JP2003042998A - 水素吸蔵放出特性測定方法及びその装置 - Google Patents

水素吸蔵放出特性測定方法及びその装置

Info

Publication number
JP2003042998A
JP2003042998A JP2001226217A JP2001226217A JP2003042998A JP 2003042998 A JP2003042998 A JP 2003042998A JP 2001226217 A JP2001226217 A JP 2001226217A JP 2001226217 A JP2001226217 A JP 2001226217A JP 2003042998 A JP2003042998 A JP 2003042998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
electrode
electrolyte
measured
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001226217A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4660995B2 (ja
Inventor
Shu Yamaguchi
周 山口
Hiroshi Yugawa
宏 湯川
Hideo Kimura
秀雄 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamari Industries Ltd
Original Assignee
Yamari Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamari Industries Ltd filed Critical Yamari Industries Ltd
Priority to JP2001226217A priority Critical patent/JP4660995B2/ja
Publication of JP2003042998A publication Critical patent/JP2003042998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4660995B2 publication Critical patent/JP4660995B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジーベルツ装置のような従来例の装置に比べ
て、水素の吸蔵を定量的に正確に行なえるとともに、低
圧の平衡水素圧の測定が可能な、信頼性の高い水素吸蔵
放出特性測定装置を提供しようとするものである。 【構成】 電解質を保有しこの電解質を所定の温度に保
持する容器と、パラジウムを主素材として形成された試
料極、対極、及び参照極と、温度測定手段、水素吸蔵・
放出量算出手段、及び平衡水素圧算出手段とで構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水素吸蔵放出特
性測定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、石炭や石油といった化石燃料がエ
ネルギー供給源の大半を占めている。しかし、化石燃料
の使用は、二酸化炭素の大量排出による地球規模の環境
問題をひきおこしており、クリーンなエネルギーが求め
られている。そこで、水の主成分として、地球上にほぼ
無尽蔵に存在し、且つ、燃焼して再び水に戻る無公害性
を備えた水素が新たなエネルギー源として注目されてい
る。この水素をエネルギー源として用いる方法として、
燃料電池や、2次電池等があるが、これらに使用される
水素吸蔵合金が脚光を浴びており、この水素吸蔵合金の
水素吸蔵、放出特性を測定する方法や装置が重要視され
ている。水素吸蔵合金の水素の吸蔵特性としては、1次
水素化物の形成により水素が吸蔵される、平衡水素圧が
低圧の水素吸蔵状態と、2次水素化物の形成により水素
が吸蔵される、平衡水素圧が高圧の水素吸蔵状態とが知
られている。実際に、産業用に利用されているのは、2
次水素化物の形成により水素が吸蔵される、平衡水素圧
が高圧の水素吸蔵状態であり、この高圧の平衡水素圧の
測定方法としては、従来からジーベルツ(Sieverts)法が
用いられており、この方法に基づいて測定するジーベル
ツ装置が使用されている。この場合の、水素吸蔵合金の
特性を測定するための水素吸蔵合金への水素吸蔵方法と
しては、高圧の水素気体を用いる方法が用いられてい
る。また、平衡水素圧の測定方法として、適当な参照電
極とアルカリ電解液を用いた電気化学的な方法も用いら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近になっ
て、燃料電池や、2次電池等の高性能化のために、より
高性能な水素吸蔵合金が求められ、このため1次水素化
物の形成により水素吸蔵がなされる、平衡水素圧が低圧
の水素吸蔵状態を見直す動きが出てきている。このた
め、低圧の平衡水素圧の測定方法が特に注目されている
が、ジーベルツ装置を用いた測定では、水素吸蔵合金か
ら放出される水素量を圧力計の圧力変動値で検出してい
るため、低圧の水素放出圧力の測定が困難であった。こ
の圧力変動値の測定は、実際には試料を高真空下に置
き、試料からの水素放出による真空圧力計の指示値の上
昇分を測定値とするものである。そこで、装置における
微少なリークや、水分等の装置の内壁に吸着した成分の
気化によるガスの発生等が考えられることから、その真
空圧力計の上昇分が全て放出水素によるものと言えるの
か等、ジーベルツ装置を用いた測定の信頼性について疑
問視する声があった。また、上述した電気化学的な方法
の場合は、平衡水素圧を求めるのに、電解液の種類や参
照電極の種類に依存する熱力学的な諸データを用いて煩
雑な計算を行なう必要があった。また、この測定方法で
は、水素吸蔵合金そのものを電極としているため、ニッ
ケルなどの触媒活性な元素を含む飼料しか測定すること
ができないと言う欠点があった。さらに、この試料をそ
のまま電解液中に浸漬するため、試料が直接電解液と接
触して酸化反応や腐食反応が生じる可能性があり、測定
の信頼性を疑問視する声もあった。そこでこの発明は、
このような問題点を解決するためになされたものであっ
て、水素の吸蔵を定量的に正確に行なえるとともに、低
圧の平衡水素圧の測定が可能な、信頼性の高い水素吸蔵
