JP2003042351A - 多層管状体のリサイクル方法 - Google Patents

多層管状体のリサイクル方法

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JP2003042351A
JP2003042351A JP2001223990A JP2001223990A JP2003042351A JP 2003042351 A JP2003042351 A JP 2003042351A JP 2001223990 A JP2001223990 A JP 2001223990A JP 2001223990 A JP2001223990 A JP 2001223990A JP 2003042351 A JP2003042351 A JP 2003042351A
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recycled
recycling
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JP2001223990A
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Tokuo Watanabe
徳雄 渡邉
Kenichi Mitsui
研一 三井
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多層管状体において、各層を分離することな
く、材料リサイクルする方法を提供すること。 【構成】 少なくともバージン材料からなる層を含む多
層管状体(以下、「バージン管状体」とする。)を粉砕
して得られるリサイクル材を使用して、再度新たな多層
管状体(以下、「再生管状体」とする。)を形成する、
多層管状体のリサイクル方法であって、バージン管状体
の各層を分離することなくそのまま粉砕して、再生管状
体の材料として使用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともバージ
ン材料からなる層を含む多層管状体を粉砕して得られる
リサイクル材を使用して、再度新たな多層管状体を形成
する、多層管状体のリサイクル方法、及び、当該方法に
適用可能なリサイクル多層管に関するものである。
【0002】なお、本明細書において「管状体」とは、
硬質・軟質タイプを問わない。すなわち、一般にパイプ
と称される硬質の管状体、ホース、チューブと称される
軟質の管状体、のいずれでもよい。また、材質において
も、ゴム、樹脂、エラストマー等を問わず、いずれも含
むものである。さらに管状体の用途、大きさ等も制限さ
れるものではなく、各種の管状体に本発明は適用でき
る。なお、本発明は、特に冷却系ラジエーターをはじめ
とする自動車部品などの機能性管状体に好適に適用可能
である。
【0003】また、本発明の範囲には含まれないが、本
明細書に記載された多層管状体のリサイクル方法は、管
状体以外の積層体等にも、勿論展開可能である。
【0004】
【従来の技術】近年、資源問題への対応、廃棄物問題へ
の対応等から、各種資源のリサイクルが取り組まれつつ
ある。リサイクルについては、一般的に、部品としての
そのものの再利用を別にすると次の3手法、 材料リサイクル(Material Recycle) 化学的リサイクル(Chemical Recycle) 熱リサイクル(Thermal Recycle) があげられる。
【0005】資源問題等の観点からは、燃焼により発生
する熱エネルギーを利用する熱リサイクルよりも、再度
原材料として使用する材料リサイクルを優先することが
望ましいとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、多層構成の機
能部品を材料リサイクルするにおいては、通常各層を分
離し、その後さらに単一材料にまで分離したのち、材料
リサイクルすることが常識とされてきた。複数の材料が
混合されたままの状態で材料リサイクルを行うと、材料
としてのグレードが不定となり、材料特性が低下するた
めである。特に機能部品を再生する場合には、機能性の
低下が発生する可能性もある。
【0007】よって、材料リサイクルは、単一材料まで
への分離作業を行わなければならず、コスト・手間がか
かっていた。また、単一材料に分離できない部品(例え
ばブレンド物など)は、化学的リサイクル又は熱リサイ
クルに使用するしか方法がなかった。
【0008】本発明は、上記にかんがみて、多層管状体
において、各層を分離することなく、材料リサイクルす
