JP2003041237A - 低汚染化剤、該低汚染化剤を含む塗料用組成物および塗装物品 - Google Patents

低汚染化剤、該低汚染化剤を含む塗料用組成物および塗装物品

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JP2003041237A
JP2003041237A JP2001232358A JP2001232358A JP2003041237A JP 2003041237 A JP2003041237 A JP 2003041237A JP 2001232358 A JP2001232358 A JP 2001232358A JP 2001232358 A JP2001232358 A JP 2001232358A JP 2003041237 A JP2003041237 A JP 2003041237A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐雨筋汚染性とその持続性に優れる塗膜を形成
できる低汚染化剤、該低汚染化剤を含む塗料用組成物お
よびその塗装物品を提供する。 【解決手段】N−ヒドロキシメチルアクリルアミド等に
基づくヒドロキシメチル基を有する繰り返し単位を2個
以上含有し、該繰り返し単位の含有割合(質量基準)が
30%超である重合体からなる低汚染化剤。該低汚染化
剤および含フッ素樹脂等の塗料用樹脂を含む塗料用組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低汚染化剤、該低
汚染化剤を含む塗料用組成物および塗装物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属、無機材料、プラスチッ
ク、木材、紙、皮革、繊維等からなる製品は、その表面
の保護、意匠性および機能性の付与等の目的で表面被覆
され、また、該表面被覆のための種々の塗料が開発され
ている。
【0003】近年、特に都市部では屋外建造物の雨筋汚
染が問題になり、それを改善する塗料の開発が要請さ
れ、種々の手法が検討されてきた。
【0004】(1)特開平8−165442号公報に
は、被膜形成性樹脂、親水性重合体微粒子および有機溶
剤を含有する塗料組成物が記載されている。該塗料組成
物における親水性重合体微粒子には、N−ヒドロキシメ
チルアクリルアミドが架橋部位として共重合せしめられ
ているが、該共重合体におけるN−ヒドロキシメチルア
クリルアミドの繰り返し単位の含有割合(質量基準。以
下、特にことわらない限りは、同じである。)は最大で
20%である。
【0005】(2)特開平11−293150号公報に
は、N−ヒドロキシメチルアクリルアミドが共重合せし
められた共重合体を架橋剤として用いた水性塗料用表面
処理剤が記載されている。この架橋剤としての共重合体
におけるN−ヒドロキシメチルアクリルアミドの繰り返
し単位の含有割合は最大で30%である。
【0006】しかし、前記(1)の親水性重合体微粒子
や前記(2)の架橋剤としての共重合体は、低汚染性、
耐汚れ性、耐雨筋汚染性を物品表面に付与するための低
汚染化剤としては不充分であり、特に耐雨筋汚染性につ
いては実用性能を実現できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
物品表面に優れた低汚染性、耐汚れ性、耐雨筋汚染性
(以下、これらをまとめて耐汚染性と記すことがあ
る。)を付与できる低汚染化剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐汚染性に優れた塗膜を形成でき
る塗料用組成物および耐汚染性に優れた塗膜を有する塗
装物品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、ヒドロ
キシメチル基を有する繰り返し単位(A)を2個以上含
有し、必要により該繰り返し単位(A)以外の繰り返し
単位(B)を含有し、かつ、該繰り返し単位(A)の含
有割合(質量基準)が30%超である重合体からなるこ
とを特徴とする低汚染化剤を提供する。 (2)また、本発明は、塗料用樹脂および前記低汚染化
剤を含むことを特徴とする塗料用組成物を提供する。 (3)さらに、本発明は、前記塗料用組成物を用いて形
成された塗膜を有することを特徴とする塗装物品を提供
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、ヒドロキシメチ
ル基を有する繰り返し単位(A)(以下、単位(A)と
記すことがある。)は、ヒドロキシメチル基を有する重
合性単量体を重合させることにより重合体に導入でき
る。また、反応部位を有する重合体にヒドロキシメチル
基を導入するなどの各種変成手法によっても、単位
(A)を重合体に導入できる。以下、単位(A)を与え
る重合性単量体を典型例として挙げて説明する。
【0010】単位(A)を与える重合性単量体として
は、例えば以下の重合性単量体が挙げられる。 CH=CHCOOR、CH=C(CH)COO
、CH=CHOCOR、CH=C(CH
OCOR、CH=CHCONHR、CH =C
(CH)CONHR、CH=CHCON(R
、CH=C(CH)CON(R、CH
CHNHCOR、CH=C(CH)NHCO
、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0011】ただし、Rはヒドロキシメチル基含有基
であり、Rが2個以上含まれる場合は同一であっても
異なっていてもよい。さらに、Rには、ヒドロキシル
メチル基以外の官能基や、窒素原子、塩素原子、フッ素
原子等の他の原子が含まれていてもよい。耐汚染性の観
点から、通常はRがヒドロキシメチル基であることが
好ましく、特にヒドロキシメチル基が窒素原子または酸
素原子に結合した構造を有する繰り返し単位であること
が好ましい。
【0012】本発明においては、前記単位(A)におけ
るヒドロキシメチル基が、窒素原子に結合していること
が好ましい。単位(A)は、N−ヒドロキシメチルアク
リルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、
N,N−ビス(ヒドロキシメチル)アクリルアミドおよ
びN,N−ビス(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド
からなる群より選ばれる単量体から得られる繰り返し単
位が特に好ましい。
【0013】単位(A)は一種類で用いてもよいし、二
種以上の併用であってもよい。単位(A)の含有割合
(質量基準)は30%超である。単位(A)の含有割合
は多い方が耐汚染性の点で良好である。好ましくは50
〜100%である。
【0014】本発明においては、必要により前記単位
(A)以外の繰り返し単位(B)(以下、単位(B)と
記すことがある。)が含有されてもよい。単位(B)の
少なくとも一種は、ヒドロキシメチル基以外の架橋性官
能基を有する繰り返し単位(b1)(以下、単位(b
1)と記すことがある。)であることが好ましい。さら
に、単位(B)としては、単位(A)以外かつ単位(b
1)以外の繰り返し単位(b2)(以下、単位(b2)
と記すことがある。)が挙げられる。単位(B)とし
て、単位(b1)と単位(b2)とを併用してもよい。
【0015】単位(b1)を与える重合性単量体として
は、架橋反応に一般的に用いられる架橋性官能基を有す
る単量体が挙げられる。例えば、単位(b1)を与える
重合性単量体としては、アルデヒド性カルボニル基を有
する単量体、ケトン性カルボニル基を有する単量体、水
酸基を有する単量体、カルボキシ基を有する単量体もし
くはその塩、スルホ基を有する単量体もしくはその塩、
リン酸残基を有する単量体もしくはその塩、エポキシ基
を有する単量体、アミノ基を有する単量体もしくはその
塩、オキサゾリン残基を有する単量体、アミド基を有す
る単量体、アルコキシ基を有する単量体、加水分解性シ
リル基を有する単量体等が挙げられる。
【0016】本明細書において、アルデヒド性カルボニ
ル基およびケトン性カルボニル基におけるカルボニルと
は、ケトンおよびアルデヒドを表し、エステル、アミ
ド、カルボキシは除く。単位(b1)は同一であっても
よいし、異なっていてもよい。単位(b1)としては、
ヒドロキシメチル基との反応性の低い官能基を有する繰
り返し単位が好ましく、アルデヒド性カルボニル基を有
する単量体、ケトン性カルボニル基を有する単量体およ
びオキサゾリン残基を有する単量体からなる群より選ば
れる少なくとも一つの単量体から得られる繰り返し単位
が好ましい。
【0017】アルデヒド性カルボニル基を有する単量体
としては、(メタ)アクロレイン、クロトンアルデヒ
ド、β−ホルミルスチレン、β−ホルミル−α−メチル
スチレン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−
ジアルキルプロパナール類等が挙げられる。β−(メ
タ)アクリロイルオキシ−α,α−ジアルキルプロパナ
ール類の具体例としては、β−(メタ)アクリロイルオ
キシ−α,α−ジメチルプロパナール、β−(メタ)ア
クリロイルオキシ−α,α−ジエチルプロパナール、β
−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−ジプロピルプ
ロパナール、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α−メ
チル−α−ブチルプロパナール、β−(メタ)アクリロ
イルオキシ−α,α,β−トリメチルプロパナール等が
挙げられる。
【0018】ケトン性カルボニル基を有する単量体とし
ては、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)
(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニル
エチルケトン、ビニルプロピルケトン、ビニルイソプロ
ピルケトン、ビニルブチルケトン、ビニルイソブチルケ
トン、ビニルtert−ブチルケトン、ビニルフェニル
ケトン、ビニルベンジルケトン、ジビニルケトン、
(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アク
リルレート等が挙げられる。
【0019】さらに、ケトン性カルボニル基を有する単
量体としては、活性メチレン部位を有する単量体であっ
てもよく、具体的には、アリルアセトアセテート、2−
アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−
(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、
3−(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレー
ト、2−(アセトアセトキシ)ブチル(メタ)アクリレ
ート、3−(アセトアセトキシ)ブチル(メタ)アクリ
レート、4−(アセトアセトキシ)ブチル(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0020】水酸基を有する単量体としては、ビニルフ
ェノール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペ
ンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