放出特性測定方法及びその装置を提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本出願人は、特開200
0−275209号において、気体、液体、あるいは、
固体中に含まれる水素濃度測定に用いる水素センサを提
案している。この水素センサは、高温、高圧の過酷な環
境下における水素圧の測定を可能とした点にその特徴を
有するが、低圧の水素圧の測定ももちろん可能である。
また、この水素センサには、水素のみ選択透過させる性
質を有するパラジウムが用いられているが、本出願人
は、上述の電量滴定において、このパラジウムを用いて
水素吸蔵合金等の被測定物質と電解質とを隔離すること
により、安定した電量滴定を行なうことが可能となるこ
とに気付いた。本発明は、この電量滴定と水素センサに
用いられている濃淡電池の原理を応用して水素吸蔵放出
特性を測定しようとするものである。
【0005】本発明の水素吸蔵放出特性測定方法は、容
器内に保有され所定の温度に保たれている電解質と、こ
の電解質中に浸漬された、試料極、対極、及び、参照極
を主要素として用いる測定方法である。前記試料極は、
パラジウムを主素材として形成され、前記電解質中に浸
漬されたカプセルで、その内部に所定量の被測定物質が
充填されて密封され、このカプセルを通して前記被測定
物質中へあるいは前記被測定物質中から水素を選択透過
させる機能を有する。前記対極は、パラジウムを主素材
として形成され、前記電解質中に浸漬された一端閉管
で、他端からこの一端閉管の内部空間内に水素含有ガス
が供給される。前記参照極は、パラジウムを主素材とし
て形成され、前記電解質中に浸漬された一端閉管で、他
端からこの一端閉管の内部空間内に参照電位を規定する
所定の水素濃度ガスが供給されるとともに、前記電解質
を介して前記試料極と濃淡電池を形成する。そして、前
記試料極と前記対極との間に電流を流し、この電流の電
解チャージにより、前記電解質を介して、前記対極から
前記被測定物質中へ水素を吸蔵させ、あるいは前記被測
定物質中から前記対極へ水素を放出させる。このときの
前記電流の電流値と通電時間とから、ファラデーの法則
により前記被測定物質の水素の吸蔵量あるいは放出量を
求める。また同時に、前記試料極と前記参照極との間に
生じる起電力から、ネルンストの関係式により前記被測
定物質中の平衡水素圧を求める。本発明の水素吸蔵放出
特性測定方法は、このようにして水素の吸蔵量あるいは
放出量と平衡水素圧を求めることを特徴としている。
【0006】上記の水素吸蔵放出特性測定方法は、パラ
ジウムを用いて水素吸蔵合金等の被測定物質と電解質と
を隔離しているので、被測定物質と電解質とが反応する
のを防止でき、安定した電量滴定に基づく定量的で正確
な測定を行なうことができる。また、平衡水素圧の測定
に濃淡電池の原理を用いているので、低圧の平衡水素圧
の測定を行なうことができる。
【0007】また、本発明の水素吸蔵放出特性測定装置
は、電解質を保有し、この電解質を所定の温度に保持す
る容器と、それぞれ上記で説明した、試料極、対極、及
び、参照極を備えている。また、これらに加えて、前記
電解質の温度を測定する温度測定手段、水素吸蔵・放出
量算出手段、及び、平衡水素圧算出手段を備えている。
前記水素吸蔵・放出量算出手段は、前記試料極と前記対
極との間に電流を流し、この電流の電解チャージによ
り、前記電解質を介して、前記対極から前記被測定物質
中へ水素を吸蔵させ、あるいは前記被測定物質中から前
記対極へ水素を放出させるとともに、前記電流の電流値
と通電時間とから、ファラデーの法則により前記被測定
物質の水素の吸蔵量あるいは放出量を求める手段であ
る。また、平衡水素圧算出手段は、前記資料極と前記参
照極との間に生じる起電力を測定して、ネルンストの関
係式により前記被測定物質中の平衡水素圧を求める手段
である。本発明の水素吸蔵放出特性測定装置は、これら
の手段を少なくとも備えることを特徴としている。
【0008】上記の水素吸蔵放出特性測定装置によれ
ば、上述の水素吸蔵放出特性測定方法と同様の効果が得
られる。
【0009】前記試料極と前記対極との間に電流を流す
ため、あるいは、前記試料極と前記参照極との間に生じ
る起電力を測定するために、前記試料極、前記対極、及
び、前記参照極にリード線を接続する必要がある。この
リード線と各電極との接合部分で発生する熱起電力を抑
制するために、このリード線の素材を白金とすることが
好ましい。
【0010】前記水素含有ガスを前記対極に供給する方
法として、前記電解質中に挿入したガラス製で同軸の二
重パイプの外筒の一端を前記対極の前記他端に結合し
て、前記外筒と前記対極との内部空間を連通させると共
に、前記二重パイプの内筒の一端側を前記対極の内部空
間内に突出させて、前記内筒と前記対極との内部空間を
連通させる。そして、前記内筒の他端から前記水素含有
ガスを注入し、前記外筒の他端からこの水素含有ガスを
排出させるようにするのが好ましい。
【0011】また、前記所定の水素濃度ガスを前記参照
極に供給する方法として、前記電解質中に挿入したガラ
ス製で同軸の二重パイプの外筒の一端を前記参照極の前
記他端に結合して、前記外筒と前記参照極との内部空間
を連通させると共に、前記二重パイプの内筒の一端側を
前記参照極の内部空間内に突出させて、前記内筒と前記
参照極との内部空間を連通させる。そして、前記内筒の
他端から前記所定の水素濃度ガスを注入し、前記外筒の
他端からこの前記所定の水素濃度ガスを排出させるよう
にするのが好ましい。
【0012】前記試料極は前記電解質中に浸漬されるの
で、それに接続される前記リード線は、前記電解質に直
接触れる。そこで、このリード線及びこのリード線と前
記試料極との接続部が、電解質に直接接触することによ
り生じる相互作用を抑制するため、このリード線及びこ
のリード線と前記試料極との接続部を四フッ化エチレン
樹脂で被覆することが好ましい。
【0013】上記の水素吸蔵放出特性測定装置で使用す
る前記電解質をリン酸とすることが推奨される。
【0014】あるいは、この電解質に水酸化ナトリウム
を使用してもよい。
【0015】また、水素吸蔵放出特性測定に悪影響を及
ぼす、前記電解質に含まれる酸素を除去するため、アル
ゴンガスを前記電解質中に注入するバブリング手段を上
記の水素吸蔵放出特性測定装置に備えることが好まし
い。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例につき、図
面に基づき詳しく説明する。図1は、本実施例の水素吸
蔵放出特性測定装置の構成を示した模式図である。図1
