JP2003041029A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系フィルム

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JP2003041029A
JP2003041029A JP2001233518A JP2001233518A JP2003041029A JP 2003041029 A JP2003041029 A JP 2003041029A JP 2001233518 A JP2001233518 A JP 2001233518A JP 2001233518 A JP2001233518 A JP 2001233518A JP 2003041029 A JP2003041029 A JP 2003041029A
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heat
film
shrinkage
polyester film
shrinkable polyester
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JP2001233518A
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English (en)
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Masatoshi Hashimoto
正敏 橋本
Tetsuya Anami
哲也 阿波
Tadashi Tahoda
多保田  規
Hiromu Nagano
煕 永野
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温から高温までの幅広い温度域で優れた収
縮特性を有すると共に、耐破れ性・溶剤接着性に優れ、
さらには、長期間保存した後でも収縮白化を起こさない
ようなラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムを提供する。 【解決手段】 熱収縮性ポリエステル系フィルムにおい
て、10cm×10cmの正方形状に切り取った熱収縮
性ポリエステル系フィルムの試料を、95℃の温水中に
10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒
浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が5
0%以上であり、温度30℃、相対湿度85%の環境下
で熱収縮性ポリエステル系フィルムを2週間保存し、こ
の保存後のフィルムを所定条件で熱収縮させた後のフィ
ルムのヘーズが10%以下である熱収縮性ポリエステル
系フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムに関し、さらに詳しくは、熱収縮後の収縮
白化や収縮斑、シワ、歪み、タテヒケ等の不良の発生が
極めて少ない熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性プラスチックフィルムは、加熱
によって収縮する性質を利用して、収縮包装、収縮ラベ
ル等の用途に広く用いられている。なかでも、ポリ塩化
ビニル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリエス
テル系フィルム等の延伸フィルムは、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)容器、ポリエチレン容器、ガラス
容器等の各種容器において、ラベルやキャップシールあ
るいは集積包装の目的で使用されている。
【0003】しかし、ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐
熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、
ダイオキシンの原因となる等の問題を抱えている。ま
た、熱収縮性塩化ビニル系樹脂フィルムをPET容器等
の収縮ラベルとして用いると、容器をリサイクル利用す
る際に、ラベルと容器を分離しなければならないという
問題がある。
【0004】一方、ポリスチレン系フィルムは、収縮後
の仕上がり外観性が良好な点は評価できるが、耐溶剤性
に劣るため、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しな
ければならない。また、ポリスチレン系樹脂は、高温で
焼却する必要がある上に、焼却時に多量の黒煙と異臭が
発生するという問題がある。
【0005】これらの問題のないポリエステル系フィル
ムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィ
ルムに代わる収縮ラベルとして非常に期待されており、
PET容器の使用量増大に伴って、使用量も増加傾向に
ある。
【0006】しかし、従来の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムも、その収縮特性においてはさらなる改良が求め
られていた。特に、収縮時に、収縮斑やシワが発生し
て、収縮前のフィルムに印刷した文字や図柄が、PET
ボトル、ポリエチレンボトル、ガラス瓶等の容器に被覆
収縮する際に、収縮後に歪むことがあり、この歪みを可
及的に小さくしたいというユーザーサイドの要望があっ
た。
【0007】また、熱収縮性ポリスチレン系フィルムと
比較すると、ポリエステル系フィルムは低温での収縮性
に劣ることがあり、必要とする収縮量を得るために高温
で収縮させなければならず、ボトル本体の変形や白化が
生じることがあった。
【0008】ところで、熱収縮性フィルムを実際の容器
の被覆加工に用いる際には、必要に応じて印刷工程に供
した後、ラベル(筒状ラベル)、チューブ、袋等の形態
に加工して、これらの加工フィルムを容器に装着し、ス
チームを吹きつけて熱収縮させるタイプの収縮トンネル
(スチームトンネル)や、熱風を吹きつけて熱収縮させ
るタイプの収縮トンネル(熱風トンネル)の内部を、ベ
ルトコンベアー等にのせて通過させ、熱収縮させて容器
に密着させている。
【0009】スチームトンネルは、熱風トンネルよりも
