析出し
て微小短絡を起こすため、放電容量の低下がやや大きく
なった。
【0041】上述したように、本実施形態の円筒型リチ
ウム二次電池20は、正極を形成した後、電解液中に連
続的に通過させて予備充電し乾燥させることにより、正
極中に含有された金属イオンや金属を溶出させて電池を
作製したので、金属イオンや金属が負極表面で結晶成長
することによる正負極間の微小短絡を生じにくくし、電
池の電圧低下を抑制することができた。また、微小短絡
が低減したことにより、経時による電圧低下も小さくす
ることができるので、長寿命となり、信頼性を確保する
ことができた。中でも、予備充電の充電量を正極活物質
容量の0.1〜1%とした場合には、金属イオンや金属
を効率よく溶出させ除去することができるので、電池を
放置したときの電圧低下率及び充放電を繰り返したとき
の放電容量の低下を実用的な範囲で抑制することがで
き、初回充電容量も高く、長寿命の優れた電池であっ
た。更に、高容量及び電圧低下の抑制をバランスよく達
成するためには、予備充電の充電量を0.75〜1%と
することが好ましい。このように電圧低下が小さく、か
つ、電池間のバラツキが小さいリチウム二次電池は、電
池モジュールを構成する電池に好適である。
【0042】なお、本実施形態では、電気自動車用電源
に用いられる比較的大形の二次電池について例示した
が、本発明は、電池の大きさ、電池容量には限定される
ことなく効果を発揮することが確認されている。また、
本発明の適用可能な電池の形状としては、上述した正負
外部端子が電池蓋を貫通し電池容器内で軸芯を介して正
負外部端子が押し合っている状態の電池以外であっても
構わない。一例としては有底筒状容器(缶)に電池上蓋
がカシメによって封口されている構造の電池を挙げるこ
とができる。更に、本発明は、円筒型電池に限らず、例
えば、角型、スタッキング型としたリチウム二次電池に
も適用が可能である。
【0043】また、本実施形態では、予備充電ステップ
において、フープから引き出した正極を連続的に電解液
中を通過させるときに予備充電を行う例を示したが、本
発明はこれに限定されず、例えば、電池1本分ずつに裁
断した正極を電解液中に浸漬して行うようにしてもよ
い。
【0044】更に、本実施形態では、乾燥ステップにお
いて、真空環境下で正極を乾燥させるようにしたが、電
池組立時に正極を支障なく使用することができるように
乾燥されればよく、例えば、減圧下で行うようにしても
よい。
【0045】また、本実施形態では、非水電解液の電解
質としてLiPFを用いた例を示したが、LiClO
、LiAsF、LiBF、LiB(C
、CHSOLi、CFSOLi等や
これらの混合物を用いることができ、また、有機溶媒と
してエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを
体積比で1:2の割合で混合した混合溶媒を用いた例を
示したが、これら以外にプロピレンカーボネート、ジエ
チルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2
−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒド
ロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3
−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチ
ルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又
はこれらの2種類以上の混合溶媒を用いることができ、
更に、混合配合比についても限定されるものではない。
非水電解液を用いることにより電池容量の向上や寒冷地
での使用にも適合させることが可能となる。なお、正極
の予備充電に使用する電解液56は、円筒型リチウム二
次電池20の非水電解液と同じでもよく、上記した非水
電解液を用いることもできる。
【0046】更にまた、本実施形態では、リチウム遷移
金属複酸化物にリチウムマンガン複酸化物であるマンガ
ン酸リチウムを用いた例を示したが、リチウムコバルト
複酸化物やリチウムニッケル複酸化物を用いるようにし
てもよい。中でも、結晶構造にスピネル構造を有するマ
ンガン酸リチウムは、コバルト酸リチウムやニッケル酸
リチウムと比べて熱的安定性や安全性に優れるという利
点があるので、電力貯蔵用や電気自動車用等の大形のリ
チウム二次電池にはマンガン酸リチウムを用いることが
好ましい。
【0047】また更に、本実施形態では、負極活物質
に、晶質の炭素材料に比べ負極集電体への結着性に優れ
る非晶質炭素を用いた例を示したが、天然黒鉛や、人造
の各種黒鉛材、コークスなどの炭素材料等を使用しても
よく、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維
状、塊状等、特に制限されるものではない。炭素材を負
極活物質に用いると、断面渦巻き状に捲回して捲回群を
形成するときの可撓性に優れ、負極からの負極活物質層
の剥離離脱を防止することができる。
【0048】更に、本発明で用いることができるセパレ
ータとしては、リチウムイオンが通過可能な微多孔を有
していれば特に制限はないが、ポリプロピレンとポリエ
チレンの少なくとも一つを含むことが好ましく、積層構
造のセパレータを使用することも可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
負極表面での金属イオンや金属の析出を抑制することが
できるので、結晶成長による微小短絡の発生に起因する
電圧低下を抑制することができると共に、寿命特性に優
れた信頼性の高いリチウム二次電池を得ることができ
る、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の正極及び負極の帯状フープを示す平
面図であり、(A)はスラリ塗工後の状態を示し、
(B)はタブ端子形成後の状態を示す。
【図2】実施形態の予備充電装置を模式的に示す断面図
である。
【図3】実施形態の円筒型リチウム二次電池の縦断面図
である。
【図4】実施形態の円筒型リチウム二次電池のサイクル
数に対する放電容量の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
5 電池容器 6 捲回詳(電極群) 20 円筒型リチウム二次電池(リチウム二次電池) 32 正極合剤層 40 正極 56 電解液(異なる電解液) 60 予備充電装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 陽心 東京都中央区日本橋本町二丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 (72)発明者 弘中 健介 東京都中央区日本橋本町二丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL06 AL07 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ02 CJ13 CJ16 HJ16 5H050 AA07 BA17 CA08 CA09 CB07 CB08 DA02 EA08 EA24 FA05 GA02 GA13 GA18 HA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム遷移金属複酸化物を用いた正極
    活物質、導電剤及びバインダを含む正極合剤を集電体に
    塗布した正極と、負極とを配した電極群を電池容器内に
    収容した後、電解液に浸潤させたリチウム二次電池の製
    造方法であって、前記正極を形成後、前記電解液とは異
    なる電解液に浸潤させて予備充電を行い、その後乾燥さ
    せた正極を使用して前記電極群を作製することを特徴と
    するリチウム二次電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記予備充電の充電量が、前記正極活物
    質の容量の0.1%乃至1%であることを特徴とする請
    求項1に記載のリチウム二次電池の製造方法。
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