JP2003043692A - 光重合性平版印刷版 - Google Patents

光重合性平版印刷版

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JP2003043692A
JP2003043692A JP2001234985A JP2001234985A JP2003043692A JP 2003043692 A JP2003043692 A JP 2003043692A JP 2001234985 A JP2001234985 A JP 2001234985A JP 2001234985 A JP2001234985 A JP 2001234985A JP 2003043692 A JP2003043692 A JP 2003043692A
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difluoro
phenyl
titanium
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Application number
JP2001234985A
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English (en)
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Hideki Takakuwa
英希 高桑
Fumikazu Kobayashi
史和 小林
Kazuto Kunida
一人 國田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造後長期間、高温高湿条件下で保存して
も、安定して非画像部が良好な現像性を示し、印刷での
汚れがなく、かつ現像時における画像部のダメージが少
なく、強固な画像強度が得られる感光性平版印刷版を提
供する。 【解決手段】 支持体上に、中間層、光重合性感光層が
順次積層された光重合性平版印刷版であって、該中間層
中に、光架橋性基とスルホン酸基およびその共役塩基基
から選ばれる少なくともいずれかの基を有する高分子化
合物を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性平版印刷
版に関し、特に感度、耐刷性を維持しながら保存安定性
が良好な光重合性平版印刷版に関する。 【0002】 【従来の技術】平版印刷版において、地汚れの無い印刷
物を得ることは必須条件の一つである。一般に地汚れ
は、平版印刷版材料の製造後の貯蔵時間が長くなると共
に増加し、特に高温、高湿下で貯蔵された場合に顕著と
なる。光重合性感光層は、光によりラジカルが発生し
て、重合連鎖反応により画像が形成されるものであるた
め、このような光重合性感光層を有する感光性平版印刷
版では良好な貯蔵安定性を得ることが難しい。従って、
長時間の保存、特に高温高湿下での保存に耐え、印刷物
の地汚れが発生しない感光性平版印刷版が望まれてい
た。 【0003】このような地汚れを生じさせない試みは従
来より数多くなされている。例えば、陽極酸化アルミニ
ウム板の表面にポリビニルホスホン酸からなる下塗り層
を設け、その上にジアゾ化合物を含有する感光層を設け
た感光性平版印刷版(西独国特許第1,621,478号)、ア
ルミニウム支持体上にポリアクリル酸等を下塗りし、そ
の上にジアゾ樹脂を設けた感光性平版印刷版(西独国特
許第1,091,433号)、ポリアクリルアミドを下塗りし、
その上に感光層を設けた感光性平版印刷版(米国特許3,
511,661号)、ジアゾ化合物と有機高分子とを含有する
感光層を有する感光性平版印刷版の経時安定性を改良し
地汚れの発生を防止するために感光層への高分子の有機
酸を添加する方法(特開昭56-107238号公報)等が知ら
れている。しかし、いずれも十分な効果を発揮せず、よ
り一層の改良が望まれていた。また、特開昭57-5042号
公報には、複数個の側鎖ジアゾニウム基を有するジアゾ
樹脂と、複数のスルホネート基を有するスルホン化重合
体(例えばスルホン化ポリウレタンやスルホン化ポリエ
ステル)との組み合わせを含む感光性付加物が開示され
ている。しかし、この方法によれば地汚れ防止の効果が
十分でないばかりか、これらの付加物を感光層そのもの
として用いるため使用するスルホン化ポリウレタンある
いはスルホン化ポリエステル等の生成によって感光性平
版印刷版の性能が支配されてしまい、その使用範囲はご
く限定されてしまうという欠点があった。また、特開昭
59-101651号公報には、ジアゾ化合物及び光重合性組成
物を感光層に用いた感光性平版印刷版の長期保存により
生じる地汚れを改良する方法として、スルホン酸を有す
るモノマー単位の繰り返し重合体を中間層に設けること
が記載されている。しかしこの方法は地汚れ改良に有効
である半面、露光部の現像によるダメージが大きくな
り、耐刷性等の性能劣化を起こす。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、支持体の表面に感光層を設けた光重合性平版印刷版
を、製造後長期間、高温高湿条件下で保存しても、安定
して非画像部が良好な現像性を示し、印刷での汚れがな
く、かつ現像時における画像部のダメージが少なく、強
固な画像強度が得られる感光性平版印刷版を提供するこ
とにある。 【0005】 【課題を解決するため為の手段】そこで本発明者は鋭意
検討した結果、支持体と光重合性感光層との間に中間層
を設け、該中間層中に、必須成分として、光架橋性基を
持ち、さらにスルホン酸基およびその共役塩基基のうち
少なくとも1つ以上をもつポリマーを含有することによ
り、現像時に未露光部が容易に除去可能であり、かつ露
光部は光架橋生成により密着性が向上し、その結果保存
安定性良好で、かつ感度、耐刷性が減少しないことを見
出し本発明を成すに至った。即ち、本発明は、支持体上
に、中間層、光重合性感光層が順次積層された光重合性
平版印刷版であって、該中間層中に、光架橋性基とスル
ホン酸基およびその共役塩基基から選ばれる少なくとも
いずれかの基を有する高分子化合物を含有することを特
徴とする光重合性平版印刷版である。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の光重合性平版印刷
版について詳細に説明する。その中でも本発明の光重合
性平版印刷版の中間層について説明する。本発明の光重
合性平版印刷版の中間層には、光架橋性基とスルホン酸
基およびその共役塩基基の少なくともいずれかの基を有
する高分子化合物(以下、本発明の高分子化合物ともい
う)を含有する。 【0007】本発明の高分子化合物中にスルホン酸基あ
るいはその共役塩基基を導入するための方法は、特に限
定されないが、通常スルホン酸基を持つモノマーを用い
る。このようなモノマーとしては、例えばp−スチレン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、エチレンスルホン酸、2−クロロエチレン
スルホン酸、エチレンジスルホン酸、1−プロペン−1
−スルホン酸、1−プロペン−2−スルホン酸、2−メ
チル−1,3−プロペンジスルホン酸、1−ブテン−1
−スルホン酸、1−ペンテン−1−スルホン酸、1−ヘ
キセン−1−スルホン酸、2−フェニルエチレンスルホ
ン酸、1−メチル−2−フェニルエチレンスルホン酸、
3−クロロアリルスルホン酸、アリルスルホン酸、3−
クロロ−2−ブテンスルホン酸、3−クロロメタアリル
スルホン酸、メタアリルスルホン酸、3−メチル−2−
ブテン−2−スルホン酸、3−フェニルアリルスルホン
酸、3−フェニルメタアリルスルホン酸、2−ベンジル
アリルスルホン酸、2−クロロ−4−スチレンスルホン
酸、ビニル トルエンスルホン酸、及びα−メチルスチ
レンスルホン酸、並びにこれらのアルカリ金属塩、アン
モニウム塩、及び水溶性アミン塩などのモノマーが挙げ
られる。より好ましくは、本発明のスルホン酸基を有す
る少なくとも1種のモノマー単位は、p−スチレンスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、エチレンスルホン酸並びにこれらのアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、及び水溶性アミン塩からなる群
から選ばれる少なくとも一つのモノマーから誘導された
ものである。 【0008】もう一つの必須成分である光架橋性基とし
ては、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、
α―ヘテロ置換メチルアクリロイル基などが挙げられ
る。アリル基は、アリル基を有するモノマー、例えばア
クリル酸アリル、メタクリル酸アリル等を上記スルホン
酸基を有するモノマーと共重合することにより高分子中
に導入することができる。 【0009】アクリロイル基、メタクリロイル基、α―
ヘテロ置換メチルアクリロイル基は、反応性官能基
(A)を有するモノマーを共重合した高分子化合物に対
して、該反応性官能基(A)に対して、反応性を有する
官能基(B)と上記光架橋性基を併せ持つ化合物を反応
させることにより得ることができる。上記反応性官能基
(A)としては、反応性官能基(B)との関係で特に限
定する必要は無いが、一例としてカルボキシル基、クロ
ロカルボニル基、水酸基、エポキシ基、無水カルボン酸
基、アミノ基が挙げられる。反応性官能基(A)がカル
ボキシル基である時は、反応性官能基(B)は該官能基
と反応性を有する水酸基、アミノ基、エポキシ基または
イソシアネート基などが選択される。反応性官能基
(A)がクロロカルボニル基である時は、反応性官能基
(B)は該官能基と反応性を有する水酸基、アミノ基な
どが選択される。反応性官能基(A)が水酸基である時
は、反応性官能基(B)としてカルボキシル基、クロロ
カルボニル基、無水カルボン酸基、エポキシ基またはイ
ソシアネート基が選択される。また反応性官能基(A)
がアミノ基である時は、反応性官能基(B)としては、
カルボキシル基、クロロカルボニル基、無水カルボン酸
基、エポキシ基またはイソシアネート基が選択される。 【0010】スルホン酸基含有モノマー、及びアリル基
含有モノマーあるいは光架橋性基導入のための反応性官
能基(A)を持つモノマーは各1種類以上が選択され共
重合されるか、あるいは他のモノマーと共重合される。
このモノマーは、上記スルホン酸基含有モノマー、及び
アリル基含有モノマーあるいは光架橋性基導入のための
反応性官能基を持つモノマーと共重合可能であればどの
ようなモノマーでもよい。 【0011】特に好ましいものを挙げれば、例えばアル
キルアクリレート類(メチルアクリレート、エチルアク
リレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアク
リレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリ
レート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートな
ど)、アルキルメタクリレート類(メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタク
リレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n
−オクチルメタクリレート、n−デシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)、スチ
レン類(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチ
レン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,5−トリメ
チルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−
エチルスチレン、o−sec−ブチルスチレン、o−t
ert−ブチルスチレン、p−フルオロスチレン、2,
5−ジフルオロスチレン、o−クロロスチレン、m−ク
ロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロ
スチレン、2,5−ジクロロスチレン、2,6−ジクロ
ロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−ブロモス
チレン、p−シアノスチレンなど)、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル
酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、などが含まれる。 【0012】本発明の高分子化合物の分子量範囲は、溶
媒可溶性である限り制限はないが、一般的な目安を示せ
ば、約1,000〜約1,000,000の範囲が適当
であり、好ましくは2,000〜500,000の範囲
である。該高分子化合物中に含まれるスルホン酸基を有
するモノマー単位の量は広範囲で使用でき、約1〜99
モル%の範囲が適当であり、より好ましくは5〜95モ
ル%の範囲である。光架橋性基がアリル基の場合、アリ
ル基を有するモノマー単位の量は約1〜99モル%の範
囲が適当であり、より好ましくは5〜95モル%の範囲
である。光架橋性基がアクリロイル基、メタクリロイル
基、α―ヘテロ置換メチルアクリロイル基の場合は、ま
ず光架橋性基導入のための官能基を有するモノマーを5
〜95モル%の範囲で重合し、これに対し光架橋性基を
持つ化合物を該官能基に対し5〜100%反応させ導入
する。 【0013】光架橋性基としてアリル基を有する本発明
の高分子化合物は、従来公知の方法により合成すること
ができ、たとえば溶液重合法により合成させ、所望によ
り生成した重合物の酸基を中和して採取することもでき
る。また反応性官能基(A)を有する本発明の高分子化
合物の前駆体もまた、同様の方法により得ることができ
る。この溶液重合法においては通常原料のモノマーを溶
解しうる、たとえばイソプロピルアルコールの様な溶剤
中でも窒素雰囲気中で、重合開始剤の存在下に重合させ
る。また通常のラテックスの合成と同様にして原料のモ
ノマーを界面活性剤で水中に乳化させておき、過硫酸カ
リウムなどの重合開始剤を用いて乳化重合させた水性分
散物として得てもよく、もちろん、固形物として採取し
てもよい。 【0014】本発明の高分子化合物は、これを適当な溶
媒に溶解し、従来公知の方法によって支持体上に塗布す
ればよい。塗布量は使用される高分子化合物により変化
するので一概には決定しがたいが、おおよそ0.000
1〜1g/m2が適当である。0.0001g/m2より
少ないと地汚れの発生を抑えるという効果が低下し、他
方、1g/m2を超えると製版後の平版印刷版の耐刷性
等に悪影響が出るようになる。好ましくは0.0005
〜0.2g/m2である。中間層塗布液中には適当な添
加剤、例えば燐酸、亜燐酸、塩酸、低分子有機スルホン
酸などのpH調節剤、サボニンのような湿潤剤を加えて
もよい。 【0015】次に本発明の光重合性平版印刷版の光重合
性感光層について説明する。本発明の光重合性平版印刷
版の感光層は、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を
有する化合物、光重合開始剤およびバインダー等のその
他の成分を含有する光重合性組成物より形成される。上
記感光層の形成に用いられる光重合性組成物に含まれ
る、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
物(以下、重合性基含有化合物ともいう)としては、特
に限定されず、従来公知の例えば、不飽和カルボン酸
(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族
多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボ
ン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられ
る。 【0016】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテト
ラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソ
ルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオ
キシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレ
ートオリゴマー等がある。 【0017】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、へキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメ
チルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ)
フェニル〕ジメチルメタン等がある。イタコン酸エステ
ルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロ
ピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオ
ールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコ
ネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペ
ンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテト
ライタコネート等がある。 【0018】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロ
トン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソク
ロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネー
ト、ソルビトールテトライソクロトネー卜等がある。マ
レイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレ
ート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリ
スリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等
がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙
げることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不
飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例として
は、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メ
タクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−アクリ
ルアミド、1,6−へキサメチレンビス−メタクリルア
ミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キ
シリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリ
ルアミド等がある。 【0019】その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソ
シアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下
記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモ
ノマーを付加した1分子中に2個以上の重合性ビニル基
を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。 【0020】 CH2=C(R)COOCH2CH(R′)OH (A) (ただし、RおよびR′はHあるいはCH3を示す。) 【0021】また、特開昭51−37193号に記載さ
れているようなウレタンアクリレー卜類、特開昭48−
64183号、特公昭49−43191号、特公昭52
−30490号公報に記載されているようなポリエステ
ルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸
を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアク
リレートやメタクリレートを挙げることができる。さら
に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ぺ
ージ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマー
として紹介されているものも使用することができる。本
発明において、これらのモノマーはプレポリマー、すな
わち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの
混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態で使
用しうる。 【0022】また、特開2001−92127号公報に
記載の一般式(I)で示される構造を有するα−ヘテロ
メタクリル化合物も好適に利用できる。上記特開200
1−92127号公報に記載の一般式(I)で示される
構造を有するα−ヘテロメタクリル化合物の具体例を以
下に示す。 【0023】 【表1】 【0024】 【表2】【0025】 【表3】【0026】 【表4】【0027】 【表5】【0028】 【表6】【0029】 【表7】【0030】 【表8】 【0031】 【表9】【0032】 【表10】【0033】 【表11】 【0034】 【表12】【0035】 【表13】【0036】 【表14】 【0037】 【表15】【0038】 【表16】【0039】 【化1】【0040】 【化2】【0041】 【化3】【0042】 【化4】【0043】 【化5】【0044】 【化6】【0045】 【化7】【0046】 【化8】【0047】上記重合性基含有化合物の使用量は光重合
性組成物の全成分の重量に対して、通常1〜99.99%、
好ましくは5〜90.0%、更に好ましくは10〜70%の
量が使用される。(ここで言う%は重量%である)。 【0048】次に上記の光重合性組成物に使用される光
重合開始剤について説明する。好ましい光重合開始剤と
しては(a)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、
(b)メタロセン化合物、(c)炭素ハロゲン結合を有
する化合物等が挙げられる。 【0049】本発明に使用される好ましい光重合開始剤
の例である(a)ヘキサアリールビイミダゾール化合物
としては、特公昭45−37377号、特公昭44−8
6516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′
−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−
テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−
ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニ
ルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロ
フェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイ
ミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−
4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)
ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロ
フェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイ
ミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−
4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,
5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−
ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,
5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。 【0050】本発明の好ましい光重合開始剤の他の例で
ある(b)メタロセン化合物の例としては、特開昭59
−152396号、特開昭61−151197号、特開
昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2
−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平
1−304453号、特開平1−152109号記載の
鉄−アレーン錯体を挙げることができる。 【0051】上記チタノセン化合物の具体例としては、
ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ
−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−
シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,
6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペン
タジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフル
オロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−T
i−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イ
ル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフル
オロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−T
i−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−
メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,
4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メ
チルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,
6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシク
ロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフ
ェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス
(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニ
ル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)
フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−
アミノ)フェニル〕チタン、 【0052】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−エチルアセチルアミノ)フ
ェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−メチルアセチルアミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチルプロピオ
ニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジ
エニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチル
−(2,2−ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕
チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−
ジフルオロ−3−(N−ブチル−(2,2−ジメチルブ
タノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−
ペンチル−(2,2−ジメチルブタノイル)アミノ)フ
ェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル)−(2,
2−ジメチルブタノイル)フェニル〕チタン、ビス(シ
クロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(N−メチルブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(N−メチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタ
ン、 【0053】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−エチルシクロヘキシルカル
ボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチ
ルイソブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シク
ロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(N−エチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(2,2,5,5−テトラメチル−1,2,5−ア
ザジシロリジニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(オクチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ
−3−(4−トリルスルホンアミド)フェニル〕チタ
ン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフ
ルオロ−3−(4−ドデシルフェニルスルホニルアミ
ド)フェニル〕チタン、 【0054】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(4−(1−ペンチルヘプチル)
フェニルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(エチルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ
−3−((4−ブロモフェニル)−スルホニルアミド)
フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(2−ナフチルスルホニル
アミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ヘキサデシルス
ルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−メ
チル−(4−ドデシルフェニル)スルホニルアミド)フ
ェニル〕チタン、 【0055】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−メチル−4−(1−ペンチ
ルヘプチル)フェニル)スルホニルアミド)〕チタン、
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオ
ロ−3−(N−ヘキシル−(4−トリル)−スルホニル
アミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ピロリジン−
2,5−ジオニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(3,4−ジメチル−3−ピロリジン−2,5−ジ
オニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(フタル
イミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−イソブトキシカル
ボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(エトキシ
カルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−((2
−クロロエトキシ)−カルボニルアミノ)フェニル〕チ
タン、 【0056】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(フェノキシカルボニルアミノ)
フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(3−フェニルチオウレイ
ド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−ブチルチオウレ
イド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−フェニルウ
レイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−ブチルウレ
イド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N,N−ジアセ
チルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジ
エニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3,3−ジ
メチルウレイド)フェニル〕チタン、 【0057】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(アセチルアミノ)フェニル〕チ
タン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジ
フルオロ−3−(ブチリルアミノ)フェニル〕チタン、
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオ
ロ−3−(デカノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(オクタデカノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ
−3−(イソブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(2−エチルヘキサノイルアミノ)フェニル〕チタ
ン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフ
ルオロ−3−(2−メチルブタノイルアミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(ピバロイルアミノ)フェニル〕
チタン、 【0058】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(2,2−ジメチルブタノイルア
ミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−エチル−2
−メチルヘプタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル〕チ
タン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジ
フルオロ−3−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパ
ノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−フェ
ニルプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シ
クロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(2−クロロメチル−2−メチル−3−クロロプロパノ
イルアミノ)フェニル〕チタン、 【0059】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(3,4−キシロイルアミノ)フ
ェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(4−エチルベンゾイルア
ミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,4,6−メ
シチルカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シ
クロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N
−(3−フェニルプロピル)ベンゾイルアミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−(3−エチルヘプチル)−
2,2−ジメチルペンタノイルアミノ〕フェニルチタ
ン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフ
ルオロ−3−(N−イソブチル−(4−トルイル)アミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチルベン
ゾイルアミノ)フェニル〕チタン、 【0060】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチルピバ
ロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(オ
クソラニ−2−イルメチル)ベンゾイルアミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−(3−エチルヘプチル)−
2,2−ジメチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタ
ン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフ
ルオロ−3−(N−(3−フェニルプロピル−(4−ト
ルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−
(オクソラニ−2−イルメチル)−(4−トルイル)ア
ミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(4−トル
イルメチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、 【0061】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−(4−トルイルメチル)−
(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シ
クロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(N−ブチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ
−3−(N−ブチル−(4−トルイル)アミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(4−トルイ
ル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジ
エニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2,
4−ジメチルペンチル)−2,2−ジメチルブタノイル
アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,4−ジメチ
ルペンチル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)
フェニル〕チタン、 【0062】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−((4−トルイル)アミノ)フェ
ニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(2,2−ジメチルペンタ
ノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,2−
ジメチル−3−エトキシプロパノイルアミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(2,2−ジメチル−3−アリル
オキシプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(N−アリルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオ
ロ−3−(2−エチルブタノイルアミノ)フェニル〕チ
タン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジ
フルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチルベンゾイル
アミノ)フェニル〕チタン、 【0063】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチル−
(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シ
クロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(N−(2−エチルヘキシル)ベンゾイルアミノ)フェ
ニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソプロピルベンゾ
イルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジ
エニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−
フェニルプロピル)−2,2−ジメチルペンタノイル)
アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシルベ
ンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シ
クロヘキシルメチル−2,2−ジメチルペンタノイル)
アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルベン
ゾイルアミノ)フェニル〕チタン、 【0064】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−(2−エチルヘキシル)−
2,2−ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チ
タン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジ
フルオロ−3−(N−ヘキシル−2,2−ジメチルペン
タノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イ
ソプロピル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フ
ェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フェニルプロ
ピル)ピバロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シ
クロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(N−ブチル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)
フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−メトキシエチ
ル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、 【0065】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−ベンジルベンゾイルアミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベンジル−(4
−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N
−(2−メトキシエチル)−(4−トルイル)アミノ)
フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(4−メチルフェニ
ルメチル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フ
ェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−メトキシエチ
ル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチル−
(2−エチル−2−メチルヘプタノイル)アミノ)フェ
ニル〕チタン、 【0066】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−クロロベン
ゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘ
キシル−(2−エチル−2−メチルブタノイル)アミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシル
−2,2−ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕
チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−
ジフルオロ−3−(N−(オクソラニ−2−イルメチ
ル)−2,2−ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシル−(4−ク
ロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シ
クロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(N−シクロヘキシル−(2−クロロベンゾイル)アミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3,3−ジメチル−
2−アゼチジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、 【0067】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−イソシアナトフェニル)チタン、
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオ
ロ−3−(N−エチル−(4−トリルスルホニル)アミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(4
−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(N−ブチル−(4−トリルスルホニル)アミノ)
フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチル−(4−
トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(N−ブチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプ
ロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、 【0068】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−(3−フェニルプロパノイ
ル)−2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)ア
ミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキ
シルメチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノ
イル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソ
ブチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイ
ル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(2−
クロロメチル−2−メチル−3−クロロプロパノイル)
アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ブチルチオカル
ボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(フェニル
チオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、 【0069】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−イソシアナトフェニル)チタン、
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオ
ロ−3−(N−エチル−(4−トリルスルホニル)アミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(4
−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(N−ブチル−(4−トリルスルホニル)アミノ)
フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチル−(4−
トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(N−ブチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプ
ロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N
−(3−フェニルプロパノイル)−2,2−ジメチル−
3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、 【0070】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチル−
(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)アミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチル−
(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(2−クロロメチ
ル−2−メチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フ
ェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(ブチルチオカルボニルア
ミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(フェニルチオカ
ルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(メチルシク
ロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−
(N−ヘキシル−2,2−ジメチルブタノイル)アミ
ノ)フェニル〕チタン、 【0071】ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−2,2−
ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフル
オロ−3−(N−エチルアセチルアミノ)フェニル〕チ
タン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−エチルプロピオニルアミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(トリメチルシリルペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチ
ル−2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル〕
チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−
ジフルオロ−3−(N−(2−メトキシエチル)−トリ
メチルシリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N
−ブチルヘキシルジメチルシリルアミノ)フェニル〕チ
タン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジ
フルオロ−3−(N−エチル−(1,1,2,−トリメ
チルプロピル)ジメチルシリルアミノ)フェニル〕チタ
ン、 【0072】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(3−エトキシメチル−3−メチ
ル−2−アゼチオジノニ−1−イル)フェニル〕チタ
ン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフ
ルオロ−3−(3−アリルオキシメチル−3−メチル−
2−アゼチジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス
(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−
3−(3−クロロメチル−3−メチル−2−アゼチジノ
ニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベン
ジル−2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(5,5−ジメチル−2−ピロリ
ジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(6,
6−ジフェニル−2−ピペリジノニ−1−イル)フェニ
ル〕チタン、 【0073】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−(2,3−ジヒドロ−1,
2−ベンジソチアゾロ−3−オン(1,1−ジオキシ
ド)−2−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘ
キシル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕
チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−
ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(2−クロロベンゾ
イル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソ
プロピル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−(4−メチルフェニルメチ
ル)−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チ
タン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジ
フルオロ−3−(N−(4−メチルフェニルメチル)−
(2−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、 【0074】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−クロロベン
ゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベ
ンジル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(N−(2−エチルヘキシル)−
4−トリル−スルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオ
ロ−3−(N−(3−オキサヘプチル)ベンゾイルアミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオ
キサデシル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ
−3−(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ)フェ
ニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロアセチルア
ミノ)フェニル〕チタン、 【0075】ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,
6−ジフルオロ−3−(2−クロロベンゾイル)アミ
ノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)
ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−クロロベンゾイ
ル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジ
エニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,
6−ジオキサデシル)−2,2−ジメチルペンタノイル
アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,7−
ジメチル−7−メトキシオクチル)ベンゾイルアミノ)
フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス
〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルベン
ゾイルアミノ)フェニル〕チタン、等を挙げることがで
きる。 【0076】本発明の好ましい光重合開始剤の他の例で
ある(c)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい
例としては、下記一般式〔I〕から〔VII〕のものを挙
げることができる。 【0077】 【化9】 【0078】(式中、X2はハロゲン原子を表わす。Y2
は−C(X23、−NH2、−NHR3 2、−NR32、−
OR32を表わす。ここでR32はアルキル基、置換アルキ
ル基、アリール基、置換アリール基を表わす。またR31
は−C(X23、アルキル基、置換アルキル基、アリー
ル基、置換アリール基、置換アルケニル基、を表わ
す。)で表わされる化合物。 【0079】 【化10】 【0080】(ただし、R33は、アルキル基、置換アル
キル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール
基、置換アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置
換アルコキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、X3
はハロゲン原子であり、nは1〜3の整数である。)で
表わされる化合物。 【0081】 【化11】 【0082】(ただし、R34は、アリール基又は置換ア
リール基であり、R35は 【0083】 【化12】 【0084】又はハロゲンであり、Z2は−C(=O)
−、−C(=S)−又は−SO2−であり、R36、R37
はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換ア
ルケニル基、アリール基又は置換アリール基であり、R
38は一般式〔IV] 中のR32と同じであり、X3はハロゲ
ン原子であり、mは1又は2である。)で表わされる化
合物。 【0085】 【化13】 【0086】ただし、式中、R39は置換されていてもよ
いアリール基又は複素環式基であり、R40は炭素原子1
〜3個を有するトリハロアルキル基又はトリハロアルケ
ニル基であり、pは1、2又は3である。 【0087】 【化14】 【0088】(ただし、Lは水素原子又は式:CO−
(R41)q(C(X43)rの置換基であり、Qはイオ
ウ、セレン又は酸素原子、ジアルキルメチレン基、アル
ケン−1,2−イレン基、1,2−フェニレン基又はN
−R基であり、Mは置換又は非置換のアルキレン基又は
アルケニレン基であるか、又は1,2−アリーレン基で
あり、R42はアルキル基、アラルキル基又はアルコキシ
アルキル基であり、R41は炭素環式又は複素環式の2価
の芳香族基であり、X4は塩素、臭素またはヨウ素原子
であり、q=0及びr=1であるか又はq=1及びr=
1又は2である。)で表わされる、トリハロゲノメチル
基を有するカルボニルメチレン複素環式化合物。 【0089】 【化15】 【0090】(ただし、X5はハロゲン原子であり、t
は1〜3の整数であり、sは1〜4の整数であり、R43
は水素原子又はCH3-t5t基であり、R44はs価の置
換されていてもよい不飽和有機基である)で表わされ
る、4−ハロゲノ−5−(ハロゲノメチル−フェニル)
−オキサゾール誘導体。 【0091】 【化16】 【0092】(ただし、X6はハロゲン原子であり、v
は1〜3の整数であり、uは1〜4の整数であり、R45
は水素原子又はCH3-v6v基であり、R46はu価の置
換されていてもよい不飽和有機基である。)で表わされ
る、2−(ハロゲノメチル−フェニル)−4−ハロゲノ
−オキサゾール誘導体。 【0093】このような炭素−ハロゲン結合を有する化
合物の具体例としては、たとえば、若林ら著、Bull. Ch
em. Soc. Japan,42、2924(1969)記載の化
合物、たとえば、2−フェニル4,6−ビス(トリクロ
ルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニ
ル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリア
ジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロル
メチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニ
ル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリア
ジン、2−(2′,4′−ジクロルフェニル)−4,6
−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,
4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジ
ン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−
S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリ
クロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−
トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチ
ル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特
許1388492号明細書記載の化合物、たとえば、2
−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−
トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビ
ス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−
メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチ
ル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)
−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン
等、特開昭53−133428号記載の化合物、たとえ
ば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6
−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4
−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリ
クロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エト
キシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−ト
リクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメ
トキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロ
ルメチル−S−トリアジン)、2−(アセナフト−5−
イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリア
ジン等、独国特許3337024号明細書記載の化合
物、たとえば、 【0094】 【化17】【0095】 【化18】 【0096】等を挙げることができる。また、F. C. Sc
haefer等によるJ. Org. Chem. 29、1527(196
4)記載の化合物、たとえば2−メチル−4,6−ビス
(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−
トリス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,
4,6−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、
2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−
トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロ
ルメチル−S−トリアジン等を挙げることができる。さ
らに特開昭62−58241号記載の化合物、たとえ
ば、 【0097】 【化19】 【0098】 【化20】 【0099】等を挙げることができる。更に特開平5−
281728号記載の化合物、例えば、 【0100】 【化21】【0101】等を挙げることができる。あるいはさらに
M. P. Hutt、E. F. ElslagerおよびL.M. Herbel著「Jou
rnalof Heterocyclic chemistry」第7巻(No.
3)、第511頁以降(1970年)に記載されている
合成方法に準じて、当業者が容易に合成することができ
る次のような化合物群 【0102】 【化22】【0103】 【化23】 【0104】 【化24】【0105】 【化25】 【0106】 【化26】【0107】 【化27】 【0108】あるいは、ドイツ特許第2641100号
に記載されているような化合物、例えば、4−(4−メ
トキシ−スチリル)−6−(3,3,3−トリクロルプ
ロペニル)−2−ピロンおよび4−(3,4,5−トリ
メトキシ−スチリル)−6−トリクロルメチル−2−ピ
ロン、あるいはドイツ特許第3333450号に記載さ
れている化合物、例えば、 【0109】 【化28】 【0110】式中、R41はベンゼン環を、R42はアルキ
ル基、アラルキル基またはアルコキシアルキル基を表
す。 【0111】 【表17】 【0112】あるいはドイツ特許第3021590号に
記載の化合物群、 【0113】 【化29】 【0114】 【化30】 【0115】あるいはドイツ特許第3021599号に
記載の化合物群例えば、 【0116】 【化31】【0117】を挙げることができる。本発明における光
重合開始剤のさらにより好ましい例としては、上述の
(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩、
(c)有機過酸化物、(e)ヘキサアリールビイミダゾ
ール、(i)メタロセン化合物、(k)炭素ハロゲン結
合を有する化合物を挙げることができ、さらに最も好ま
しい例としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾ
ニウム塩、チタノセン化合物、一般式〔IV〕であらわ
されるトリハロメチル−S−トリアジン化合物を挙げる
ことができる。本発明における光重合開始剤は単独もし
くは2種以上の併用によって好適に用いられる。次に、
本発明の光重合性組成物の1成分となり得る増感色素と
しては、分光増感色素、光源の光を吸収して光重合開始
剤と相互作用する染料あるいは顔料が挙げられる。 好ましい分光増感色素または染料としては多核芳香族類
(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン) キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、
エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル) シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカル
ボシアニン) メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシ
アニン) チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トル
イジンブルー) アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフ
ラビン、アクリフラビン) フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフ
タロシアニン) ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリ
ン、中心金属置換ポルフィリン) クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリ
ン、中心金属置換クロロフィル) 金属錯体、例えば 【0118】 【化32】 【0119】アントラキノン類、例えば(アントラキノ
ン) スクアリウム類、例えば(スクアリウム) 等が挙げられる。より好ましい分光増感色素又は染料の
例としては特公平37−13034号記載のスチリル系
色素、例えば、 【0120】 【化33】 【0121】特開昭62−143044号記載の陽イオ
ン染料、例えば、 【0122】 【化34】【0123】特公昭59−24147号記載のキノキサ
リニウム塩、例えば、 【0124】 【化35】 【0125】特開昭64−33104号記載の新メチレ
ンブルー化合物、例えば、 【0126】 【化36】 【0127】特開昭64−56767号記載のアントラ
キノン類、例えば 【0128】 【化37】【0129】特開平2−1714号記載のベンゾキサン
テン染料。特開平2−226148号及び特開平2−2
26149号記載のアクリジン類、例えば、 【0130】 【化38】 【0131】特公昭40−28499号記載のピリリウ
ム塩類、例えば 【0132】 【化39】【0133】特公昭46−42363号記載のシアニン
類、例えば 【0134】 【化40】 【0135】特開平2−63053号記載のベンゾフラ
ン色素、例えば 【0136】 【化41】【0137】特開平2−85858号、特開平2−21
6154号の共役ケトン色素、例えば 【0138】 【化42】 【0139】特開昭57−10605号記載の色素。特
公平2−30321号記載のアゾシンナミリデン誘導
体、例えば、 【0140】 【化43】 【0141】特開平1−287105号記載のシアニン
系色素、例えば、 【0142】 【化44】【0143】特開昭62−31844号、特開昭62−
31848号、特開昭62−143043号記載のキサ
ンテン系色素、例えば、 【0144】 【化45】 【0145】特公昭59−28325号記載のアミノス
チリルケトン、例えば 【0146】 【化46】 【0147】特公昭61−9621号記載の以下の一般
式〔1〕〜〔8〕で表されるメロシアニン色素、例え
ば、 【0148】 【化47】【0149】一般式〔3〕ないし〔8〕において、X8
は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、置換アリール基、アリールオキシ基、
アラルキル基又はハロゲン原子を表わす。一般式〔2〕
においてPhはフェニル基を表わす。一般式〔1〕ない
し〔8〕において、R48、R49およびR50はそれぞれア
ルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アリール
基、置換アリール基又はアラルキル基を表わし、互いに
等しくても異なってもよい。特開平2−179643号
記載の以下の一般式〔9〕〜〔11〕で表わされる色
素、例えば 【0150】 【化48】【0151】A:酸素原子、イオウ原子、セレン原子、
テルル原子、アルキル又はアリール置換された窒素原子
またはジアルキル置換された炭素原子を表わす。 Y3:水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリー
ル基、置換アリール基、アラルキル基、アシル基、また
は置換アルコキシカルボニル基を表わす。 R51、R52:水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、
もしくは置換基として、R53O−、 【0152】 【化49】 【0153】−(CH2CH2O)w−R53、ハロゲン原
子(F、Cl、Br、I)を有する炭素数1〜18の置
換アルキル基。但し、R53は水素原子又は炭素数1〜1
0のアルキル基を表わし、Bは、ジアルキルアミノ基、
水酸基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基を表
わす。wは0〜4の整数、xは1〜20の整数を表わ
す。特開平2−244050号記載の以下の一般式〔1
2〕で表されるメロシアニン色素、例えば、 【0154】 【化50】 【0155】(式中R54およびR55は各々独立して水素
原子、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリール基、置換アリール基またはアラルキル
基を表わす。A2は酸素原子、イオウ原子、セレン原
子、テルル原子、アルキルないしはアリール置換された
窒素原子、またはジアルキル置換された炭素原子を表わ
す。X9は含窒素ヘテロ五員環を形成するのに必要な非
金属原子群を表わす。Y4は置換フェニル基、無置換な
いし置換された多核芳香環、または無置換ないしは置換
されたヘテロ芳香環を表わす。Z3は水素原子、アルキ
ル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、
アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、置換アミノ基、アシル基、またはアルコキシ
カルボニル基を表わし、Y4と互いに結合して環を形成
していてもよい。好ましい具体例としては 【0156】 【化51】【0157】特公昭59−28326号記載の以下の一
般式〔13〕で表されるメロシアニン色素、例えば、 【0158】 【化52】 【0159】上式において、R56およびR57はそれぞれ
水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、
置換アリール基またはアラルキル基を表わし、それらは
互いに等しくても異ってもよい。X10はハメット(Hamm
ett)のシグマ(σ)値が−0.9から+0.5までの
範囲内の置換基を表わす。特開昭59−89303号記
載の以下の一般式〔14〕で表されるメロシアニン色
素、例えば、 【0160】 【化53】 【0161】(式中R58およびR59は各々独立して水素
原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換
アリール基またはアラルキル基を表わす。X11はハメッ
ト(Hammett)のシグマ(σ)値が−0.9から+0.