伝熱効率が良く、より均一に加熱収縮させることが可能
であり、熱風トンネルに比べると良好な収縮仕上がり外
観を得ることができるが、従来の熱収縮性ポリエステル
系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレ
ン系フィルムに比べると、スチームトンネルを通過させ
た後の収縮仕上がり性の面が余り良くないという問題が
あった。
【0010】また、熱収縮の際に温度斑が生じやすい熱
風トンネルを使用すると、ポリエステル系フィルムで
は、収縮白化、収縮斑、シワ、歪み等が発生し易い。特
に、熱収縮性ポリエステル系フィルムは、30℃以上の
高温環境下で保存した場合に、収縮白化が起き易く、製
品外観上問題となっていた。さらに、熱風トンネルを通
過させた後の収縮仕上がり性においても、ポリエステル
系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレ
ン系フィルムよりも劣っているという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムの問題点を解
決して、低温から高温までの幅広い温度域で優れた収縮
特性および収縮仕上がり性を有すると共に溶剤接着性に
も優れ、さらに、長期間保存した後でも収縮白化を起こ
さないようなラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル
系フィルムを提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムは、10cm×10cmの正方形状に
切り取った熱収縮性ポリエステル系フィルムの試料を、
95℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25
℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方
向の熱収縮率が50%以上であり、温度30℃、相対湿
度85%の環境下で熱収縮性ポリエステル系フィルムを
2週間保存し、この保存後のフィルムを所定条件で熱収
縮させた後のフィルムのヘーズが10%以下であるとこ
ろに要旨を有する。本発明のフィルムは収縮白化を起こ
しにくいことから、収縮後のヘーズを10%以下と定め
たものである。なお、ヘーズを測定するときの「熱収
縮」は、300mlのガラス瓶に熱収縮性フィルムから
作成したラベルをかぶせ、風速10m/秒の160℃の
熱風を13秒当てることにより行った。
【0013】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
においては、ポリエステルを構成する多価アルコール成
分のうち、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が
10モル%以上、ネオペンチルグリコール成分が2モル
%以上であり、かつ、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール成分とネオペンチルグリコール成分の合計量が12
〜40モル%であることが好ましい。これらの多価アル
コール成分の使用によって、収縮白化、収縮斑、シワ、
歪み、タテヒケ等の発生が一層低減し、特に熱風トンネ
ルでの収縮白化の抑制に有効である。上記多価アルコー
ル成分には、さらに、1,4−ブタンジオール成分が2
モル%以上含まれていることが好ましく、特に低温域で
の収縮仕上がり外観が美麗となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の熱収縮性ポリエステル系
フィルムは、10cm×10cmの正方形状に切り出し
た試料を95℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、直
ちに25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最
大収縮方向の熱収縮率が50%以上でなければならな
い。フィルムの熱収縮率が50%未満であると、フィル
ムの熱収縮力が不足して、容器等に被覆収縮させたとき
に、容器に密着せず、外観不良が発生するため好ましく
ない。熱収縮率は高ければ高いほどこのましく、このた
め、より好ましい熱収縮率は60%以上、さらに好まし
くは70%以上である。
【0015】ここで、最大収縮方向の熱収縮率とは、試
料の最も多く収縮した方向での熱収縮率の意味であり、
最大収縮方向は、正方形の縦方向または横方向(または
斜め方向)の長さで決められる。また、熱収縮率(%)
は、10cm×10cmの試料を、95℃±0.5℃の
温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた
後、25℃±0.5℃の水中に無荷重状態で10秒間浸
漬した後の、フィルムの縦および横方向(または斜め方
向)の長さを測定し、下記式熱収縮率=100×(収縮
前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)に従って
求めた値である。
【0016】また、本発明では収縮白化を起こしにくい
熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供するものであ
り、その目安として、温度30℃、相対湿度85%の環
境下で熱収縮性ポリエステル系フィルムを2週間保存し
た後、この保存後のフィルムを所定条件で熱収縮させた
場合の熱収縮後のフィルムのヘーズが10%以下である
ことを要件とした。
【0017】ここで、ヘーズ測定は以下のように行う。
まず、温度30℃、相対湿度85%の環境下で熱収縮性
ポリエステル系フィルムを2週間保存する。次いで、こ
のフィルムを用い、溶剤接着法にてフィルムの最大収縮
方向が円周方向となるようにチューブ状ラベルを作成
し、このラベルをガラス瓶に被せて160℃(風速10
m/秒)の熱風を13秒当てて熱収縮させる。この熱収
縮後のラベル(ラベルサンプル数10)からそれぞれフ
ィルム試料を切り出す。収縮斑や白化部分があれば、特
にその部分が含まれるように試料を切り出す。これらの
フィルム試料について、JIS K 7136に則って
ヘーズを測定し、平均値を求める。なお、熱収縮の前
に、温度30℃、相対湿度85%の環境下で熱収縮性ポ