る方法を提供することを目的とする。また、当該方法に
適用可能なリサイクル性の高いリサイクル多層管を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意研究・開発に努力する過程で、
下記構成の多層管状体のリサイクル方法、及び当該方法
に適用可能なリサイクル多層管に想到した。
【0010】(1) 本発明の多層管状体のリサイクル方法
は、少なくともバージン材料からなる層を含む多層管状
体(以下、「バージン管状体」とする。)を粉砕して得
られるリサイクル材を使用して、再度新たな多層管状体
(以下、「再生管状体」とする。)を形成する方法であ
って、バージン管状体の各層を分離することなくそのま
ま粉砕して、再生管状体の材料として使用することを特
徴とする。各層を分離せずそのまま粉砕するため、各層
の分離作業が不要となり、リサイクル性が向上する。
【0011】上記構成において、バージン管状体が、実
質的に2種類の材料A、Bのみにより形成されてなり、
再生管状体が、リサイクル材で形成された層(以下、
「リサイクル層」とする。)を有する多層管であって、
リサイクル層は、実質的に材料Aのみからなる層(以
下、「材料A層」とする。)及び/又は実質的に材料B
のみからなる層(以下、「材料B層」とする。)と、溶
融接着により積層されていることを特徴とする。
【0012】材料A,Bのみで形成されたリサイクル層
が実質的に単独の材料からなる材料A層及び/又は材料
B層と溶融接着されていることにより、リサイクル層が
接着層としての機能を有する。また、リサイクル層が実
質的に2種類の材料のみで形成されているため、多成分
含有の影響がなく、リサイクル層の品質の低下を防止で
きる。
【0013】上記構成において、リサイクル材が、フレ
ーク材またはそのフレーク材を押出機で溶融・再ペレッ
ト化したものであることが望ましい。通常の材料製造工
程として使用される、粉砕・溶融・ペレット化工程等を
経るのみで、容易に材料の再生が可能であり、実用的で
ある。また、再生材料を、バージン材料(新材料)と同
様の手法で使用することができる。
【0014】上記構成において、リサイクル材に、さら
にバージン管状体に含まれる材料を添加してリサイクル
材の組成比を調整することが望ましい。リサイクル層の
物性を常に一定にすることができ、品質が安定するから
である。
【0015】上記構成において、バージン管状体と再生
管状体が同一構造であることが望ましい。同じ部品の同
じ構成のものをリサイクルで製造することが最も付加価
値の高いリサイクル方法であるからである。
【0016】上記構成において、再生管状体におけるリ
サイクル層は、最内層以外に形成されていることが望ま
しい。通常、管状体はその内部に媒体を通過させて使用
するため、最内層は負荷が大きく、単独バージン材料を
使用するほうが多層管状体の最内層の機能性や寿命をよ
り確保し易い。
【0017】(2) 本発明のリサイクル多層管は、上記多
層管状体のリサイクル方法により形成される管状体であ
って、内層側から材料A層、リサイクル層、材料B層の
順に積層されてなる3層構成である、または、内層側か
ら材料A層、リサイクル層の順に積層されてなる2層構
成である、または、内層側からリサイクル層、材料B層
の順に積層されてなる2層構成であることを特徴とす
る。
【0018】上記構成においては、材料Aとしてポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)、材料Bとしてポリア
ミド(PA)を好適に使用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明を行う。
【0020】本発明の多層管状体のリサイクル方法は、
少なくともバージン材料からなる層を含む多層管状体を
粉砕して得られるリサイクル材を使用して、再生管状体
を形成する方法であって、バージン管状体の各層を分離
することなくそのまま粉砕して、再生管状体の材料とし
て使用することを特徴とする。即ち、多層管状体の材料
リサイクル(Material Recycle) である。
【0021】バージン管状体の各層を分離することなく
そのまま粉砕して、リサイクル材として使用するため、
各層の分離作業が不要となり、多層管状体のリサイクル
性が向上する。
【0022】なお、バージン管状体を形成するバージン
材料とは、リサイクル材料以外の材料を示すものであっ
て、例えば、単独材料であってもよいし、ブレンド材料
であってもよい。
【0023】そして、バージン管状体の粉砕は、数mmオ
ーダーの粒子にする破砕や粗砕、数百μmにする中砕、