において、本実施例の水素吸蔵放出特性測定装置1は、
電解質3をその内部に保有しているセパラブルフラスコ
2と、このセパラブルフラスコ2内に保有されている電
解質3中に浸漬された試料極4、対極5、及び参照極6
を主な構成要素とする。セパラブルフラスコ2は、上面
が開口した本体部2aと、4つ口カバー2bとでなる。
4つ口カバー2bは、上部に4箇所の導入路付開口部3
0〜33を備えるとともに下面が開口している。この4
つ口カバー2bと本体部2aを、その双方の開口面が重
なるように接合し、その内部空間を密閉して使用する。
4つ口カバー2bの導入路付開口部30〜33は、それ
ぞれ、試料極4、対極5、参照極6及びバブリング手段
の取付口として用いられる。電解質3としては、いかな
る電解質でも使用できるが、ここでは、リン酸もしくは
水酸化ナトリウムを用いている。
【0017】試料極4は、純度99.95%のパラジウ
ム製の一端閉管カプセル11で、その外形は3.0m
m、肉厚は0.2mmである。そのカプセル11の内部
には水素吸蔵放出特性の測定対象である被測定物質12
が充填され、他端の開口部は圧着、溶接して密封され
る。このカプセル11の頂部には、白金線でなるリード
線13が溶接されており、その溶接された接続部29お
よびリード線13には、四フッ化エチレン樹脂のコーテ
ィング14が施されてセパラブルフラスコ2の外部に引
き出されている。このリード線13を、導入路付開口部
30に嵌入した封止栓34で保持することにより、試料
極4を電解質3中に浸漬保持させている。上述のよう
に、試料極4では、リード線13及びその試料極4との
接続部を、四フッ化エチレン樹脂でコーティングしてい
るので、このリード線13と電解質3との相互作用を防
止することができる。また、パラジウムを用いて被測定
物質12と電解質3とを隔離しているので、被測定物質
12と電解質3とが反応するのを防止でき、安定した測
定を行なうことができる。
【0018】対極5は、試料極4と同様、純度99.9
5%のパラジウム製の一端閉管カプセル15で、その外
形は3.0mm、肉厚は0.2mm、長さは30mmで
ある。このカプセル15の他端には、ガラス製で同軸の
二重パイプの外筒18の一端が結合されており、この外
筒18の内部空間と対極5のカプセル15の内部空間と
が連通している。また、二重パイプの内筒19の一端側
がカプセル15の内部空間内に突出しており、内筒19
の内部空間と対極5の内部空間が連通している。またカ
プセル15の内側には白金線でなるリード線17が溶接
されており、このリード線17は、二重パイプの外筒1
8の内部を通ってセパラブルフラスコ2の外部に引き出
されている。また、セパラブルフラスコ2の外部に出て
いる二重パイプの内筒19の他端から、水素含有ガスの
1種である1.01%水素−アルゴンガス16を矢印5
1の方向に注入し、このガス16を二重パイプの外筒1
8の他端から矢印52の方向に排出する。この二重パイ
プを導入路付開口部31に嵌入した封止栓35で保持す
ることにより、対極5を電解質3中に浸漬保持させてい
る。上述のように、対極5では、水素含有ガスを対極5
の内部に供給するのに、外筒18と内筒19でなる二重
パイプを使用しているので、水素含有ガスの供給、排出
をスムースに行なうことができ、しかも狭い導入路付開
口部31における水素供給、排出パイプ取付スペースを
少なくすることができる。
【0019】参照極6も、対極5と同様、純度99.9
5%のパラジウム製の一端閉管カプセル20で、その外
形は3.0mm、肉厚は0.2mm、長さは30mmで
ある。但し、参照極6の外表面と電解質3との接触面積
を制限するため、カプセル20の上部が四フッ化エチレ
ン樹脂製のカバー25で覆われており、電解質3と接触
するカプセル20の長さは、5mmである。このカプセ
ル20の他端には、ガラス製で同軸の二重パイプの外筒
23の一端が結合されており、この外筒23の内部空間
と参照極6のカプセル20の内部空間とが連通してい
る。また、二重パイプの内筒24の一端側がカプセル2
0の内部空間内に突出しており、内筒24の内部空間と
参照極6の内部空間が連通している。またカプセル20
の内側には白金線でなるリード線22が溶接されてお
り、このリード線22は、二重パイプの外筒23の内部
を通ってセパラブルフラスコ2の外部に引き出されてい
る。また、セパラブルフラスコ2の外部に出ている二重
パイプの内筒24の他端から、水素濃度が1.01%で
ある1.01%水素−アルゴンガス21を注入し、この
ガス21を二重パイプの外筒23の他端から排出する。
この二重パイプを導入路付開口部32に嵌入した封止栓
36で保持することにより、参照極6を電解質3中に浸
漬保持させている。上述のように、参照極でも対極5と
同様、1.01%水素濃度ガスを参照極6の内部に供給
するのに、外筒23と内筒24でなる二重パイプを使用
しているので、この1.01%水素濃度ガスの供給、排
出をスムースに行なうことができ、しかも狭い導入路付
開口部32における水素供給、排出パイプ取付スペース
を少なくすることができる。
【0020】上述した試料極4、対極5、及び参照極6
では、これらの電極から引き出されるリード線13、リ
ード線17及びリード線22として、上述の通り白金線
を用いている。そのため、本実施例の測定装置を用いて
行なう、後述する水素吸蔵放出特性の測定の際、試料極
4と対極5との間、あるいは、試料極4と参照極6との
間で、電極とリード線との各接合部における温度に多少
の差異がある場合でも、各電極の素材であるパラジウム
とリード線の素材である白金とは、その熱電能が非常に
接近しているので、これらの接合部間に生じる熱起電力
を抑制することができる。
【0021】また、水素吸蔵放出特性測定に悪影響を及
ぼす電解質3の溶存酸素を除去するため、バブリング手
段として、アルゴンガス供給パイプ26により、アルゴ
ンガス28を矢印55の方向に注入して電解質3中に放
出し、アルゴンガス排出パイプ27により矢印56の方
向に排出する。このアルゴンガス供給パイプ26および
アルゴンガス排出パイプ27を、導入路付開口部33に
嵌入した封止栓37で保持している。尚、図示されてい
ないが、セパラブルフラスコ2の保有する電解質3の温
度を、所定の一定温度に保つ温調器が、セパラブルフラ
スコ2の外部に設けられており、また、電解質3の温度
を測定する抵抗温度計等の測温器も設けられている。
【0022】上記の水素吸蔵放出特性測定装置に用いら
れている、試料極4、対極5、及び、参照極6の各カプ
セルは、パラジウムで形成されている。このパラジウム