5までの範囲内の置換基を表わす。Y5は水素原子、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アラルキル基、アシル基またはアルコキシカルボニ
ル基を表わす。)好ましい具体例としては、 【0162】 【化54】【0163】特開平8−129257号公報に記載の以
下の一般式〔15〕で表されるメロシアニン色素、例え
ば 【0164】 【化55】 【0165】(式中、R60、R61、R62、R63、R68
69、R70、R71はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、
置換アリール基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メル
カプト基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、置換
カルボニル基、スルホ基、スルホナト基、置換スルフィ
ニル基、置換スルホニル基、ホスフォノ基、置換ホスフ
ォノ基、ホスフォナト基、置換ホスフォナト基、シアノ
基、ニトロ基を表すか、もしくは、R60とR61、R61
62、R62とR63、R68とR69、R69とR70、R70とR
71が互いに結合して脂肪族又は芳香族環を形成していて
も良く、R64は水素原子、アルキル基、置換アルキル
基、アリール基、又は置換アリール基を表し、R65は置
換、又は無置換のアルケニルアルキル基、又は置換もし
くは無置換のアルキニルアルキル基を表し、R66、R67
はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、
置換カルボニル基を表す)好ましい具体例としては 【0166】 【化56】 【0167】特開平8−334897号に記載の以下の
一般式〔16〕で表されるベンゾピラン系色素、例えば 【0168】 【化57】 【0169】(式中、R72〜R75は互いに独立して、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、水酸
基、アルコキシ基又はアミノ基を表す。またR72〜R75
はそれらが各々結合できる炭素原子と共に非金属原子か
ら成る環を形成していても良い。R76は水素原子、アル
キル基、アリール基、ヘテロ芳香族基、シアノ基、アル
コキシ基、カルボキシ基又はアルケニル基を表す。R77
はR76で表される基または−Z−R76であり、Zはカル
ボニル基、スルホニル基、スルフィニル基またはアリー
レンジカルボニル基を表す。またR76及びR77は共に非
金属原子から成る環を形成しても良い。AはO原子、S
原子、NHまたは置換基を有するN原子を表す。BはO
原子、または=C(G1)(G2)の基を表す。G1、G2
は同一でも異なっていても良く、水素原子、シアノ基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、アシル基、アリールカルボニル基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、又はフルオロスルホニル基を表す。但
し、G1、G2は同時に水素原子となることはない。また
G1及びG2は炭素原子と共に非金属原子からなる環を形
成していても良い)。等を挙げることができる。 【0170】その他、増感色素として特に以下の赤外線
吸収剤(染料或いは顔料)も好適に使用される。好まし
い前記染料としては、例えば、特開昭58−12524
6号、特開昭59−84356号、特開昭59−202
829号、特開昭60−78787号公報等に記載され
ているシアニン染料、英国特許434,875号明細書
記載のシアニン染料等を挙げることができる。 【0171】また、米国特許第5,156,938号明
細書に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、さら
に、米国特許第3,881,924号明細書に記載の置
換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭
57−142645号(米国特許第4,327,169
号)公報に記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭
58−181051号、同58−220143号、同5
9−41363号、同59−84248号、同59−8
4249号、同59−146063号、同59−146
061号公報に記載のピリリウム系化合物、特開昭59
−216146号公報に記載のシアニン色素、米国特許
第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチ
オピリリウム塩等や、特公平5−13514号、同5−
19702号公報に記載されているピリリウム化合物も
好ましく用いられる。 【0172】また、米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外
吸収染料、EP916513A2号明細書に記載のフタ
ロシアニン系染料も好ましい染料として挙げることがで
きる。 【0173】さらに、特願平10−79912号公報に
記載のアニオン性赤外線吸収剤も、好適に使用すること
ができる。アニオン性赤外線吸収剤とは、実質的に赤外
線を吸収する色素の母核にカチオン構造がなく、アニオ
ン構造を有するものを示す。例えば、(c1)アニオン
性金属錯体、(c2)アニオン性カーボンブラック、
(c3)アニオン性フタロシアニン、さらに(c4)下
記一般式6で表される化合物などが挙げられる。これら
のアニオン性赤外線吸収剤の対カチオンは、プロトンを
含む一価の陽イオン、あるいは多価の陽イオンである。 【0174】 【化58】 【0175】ここで、(c1)アニオン性金属錯体と
は、実質的に光を吸収する錯体部の中心金属および配位
子全体でアニオンとなるものを示す。 【0176】(c2)アニオン性カーボンブラックは、
置換基としてスルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸基等
のアニオン基が結合しているカーボンブラックが挙げら
れる。これらの基をカーボンブラックに導入するには、
カーボンブラック便覧第三版(カーボンブラック協会
編、1995年4月5日、カーボンブラック協会発行)
第12頁に記載されるように、所定の酸でカーボンブラ
ックを酸化する等の手段をとればよい。 【0177】(c3)アニオン性フタロシアニンは、フ
タロシアニン骨格に、置換基として、先に(c2)の説
明において挙げたアニオン基が結合し、全体としてアニ
オンとなっているものを示す。 【0178】次に、前記(c4)一般式6で表される化
合物について、詳細に説明する。前記一般式6中、Ga -
はアニオン性置換基を表し、Gbは中性の置換基を表
す。Xm +は、プロトンを含む1〜m価のカチオンを表
し、mは1ないし6の整数を表す。Mは共役鎖を表し、
この共役鎖Mは置換基や環構造を有していてもよい。共
役鎖Mは、下記式で表すことができる。 【0179】 【化59】 【0180】前記式中、R1、R2,R3はそれぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、
アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル
基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ
基、アミノ基を表し、これらは互いに連結して環構造を
形成していてもよい。nは、1〜8の整数を表す。 【0181】前記一般式6で表されるアニオン性赤外線
吸収剤のうち、以下のA−1〜A−5のものが、好まし
く用いられる。 【0182】 【化60】【0183】また、以下のCA−1〜CA−44に示す
カチオン性赤外線吸収剤も好ましく使用できる。 【0184】 【化61】 【0185】 【化62】【0186】 【化63】 【0187】 【化64】【0188】 【化65】 【0189】 【化66】【0190】 【化67】 【0191】 【化68】【0192】 【化69】 【0193】 【化70】 【0194】 【化71】【0195】 【化72】 【0196】 【化73】 【0197】 【化74】【0198】 【化75】 【0199】前記構造式中、T-は、1価の対アニオン
を表し、好ましくは、ハロゲンアニオン(F-,Cl-
Br-、I-)、ルイス酸アニオン(BF4−、PF6 -
SbCl6 -、ClO4 -)、アルキルスルホン酸アニオ
ン、アリールスルホン酸アニオンである。 【0200】前記アルキルスルホン酸のアルキルとは、
炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、又は環
状のアルキル基を意味し、具体的には、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、
イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘ
キシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル
基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボ
ルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素
原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12
までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環
状のアルキル基がより好ましい。 【0201】また前記アリールスルホン酸のアリールと
は、1個のベンゼン環からなるもの、2又は3個のベン
ゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽
和環が縮合環を形成したものを表し、具体例としては、
フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリ
ル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル
基、を挙げることができ、これらの中でも、フェニル
基、ナフチル基がより好ましい。 【0202】また、以下のNA−1〜NA−12に示す
非イオン性赤外線吸収剤も好ましく使用できる。 【0203】 【化76】 【0204】 【化77】【0205】 【化78】 【0206】 【化79】【0207】前記例示化合物中、特に好ましいアニオン
性赤外線吸収剤としてはA−1が、カチオン性赤外線吸
収剤としてはCA−7、CA−30、CA−40、およ
びCA−42が、非イオン性赤外線吸収剤としてはNA
−11が挙げられる。 【0208】他の染料としては、市販の染料及び例えば
「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)
等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具
体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンア
ゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタ
ロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染
料、メチン染料、ジインモニウム染料、アミニウム染
料、スクワリリウム色素、金属チオレート錯体等の染料
が挙げられる。 【0209】また、増感色素として、他の顔料として
は、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便
覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977
年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986
年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年
刊)に記載されている顔料が利用できる。例えば、顔料
の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔
料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔
料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素
が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレー
キ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシア
ニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリ
ノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔
料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キ
ノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニ
トロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔
料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料の
うち好ましいものはカーボンブラックである。 【0210】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法に
は、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤
を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップ
リング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を
顔料表面に結合させる方法等が考えられる。前記の表面
処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載されている。 【0211】顔料の粒径は0.01μm〜10μmであ
るのが好ましく、0.05μm〜1μmであるのがさら
に好ましく、特に0.1μm〜1μmであるのが特に好
ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは、分散
物の画像記録層塗布液中での安定性の点で好ましくな
く、また、10μmを越えると画像記録層の均一性の点
で好ましくない。 【0212】顔料を分散する方法としては、インク製造
やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用でき
る。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アト
ライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、イ
ンペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダ
イナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げら
れる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1
986年刊)に記載されている。 【0213】本発明における増感色素のさらにより好ま
しい例としては、上述の特公昭61−9621号記載の
メロシアニン色素、特開平2−179643号記載のメ
ロシアニン色素、特開平2−244050号記載のメロ
シアニン色素、特公昭59−28326号記載のメロシ
アニン色素、特開昭59−89303号記載のメロシア
ニン色素、特開平8−129257号記載のメロシアニ
ン色素及び特開平8−334897号記載のベンゾピラ
ン系色素を挙げることができる。及び上述の特開平11-2
09001号記載の赤外線吸収剤を挙げることができる。本
発明における増感色素も単独もしくは2種以上の併用に
よって好適に用いられる。さらに本発明の光重合性組成
物には、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重
合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増
感剤として加えても良い。 【0214】この様な共増感剤の例としては、アミン
類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Soc
iety」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−
20189号、特開昭51−82102号、特開昭52
−134692号、特開昭59−138205、特開昭
60−84305号、特開昭62−18537号、特開
昭64−33104号、Research Disclosure 3382
5号記載の化合物、等があげられ、具体的には、トリエ
タノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエ
ステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチ
オジメチルアニリン、等が挙げられる。 【0215】共増感剤の別の例としてはチオールおよび
スルフィド類、例えば、特開昭53−702号、特公昭
55−500806号、特開平5−142772号記載
のチオール化合物、特開昭56−75643号のジスル
フィド化合物等があげられ、具体的には、2−メルカプ
トベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾー
ル、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプ
ト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレ
ン等が挙げられる。 【0216】また別の例としては、アミノ酸化合物