数十μm粒子にする狭義の粉砕、数μmとする微粉砕の
いずれであってもよい。粉砕方法としては、プラスチッ
ク粉砕に使用される方法を適用でき、材料特性や粉砕の
程度に応じて適宜決定する。例えば、ジョークラッシャ
ー、ハンマーミル、エッジランナー、インテグレータ
ー、ピンミル、高速回転ミル、ローラーミル、ボールミ
ル、振動ミル、ジェットミル、攪拌ミル等を使用でき
る。
【0024】上記構成において、バージン管状体が、実
質的に2種類の材料A、Bのみにより形成されてなり、
再生管状体が、リサイクル材を成分とするリサイクル層
を有する多層管であって、リサイクル層は、材料A層及
び/又は材料B層と、溶融接着により積層されているこ
とが望ましい。
【0025】ここで、リサイクル層、材料A層、材料B
層を形成する材料を「実質的に…のみから」としたの
は、少量の添加剤が含有する可能性を含めたものであ
る。即ち、各層の特性に影響を与えない範囲内で、少量
の添加剤が含有されているものも本発明の範囲内であ
る。ただし、本発明の目的上、添加剤はできるかぎり少
量であることが望ましい。
【0026】実質的に材料A,Bのみで形成されたリサ
イクル層が、実質的に単独の材料からなる材料A層及び
/又は材料B層と溶融接着されていることにより、材料
A、Bの種類を問わず、リサイクル層が接着層としての
機能を有する。即ち、溶融接着で積層されるため、リサ
イクル層における材料Aが、材料A層との接着性を確保
し、リサイクル層における材料Bは材料B層との接着性
を確保する。
【0027】また、リサイクル層が実質的に2種類の材
料のみで形成されているため、多成分含有によるリサイ
クル層の品質の低下(劣化等)を防止できる。
【0028】上記において、再生管状体も実質的にA,
B2種類の材料のみからなる構成とすれば、さらに再生
管状体を粉砕して、A,B2種類の材料からなるリサイ
クル材として使用することができ、多段階にわたるリサ
イクルが実現可能となる。
【0029】上記構成において、リサイクル材が、フレ
ーク材またはそのフレーク材を押出機で溶融・再ペレッ
ト化したものであることが望ましい。プラスチックリサ
イクルにおける汎用法であり、粉砕・溶融・ペレット化
工程等を経るのみで、容易に材料の再生が可能であり、
実用的である。また、再生材料は、バージン材料と同様
の手法で使用することができる。
【0030】上記フレーク材は、粉砕工程において、数
mmオーダーに粗砕することで得られる。また、ペレット
は、バージン管状体の粉砕物から、汎用のペレット成形
機(ペレタイザ:pelletizer) を用いて得ることができ
る。ペレット化における溶融温度等は、使用するA,B
材料の種類に応じて、適宜決定すればよい。
【0031】なお、材料A、B間の相溶性が高い組み合
わせでは、溶融後のリサイクル材料は、単一材料として
の巨視的な性質を有し、逆に相溶性が低い組み合わせで
は、一方の材料がマトリックス、他方の材料が分散質と
なって、海−島構造を示す。
【0032】上記構成において、リサイクル材に、さら
にバージン管状体に含まれる材料を添加してリサイクル
層における材料の組成比を調整することが望ましい。リ
サイクル層を望みの組成比とすることができるからであ
る。また、リサイクル層の組成比を常に一定にすること
により、リサイクル材の物性(接着性等)が安定する。
【0033】上記構成において、バージン管状体と再生
管状体が同一材料を含む、同一構造であることが望まし
い。同じ構成の同じ部品のものをリサイクルで製造する
ことが最も付加価値の高いリサイクル方法であるからで
ある。そして、再生管状体をさらに粉砕してリサイクル
材として使用でき、複数回のリサイクルが可能となる。
【0034】上記構成において、再生管状体におけるリ
サイクル層は、最内層以外に形成されていることが望ま
しい。通常、管状体はその内部に媒体を通過させて使用
するため、最内層は負荷要求特性が大きく、単独バージ
ン材料を使用するほうが最内層の機能や寿命をより確保
し易い。ここで、負荷要求特性とは、高度の耐薬品性、
耐熱性、耐摩耗性、耐クリープ性が要求され、バージン
材料以外では、それらの機能を達成し難い特性をいう。
【0035】なお、耐候性や耐衝撃性などの負荷要求特
性が外層に要求される、管状体のプロテクタや配線など
を束ねる集束管では、リサイクル層を内層とし、バージ
ン材料を用いた層を外層としてもよい。
【0036】なお、参考までに、本発明の多層管状体の
リサイクル方法の一例を図1に示すが、本発明は、図示
の多層管状体の構造に限定されるものではない。
【0037】(2) 次に、本発明のリサイクル多層管につ