リエステル系フィルムを2週間保存するのは、このよう
な環境で保存すると、熱収縮性フィルムが収縮白化を起
こし易くなることが見出されたためである。
【0018】白化現象のメカニズムは明白なものとなっ
ていないが、熱風トンネルで熱収縮させた場合や、上記
のように30℃以上の雰囲気下で長期間保管した後で熱
収縮させた場合に、収縮白化現象が起こり易いことがわ
かっている。また、熱収縮の際に、フィルム内面側(容
器に当接する面)と外面側(容器に当接しない面)とで
温度差が発生して収縮斑となり、斑部分のフィルム表面
が荒れて白化することもある。すなわち、容器当接部の
フィルムは動きが拘束されるのに対し、外面側は熱が伝
わり易く、しかも容器に当接していない分、動きが拘束
されないため、フィルムの内面側と外面側とで収縮が不
均一になって、この不均一さが極端になると白化してし
まうのである。この収縮白化現象は、ポリエステルの分
子鎖が部分的に結晶化して、結晶部分の光の屈折率が非
晶部分と異なるため、起こるのではないかと考えられ
る。収縮白化は透明性を低下させるため、ラベルとして
は好ましくない。
【0019】本発明において、上記方法で測定した熱収
縮後のヘーズが10%を超えるものは、より長期間保存
した場合に収縮白化を起こし易いため、熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムとしては良品とはいえない。従って、
本発明では、ヘーズの上限を10%と定めた。より好ま
しいヘーズの上限は8%である。
【0020】次に、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムの好ましい組成を説明する。フィルムの耐破れ
性、強度や耐熱性等の物理的強度に関する特性を保持す
るためには、ポリエステル系フィルムに結晶性ユニット
(エチレンテレフタレートユニット等)が存在している
必要があるが、結晶性ユニットのみでは熱収縮率が低
く、95℃10秒温水処理で50%以上という高い熱収
縮率を発現させることはできない。そのため、本発明で
は、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とネオペ
ンチルグリコール成分を構成成分とすることで、ポリエ
ステル系フィルムの組成を調整し、熱収縮性を高めてい
るのである。
【0021】1,4−シクロヘキサンジメタノールは、
非晶化度合いを高めて、熱収縮性を発現させる作用を有
する。また、1,4−シクロヘキサンジメタノールの使
用によって、収縮仕上がり性が向上し、溶剤接着性も向
上する。これらの効果を充分に得るには、多価アルコー
ル成分100%のうち、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールを10モル%以上とすることが好ましい。また、
収縮白化現象も、1,4−シクロヘキサンジメタノール
の使用によって抑制することができ、得られるフィルム
は前記したヘーズの要件を満足するものとなる。1,4
−シクロヘキサンジメタノールの量は12モル%以上が
より好ましく、14モル%以上がさらに好ましい。
【0022】また、多価アルコール成分100モル%
中、ネオペンチルグリコール成分が2モル%以上含まれ
ていることも好ましい実施態様である。ネオペンチルグ
リコールは、ポリエステルのTgを下げる作用を有して
いるため、低温域で良好な収縮仕上がり性を得ることが
できる。このため、ネオペンチルグリコールを適量用い
ることで、低温から高温までの幅広い温度域で熱収縮力
を発揮するフィルムが得られる。より好ましいネオペン
チルグリコール量は4モル%以上、さらに好ましくは6
モル%以上である。
【0023】前記したように、本発明の熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムでは、耐破れ性、強度、耐熱性等を発
揮させるために、結晶性のエチレンテレフタレートユニ
ットをポリエステルのベースの構成成分とすることが望
ましい。そして、上記1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールとネオペンチルグリコールの使用によって、ポリエ
ステルの結晶性を下げて非晶化度合いを高め、高い熱収
縮率を発現させることが好ましい。従って、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールとネオペンチルグリコールの
合計量が12モル%より少ないと、エチレンテレフタレ
ートユニットが多くなってポリエステルの結晶性が高く
なるため、収縮不足や部分的結晶化による白化現象が発
生する恐れがある。また、耐溶剤性が高くなり過ぎて、
テトラヒドロフランや1,3−ジオキソラン等の溶剤を
用いてフィルムをチューブ状体に接着加工する際に、接
着不良が発生することがあり好ましくない。多価アルコ
ール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールとネオペンチルグリコールの合計量は16モル
%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好まし
い。なお、1,4−シクロヘキサンジメタノールとネオ
ペンチルグリコールとでは、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールをネオペンチルグリコールよりも多く用いる
ことが好ましい。1,4−シクロヘキサンジメタノール
が多い方が、前述ヘーズ要件を満足するため、すなわち
収縮白化現象の抑制のために、より効果的だからであ
る。
【0024】ただし、多価アルコール成分100モル%
中、1,4−シクロヘキサンジメタノールとネオペンチ
ルグリコールの合計量は40モル%以下に抑制すること
が望まれる。1,4−シクロヘキサンジメタノールとネ
オペンチルグリコールを合計で40モル%を超えて使用
すると、フィルムの収縮率が必要以上に高くなり過ぎ
て、熱収縮工程でラベルの位置ずれや図柄の歪みが発生
する恐れがある。また、フィルムの耐溶剤性が低下する
ため、印刷工程でインキの溶媒(酢酸エチル等)によっ
てフィルムの白化が起きたり、フィルムの耐破れ性が低
下するため好ましくない。従って、これらの合計量は3