は、前述のとおり、水素のみを選択透過する水素選択透
過性を有している。従って、各カプセルは水素に対する
透過膜として働くパラジウム製の隔膜(Pd膜)という
ことができる。
【0023】次に、上記の水素吸蔵放出特性測定装置を
用いて、水素吸蔵放出特性を測定する方法について説明
する。この測定方法は、まず、所定の温度下で、被測定
物質の所定の水素と金属の原子数比に相当する量の水素
を、所定量の被測定物質に吸蔵または放出させる。そし
て、この水素の吸蔵または放出が完了した時点で、被測
定物質中の平衡水素圧を求める。この作業を、予め設定
した水素と金属の原子数比毎に行ない、これらのデータ
を基にして、被測定物質のPCT(圧力−組成−温度)
曲線を求めるものである。このPCT曲線が求められれ
ば、被測定物質の水素吸蔵放出特性を知ることができ
る。
【0024】図1において、上述したように、試料極4
のパラジウム製のカプセル11は、水素吸蔵放出特性の
測定対象である水素吸蔵合金等の被測定物質12を所定
量充填している。この被測定物質12をカプセル11に
充填した際、被測定物質12の測定開始時の吸蔵水素量
を0にするために、測定の直前に密封されたカプセル1
1に対する真空脱気を行なう。また、被測定物質12に
吸蔵させる水素を、対極5に供給する必要があり、本実
施例では上述の通り、対極5のパラジウム製のカプセル
15内に、水素含有ガスの1種である1.01%水素−
アルゴンガス16を供給している。同時に、試料極4に
接続されたリード線13と対極5に接続されたリード線
17との間に電流測定器付定電流電源41を接続して、
試料極4と対極5との間に所定の電流を流す。すると、
電流の電解チャージにより、電解質3を介して、被測定
物質12へ水素を吸蔵させ、あるいは被測定物質12か
ら水素を放出させる電量滴定を行なうことができる。い
ずれが生じるかは、電流測定器付定電流電源41により
供給される電流の流れる方向によって定まる。水素を吸
蔵させるには、対極5から試料極4へ電量を流してカソ
ード電解し、水素を放出させるには、試料極4から対極
5へ電量を流してアノード電解する。
【0025】上述の通り、水素を被測定物質12に吸蔵
させる場合は、対極5から試料極4へ電流を流して、カ
ソード電解する。すると、対極5中の水素分子が対極5
のパラジウム製のカプセル15を透過して、このカプセ
ル15と電解質3との界面で電解して水素イオンとな
る。そして、この水素イオンが電解質3中を試料極4に
移動し、試料極4のパラジウム製のカプセル11と電解
質3との界面で水素分子となり、パラジウム製のカプセ
ル11を透過して被測定物質12中へ拡散する。この場
合の被測定物質12の吸蔵した水素の量は、ファラデー
の法則により、対極5から試料極4へ供給した電気量、
即ち、対極5から試料極4へ流した電流の電流値と通電
時間とから、次式で求められる。 Δ(H/M)=(i・t/F)(1/N) ここで、Δ(H/M):被測定物質12の水素と金属の
原子数比の変化分、i:電流値(A)、t:通電時間
(s)、F:ファラデー定数、N:被測定物質12のモ
ル数である。
【0026】被測定物質12の水素と金属の原子数比
は、被測定物質12の量と吸蔵される水素の量とで定ま
るが、被測定物質12の量は予めわかっている。そうす
ると、水素を吸蔵させる場合、被測定物質12が所定の
水素と金属の原子数比となるようにするために、被測定
物質12に供給すべき水素の量は、対極5から試料極4
へ流す電流の電流値と通電時間とで定めることができ
る。そこで、このようにして定めた所定の通電時間だけ
所定の電流値の電流を流すことにより、所定の水素と金
属の原子数比となる水素の量を、被測定物質12に供
給、吸蔵させることができる。図3は、この場合の通電
時間と被測定物質12の水素と金属の原子数比との関係
を示した、水素と金属の原子数比−水素供給累積時間特
性のグラフである。水素供給累積時間とは、上記の通電
時間のことである。但し、所定の水素と金属の原子数比
の水素を供給、吸蔵させた後、さらにそれより多い水素
と金属の原子数比の水素を供給、吸蔵させる場合は、さ
らに追加して供給、吸蔵させるべき水素量に相当する通
電時間だけ電流を流せばよいが、この場合、水素と金属
の原子数比は、追加して供給、吸蔵させる前の水素と金
属の原子数比に増加分の水素と金属の原子数比を加えた
ものとなり、水素供給累積時間は、追加して供給、吸蔵
させる前の通電時間に、追加した通電時間を加えたもの
となる。例えば、最初の水素供給、吸蔵として水素と金
属の原子数比0.05とするために1mAの電流を20
分通電した後、2回目の水素供給、吸蔵として水素と金
属の原子数比0.05増加させるために1mAの電流を
20分通電した場合、最初の水素と金属の原子数比は
0.05、水素供給累積時間は20分、2回目の水素と
金属の原子数比は0.10、水素供給累積時間は40分
となる。この水素供給、吸蔵方法は、水素の吸蔵量を対
極5と試料極4との間に流す電流の電流値と通電時間と
で正確に制御できることから、正確かつ定量的な測定を
行なうことができる。
【0027】ところで、水素を吸蔵させる場合、実際に
は、被測定物質12が充填されている試料極4のカプセ
ル11の電解質3との接触界面へ、水素を供給してか
ら、被測定物質12中にこの水素が拡散して吸蔵される
までに時間を要する。図2は、この状況を示したグラフ
である。図2において、横軸は時間、縦軸は試料極4の
カプセル11と電解質3との界面の水素圧である。通電
を開始してから時間がtaとなるまでの間電流を流すと、
この間、試料極4のカプセル11の外表面の水素圧は上
昇してPmとなる。そして、電流の遮断の後は、被測定物
質12中へ水素が拡散され吸蔵される。その結果、試料
極4のカプセル11の外表面の水素圧は、電流の遮断直
後の最高値から徐々に減少し、ついには時間がtbとなっ
た時点で水素圧がPkとなり、平衡状態となる。この平衡
状態となるまでに要する時間は、被測定物質12の種類
によって異なり、パラジウムでは数十分程度であるが、
バナジウムやその合金では、数時間台となる。
【0028】そこで次に、この平衡状態における被測定
物質12の中の平衡水素圧を測定する。この測定は、前
述の特開2000−275209号で開示されている水
素センサに用いられている濃淡電池の原理を応用してい
る。この測定は、試料極4に接続されたリード線13と
参照極6に接続されたリード線22との間に、電圧測定
器42を接続して、試料極4と参照極6との間の起電力
を測定することにより行なう。この場合、試料極4と参
