JP2003042976A - 放射線撮影装置 - Google Patents

放射線撮影装置

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JP2003042976A
JP2003042976A JP2001234372A JP2001234372A JP2003042976A JP 2003042976 A JP2003042976 A JP 2003042976A JP 2001234372 A JP2001234372 A JP 2001234372A JP 2001234372 A JP2001234372 A JP 2001234372A JP 2003042976 A JP2003042976 A JP 2003042976A
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radiation
fpd
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gate
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JP2001234372A
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Yasuhiro Sugawara
靖宏 菅原
Masayuki Nishiki
雅行 西木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラットパネル型X線検出器の性能を長期に
わたり維持する。 【解決手段】 フラットパネル型X線検出器(FPD)
200を備えたX線撮影装置において、制御装置300
に、FPDの全てのスイッチング素子TFT12を強制
的にオフ状態にし、およびこのオフ状態を解除するスリ
ープモード設定・解除機能を具備した。これにより、直
接X線撮影に関わっていないときには、FPDのTFT
をオフ状態に置くようにするので、TFTがオフからオ
ンに遷移するゲート電位Vthがゲート・ソース間電位Vgs
のプラス側へシフトするのを抑制し、長期にわたりFP
Dの性能を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常フラットパネ
ル型放射線検出器と呼ばれている放射線検出器を備え
た、医療用あるいは工業用として好適な放射線撮影装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】被検体の放射線透視画像を得るための放
射線検出器として、従来からイメージインテンシファイ
ア(Image Intensifier:I.I.)と撮像管あるいは
固体撮像素子(例えば、Charge Coupled Device:C
CD)とを組合せたものが用いられている。これは、被
検体を透過したX線情報を光学情報に変換し、この光学
情報をテレビカメラに取り込んで、テレビモニタに画像
として表示したり、フィルムに焼き込んだりするもので
ある。このような、I.I.と撮像管あるいはCCDと
を組合せた放射線検出器に対し、より繊細な欠陥や病変
を検出したいという強いニーズに応える新しい放射線検
出器として、近時、半導体技術を駆使したフラットパネ
ル型放射線検出器(Flat Panel Detector:FPD)
が開発されてきている。このFPDは、例えばガラス基
板上に形成されるスイッチング素子や容量を、放射線を
電荷などに変換する光導電膜などで覆うように形成した
半導体アレイであり、高解像度、軽量・コンパクトで、
画像歪みも少ないという特徴を備えている。
【0003】そこで、このFPDの概要について、図9
ないし図14を参照して説明する。なお、FPDには、
放射線を直接電気信号に変換する直接変換型と、放射線
を一旦光に変換し、その光を電気信号に変換する間接変
換型とがあるが、ここでは直接変換型のFPDについて
説明するものとする。図9は、FPDの一例の概略構成
を示した説明図である。FPDは、表面が放射線を電荷
に変換する変換膜で覆われた多数の画素1から成り、画
素1がマトリックス状に配列されて1画面を形成してい
る。各画素1には後述するように、入射した放射線に基
づき変換された電荷を蓄積する容量と、この容量に蓄積
された電荷を信号として取り出すためのスイッチング素
子とが含まれている。そして、そのスイッチング素子を
介して各画素1の電極がゲート線GLj(j=1〜m;