7モル%以下がより好ましく、35モル%以下がさらに
好ましい。
【0025】また、多価アルコール成分として、1,4
−ブタンジオールを用いることも本発明のポリエステル
において好ましい実施態様である。1,4−ブタンジオ
ールはポリエステルのTgを下げて低温収縮性の発現に
寄与するため、得られるフィルムが比較的低温域であっ
ても優れた収縮仕上がり性を発揮するようになる。ま
た、溶剤接着性も優れたものとなる。これらの効果を得
るためには、多価アルコール成分100モル%中、1,
4−ブタンジオールを2モル%以上使用することが好ま
しい。より好ましい下限は4モル%、さらに好ましい下
限は6モル%である。ただし、1,4−ブタンジオール
成分が多過ぎると、フィルムの耐破れ性、強度、耐熱性
等の特性を担うエチレンテレフタレートユニットが少な
くなるため、その上限は35モル%とすることが好まし
く、より好ましい上限は30モル%である。
【0026】他の多価アルコールとしては、エチレンテ
レフタレートユニットを形成するためのエチレングリコ
ールが用いられる。そのほか、ジエチレングリコール、
ダイマージオール、プロピレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカン
ジオール等のアルキレングリコール、ビスフェノール化
合物またはその誘導体のアルキレンオキサイド付加物、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエ
チレングリコール等も併用可能である。
【0027】多価カルボン酸成分としては、芳香族ジカ
ルボン酸、それらのエステル形成誘導体、脂肪族ジカル
ボン酸等が利用可能である。芳香族ジカルボン酸として
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−
1,4−もしくは−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。またこれらの
エステル誘導体としてはジアルキルエステル、ジアリー
ルエステル等の誘導体が挙げられる。また、脂肪族ジカ
ルボン酸としては、ダイマー酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等
が挙げられる。さらに、p−オキシ安息香酸等のオキシ
カルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸
等の多価のカルボン酸を、必要に応じて併用してもよ
い。
【0028】またポリエステルは、必ずしも前記多価カ
ルボン酸類100モル%および多価アルコール100モ
ル%とから製造する必要はなく、ラクトン類(ε−カプ
ロラクトン等)の開環重合によってポリエステルユニッ
トを形成してもよい。ラクトン類の併用は、非晶化度を
高める働きを有する。なお、多価カルボン酸成分および
多価アルコール成分中の各成分の割合(モル%)を算出
する場合、ラクトン類の開環成分は、多価カルボン酸成
分および多価アルコール成分のいずれにも該当するもの
として計算する。
【0029】結晶性のエチレンテレフタレートユニット
は、耐破れ性等の観点から、ポリエステルを構成するユ
ニットとして、50モル%以上含まれていることが好ま
しいため、多価アルコール成分100モル%中、エチレ
ングリコールを50モル%以上、多価カルボン酸成分1
00モル%中、テレフタル酸(またはそのエステル)を
50モル%以上、使用することが好ましい。エチレンテ
レフタレートユニットは、55モル%以上がより好まし
く、60モル%以上がさらに好ましい。ただし、本発明
では、多価アルコール成分100モル%中、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールとネオペンチルグリコールを
12モル%以上使用することが好ましいため、エチレン
グリコールは最大88モル%とすることが好ましい。ま
た、さらにブタンジオールを2モル%以上併用する場合
は、エチレングリコールを最大86%以下とすることが
好ましい。
【0030】ポリエステルは常法により溶融重合するこ
とによって製造できるが、多価カルボン酸類とグリコー
ル類とを直接反応させ得られたオリゴマーを重縮合す
る、いわゆる直接重合法、多価カルボン酸のジメチルエ
ステル体とグリコールとをエステル交換反応させたのち
に重縮合する、いわゆるエステル交換法等が挙げられ、
任意の製造法を適用することができる。また、その他の
重合方法によって得られるポリエステルであってもよ
い。ポリエステルの重合度は、固有粘度にして0.3〜
1.3dl/gのものが好ましい。
【0031】ポリエステルには、着色やゲル発生等の不
都合を起こさないようにするため、酸化アンチモン、酸
化ゲルマニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に、酢
酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カ
ルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、
塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn
塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を、ポリエ
ステルに対して、各々金属イオンとして300ppm以
下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸ト
リエチルエステル等のリン酸エステル誘導体を燐(P)
換算で200ppm以下、添加してもよい。
【0032】上記重合触媒以外の金属イオンの総量がポ
リエステルに対し300ppm、またP量が200pp
mを超えるとポリエステルの着色が顕著になるのみなら
ず、ポリエステルの耐熱性や耐加水分解性が著しく低下
するため好ましくない。このとき、耐熱性、耐加水分解
性等の点で、総P量(P)と総金属イオン量(M)との
質量比(P/M)は、0.4〜1.0であることが好ま
しい。質量比(P/M)が0.4未満または1.0を超
える場合には、フィルムが着色したり、フィルム中に粗
大粒子が混入することがあるため好ましくない。
【0033】上記金属イオンおよびリン酸およびその誘