照極6とは、電解質3を介して濃淡電池を形成してい
る。また、参照極6に、測定の際の参照電位を規定する
参照ガスとして、所定の水素濃度ガス16を供給する必
要があり、本実施例では上述の通り、水素濃度が1.0
1%である1.01%水素−アルゴンガス21を供給し
ている。
【0029】試料極4と参照極6との間に形成される濃
淡電池の構成は、参照ガス(1.01%水素−アルゴン
ガス)|参照極(Pd膜)|電解質(リン酸塩または水
酸化ナトリウム)|試料極(Pd膜)|被測定物質、と
表わされる。この濃淡電池において、被測定物質12の
中の平衡水素圧P1は、次のネルンストの関係式で与え
られる。 E=−(RT/2F)ln(P1/P2) ここで、E:起電力(V)、R:気体定数、T:絶対温
度(°K)、F:ファラデー定数、P1:被測定物質1
2の平衡水素圧(Pa)、P2:参照ガスとしての所定の
水素濃度ガス16の平衡水素圧(Pa)である。ここで、
2は一定であるから、起電力Eと絶対温度Tを測定す
ることで被測定物質12中の平衡水素圧P 1を求めるこ
とができる。上記の起電力Eを、各水素供給累積時間毎
に測定し、このデータを上記の式に当てはめて被測定物
質12中の平衡水素圧P1を求める。図4は、このよう
にして求めた、水素吸蔵時の被測定物質12中の、平衡
水素圧−水素供給累積時間特性を示したグラフである。
この特性の測定は、試料極4と参照極6との間の起電力
を測定することにより行なわれることから、ジーベルツ
装置を用いた測定のような被測定物質から放出される水
素量を圧力計の圧力変動値で検出するような方法と異な
り、平衡水素圧が低い場合でも、正確に測定することが
できる。
【0030】上記の、被測定物質12の水素と金属の原
子数比−水素供給累積時間特性、及び、被測定物質12
中の平衡水素圧−水素供給累積時間特性は、いずれも水
素供給累積時間を伴ったデータである。そこで、この水
素供給累積時間を媒介にして、被測定物質12中の平衡
水素圧−水素と金属の原子数比特性、即ち、被測定物質
12のPCT曲線を求めることができる。図5は、この
ようにして求めた、被測定物質12のPCT曲線を表わ
したグラフである。
【0031】図6は、被測定物質をパラジウムとして、
上述した本実施例の水素吸蔵放出特性測定装置および測
定方法を用いて求めた、70℃におけるPCT曲線を示
したグラフである。電解質としては、リン酸(H3
4)及び水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用い
ている。図6において、電解質がリン酸の場合の水素
(H 2)吸蔵時の値を白三角マークで示し、水素放出時
の値を黒三角マークで示す。電解質が水酸化ナトリウム
水溶液の場合の水素吸蔵時の値を白丸マークで示し、水
素放出時の値を黒丸マークで示す。また、R.Laesserら
により行なわれた気相中の測定データで、水素吸蔵時の
値を白四角マークで示し、水素放出時の値を黒四角マー
クで示す。図6から分かる通り、本実施例の水素吸蔵放
出特性測定装置を用いて行なわれた測定結果は、R.Laes
serらにより行なわれた気相中の測定データとよく一致
しており、この測定装置および測定方法は、信頼性が高
いことを示している。また、図7は、被測定物質をバナ
ジウムとして求めた343°KにおけるPCT曲線を示
したグラフである。このようにして、さまざまな被測定
物質のPCT曲線を求めることができる。
【0032】電解質をリン酸とした場合、リン酸の濃度
が62.5%の水溶液を用いると、この水溶液は、温度
が−80℃付近でも液体状であることから、0℃〜−8
0℃の低温における水素吸蔵放出特性の測定を行なうこ
とができる。
【0033】上記の本実施例では、試料極は1個のみで
あるが、複数個とすることもできる。この場合は、複数
の被測定物質の測定を同時に行なうことができる。但
し、試料極と対極との間に接続する電流測定器付定電流
電源や、試料極と参照極との間に接続する電圧測定器を
複数個用意する必要がある。
【0034】上述した本実施例の水素吸蔵放出特性測定
装置および測定方法では、セパラブルフラスコ内の電解
質の温度を所定の温度に一定に保つために温調器により
制御したり、電解質の温度を測定したりする必要があ
る。また、試料極と対極との間に電流を流し、この電流
値を測定するとともに、試料極と参照極との間の起電力
を測定し、得られたデータを基にして、ファラデーの法
則やネルンストの関係式を用いて演算を行ない、その結
果に基づいてPCT曲線を表わすグラフを描いている。
これらの制御や測定、あるいは演算等、その過程を全て
手動で行なうこともできるが、手間がかかる上に、リア
ルタイムで結果を得ることができない。そこで、これら
を、自動的に行なう装置があれば好都合である。図8
は、このような自動測定装置の例の外観を示したもので
ある。
【0035】図8において、この自動測定装置は、測定
装置本体61、パソコン62、及びポテンショガルバノ
スタット63で構成されている。また、測定装置本体6
1内には、上述したセパラブルフラスコ2が収められて
いる。このセパラブルフラスコ2内に設置された試料
極、対極、参照極及びバブリング手段に用いられるリー
ド線や各種パイプは、セパラブルフラスコ4つ口カバー
2aを介して、接続コード及びガス配管取出口75から
取り出され、各種流量計74を介して各種ガスボンベ等
(図示されていない)に接続され、あるいは、ポテンシ
ョガルバノスタット63に接続される。温調器73はマ
ントルヒータ72を備え、セパラブルフラスコ2内の電
解質を所定の温度に加熱または冷却して一定の温度に保
つ制御を自動的に行なう。ポテンショガルバノスタット
63は、試料極と対極との間に所定の電流を流すための
電源と、この電流を測定するための電流測定回路、及
び、試料極と参照極との間の起電力を測定する電圧測定
回路を備えている。これらの回路で測定されたデータ
は、インターフェイスを介して接続されたパソコン62
に入力されて演算が行なわれ、PCT曲線がパソコン6
2のディスプレイに表示され、あるいはプリンタに出力
される。
【0036】この自動測定装置に、複数の試料極を備え
ることにより、上述したように、複数の被測定物質の測
定を同時に行なうことができる。従来の方法では、原理
的に一度にひとつの被測定物質の測定しか行なえないと
されているが、この自動測定装置を用いる方法では、原
理的に複数の被測定物質の同時測定が可能であることか
ら、信頼性が高いのみならず、コストの低い測定方法を
提供することができる。ちなみに、従来装置に比べて、