(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−429
65号記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテ
ート等)、特公昭55−34414号記載の水素供与
体、特開平6−308727号記載のイオウ化合物
(例、トリチアン等)、特開平6−250387号記載
のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−
191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙
げられる。 【0217】本発明における組成物中の光重合開始剤の
使用量は光重合性組成物の全成分の重量に対し、0.01〜
60重量%、より好ましくは0.05〜30重量%である。ま
た、本発明において増感色素を用いる場合、光重合性組
成物中の光重合開始剤と増感色素のモル比は100:0〜
1:99であり、より好ましくは、90:10〜10:
90であり、最も好ましくは80:20〜20:80で
ある。上記共増感剤を使用する場合には光重合開始剤1
重量部に対して、0.01〜50重量部使用するのが適当であ
り、より好ましくは0.02〜20重量部、最も好まし
くは0.05〜10重量部である。 【0218】前記光重合性組成物には、バインダーとし
ての線状有機高分子重合体を含有させることが好まし
い。このような「線状有機高分子重合体」としては、光
重合可能なエチレン性不飽和化合物と相溶性を有してい
る線状有機高分子重合体である限り、どれを使用しても
構わない。好ましくは水現像或いは弱アルカリ水現像を
可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性
である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高
分子重合体は、該組成物の皮膜形成剤としてだけでな
く、現像剤として水、弱アルカリ水或いは有機溶剤のい
ずれが使用されるかに応じて適宜選択使用される。例え
ば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能
になる。この様な線状有機高分子重合体としては、側鎖
にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59
−44615号、特公昭54−34327号、特公昭5
8−12577号、特公昭54−25957号、特開昭
54−92723号、特開昭59−53836号、特開
昭59−71048号に記載されているもの、すなわ
ち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタ
コン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重
合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。ま
た同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘
導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状
酸無水物を付加させたものなどが有用である。特にこれ
らの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)ア
クリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノ
マー〕共重合体及び〔アリル(メタ)アクリレート/
(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性
ビニルモノマー〕共重合体が好適である。この他に水溶
性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリ
エチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強
度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや2,2
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピ
クロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これら
の線状有機高分子重合体は全組成中に任意な量を混和さ
せることができる。しかし組成物の全成分の重量に対し
て90重量%を超える場合には形成される画像強度等の
点で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85%
である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と線
状有機高分子重合体は、重量比で1/9〜7/3の範囲
とするのが好ましい。より好ましい範囲は3/7〜5/
5である。但し、前記重合性基含有化合物として高分子
型のものを使用する場合には、それ自体がバインダーと
しての機能を有するため、光重合性組成物中に上述のバ
インダーを含有していなくても良い。バインダーと混合
して使用する場合には、本発明の高分子型の重合性化合
物とバインダーの比は上述の重量比で用いることができ
る。 【0219】重合禁止剤 また、本発明においては以上の基本成分の他に光重合性
組成物製造中あるいは保存中において重合可能なエチレ
ン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻
止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ま
しい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p
−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノ
ン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒ
ドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合
防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01
重量%〜約5重量%が好ましい。また必要に応じて、酸
素による重合阻害を防止するためにべヘン酸やベヘン酸
アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後
の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級
脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5重量%〜
約10重量%が好ましい。 【0220】着色剤等 さらに、感光層の着色を目的として染料もしくは顔料を
添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後
の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版
性を向上させることができる。着色剤としては、多くの
染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色
剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例として
は例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボン
ブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレッ
ト、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキ
ノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料お
よび顔料の添加量は全組成物の約0.5重量%〜約5重
量%が好ましい。 【0221】その他の添加剤 さらに、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤
や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上さ
せうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。 【0222】可塑剤としては例えばジオクチルフタレー
ト、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジ
カプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリク
レジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチル
セバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤
を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化
合物と結合剤との合計重量に対し10重量%以下添加す
ることができる。 【0223】また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目
的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するため
の、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。 【0224】その他、感光層と支持体との密着性向上
や、未露光感光層の現像除去性を高めるための添加剤、
中間層を設けることを可能である。例えば、ジアゾニウ
ム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と
比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りによ
り、密着性が向上し、耐刷性を高めることが可能であ
り、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親
水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性
が向上し、汚れ性の向上が可能となる。 【0225】前記光重合性組成物を支持体上に塗布する
際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここ
で使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライ
ド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロ
ヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール
エチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイ
ソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキ
シメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピル
アセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸
エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合
して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形
分の濃度は、2〜50重量%が適当である。 【0226】感光層の支持体被覆量は、主に、感光層の
感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもの
で、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が
少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多
すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる
上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくな
い。本発明の主要な目的である走査露光用平版印刷版と
しては、その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約
10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜
5g/m2である。 【0227】「支持体」本発明の光重合性平版印刷版を
得るには、上記感光層を、表面が親水性の支持体上に設
けることが望ましい。親水性の支持体としては、従来公
知の、平版印刷版に使用される親水性支持体を限定無く
使用することができる。使用される支持体は寸度的に安
定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラス
チック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、
アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム
(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロ
ピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のような
金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラス
チックフィルム等が含まれ、これらの表面に対し、必要
に応じ親水性の付与や、強度向上、等の目的で適切な公
知の物理的、化学的処理を施しても良い。 【0228】特に、好ましい支持体としては、紙、ポリ
エステルフィルムまたはアルミニウム板が挙げられ、そ
の中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に
応じた表面処理により親水性や強度にすぐれた表面を提
供できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公昭
48−18327号に記載されているようなポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結
合された複合体シートも好ましい。 【0229】好適なアルミニウム板は、純アルミニウム
板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含
む合金板であり、更にはアルミニウムがラミネートまた
は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニ
ウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガ
ン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッ
ケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々
10重量%以下である。本発明において特に好適なアル
ミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なア
ルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに
異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適
用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるもの
ではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を
適宜に利用することができる。本発明で用いられるアル
ミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好
ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2
mm〜0.3mmである。 【0230】また金属、特にアルミニウムの表面を有す
る支持体の場合には、粗面化(砂目立て)処理、珪酸ソ
ーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液
への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理が
なされていることが好ましい。 【0231】アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種
々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化す
る方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および
化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機
械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラ
スト研磨法、バフ、磨法等の公知の方法を用いることが
できる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸、硝
酸等の電解液中で交流または直流により行う方法があ
る。また、特開昭54−63902号に開示されている
ように両者を組み合わせた方法も利用することができ
る。また、アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望
により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面
活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液等による脱脂
処理が行われる。 【0232】さらに、粗面化したのちに珪酸ナトリウム