【0021】さらに、水酸基を有する単量体としては、
末端が水酸基であるポリオキシアルキレン(以下、PO
Aという。)鎖を有する単量体であってもよい。例え
ば、CH=CHOCH10CHO(C
O)H(ここで、kは1〜100の整数、以下同
じ。)、CH=CHOCO(CO)
H、CH=CHCOOCO(CO)
H、CH=C(CH)COOCO(C
O)H、CH=CHCOOCO(C
O)(CO)H(ここで、mは0または1
〜100の整数であり、nは1〜100の整数であり、
m+nは1〜100である。以下同じ。)、CH=C
(CH)COOCO(CO)(C
O)H 等が挙げられる。
【0022】POA鎖を有し、かつ、末端が水酸基であ
る前記単量体の市販品としては、PE−90、PE−2
00、PE−350、AE−400、PP−500、P
P−800、PP−1000、AP−400、50PE
P−300、70PEP−350B(以上、日本油脂社
製)等が挙げられる。
【0023】カルボキシ基を有する単量体もしくはその
塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸無水
物、フマル酸、ケイ皮酸、もしくはそれらの塩等が挙げ
られる。
【0024】スルホ基を有する単量体もしくはその塩と
しては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、2−ヒドロキシアリルオキシ
−1−プロパンスルホン酸、スルホエトキシアクリレー
ト、スルホエトキシメタクリレート、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、もしくはそれらの
塩等が挙げられる。
【0025】リン酸残基を有する単量体もしくはその塩
としては、リン酸2−アクリロイルオキシエチルエステ
ル、リン酸2−メタクリロイルオキシエチルエステル、
もしくはそれらの塩等が挙げられる。
【0026】エポキシ基を有する単量体としては、グリ
シジル(メタ)アクリレート、グリシジルシンナメー
ト、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエー
テル、3,4−エポキシ−1−ブテン等が挙げられる。
【0027】アミノ基を有する単量体もしくはその塩と
しては、2−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、2−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、アリルアミン、もしくはそれらの塩等が挙げ
られる。
【0028】オキサゾリン残基を有する単量体として
は、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−
メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−
2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾ
リンが挙げられる。アミド残基を有する単量体として
は、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
【0029】アルコキシ基を有する単量体としては、2
−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシ
エチル(メタ)アクリレート、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ビス(メトキシメチル)
(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ビス(エトキシメチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ビス(プロポキシメチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ビス(ブトキシメチル)(メタ)
アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシ−1−ヒド
ロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0030】さらに、アルコキシ基を有する単量体とし
ては、末端がアルコキシ基であるPOA鎖を有する単量
体であってもよい。例えば、CH=CHOCH
CHO(CO)CH(ここで、kは
1〜100の整数、以下同じ。)、CH=CHOC
O(CO)CH、CH=CHCOOC
O(CO)CH、CH=C(C
)COOCO(CO)CH、CH
=CHCOOCO(CO)(C
O)CH(ここで、mは0または1〜100の整数
であり、nは1〜100の整数であり、m+nは1〜1
00である。以下同じ。)、CH=C(CH)CO
OCO(CO)(CO)CH
等が挙げられる。
【0031】POA鎖を有し、かつ、末端がアルコキシ
基である前記単量体の市販品としては、M−20G、M
−40G、M−90G、M−230G、AM−90G
(以上、新中村化学工業社製)、PME−100、PM
E−200、PME−400(以上、日本油脂社製)等
が挙げられる。
【0032】加水分解性シリル基を有する単量体として
は、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、p−ビニルフェニ
ルトリメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリエトキ
シシラン、3−トリメトキシシリルプロピルビニルエー
テル、3−メチルジメトキシシリルプロピルビニルエー
テル等が挙げられる。
【0033】単位(b1)の含有割合(質量基準)は、
0.01%以上かつ70%未満が好ましい。耐汚染性お
よびその持続性を考慮すると、特に好ましくは1〜30
%である。単位(b2)を与える重合性単量体として
は、炭化水素系オレフィン類、ビニルエーテル類、イソ
プロペニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエス
テル類、アリルエステル類、アルキル(メタ)アクリル
酸エステル類、芳香族ビニル化合物、クロロオレフィン
類、共役ジエン類等が挙げられる。また、単位(b2)
を与える重合性単量体としては、多官能重合性二重結合
を有する化合物も挙げられる。単位(b2)は同一であ
ってもよいし、異なっていてもよい。
【0034】炭化水素系オレフィン類としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン等が挙げられる。ビニル
エーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロ
ピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、te
rt−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエー
テル、n−ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシルビニ
ルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、4−メチル
−1−ペンチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニル
エーテル類、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘ
キシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテ
ル類、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテ
ル等の芳香族基含有ビニルエーテル類等が挙げられる。
イソプロペニルエーテル類としては、メチルイソプロペ
ニルエーテル、エチルイソプロペニルエーテル、n−プ
ロピルイソプロペニルエーテル、n−ブチルイソプロペ
ニルエーテル等が挙げられる。アリルエーテル類として
は、エチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエー
テル等が挙げられる。ビニルエステル類としては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オク
タン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、オクタデカン
酸ビニル等が挙げられる。アリルエステル類としては、
酢酸アリル、プロピオン酸アリル等が挙げられる。
【0035】(メタ)アクリル酸エステル類としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチ
ル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)ア
クリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、3−
メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチル−n−ヘキシル(メタ)
アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0036】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチル
スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、
4−tert−ブチルスチレン、3,4−ジメチルスチ
レン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、
2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ
スチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロ
ロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジ
ン、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
【0037】クロロオレフィン類としては、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、塩化イソプロペニル、塩化アリル
等が挙げられる。
【0038】共役ジエン類としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン等が挙げられる。
【0039】多官能重合性二重結合を有する化合物とし
ては、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、アリル
(メタ)アクリレート、イソフタル酸ジアリル、テレフ
タル酸ジアリル、トリアリルトリメリテート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール
(メタ)ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0040】単位(b2)の含有割合(質量基準)は、