mは2以上の整数)と信号線SLi(i=1〜n;nは
2以上の整数)に接続されている。また、各ゲート線G
Ljは、ゲート線駆動回路2に接続されているととも
に、信号線SLiは、信号読み出し回路3に接続されて
いる。これらゲート線駆動回路2および信号読み出し回
路3は、タイミング制御回路4によって制御される。
【0004】ゲート線GLjは、テレビジョンの走査線
に相当し、ゲート線駆動回路2が、あるゲート線GLj
に駆動信号を供給すると、駆動信号の供給された当該ゲ
ート線GLjに接続されている全ての画素1は、オン状
態になるのに十分な励起状態に置かれることになる。な
お、ゲート線駆動回路2は、ゲート線GL1、GL2、
…GLmを順次走査するように、1画面分の全てのゲー
ト線GLjに、所定のタイミングで順次駆動信号を供給
するようにしてもよいし、あるいは、飛び越し走査とし
て、奇数番目のゲート線GL1、GL3、…GLm−1
に駆動信号を順次供給した後、偶数番目のゲート線GL
2、GL4、…GLmに駆動信号を順次供給するように
してもよい。また、信号読み出し回路3は、各信号線S
Liに対応して設けられ、例えば図10に示すように、
電圧変換と入力信号の増幅を行うプリアンプPA1〜P
Anと、各プリアンプPA1〜PAnからの出力を逐次
スイッチングするマルチプレクサ5と、マルチプレクサ
5からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D
変換器6とで構成されている。なお、各信号線SLiか
ら得られる信号は、画像信号である。
【0005】さて、FPDを構成する画素1の断面構造
の一例を、図11に模式的に示し、その等価回路を図1
2に示してあるので、次に、これらの図を参照して画素
1について説明する。画素1は、ガラス基板11の上に
形成されるスイッチング素子としての薄膜トランジスタ
(thin film transistor:TFT)12や蓄積容量1
3等を含んで構成されている。TFT12は、ゲート電
極14と、ゲート電極14を覆うように形成されたゲー
ト絶縁膜15と、ゲート絶縁膜15上に形成されたソー
ス電極16およびドレイン電極17とから成っている。
そして、ゲート電極14はゲート線GLjに接続され、
ソース電極16は信号線SLiに接続され、さらにドレ
イン電極17は、画素電極18に接続されている。蓄積
容量13は、画素電極18とバイアス電源19の負端子
と接続された下部共通電極20とが、絶縁膜21を介し
て対向して形成される構造となっている。また、ソース
電極16、ドレイン電極17および画素電極18を覆う
ように、電荷阻止層22が形成されている。さらに、T
FT12および蓄積容量13を覆うように、放射線を電
荷に変換する変換膜23、誘電体層24、およびバイア
ス電源19の正端子に接続される上部共通電極25が順
に形成されて画素容量Cpが構成される。なお、変換膜
23用の材料としては、放射線を吸収して電荷に変換す
る効率の高い半導体材料、例えば、真空蒸着法によって
数100〜1000μm程度の厚さに形成されるアモル
ファスセレニウム(a−Se)膜が用いられる。この半
導体材料で形成された膜は、光導電膜とも称される。
【0006】次に、上記のように構成されているFPD
の動作について説明する。放射線が変換膜23に入射す
ると、この放射線が変換膜23中で吸収され、放射線量
に応じた電荷に変換される。変換膜23と蓄積容量13
とは、構造上電気的に直列に接続された容量を形成する
ので、バイアス電源19によって上部共通電極25と下
部共通電極20との間に、バイアス電圧を印加すること
により、発生した電荷(電子、正孔)は、それぞれ極性
の異なる電極に移動し、これによって蓄積容量13には
所定の電荷が蓄積される。よって、画素1毎に、被検体
を透過した放射線を電荷に変換して蓄積するので、これ
を画像信号として取り出すことによって、放射線画像を
形成することができる。FPDから画像信号を取り出す
方法は、以下のとおりである。すなわち、蓄積容量13
に蓄積された電荷は、TFT12をオン状態にするのに
十分な電圧をゲート線GLjに与えることにより、信号
線SLiを介して外部に取り出すことができる。従っ
て、図9に示すように、ゲート線駆動回路2を用いて、
ゲート線GLjに順次あるいは1本おきに駆動電圧を供
給することにより、全画素1にわたって信号を読み出す
ことができる。そして、各画素1から取り出された信号
は、信号線SLiの各列に接続された信号読み出し回路
