JP2003042406A - ボイラ装置の制御方法および制御装置 - Google Patents

ボイラ装置の制御方法および制御装置

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JP2003042406A
JP2003042406A JP2001228269A JP2001228269A JP2003042406A JP 2003042406 A JP2003042406 A JP 2003042406A JP 2001228269 A JP2001228269 A JP 2001228269A JP 2001228269 A JP2001228269 A JP 2001228269A JP 2003042406 A JP2003042406 A JP 2003042406A
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gas distribution
boiler
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reheater
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JP2001228269A
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Masato Uenishi
眞人 上西
Kenji Shibata
健二 芝田
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設設備に簡単な改良を加えることにより、
ガス変動量を大きくすることができるボイラ装置の制御
方法および制御装置を提供する。 【解決手段】 ボイラの燃焼ガスが過熱器パス14と再
熱器パス15とに分割され、これら各パスには各パスを
流れるガス流量を調整するガス分配ダンパ16,17が
設置され、これらガス分配ダンパの後流側に前記燃焼ガ
スを吸引する排ガス引き込みファン20を備えたボイラ
装置において、負荷変化開始前または開始後に全てのガ
ス分配ダンパ16,17の開度指令に対し、予め定めら
れた閉方向へのバイアス値を付加し、過熱器パス14の
ガス分配ダンパ16の開度を固定し、再熱器パス15の
ガス分配ダンパ17の開度に対する排ガス変動量を大き
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラ装置の制御装
置および制御方法に係り、特に、ガス分配ダンパを適切
に操作することにより、複数のパス中を流れるガス流量
を制御し、各パス中に設置された過熱器、再熱器の蒸気
温度を良好に制御するボイラ制御方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電力需要の点から、高い負荷変化率に対
応したボイラ運転が要求され、そのためには高負荷変化
率においても再熱蒸気温度を良好に制御することが必要
となっている。以下、図5ないし図9により従来技術に
ついて説明する。図5は従来技術における一般的な変圧
運転還流ボイラの流体流れ系を示す図である。このボイ
ラは、蒸発器を有し、再熱を1段で行う形式のもので、
節炭器1、火炉水壁2、蒸発器3、気水分離器4、横置
き過熱器5、吊下げ過熱器6、高圧タービン7、横置き
再熱器8、再熱器中間減温器9、吊下げ再熱器10およ
び中圧タービン11を備え、蒸気はこの順に流れる。
【0003】ガス分配系統を有するボイラのガス流れ系
統を図6に示す。図6に示すように、図5に示した節炭
器1、火炉水壁2、蒸発器3、気水分離器4、横置き過
熱器5、吊下げ過熱器6、高圧タービン7、横置き再熱
器8、再熱器中間減温器9および吊下げ再熱器10に加
えて、過熱器パスガス分配ダンパ16、再熱器パスガス
分配ダンパ17、脱硝・脱硫装置19および排ガス引き
込みファン20を備えている。なお、12は燃料入熱、
13はボイラ燃焼ガス、18はボイラ排ガス、21はプ
ラント排ガスである。
【0004】上記のガス分配系統を有するボイラにおい
ては、ガス分配ダンパ17のガス上流側に節炭器1を設
けているが、特開平11−270806号公報には図7
に示すように、ガス分配ダンパ17のガス下流側に節炭
器1を設けることが提案されている。なお、上記特開平
11−270806号公報においては、過熱器パスのガ
ス分配ダンパおよび再熱器パスのガス分配ダンパはそれ
ぞれシリーズに複数段接地されている。
【0005】ここで、この図7のガス分配系統を有する