69.99%未満が好ましい。耐汚染性を考慮すると、
特に好ましくは0〜50%である。
【0041】本発明における低汚染化剤を構成する重合
体は、単位(A)を2個以上含有するが、その分子量
は、数平均分子量で210〜1000000が好まし
く、1000〜100000がより好ましい。数平均分
子量がこの範囲であると、耐雨筋汚染性がより良好であ
る。
【0042】本発明における低汚染化剤は、以下の方法
によって合成できる。すなわち、前記の単位(A)を与
える単量体を、必要により単位(B)を与える単量体と
ともに、溶媒に溶解して加熱し、重合開始剤を加えて反
応させる方法である。
【0043】前記合成方法における溶媒としては、水溶
性の溶媒が好ましい。例えば、水、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブチ
ルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、エチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、グリセロール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2
−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−
エトキシエチルアセテート、2−(2−メトキシエトキ
シ)エタノール、メチルアセテート、エチルアセテー
ト、2,2−ジクロロジエチルエーテル、クロロプロパ
ノール、アセトン、メチルエチルケトン、1,4−ジオ
キサン、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、アセト
ニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。重合安定性、溶媒置換
の容易性の点から、メタノールまたはアセトンが好まし
い。
【0044】重合開始剤としては、公知の有機過酸化
物、無機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。有機過
酸化物、無機過酸化物は、還元剤と組み合わせて、レド
ックス系触媒として使用することもできる。これらの重
合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0045】有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド、イソブチリルパーオ
キシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、ter
t−ブチル−α−クミルパーオキシド等が挙げられる。
無機過酸化物としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナ
トリウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過炭酸塩等が
挙げられる。
【0046】アゾ化合物としては、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等が挙げ
られる。さらに、分子量を調整するため、公知の連鎖移
動剤としてメルカプタン類、ハロゲン化アルキル類等を
用いることができる。
【0047】メルカプタン類としては、n−ブチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ブチ
ルメルカプタン、チオグリコール酸エチル、チオグリコ
ール酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。ハロゲン化
アルキル類としては、クロロホルム、四塩化炭素、四臭
化炭素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよい
し、二種以上を併用してもよい。
【0048】上記のようにして得られた低汚染化剤から
形成された被膜の、水中におけるオクタンの接触角によ
り算出されるオクタンの脱離仕事は、3.0×10−2
J/m未満であることが好ましい。該オクタンの脱離
仕事は、水中において上記被膜に対するオクタンの接触
角を測定することにより求められる。
【0049】オクタンの脱離仕事(W′)は、以下の
式で表すことができる。W′=γSW+γWO−γ
SO (ただし、γSWは被膜表面と水との界面張力
(J/m)、γWOは水とオクタンとの界面張力(J
/m)、γSOは被膜表面とオクタンとの界面張力
(J/m)を表す。)。
【0050】ヤングの式γSW=γSO+γWO=co
sθ(ただし、θは水中においてオクタンが被膜となす
接触角である。)を前記式に代入し、拡張Fowkes
式を用いて、水とオクタンの表面張力の分散成分が等し
いことに注目すると、以下の式が導き出せる。
【0051】W′=C(1+cosθ) (ただし、
Cは水の表面張力の極性成分であり、C=0.051
(J/m)である。)。
【0052】θは0〜180°で変化し得るので、
′は0〜10.2×10−2(J/m)の範囲で
変化する。W′が小さい程、水中においてオクタンを
被膜表面から引き離すエネルギーが少なくて済むことを
意味しているので、耐汚染性が良好であると考えられ
る。耐汚染性を発揮するには、水中におけるオクタンの
脱離仕事は3.0×10−2J/m未満であることが
好ましい。さらに、2.0×10−2J/m未満であ
ることが好ましい。
【0053】塗料用樹脂としては、公知の種々の合成樹
脂が特に制限なく用いられる。具体例としては、含フッ
素樹脂、アクリル樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。合成樹脂は単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、
耐候性や耐薬品性に優れる含フッ素樹脂を単独でまたは
主成分として用いることが好ましい。塗料用樹脂として
の合成樹脂の形態としては、溶剤系、水系、粉体のあら
ゆる形態のものが使用できる。
【0054】含フッ素樹脂としては、含フッ素単量体の
重合体または該含フッ素単量体と含フッ素単量体以外の
単量体との共重合体が挙げられる。含フッ素単量体とし
ては、フルオロオレフィン類、ポリフルオロアルキル基
を有する単量体等が挙げられる。含フッ素単量体は、単
独で使用されてもよいし、または2種以上で併用されて
もよい。
【0055】フルオロオレフィン類としては、フッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペ
ンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等
が挙げられる。
【0056】ポリフルオロアルキル基を有する単量体と
しては、CH=CRCOOR、CH=CR
COO(CHNRSO、CH=CR
COO(CHNRCOR、CH=CR
COOCHCH(OH)(CH等が挙げら
れる。ただし、nは1〜10の整数を、Rは炭素数1
〜18のポリフルオロアルキル基を、Rは水素原子ま
たはメチル基を、Rは炭素数1〜6の2価有機基を、
は水素原子または炭素数1〜6の1価有機基を、そ
れぞれ示す。
【0057】Rは直鎖状でも、分岐状でもよく、エー
テル性の酸素原子を含んでもよい。Rの具体例として
は、CF、CFCF、H(CF、CF
(CF 、CF(CF、H(C
、CF(CF、CF(CF
CF(CFOCF(CF) 、 H(CF
、CF(CF、CF(CF、 H
(CF、CF(CF、CF(CF
、CFCF(CF)(CF、 CF(C
10、H(CF10、CF(C
11、H(CF14、CF(C
15、CF(CF17等が挙げられる。
【0058】Rの具体例としては、CH、CH
、CH(CH)、CHCH CH、C(CH
、CH(CHCH)、CHCHCH
、CH(CHCHCH)、CH(CH
CH、CH(CHCH(CH)等が挙げら
れる。
【0059】Rの具体例としては、水素原子、または
CH、CHCH、CHCH CH、CH
CHCH等が挙げられる。特にフルオロオレフ
ィン類が耐久性に優れるので好ましい。
【0060】含フッ素単量体以外の単量体としては、含
フッ素単量体と共重合可能な単量体が用いられる。具体
例としては、炭化水素系オレフィン類、ビニルエーテル
類、イソプロペニルエーテル類、アリルエーテル類、ビ
ニルエステル類、アリルエステル類、アルキル(メタ)
アクリル酸エステル類、芳香族ビニル化合物、クロロオ
レフィン類、共役ジエン類等が挙げられる。また、多官
能重合性二重結合を有する化合物や、官能基を有する単
量体も挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0061】炭化水素系オレフィン類としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン等が挙げられる。ビニル
エーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロ
ピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、te
rt−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエー
テル、n−ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシルビニ
ルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、4−メチル
ー1−ペンチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニル
エーテル類、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘ
キシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテ
ル類、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテ
ル等の芳香族基含有ビニルエーテル類等が挙げられる。
イソプロペニルエーテル類としては、メチルイソプロペ
ニルエーテル、エチルイソプロペニルエーテル、n−プ
ロピルイソプロペニルエーテル、n−ブチルイソプロペ
ニルエーテル等が挙げられる。アリルエーテル類として
は、エチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエー
テル等が挙げられる。ビニルエステル類としては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オク
タン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、オクタデカン
酸ビニル等が挙げられる。アリルエステル類としては、
酢酸アリル、プロピオン酸アリル等が挙げられる。
【0062】(メタ)アクリル酸エステル類としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチ
ル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)ア
クリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、3−
メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチル−n−ヘキシル(メタ)
アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0063】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチル
スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、
4−tert−ブチルスチレン、3,4−ジメチルスチ
レン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、
2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ
スチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロ
ロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジ
ン、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
【0064】クロロオレフィン類としては、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、塩化イソプロペニル、塩化アリル
等が挙げられる。共役ジエン類としては、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチル
−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
【0065】多官能重合性二重結合を有する化合物とし
ては、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、アリル
(メタ)アクリレート、イソフタル酸ジアリル、テレフ
タル酸ジアリル、トリアリルトリメリテート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール
(メタ)ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0066】官能基を有する単量体としては、ヒドロキ
シメチル基を有する単量体、アルデヒド性カルボニル基
を有する単量体、ケトン性カルボニル基を有する単量
体、カルボキシ基を有する単量体もしくはその塩、エポ
キシ基を有する単量体、アミノ基を有する単量体もしく
はその塩、オキサゾリン残基を有する単量体、アミド基
を有する単量体、アルコキシ基を有する単量体、加水分
解性シリル基を有する単量体、水酸基を有する単量体、
スルホ基を有する単量体もしくはその塩、リン酸残基を
有する単量体もしくはその塩、双性イオンを有する単量
体、シアノ基を有する単量体等が挙げられる。
【0067】ヒドロキシメチル基を有する単量体として
は、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロ
キシメチルメタクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキ
シメチル)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシ
メチル)メタクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリレ
ート、ヒドロキシメチルメタクリレート等が挙げられ
る。
【0068】アルデヒド性カルボニル基を有する単量体
としては、(メタ)アクロレイン、クロトンアルデヒ
ド、β−ホルミルスチレン、β−ホルミル−α−メチル
スチレン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−
ジアルキルプロパナール類等が挙げられる。β−(メ
タ)アクリロイルオキシ−α,α−ジアルキルプロパナ
ール類の具体例としては、β−(メタ)アクリロイルオ
キシ−α,α−ジメチルプロパナール、β−(メタ)ア
クリロイルオキシ−α,α−ジエチルプロパナール、β
−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−ジプロピルプ
ロパナール、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α−メ
チル−α−ブチルプロパナール、β−(メタ)アクリロ
イルオキシ−α,α,β−トリメチルプロパナール等が
挙げられる。
【0069】ケトン性カルボニル基を有する単量体とし
ては、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)
(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニル
エチルケトン、ビニルn−プロピルケトン、ビニルイソ
プロピルケトン、ビニルn−ブチルケトン、ビニルイソ
ブチルケトン、ビニルtert−ブチルケトン、ビニル
フェニルケトン、ビニルベンジルケトン、ジビニルケト
ン、(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)
アクリルレート等が挙げられる。
【0070】さらに、ケトン性カルボニル基を有する単
量体としては、活性メチレン部位を有する単量体であっ
てもよく、具体的には、アリルアセトアセテート、2−
アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−
(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、
3−(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレー
ト、2−(アセトアセトキシ)ブチル(メタ)アクリレ
ート、3−(アセトアセトキシ)ブチル(メタ)アクリ
レート、4−(アセトアセトキシ)ブチル(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0071】カルボキシ基を有する単量体もしくはその
塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸無水
物、フマル酸、ケイ皮酸、もしくはそれらの塩等が挙げ
られる。
【0072】エポキシ基を有する単量体としては、グリ
シジル(メタ)アクリレート、グリシジルシンナメー
ト、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエー
テル、3,4−エポキシ−1−ブテン等が挙げられる。
【0073】アミノ基を有する単量体もしくはその塩と
しては、2−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、2−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、アリルアミン、もしくはそれらの塩等が挙げ
られる。
【0074】オキサゾリン残基を有する単量体として
は、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−
メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−
2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾ
リンが挙げられる。
【0075】アミド残基を有する単量体としては、(メ
タ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビ
ニルアセトアミド等が挙げられる。
【0076】アルコキシ基を有する単量体としては、2
−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシ
エチル(メタ)アクリレート、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ビス(メトキシメチル)
(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ビス(エトキシメチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ビス(プロポキシメチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ビス(ブトキシメチル)(メタ)
アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシ−1−ヒド
ロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0077】さらに、アルコキシ基を有する単量体とし
ては、末端がアルコキシ基であるPOA鎖を有する単量
体であってもよい。例えば、CH=CHOCH
CHO(CO)CH(ここで、kは
1〜100の整数、以下同じ。)、CH=CHOC
O(CO)CH、CH=CHCOOC
O(CO)CH、CH=C(C
)COOCO(CO)CH、CH
=CHCOOCO(CO)(C
O)CH(ここで、mは0または1〜100の整数
であり、nは1〜100の整数であり、m+nは1〜1
00である。以下同じ。)、CH=C(CH)CO
OCO(CO)(CO)CH
等が挙げられる。
【0078】POA鎖を有し、かつ、末端がアルコキシ
基である前記単量体の市販品としては、M−20G、M
−40G、M−90G、M−230G、AM−90G
(以上、新中村化学工業社製)、PME−100、PM
E−200、PME−400(以上、日本油脂社製)等
が挙げられる。
【0079】加水分解性シリル基を有する単量体として
は、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、p−ビニルフェニ
ルトリメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリエトキ
シシラン、3−トリメトキシシリルプロピルビニルエー
テル、3−メチルジメトキシシリルプロピルビニルエー
テル等が挙げられる。
【0080】水酸基を有する単量体としては、ビニルフ
ェノール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペ
ンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
【0081】さらに、水酸基を有する単量体としては、
末端が水酸基であるPOA鎖を有する単量体であっても
よい。例えば、CH=CHOCH10CH
O(CO)H(ここで、kは1〜100の整
数、以下同じ。)、CH=CHOCO(C
O)H、CH=CHCOOCO(C
O)H、CH=C(CH)COOCO(C
O)H、CH=CHCOOCO(C
O)(CO)H(ここで、mは0または
1〜100の整数であり、nは1〜100の整数であ
り、m+nは1〜100である。以下同じ。)、CH
=C(CH)COOCO(CO)(C
O)H 等が挙げられる。
【0082】POA鎖を有し、かつ、末端が水酸基であ
る前記単量体の市販品としては、PE−90、PE−2
00、PE−350、AE−400、PP−500、P