1/5〜1/10のコストで実現できるとの試算もあ
る。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の水素吸蔵放出特性測定方
法、あるいは、請求項2記載の水素吸蔵放出特性測定装
置によれば、パラジウムのカプセルを用いて被測定物質
と電解質とを隔離しているので、被測定物質と電解質と
が反応するのを防止でき、安定した測定を行なうことが
できる。また、被測定物質に対する水素の吸蔵、放出
を、対極と試料極との間に流す電流の電流値と通電時間
とで正確に制御できるので、正確かつ定量的で正確な測
定を行なうことができる。また、被測定物質中の平衡水
素圧の測定は、試料極と参照極との間の起電力を測定す
ることにより行なうので、ジーベルツ装置を用いた測定
のような被測定物質から放出される水素量を圧力計の圧
力変動値で検出するような方法と異なり、平衡水素圧が
低い場合でも、正確に測定することができる。従って、
信頼性の高い水素吸蔵放出特性の測定を行なうことがで
きる。
【0038】請求項3記載の水素吸蔵放出特性測定装置
によれば、試料極、対極、及び、参照極に接続するリー
ド線の素材を白金としているので、リード線と各電極と
の接合部分で発生する熱起電力を抑制することができ
る。
【0039】請求項4記載の水素吸蔵放出特性測定装置
によれば、水素含有ガスを対極の内部に供給するのに、
外筒と内筒でなる二重パイプを使用しているので、水素
含有ガスの供給、排出をスムースに、しかも狭い導入路
付開口部で広い場所を占有することなく行なうことがで
きる。
【0040】請求項5記載の水素吸蔵放出特性測定装置
によれば、所定の水素濃度ガスを参照極の内部に供給す
るのに、外筒と内筒でなる二重パイプを使用しているの
で、所定の水素濃度ガスの供給、排出をスムースに行な
うことができ、しかも狭い導入路付開口部における水素
供給、排出パイプ取付スペースを少なくすることができ
る。
【0041】請求項6記載の水素吸蔵放出特性測定装置
によれば、試料極に接続するリード線及びその試料極と
の接続部を四フッ化エチレン樹脂でコーティングしてい
るので、このリード線と電解質との相互作用を防止する
ことができる。
【0042】請求項8記載の水素吸蔵放出特性測定装置
によれば、アルゴンガスを電解質中にバブリングして入
るので、水素吸蔵放出特性測定に悪影響を及ぼす電解質
の溶存酸素を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の水素吸蔵放出特性測定装置の断面
図。
【図2】本実施例における水素供給、吸蔵時間と試料極
のカプセル内の水素圧との関係を示したグラフ。
【図3】本実施例における水素吸蔵時の被測定物質の水
素と金属の原子数比−水素供給累積時間特性を表わした
グラフ。
【図4】本実施例における水素吸蔵時の被測定物質中の
平衡水素圧−水素供給累積時間特性を示したグラフ。
【図5】本実施例における被測定物質のPCT曲線を示
したグラフ。
【図6】本実施例の水素吸蔵放出特性測定装置および測
定方法を用い、被測定物質をパラジウムとして求めた7
0℃におけるPCT曲線を示したグラフ。
【図7】本実施例の水素吸蔵放出特性測定装置および測
定方法を用い、被測定物質をバナジウムとして求めた3
43°KにおけるPCT曲線を示したグラフ。
【図8】本実施例の自動測定装置の例の外観を示した斜
視図。
【符号の説明】
1 水素吸蔵放出特性測定装置 2 セパラブルフラスコ 2a セパラブルフラスコ4つ口カバー 2b セパラブルフラスコ本体 3 電解質 4 試料極 5 対極 6 参照極 11 カプセル 12 被測定物質 13 試料極カプセル 14 コーティング 15 カプセル 16 水素含有ガス 17 リード線 18 二重パイプの外筒 19 二重パイプの内筒 20 カプセル 21 所定の水素濃度ガス 22 リード線 23 二重パイプの外筒 24 二重パイプの内筒 25 カバー 26 アルゴンガス供給パイプ 27 アルゴンガス排出パイプ 28 アルゴンガス 29 接続部 30〜33 導入路付開口部 34〜37 封止栓 41 電流測定器付定電流電源 42 電圧測定器 51 水素含有ガス注入方向 52 水素含有ガス排出方向 53 所定の水素濃度ガス注入方向 54 所定の水素濃度ガス排出方向 55 アルゴンガス注入方向 56 アルゴンガス排出方向 61 測定装置本体 62 パソコン 63 ポテンショガルバノスタット 72 マントルヒータ 73 温調器 74 各種流量計 75 接続コード及びガス配管取出口 76 透明カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 周 愛知県名古屋市天白区八幡山1101−1 タ ウン上八事8−209 (72)発明者 湯川 宏 愛知県名古屋市天白区原5丁目2711 (72)発明者 木村 秀雄 大阪府高槻市三島江1丁目5番24号 山里 産 業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 ZA01 5H050 BA14 CB16 GA28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に保有され所定の温度に保たれて
    いる電解質と、 パラジウムを主素材として形成され、前記電解質中に浸
    漬されたカプセルで、その内部に所定量の被測定物質が
    充填されて密封され、このカプセルを通して前記被測定
    物質中へあるいは前記被測定物質中から水素を選択透過
    させる試料極と、 パラジウムを主素材として形成され、前記電解質中に浸
    漬された一端閉管で、他端からこの一端閉管の内部空間
    内に水素含有ガスが供給される対極と、 パラジウムを主素材として形成され、前記電解質中に浸
    漬された一端閉管で、他端からこの一端閉管の内部空間
    内に参照電位を規定する所定の水素濃度ガスが供給され
    るとともに、前記電解質を介して前記試料極と濃淡電池
    を形成する参照極と、 を用いるとともに、 前記試料極と前記対極との間に電流を流し、この電流の
    電解チャージにより、前記電解質を介して、前記対極か
    ら前記被測定物質中へ水素を吸蔵させ、あるいは前記被
    測定物質中から前記対極へ水素を放出させるとともに、
    前記電流の電流値と通電時間とから、ファラデーの法則
    により前記被測定物質の水素の吸蔵量あるいは放出量を
    求め、且つ、 前記試料極と前記参照極との間に生じる起電力から、ネ