ボイラのガス流れ系統を示す図をもとにボイラ燃焼ガス
の流れを説明すると、火炉水壁2を出たボイラ燃焼ガス
13は、吊下げ過熱器6、吊下げ再熱器10を通り、こ
こで分配されて、一方は過熱器パス14に設置された横
置き過熱器5、蒸発器3および過熱器パスガス分配ダン
パ16を通り、他方は再熱器パス15に設置された横置
き再熱器8および再熱器パスガス分配ダンパ17を通っ
て、節炭器1へ行き、ボイラ排ガス18となって排出さ
れる。このボイラ排ガス18は脱硝・脱硫装置19に行
き、ガス中のNOx、SOx分が除去され、プラント排
ガス21として排出される。なお、ボイラ内の圧力を負
圧にするため、脱硝・脱硫装置19の後流側または前流
側にはガス引き込みファン20が設置されている。
【0006】ボイラの再熱蒸気温度の制御は、例えば、
火炉水壁2でのボイラ燃焼ガス13の温度低下や、流量
現象などの外乱に対しては、再熱器パスガス分配ダンパ
17を開方向に操作し、再熱器パス16でのガス流量を
多くすることで吊下げ再熱器9の出口蒸気温度を目標値
に制御する。その制御は、例えば図8に示す制御ブロッ
ク図に従って行われる。図8において、22は吊下げ再
熱器10の出口蒸気温度信号入力端子、23は負荷指令
信号入力端子、24は吊下げ再熱器10の出口における
蒸気温度の目標値を出力する関数器、25は減算器、2
6は演算器、27は再熱器パスガス分配ダンパ17の開
度の先行信号を出力する関数器、28は加算器、29は
過熱器パスガス分配ダンパ16の開度を設定するための
演算器、30は再熱器パスガス分配ダンパ17の開度信
号出力端子、31は過熱器パスガス分配ダンパ16の開
度信号出力端子である。
【0007】吊下げ再熱器出口蒸気温度信号22と、入
力端子23からの負荷指令信号に基づいて関数器24か
ら出力される吊下げ再熱器10の出口蒸気温度の目標値
との偏差を減算器25にて算出し、その偏差値をもとに
比例分、積分、微分などの演算を演算器26で行い、そ
の演算結果と関数器27による再熱器パスガス分配ダン
パ17の開度の先行とを加算器28で加算して、再熱器
パスガス分配ダンパ17の開度指令信号を出力端子30
から出力し、この信号によって再熱器パスガス分配ダン
パ17を操作する。一方、過熱器パスガス分配ダンパ1
6は、例えば過熱器パスガス分配ダンパ16の開度指令
の100%に対する補数となるように過熱器パスガス分
配ダンパ16の開度を設定する演算器29にて演算さ
れ、過熱器パスガス分配ダンパ16の開度指令信を出力
端子31から出力する。このようにして、吊下げ再熱器
10の出口蒸気温度22が関数器24による吊下げ再熱
器の出口蒸気温度目標値に一致するように再熱器パスガ
ス分配ダンパ17を制御する。
【0008】ボイラの再熱蒸気温度の制御には、上述の
ガス分配ダンパ16,17を用いたガス量操作による方
法と、ボイラ排ガス18を火炉水壁2内に再循環させ、
その再循環量を操作する方法とがあり、通常、両方法を
組み合わせることが多い。しかしながら、近年、ボイラ
のコスト低減を図るため、ボイラ排ガス再循環による再
熱蒸気温度制御を廃止する傾向となっている。
【0009】通常、ガス分配ダンパは開度(%:90度
に対する割合)20〜70%間で運用されることが多
い。図9のガス分配ダンパ開度に対する再熱器パスガス
流量の関係を示すグラフは、再熱器パスガス分配ダンパ
17の開度を静定時から70%に変動させたときの再熱
器15でのガス流量(%:全体のガス流量に対する比
率)の変動を示している。条件としては、負荷が一定
で、過熱器パスガス分配ダンパ16は再熱器パスガス分
配ダンパ17の100%に対する補数となるように操作
した。再熱器パス15のガス流量は38%から56%へ
と変動し、このガス変動量が再熱蒸気温度の制御裕度に
相当する。
【0010】ここで、過熱器パス14、再熱器パス15
それぞれのパスのガス流量について説明する。過熱器パ
ス14、再熱器パス15それぞれのパスでの圧力損失は
共に等しく、以下の(1)式のように示すことができ
る。
【0011】 ΔP=K・(Wg)=Ks・(Wgs)=Kr・(Wgr) (1) Wg=Wgs+Wgr (2) ここで、 ΔP :圧力損失 (Kg/cm) K : 圧力損失係数(−) Wg :ボイラ燃焼排ガス流量(kg/s) Wgs:過熱器パスガス流量(kg/s) Wgr:再熱器パスガス流量(kg/s) Ks :過熱器パス圧力損失係数(s/(m・k
g)) Kr :再熱器パス圧力損失係数(s/(m・k
g)) (1)、(2)式より、過熱器パス14、再熱器パス1
5それぞれのパスでのガス流量は、以下の(3)、