P−800、PP−1000、AP−400、50PE
P−300、70PEP−350B(以上、日本油脂社
製)等が挙げられる。
【0083】スルホ基を有する単量体もしくはその塩と
しては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、2−ヒドロキシアリルオキシ
−1−プロパンスルホン酸、スルホエトキシアクリレー
ト、スルホエトキシメタクリレート、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、もしくはそれらの
塩等が挙げられる。
【0084】リン酸残基を有する単量体もしくはその塩
としては、リン酸2−アクリロイルオキシエチルエステ
ル、リン酸2−メタクリロイルオキシエチルエステル、
もしくはそれらの塩等が挙げられる。
【0085】双性イオンを有する単量体としては、ホス
ホリルコリン基含有(メタ)アクリレートが挙げられ
る。
【0086】シアノ基を有する単量体としては、(メ
タ)アクリロニトリル、クロトンニトリル、2−シアノ
エチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル(メ
タ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリ
レート、ケイ皮酸ニトリル等が挙げられる。
【0087】含フッ素単量体以外の単量体を共重合する
ことにより、顔料の分散性の改良、塗膜の造膜性や下地
への密着性の向上、硬度の向上、強度の向上、伸度の向
上、光沢値の向上等の効果が得られることがある。含フ
ッ素単量体と含フッ素単量体以外の単量体との共重合体
においては、耐久性、基材密着性および顔料分散性を考
慮すると、含フッ素単量体の共重合割合は、好ましくは
30〜90モル%、より好ましくは40〜80モル%で
ある。
【0088】含フッ素単量体以外の単量体の共重合割合
は、好ましくは10〜70モル%、より好ましくは20
〜60モル%である。官能基を有する単量体が共重合さ
れる場合には、官能基を有する単量体の共重合割合は、
好ましくは1〜20モル%、より好ましくは2〜15モ
ル%である。
【0089】本発明においては、塗料用樹脂として含フ
ッ素樹脂と他の樹脂の混合物を使用してもよい。この場
合、他の樹脂としてはアクリル樹脂が耐雨筋汚染性の持
続性に優れるので好ましい。含フッ素樹脂/アクリル樹
脂の混合比(質量基準)は、好ましくは100/0〜2
0/80、より好ましくは100/0〜50/50であ
る。
【0090】本発明の塗料用組成物における低汚染化剤
の配合量は、塗料用樹脂100質量部に対して0.1〜
100質量部が好ましい。この範囲であると耐汚染性お
よび耐候性が良好である。好ましくは0.5〜50質量
部が、より好ましくは1〜30質量部が配合される。
【0091】単位(b1)の架橋性官能基と反応し得る
硬化剤としては、公知の種々の硬化剤を用いることがで
きる。例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合
物、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物、ポリカル
ボジイミド化合物、2個以上のエポキシ基を有する化合
物、2個以上のオキサゾリン残基を有する化合物、2個
以上のアジリジン残基を有する化合物、多価金属類、2
個以上のアミノ基を有する化合物、ポリケチミン、2個
以上のカルボキシ基を有する化合物、酸無水物、2個以
上のメルカプト基を有する化合物等が挙げられる。これ
らは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0092】アミノ樹脂としては、メラミン系化合物、
グアナミン系化合物、尿素系化合物等のアミノ基の一部
もしくはすべてをヒドロキシメチル化した化合物、また
は該ヒドロキシメチル化した化合物の水酸基の一部もし
くはすべてをメタノール、エタノール、n−ブチルアル
コール、2−メチル−1−プロパノール等でエーテル化
した化合物、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン等
が挙げられる。
【0093】ポリイソシアネート化合物としては、ヘキ
サメチレンジイソシアナートやイソホロンジイソシアナ
ート等のポリイソシアナート化合物、メチルトリイソシ
アナートシラン等のイソシアナートシラン化合物および
/またはこれらの縮合物や多量体、およびこれらの水分
散タイプ、フェノール等のブロック化剤でイソシアナー
ト基をブロックしたブロック化ポリイソシアナート化合
物等が挙げられる。特に無黄変タイプのものが好まし
い。
【0094】2個以上のヒドラジノ基を有する化合物と
しては、ジヒドラジド、多官能ヒドラジド、多官能セミ
カルバジド等が挙げられる。
【0095】ジヒドラジドとしては、カルボヒドラジ
ド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コ
ハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジド、ヘプタン二酸ジヒドラジド、オクタ
ン二酸ジヒドラジド、ノナン二酸ジヒドラジド、ドデカ
ン二酸ジヒドラジド、ヘキサデカン二酸ジヒドラジド、
フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テ
レフタル酸ジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラ
ジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−ビ
スベンゼンジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジ
ド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒ
ドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒド
ラジド、イタコン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
【0096】多官能ヒドラジドとしては、エチレンジア
ミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、クエン酸トリヒドラ
ジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、
トリメリット酸トリヒドラジド、ピロメリット酸トリヒ
ドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド、1,4,
5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、アルキル(メ
タ)アクリレートのオリゴマー等のアルキルオキシカル
ボニル基を含有するオリゴマーとヒドラジンとの反応物
も挙げられる。
【0097】多官能セミカルバジドとしては、ポリイソ
シアネートとヒドラジンとの反応物等が挙げられる。
【0098】ポリカルボジイミド化合物は、公知の有機
ジイソシアネートの脱二酸化炭素縮合反応により得られ
る。このときに公知の触媒としてトリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート等のリン酸系化合物を用い
ることができる。また、有機ジイソシアネートと水酸基
含有ポリエチレングリコールの混合物を用いることによ
りノニオン親水性ポリカルボジイミド化合物が得られ
る。水分散性、安定性の点から、ノニオン親水性ポリカ
ルボジイミド化合物が好ましい。
【0099】2個以上のエポキシ基を有する化合物とし
ては、グリセロールポリグリシジルエーテル化合物等が
挙げられる。
【0100】2個以上のオキサゾリン残基を有する化合
物としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−
メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−
オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−
オキサゾリン等の重合性単量体の共重合体を挙げること
ができる。
【0101】2個以上のアジリジン残基を有する化合物
としては、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−
トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕、
2,2,2−トリスヒドロキシメチルエタノール−トリ
ス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕等が挙
げられる。
【0102】多価金属類としては、塩化亜鉛、塩化亜鉛
アンモニウム、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、クロム
酸およびその塩、重クロム酸およびその塩、ジイソプロ
ポキシチタニウムビスアセチルアセトン、硫酸アルミニ
ウム、トリアセチルアルミニウム、硝酸ジルコニル、酢
酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、フッ化ジ
ルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム
等が挙げられる。2個以上のアミノ基を有する化合物と
しては、脂肪族ポリアミン類、脂環族ポリアミン類、芳
香族ポリアミン類、複素環式ポリアミン類等が挙げられ
る。
【0103】脂肪族ポリアミン類としては、エチレンジ
アミン、1,2−プロピレンジアミン、1,4−ブチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジシアンジアミン等が挙げられる。
【0104】脂環族ポリアミン類としては、1,3−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、N−3−アミノプロピルシクロヘキシルアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノシクロ
ヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、1,4−ビス(エチルアミノ)シ
クロヘキサン等が挙げられる。芳香族ポリアミン類とし
ては、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、4−(1−アミノエチル)アニリン、メタフェニレ
ンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられ
る。複素環式ポリアミン類としては、N−アミノエチル
ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペ
ラジン等が挙げられる。
【0105】2個以上のカルボキシル基を有する化合物
としては、脂肪族ジカルボン酸類、脂環族ジカルボン酸
類、芳香族カルボン酸類、3官能以上のポリカルボン酸