3によって、それぞれ電圧変換、増幅、A/D変換等が
なされ、デジタル画像信号として放射線像の情報が検出
されることになる。以上説明したように、FPDは、放
射線を電荷量に変換して蓄積する画素を、二次元状に多
数配列して形成したものであり、I.I.とテレビカメ
ラを組合せたものに比べて種々の特徴を備えている。例
えば、解像度が高く歪みの少ない画像が得られ、さら
に、放射線像の情報がデジタル画像信号として得られる
ので、画像処理が容易である。また、大幅な薄型化、軽
量化が図られるので、放射線撮影装置への取付け構造が
簡単となり、放射線撮影装置の操作範囲が広がったり、
小型軽量化を実現したり、医療用の撮影装置に用いる場
合には、患者への圧迫感を軽減することもできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、FPDから
画像信号を取り出す際には、先に説明したように、TF
T12をオン状態にするのに十分な電圧をゲート線GL
jに与えることになる。すなわち、図12に示した等価
回路において、ゲート電極14をプラス側にとり、ゲー
ト電極14(ゲート線GLj)とソース電極16(信号
線SLi)との間に、正の電位が印加される。ただし、
この時間が蓄積されていくと、TFT12の特性とし
て、TFT12がオフからオンに遷移するゲート電位Vt
hがプラス側へシフトし、TFT12のオン電流(ドレ
イン電流)Idsが下がってくる。また、シフト量は、オ
ン電位が高いほど大きい。この様子を図13、図14に
示してある。すなわち、図13は、TFT12のゲート
・ソース間電圧Vgsとドレイン電流Idsとの関係を示した
特性図であり、初期状態では、実線で示すような特性を
示し、TFT12がオフからオンに遷移するゲート電位
がVthであったものが、正で一定のゲート・ソース間電
圧Vgsを長時間印加し、その積算時間がある時間に達し
たときには、点線で示すように、TFT12がオフから
オンに遷移するゲート電位は、Vth'のように、ゲート・
ソース間電圧Vgsのプラス側へシフトする。このシフト
量(=Vth'−Vth)は、図14に示すように、TFT1
2がオンとなる電位Vgsが高いほど大きく、積算した印
加時間が長くなる程大きくなる。
【0008】一方、ゲート・ソース間に負の電位−Vgs
が印加されている場合は、図14に示すように、TFT
12がオフからオンに遷移するゲート電位Vthは、ゲー
ト・ソース間電圧Vgsのマイナス側へシフトし、これも
積算した印加時間が長くなる程大きくなる。しかし、こ
のマイナス側へシフトする速度は、プラス側に比べて十
分緩やかである。よって、通常FPDから信号を読み出
す際には、TFT12のゲート端子14にオン電位を印
加することになるが、このTFT12の駆動状態の時間
が蓄積されていくのに従って、TFT12がオフからオ
ンに遷移するゲート電位Vthのプラス側へのシフトが進
行する。これにより、信号線SLiを介して検出信号を
外部へ取り出す際のTFT12のドレイン電流Idsが不
足し、例えば動画撮影などを行う場合には、残像が増す
ことになる。
【0009】なお、FPDを搭載した医療用のX線撮影
装置では、撮影動作を行っていないいわゆる待機状態
(X線は照射されない)にあるときや、撮影動作中であ
っても、撮影のインターバルなどのX線が照射されてい
ないときであっても、FPDは通常、駆動状態にされて
いて、所定のタイミングでTFT12のゲートがオン/
オフされている。すなわち、X線が照射されていないの
で、PDFの蓄積容量13には電荷が蓄積されていない
のにも拘わらず、これを空読みする動作を続けることと
なる。このような、直接撮影に関わらない時間にTFT
12を駆動状態に置くことは、FPDの性能の劣化を加
速させる要因となっていた。本発明は、このような問題
を解決するためになされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、被検体へ放射線を照射す
る放射線照射手段と、この放射線照射手段によって照射
され前記被検体を透過した放射線を検出する部材がマト
リクス状に配列され、各部材からの検出信号をスイッチ
ング素子をオン/オフすることにより、所定のシーケン
スで読み出す放射線検出手段とを備えた放射線撮影装置
において、前記放射線検出手段の全ての前記スイッチン
グ素子を強制的にオフ状態にし、およびこのオフ状態を
解除する制御手段を具備することを特徴とする。このよ
うに、例えば直接X線撮影に関わっていないときには、