水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板が好ましく使用
できる。特公昭47−5125号に記載されているよう
にアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカリ
金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適に使用さ
れる。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫
酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等
の有機酸またはそれらの塩の水溶液または非水溶液の単
独または二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウ
ム板を陽極として電流を流すことにより実施される。 【0233】また、米国特許第3658662号に記載
されているようなシリケート電着も有効である。 【0234】さらに、特公昭46−27481号、特開
昭52−58602号、特開昭52−30503号に開
示されているような電解グレインを施した支持体と、上
記陽極酸化処理および珪酸ソーダ処理を組合せた表面処
理も有用である。 【0235】また、特開昭56−28893号に開示さ
れているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解
グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行
ったものも好適である。 【0236】これらの処理を行った後に、本発明の特徴
である光架橋性基とスルホン酸およびその塩基から選ば
れる少なくともいずれかの基を有する高分子化合物を含
有する中間層を設ける。 【0237】「保護層」本発明において、走査露光用平
版印刷版においては、通常露光を大気中で行うため、光
重合性組成物の層の上に、さらに、保護層を設けること
ができる。保護層は、感光層中で露光により生じる画像
形成反応を阻害する大気中に存在する塩基性物質等の低
分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光
を可能とする。従って、このような保護層に望まれる特
性は、低分子化合物の透過性が低いことであり、さら
に、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との
密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去で
きることが望ましい。このような、保護層に関する工夫
が従来よりなされており、米国特許第3,458,31
1号、特開昭55−49729号に詳しく記載されてい
る。保護層に使用できる材料としては例えば、比較的、
結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることがよ
く、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴ
ム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知ら
れているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成
分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といっ
た基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に
使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と
水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を
含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセ
タールで置換されていても良い。また、同様に一部が他
の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコー
ルの具体例としては71〜100モル%加水分解され、
分子量が重量平均分子量で300から2400の範囲の
ものを挙げることができる。具体的には、株式会社クラ
レ製のPVA−105、PVA−110、PVA−11
7、PVA−117H、PVA−120、PVA−12
4、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CS
T、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、
PVA−205、PVA−210、PVA−217、P
VA−220、PVA−224、PVA−217EE、
PVA−217E、PVA−220E、PVA−224
E、PVA−405、PVA−420、PVA−61
3、L−8等が挙げられる。 【0238】保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使
用)、塗布量等は、低分子物質遮断性・現像除去性の
他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。
一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層
中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚
が厚い程低分子物質遮断性が高くなり、感度の点で有利
である。しかしながら、極端に低分子物質遮断性を高め
ると、製造時、生保存時に不要な重合反応が生じたり、
また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じた
りという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐
傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性
ポリマーからなる親水性の層を親油性の重合層に積層す
ると、接着力不足による膜剥離が発生しやすい。これに
対し、これら2層間の接着性を改良すべく種々の提案が
なされている。例えば米国特許第292501号、米国
特許第44563号には、主にポリビニルアルコールか
らなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンま
たは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重
合体などを20〜60重量%混合し、重合層の上に積層
することにより、十分な接着性が得られることが記載さ
れている。本発明における保護層に対しては、これらの
公知の技術をいずれも適用することができる。このよう
な保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,
458,311号、特開昭55−49729号に詳しく
記載されている。 【0239】さらに保護層には他の機能を付与すること
もできる。例えば、光源としてレーザー光を使用する場
合、感光性組成物としてはその光源波長での感光性には
優れるが、他の波長では感光してほしくない場合があ
る。例えば、光源が750nm以上の赤外領域のもので
あれば、実質上明室で使用することができるが、実際に
は蛍光灯の光など短波の光でも感光する場合がある。そ
の場合には、光源の光透過性に優れ、かつ700nm未
満の波長光を効率良く吸収しうる着色剤(水溶性染料
等)の添加が好ましい。また、別の例として光源が45
0nm以下の紫外領域のものであれば、実質上セーフラ
イト下で使用することができる。しかし実際には、50
0nm以上の可視光により感光する場合がある。その場
合には、光源の光透過性に優れ、かつ500nm以上の
光を効率良く吸収しうる、着色剤(水溶性染料等)の添
加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適
性をさらに高めることができる。 【0240】本発明の光重合性平版印刷版は、通常、画
像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、
画像を得る。本発明の光重合性平版印刷版に使用する好
ましい現像液としては、特公昭57−7427号に記載
されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン
酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸ア
ンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエ
タノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような
有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアル
カリ溶液の濃度が0.1〜10重量%、好ましくは0.
5〜5重量%になるように添加される。 【0241】また、このようなアルカリ性水溶液には、
必要に応じて界面活性剤やべンジルアルコール、2−フ
ェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような
有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第
3375171号および同第3615480号に記載さ
れているものを挙げることができる。 【0242】さらに、特開昭50−26601号、同5
8−54341号、特公昭56−39464号、同56
−42860号の各公報に記載されている現像液も優れ
ている。 【0243】その他、本発明の光重合性平版印刷版の製
版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露
光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。このよ
うな加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、
感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利点が生
じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的とし
て、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露
光を行うことも有効である。通常現像前の加熱は150
℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。温度が高す
ぎると、非画像部までがかぶってしまう等の問題を生じ
る。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常
は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な
画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣
化、画像部の熱分解といった問題を生じる。本発明によ
る走査露光平版印刷版の露光方法は、公知の方法を制限
なく用いることができる。光源としてはレーザが好まし
く。例えば、350〜450nmの波長の入手可能なレー
ザー光源としては以下のものを利用することができる。 【0244】ガスレーザーとして、Arイオンレーザー
(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレ
ーザー(356nm,351nm,10mW〜1W)、He−
Cdレーザー(441nm,325nm,1mW〜100m
W)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)と
SHG結晶×2回の組み合わせ(355mm、5mW〜1
W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(4
30nm,10mW)、半導体レーザー系として、KNbO
3、リング共振器(430nm,30mW)、導波型波長変
換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わ
せ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型
波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の
組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、
AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)
その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337n
m、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パ
ルス10〜250mJ) 【0245】特にこの中でAlGaInN半導体レーザ
ー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410n
m、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。 【0246】その他、450nm〜700nmの入手可
能な光源としてはAr+レーザ−(488nm)、YAG
−SHGレーザー(532nm)、He−Neレーザー
(633nm)、He―Cdレーザー、赤色半導体レー
ザー(650〜690nm)、及び700nm〜120
0nmの入手可能な光源としては半導体レーザ(800
〜850nm)、Nd−YAGレーザ(1064nm)
が好適に利用できる。 【0247】その他、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水
銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン
灯、メタルハライド灯、紫外のレーザランプ(ArFエ
キシマレーザー、KrFエキシマレーザーなど)、放射
線としては電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線など
も利用できるが、安価な点で上述の350nm以上のレ
ーザー光源が特に好ましい。 【0248】また、露光機構は内面ドラム方式、外面ド
ラム方式、フラットベッド方式等のいずれでもよい。ま
た本発明の感光層成分は高い水溶性のものを使用するこ
とで、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもでき
るが、このような構成の平版印刷版は印刷機上に装填
後、機上で露光-現像といった方式を行うこともでき
る。 【0249】 【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0250】<本発明において、中間層に用いられる、
光架橋性基とスルホン酸基またはその塩基を有する高分
子化合物の合成> <合成例1>メタクリル酸アリル(26.3g)、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(8.
55g)、および2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)(0.62g)をプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル(266g)と水(53g)の
混合溶媒に溶かした溶液を、窒素気流下、70℃でプロ
ピレングリコールモノエチルエーテル(266g)と水
(53g)の混合系中に2.5時間かけて滴下した。滴
下終了後、さらに70℃で2時間攪拌した。放冷した
後、沈殿、ろ別、乾燥することによりポリマーP−1
(25.9g)を得た。GPC測定により得られたこの
ポリマーP−1の重量平均分子量は、ポリスチレン換算
で36万、酸価は0.7meq/gであった。 【0251】<合成例2>2−ヒドロキシエチルメタク
リル酸メチル(10.7g)、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸(8.81g)、メタクリ
ル酸メチル(8.26g)、および2,2‘−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)(0.62g)を
プロピレングリコールモノエチルエーテル(77g)と
水(16g)の混合系中に2.5時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに70℃で2時間攪拌した。さらに放
冷した後、沈殿、ろ別、乾燥することによりポリマーP
−2(24.5g)を得た。GPC測定により得られた
このポリマーP−2の重量平均分子量は、ポリスチレン
換算で6.9万、酸価は1.3meq/gであった。 【0252】<合成例3>合成例2で得られたポリマー
P−2(5.00g)のテトラヒドロフラン(15g)
溶液に、アクリル酸クロライド(2.84g)、ピリジ
ン(2.73g)、ジメチルアミノピリジン(1.22
g)のアセトン(10ml)溶液を氷冷下で加えた。室
温に戻し24時間攪拌した。反応後、水20mlを加
え、さらに24時間攪拌した。沈殿、ろ別、乾燥するこ
とによりポリマーP−3(5.80g)を得た。GPC
測定により得られたこのポリマーP−3の重量平均分子
量は、ポリスチレン換算で8.1万、酸価は1.1me
q/gであった。 【0253】<合成例4>合成例2で得られたポリマー
P−2(5.00g)のテトラヒドロフラン(15g)
溶液に、メタクリル酸クロライド(3.28g)、ピリ
ジン(2.73g)、ジメチルアミノピリジン(1.2
2g)のアセトン(10ml)溶液を氷冷下で加えた。
室温に戻し24時間攪拌した。反応後、水20mlを加
え、さらに24時間攪拌した。次いで沈殿、ろ別、乾燥
することによりポリマーP−4(6.02g)を得た。
GPC測定により得られたこのポリマーP−4の重量平
均分子量は、ポリスチレン換算で8.4万、酸価は1.