類等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸類としては、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、スベリン酸、セバシン酸、酒石酸、リンゴ酸、イミ
ノジ酢酸等が挙げられる。脂環族ジカルボン酸類として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ
る。芳香族カルボン酸類としては、フタル酸、テレフタ
ル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸等が挙げられる。
【0106】3官能以上のポリカルボン酸類としては、
クエン酸1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、
エチレンジアミン四酢酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸等が挙げられる。
【0107】酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピ
オン酸、無水酪酸、無水シトラコン酸、無水マレイン
酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0108】2個以上のメルカプト基を有する化合物と
しては、脂肪族ジメルカプト化合物、芳香族ジメルカプ
ト化合物等が挙げられる。脂肪族ジメルカプト化合物と
しては、1,6−ジメルカプトヘキサン、ジメルカプト
ジエチルエーテル、トリグリコールジメルカプタン、ビ
ス−(2−メルカプトエチル)サルファイド等の脂肪族
ジメルカプト化合物等が挙げられる。芳香族ジメルカプ
ト化合物としては、3,4−ジメルカプトトルエン、ビ
ス(4−メルカプトフェニル)サルファイド、2,5−
ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、4−ter
t−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、2−ジ−n
−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−
トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5
−トリアジン等が挙げられる。
【0109】本発明の低汚染化剤において、ヒドロキシ
メチル基および前記架橋性官能基と硬化剤との組み合わ
せの一例を下記の表1〜表3に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】
【表3】
【0113】これらの架橋反応においては、硬化促進剤
を用いることができる。例えば、硬化剤としてポリイソ
シアネート化合物を用いる場合は、硬化促進剤として錫
化合物等を用いることができる。錫化合物としては、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(マレイン酸モノ
エステル)、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫
ジ(マレイン酸モノエステル)、ジブチル錫ジアセテー
ト等が挙げられる。硬化剤としてアミノ樹脂を用いる場
合は、N,N−ジメチルエチルスルファメートを用いる
ことができる。また、オキサゾリン基とポリカルボン酸
化合物の反応においては、リン酸水素二アンモニウムを
用いることができる。
【0114】以上に挙げた架橋性官能基と硬化剤の組み
合わせにおいて、一液常温架橋できるものが好ましい。
例えば、カルボニル基とポリヒドラジド化合物との組み
合わせ、活性メチレン基とポリアミン化合物との組み合
わせ、オキサゾリン基とポリカルボン酸化合物との組み
合わせ、オキサゾリン基とポリメルカプタン化合物との
組み合わせ等が挙げられる。
【0115】硬化剤の配合量は、低汚染化剤100質量
部に対して1〜1000質量部が好ましい。この範囲で
あると耐汚染性、その持続性および塗料安定性が良好で
ある。好ましくは、5〜500質量部が、より好ましく
は、10〜200質量部が配合される。
【0116】本発明において、塗料用組成物の奏する優
れた耐雨筋汚染性の発現機構は、必ずしも明確ではない
が、以下のように考えられる。ヒドロキシメチル基を有
する重合体からなる低汚染化剤を含有する塗膜は、水中
におけるオクタン脱離仕事が小さい。このことは、都市
部での汚れ物質に含まれる油性成分がいったん塗膜表面
に付着しても、容易に雨等により洗い流されることを示
しており、耐汚染性が優れていることを意味する。さら
に、ヒドロキシメチル基以外の架橋性官能基を導入し、
それに適した硬化剤を配合することによって、初期より
この親水性成分が塗膜表面に固定化され耐汚染性を長く
持続することができる。
【0117】水性塗料組成物の場合には、必要に応じ
て、着色剤、造膜助剤、増粘剤、可塑剤、消泡剤、紫外
線吸収剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、皮バリ防止
剤、顔料分散剤等の通常水性塗料に添加される添加剤を
混合してもよい。
【0118】着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔
料、メタリック顔料等が例示され、特に、無機顔料は、
塗膜の耐候性に優れるので好ましい。
【0119】造膜助剤としては、水性塗料組成物の安定
性を損なわない有機溶剤が使用できる。具体例として
は、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、
トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチ
ルエーテル等の多価アルコールのモノアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセ
テート等の多価アルコールモノアルキルエーテルの有機
酸エステル類、3−エトキシプロピオン酸エステル類、
酢酸3−メトキシ−3−メチル−ブチル等が挙げられ
る。可塑剤としては、従来公知のものが使用でき、具体
例としては、ジオクチルフタレート等の低分子量可塑
剤、ビニル重合体系可塑剤やポリエステル系可塑剤等の
高分子量可塑剤等が挙げられる。
【0120】本発明の塗料の塗装方法としては、通常用
いられる塗装方法が特に限定なく採用でき、刷毛又はロ
ーラーブラシを用いた塗装、エアースプレイ塗装、カー
テンフローコータによる塗装、ロールコータによる塗装
等が挙げられる。
【0121】塗装で得られた塗膜はカルボニル基とポリ
ヒドラジド化合物、活性メチレン基とポリアミン化合
物、オキサゾリン基とポリカルボン酸化合物、オキサゾ
リン基とポリメルカプタン化合物の組み合わせを用いた
場合は、常温で乾燥し硬化塗膜を得ることができる。前
記架橋反応においても、他の架橋反応においても高温で
焼き付け乾燥し短時間で硬化塗膜を得ることができる。
焼き付け温度は特に限定されないが、塗装する基材の耐
熱温度以下が好ましい。通常は250℃以下の温度が好
ましい。本発明の塗料用組成物を用いた塗料は、新設の
基材、または物品に予め設置前に塗装してもよく、また
基材または物品を設置した後に塗装してもよい。また、
既に塗装された基材や物品に塗装する補修塗装にも適す
る。また特に、屋外で使用される基材、物品の塗装に適
する。
【0122】本発明の塗料用組成物を用いた塗料は、コ
ンクリート、自然石、ガラス等の無機系基材、鉄、ステ
ンレス鋼、アルミニウム、銅、黄銅、チタン等の金属系
基材、の塗装用として好ましく適用できる。また、FR
P、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリート等の
有機無機複合材にも適用できる。さらに、他の樹脂組成
物によって被覆層が形成されている基材にも適用でき
る。
【0123】本発明の塗料用組成物を用いた塗料が適用
され得る対象としては、運輸、建築、土木、電気・電子
分野において、例えば、自動車、電車、航空機、橋梁部
材、鉄塔、タンク、パイプ、ビル外装用パネル、ドア、
窓材、門扉、その他の建築部材、中央分離帯、ガードレ
ール、その他の道路部材、通信機材、電気・電子部品等
の産業資材が挙げられる。
【0124】本発明の塗料用組成物を用いて形成された
塗膜を有する塗装物品は、耐汚染性に優れている。特
に、耐雨筋汚染性に優れている。本発明においては、前
記塗膜の、水中におけるオクタンの接触角により算出さ
れるオクタンの脱離仕事が、3.0×10−2J/m
未満である塗装物品は特に好ましい。脱離仕事が2.0
×10−2J/m未満である塗膜を有する塗装物品
は、さらに好ましい。該塗膜の脱離仕事は、前記の低汚
染化剤から形成された被膜に関する脱離仕事と本質的に
同様であり、前記の「被膜」を「塗膜」に置き換えたも
のとして定義される。
【0125】
【実施例】以下に合成例および実施例を掲げて本発明を
具体的に説明するが、これにより本発明は限定されな
い。以下において、特に断らない限り、部および%は質
量基準である。また、重量平均分子量はゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー法によりポリスチレンを標準
物質として測定した値である。以下の各例において用い
た化合物の略号を表4に示す。
【0126】
【表4】
【0127】[低汚染化剤の合成] [合成例1]撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレー
ブに、メタノールの512.0g、N−MAAの24
0.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開始
剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌し
ながら、60℃で18時間重合させ、固形分30%の重
合体1の溶液を得た。該重合体1の重量平均分子量は5
000であった。ロータリーエバポレータで重合体1の
溶液からメタノールを留去し、重合体1を得た。
【0128】[合成例2]撹拌機を備えた内容積1Lの
オートクレーブに、メタノールの512.0g、N−M
AAの216.0g、MAmの24.0g、連鎖移動剤
DSHの9.7gおよび重合開始剤AIBNの2.4g
を仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で18
時間重合させ、固形分30%の重合体2の溶液を得た。
該重合体2の重量平均分子量は5000であった。ロー
タリーエバポレータで重合体2の溶液からメタノールを
留去し、重合体2を得た。
【0129】[合成例3]撹拌機を備えた内容積1Lの
オートクレーブに、メタノールの512.0g、N−M
AAの216.0g、DOAmの24.0g、連鎖移動
剤DSHの9.7gおよび重合開始剤AIBNの2.4
gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で1
8時間重合させ、固形分30%の重合体3の溶液を得
た。該重合体3の重量平均分子量は5000であった。
ロータリーエバポレータで重合体3の溶液からメタノー
ルを留去し、重合体3を得た。
【0130】[合成例4]撹拌機を備えた内容積1Lの
オートクレーブに、メタノールの512.0g、N−M
AAの216.0g、AAEMAの24.0g、連鎖移
動剤DSHの9.7gおよび重合開始剤AIBNの2.