(4)式に示すように、過熱器パス14および再熱器パ
ス15それぞれのパスでの圧力損失係数の比により分配
される。
【0012】 Wgs=[√(Kr)/{√(Ks)+√(Kr)}]Wg (3) Wgr=[√(Ks)/{√(Ks)+√(Kr)}]Wg (4) 過熱器パス14、再熱器パス15それぞれのパスでの圧
力損失係数は、以下の(5)、(6)式に示すように、
それぞれのパス内に設置された横置き過熱器5、蒸発器
3、横置き再熱器8での圧力損失係数(以下バンク損失
係数と称する)の和と、それぞれのガス分配ダンパ1
6,17での圧力損失係数の和で表される。
【0013】 Ks=Kfs+Kvs (5) Kr=Kfr+Kvr (6) ここで、 Kfs:過熱器パスバンク部圧力損失係数(s/(m
・kg)) Kvs:過熱器パスガス分配ダンパ部圧力損失係数(s
/(m・kg)) Kfr:再熱器パスバンク部圧力損失係数(s/(m
・kg)) Kvr:再熱器パスガス分配ダンパ部圧力損失係数(s
/(m・kg)) また、ダンパ部圧力損失係数は、以下の(7)、(8)
式に示すように、それぞれのガス分配ダンパ16,17
の開度の関数で表される。
【0014】 Kvs=fx(θs)・(AASH) (7) Kvr=fx(θr)・(AARH) (8) ここで、 θs:過熱器パスガス分配ダンパ開度(%)(角度90
°に対する比率) θr:再熱器パスガス分配ダンパ開度(%) AASH:過熱器パスガス分配ダンパ部ダクト開口面積
(m) AARH:再熱器パスガス分配ダンパ部ダクト開口面積
(m) 一般に、ボイラ運用において、負荷降下時は燃料の応答
遅れや配管の熱容量の影響により、燃料を減少する運用
となる。そのため、ボイラ燃焼ガス13は低下傾向とな
りやすく、再熱器パスガス分配ダンパ17を開方向での
操作となる。一方、負荷上昇時は、負荷下降時とは逆に
燃料を増加する運用であるため、再熱器パスガス分配ダ
ンパ17を閉方向で操作する。再熱蒸気温度が目標値以
上となった場合は、再熱器中間減温器9とを併用して制
御するが、目標値以下の場合は、ガス分配ダンパのみで
の制御となり、特にボイラ燃焼ガス温度が低下傾向とな
りやすい負荷降下においては、制御裕度は再熱器パスガ
ス分配ダンパ17の変動時の再熱器パス15中のガス流
量の変動量で決まる。
【0015】再熱器パスガス分配ダンパ17の変動時に
おける再熱器パス15のガス変動量を大きくするための
手段として、上述の特開平11−270806号公報で
は、ガス分配ダンパをそれぞれのパスにシリーズで複数
設置することが提案されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平11−27
0806号公報の提案を既設のボイラに適用する場合、
ボイラ本体の改造、追加したガス分配ダンパの制御装置
の追加などが必要になってくる。一方、顧客ニーズは、
「高くても良い」から、「安く悪くない」ものへと変化
している。そのためには高負荷変化率への対応のために
高価な設備を付加することは望ましくなく、既設設備を
利用した改良で、コストの増加を抑える必要がある。
【0017】本発明はこのような従来技術の実情に鑑み
てなされたもので、その目的は、既設設備に簡単な改良
を加えることにより、ガス変動量を大きくすることがで
きるボイラ装置の制御方法および制御装置を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の手段は、ボイラの燃焼ガスが複数のパスに分
割され、各パスを流れるガス流量を各パスに設置された
ガス分配ダンパにより調整可能で、これらガス分配ダン
パの後流側に設置された排ガス引き込みファンにより前
記燃焼ガスを吸引するボイラ装置の制御方法において、
負荷変化開始前または開始後に全ての前記ガス分配ダン
パに対して予め定められた閉方向へのバイアス値を加え
た開度指令を与え、前記排ガス引き込みファンの出力指
令に対して予め定められた増加方向へのバイアス値を加
えることを特徴としている。
【0019】第2の手段は 第1の手段において、前記
複数のパスの内、少なくとも1つのパスに配置された前
記ガス分配ダンパはその開度を固定することを特徴とし
ている。
【0020】第3の手段は、ボイラの燃焼ガスが過熱器
パスと再熱器パスとに分割され、これら各パスには各パ
スを流れるガス流量を調整するガス分配ダンパが設置さ
れ、これらガス分配ダンパの後流側に前記燃焼ガスを吸
引する排ガス引き込みファンを備えたボイラ装置の制御
方法において、負荷変化開始前または開始後に全ての前
記ガス分配ダンパに対して予め定められた閉方向へのバ