スイッチング素子をオフ状態とし、必要なときにオフ状
態を解除してオン状態とすることによって、スイッチン
グ素子の性能の劣化を軽減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る放射線撮影装
置の実施の形態を、医療用のX線撮影装置に適用した場
合を例として、図1ないし図8を参照して詳細に説明す
る。なお、以下の説明において、図9ないし図14と同
一部分については、同一符号を用いて説明する。図1
は、本発明を適用した、医療用のX線撮影装置の一実施
の形態の概略構成を示した系統図である。このX線撮影
装置は、被検体Pを間にして対向配置されたX線発生器
100およびフラットパネル型X線検出器(FPD)2
00と、これらX線発生器100やFPD200をはじ
めとして、X線撮影装置全体を制御する中枢的な機能を
果たすコンピュータやメモリ等を有する制御装置300
と、制御装置300に対して操作者が適宜設定操作など
を行う操作卓400と、FPD200から得られるデジ
タル画像信号に対して階調処理などを施こす画像処理装
置500と、画像処理装置500からの出力信号を表示
する表示装置600とを備えている。なお、FPD20
0は、例えば図9ないし図12に示したものと同様であ
る。このように構成されたX線撮影装置の一般的な動作
は次のとおりである。制御装置300の制御に基づき、
X線発生器100から照射されたX線は、被検体Pを透
過してFPD200に入射し、FPD200では、入射
したX線量に応じた電荷量分布に変換される。そして、
FPD200上に形成された二次元的な電荷量分布は、
これも制御装置300の制御下で、図9で説明したゲー
ト線駆動回路2の動作に従い、ゲート線GLj毎に信号
線SLiおよび信号読み出し回路3を介して、デジタル
画像信号として順次読み出されて、画像処理装置500
へ供給され、ここで階調処理などが施こされた後、表示
装置600へ送られ、X線透視画像として表示される。
【0012】次に、本発明に係るX線撮影装置におけ
る、制御装置300の有する特徴的な機能について説明
する。制御装置300は、X線発生器100に対して、
X線を照射させたり、照射を停止させるオン/オフ制御
するのはもとより、X線の照射条件として、例えば印加
電圧や電流、X線照射時間、透視/撮影の切替えなどを
制御する。また、FPD200に対しては、タイミング
制御回路4による画像信号の読み出しを制御するととも
に、X線発生器100に対するX線照射のオン/オフ制
御に応じて、TFT12を駆動状態と非駆動状態とに制
御するなど、X線撮影装置全体を制御する中枢的な機能
を果たしており、そのためのコンピュータやメモリ等を
有している。このメモリには、制御プログラムや演算プ
ログラムなど、コンピュータを動作するのに必要となる
プログラムや、各種の動作条件などを予め記憶させてあ
るとともに、制御や演算に伴ない得られる情報が記憶さ
れる。また、制御装置300には操作卓400が接続さ
れており、この操作卓400を操作者が操作して、制御
装置300に対して動作条件などを適宜設定することが
可能である。そのため、操作卓400には、キーボー
ド、タッチパネル、各種ポインティングデバイス、表示
器などが設けられている。
【0013】ところで、制御装置300は、X線撮影装
置の動作状況に応じて、例えば、X線発生器100に対
するX線照射のオン/オフ制御に応じて、FPD200
を駆動状態と非駆動状態とに切替える機能を有してい
る。このFPD200の駆動状態と非駆動状態との切替
えは、TFT12のゲートに印加する電圧をオン/オフ
させることによって、TFT12を動作させ、あるいは
動作を停止させるように、動作をオン/オフさせるもの
である。すなわち、先に説明したように、TFT12の
ゲート・ソース間の電圧Vgsが、Vthを越えるようにその
ゲート端子14に電圧を印加することによって、TFT
12をオンとし、Vthより低くなるように、ゲート端子
14を例えばゼロ電位としたり、あるいはマイナスの電
圧を印加することによって、TFT12をオフにする。
このような、FPD200のTFT12をオン/オフさ
せる制御系統の動作について、図2および図3を参照し
てさらに詳しく説明する。図2は制御系統図であり、X
線撮影装置の制御装置300と、FPD200のタイミ
ング制御回路4およびゲート線駆動回路2の関連を示し
ている。すなわち、制御装置300から、FPD200
の駆動状態を制御する信号がタイミング制御回路4へ供