導体の添加時期は特に限定しないが、一般的には、金属
イオン類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前また
はエステル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加する
のが好ましい。
【0034】また、必要に応じて、シリカ、二酸化チタ
ン、カオリン、炭酸カルシウム等の微粒子をフィルム原
料に添加してもよく、さらに酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤等を添加することもで
きる。
【0035】ポリエステルフィルムは、後述する公知の
方法で得ることができるが、熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムにおいて、複数の成分をフィルム中に含有させる
手段としては、共重合を行ってこの共重合ポリエステル
を単独使用する方式と、異なる種類のホモポリエステル
あるいは共重合ポリエステルをブレンドする方式があ
る。
【0036】共重合ポリエステルを単独使用する方式で
は、上記特定組成の多価アルコール成分と、テレフタル
酸および他の多価カルボン酸成分とから得られる共重合
ポリエステルを用いればよい。一方、異なる組成のポリ
エステルをブレンドする方式では、ブレンド比率を変更
するだけでフィルムの特性を容易に変更でき、多品種の
フィルムの工業生産にも対応できるため、好ましく採用
することができる。
【0037】ブレンド法では、具体的には、Tgの異な
る2種以上のポリエステルをブレンドして使用すること
が好ましい。例えば、2種類のポリエステルをブレンド
する場合は、テレフタル酸を必須的に含む多価カルボン
酸成分と、エチレングリコールとネオペンチルグリコー
ルとからなる共重合ポリエステルと、多価カルボン酸成
分がテレフタル酸で、多価アルコール成分がエチレング
リコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールからな
る共重合ポリエステルとのブレンド系;ポリエチレンテ
レフタレート(PET)と、多価カルボン酸成分がテレ
フタル酸で、多価アルコールがエチレングリコールとネ
オペンチルグリコールと1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールである共重合ポリエステルとのブレンド系;ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)と、多価カルボン酸
成分がテレフタル酸で、多価アルコールがエチレングリ
コールとネオペンチルグリコールと1,4−シクロヘキ
サンジメタノールからなる共重合ポリエステルとのブレ
ンド系等が挙げられる。もちろん、上記例示以外の多価
アルコールを併用してもよく、テレフタル酸以外の多価
カルボン酸を併用してもよい。
【0038】3種の混合系においては、多価カルボン酸
成分がテレフタル酸で、多価アルコールがエチレングリ
コールとネオペンチルグリコールと1,4−シクロヘキ
サンジメタノールである共重合ポリエステルと、PET
と、PBTとのブレンド系;多価カルボン酸成分がテレ
フタル酸で、多価アルコールがエチレングリコールとネ
オペンチルグリコールからなる共重合ポリエステルと、
多価カルボン酸成分がテレフタル酸で、多価アルコール
が1,4−シクロヘキサンジメタノールであるポリエス
テルと、PETとのブレンド系;多価カルボン酸成分が
テレフタル酸で、多価アルコールがエチレングリコール
とネオペンチルグリコールである共重合ポリエステル
と、多価カルボン酸成分がテレフタル酸で、多価アルコ
ールが1,4−シクロヘキサンジメタノールであるポリ
エステルと、PBTとのブレンド系;多価カルボン酸成
分がテレフタル酸で、多価アルコールがエチレングリコ
ールとネオペンチルグリコールと1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールである共重合ポリエステルと、PETと
PBTとのブレンド系;多価カルボン酸成分がテレフタ
ル酸で、多価アルコールがエチレングリコールと1,4
−シクロヘキサンジメタノールである共重合ポリエステ
ルと、多価カルボン酸成分がテレフタル酸で、多価アル
コールがエチレングリコールと1,4−ブタンジオール
である共重合ポリエステルと、PBTとのブレンド系等
が挙げられる。もちろん、上記例示以外の多価アルコー
ルを併用してもよく、テレフタル酸以外の多価カルボン
酸を併用してもよい。なお、4種以上のポリエステルを
ブレンドしても良い。
【0039】具体的なフィルムの製造方法としては、原
料ポリエステルチップをホッパドライヤー、パドルドラ
イヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥し、
押出機を用いて200〜300℃の温度でフィルム状に
押し出す。あるいは、未乾燥のポリエステル原料チップ
をベント式押出機内で水分を除去しながら同様にフィル
ム状に押し出す。押出しに際してはTダイ法、チューブ
ラ法等、既存のどの方法を採用しても構わない。押出し
後は、キャスティングロール等を用いて急冷して未延伸
フィルムを得る。なお、この「未延伸フィルム」には、
フィルム送りのために必要な張力が作用したフィルムも
含まれるものとする。
【0040】この未延伸フィルムに対して延伸処理を行
う。延伸処理は、上記キャスティングロール等による冷
却後、連続して行ってもよいし、冷却後、一旦ロール状
に巻き取って、その後行ってもよい。
【0041】最大収縮方向がフィルム横(幅)方向であ
ることが、生産効率上、実用的であるので、以下、最大
収縮方向を横方向とする場合の延伸法の例を示す。な
お、最大収縮方向をフィルム縦(長手)方向とする場合
も、下記方法における延伸方向を90゜変える等、通常
の操作に準じて延伸することができる。
【0042】熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚み分
布を均一化させることに着目すれば、テンター等を用い
て横方向に延伸する際、延伸工程に先立って予備加熱工
程を行うことが好ましく、この予備加熱工程では、熱伝
達係数が0.00544J/cm2・sec・℃(0.