イアス値を加えた開度指令を与え、前記過熱器パスのガ
ス分配ダンパの開度を固定し、前記再熱器パスのガス分
配ダンパの開度に対する排ガス変動量を大きくすること
を特徴としている。
【0021】第4の手段は、ボイラの燃焼ガスが複数の
パスに分割され、各パスを流れるガス流量を各パスに設
置されたガス分配ダンパにより調整可能で、このガス分
配ダンパの交流側に前記燃焼ガスを吸引する排ガス引き
込みファンを備えたボイラ装置の制御装置において、負
荷変化開始前または開始後に全ての前記ガス分配ダンパ
に対して予め定められた閉方向へのバイアス値を加えた
開度指令を発し、前記排ガス引き込みファンの出力指令
に対して予め定められた増加方向へのバイアス値を加え
る制御手段を備えることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施形態について説明する。なお、上述した従来技術と同
等とみなせる各部には同一参照番号を付し、重複する説
明は適宜省略する。図1は本発明の一実施の形態におけ
る制御ブロック図、図2は本発明の一実施の形態を適用
したボイラプラントの系統図である。
【0023】図1において、参照番号22から31は図
8と同じで、32は再熱器パスガス分配ダンパ17のバ
イアス値を設定する関数器、33は過熱器パスガス分配
ダンパ16のバイアス値を設定する関数器、34は負荷
変化指令信号入力端子、35,36は切り替え器、3
7,38は加算器である。
【0024】入力端子22からの吊下げ再熱器10の出
口蒸気温度信号を目標値に一致させるため、減算器25
において入力端子22から吊下げ再熱器の出口蒸気温度
信号と関数器24からの吊下げ再熱器10の出口蒸気温
度の目標値信号との偏差をとり、演算器26にて演算
し、演算器26の演算結果と関数器27からの再熱器パ
スガス分配ダンパ開度の先行信号を加算器28で加算し
て再熱器パスガス分配ダンパの開度とすることは上述の
図8の従来技術と同じであるが、本実施の形態において
は、負荷変化開始とともに、再熱器パスと過熱器パスの
両方のガス分配ダンパ16,17の開度指令に閉方向の
バイアス値を加算する。なお、関数器32,33からの
両方のガス分配ダンパ16,17のバイアス値は負荷指
令23により定められた値である。
【0025】バイアス値の加算は負荷変化中であり、負
荷変化開始以前、または負荷変化終了後においてはバイ
アス値を加算しない必要があるため、負荷変化指令34
の信号を入力として、切り替え器35,36にてガス分
配ダンパ開度指令に加算する信号を0かバイアス値かを
選択する。
【0026】ただし、各パスでの圧力抵抗係数が増加す
るため、プラント全体の圧力損失係数が増加し、脱硝・
脱硫装置19でガスが流れにくく、所定の処理ができな
い場合や脱硝・脱硫装置19の破損を招く恐れがある。
これを解決するため、排ガス引き込みファン20の駆動
力を大きくして、ボイラ排ガスを流れやすくする必要が
ある。このことで、排ガス引き込みファン20の駆動力
を大きくするための消費電力が高くなるが、これは負荷
変化時のみに行うため、トータルでは大きな消費につな
がらない。
【0027】この制御を適用したボイラプラントの一例
が図2である。図2の参照番号1,2,3,5,6,
8,10,12〜21は、図6と同じであり、39は負
荷指令信号入力端子、40は排ガス引き込みファン20
の出力先行信号を設定する関数器、41は排ガス引き込
みファン20の出力バイアス値を設定する関数器、42
は切り替え器、43は負荷変化指令信号入力端子、44
は加算器、45は排ガス引き込みファン20の指令信号
出力端子である。なお、図2において、実線で示した流
れはガス流れであり、破線で示した流れは制御信号の流
れである。
【0028】ガス分配ダンパ16,17の負荷変化中の
閉方向へのバイアス値による操作で圧力抵抗が増加す
る。これに対し、負荷変化指令信号43を入力信号とし
て、排ガス引き込みファン20の出力を増加し、ボイラ
排ガス引き込み量を所定の流量とする操作を行う。
【0029】すなわち、入力端子39からの負荷指令信
号により、予め定められた値である関数器41からの排
ガス引き込みファン20の出力バイアス値信号と、予め
入力端子39からの負荷指令信号により定められた関数
器40からの排ガス引き込みファン20の出力先行信号
とを加算器44で加算し、排ガス引き込みファン20の
出力指令信号として出力端子45から排ガス引き込みフ
ァン20に出力する。ただし、ガス分配ダンパ16,1
7の制御と同様、排ガス引き込みファン20の出力増加