いて説明する。
【0038】本発明のリサイクル多層管は、上記多層管
状体のリサイクル方法により形成される管状体であっ
て、内層側から材料A層、リサイクル層、材料B層の順
に積層されてなる3層構成である(図1(2−a)参
照)、または、内層側から材料A層、リサイクル層の順
に積層されてなる2層構成である(図1(2−b)参
照)、または、内層側からリサイクル層、材料B層の順
に積層されてなる2層構成である(図1(2−c)参
照)ことを特徴とする。
【0039】ここで、材料A、材料Bの組み合わせとし
ては、管状体に使用されている材料であればいずれも使
用可能であるが、例えば材料Aとして、エチレンテトラ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン、ペルフルオロメチルビニルエーテ
ル、クロロトリフルオロエチレン、エチレンクロロトリ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレンビニリデン、ペルフルオロアルコキ
シ、ポリふっ化ビニリデン等のフルオロポリマー、ポリ
アミド12、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミ
ド11等のポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニル、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)、ポリサルホン(PS
F)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(P
EI)、ポリアリレート(PAR)、ポリオキシベンジ
レン(POB)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミ
ド(PAI)、ポリアミノビスマレイミド(PABM)
等の芳香族骨格を有するポリマー等材料Bとして、ポリ
アミド12、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミ
ド11等のポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアルキレ
ンナフタレート、等が例示でき、上記又はその他汎用材
料の中からそれぞれ選択して使用可能である。ただし、
材料A,材料Bを共押出しして多層管状体を製造するた
めには、溶融温度が離れ過ぎないようにすることが必要
である。なお、材料A,Bは、上記材料の共重合体や変
性体であってもよい。
【0040】以下、材料Aとしてポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)、材料Bとしてポリアミド(PA)を
使用し、自動車の樹脂製ウォーター配管を共押出により
製造する場合を例に採り説明する。
【0041】樹脂製ウォーター配管材料としては、従
来、ガラス繊維入りPA66が使用されていたが、近年
では、耐熱性(融点280℃)・耐LLC(Long-Life-
Coolant :不凍液=エチレングリコール)性に優れたP
PSを被服層(保護層)である耐候性の良好なPAの内
側に積層した本明細書で例示する配管が使われるように
なっている。
【0042】PPSは、ベンゼン環と硫黄が交互に連な
った分子構造を持つ熱可塑性の結晶性樹脂である。これ
までは、熱リサイクル又は埋め立てにより処理されてい
たが、分子構造の中に硫黄を含んでいるため、熱リサイ
クル(Thermal Recycle)に供すると、有害なSOx が発
生するおそれがあり適さない。そのため、本発明の如く
マテリアルリサイクルに供することは、非常に有用であ
る。
【0043】図1(2−a),(2−b),(2−c)
における管状体のリサイクル層は、図1(1)の管状体
を粉砕してなるリサイクル材から形成されている。リサ
イクル材はPPSとPAとのブレンド物(以下「PPS
/PA材料」とする。)であり、そのまま3層管状体
(1)等を粉砕・溶融・再ペレット化すれば使用可能と
なる。なお、PPSとPAのブレンド比率を調製するた
めに、必要によりPPSまたはPAを上記リサイクル材
にブレンドしてもよい。
【0044】この際、リサイクル材のPPSとPAのブ
レンド比(質量比)は、PPSをPAに比して若干多め
にすると、具体的にはPPS/PA=約65/35〜6
0/40とすると、両樹脂間の溶融・混練時の分散性が
良好となる。なお、PPSとPAとは非相溶性であり、
PPSがマトリックス、PAが分散相の海−島構造を形
成する。