0013カロリー/cm2・sec・℃)以下となるよ
うに、低風速で、フィルム表面温度がTg+0℃〜Tg
+60℃の範囲内のある温度になるまで加熱を行うこと
が好ましい。
【0043】横方向の延伸は、Tg−20℃〜Tg+4
0℃の範囲内の所定温度で、2.3〜7.3倍、好まし
くは2.5〜6.0倍に延伸する。その後、50℃〜1
10℃の範囲内の所定温度で0〜15%の伸張あるいは
0〜15%の緩和をさせながら熱処理し、必要により、
さらに50℃〜100℃の範囲内の所定温度で熱処理を
行うとよい。本発明の目的とする収縮白化を起こしにく
いフィルムを得るためには、延伸後、緊張状態(0%の
伸長で0%の緩和)で、50〜100℃の範囲で2段階
の熱処理を行うことが好ましい。この2段階熱処理法で
は、最初に高温で、次にそれよりも低温で熱処理を行う
ことが最も好ましい。また、2段目の熱処理が50℃よ
りも低温で行われると、本発明の好ましい組成のフィル
ムの場合、ヘーズの要件を満足できないことがあるため
好ましくない。
【0044】この横延伸工程においては、フィルム表面
温度の変動を小さくすることのできる設備を使用するこ
とが好ましい。すなわち、延伸工程には、延伸前の予備
加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、
再延伸処理工程等があるが、特に、予備加熱工程、延伸
工程および延伸後の熱処理工程において、任意ポイント
において測定されるフィルムの表面温度の変動幅が、平
均温度±1℃以内であることが好ましく、平均温度±
0.5℃以内であればさらに好ましい。フィルムの表面
温度の変動幅が小さいと、フィルム全長に亘って同一温
度で延伸や熱処理されることになって、熱収縮挙動が均
一化するためである。フィルム表面温度の変動を小さく
するには、例えば、フィルムを加熱する熱風の風速を制
御できるようにインバーターを取り付けた風速変動抑制
設備を用いたり、熱源に50kPa以下(5kgf/c
2以下)の低圧蒸気を使用して、熱風の温度変動を抑
制できる設備等を用いるとよい。
【0045】延伸の方法としては、テンターでの横1軸
延伸ばかりでなく、縦方向に1.0倍〜4.0倍、好ま
しくは1.1倍〜2.0倍の延伸を施してもよい。この
ようい2軸延伸を行う場合は、逐次2軸延伸、同時2軸
延伸のいずれでもよく、必要に応じて、再延伸を行って
もよい。また、逐次2軸延伸においては、延伸の順序と
して、縦横、横縦、縦横縦、横縦横等のいずれの方式で
もよい。これらの縦延伸工程あるいは2軸延伸工程を採
用する場合においても、横延伸と同様に、予備加熱工
程、延伸工程等において、フィルム表面温度の変動をで
きるだけ小さくすることが好ましい。
【0046】延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑制し、
幅方向のフィルム温度斑を小さくする点に着目すれば、
延伸工程の熱伝達係数は、0.00377J/cm2
sec・℃(0.0009カロリー/cm2・sec・
℃)以上とすることが好ましい。0.00544〜0.