は負荷変化中であり、負荷変化開始以前、または負荷変
化終了後においては、バイアス量を加算しない必要があ
るため、入力端子43からの負荷変化指令信号を入力と
して、切り替え器42にて、加算する信号を0かバイア
ス値かを選択する。
【0030】上述した実施の形態は、負荷変化指令を入
力値として負荷変化開始とともにバイアス値を加算する
ようにしているが、バイアス値の加算は負荷変化開始前
に行ってもよい。
【0031】図3は本発明を適用した負荷変化時の吊下
げ再熱器の出口蒸気温度特性を示すグラフで、図中、太
線で示す特性が本発明の方法を適用した場合であり、細
線で示す特性が従来方法の場合である。このグラフに示
すように、本発明の適用により負荷変化時の吊下げ再熱
器の蒸気温度は、従来技術より変動が小さくなり、改善
されていることが判る。
【0032】このように、過熱器パス14と再熱器パス
15に設置されたガス分配ダンパ16,17の両方を負
荷変化中、バイアス量を付加し、過熱器パスガス分配ダ
ンパ16の開度を固定する運用により、再熱器パスガス
分配ダンパ17の開度に対するガス変動量を大きくして
いるが、その作用について説明すると、それぞれのパス
を流れるガス流量は、上記(3)、(4)式に示すよう
に、それぞれのパスでの抵抗係数の2乗根の比により決
定される。また、相対するパスの抵抗が大きいほど流れ
るガス流量は多くなる。
【0033】次には、再熱蒸気温度を制御するために重
要なことは、再熱器パスガス分配ダンパ17の開度を操
作することにより、再熱器パス15のガス流量を変動さ
せることである。ここで、過熱器パスガス分配ダンパ1
6の開度を固定し、再熱器パスガス分配ダンパ17のみ
を操作しても、ガス変動量が十分であれば吊下げ再熱器
10の蒸気温度の制御は可能であり、従来技術による制
御方法のようにプログラムにより過熱器パスガス分配ダ
ンパ17を操作することは特に必要ではない。
【0034】図4は本発明におけるガス分配ダンパ開度
に対する再熱器パスガス流量の関係を示すグラフで、静
定時と同じガス流量が流れるように過熱器パス14と再
熱器パス15の両方のパスガス分配ダンパ16,17に
同時に閉方向へのバイアス量を加算し、その状態から再
熱器パスガス分配ダンパ17を70%まで開けた場合の
再熱器パスガス流量の変動を示している。条件として
は、負荷一定で過熱器パスガス分配ダンパ16の開度は
一定に保持している。
【0035】図4のグラフと図9の従来方式における同
様なグラフとを比較してみると判るように、再熱器パス
ガス分配ダンパ17を静定時から70%に変動させたと
きの再熱器パス15のガス流量変動量は28パーセント
となり、従来方式の約6割り増しに増加している。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、複数の
パスに設置されたガス分配ダンパを負荷変化開始前また
は開始後に閉方向に操作することにより、ガス分配ダン
パの開度指令に対するガス流量の変動量を大きくするこ
とができる。
【0037】また、本発明によれば、複数のパスの内少
なくとも1つのパスに配置されたガス分配ダンパはその
開度を固定するので、閉方向への操作は残りのガス分配
ダンパのみでよいので、制御が簡単になる。
【0038】また、本発明によれば、ボイラの燃焼ガス
が過熱器パスと再熱器パスとに分割されたボイラにおい
ては、全てのガス分配ダンパ開度指令に対し、予め定め
られた閉方向へのバイアス値を付加し、前記過熱器パス
のガス分配ダンパの開度を固定しているので、再熱器パ
スのガス分配ダンパの開度に対する排ガス変動量を大き
くすることができる。
【0039】さらに、本発明によれば、過熱器パスと再
熱器パスにそれぞれ設置されたガス分配ダンパを負荷変
化開始前または開始と同時に閉方向に操作するので、ガ
ス分配ダンパの開度指令に対するガス流量の変動量を大
きくすることができ、再熱器出口蒸気温度の制御余裕を
大きくとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における制御ブロック図
である。
【図2】本発明の一実施の形態を適用したボイラプラン
トの系統図である。
【図3】本発明を適用した負荷変化時の吊下げ再熱器の
出口蒸気温度特性を示すグラフである。
【図4】本発明におけるガス分配ダンパ開度に対する再
熱器パスガス流量の関係を示すグラフである。
【図5】従来技術における一般的な変圧運転還流ボイラ
の流体流れ系を示す図である。
【図6】従来技術におけるガス分配系統を有するボイラ
のガス流れ系統を示す図である。