【0045】上記において、リサイクル材を溶融・ペレ
ット化する際の溶融温度は、温度約300℃とする。P
PSの溶融温度が約280℃、PAの溶融温度が約23
0℃であるため、両者が溶融可能な最低限の温度が必要
であるからである。なお、温度が高すぎると、PPSの
熱劣化が起こり、温度が低過ぎると溶融粘度が高くなる
ため混練・分散性が低下する。
【0046】上記の如く粉砕・溶融して得られたペレッ
トは、通常の押出機を使用して、PPS及び/又はPA
と共押出することにより多層管状体(2−a),(2−
b),(2−c)等に成形可能である。この際、リサイ
クル層は、隣接するPPS層及び/又はPA層に対して
良好な接着性を有する。即ち、図1(2−a)では、リ
サイクル層が接着層としての役割を担い、(2−b)で
は、内層との接着性が良好な表皮層とすることができ、
(2−c)では、外層との接着性が良好な内層とするこ
とができる。通常、PAとPPSとは接着性を有しない
が、本構成のリサイクル材を中間層として用いたりすれ
ば接着性が良好な多層管が形成される。
【0047】なお、(2−b)の形状とした場合は、コ
ストの高いPAの使用量を(2−a)の形状に比して減
らすことができ、かつリサイクル層にPAが含有されて
いるため耐候性も確保できる。
【0048】そして、(2−a),(2−b),(2−
c)等の多層管状体は、さらに同様の方法で、リサイク
ルすることにより(3)等の多層管状体を得ることがで
き、多段階にわたるリサイクルが実現可能である。そし
て、多段階にわたるリサイクルを行っても、各層の物性
は一定であり、グレードの高い多層管状体のリサイクル
が実現可能となる。
【0049】なお、(2−a),(2−b)の如く、最
内層にリサイクル材を使用しない構成とすることが望ま
しい。通常、管状体はその内部に液体や蒸気等の媒体を
通過させて使用するため、最内層は負荷要求特性が大き
く、単独バージン材料からなる層を使用するほうが多層
管状体の機能性や寿命をより確保し易いからである。例
示の樹脂製ウォーター配管においては、バリア性や耐性
を確保する目的で、最内層にPPS単独材料からなる層
を使用している。
【0050】ただし、耐候性や耐衝撃性などの負荷要求
特性が外層に要求される管状体においては(2−c)の
如く、リサイクル層を内層、バージン材料からなる層を
外層とすることもできる。
【0051】
【発明の効果】本発明は、バージン管状体の各層を分離
することなくそのまま粉砕して再生管状体の材料として
使用するため、分離作業・分別費用が不要となり、リサ
イクル性が向上する。
【0052】そして、実質的に材料A,Bのみで形成さ
れたリサイクル層が実質的に単独の材料からなる材料A
層又は材料B層と溶融接着されている構成とすることに
より、層間の接着性が向上し、リサイクル層が接着層と
しての機能を有する。また、リサイクル層を実質的に2
種類の材料のみで形成されることで、多成分含有による
リサイクル層の品質の低下を防止できる。
【0053】さらに、リサイクル材を、フレーク材また
はそのフレーク材を押出機で溶融・再ペレット化したも
のとすると、汎用法である粉砕・溶融・ペレット化等の
工程等を経るのみで、容易に材料の再生が可能であり、
実用的である。また、再生原料をバージン材料と同様の
手法で使用することができる。
【0054】さらにリサイクル材に、バージン管状体に
含まれる材料を添加して組成比を調整すると、リサイク
ル層の物性を常に一定とすることができ、品質が安定す
る。
【0055】さらに、バージン管状体と再生管状体を同
一構造とすると、同じ部品の同じ構成のものをリサイク
ルで製造することができ、最も付加価値の高いリサイク
ル方法とすることができる。
【0056】さらに、再生管状体におけるリサイクル層
は、最内層以外に形成することで、管状体の最内層の機
能や寿命をより確保し易くなる。
【0057】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行った
実施例について詳細に説明を行う。
【0058】表1に示す3層構成(内層=バリア層、中
間層=ブレンド接着層、外層=被覆層)の各多層管状体
を形成した後、粉砕・溶融・ペレット化、バージン材添
加による組成比調整を行いリサイクル材とした。そし
て、該リサイクル材を中間層に用いて、再度同一の多層
管状体を形成した。
【0059】
【表1】
【0060】上記各実施例のリサイクル後の多層管状体
は、各層間の接着性も良好であり、リサイクルして同一
構造・同一組成の多層管状体を製造しても、何ら物性の