給されることに伴ない、タイミング制御回路4からゲー
ト線駆動回路2へ、クロック信号CLK、スタートパル
ス信号STV、TFT出力制御用信号OEなどが送出さ
れ、これによってゲート線駆動回路2は、各ゲート線G
L1〜GLmへTFT12をオン/オフさせる信号を出
力することになる。
【0014】図3は、各信号のタイミング図である。ク
ロック信号CLKは、FPD200の動作タイミングを
決めており、1ラインのゲート線GLjに割り当てられ
た時間を周期として、繰返しゲート線駆動回路2へ印加
される。スタートパルス信号STVは、TFT12を駆
動状態にするための信号であり、スタートパルス信号S
TVがハイレベルのときに、クロック信号CLKのパル
スが立ち上がると、ゲート線駆動回路2から各ゲート線
GL1〜GLmへ、順次オン信号を出力する。なお、こ
のオン信号のパルス幅は、各クロック信号CLKの1周
期分の幅である。また、スタートパルス信号STVの周
期は、画像収集レートに相当し、例えば、30フレーム
/秒のときの周期は33ミリ秒となる。なお、図3に
は、3ラインのゲート線GL1、GL2、GL3を代表
的に示し、各ゲート線にオン信号が表示され、また、そ
の幅もクロック信号CLKの1周期よりも狭く表示され
ている。しかしこれは、TFT出力制御用信号OEとの
関係でそうなっているもので、もしもTFT出力制御用
信号OEが印加されていなければ、クロック信号CLK
の1周期と同じ幅となる。すなわち、TFT出力制御用
信号OEは、それがハイレベルのときは、スタートパル
ス信号STVがハイレベルになったとしても、各ゲート
線GL1〜GLmへの出力を常にオフ電位とするもので
あり、これによって、各ゲート線GL1〜GLmへ出力
するオン信号の時間を制御している。よって、図3に
は、TFT出力制御用信号OEがゲート線駆動回路2へ
印加された様子を示したので、ゲート線GL1、GL
2、GL3の出力(オン信号)の幅が、これによって制
限されている。
【0015】そして、このようなFPD200の駆動/
非駆動の切替え、すなわち、TFT12のオン/オフ
を、X線撮影装置の動作状況に応じて、種々の形態で実
施することを可能としているので、以下、各実施の形態
について説明する。先ず、本発明に係るX線撮影装置で
は、必要なときにのみFPD200を駆動状態とし、そ
れ以外では非駆動状態とさせるように、例えば操作卓4
00のタッチパネルなどに、スリープモードボタンが備
えられている。従って、X線撮影装置が待機状態にある
ときに、操作者がこのスリープモードボタンをタッチす
ることによって、その信号が制御装置300へ伝わり、
制御装置300からFPD200のタイミング制御回路
4へスリープコマンドを送り、タイミング制御回路4は
ゲート線駆動回路2に対して、全てのゲート線GLjに
オフ電位(例えば、小さなマイナスの電圧)を印加させ
るように指示する。よって、全ての画素1を形成するT
FT12のゲート端子14はオフ電位となるので、TF
T12はオフ状態となる。
【0016】このような動作状態を、図4に示すタイミ
ング図と、図5に示すフローチャートを参照して説明す
る。なお、図4(a)は、ゲート線GL1〜GLmの内
のある1ラインのゲート線GLjへ、ゲート線駆動回路
2からオン信号が供給されている状態を示しており、所
定の周期でオン信号が印加される。勿論、他のゲート線
GL1〜GLmへも順次オン信号が供給されるが、図面
が複雑になるので、1ラインのゲート線GLjへ供給さ
れる様子のみを示してある。このオン信号は、TFT1
2のゲート・ソース間電圧Vgsを、TFT12がオフか
らオンに遷移するゲート電位Vthを越える所定レベルの
信号であり、これはいわゆるTFT12の駆動信号であ
る。よって、このオン信号が印加されている間に、蓄積
容量13に蓄積された電荷が信号線SLiに読み出され
る。このゲート線駆動回路2からのオン信号は、所定の
周期で繰返し印加されて、X線が照射されないため蓄積
容量13に電荷が蓄積されていなくても、いわゆる空読
みが継続される。
【0017】ここで、X線撮影装置が待機状態にある
(ステップ1)とき、ステップ2としてタッチパネルの
スリープモードボタンをタッチすると、スリープコマン
ドが発生し、これにより先に説明したように、制御装置
300はこのスリープコマンドをタイミング制御回路4
へ送る(ステップ3)。よって、タイミング制御回路4
は、ゲート線駆動回路2へTFT出力制御用信号OEを
供給し、ゲート線駆動回路2からの駆動信号(オン信