【図7】別の従来技術におけるガス分配系統を有するボ
イラのガス流れ系統を示す図である。
【図8】従来技術におけるガス分配ダンパの制御を説明
するためのブロック図である。
【図9】従来技術におけるガス分配ダンパ開度に対する
再熱器パスガス流量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 節炭器 2 火炉水壁 3 蒸発器 4 気水分離器 5 横置き過熱器 6 吊下げ過熱器 7 高圧タービン 8 横置き再熱器 9 再熱器中間減温器 10 吊下げ再熱器 12 燃料入熱 13 ボイラ燃焼ガス 16 過熱器パスガス分配ダンパ 17 再熱器パスガス分配ダンパ 18 ボイラ排ガス 20 排ガス引き込みファン 21 プラント排ガス 22 出口蒸気温度信号入力端子 23 負荷指令信号入力端子 24,27,32,33,40,41 関数器 25 減算器 26,29 演算器 28,37,38,44 加算器 30 再熱器パスガス分配ダンパの開度信号出力端子 31 過熱器パスガス分配ダンパの開度信号出力端子 34 負荷変化指令信号入力端子 35,36、42 切り替え器 43 負荷変化指令信号入力端子 45 排ガス引き込みファンの出力指令信号出力端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラの燃焼ガスが複数のパスに分割さ
    れ、各パスを流れるガス流量を各パスに設置されたガス
    分配ダンパにより調整可能で、これらガス分配ダンパの
    後流側に設置された排ガス引き込みファンにより前記燃
    焼ガスを吸引するボイラ装置の制御方法において、 負荷変化開始前または開始後に全ての前記ガス分配ダン
    パに対して予め定められた閉方向へのバイアス値を加え
    た開度指令を与え、前記排ガス引き込みファンの出力指
    令に対して予め定められた増加方向へのバイアス値を加
    えることを特徴とするボイラ装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記複数のパスの内少なくとも1つのパ
    スに配置された前記ガス分配ダンパはその開度を固定す
    ることを特徴とする請求項1記載のボイラ装置の制御方
    法。
  3. 【請求項3】 ボイラの燃焼ガスが過熱器パスと再熱器
    パスとに分割され、これら各パスには各パスを流れるガ
    ス流量を調整するガス分配ダンパが設置され、これらガ
    ス分配ダンパの後流側に前記燃焼ガスを吸引する排ガス
    引き込みファンを備えたボイラ装置の制御方法におい
    て、 負荷変化開始前または開始後に全ての前記ガス分配ダン
    パに対して予め定められた閉方向へのバイアス値を加え
    た開度指令を与え、前記過熱器パスのガス分配ダンパの
    開度を固定し、前記再熱器パスのガス分配ダンパの開度
    に対する排ガス変動量を大きくすることを特徴とするボ
    イラ装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 ボイラの燃焼ガスが複数のパスに分割さ
    れ、各パスを流れるガス流量を各パスに設置されたガス
    分配ダンパにより調整可能で、このガス分配ダンパの交
    流側に前記燃焼ガスを吸引する排ガス引き込みファンを
    備えたボイラ装置の制御装置において、 負荷変化開始前または開始後に全ての前記ガス分配ダン
    パに対して予め定められた閉方向へのバイアス値を加え
    た開度指令を発し、前記排ガス引き込みファンの出力指
    令に対して予め定められた増加方向へのバイアス値を加
    える制御手段を備えていることを特徴とするボイラ装置
    の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012215340A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蒸気送気システム及び蒸気送気方法
CN103134045A (zh) * 2013-02-27 2013-06-05 上海锅炉厂有限公司 设外部蒸汽加热器的锅炉
US10502410B2 (en) 2016-01-28 2019-12-10 Andritz Oy Arrangement of heat recovery surfaces of a recovery boiler

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