4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で
18時間重合させ、固形分30%の重合体4の溶液を得
た。該重合体4の重量平均分子量は5000であった。
ロータリーエバポレータで重合体4の溶液からメタノー
ルを留去し、重合体4を得た。
【0131】[合成例5]撹拌機を備えた内容積1Lの
オートクレーブに、メタノールの512.0g、N−M
AAの216.0g、MAの24.0g、連鎖移動剤D
SHの9.7gおよび重合開始剤AIBNの2.4gを
仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で18時
間重合させ、固形分30%の重合体5の溶液を得た。該
重合体5の重量平均分子量は5000であった。ロータ
リーエバポレータで重合体5の溶液からメタノールを留
去し、重合体5を得た。
【0132】[合成例6]撹拌機を備えた内容積1Lの
オートクレーブに、メタノールの512.0g、N−M
AAの216.0g、IPOの24.0g、連鎖移動剤
DSHの9.7gおよび重合開始剤AIBNの2.4g
を仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で18
時間重合させ、固形分30%の重合体6の溶液を得た。
該重合体6の重量平均分子量は5000であった。ロー
タリーエバポレータで重合体6の溶液からメタノールを
留去し、重合体6を得た。
【0133】[合成例7]撹拌機を備えた内容積1Lの
オートクレーブに、メタノールの512.0g、N−M
AAの168.0g、DOAmの24.0g、PME−
400の48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよ
び重合開始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気
下に撹拌しながら、60℃で18時間重合させ、固形分
30%の重合体7の溶液を得た。該重合体7の重量平均
分子量は5000であった。ロータリーエバポレータで
重合体7の溶液からメタノールを留去し、重合体7を得
た。
【0134】[合成例8]撹拌機を備えた内容積1Lの
オートクレーブに、メタノールの512.0g、N−M
AAの168.0g、DOAmの24.0g、GLMの
48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開
始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌
しながら、60℃で18時間重合させ、固形分30%の
重合体8の溶液を得た。該重合体8の重量平均分子量は
5000であった。ロータリーエバポレータで重合体8
の溶液からメタノールを留去し、重合体8を得た。
【0135】[合成例9]撹拌機を備えた内容積1Lの
オートクレーブに、メタノールの512.0g、N−M
AAの168.0g、DOAmの24.0g、NVPの
48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開
始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌
しながら、60℃で18時間重合させ、固形分30%の
重合体9の溶液を得た。該重合体9の重量平均分子量は
5000であった。ロータリーエバポレータで重合体9
の溶液からメタノールを留去し、重合体9を得た。
【0136】[合成例10]撹拌機を備えた内容積1L
のオートクレーブに、メタノールの512.0g、N−
MAAの168.0g、DOAmの24.0g、NVA
の48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合
開始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹
拌しながら、60℃で18時間重合させ、固形分30%
の重合体10の溶液を得た。該重合体10の重量平均分
子量は5000であった。ロータリーエバポレータで重
合体10の溶液からメタノールを留去し、重合体10を
得た。
【0137】[合成例11]撹拌機を備えた内容積1L
のオートクレーブに、メタノールの512.0g、N−
MAAの168.0g、DOAmの24.0g、MMA
の48.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合
開始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹
拌しながら、60℃で18時間重合させ、固形分30%
の重合体11の溶液を得た。該重合体11の重量平均分
子量は5000であった。ロータリーエバポレータで重
合体11の溶液からメタノールを留去し、重合体11を
得た。
【0138】[合成例12]撹拌機を備えた内容積1L
のオートクレーブに、メタノールの512.0g、N−
MAAの168.0、DOAmの24.0g、PME−
400の24.0g、MMAの24.0g、連鎖移動剤
DSHの9.7gおよび重合開始剤AIBNの2.4g
を仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で18
時間重合させ、固形分30%の重合体12の溶液を得
た。該重合体12の重量平均分子量は5000であっ
た。ロータリーエバポレータで重合体12の溶液からメ
タノールを留去し、重合体12を得た。
【0139】[合成例13]撹拌機を備えた内容積1L
のオートクレーブに、アセトンの512.0g、N−M
AAの72.0g、DOAmの24.0g、MMAの1
44.0g、連鎖移動剤DSHの9.7gおよび重合開
始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌
しながら、60℃で18時間重合させ、固形分30%の
重合体13の溶液を得た。該重合体13の重量平均分子
量は5000であった。ロータリーエバポレータで重合
体13の溶液からアセトンを留去し、重合体13を得
た。
【0140】[各重合体のオクタン脱離仕事の評価]得
られた重合体1〜13を用いて、アルミニウム板表面に
被膜を形成した。該被膜に対する水中におけるオクタン
の接触角を測定した。測定した接触角からオクタン脱離
仕事を求めた。結果を表5に示す。
【0141】
【表5】
【0142】[ベース塗料の調製] [調製例1:ベース白塗料1]撹拌機付きステンレス鋼
製オートクレーブ(内容積200mL)に、イオン交換
水の105.3g、ノニオン性乳化剤N−1110(日
本乳化剤社製:以下、N−1110という。)の2.0
g、ドデシル硫酸ナトリウムの0.2g、過硫酸アンモ
ニウム25質量%水溶液の0.07g、炭酸カリウムの
0.22g、亜硫酸水素ナトリウムの0.02g、エチ
ルビニルエーテルの21.2g、シクロヘキシルビニル
エーテルの21.0g、CH=CHOCH
10CHOHの3.4gおよびCH=CHOCH
10CHO(CO) H(kは平均値で
約15である。)の8.2gを仕込み、氷で冷却して、
窒素ガスを0.35MPaまで加圧した後、パージして
0.1MPaに戻した。
【0143】この加圧とパージを2回繰り返した後、真
空ポンプを用いて1.3×10Paまで脱気し、残存
空気を除去した後、クロロトリフルオロエチレンの5
6.7gを仕込み、30℃で12時間重合反応を行い、
含フッ素樹脂1の水性分散液1を得た。水性分散液1中
の含フッ素樹脂1の平均粒径は140nmで、固形分濃
度は50質量%であった。
【0144】上記水性分散液1の71部、造膜助剤Cs
−12(チッソ社製)の3.6部、増粘剤レオビスCR
(ヘキスト合成社製)の0.3部、酸化チタンCR−9
7(石原産業社製 )の15.4部、顔料分散剤ノプコ
スパース44−C(サンノプコ社製)の0.8部、消泡
剤FSアンチフォーム90(ダウコーニング社製)の
0.6部およびイオン交換水の10.3部を混合して、
ベース白塗料1を得た。ベース白塗料1中の含フッ素樹
脂1の濃度は34.8%であった。
【0145】[調製例2:ベース白塗料2]DOAmの
15.0g、MMAの50.0g、n−ブチルメタクリ
レートの30.0g、MAの5.0g、N−1110の
1.0g、ラウリル硫酸ナトリウムの0.3gおよびイ
オン交換水の100gを撹拌混合してプレエマルション
1を作成した。ついで、内容積300mLのガラス製フ
ラスコに、水性分散液1の170gを仕込み、温度が7
0℃になるまで加温した後、プレエマルション1の30
gを1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌した後、
過硫酸アンモニウムの0.5質量%水溶液の1mLを添
加し重合を開始させた。4.5時間後に、含フッ素樹脂
1と(メタ)アクリル酸エステル系成分の質量比が1
7:3の割合で含有されたフッ素アクリル系樹脂1の水
性分散液2を得た。水性分散液2の固形分濃度は50%
であった。
【0146】得られた水性分散液2の71部、Cs−1
2の3.6部、レオビスCRの0.3部、CR−97の
15.4部、ノプコスパース44−Cの0.8部、FS
アンチフォーム90の0.6部およびイオン交換水の1
0.3部を配合して、アンモニア水にてpH7.0に調
整し、ベース白塗料2を得た。ベース白塗料2中のフッ