    ルンストの関係式により前記被測定物質中の平衡水素圧
    を求めてなることを特徴とする水素吸蔵放出特性測定方
    法。
  2. 【請求項2】 電解質を保有し、この電解質を所定の温
    度に保持する容器と、 パラジウムを主素材として形成され、前記電解質中に浸
    漬されたカプセルで、その内部に所定量の被測定物質が
    充填されて密封され、このカプセルを通して前記被測定
    物質中へあるいは前記被測定物質中から水素を選択透過
    させる試料極と、 パラジウムを主素材として形成され、前記電解質中に浸
    漬された一端閉管で、他端からこの一端閉管の内部空間
    内に水素含有ガスが供給される対極と、 パラジウムを主素材として形成され、前記電解質中に浸
    漬された一端閉管で、他端からこの一端閉管の内部空間
    内に参照電位を規定する所定の水素濃度ガスが供給され
    るとともに、前記電解質を介して前記試料極と濃淡電池
    を形成する参照極と、 前記温度を測定する温度測定手段と、 前記試料極と前記対極との間に電流を流し、この電流の
    電解チャージにより、前記電解質を介して、前記対極か
    ら前記被測定物質中へ水素を吸蔵させ、あるいは前記被
    測定物質中から前記対極へ水素を放出させるとともに、
    前記電流の電流値と通電時間とから、ファラデーの法則
    により前記被測定物質の水素の吸蔵量あるいは放出量を
    求める水素吸蔵・放出量算出手段と、 前記資料極と前記参照極との間に生じる起電力を測定し
    て、ネルンストの関係式により前記被測定物質中の平衡
    水素圧を求める平衡水素圧算出手段と、 で成ることを特徴とする水素吸蔵放出特性測定装置。
  3. 【請求項3】 前記試料極、前記対極、及び、前記参照
    極に接続される、前記試料極と前記対極との間の通電、
    および、前記資料極と前記参照極との間に生じる起電力
    測定に用いられるリード線の素材を、白金としてなる請
    求項2記載の水素吸蔵放出特性測定装置。
  4. 【請求項4】 前記電解質中に挿入したガラス製で同軸
    の二重パイプの外筒の一端を前記対極の前記他端に結合
    して、前記外筒と前記対極との内部空間を連通させると
    共に、前記二重パイプの内筒の一端側を前記対極の内部
    空間内に突出させて、前記内筒と前記対極との内部空間
    を連通させ、 前記内筒の他端から前記水素含有ガスを注入し、前記外
    筒の他端から排出してなる請求項2または3記載の水素
    吸蔵放出特性測定装置。
  5. 【請求項5】 前記電解質中に挿入したガラス製で同軸
    の二重パイプの外筒の一端を前記参照極の前記他端に結
    合して、前記外筒と前記参照極との内部空間を連通させ
    ると共に、前記二重パイプの内筒の一端側を前記参照極
    の内部空間内に突出させて、前記内筒と前記参照極との
    内部空間を連通させ、 前記内筒の他端から前記所定の水素濃度ガスを注入し、
    前記外筒の他端から排出してなる請求項2から4のいず
    れか1項に記載の水素吸蔵放出特性測定装置。
  6. 【請求項6】 前記試料極の前記リード線及びその前記
    試料極との接続部を四フッ化エチレン樹脂で被覆してな
    る請求項3から5のいずれか1項に記載の水素吸蔵放出
    特性測定装置。
  7. 【請求項7】 前記電解質をリン酸としてなる請求項2
    から6のいずれか1項に記載の水素吸蔵放出特性測定装
    置。
  8. 【請求項8】 前記電解質を水酸化ナトリウムとしてな
    る請求項2から6のいずれか1項に記載の水素吸蔵放出
    特性測定装置。
  9. 【請求項9】 アルゴンガスを前記電解質中に注入する
    バブリング手段を備えてなる請求項2から8のいずれか
    1項に記載の水素吸蔵放出特性測定装置。
JP2001226217A 2001-07-26 2001-07-26 水素吸蔵放出特性測定方法及びその装置 Expired - Lifetime JP4660995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001226217A JP4660995B2 (ja) 2001-07-26 2001-07-26 水素吸蔵放出特性測定方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001226217A JP4660995B2 (ja) 2001-07-26 2001-07-26 水素吸蔵放出特性測定方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003042998A true JP2003042998A (ja) 2003-02-13
JP4660995B2 JP4660995B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=19059073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001226217A Expired - Lifetime JP4660995B2 (ja) 2001-07-26 2001-07-26 水素吸蔵放出特性測定方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4660995B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008196903A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Niigata Univ 水素量センサー
JP2014157104A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 水素量測定方法
CN112363076A (zh) * 2020-10-19 2021-02-12 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七一二研究所) 一种合金储氢材料动力学测试装置及方法
CN117419980A (zh) * 2023-09-25 2024-01-19 中国石油大学(华东) 一种管道电化学充氢装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63218851A (ja) * 1986-10-27 1988-09-12 Toshiba Corp 水素吸蔵合金電極の容量評価方法