号)の送り出しを停止させて、全てのゲート線GL1〜
GLmをオフ電位とし(ステップ4)、図4(b)に示
すように、この状態を継続する。従って、TFT12は
オフ状態に維持され、TFT12のオフからオンに遷移
するゲート電位Vthが、ゲート・ソース間電圧Vgsのプラ
ス側へシフトするのを抑制する。なお、ステップ4にお
いて、タイミング制御回路4は、ゲート線駆動回路2へ
供給するクロック信号CLKを停止させたり、スタート
パルス信号STVを停止させることによって、ゲート線
駆動回路2からのオン信号の送り出しを停止させるよう
にしてもよい。
【0018】ここで、操作卓400のタッチパネルのス
リープモードボタンを再度タッチする(ステップ5)
と、制御装置300は、スリープモードを解除するよう
にタイミング制御回路4へ解除信号を送り(ステップ
6)、タイミング制御回路4は、ステップ4の動作を解
除して、ゲート線駆動回路2を通常の動作状態に戻す
(ステップ7)。なお、タッチパネルのスリープモード
ボタンに代えて、キーボードからスリープコマンドを入
力したり、あるいはスリープ解除コマンドを入力するよ
うにしても、同様に機能させることができる。上記の実
施の形態は、タッチパネルやキーボーを操作することに
よって、FPD200をスリープモードにしたり、それ
を解除するものであるが、次に、自動的にスリープモー
ドにする実施の形態について、図6に示すフローチャー
トと、図7に示すタイミング図を参照して説明する。な
お、図7も図4と同様に、ゲート線GL1〜GLmの内
のある1ラインのゲート線GLjへ、ゲート線駆動回路
2からオン信号が供給されている状態を示している。す
なわち、操作卓400のタッチパネルなどに、X線照射
を開始させるX線照射ボタンが備えられている。そし
て、制御装置300に所定の撮影条件などが設定され
て、X線撮影装置が待機状態にある(ステップ11)と
きに、ステップ12として、操作者がこのX線照射ボタ
ンをタッチすることによって、その信号が制御装置30
0へ伝わり、制御装置300はX線発生器100へ、X
線照射を開始させる照射開始コマンドを発し、X線発生
器100は設定された条件に基づき、被検体PへX線を
照射する(ステップ13)。よって、FPD200から
画像信号が収集される(ステップ14)。
【0019】一方、制御装置300はタイマを有してお
り、X線照射開始コマンドが発せられるとタイマによっ
てその後の時間の計測を開始(ステップ15)する。そ
して、ステップ16として、タイマによる計測時間が所
定の時間に達したか否かが判定され、所定時間に達する
と、ステップ17へ進み、制御装置300は自らスリー
プコマンドを、FPD200のタイミング制御回路4へ
送り、図5におけるステップ4と同様にして、ゲート線
駆動回路2の駆動信号(オン信号)の送り出しを停止さ
せ、全てのゲート線GL1〜GLmをオフ電位とさせる
(ステップ18)。なお、ステップ16にて所定時間に
達していないと判断したときは、ステップ15へ戻り時
間の計測を継続する。この様子は図7に示されており、
例えば時刻t1でX線照射開始コマンドが発せられたも
のとすると、時間T経過した後の時刻t2にスリープコ
マンドを発し、それ以降TFT12をオフ状態に維持す
ることになる。なお、タイマによる計測時間Tは、FP
D200から画像信号を収集するのに必要な時間を含め
て、必要に応じて適宜設定すればよく、その設定は操作
卓400から行うことができる。よってこの場合には、
タッチパネルのスリープモードボタンをタッチしたり、
キーボードからスリープコマンドを入力する必要はな
く、自動的にFPD200をスリープモードにすること
ができる。また、時刻t1で最終のX線照射コマンドが
発せられたものとすると、時間Tの間では、FPD20
0は空読みされることになる。
【0020】上記のように、X線が照射された後自動的
にFPD200がスリープモードにされたときも、タッ
チパネルのスリープモードボタンをタッチしたりキーボ
ードからスリープモード解除コマンドを入力することに
よって、スリープモードを解除することができる。ま
た、操作卓400のタッチパネルなどに備えられている
X線照射ボタンを操作して、スリープモードを解除する
ようにしてもよい。このX線照射ボタンを操作して、ス
リープモードを解除する場合の動作を、引き続き図6の
フローチャートで説明する。この場合、タイミング図と
しては図7とは逆になるが、ステップ17として、時刻
t2にスリープコマンドが発せられて、TFT12がオ