1meq/gであった。 【0254】<合成例5>合成例2で得られたポリマー
P−2(5.00g)のテトラヒドロフラン(15g)
溶液に、2−アセトキシメチルアクリル酸クロライド
(5.10g)、ピリジン(2.73g)、ジメチルア
ミノピリジン(1.22g)のアセトン(10ml)溶
液を氷冷下で加えた。次いで室温に戻し24時間攪拌し
た。反応後、水20mlを加え、さらに24時間攪拌し
た。沈殿、ろ別、乾燥することによりポリマーP−5
(6.89g)を得た。GPC測定により得られたこの
ポリマーP−5の重量平均分子量は、ポリスチレン換算
で9.6万、酸価は0.96meq/gであった。 【0255】<合成例6>合成例2で得られたポリマー
P−2(5.00g)のテトラヒドロフラン(15g)
溶液に、下式Aのカルボン酸クロライド(4.63
g)、ピリジン(2.73g)、ジメチルアミノピリジ
ン(1.22g)のアセトン(10ml)溶液を氷冷下
で加えた。次いで室温に戻し24時間攪拌した。反応
後、水20mlを加え、さらに24時間攪拌した。沈
殿、ろ別、乾燥することによりポリマーP−6(6.6
5g)を得た。GPC測定により得られたこのポリマー
P−6の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で9.3
万、酸価は0.99meq/gであった。 【0256】<合成例7>合成例2で得られたポリマー
P−2(5.00g)のテトラヒドロフラン(15g)
溶液に、下式Bのカルボン酸クロライド(5.07
g)、ピリジン(2.73g)、ジメチルアミノピリジ
ン(1.22g)のアセトン(10ml)溶液を氷冷下
で加えた。室温に戻し24時間攪拌した。反応後、水2
0mlを加え、さらに24時間攪拌した。沈殿、ろ別、
乾燥することによりポリマーP−7(6.90g)を得
た。GPC測定により得られたこのポリマーP−7の重
量平均分子量は、ポリスチレン換算で9.6万、酸価は
0.96meq/gであった。 【0257】<合成例8>合成例2で得られたポリマー
P−2(5.00g)のテトラヒドロフラン(15g)
溶液に、下式Cのカルボン酸クロライド(6.90
g)、ピリジン(2.73g)、ジメチルアミノピリジ
ン(1.22g)のアセトン(10ml)溶液を氷冷下
で加えた。次いで室温に戻し24時間攪拌した。反応
後、水20mlを加え、さらに24時間攪拌した。沈
殿、ろ別、乾燥することによりポリマーP−8(7.8
1g)を得た。GPC測定により得られたこのポリマー
P−8の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で11
万、酸価は0.85meq/gであった。 【0258】 【化80】 【0259】<光重合性平版印刷版の実施例1> (支持体の調製)厚さ0.3mmのアルミニウム板を10
重量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエ
ッチングした後、流水で水洗後20重量%硝酸で中和洗
浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を
用いて1重量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2
陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1
重量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬
後30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒
間デスマット処理した後、20重量%硫酸水溶液中、電
流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.
7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表
面粗さを測定したところ、0.3μm(JIS B06
01によるRa表示)であった。 【0260】このように処理された基板の裏面に下記の
ゾル−ゲル反応液をバーコーターで塗布し100℃で1
分間乾燥し、乾燥後の塗布量が70mg/m2のバックコー
ト層を設けた支持体を作成した。 【0261】 ゾル−ゲル反応液 テトラエチルシリケート 50重量部 水 20重量部 メタノール 15重量部 リン酸 0.05重量部 【0262】上記成分を混合、撹拌すると約5分で発熱
が開始した。60分間反応させた後以下に示す液を加え
ることによりバックコート塗布液を調製した。 【0263】 ピロガロールホルムアルデヒド縮合樹脂(分子量2000) 4重量部 ジメチルフタレート 5重量部 フッ素系界面活性剤(N−ブチルペルフルオロオクタン 0.7重量部 スルホンアミドエチルアクリレート/ポリオキシエチレン アクリレート共重合体:分子量2万) メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製、メタノール30重量%) 50重量部 メタノール 800重量部 【0264】(中間層の調製)上記のように処理された
アルミニウム板上に、上記の合成したポリマーP−1
を、水/メタノール=5g/95gに溶解した液を塗布
し、80℃、30秒乾燥し中間層を形成した。この中間
層の厚みは3mg/m2であった。この上に、下記組成
の高感度光重合性組成物を乾燥塗布量が1.5g/m2
となるように塗布し、100℃で1分乾燥させ感光層を
形成させた。 【0265】 (感光層形成溶液) 下表Aの重合性化合物[R] 1.5g 下表Aの光重合開始剤[S] 0.2g 下表Aの増感色素[T] 0.1g 高分子バインダー[U] 2.0g フッ素系界面活性剤 (メカ゛ファックF-177:大日本インキ化学工業(株)製) 0.03g 熱重合禁止剤 N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミシアルミニウム塩 0.01g 顔料分散物 2.0g 顔料分散物の組成 組成:Pigment Blue 15:6 15重量部 アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10重量部 (共重合モル比83/17) シクロヘキサノン 15重量部 メトキシプロピルアセテート 20重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 40重量部 メチルエチルケトン 20g プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g 【0266】<実施例2〜7>実施例1の中間層におけ
るポリマーP−1の変わりにポリマーP−3〜P−8を
用いた以外は同様にして感光層を形成した。 <比較例1>実施例1の中間層におけるポリマーP−1
の変わりにメチルメタクリレート/エチルアクリレート
/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
ナトリウム共重合体P−9(60/25/15モル比、
分子量Mn=3万)を用いた以外は同様にして感光層を
形成した。 <比較例2>実施例1の中間層の塗布を行わず、支持体
上に直接高感度光重合性組成物を塗布して感光層を形成
した。 【0267】(保護層の調整)上述の感光層上にポリビ
ニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)
の3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2g/m2となる
ように塗布し、100で2分間乾燥した。 【0268】(感度の評価)このように得られた版材
は、400nmの半導体レーザーを用い大気中で露光し
た。下記組成の現像液に25℃、10秒間浸漬し、現像
を行い、画像ができるその最小露光量からの露光条件で
の感度をmJ/cm2単位で算出した。この数値が小さい方が
高感度である。結果を下表−Bに示す。 【0269】 (現像液の組成) DP−4(富士写真フイルム社製) 65.0g 水 880.0g リポミンLA(20%水溶液、ライオン(株)社製) 50.0g 【0270】(保存安定性の評価)レーザ露光前の上記
版材を高温条件下(60℃)に3日間放置し、その後こ
の保存後の版材を前記と同様にレーザ露光し記録に必要
なエネルギー量を算出し、高湿保存前後のエネルギー比
(高温保存後のエネルギー/高温保存前のエネルギー)
を求めた。このエネルギー比が1.1以下であることが
製造上好ましく保存安定性においても良好といえる。こ
の評価結果も下表−Bに示す。 (耐刷性の評価)耐刷性は、マン・ローランド社製R2
01型印刷機で、大日本インキ社製GEOS G墨
(N)を使用して印刷し、3%の網点が版飛びを起こし
た印刷枚数を評価した。 【0271】 【表18】【0272】 【表19】 【0273】 【化81】【0274】 【化82】【0275】 【化83】【0276】表−Bより、本発明の光重合性平版印刷版
は、感度、耐刷性を維持しながら、保存安定性も良好で
ある。 【0277】 【発明の効果】本発明の光重合性平版印刷版は、中間層
に光架橋性基とスルホン酸基およびその共役塩基基から
選ばれる少なくともいずれかの基を有する高分子化合物
を含有することにより、高感度・高耐刷性を維持しなが
ら優れた保存安定性を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 國田 一人 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA04 AA12 AC01 AC08 AD01 BC32 BC42 CA14 CA39 CB04 CB13 CB15 CB43 CB52 DA40 FA03 FA17 2H096 AA07 AA08 BA05 BA20 CA05 EA02 EA04 GA08

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に、中間層、光重合性感光層が
    順次積層された光重合性平版印刷版であって、該中間層
    中に、光架橋性基とスルホン酸基およびその共役塩基基
    から選ばれる少なくともいずれかの基を有する高分子化
    合物を含有することを特徴とする光重合性平版印刷版。
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