素アクリル系樹脂1の濃度は34.8%であった。
【0147】[調製例3:ベース白塗料3]撹拌機付き
ステンレス鋼製オートクレーブ(内容積2.5L)に、
イオン交換水の1100g、フッ素系のアニオン性乳化
剤FC−143(住友3M社製)の4.75g、N−1
110の2.2部およびtert−ブチルアルコールの
47.0gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガス
による加圧を繰り返した。次に、テトラフルオロエチレ
ンの72.0g、プロピレンの1.1gおよびエチレン
の1.4gを仕込んだ。オートクレーブ内の温度が70
℃に達した時点で圧力1.34MPaを示した。70℃
を維持して過硫酸アンモニウムの25質量%水溶液の2
mLを添加し、重合を開始させた。圧力の低下に伴い、
テトラフルオロエチレン/プロピレン/エチレンの50
/25/25(モル%)の混合ガスを仕込んで、圧力を
維持した。
【0148】また、過硫酸アンモニウムの25質量%水
溶液の30mLを連続的に加えた。8時間後、混合ガス
の供給を停止しオートクレーブを室温まで水冷した後、
未重合モノマーをパージし、含フッ素樹脂3の水性分散
液3を得た。混合ガスの後仕込み量は合計861.5g
であった。水性分散液3の固形分濃度は、43.1%で
あった。
【0149】水性分散液3の一部を遠心分離器にかけて
沈降させた後、ガラスフィルターで濾過し、減圧下で5
時間かけて水分を除去した後、ハンマーミルで粉砕し、
含フッ素樹脂3の粉末を得た。13C−NMRスペクト
ルによる組成分析の結果、含フッ素樹脂3の組成は、テ
トラフルオロエチレン/プロピレン/エチレンに基づく
重合単位が、52/28/20(モル%)の割合であっ
た。また、融点は96.2℃であった。
【0150】内容積300mLのガラス製フラスコに、
上記水性分散液3の170gを仕込み、フラスコ内を十
分に窒素置換し、70℃に昇温し、プレエマルション1
の26gを1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌し
分散させた後、過硫酸アンモニウムの0.5質量%水溶
液の1mLを添加し重合を開始させた。4.5時間後
に、含フッ素樹脂3と(メタ)アクリル酸エステル系成
分の質量比が17:3の割合で含有されたフッ素アクリ
ル系樹脂2の水性分散液4を得た。水性分散液4の固形
分濃度は43.8%であった。
【0151】得られた水性分散液4の71部、Cs−1
2の3.6部、レオビスCRの0.3部、CR−97の
15.4部、ノプコスパース44−Cの0.8部、FS
アンチフォーム90の0.6部およびイオン交換水の1
0.3部を配合して、アンモニア水にてpH7.0に調
整し、ベース白塗料3を得た。ベース白塗料3中のフッ
素アクリル系樹脂2の濃度は30.5%であった。
【0152】[例1〜18]表6、表7および表8に示
す割合で、重合体1〜13、硬化剤、および必要に応じ
て硬化促進剤を、ベース白塗料1〜3に添加して水性塗
料組成物を得た。なお、pHは、アンモニアまたは塩酸
にて7.0に調整した。200×95×8mmの大きさ
のアルミニウム板に該水性塗料組成物をアプリケータを
用いて乾燥膜厚が20μmになるように塗装し、表6、
表7および表8に示す条件にて乾燥させて塗装板を得
た。水性塗料組成物および塗装板の評価結果を表6、表
7および表8に示す。例1〜15が実施例であり、例1
6〜18が比較例である。なお、下記の表に記載の評価
項目は、以下の方法に従って測定した。
【0153】光沢:JIS Z8741に準じて、60
度の鏡面光沢度を測定した。数値が大きいほど光沢が優
れることを示す。 オクタン脱離仕事:水中におけるオクタンの塗膜に対す
る接触角を測定した。測定した接触角からオクタン脱離
仕事を求めた。
【0154】耐斜面汚染性:塗装板(大きさ:200×
95×8mm)を100mmの部分で折り曲げ、上部が
水平面から30度の角度になり、下部が鉛直になるよう
に塗装面を外にして、神奈川県川崎市において屋外暴露
した。この塗装板の暴露3か月後および1年後の30度
斜面のL*値を測定した。試験前後のL*値の差△L*
を算出し、絶対値で記載した。なお、L*値は、SQ2
000(日本電色工業社製)を用いて、JIS Z87
30に従い測定した。数値が小さいほど耐斜面汚染性に
優れることを示す。
【0155】耐雨筋汚染性:斜面汚染について評価した
屋外曝露板について、垂直面の雨筋汚染の様子を評価し
た。雨筋汚れが目立たないものを○、多少目立つものを
△、目立つものを×と記載した。
【0156】促進耐候性:JIS K5400 9.
8.1に記載されるカーボンアーク灯式促進耐候性試験
4000時間後の光沢保持率を測定した。光沢保持率8
0%以上を○、光沢保持率80%未満を×と記載した。
【0157】
【表6】
【0158】
【表7】
【0159】
【表8】
【0160】なお、例2〜5および例7〜15について
は、50℃にて2週間保存したものを同様にして塗装し
評価した。いずれの塗装板も、光沢、耐斜面汚染性、耐
雨筋汚染性および促進耐候性等、諸物性については、表
6〜8に記載されている保存前の水性塗料組成物を塗装
したそれぞれの塗装板と同等の性能を示した。
【0161】
【発明の効果】本発明によれば、表面の光沢が高く、耐
汚染性、耐雨筋汚染性、汚れの洗浄性、汚れの拭取り
性、汚れの離脱性等に優れ、それらの持続性に優れ、か
つ、耐候性に優れる塗膜を形成できる塗料用組成物が得
られる。また、それらの優れた特性を有する塗膜を有す
る塗装物品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CA021 CA022 CB031 CB032 CB091 CB092 CC012 CC021 CC022 CC072 CD042 CD082 CD091 CD092 CE051 CE052 CF011 CF012 CG021 CG022 CG141 CG142 CG171 CG172 CH051 CH052 CH061 CH062 CH121 CH122 CH141 CH142 CH151 CH152 CH201 CH202 CH261 CH262 CJ181 CJ182 CK021 CK022 CL011 CL012 CR071 CR072 DA161 DB001 DB002 DB091 DB092 DB221 DB222 DD001 DD002 DF041 DF042 DG031 DG032 DL031 DL111 DL112 DL121 DL122 GA02 GA03 GA07 MA12 NA01 NA03 NA05 4J100 AB02Q AF06Q AF10Q AG08P AL08Q AL09P AL10Q AM21P BA03P JA01 JA64

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシメチル基を有する繰り返し単位
    (A)を2個以上含有し、必要により該繰り返し単位
    (A)以外の繰り返し単位(B)を含有し、かつ、該繰
    り返し単位(A)の含有割合(質量基準)が30%超で
    ある重合体からなることを特徴とする低汚染化剤。
  2. 【請求項2】前記繰り返し単位(A)におけるヒドロキ
    シメチル基が、窒素原子に結合している請求項1に記載
    の低汚染化剤。
  3. 【請求項3】前記繰り返し単位(A)が、N−ヒドロキ
    シメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタク
    リルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)アクリ
    ルアミドおよびN,N−ビス(ヒドロキシメチル)メタ
    クリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の
    単量体から得られる繰り返し単位である請求項1または
    2に記載の低汚染化剤。
  4. 【請求項4】前記繰り返し単位(B)の少なくとも一種
    が、架橋性官能基を有する繰り返し単位(b1)である
    請求項1、2または3に記載の低汚染化剤。
  5. 【請求項5】前記低汚染化剤から形成された被膜の、水
    中におけるオクタンの接触角により算出されるオクタン
    の脱離仕事が、3.0×10−2J/m未満である請
    求項1〜4のいずれかに記載の低汚染化剤。
  6. 【請求項6】塗料用樹脂および請求項1〜5のいずれか
    に記載の低汚染化剤を含むことを特徴とする塗料用組成
    物。
  7. 【請求項7】前記塗料用組成物が、前記低汚染化剤を架
    橋せしめ得る架橋剤をさらに含む請求項6に記載の塗料
    用組成物。
  8. 【請求項8】前記塗料用樹脂が、含フッ素樹脂である請
    求項6または7に記載の塗料用組成物。
  9. 【請求項9】請求項6〜8のいずれかに記載の塗料用組
    成物を用いて形成された塗膜を有することを特徴とする
    塗装物品。
  10. 【請求項10】前記塗膜の、水中におけるオクタンの接
    触角により算出されるオクタンの脱離仕事が、3.0×
    10−2J/m未満である請求項9に記載の塗装物
    品。
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