フ状態を維持していた(ステップ18)ものが、図8に
示すタイミング図のように、時刻t3に、操作卓400
のタッチパネルに備えられているX線照射ボタンが操作
される(ステップ19)と、その信号は制御装置300
へ伝わる。よって、制御装置300は、スリープコマン
ドに代えてスリープモード解除コマンドをFPD200
のタイミング制御回路4へ送り(ステップ20)、タイ
ミング制御回路4は、ステップ18の動作を解除して、
ゲート線駆動回路2を通常の動作状態に戻す(ステップ
21)。同時に制御装置300は、X線発生器100へ
X線照射を開始させるX線照射開始コマンドを発し、X
線を照射させる(ステップ22)。よってこの後は、F
PD200は通常の動作状態となって、画像信号が収集
され(ステップ23)、X線撮影装置は待機状態となる
(ステップ24)。
【0021】なお、制御装置300が有するタイマによ
って、X線照射開始コマンドを発した後の時間を計測す
る代りに、操作卓400からX線の照射条件などを設定
した際に、設定し終わってからの時間の計測を開始し、
タイマによって所定の時間が計測されたときに、制御装
置300は自らスリープコマンドを、FPD200のタ
イミング制御回路4へ送り、FPD200を自動的にス
リープモードにしてもよい。この場合のタイミング図
は、図7と同様である。撮影条件などの設定が終わる
と、引き続きX線が照射され、FPD200から画像信
号を収集することになるので、これらに必要となる時間
を含めて、タイマによる計測時間(T)を決めればよ
く、その時間設定は操作卓400から行うことができ
る。この場合も、X線照射ボタンが操作されたときに、
スリープモードを解除するようにしたり、また、タッチ
パネルのスリープモードボタンをタッチしたりキーボー
ドからスリープモード解除コマンドを入力してもよいこ
とは言うまでもない。なお、X線撮影装置のメインスイ
ッチがオンされて主電源が投入されたとき、このことを
制御装置300で検出することによって、制御装置30
0からスリープコマンドを発生させ、これをFPD20
0へ供給するようにすれば、X線撮影装置の起動と同時
にFPD200をスリープモードにすることができ、よ
り効果的である。さらに本発明は、上述の実施の形態に
限定されるものではなく、種々の形態での実施が可能で
ある。例えば、放射線検出器の実施の形態として、直接
変換型のフラットパネル型放射線検出器について説明し
たが、本発明は、間接変換型のフラットパネル型放射線
検出器にも適用できることは言うまでもない。また本発
明は、医療用のX線撮影装置に限らず、例えば非破壊検
査装置のような工業用のX線検査装置など、広く放射線
撮影装置に適用することができる。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、X線撮影装置の待機時など、直接X線撮影に関わ
っていないときには、FPDをスリープモードにして、
FPDのスイッチング素子であるTFTをオフ状態に置
くようにするので、TFTを駆動状態にするための、ゲ
ート・ソース間電圧Vgsを印加する時間が少なくなる。
よって、TFTがオフからオンに遷移するゲート電位Vt
hがゲート・ソース間電圧Vgsのプラス側へシフトするの
を抑制し、動画撮影時の残像を軽減させるなど、長期に
わたるFPDの性能維持に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した、医療用のX線撮影装置の一
実施の形態の概略構成を示した系統図である。
【図2】本発明の一実施の形態における制御系統図であ
る。
【図3】図2に示した各信号のタイミング図である。
【図4】本発明の一実施の形態の動作を説明するために
示したタイミング図である。
【図5】本発明の一実施の形態の動作を説明するために
示したフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施の形態の動作を説明するため
に示したフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施の形態の動作を説明するため
に示したタイミング図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態の動作を説明す
るために示したタイミング図である。
【図9】公知のフラットパネル型X線検出器の一例の概
略構成を示した説明図である。
【図10】図9に示したフラットパネル型X線検出器の