JPH06206701A (ja) * 1992-10-21 1994-07-26 Tekunoba:Kk 水素吸蔵用電解槽および水素吸蔵量測定装置
JPH0738947U (ja) * 1993-12-24 1995-07-14 三菱重工業株式会社 水素吸蔵放出特性試験装置
JPH0815117A (ja) * 1994-06-24 1996-01-19 Sanyo Electric Co Ltd 気体吸蔵特性の測定装置
JPH10282047A (ja) * 1997-03-31 1998-10-23 Sukegawa Electric Co Ltd 固体表層からの放出ガス測定方法
JP2000081404A (ja) * 1998-06-29 2000-03-21 Equos Research Co Ltd 水素量測定装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63218851A (ja) * 1986-10-27 1988-09-12 Toshiba Corp 水素吸蔵合金電極の容量評価方法
JPH06206701A (ja) * 1992-10-21 1994-07-26 Tekunoba:Kk 水素吸蔵用電解槽および水素吸蔵量測定装置
JPH0738947U (ja) * 1993-12-24 1995-07-14 三菱重工業株式会社 水素吸蔵放出特性試験装置
JPH0815117A (ja) * 1994-06-24 1996-01-19 Sanyo Electric Co Ltd 気体吸蔵特性の測定装置
JPH10282047A (ja) * 1997-03-31 1998-10-23 Sukegawa Electric Co Ltd 固体表層からの放出ガス測定方法
JP2000081404A (ja) * 1998-06-29 2000-03-21 Equos Research Co Ltd 水素量測定装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008196903A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Niigata Univ 水素量センサー
JP4538640B2 (ja) * 2007-02-09 2010-09-08 国立大学法人 新潟大学 水素量センサー
JP2014157104A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 水素量測定方法
CN112363076A (zh) * 2020-10-19 2021-02-12 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七一二研究所) 一种合金储氢材料动力学测试装置及方法
CN117419980A (zh) * 2023-09-25 2024-01-19 中国石油大学(华东) 一种管道电化学充氢装置
CN117419980B (zh) * 2023-09-25 2024-04-16 中国石油大学(华东) 一种管道电化学充氢装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4660995B2 (ja) 2011-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hersch Trace monitoring in gases using galvanic systems
CN104634837B (zh) 电化学传感器及其制备方法
Kunimatsu et al. Deuterium loading ratio and excess heat generation during electrolysis of heavy water by a palladium cathode in a closed cell using a partially immersed fuel cell anode
Nikiforov et al. Voltammetric study of one-step electrochemical methane production during water and CO2 co-electrolysis in molten CsH2PO4
JP2003042998A (ja) 水素吸蔵放出特性測定方法及びその装置
JP4538640B2 (ja) 水素量センサー
JPH0417387B2 (ja)
CN111058054A (zh) 一种用盐桥取代Nafion膜的电催化氮还原合成氨的装置及其方法
JP4217077B2 (ja) 隔膜型電極の安定化方法
JP2895020B2 (ja) 固体表層からの放出ガス測定方法
CN201803981U (zh) pH计电极传感器
JP4496195B2 (ja) 照合電極
JPH0452407B2 (ja)
CN210322877U (zh) 一种总铅水质在线自动监测仪
CN105375037B (zh) 一种固态参比电极及其制备方法
JPH09297118A (ja) 金属材質の腐食測定装置
CN211061131U (zh) 燃料电池电解质膜气密检测装置和系统
Schwing et al. Comparison of different palladium-hydrogen electrodes as pH indicators
Numata et al. Galvanostatic Double Pulse Study of O 2−/1/2 O 2 (Pt) Electrode in NaCl‐KCl Melts
JP2024064282A (ja) 水素ガス濃度センサ
Tan et al. Study on the surface reaction of LaNi5 alloy during discharge process in KOH solution
JPH0318942Y2 (ja)
JP3855010B2 (ja) 金属流体中の酸素濃度測定装置
JPS61241649A (ja) 参照電極
JP2001050933A (ja) 水素水蒸気センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4660995

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term