00837J/cm2・sec・℃(0.0013〜
0.0020カロリー/cm2・sec・℃)がより好
ましい。
【0047】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
の厚みは特に限定するものではないが、例えばラベル用
熱収縮性ポリエステル系フィルムとしては、10〜20
0μmが好ましく、20〜100μmがさらに好まし
い。
【0048】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は、通常、円周方向が最大収縮方向となるように筒状ラ
ベルに加工して用いられる。筒状にするには、フィルム
の端部同士を重ねて接着すればよく、接着方法として
は、超音波、ヒートシール法、溶剤接着法、いずれも採
用可能である。溶剤接着法に用いることのできる溶剤と
しては、環境に与える影響を配慮すれば、非塩素系有機
溶剤が好ましい。前記した好ましい実施態様のフィルム
は溶剤接着性に優れているため、毒性の強い非塩素系有
機溶剤でなくても、強い接着部を形成する。
【0049】使用可能な具体的な溶剤としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香
族炭化水素;フェノール等のフェノール類;テトラヒド
ロフラン等のフラン類;1,3−ジオキソラン等のオキ
ソラン類等の有機溶剤が挙げられ、中でも、安全性の観
点から、テトラヒドロフランや1,3−ジオキソランを
使用することが望ましい。
【0050】
【実施例】以下、以下実施例によって本発明をさらに詳
述するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する場合
は、本発明に含まれる。なお、実施例および比較例で得
られたフィルムの物性の測定方法は、以下の通りであ
る。
【0051】(1)フィルム組成 フィルムを、クロロホルムD(ユーリソップ社製)とト
リフルオロ酢酸D1(ユーリソップ社製)を10:1
(体積比)で混合した溶媒に溶解させて、試料溶液を調
製し、NMR(「GEMINI−200」;Varia
n社製)を用いて、温度23℃、積算回数64回の測定
条件で試料溶液のプロトンのNMRを測定した。NMR
測定では、所定のメチレンプロトンのピーク強度を算出
して、フィルムを構成するモノマーの構成比率を算出し
た。
【0052】(2)熱収縮率 フイルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、95
℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬し
て熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に10秒浸
漬した後、試料の縦および横方向の長さを測定し、下記
式に従って求めた値である。 熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長
さ)÷(収縮前の長さ) 最も収縮率の大きい方向を最大収縮方向とした。
【0053】(3)溶剤接着性 フィルムを紙管に巻いた状態で雰囲気温度30℃±1
℃、相対湿度85±2%に制御した恒温恒湿機内に25
0時間放置した後、取り出して、東洋インキ製造社製の
草色、金色、白色のインキで3色印刷した後、センター
シールマシンを用いて、テトラヒドロフランを用いて溶
剤接着して最大収縮方向が円周方向となるようにチュー
ブを作り、二つ折り状態で巻き取った。このチューブロ
ールを、温度23±1℃、相対湿度65±2%の恒温恒
湿機内に24時間放置後、取り出して、巻き返し、接着
性をチェックした。接着部分が抵抗なく手で容易に剥が
れるものを×、軽い抵抗感をもって手で剥がれるものを
△、手で容易に剥がれないものを○として評価した。○
が合格である。
【0054】(4)収縮仕上がり性 上記溶剤接着性評価のために製造したチューブを裁断し
て熱収縮性ポリエステル系フィルムラベルを作成した。
溶剤接着ができなかったものについては、ヒートシール
を行ってラベルを作成した。次いで、容量300mlの
ガラス瓶にラベルを装着した後、160℃(風速10m
/秒)の熱風式熱収縮トンネルの中を13秒間通過させ
て、ラベルを収縮させた。収縮白化と収縮斑の程度を目
視で判断し、収縮仕上がり性を5段階で評価した。基準
は、5:仕上がり性最良、4:仕上がり性良、3:収縮
白化または収縮斑少し有り(2ヶ所以内)、2:収縮白
化または収縮斑有り(3〜5ヶ所)、1:収縮白化また
は収縮斑多い(6ヶ所以上)として、4以上を合格レベ
ル、3以下のものを不良とした。
【0055】(5)フィルムのヘーズ 温度30℃、相対湿度85%の環境下で熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムを2週間保存する。次いで、このフィ
ルムを用い、(3)と同様にしてチューブ状ラベルを作
成し、このラベルをガラス瓶に被せて、(4)の熱風式
熱収縮トンネルのなかを通過させて、160℃の熱風
(風速10m/秒)を13秒当てて熱収縮させる。この
熱収縮後のラベル(ラベルサンプル数10)をガラス瓶
から剥がし、フィルム試料を切り出す。収縮斑や白化部
分があれば、特にその部分が含まれるように試料を切り
出す。これらのフィルム試料について、JIS K 7
136に則ってヘーズを測定し、平均値を求めた。
【0056】合成例1(ポリエステルの合成) 撹拌機、温度計および部分環流式冷却器を備えたステン
レススチール製オートクレーブに、多価カルボン酸成分
としてジメチルテレフタレート(DMT)100モル%
と、多価アルコール成分として、エチレングリコール
(EG)を99モル%閉じエチレングリコール1モル%
を、多価アルコール成分がモル比でメチルエステルの
2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として
酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)と、生成
するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応
を行った。その後、重縮合触媒として三酸化アンチモン
0.025モル%(酸成分に対して)添加し、280℃
で26.7Paの減圧条件の下で重縮合反応を行い、固
有粘度0.70dl/gのポリエステルAを得た。
【0057】合成例2〜4 合成例1と同様な方法により、表1に示すポリエステル
B〜Dを得た。なお、表中、NPGがネオペンチルグリ
コール、CHDMが1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、BDが1,4−ブタンジオールである。それぞれの
ポリエステルの固有粘度は、Bが0.72dl/g、C
が0.80dl/g、Dが1.15dl/gであった。
各ポリエステルを適宜チップ状にした。
【0058】
【表1】
【0059】実施例1 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを4質量%、チップBを3
5質量%、チップCを45質量%、チップDを16質量
%の割合で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押出
しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィル
ムを得た。この未延伸フィルムを75℃で10秒間予熱
した後、テンターで横方向に69℃で4.0倍延伸し、
続いて84℃で14秒間緊張状態で熱処理を行い、さら
に66℃で12秒間緊張状態で熱処理を行って、厚さ4
5μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。得ら
れたフィルムの物性値を表2に示す。
【0060】実施例2 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを17質量%、チップBを