信号読み出し回路の説明図である。
【図11】公知のフラットパネル型X線検出器を構成す
る画素の断面構造の一例を模式的に示した説明図であ
る。
【図12】図11に示したフラットパネル型X線検出器
を構成する画素の等価回路の説明図である。
【図13】TFTのゲート・ソース間電圧Vgsとドレイ
ン電流Idsとの関係を説明した特性図である。
【図14】TFTのゲート・ソース間電圧Vgsの印加時
間特性を説明した特性図である。
【符号の説明】
1 画素 2 ゲート線駆動回路 3 信号読み出し回路 4 タイミング制御回路 12 TFT 100 X線発生器 200 フラットパネル型X線検出器 300 制御装置 400 操作卓 500 画像処理装置 600 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 31/09 H01L 31/00 A 5F088 H04N 5/32 27/14 K Fターム(参考) 2G001 AA01 BA11 CA01 DA09 JA06 KA03 LA01 SA15 2G088 EE01 FF02 GG19 GG20 GG21 JJ05 JJ36 KK32 KK40 4C093 AA30 CA35 CA38 EB12 EB13 EB17 EE01 FA13 FA33 FA43 FC03 FD01 FF08 4M118 AB01 BA05 CA14 CA32 CB11 FB08 FB13 5C024 AX11 CX00 GY00 5F088 AA11 AB05 BB07 BB10 EA04 GA02 KA08 KA10 LA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体へ放射線を照射する放射線照射手
    段と、 この放射線照射手段によって照射され前記被検体を透過
    した放射線を検出する部材がマトリクス状に配列され、
    各部材からの検出信号をスイッチング素子をオン/オフ
    することにより、所定のシーケンスで読み出す放射線検
    出手段とを備えた放射線撮影装置において、 前記放射線検出手段の全ての前記スイッチング素子を強
    制的にオフ状態にし、およびこのオフ状態を解除する制
    御手段を具備することを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、当該放射線撮影装置の
    主電源が投入されたときに、前記スイッチング素子をオ
    フにすることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影
    装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、当該放射線撮影装置が
    待機状態にあるときに、前記スイッチング素子をオフに
    することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記放射線照射手段か
    ら放射線が照射されてから所定時間経過後に、前記スイ
    ッチング素子をオフにすることを特徴とする請求項1に
    記載の放射線撮影装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記放射線照射手段か
    ら照射される放射線の照射条件を設定してから所定時間
    経過後に、前記スイッチング素子をオフにすることを特
    徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段による前記スイッチング素
    子をオフにするまでの時間を、任意に設定する設定手段
    を具備することを特徴とする請求項4または請求項5の
    いずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記放射線照射手段か
    ら放射線の照射を開始させる指示信号に基づき、前記ス
    イッチング素子のオフ状態を解除することを特徴とする
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の放射線
    撮影装置。
  8. 【請求項8】 前記スイッチング素子は、薄膜トランジ
    スタであることを特徴とする請求項1ないし請求項7の
    いずれか1項に記載の放射線撮影装置。
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