低下は見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層管状体のリサイクル方法の一例を
示す流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 77:00 B29K 77:00 81:00 81:00 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA15 BA31 CA53 CB03 CB04 CB14 DA26 DB03 EA04 4F100 AK01A AK01B AK01C AK46C AK57A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C DA11 EC18 JK06 JL16 JL16B 4F201 AA29 AA34 AA50 AC01 AG03 AG08 BA02 BA04 BK13 BL09 BL29 BN29 BN31 BQ49 4F301 AA12 AA17 AA18 AA25 AA28 AA29 BD05 BD09 BF16 BF32

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともバージン材料からなる層を含
    む多層管状体(以下、「バージン管状体」とする。)を
    粉砕して得られるリサイクル材を使用して、再度新たな
    多層管状体(以下、「再生管状体」とする。)を形成す
    る、多層管状体のリサイクル方法であって、 前記バージン管状体の各層を分離することなくそのまま
    粉砕して、前記再生管状体の材料として使用することを
    特徴とする多層管状体のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 前記バージン管状体が、実質的に2種類
    の材料A、Bのみで形成されてなり、前記再生管状体
    が、前記リサイクル材で形成された層(以下、「リサイ
    クル層」とする。)を有する多層管であって、前記リサ
    イクル層は、実質的に材料Aのみからなる層(以下、
    「材料A層」とする。)及び/又は実質的に材料Bのみ
    からなる層(以下、「材料B層」とする。)と、溶融接
    着により積層されていることを特徴とする請求項1記載
    の多層管状体のリサイクル方法。
  3. 【請求項3】 前記リサイクル材が、フレーク材または
    そのフレーク材を押出機で溶融・再ペレット化したもの
    であることを特徴とする請求項2記載の多層管状体のリ
    サイクル方法。
  4. 【請求項4】 前記リサイクル材に、さらに前記バージ
    ン管状体に含まれる材料を添加してリサイクル材の組成
    比を調整したことを特徴とする請求項1,2又は3記載
    の多層管状体のリサイクル方法。
  5. 【請求項5】 前記バージン管状体と前記再生管状体が
    同一構造であることを特徴とする請求項4記載の多層管
    状体のリサイクル方法。
  6. 【請求項6】 前記再生管状体におけるリサイクル層が
    最内層以外に形成されていることを特徴とする請求項
    1、2、3、4又は5記載の多層管状体のリサイクル方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    多層管状体のリサイクル方法において形成される管状体
    であって、 内層側から材料A層、リサイクル層、材料B層の順に積
    層されてなる3層構成であることを特徴とするリサイク
    ル多層管。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    多層管状体のリサイクル方法において形成される管状体
    であって、 内層側から材料A層、リサイクル層の順に積層されてな
    る2層構成であることを特徴とするリサイクル多層管。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    多層管状体のリサイクル方法において形成される管状体
    であって、 内層側からリサイクル層、材料B層の順に積層されてな
    る2層構成であることを特徴とするリサイクル多層管。
  10. 【請求項10】 前記材料Aがポリフェニレンサルファ
    イド(PPS)、前記材料Bがポリアミド(PA)、で
    あることを特徴とする請求項7、8又は9記載のリサイ
    クル多層管。
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