11質量%、チップCを56質量%、チップDを16質
量%の割合で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押
出しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィ
ルムを得た。この未延伸フィルムを78℃で10秒間予
熱した後、テンターで横方向に71℃で4.0倍延伸
し、続いて80℃で14秒間緊張状態で熱処理を行い、
さらに53℃で12秒間緊張状態で熱処理を行って、厚
さ45μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表2に示す。
【0061】比較例1 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを37質量%、チップBを
58質量%、チップDを5質量%の割合で混合し、28
0℃で単軸式押出機で溶融押出しし、その後急冷して、
厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フ
ィルムを75℃で10秒間予熱した後、テンターで横方
向に71℃で4.0倍延伸し、続いて81℃で14秒間
緊張状態で熱処理を行い、さらに43℃で12秒間緊張
状態で熱処理を行って、厚さ45μmの熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムを得た。得られたフィルムの物性値を
表2に示す。
【0062】比較例2 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを19質量%、チップCを
62質量%、チップDを19質量%の割合で混合し、2
80℃で単軸式押出機で溶融押出しし、その後急冷し
て、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。この未延
伸フィルムを74℃で10秒間予熱した後、テンターで
横方向に70℃で4.0倍延伸し、続いて76℃で14
秒間緊張状態で熱処理を行い、さらに41℃で12秒間
緊張状態で熱処理を行って、厚さ45μmの熱収縮性ポ
リエステル系フィルムを得た。得られたフィルムの物性
値を表2に示す。
【0063】比較例3 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを55質量%、チップBを
8質量%、チップCを27質量%、チップDを10質量
%の割合で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押出
しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィル
ムを得た。この未延伸フィルムを83℃で10秒間予熱
した後、テンターで横方向に71℃で4.0倍延伸し、
続いて70℃で14秒間緊張状態で熱処理を行い、さら
に、43℃で12秒間緊張状態で熱処理を行って、厚さ
45μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。得
られたフィルムの物性値を表2に示す。
【0064】比較例4 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを35質量%、チップBを
8質量%、チップCを27質量%、チップDを30質量
%の割合で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押出
しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィル
ムを得た。この未延伸フィルムを83℃で10秒間予熱
した後、テンターで横方向に71℃で4.0倍延伸し、
続いて70℃で14秒間緊張状態で熱処理を行い、さら
に、43℃で12秒間緊張状態で熱処理を行って、厚さ
45μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。得
られたフィルムの物性値を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィル
ムは、収縮時に、収縮白化や収縮斑、シワ、歪み、タテ
ヒケ等の不良の発生が極めて少なく、美麗な収縮仕上が
り外観を得ることができた。特に、経時促進条件の的確
な把握によって耐破れ性に優れたフィルムを見出すこと
ができた。さらに本発明の熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムは溶剤接着性にも優れており、収縮ラベル、キャッ
プシール、収縮包装等の用途に好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多保田 規 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 (72)発明者 永野 煕 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 4F071 AA44 AA45 AA46 AA88 AF30 AF36 AF58 AF61 AH04 AH06 BA01 BB06 BB07 BC01 4J029 AA03 AB07 AD01 AE03 BA03 BA04 BA05 BA07 BA09 BA10 BD04A BF09 BF18 BF23 BF24 CA02 CA04 CA05 CA06 CB03A CB05A CB05B CB06A CC05A CC06A JA081 JA091 JA111 JA121 JA231 JA251 JA261 JC411 JC481 JC531 JC571 JC581 JE182 JF021 JF031 JF041 JF131 JF141 JF151 JF161 KB05 KB25 KE02 KE03 KE05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱収縮性ポリエステル系フィルムにおい
    て、 10cm×10cmの正方形状に切り取った熱収縮性ポ
    リエステル系フィルムの試料を、95℃の温水中に10
    秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬
    して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が50%
    以上であり、 温度30℃、相対湿度85%の環境下で熱収縮性ポリエ
    ステル系フィルムを2週間保存し、この保存後のフィル
    ムを所定条件で熱収縮させた後のフィルムのヘーズが1
    0%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル
    系フィルム。
  2. 【請求項2】 熱収縮性ポリエステル系フィルムにおい
    て、多価アルコール成分のうち、1,4−シクロヘキサ
    ンジメタノール成分が10モル%以上、ネオペンチルグ
    リコール成分が2モル%以上であり、かつ、1,4−シ
    クロヘキサンジメタノール成分とネオペンチルグリコー
    ル成分の合計量が12〜40モル%である請求項1に記
    載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】 上記多価アルコール成分には、さらに、
    1,4−ブタンジオール成分が2モル%以上含まれてい
    る請求項1または2に記載の熱収縮性ポリエステル系フ
    ィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112789155A (zh) * 2018-10-08 2021-05-11 伊士曼化工公司 由反应器级树脂制成的可结晶收缩膜和可热成形片材
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